当社は、2026年4月9日開催の取締役会において、当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)を併合すること
(以下「本株式併合」といいます。)を目的とする、2026年5月21日開催予定の当社臨時株主総会(以下「本臨時株主総
会」といいます。)を招集することを決議いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の4の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。
1.株式併合を行う目的及び理由
当社が、2026年2月4日付で公表いたしました「ブラザー工業株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する賛同の意見表明及び応募推奨のお知らせ」(以下「本意見表明プレスリリース」といいます。)に記載のとおり、ブラザー工業株式会社(以下「公開買付者」といいます。)は、当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することにより、当社を完全子会社化することを目的とした一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、2026年2月5日から2026年3月23日までの30営業日を公開買付けに係る買付け等の期間(以下「本公開買付期間」といいます。)とする公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)を実施いたしました。
そして、当社が2026年3月24日付で公表いたしました「ブラザー工業株式会社による当社株式に対する公開買付けの結果並びに親会社、主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ」に記載のとおり、公開買付者は2026年2月5日から2026年3月23日まで本公開買付けを行い、その結果、2026年3月30日(本公開買付けの決済の開始日)をもって、当社株式4,039,103株(所有割合(注1)88.01%)を所有するに至りました。
(注1)「所有割合」とは、当社が2026年2月4日付で公表いたしました「2026年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」に記載された2025年12月31日現在の当社の発行済株式総数(5,054,818株)から、当社が所有する同日現在の自己株式数(465,174株)を控除した株式数(4,589,644株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入。以下、所有割合の計算において同じです。)をいいます。
本取引の目的及び背景の詳細は、本意見表明プレスリリースにおいてお知らせしたとおりですが、以下改めてその概要を申し上げます。なお、以下の記載のうち、公開買付者に関する記述については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
(1)検討体制の構築の経緯
当社は、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「②公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅰ)本公開買付けの背景」に記載の経営環境の下において、当社として企業価値の向上に向けた様々な経営戦略の検討を進める中、2024年11月から同年12月にかけて行われた、日本国内の上場企業・未公開企業等を対象とした独立系プライベートエクイティ投資会社であるインテグラル株式会社(以下「インテグラル」といいます。)が子会社を介して管理・運用している、2026年2月5日時点において、(ⅰ)当社の第10位株主であるTCS-1投資事業有限責任組合(以下「TCS-1」といいます。)(所有株式数:39,014株、所有割合:0.85%)、(ⅱ)当社の筆頭株主であるTCS-2投資事業有限責任組合(以下「TCS-2」といいます。)(所有株式数:741,179株、所有割合:16.15%)、(ⅲ)当社の第3位株主であるティー・シー・エス・スリー・エル・ピー(TCS-3 L.P.)(以下「TCS-3」といいます。)(所有株式数:408,498株、所有割合:8.90%)、(ⅳ)当社の第2位株主であるティー・シー・エス・フォー・エル・ピー(TCS-4 L.P.)(以下「TCS-4」といい、TCS-1、TCS-2、TCS-3及びTCS-4を総称して、以下「TCSファンド」といいます。)(所有株式数:432,827株、所有割合:9.43%)及び(ⅴ)当社の取締役である髙山芳之氏及びその実弟である髙山正大氏がそれぞれ50%(間接所有を含みます。)の議決権を所有する、当社の第4位株主である豊栄実業株式会社(注2)(以下「豊栄実業」といい、TCSファンド及び豊栄実業を総称して、以下「本応募合意株主」といいます。)(所有株式数:291,350株、所有割合:6.35%)による当社株式に対する公開買付け(以下「2024年公開買付け」といいます。)及び2024年公開買付けに伴う当社株主構成の変化を受けて、インテグラルによる将来的な当社株式の売却可能性も踏まえて、当社の長期的な企業価値向上を見据えた外部の経営資源の活用を目的に、当社の企業価値向上に資する協業パートナーを能動的に検討することが有効と考え、2025年5月より資本提携の検討を本格化させ、同年6月より公開買付者を含む複数の事業会社との面談を行いました。面談した事業会社の一部から当社株式の非公開化を前提とする協業(以下「本協業」といいます。)について前向きな反応を受領したことを踏まえ、子会社を介してTCSファンドを管理・運用しているインテグラルと同年6月に実施した面談において、本協業の検討状況を伝えた上で、TCSファンドが所有する当社株式の保有意向を確認したところ、インテグラルが、TCSファンドが所有する当社株式の全てを将来的に売却する意向を持っており、当社の企業価値向上に向けた本協業の検討を進めることについても異存ないことを確認いたしました。
(注2)豊栄実業は、2024年公開買付けにおいて、TCSファンドと共同して公開買付けを実施しました。
インテグラルの意向確認後、当社は本協業の検討を本格化させることに伴い、2025年7月23日開催の当社取締役会において、野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)及び西村あさひ法律事務所・外国法共同事業(以下「西村あさひ」といいます。)について、当社、本候補先(以下に定義します。以下同じです。)、インテグラル及び本応募合意株主(以下、総称して「本取引関係者」といいます。)からの独立性に問題がないことを確認の上、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券を、リーガル・アドバイザーとして西村あさひをそれぞれ選任いたしました。当社は、公開買付者の連結子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による従属会社の買収には該当しないものの、本取引が当社の2026年2月5日時点において筆頭株主であるTCS-2を含むTCSファンドが所有する当社株式の取得を前提とする取引であり、同日時点において当社株式を1,621,518株(所有割合35.33%)所有するTCSファンド及び当社株式を291,350株(所有割合:6.35%)所有する豊栄実業と当社の少数株主の利害が必ずしも一致しない可能性があること等により、当社における本取引の検討の過程において潜在的な利益相反の問題及び少数株主との間の情報の非対称性の問題がないとは言い切れないことに鑑み、西村あさひの助言を踏まえ、本取引の意思決定の過程における恣意性を排除し、公正性、透明性及び客観性を担保することを目的として、本取引関係者及び本取引の成否から独立した委員(当社の独立社外取締役である坂本弘子氏、当社の独立社外取締役である黒井義博氏、当社の独立社外取締役である大坪和敏氏(馬場・澤田法律事務所弁護士)の3名。)から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置することを決議しました。また、本特別委員会は同日開催された特別委員会にて、本取引関係者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券を、リーガル・アドバイザーとして西村あさひを選任することについて、その独立性と専門性等に問題がないことを確認の上、それぞれの選任を承認いたしました。
(2)検討・交渉の経緯
上記「(1)検討体制の構築の経緯」のとおり検討体制を構築したうえで、当社は、野村證券から当社株式の価値算定結果に関する報告、公開買付者との交渉方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を受けるとともに、西村あさひから本取引における手続の公正性を確保するための対応についてのガイダンスその他の法的助言を受け、これらを踏まえ、本特別委員会の意見の内容を最大限尊重しながら、本取引の是非及び取引条件の妥当性について慎重に協議及び検討を行ってまいりました。
具体的には、当社は、当社株主の皆様の利益最大化及び当社の企業価値の更なる向上の観点から、当社株式の取得に関心を示しかつ当社企業価値向上に資すると考えられる複数の候補先を対象とする当社株式の全てを対象とする公開買付け及び当社の株主を公開買付者のみとし、当社を完全子会社化するための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を通じた当社株式の非公開化に係る入札プロセス(以下「本入札プロセス」といいます。)を実施した上で当社の株主となるパートナーを決定するのが望ましいと判断し、2025年7月23日に開催された特別委員会で本特別委員会と協議した上で、本入札プロセスを開始いたしました。
同年7月下旬より、公開買付者を含む複数の事業会社及び投資ファンドの合計6社(以下「本候補先」といいます。)に対して、当社株式の非公開化を前提とする公開買付けの実施に関する法的拘束力を有さない提案を求める2025年10月8日を法的拘束力のない第一次意向表明書の提出期限とした第一次入札プロセス(以下「本第一次入札プロセス」といいます。)への参加について打診し、その結果、事業会社2社及びファンド1社が本入札プロセスへの参加に関心を示していることを確認したことから、同年8月下旬より、本第一次入札プロセスを開始し、同年10月上旬、公開買付者を含む2社から意向表明書を受領しました。
そこで、当社は、各候補先から受領した意向表明書の内容に基づき、各候補先における当社に対する理解、当社の株式価値に対する評価、当社の業容拡大につながる施策、取得ストラクチャー等について慎重に比較検討を行い、同月17日に、意向表明書を提出した事業会社2社に対して、2025年12月3日を本取引に関する法的拘束力のある意向表明書(以下「最終意向表明書」といいます。)の提出期限とした第二次入札プロセス(以下「本第二次入札プロセス」といいます。)への参加を打診し、公開買付者を含む本第二次入札プロセスに進む候補先(以下「本第二次候補先」といいます。)として選定しました。その後、当社は同月22日より、本第二次入札プロセスを開始し、本第二次候補先に対して同日から同年11月下旬まで、当社経営陣へのインタビューを含むデュー・ディリジェンスの機会を提供しました。そして、同年12月3日に、本第二次候補先の全てから法的拘束力のある最終意向表明書を受領しました。なお、当社は、同日に、本第二次候補先全てから最終意向表明書を受領しておりますが、その後、当社と本第二次候補先全てとの間でそれぞれ面談を実施し、当該面談において、本取引後の当社の企業価値向上につながる施策、本取引の前提条件について議論を実施しました。そして同月19日付で、当社の一般株主の利益を最大限追求する観点から本第二次候補先に対し、同月23日までに本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)の引き上げ及び本件の前提条件の変更を含む諸条件の再提案を行うことを要請いたしました。そして、同月23日に、本第二次候補先の全てから最終意向表明書の再提出(以下「12月23日付提案」といいます。)を受けました。その結果、当社は、当社のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券からの助言、及び当社のリーガル・アドバイザーである西村あさひの助言を踏まえ、当社の株式価値、本取引実施後の事業戦略の方向性、シナジー効果、従業員の処遇及びガバナンス体制、本取引実施後における経営方針、競争法に基づくクリアランス取得等の手続の確実性等の観点から慎重に協議及び検討した結果、2025年12月23日に、上記観点から公開買付者の提案が最善であり、また、本第二次入札プロセスに参加した本第二次候補先のうち、公開買付者から提示された本公開買付価格は7,280円と最も高額であったことも踏まえ、公開買付者を最終候補先として選定することが、当社の一般株主の利益最大化と今後の当社の更なる企業価値向上に資すると判断し、公開買付者に対して最終候補先に選定した旨を通知いたしました。
なお、当社より、2025年12月23日の最終候補先の決定後に最終候補先以外の本第二次候補先の1社(以下「候補先A」といいます。)に対し、候補先Aとは異なる候補先を最終候補先に選定した旨、及び、候補先Aの本入札プロセスへの参加は終了した旨を通知いたしました。その後、同日中に候補先Aから、最終意向表明書の更新版として本公開買付価格が変更されたもの(以下「本入札プロセス後価格提案」といいます。)を受領いたしました。本入札プロセス後価格提案に記載の本公開買付価格は7,625円であり、公開買付者の12月23日付提案に記載の本公開買付価格を上回っておりました。もっとも、当社より、本入札プロセスの公正性の観点から、本入札プロセスが終了していること等を説明しつつ再度意向を確認したところ、同月25日に、候補先Aより正式に本入札プロセス後価格提案の取り下げを行う旨の連絡を受領いたしました。一方で、これに関連して、株主利益の最大化の観点から、当社は本入札プロセス後価格提案を踏まえた公開買付者への本公開買付価格引き上げ要請について協議し、2025年12月26日に公開買付者に対して、本公開買付価格を、本入札プロセス後価格提案に記載された7,625円を上回る価格まで引き上げることを要請いたしました。そして、同月29日に、公開買付者から本公開買付価格を7,626円とすることを含む最終意向表明書の再提出(以下「12月29日付提案」といいます。)を受けました。
その後、当社は、2026年1月9日開催の特別委員会において、本特別委員会が公開買付者に対して、本取引の目的や意義、想定されるシナジーについて確認を行うインタビューを実施することとし、同月19日にインタビューを実施いたしました。また同日開催の特別委員会において、本特別委員会は公開買付者の提案について協議を行いました。公開買付者の提示価格は一般株主に十分配慮された水準であることを確認しつつも、株主利益の最大化を図る観点から、本特別委員会は同日公開買付者に対して、本公開買付価格の引き上げを依頼いたしました。その結果、本特別委員会は、同月23日に、公開買付者から、真摯に再検討をした結果、本公開買付価格を7,626円とする提案を維持する旨の回答を受領いたしました。本特別委員会は公開買付者の回答について協議を行い、本公開買付価格の7,626円は少数株主に十分配慮された水準であること、及び公開買付者は本公開買付価格を引き上げた12月29日付提案で7,626円からの引上げ余地がないことを既に明示していたことを踏まえ、更なる価格の引き上げ要請は行わないことといたしました。当社及び本特別委員会は、2026年2月3日、本公開買付価格を7,626円とする12月29日付提案について検討し、(ⅰ)本入札プロセスを通じて競争環境が醸成された中で提案された価格であること、(ⅱ)野村證券による当社株式の株式価値の試算結果のうち、市場株価平均法による試算結果の上限額を上回り、また類似会社比較法による試算結果のレンジの中央値を上回り、その範囲内の水準であることとともに、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)による試算結果のレンジの範囲内にあることを踏まえ、公開買付者に対して、当社としての本取引に対する最終的な意思決定は2026年2月4日に開催予定の取締役会での決議によることを前提として、公開買付者の提案を応諾する旨の回答を行いました。
その他の本取引の経緯の詳細につきましては、本意見表明プレスリリース及び当社が2026年3月24日付で公表いたしました「ブラザー工業株式会社による当社株式に対する公開買付けの結果並びに親会社、主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ」も併せてご参照ください。
(3)判断内容
以上の検討・交渉過程において、当社は、西村あさひから、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他留意点について、必要な法的助言を受けるとともに、本特別委員会から、2026年2月4日付で、答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けております(本答申書の概要については、下記「3.会社法第234条の規定により一に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(4)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「④当社における独立した特別委員会の設置及び当社における特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。その上で、当社は、2026年2月4日開催の当社取締役会において、西村あさひから受けた法的助言、野村證券から受けた財務的見地からの助言及び2026年2月4日付で野村證券から提出を受けた当社株式の価値算定結果に係る株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(野村證券)」といいます。)の内容を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当・公正なものか否かについて、慎重に協議・検討を行いました。その結果、以下のようなシナジーを見込むことができることから、当社としても、公開買付者による本公開買付けを含む本取引を通じた当社の非公開化が当社の企業価値の向上に資するとともに取引条件が妥当・公正なものであるとの結論に至りました。
(ⅰ)当社グループ製品・サービスの競争力強化
当社が2025年8月8日に公表した2028年3月期を最終年度とする「MUTOHグループ 当社中期経営計画(2025年度~2027年度)」で記載のとおり、当社、子会社12社及び非連結子会社1社により構成される企業グループ(以下「当社グループ」といいます。)が事業ポートフォリオの革新による持続的成長性の確保を目指す中において、新規事業の「光応用事業」の創出・拡大、既存事業の競争力強化・拡大を重点取り組みとして挙げております。公開買付者グループ(公開買付者及びその子会社並びに関連会社を総称していいます。以下同じです。)の研究開発関連の経営資源も活用することにより、当社グループにおける開発能力を更に発展させ、継続的な新製品開発を進めることが可能となるとともに、公開買付者グループが展開する多様な事業、及びそれぞれの事業が保有する多様な独自技術を当社グループが保有する技術と組み合わせることで、当社グループの製品及びサービスの競争力を強化することが可能であると考えております。
(ⅱ)両社の販売・サービスチャネル・顧客基盤の活用による事業規模の拡大
当社は、当社グループと公開買付者グループは、顧客や代理店網が相互補完関係にある可能性が高いと理解しております。また、製品ラインアップの相互補完も可能であると考えており、本取引により、両社グループが協業し、両社グループの製品を相互に販売しサービスチャネルを活用すること等により、更に幅広い顧客へ両社の製品を販売することで、当社グループの売上を拡大することが可能になると考えております。
(ⅲ)効率化によるコスト競争力の強化
当社は、公開買付者グループが有する人的資源、国内外における製造拠点及び調達規模を活用し、人員配置の最適化、共同購買、部品の共通化等を両社で推進することにより、当社グループのコスト競争力を更に向上させることが可能であると考えております。
なお、一般的に、株式の非公開化に伴うデメリットとしては、資本市場からエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、上場会社として当社が享受してきた社会的な信用力及び知名度の向上による優れた人材の確保及び取引先の拡大等に影響を及ぼす可能性が考えられます。もっとも、当社の現在の財務状況を踏まえると、当面の間エクイティ・ファイナンスの必要性は高くなく、また当社グループの社会的な信用力及び知名度の向上による優れた人材の確保及び取引先の拡大等は、事業活動を通じて獲得される部分が大きくなっていることから、仮に当社株式を非公開化しても、本取引を通じた既存株主との資本関係の解消及び公開買付者の完全子会社となることに伴う既存取引の剥落といったデメリットは生じないものと考えており、当社株式の上場を維持することのメリットが大きく損なわれる懸念は小さいと考えております。このように、今後も継続して株式の上場を維持することの意義を見出しにくい状況にあり、加えて近時の上場維持コストの上昇を踏まえると、株式の上場を維持する必要性は相対的に減少していることから、株式の非公開化のメリットはそのデメリットを上回ると考えるに至りました。
また、当社は、以下の点等から、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は公正であり、本公開買付けは、当社の少数株主の皆様に対して合理的なプレミアムを付した価格及び合理的な諸条件により当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
(ア)本公開買付価格は、本第二次入札プロセスにおいて複数の候補者間における競争原理に晒された中で各候補者から提示された価格のうち最も高い価格である7,280円から更なる引き上げが行われた金額であること。
(イ)本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」に記載のとおり、本株式価値算定書(野村證券)における野村證券による当社株式に係る株式価値算定結果において、市場株価平均法により算定された当社株式の1株当たり株式価値のレンジの上限を上回っており、また類似会社比較法による試算結果のレンジの中央値を上回り、その範囲内の水準であることとともに、DCF法により算定された当社株式の1株当たり株式価値のレンジの範囲内であること。
(ウ)本公開買付価格である1株当たり7,626円は、本公開買付けの基準日(原則として公表日の前営業日)である2026年2月3日の株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)スタンダード市場における当社株式の終値の2,962円に対して157.46%、同日までの過去1ヶ月間(2026年1月5日から2026年2月3日まで)の終値単純平均値2,979円(円未満を四捨五入しております。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して155.99%、同日までの過去3ヶ月間(2025年11月4日から2026年2月3日まで)の終値単純平均値2,848円に対して167.77%、同日までの過去6ヶ月間(2025年8月4日から2026年2月3日まで)の終値単純平均値2,757円に対して176.61%のプレミアムをそれぞれ加えた金額であること。当該プレミアム水準について、直近のプレミアムの傾向を参照する観点から2023年1月1日以降に公表され、2026年2月3日までに公開買付けが成立し、決済の開始日が到来している、国内の上場会社を対象とした他社株公開買付けのうち、本取引と類似している事例(上限が付されておらず、対象者の完全子会社化を企図した事例のうち、公表前営業日時点での買付者の特別関係者を含む議決権比率が15%未満の事例(ただし、MBOに該当する事例、複数回に渡る公開買付けを通じたスクイーズアウトを目指す事例、投資法人を対象会社とする事例を除きます。)71件)におけるプレミアム水準(公表日の前営業日の終値、公表前1ヶ月間、公表前3ヶ月間、公表前6ヶ月間の終値単純平均値それぞれからのプレミアムの平均値(それぞれ64.32%、66.88%、69.77%、71.68%)及び中央値(それぞれ53.78%、54.29%、54.55%、56.12%))と比較して、本公開買付価格に係るプレミアム(公表日の前営業日の終値、公表前1ヶ月間、公表前3ヶ月間、公表前6ヶ月間の終値単純平均値それぞれに対して157.46%、155.99%、167.77%、176.61%)は、相当程度プレミアムが付いていると評価できること。
(エ)本公開買付価格は、公開買付者が、本応募合意株主との間の独立当事者間同士の真摯な交渉を経て、応諾を得られた価格であること。
(オ)本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が講じられており、少数株主の利益が確保されていると認められること。
(カ)当社における独立した本特別委員会から取得した本答申書において、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「(ⅲ)本取引における判断内容」に記載のとおり、本公開買付価格を含む本取引の取引条件の公正性・妥当性は確保されていると判断されていること。
(キ)本公開買付期間を法定の最短期間である20営業日より長期の30営業日とすることにより、当社の株主に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会及び公開買付者以外の者にも当社株式の買付け等を行う機会が確保されているといえること。
以上より、当社は、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに本公開買付価格を含む本取引の条件は妥当なものであると判断し、2026年2月4日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同する意見を表明するとともに、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
その後、上記のとおり、本公開買付けが成立しましたが、公開買付者は、本公開買付けにおいて当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することができなかったことから、本意見表明プレスリリースにおいてお知らせいたしましたとおり、当社は公開買付者の要請を受け、2026年4月9日開催の当社取締役会において、本臨時株主総会において株主の皆様のご承認をいただくことを条件として、当社株式573,512株を1株に併合する本株式併合を実施することとし、本株式併合に係る議案を本臨時株主総会に付議することを決議いたしました。本株式併合により、公開買付者以外の株主の皆様の所有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。
2.当該株式併合の割合
当社株式573,512株を1株に併合いたします。
3.会社法第234条の規定により一に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
(1)親会社等がある場合における当該親会社等の以外の株主の利益を害さないように留意した事項
本株式併合は、本公開買付けのいわゆる二段階買収の二段階目の手続として行われるものであるところ、公開買付者が本公開買付けの実施を決定した2026年2月4日時点において、公開買付者は当社株式を所有しておらず、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当しておりませんでした。また、当社の経営陣の全部又は一部が公開買付者に直接又は間接に出資することも予定されておらず、本公開買付けを含む本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)にも該当しておりませんでした。もっとも、公開買付者及び当社は、公開買付者が本取引を通じて当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することにより、当社株式を非公開化することを目的としていること、また、公開買付者は、2026年2月5日時点において当社の主要株主かつ筆頭株主であるTCS-2を含むTCSファンドとの間において、応募契約を締結していること、TCSファンドと共同して2024年公開買付けを行いその代表取締役が当社の取締役を兼任する豊栄実業との間で応募契約を締結していることから、本応募合意株主と当社の少数株主の利害が必ずしも一致しない可能性があることを踏まえて、公開買付者及び当社は、本公開買付価格の公正性を担保するとともに、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するため、下記「(4)本取引の公平性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の措置を実施いたしました。
(2)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理(端数処理)の方法に関する事項
①会社法第235条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由
上記「1.株式併合を行う目的及び理由」に記載のとおり、本株式併合により、公開買付者以外の株主の皆様が所有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。
本株式併合の結果生じる1株未満の端数については、その合計数(会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切捨てられます。以下同じとします。)。)に相当する数の株式を公開買付者へ売却し、その売却によって得られた代金を、端数が生じた株主の皆様に対して、その端数に応じて交付いたします。当該売却について、当社は、本株式併合が、当社の株主を公開買付者のみとすることを目的とする本取引の一環として行われるものであること、また、当社株式が2026年6月10日に上場廃止となる予定であり、市場価格のない株式になることから、競売によって買受人が現れる可能性は低いと考えられることに鑑み、会社法第235条第2項の準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所の許可を得て、当該端数の合計数に相当する当社株式を公開買付者に売却することを予定しております。
この場合の売却額は、上記裁判所の許可が予定どおり得られた場合には、本株式併合の効力発生日の前日である2026年6月11日の当社の最終の株主名簿に記載又は記録された株主の皆様が所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である7,626円を乗じた金額に相当する金銭が交付されるような価格に設定することを予定しております。ただし、裁判所の許可が得られない場合や計算上の端数調整が必要な場合等においては、実際に交付される金額が上記金額と異なる場合もあります。
②売却に係る株式を買い取る者となると見込まれる者の氏名又は名称
ブラザー工業株式会社
③売却に係る株式を買い取る者となると見込まれる者が売却に係る代金の支払のための資金を確保する方法及び当該方法の相当性
公開買付者は、本株式併合により生じる端数の合計数に相当する当社株式の取得に係る資金については、手元資金により賄うことを予定しているとのことです。
当社は、本取引の実行手続において、公開買付者が2026年2月5日に提出した公開買付届出書及びそれに添付された預金残高証明書を確認することによって、公開買付者により資金が確保されていることを確認しております。また、公開買付者によれば、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却代金の支払に支障を及ぼす事象は発生しておらず、今後発生する可能性も認識していないとのことです。
したがって、当社は、公開買付者による端数相当株式の売却に係る代金の支払のための資金を確保する方法は相当であると判断しております。
④売却する時期及び売却により得られた代金を株主に交付する時期の見込み
当社は、2026年6月下旬を目途に、会社法第235条第2項の準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所に対して、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式を売却し、公開買付者において当該当社株式を買い取ることについて許可を求める申立てを行うことを予定しております。当該許可を得られる時期は裁判所の状況等によって変動しますが、当社は当該裁判所の許可を得て、同年7月上旬を目途に公開買付者において買い取りを行う方法により、当該当社株式を売却し、その後、当該売却によって得られた代金を株主の皆様に交付するために必要な準備を行った上で、2026年8月上旬から同年9月上旬を目途に、当該売却代金を株主の皆様に交付することを見込んでおります。
当社は、本株式併合の効力発生日から売却に係る一連の手続に要する期間を考慮し、上記のとおり、それぞれの時期に、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却が行われ、また、当該売却代金の株主の皆様への交付が行われるものと判断しております。なお、当該売却代金は、本株式併合の効力発生日の前日である2026年6月11日時点の当社の最終の株主名簿に記載又は記録された株主の皆様に対し、当社による配当財産の交付の方法に準じて交付する予定です。
(3)株式併合に係る端数処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の相当性に関する事項
端数処理により株主の皆様に交付することが見込まれる金銭の額は、上記「(2)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理(端数処理)の方法に関する事項」の「①会社法第235条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由」に記載のとおり、株主の皆様の所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である7,626円を乗じた金額となる予定です。
当社は、本公開買付価格について、上記「1.株式併合を行う目的及び理由」の「(3)判断内容」に記載のとおり、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに本公開買付価格を含む本取引の条件は妥当なものであると判断しました。
また、当社は、2026年2月4日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する決議をした後、本臨時株主総会の招集を決議した取締役会の開催時点に至るまでに、本公開買付価格の算定の基礎となる諸条件に重大な変更が生じていないことを確認しております。
以上より、当社は、端数処理により株主の皆様に交付することが見込まれる金銭の額については、相当であると判断しております。
(4)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置
以下の記載のうち公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。なお、公開買付者は、2026年2月5日時点において本応募合意株主が当社株式1,912,868株(所有割合:41.68%)を所有しているところ、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立が不安定なものとなり、かえって本公開買付けに応募することを希望する少数株主の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定していないとのことです。
もっとも、公開買付者及び当社において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置として、以下の措置を実施していることから、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えております。
①入札手続の実施
上記「1.株式併合を行う目的及び理由」の「(2)検討・交渉の経緯」に記載のとおり、当社は本入札プロセスを実施し、幅広く当社の戦略的選択肢の提案を受ける機会を確保しております。
②当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、本取引関係者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券に対して、同社からの、当社の株式価値の算定を依頼し、2026年2月4日付で、本株式価値算定書(野村證券)を取得いたしました。
野村證券は、本取引関係者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。また、本特別委員会は、初回の会合において、野村證券の独立性及び専門性に問題がないことを確認した上で、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認しております。なお、当社は、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置が講じられており、本取引に係る公正性が十分に担保されていると判断したことから、野村證券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。
なお、本取引に係る野村證券の報酬は、本公開買付けの成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれておりますが、当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案の上、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないとの判断から、上記報酬体系により野村證券を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選定いたしました。
(ⅱ)算定の概要
野村證券は、当社の財務状況、当社株式の市場株価の動向等について検討を行った上で、多面的に評価することが適切であると考え、複数の株式価値算定手法の中から採用すべき算定手法を検討した結果、当社株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価平均法、当社と比較的類似する事業を営む上場会社が存在し、類似会社との比較による株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法及び当社の将来の事業活動の状況を算定に反映させるためにDCF法の各手法を用いて当社株式1株当たりの価値算定を行い、当社は、2026年2月4日付で野村證券より本株式価値算定書(野村證券)を取得しました。
本株式価値算定書(野村證券)によると、上記各手法に基づいて算定された当社の1株当たり株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価平均法:2,757円~2,979円
類似会社比較法:4,274円~9,095円
DCF法:6,309円~10,133円
市場株価平均法では、本公開買付けの公表日の前営業日である2026年2月3日を基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日の終値2,962円、同日までの直近5営業日の終値の単純平均値2,972円、同日までの直近1ヶ月間の終値の単純平均値2,979円、同日までの直近3ヶ月間の終値の単純平均値2,848円、同日までの直近6ヶ月間の終値の単純平均値2,757円を基に、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を2,757円から2,979円と算定しております。
類似会社比較法では、当社と類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて当社の株式価値を算定し、4,274円から9,095円と算定しております。
DCF法では、本取引の取引条件の妥当性を検討することを目的として、当社が足元の収益環境及び当社の業績等を踏まえて株式価値算定時点で合理的に予測可能な期間を対象期間として作成した2026年3月期(2025年10月以降)から2028年3月期までの3期分の事業計画(以下「本事業計画」といいます。)や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2026年3月期第4四半期以降において創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値を評価し、更に当社が保有する現金同等物や有利子負債等の価値を加減算する等の財務上の一定の調整を行って、株式価値を分析し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を6,309円から10,133円と算定しております。
野村證券がDCF法で算定の前提とした当社財務予測には、大幅な増減益及びフリー・キャッシュ・フローの大幅な増減を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2026年3月期においては、2026年2月4日付で公表したMUTOH池尻ビルの売却による大幅な増益及びフリー・キャッシュ・フローの増加を見込んでいる一方で、2027年3月期においてはMUTOH池尻ビルの売却の影響が剥落すること及び事業ポートフォリオ革新に向けた投融資の実施による大幅な減益及び諏訪事業所の新棟建設工事に関する設備投資によるフリー・キャッシュ・フローの減少を見込んでおります。また、2028年3月期においても、引き続き諏訪事業所の新棟建設工事に関する設備投資は継続しているものの、海外事業の収益改善や新規事業である「光応用事業」の立ち上がり、投融資金額の減少に伴い、大幅な増益及びフリー・キャッシュ・フローの増加を見込んでおります。
また、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、株式価値算定時点において具体的に見積もることが困難であるため、当該財務予測には加味しておらず、これを算定の基礎とした野村證券による算定にも盛り込まれておりません。なお、本事業計画については、本特別委員会が、その内容及び作成経緯等について当社との間で質疑応答を行い、当社の少数株主の利益に照らして不合理な点がないことを確認しております。
③当社における独立した法律事務所からの助言
当社は、当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するために、本取引関係者から独立したリーガル・アドバイザーとして西村あさひを選任し、本公開買付け及びその後の一連の手続に対する当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の意思決定にあたっての留意点に関する法的助言を受けております。なお、西村あさひは、本取引関係者の関連当事者には該当せず、また西村あさひの報酬体系は、本公開買付けの成立如何によって成功報酬が発生する体系とはなっておらず、本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。更に、本特別委員会において、西村あさひの独立性に問題がないことが確認されております。
④当社における独立した特別委員会の設置及び当社における特別委員会からの答申書の取得
(ⅰ)本取引における設置等の経緯
上記「1.株式併合を行う目的及び理由」の「(1)検討体制の構築の経緯」に記載のとおり、当社は、本取引の意思決定の過程における恣意性を排除し、公正性、透明性及び客観性を担保することを目的として、2025年7月23日開催の当社取締役会において、本特別委員会全体としての知識・経験・能力のバランスを確保しつつ適正な規模をもって本特別委員会を構成するべく、本取引関係者及び本取引の成否から独立した委員(当社の独立社外取締役である坂本弘子氏、当社の独立社外取締役である黒井義博氏、当社の独立社外取締役である大坪和敏氏(馬場・澤田法律事務所弁護士)の3名)によって構成される本特別委員会を設置することを決議いたしました。
そして、当社は、本特別委員会に対して、①本取引の目的の合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む)、②本取引の取引条件の公正性・妥当性、③本取引に係る手続の公正性、④本取引を行うことの当社の一般株主にとっての公正性、⑤本公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非を諮問し、これらの点についての答申書を当社に提出することを委嘱いたしました。なお、当社から公開買付者に対し、本応募合意株主との間の契約交渉状況を確認し、公開買付者と本応募合意株主との間において、本取引の実施後に、本応募合意株主が当社の株主として残存することを予定した合意がなされない想定であることを確認したことから、本取引が東京証券取引所の有価証券上場規程に定めるMBO等に該当しないことが明らかになったことを踏まえ、当社は、2026年1月28日開催の取締役会において、上記の諮問事項④について、「本取引を行うことの当社の一般株主にとっての公正性」から「本取引を行うことが当社の少数株主にとって不利益なものではないか」に変更をしております(以下、変更後の諮問事項を総称して、「本諮問事項」といいます。)。また、当社取締役会は、(ア)当社取締役会における本取引に関する意思決定は、上記委嘱に基づく本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行うこととすること及び(イ)本特別委員会が本取引に係る取引条件が妥当でないと判断した場合、当社取締役会は当該取引条件による本取引に賛同しないことを決議するとともに、本特別委員会に対し、(ア)本特別委員会のファイナンシャル・アドバイザー、リーガル・アドバイザー、第三者算定機関、その他のアドバイザー(以下「アドバイザー等」といいます。)を選任し、又は当社のアドバイザー等を指名しもしくは承認(事後承認を含みます。)する権限、(イ)本特別委員会が必要と認める者に本特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求めること、(ウ)本取引の取引条件等の交渉を行うことの権限を付与することを決議いたしました。
なお、委員による互選の結果、大坪和敏氏が本特別委員会の委員長に選任されております。また、本特別委員会の委員は設置当初から変更されておりません。なお、本特別委員会の委員の報酬は、答申内容にかかわらず、固定額の報酬とされており、本取引の成否等を条件に支払われる成功報酬は採用しておりません。
(ⅱ)本取引における検討の経緯
本特別委員会は、2025年7月23日から2026年2月3日までの間に計13回、合計約15時間にわたって開催され、本諮問事項についての協議及び検討を行ったほか、各会議間においても、本特別委員会の委員の間で随時電子メール等による意見交換を行いました。
具体的には、本特別委員会は、当社、野村證券、及び西村あさひから、本取引の背景・経緯、当社の事業概要、本取引のストラクチャー、各アドバイザーの独立性、本入札プロセスの概要及び状況、公開買付者の選定手続の確認、本公開買付価格の算定手法の合理性、公開買付者との間の協議・交渉の経緯及び内容(公開買付者と本応募合意株主の間の協議・交渉の内容も含みます。)等について適時に報告・説明を受けた上で、本特別委員会において検討を行っております。
また、本特別委員会は、当社から本事業計画の説明を受け、質疑応答を行った上で本事業計画の合理性について確認を行い、その上で当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券から、当社株式の株式価値算定に係る算定手法及び結果に関する説明を受け、質疑応答及び審議・検討を行った上で、その合理性を確認しております。加えて、当社のリーガル・アドバイザーである西村あさひから、当社における本公開買付けを含む本取引に関する意思決定にあたっての留意点に関して当社が同事務所から得た法的助言の内容についても説明を受け、検討を行っております。
なお、本特別委員会は、本入札プロセスにおいて、当社、野村證券、及び西村あさひから、適宜その状況について報告を受け、本第二次入札プロセスへの参加を打診する第二次候補先の選定に関する当社の判断の合理性、及び本第二次入札プロセスに参加した本第二次候補先から受領した最終意向表明書及び12月23日付提案を基に、公開買付者を最終候補先として選定することに関する当社の判断の合理性について確認したとのことで、その内容を審議・検討し意見を述べることにより、本第二次候補先及び最終候補先の選定等の重要な局面において実質的に関与しております。
(ⅲ)本取引における判断内容
本特別委員会は、以上の経緯で本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、2026年2月4日、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、本諮問事項につき大要以下を内容とする本答申書を提出しております。
(a)本取引の目的の合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)に関する事項について
(ア)本取引の目的等
当社の事業内容に照らして、当社が、当社の経営環境及び経営課題について、主力事業である情報画像関連機器事業及び情報サービス事業において、市場全体の縮小や中国メーカーの台頭、人件費高騰により、競争が激しさを増しており、中核事業である大判インクジェットプリンター事業において、販売台数がここ数年減少傾向にあるなどの厳しい経営環境下において、将来にわたる継続的かつ安定した利益確保と株主の皆様、当社グループの従業員、取引先、社会等の各ステークホルダーに対する適正な配分のできる企業グループの確立へ向け、グループ経営の根幹をなす既存事業の強化、すなわち、製品・技術力の強化と原価力の強化等の構造改革が必要不可欠と考えている点について不合理な点は認められない。
そして、公開買付者は、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」のとおり、(ⅰ)公開買付者グループのリソースの活用、(ⅱ)海外拠点の活用、(ⅲ)売上及び調達の規模の活用、(ⅳ)強固な財務体質の活用、(ⅴ)事業の多様性及び多様な独自技術、並びに生産技術・製造ノウハウの活用をシナジーとして想定している。また、公開買付者は、シナジーに関する具体的な当社の企業価値向上施策として、①両社保有技術を活用した両者の製品・サービスの競争力強化、②両社の製品ラインアップ・販売・サービス網の相互活用、③製造・調達・物流コストの削減、④公開買付者グループのリソースの活用を挙げている。公開買付者に対するインタビューによれば、公開買付者は、シナジーの発現時期について短期(2027年まで)・中期(2030年まで)・長期(それ以降)に整理して検討しており、シナジー及び企業価値向上施策の説明について不合理な点は認められず、当該企業価値向上施策による各シナジーの発現が一定程度合理的に見込まれると考えられる。また、当社は、上記「1.株式併合を行う目的及び理由」の「(3)判断内容」のとおり、(ⅰ)当社グループ製品・サービスの競争力強化、(ⅱ)両社の販売・サービスチャネル・顧客基盤の活用による事業規模の拡大、(ⅲ)効率化によるコスト競争力の強化を考えているところ、公開買付者の提示するシナジー及びその企業価値向上施策と相互に矛盾抵触せず、整合的であるとともに、内容として不合理な点は認められず、シナジーの発現が一定程度合理的に見込まれるものと認められるため、公開買付者及び当社の主張するシナジー効果には合理性が認められる。
また、公開買付者は、本取引後の諏訪事業所・販売拠点について、取り扱いの変更は想定していないが、シナジーの実現のための取り組み等、当社グループの企業価値の維持・向上に資する内容があれば、当社と協議・検討する旨、公開買付者製品と当社製品について顧客の一部重複の可能性が想定されるものの、印刷対象及び使用するインクが異なること等により直接的な競合関係には無く、顧客・技術・製造等のラインアップとして補完関係にある旨、公開買付者グループと当社での組織再編は現状想定していない旨、当社グループへの付加価値の提供及び当社グループとの提携や協業の実現に向け、必要な役員・従業員の交流、派遣等の実施を想定している旨、当社役員の処遇について、本取引後も公開買付者グループの一員として、引き続き十分に能力を発揮できるポジションで当社グループを主導する役割を果たしてほしいと考えている旨説明しており、企業価値を毀損する不合理な点は認められない。
上場廃止の影響については、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅱ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った経緯・目的」のとおり、公開買付者は、本取引の実施に伴うディスシナジーは特段想定していないものとしている。
当社としては、一般的に、株式の非公開化に伴うデメリットとしては、資本市場からエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、上場会社として当社が享受してきた社会的な信用力及び知名度の向上による優れた人材の確保及び取引先の拡大等に影響を及ぼす可能性が考えられる。もっとも、当社は、上記「1.株式併合を行う目的及び理由」の「(3)判断内容」に記載のとおり、今後も継続して株式の上場を維持することの意義を見出しにくい状況にあり、近時の上場維持コストの上昇を踏まえると、株式の上場を維持する必要性は相対的に減少していることからすれば、上場廃止の影響が限定的であるとの認識をしているが、これらの点に特段不合理な点は認められない。
以上を踏まえれば、本取引は、当社の企業価値の向上に資するものと認められる。
(イ)小括
以上のとおり、本取引は、当社の企業価値の向上に資するものと認められ、その目的は合理性を有するものであると考えられる。
(b)本取引の取引条件の公正性・妥当性に関する事項について
(ア)本取引の取引条件等
本取引の取引条件に係る協議・交渉過程については、本入札プロセスにおいて、当社、野村證券、及び西村あさひから、適宜その状況について報告を受け、本第二次入札プロセスへの参加を打診する本第二次候補先の選定に関する当社の判断の合理性、及び本第二次入札プロセスに参加した本第二次候補先から受領した最終意向表明書及び12月23日付提案を基に、公開買付者を最終候補先として選定することに関する当社の判断の合理性について確認し、その内容を審議・検討し意見を述べている。また、上記「1.株式併合を行う目的及び理由」の「(2)検討・交渉の経緯」のとおり、本公開買付価格等の本取引の取引条件に関する協議・交渉等の重要な局面において、本特別委員会が実質的に関与している。
以上を踏まえると、本取引の取引条件に関する協議・交渉の過程は、独立した当事者間の交渉と認められる公正なものであり、企業価値を高めつつ少数株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指した合理的な努力が行われる状況が確保されていたものと認められる。
当社は、本公開買付けに関する意見を決定するに当たり、本取引関係者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券に対して、当社の株式価値の算定を依頼し、2026年2月4日付で本株式価値算定書(野村證券)を取得しているところ(なお、当社は、野村證券から本公開買付けの価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していない。)、本株式価値算定書(野村證券)によれば、市場株価平均法2,757円から2,979円、類似会社比較法4,274円から9,095円、DCF法6,309円から10,133円と算定されているところ本公開買付価格である1株当たり7,626円は、本株式価値算定書(野村證券)における当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価平均法に基づく算定結果の上限額を上回り、類似会社比較法に基づく算定結果のレンジの中央値を上回り、その範囲内の水準であることとともに、DCF法に基づく算定結果のレンジの範囲内にある水準である。本特別委員会による本株式価値算定書(野村證券)の内容の検討、野村證券による本株式価値算定書(野村證券)及び算定に用いた当社の本事業計画の内容に関する説明並びに質疑応答の結果等からすると、野村證券が当社株式の価値の算定に当たり採用した手法及び算定の過程並びに株式価値の算定結果について、特段不合理と認められる点はないと考えられる。また、その他に、本事業計画の策定に当たり設定された仮定及びそれに基づく計画数値についても特段不合理な点は認められない。
また、本公開買付価格である7,626円は、本公開買付けの公表日の直前営業日(2026年2月3日)の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値2,962円に対して157.46%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、株価に対するプレミアムの計算において同じ。)、過去1ヶ月(2026年1月5日から2026年2月3日)の終値単純平均値2,979円に対して155.99%、過去3ヶ月(2025年11月4日から2026年2月3日)の終値単純平均値2,848円に対して167.77%、過去6ヶ月(2025年8月4日から2026年2月3日)の終値単純平均値2,757円に対して176.61%とのプレミアムを加えた価格となっており、相当程度プレミアムが付いていると評価できる。
本取引においては、本公開買付け後に本スクイーズアウト手続の実施が予定されているところ、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」のとおり、本スクイーズアウト手続は会社法第179条に基づき当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の全員に対し、その所有する当社株式の全部を売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)すること又は会社法第180条に基づく株式併合により行われる予定であり、本取引に反対する株主に株主買取請求権又は価格決定請求権が確保できないスキームは採用されておらず、また、(ⅰ)本公開買付けが成立した場合には株式売渡請求又は株式併合による本スクイーズアウト手続を行う旨及び(ⅱ)本スクイーズアウト手続において本公開買付けに応募しなかった当社の株主に対して交付される金銭の額は、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となる旨が開示される予定である。このように、本スクイーズアウト手続においては、少数株主が本公開買付けに応募するか否かにあたって、仮に本公開買付けに応募しなかった場合に不利に取り扱われることが予想される状況には陥らないような配慮がなされていることから、本スクイーズアウト手続に係る取引条件は、公正かつ妥当であるといえる。
このほか、以上に記載した条件のほかには、本取引に係るその他の取引条件について、他の類似事例と比較して、当社の少数株主にとって不利益となる事情は認められない。
(イ)小括
以上より、当社の企業価値は適正に評価されており、また、本公開買付価格、本スクイーズアウト手続において本公開買付けに応募しなかった当社の株主に対して交付される対価の額を含めて、本取引に係る取引条件は適正に設定されていると評価できるから、本取引の取引条件(本公開買付価格を含む。)は、公正・妥当であると考えられる。
(c)本取引に係る手続の公正性に関する事項について
(ア)本取引に係る手続等
独立した特別委員会の設置について、①設置時期については、2025年7月23日に本特別委員会を設置する旨の決議を行い、その後、同日に第1回の特別委員会が開催され、本入札プロセス開始前の段階から本特別委員会が本取引への関与を開始しており、本取引に係る取引条件の形成過程の初期段階から、本特別委員会が本取引に対して関与する状態が確保されており、②委員構成については、当社の独立社外取締役(監査等委員)である坂本弘子氏、当社の独立社外取締役(監査等委員)である黒井義博氏、当社の独立社外取締役(監査等委員)である大坪和敏氏を、本取引関係者からの独立性を確認し、専門性・属性にも十分配慮した上で委員に選任しており、③本特別委員会の設置、権限及び職責、委員の選定や報酬の決定の各過程において、当社の独立社外取締役が主体性をもって実質的に関与する形で行われる体制が確保されており、④当社取締役会が選任したアドバイザー等が独立性及び十分な専門性を有していることから、本特別委員会が当該アドバイザー等を信頼して専門的助言を求めることができると判断した上で、当該アドバイザー等を利用しており、⑤本特別委員会は、公開買付者との間の取引条件に関する交渉過程に実質的に関与してきたことが認められ、⑥非公開情報も含めて重要な情報を入手し、これを踏まえて本取引の是非や取引条件の妥当性について検討・判断を行うことのできる体制を整備しており、⑦本特別委員会の委員の報酬として成功報酬は採用せず、⑧当社取締役会は、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して本取引に係る意思決定を行うものとし、本特別委員会が本取引の取引条件が妥当でないと判断した場合には、本取引に賛同しないことを併せて決議しており、本取引については取締役会が本特別委員会の意見を尊重して意思決定を行うことのできる体制が確保されており、⑨当社取締役のうち、髙山芳之氏は、豊栄実業の代表取締役であることを踏まえ、利益相反の疑いを回避し、本取引の公正性を担保するため、本取引に関連した当社取締役会の審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において本候補先、インテグラル、本応募合意株主との協議及び交渉にも一切参加しておらず、本公開買付けへの賛同の意見表明及び株主に対する本公開買付けへの応募推奨に係る取締役会決議にも参加しないことで、当社において、これらの者から独立した立場で検討・交渉等を行うことができる体制が構築されており、経済産業省が2019年6月28日に公表した「公正なM&Aの在り方に関する指針」(以下「公正M&A指針」といいます。)に配慮した上で、独立性を有する特別委員会が設置され、有効に機能していることが認められる。また、当社はリーガル・アドバイザーである西村あさひから必要な法的助言を取得し、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券から価格交渉等についての助言及び株式価値算定書(野村證券)を取得している。他の買収者による買収提案の機会の確保(マーケット・チェック)として、本入札プロセスを実施し、競争環境が維持された中で、企業価値の向上及び株主価値の最大化等の観点から評価基準を置き、公開買付者を選定している。本特別委員会は、上記「1.株式併合を行う目的及び理由」の「(2)検討・交渉の経緯」のとおり、本入札プロセスや本候補先との協議状況等について当社から適時に報告を受け、当該プロセスの公正性を確認し、本候補先との交渉方針や最終候補者の選定プロセス等について当社に助言を行うなど、最終候補者を選定する過程に実質的に関与しているところ、本入札プロセスを通じて、市場における潜在的な買収者の有無を調査・検討する、いわゆる積極的なマーケット・チェックが、公正な手続により実施されたものと認められる。本公開買付期間は30営業日に設定されており、当社の株主に本公開買付けに対する売買について適切な判断を行う機会が与えられている。本取引においては、当社が、公開買付者より、取引保護条項を含む公開買付契約の締結を要請された経緯があるものの、当該契約の締結に至らず、当社は、公開買付者との間で、対抗的買収提案者と接触することを一切禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意を行っていない。更に、公開買付者によれば、2026年2月5日時点において本応募合意株主が当社株式1,912,868株(所有割合:41.68%)を所有しているところ、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立が不安定なものとなり、かえって本公開買付けに応募することを希望する少数株主の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定していないとのことである。2026年2月5日時点のTCSファンド及び豊栄実業の所有割合に鑑みると、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定すると、本公開買付けの成立が不安定なものとなり、かえって本公開買付けに応募することを希望する少数株主の利益に資さない可能性もあるとの公開買付者の考えは特段不合理でなく、他方で、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置として、各措置等を実施していることから、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると言い得ること等に鑑みると、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定しないことが、直ちに本取引の手続の公正性を損なわせるものとはいえないと考えられる。本特別委員会及び本取引に関する情報についても、公正M&A指針が求める情報を十分に開示するものと認められる。本取引においては買付予定数の上限は設けられておらず、本公開買付けの成立後には本スクイーズアウト手続が予定されている。また、本公開買付けが成立した場合に、本公開買付けに応募しなかった当社株主に対しては、最終的に金銭を交付することが予定されているところ、当該各株主に交付される金額は本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同額になるよう算定することが予定されている。これらにより、いわゆる二段階買収に係る強圧性が排除又は軽減されていると評価することが可能である。その他、二段階買収に係る強圧性を窺わせる事情は特に見当たらない。
(イ)小括
以上のとおり、本取引においては公正M&A指針に定められる各公正性担保措置に則った適切な対応が行われており、その内容に不合理な点は見当たらない。したがって、本取引に係る手続の公正性は確保されていると考えられる。
(d)本取引を行うことが当社の少数株主にとって不利益なものではないかについて
以上のとおり、本取引の目的は合理性を有すると考えられ、また、本取引の取引条件は公正・妥当であり、また本取引に係る手続は公正であると考えられるから、本取引を行うこと(当社取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを含む。)は当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられる。
(e)本公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非に関する事項について
以上のとおり、本取引は当社の企業価値の向上に資するものであり、本取引の目的は合理性を有すると考えられるから、当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明することは妥当であり、また本取引の取引条件は公正・妥当であり、本取引に係る手続は公正であると考えられるから、当社取締役会が当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することも妥当であると考えられる。
⑤当社における利害関係を有しない出席取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員の承認
本公開買付けにおいて、上記「1.株式併合を行う目的及び理由」の「(2)検討・交渉の経緯」に記載のとおり、当社は、西村あさひから受けた法的助言、野村證券から受けた財務的見地からの助言並びに本株式価値算定書(野村證券)の内容を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討しました。
その結果、当社は、上記「1.株式併合を行う目的及び理由」の「(3)判断内容」に記載のとおり、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2026年2月4日開催の当社取締役会において、審議及び決議に参加した当社の利害関係を有しない取締役(監査等委員である取締役を含む。)の全員一致で、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
なお、当社の取締役のうち、髙山芳之氏は、豊栄実業の代表取締役であることを踏まえ、利益相反の疑いを回避し、本取引の公正性を担保するため、上記の取締役会における審議及び決議を含む、本取引に関連した当社取締役会の審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において本候補先、インテグラル、本応募合意株主との協議及び交渉にも一切参加しておりません。また、大坪和敏氏は、一身上の都合から、上記の当社取締役会を欠席しておりますが、同氏は本特別委員会全13回に出席して議論に参加しており、かつ、同氏からも、当社取締役会が本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議することに賛同する旨を別途確認しております。
⑥本公開買付けの公正性を担保するための客観的状況の確保
公開買付者は、法令に定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間が20営業日であるところ、本公開買付期間を30営業日に設定しているとのことです。このように本公開買付期間を法令に定められた最短期間と比較して長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保しているとのことです。また、公開買付者及び当社は、当社が対抗的買収提案者と接触を禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が当社との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意を行っておりません。このように、上記本公開買付期間の設定とあわせ、対抗的な買付け等の機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しているとのことです。
⑦公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者、当社及び本応募合意株主から独立した第三者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーであるみずほ証券株式会社(以下「みずほ証券」といいます。)に対して、当社の株式価値の算定を依頼したとのことです。なお、みずほ証券は、公開買付者、当社及び本応募合意株主の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して公開買付者、当社及び本応募合意株主との利益相反に係る重要な利害関係を有していないとのことです。みずほ証券のグループ企業である株式会社みずほ銀行(以下「みずほ銀行」といいます。)は、インテグラルに対して通常の銀行取引の一環としての融資取引等を実施しているとのことですが、みずほ証券によれば、みずほ証券は法第36条及び金融商品取引業等に関する内閣府令(平成19年内閣府令第52号。その後の改正を含みます。)第70条の4の適用法令に従い、みずほ証券とみずほ銀行との間において情報隔壁措置等の適切な利益相反管理体制を構築し、かつ実施しており、みずほ銀行の貸付人の地位とは独立した立場で算定を行っているとのことです。公開買付者は、みずほ証券とみずほ銀行間で適切な弊害防止措置が講じられていること、公開買付者とみずほ証券は一般取引先と同様の取引条件での取引を実施しているため、みずほ証券の第三者算定機関としての独立性が確保されていること、みずほ証券は過去の同種事案の第三者算定機関としての実績を有していること等を踏まえ、公開買付者はみずほ証券を独立した第三者算定機関として選任したとのことです。
みずほ証券は、当社の財務状況、当社株式の市場株価の動向等について検討を行った上で、多面的に評価することが適切であると考え、複数の株式価値算定手法の中から採用すべき算定手法を検討した結果、市場株価基準法、類似企業比較法及びDCF法を用いて、当社の株式価値の算定を行い、公開買付者は、みずほ証券から2026年2月3日付で当社の株式価値に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(みずほ証券)」といいます。)を取得して参考にしたとのことです。なお、公開買付者は、上記「(4)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の諸要素を総合的に勘案し、当社の少数株主の利益に十分な配慮がなされていると考えているため、みずほ証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
公開買付者がみずほ証券から受領した2026年2月3日付本株式価値算定書(みずほ証券)において採用した手法及び当該手法に基づいて算定された当社株式1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりとのことです。
市場株価基準法:2,757円から2,979円
類似企業比較法:6,758円から7,514円
DCF法:6,747円から8,114円
市場株価基準法では、基準日を2026年2月3日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日終値2,962円、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値2,979円、同過去3ヶ月間の終値単純平均値2,848円及び同過去6ヶ月間の終値単純平均値2,757円を基に、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を2,757円から2,979円と算定しているとのことです。
類似企業比較法では、当社と類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性を示す財務指標との比較を通じて、当社の株式価値を算定し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を6,758円から7,514円と算定しているとのことです。
DCF法では、当社から提供を受けた本事業計画(2026年3月期から2028年3月期までの3期分)を基礎とし、直近までの業績の動向、公開買付者が2025年10月下旬から同年11月下旬まで当社に対して行ったデュー・ディリジェンスの結果、一般に公開された情報等の諸要素を考慮して公開買付者が作成した2026年3月期以降の当社の将来の収益予想に基づき、2026年3月期第2四半期以降に当社が将来創出すると見込まれるキャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割引くことにより当社の株式価値を算定し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を6,747円から8,114円と算定しているとのことです。なお、みずほ証券が上記DCF法による分析に用いた財務予測には、大幅な増減益及びフリー・キャッシュ・フローの大幅な増減を見込んでいる事業年度が含まれているとのことです。具体的には、米国の追加関税引き上げに対する一時的なコストアップ等により、2026年3月期においては、一時的な原価率の悪化を見込んでいるものの、2027年3月期においては、UV製品・インクの売上高増加による原価率改善に伴い営業利益の大幅な増益を見込んでいる一方で、諏訪工場新棟建設工事に関する設備投資に伴う大幅なフリー・キャッシュ・フローの減少を見込んでいるとのことです。また、2028年3月期においても、諏訪工場新棟建設工事に関する設備投資の継続及び売上高増加による運転資本の増加に起因して大幅なフリー・キャッシュ・フローの減少を見込んでおり、更に2029年3月期においては諏訪工場新棟建設工事に関する設備投資の更なる増加に起因して大幅なフリー・キャッシュ・フローの減少を見込んでいるとのことです。なお、諏訪工場新棟建設工事は2029年3月期に完了することを見込んでおり、2030年3月期においてはその影響が剥落することから大幅なフリー・キャッシュ・フローの増加を見込んでいるとのことです。また、2026年2月4日に当社が公表したMUTOH池尻ビルの売却により見込まれる収入については、非事業用資産として加算しているとのことです。なお、本取引により実現することが期待されるシナジー効果については、株式価値算定時点において具体的に見積もることが困難であるため、当該財務予測には加味していないとのことです。
公開買付者は、みずほ証券から取得した本株式価値算定書(みずほ証券)における当社の株式価値の算定結果に加え、2025年10月下旬から同年11月下旬まで当社に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果、当社株式の市場株価の動向(本公開買付けの公表日の前営業日である2026年2月3日の当社株式の終値2,962円、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値2,979円、同過去3ヶ月間の終値単純平均値2,848円、及び同過去6ヶ月間の終値単純平均値2,757円)、当社取締役会による本公開買付けへの賛同の可否及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、当社及び本応募合意株主との協議・交渉の結果を踏まえ、2026年2月3日に、本公開買付価格を7,626円とすることを決定したとのことです。
なお、本公開買付価格である7,626円は、本公開買付けの公表日の前営業日である2026年2月3日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値2,962円に対して157.46%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値2,979円に対して155.99%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値2,848円に対して167.77%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値2,757円に対して176.61%のプレミアムをそれぞれ加えた価格とのことです。更に、上記「1.株式併合を行う目的及び理由」の「(2)検討・交渉の経緯」に記載のとおり、当社は、本取引に関して本入札プロセスを実施しており、一定の競争状況において、他の候補先との比較を通じて公開買付者を選定した経緯があります。したがって、公開買付者以外の者による当社株式に対する買付け等の機会は既に十分に設けられていたと考えております。
4.当該株式の併合がその効力を生ずる日
2026年6月12日
以 上