当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2023年11月30日)現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営方針・経営戦略等
当社グループは、社訓である「正直を以て宗とすること 信用を重んずること 和を以て尊しとなすこと」のもと、2021年12月からの3年間を対象とする中期経営計画を策定しました。2018年の創立70周年を機に、掲げた2028 年ビジョン「フルーツで世界の人を幸せにする」をめざし、5つの経営方針「ジャム・スプレッド事業の盤石 化」、「産業用事業での新たな成長モデルの構築」、「海外(中国)成長市場への本格参入」、「新フルーツカテ ゴリーの創造」、「一人ひとりが挑戦し成長できる企業風土の創造」に継続して取り組み、「フルーツのアヲハタ」の実現に向けて挑戦と変革を推進してまいります。なお、本計画における取り組み課題は以下の通りです。
(2)経営環境
次期の当社グループを取り巻く経営環境につきましては、不安定な国際情勢による地政学リスクの影響、輸入コストおよびエネルギーコストの高止まり等による物価の高騰など、生活必需品における節約志向は継続するものと思われます。また、気候変動等の影響による果実相場の上昇、物流の2024年問題など、引き続き厳しい経営環境が想定されます。
このような状況のなか、当社グループは、2021年12月からの3年間を対象とした中期経営計画を策定し、フルーツを通じた新たな価値をお客様へお届けすべく取り組んでおります。家庭用はジャム・スプレッド類を中心に、引き続き市場の活性化に取り組むとともに、1食食べ切りタイプの冷凍フルーツ加工品類等ジャム以外の商品の展開もさらに加速させてまいります。産業用は引き続き、利益体質の強化を進めてまいります。また、今後も引き続き原材料価格の上昇が見込まれる中、調達コストの上昇を抑えるとともに、技術革新による生産コストの低減を進めてまいります
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
1.家庭用ジャム・スプレッドの強化
ジャム・スプレッドのカテゴリーリーダーとして需要喚起策に努めるとともに、ライフスタイルの変化に対応した新しい食シーンの創造と、新規顧客開拓を進める
2.新規カテゴリー商品の拡大
食べ切りタイプなど新たなフルーツ加工品類の展開スピードを上げ、新市場を創造する
3.産業用事業の収益事業への転換
お客様にとっての価値提案を進めるとともに、生産性向上による利益体質への強化を進める
4.海外(中国)事業の強化
持続的成長へ向けた投資を進め、グループ協働で事業拡大を図る
5.原料調達力の強化
気候変動や地政学的リスクへの対応など持続可能なサプライチェーンの再構築を目指し、産地開拓を進める
6.生産性の向上
スマートファクトリー化を推進し、生産性向上を実現する
7.一人ひとりが挑戦し、成長できる企業風土の創造
インナーブランディングを継続し、挑戦する企業風土を醸成することで、個人の成長をあと押しする
(1)サステナビリティに関する考え方および取組
サステナビリティに対する考え方
当社グループはグループの理念と行動規範を遵守し、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、グループの持続的な成長の基盤として、CSR活動を推進しております。
※理念、行動規範の他、「環境方針」「持続可能な調達のための基本方針」「人権方針」の関連方針を策定し、取り組みを進めています。
①ガバナンス(サステナビリティ推進体制)
当社代表取締役社長及び役員で構成されるCSR委員会を2020年に設置しました。委員会は年2回以上開催し、持続可能な社会の実現への貢献とアヲハタグループの持続的成長にむけた重点課題や目標の設定、取り組みを推進しています。また、重点課題の3つのテーマについて、それぞれのプロジェクトにて取り組みのPDCAサイクルの実践を行っていきます。
②リスク管理(マテリアリティの特定と管理)
2020年CSR委員会にて、バリューチェーンにおけるリスクと機会の分析により抽出し、社会課題ごとにステークホルダーからの期待の大きさとグループが与える社会への影響の大きさ、アヲハタグループの存在意義の3つを評価基準とし、最優先で取り組むべき「CSRの重点課題」を特定しました。テーマ毎のプロジェクトにて課題解決に取り組み、年2回のCSR委員会にて状況報告及び課題解決に向けた議論を行っています。また、マテリアリティの見直しや追加についてもCSR委員会にて議論を行い、リスク管理委員会にて毎年実施するリスク評価及び重要リスク特定の中で包括して管理しています。
③指標と目標
持続可能な社会の実現と2028年ビジョン「フルーツで世界の人を幸せにする」の実現に向け3つのテーマを設け、それぞれの重点課題に取り組んでいます。
(2)人的資本に関する考え方および取組
人的資本に対する考え方
企業価値の持続的な向上には、従業員の能力を最大限引き出すことが不可欠であるという「人的資本」の考え方のもと、一人ひとりが企業理念やビジョンを自分のものとし、個々の多様性を発揮することで当社グループの持続的な成長をめざします。
①人材育成方針
当社は社訓「正直を以て宗とすること 信用を重んずること 和を以て尊しとなすこと」の実践に向け「私たちが目指す人間像」を掲げ人材育成に取り組んでいます。
・私たちが目指す人間像
「正直」を実現するためには“勇気”が必要です。“勇気”とは、失敗を恐れずに困難に立ち向かうことであり、その結果、もし自分が失敗したり間違ったりしたときにはその失敗や間違いを素直に認めることができること、そして人が間違っているときに間違っていると素直に指摘できることです。
また、食品企業としての「信用」を守るためには“清潔”で“誠実”なことが必要です。
「和」を実現するためには人に対する“愛情”と何が本当に重要かを判断するための“知識”が必要です。
私たちは、「正直で勇気のある人」、「清潔で誠実な人」、「愛情と知識を大切にする人」を目指します。
②社内環境整備方針
当社は2028年ビジョン「フルーツで世界の人を幸せにする」の実現に向け、成長戦略として「一人ひとりが挑戦し、成長できる企業風土の創造」を掲げています。
風土創造に向け、活力の土台となる従業員の働きがいの向上をめざし、従業員エンゲージメントを重要指標とし、取り組みを推進しています。
(イ)多様な人材が活躍する職場づくり
多様な視点を尊重し、受け入れることでより創造的な環境を育みます。
(ⅰ)組織人材の多様化
多様な視点によるイノベーション創出に向けて人材の育成・採用を進めています。
多様な社会、世の中の著しい環境変化に適応するため、多様な人材を確保するため事業の状況に応じ、専門人材を中心にキャリア採用を拡大していきます。
(ⅱ)仕事と生活の両立支援
育児・介護など、個々の状況に応じて仕事と両立ができ、安心して働くことができるよう、規程や制度(フレックスタイム制度、在宅勤務制度)の導入を行っています。
今後、年次有給休暇や男性の育児休業の取得向上を進めていきます。
(ロ)人材育成
(ⅰ)次世代育成研修
次世代を担う中核人材の経営マインド醸成に向け、役員自らが講師となり2020年より月1回の選抜研修を年間を通して実施しています。
(ⅱ)スキル習得に向けた研修
階層別研修や新たなスキル習得に向け、継続的にテーマ別研修プログラムを提供しています。
(ⅲ)キャリア開発に向けた取り組み
キャリア自己申告制度を設けるとともに、総合職に対しめざすキャリアに向けた成長ステージごとの必要な力と経験値、基礎力を明確にし、毎年上司と対話を行っています。
(ⅳ)1ON1を通じた挑戦行動(ターゲット13)の推進
従業員一人ひとりが年初に挑戦目標を宣言し、その実現に向け上司との面談を毎月実施。上司・部下の対話を深めるとともに、達成行動の支援により、挑戦する風土を醸成します。
(ⅴ)インナーブランディング
経営理念やビジョンなど、大切にする企業の価値観を、一人ひとりの考え方や行動の拠り所となり、実践できるためのインナーコミュニケーションを継続的に実施しています。理念研修や柑橘類の豊富な瀬戸内の本社立地を活かしたフルーツ加工研修(原料産地や加工技術を学ぶ)に加え、2021年より従業員参加型イベントのブランドウィークを開催し、企業ブランドの評価とそれぞれの仕事とのつながりを考える場づくりを行いブランドの体現を推進します。
(ハ)健康経営の推進
美味しさ、健康を提供する食品企業として、従業員一人ひとりが健康で生き生きと働ける職場をめざします。安全衛生委員会にて、毎年目標を掲げ、心と身体の健康づくりに取り組んでいます。
(ⅰ)身体の健康づくり
病気の早期発見・早期治療をすすめるため、がん検診の受診や健康診断の再検受診の向上に取り組んでいます。また、健康保険組合が実施するヘルスアップキャンペーンへの参加やフルーツ健康メニュー企画を実施し、運動機会の週間づけや食生活の改善に向けた取り組みを進めています。
(ⅱ)心の健康づくり
毎年実施するストレスチェックをもとに、健康リスク低減に向けた部署ごとのディスカッションを実施。加えて、人事異動後希望者に対し、専門家によるヒアリングやカウンセリングを実施し、心のケアを行っています。なお、海外赴任者については人事異動後のヒアリングを必須としています。
また、管理職に対し、心の健康問題についての理解を深め、一人ひとりが役割を果たすためのラインケア研修を実施しています。
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重点項目 |
取 組 |
指 標 |
実 績 |
目 標 |
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多様な人材が 活躍する場づくり |
組織人材の多様化 |
女性管理職比率 |
7.6%(2023年) |
15%(2028年) |
|
キャリア採用人数 /年間採用人数比率 |
27%(2023年) |
- |
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仕事と生活の 両立支援 |
年次有給休暇取得率 |
69%(2023年度) |
75%(2028年) |
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男性育児休暇取得率 |
120% (2023年) |
100%以上 (2024年) |
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人材育成 |
中核人材の育成 |
次世代育成研修 受講者数 |
54人 (2020年~2023年累計) |
- |
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スキル習得に 向けた研修 |
研修受講者数 |
50人(2023年) |
- |
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挑戦行動の推進 |
ターゲット13の実施 1ON1面談実施率 |
82%(2023年) ※対象者431名、 面談延べ4,258回 |
100%(2024年) |
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インナー ブランディング |
ビジョンの実践度 |
70点(2023年) ※満点=100 |
77点以上(2024年) |
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健康経営の推進 |
身体の健康づくり |
・がん検診受診率 ・健康診断再検受診率 |
87%(2022年) ※がん検診受診率 |
100%(2024年) |
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心の健康づくり |
健康リスク (ストレスチェック) |
104(2023年) ※全国平均を100とした場合の指数 |
100以下(2024年) |
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要リスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2023年11月30日)現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経済状況・消費動向および市場競争力
国内における人口減少や高齢化、消費者の嗜好の変化などによる市場の縮小リスクがあります。
この対策として、新たなフルーツ加工品の開発含め食シーンの拡大と顧客の開拓を推進しています。また、受注、生産計画、製造、製品および原料の在庫管理、設備投資など生産に関する一連のプロセスを見直し最適化することにより、製品のコストダウンを行い、競争力の強化に努めております。
(2) 食の安全性
異物混入、表示不良品の流通、あるいは社会全般にわたる一般的な品質問題など、お客様の健康被害に繋がるリスクがあります。
この対策として、食品衛生法などの関連法規の遵守はもとより、購入先との密接な連携による原料・資材の履歴管理、残留農薬の調査分析、食品添加物・アレルギー物質・カビ毒等のチェックをおこなっております。また、危害分析やフードディフェンスの考え方を全社的に導入するとともに、FSSC22000などのマネジメントシステムを活用することで品質保証体制に万全を期しております。
(3) 為替変動の影響および海外進出のリスク
当社グループは加工原料および商品(素材原料)の大部分を輸入品に依存しており、仕入価格は為替変動の影響を受けるリスクがあります。
また、当社グループは中国およびチリに子会社を設立しておりますが、海外進出には、1)予期できない法律または規制の変更、2)事業活動に不利な政治または経済要因の発生、3)未整備な社会インフラによる影響、4)税制等の変更、5)戦争、テロ、デモ行為、伝染病、その他の要因による社会的混乱などのリスクが内在しており、これらは当社グループの経営成績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
この対策として、為替リスクにつきましては、為替予約の実施等によりヘッジをおこなっておりますが、全てのリスクを回避するものではなく、経営成績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 原材料の確保
当社グループでは、フルーツおよび農産加工品を原材料に使用した製品が多いため、産地の天候不順や自然災害は原料品質の劣化や調達価格の上昇、供給不足につながります。そのため、世界的な気候変動の問題により中・長期なリスクが高まってきています。
この対策として、当社グループにおきましては主原料の調達にあたり、当社グループの担当者が畑の管理から加工にいたるまで、現地指導をおこない安全で良質な原料を確保しています。また、産地の分散等を進めるとともに気候変動に適応した栽培技術の指導などにより、安定した原料の確保を進めていきます。
(5) 親会社であるキユーピー株式会社との関係
キユーピー株式会社は当社議決権の44.8%を所有する第1位の株主であり、実質支配力基準により、当社の親会社に該当いたします。
当社は、キユーピー株式会社の企業グループの中で、ジャム・ホイップ・スプレッド等のパン周り商品の生産・販売を担当しております。また、キユーピー株式会社より介護食を含むその他商品の製造の委託を受けており、キユーピー株式会社は当社から商品を直接買い受けて、特約店等の第三者へ販売しております。
従って、当社とキユーピー株式会社は営業取引上重要な関係を有していることから、キユーピー株式会社と当社の関係の変化によって、当社の経営成績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。ただし、目下のところ、キユーピー株式会社と当社との間で特に懸念される問題はなく、今後も安定的な営業取引を含めて良好な関係が維持されるものと考えております。
(6) 自然災害や感染症の蔓延等
当社グループが生産するジャム類の大半は、広島県内で製造しており、当地において大規模な地震を含む天災や感染症等の蔓延、その他操業を停止せざるを得ない事象が発生した場合、当該製品の生産能力が低下するリスクがあります。
この対策として、防災、減災、適切な管理体制の構築を行うとともに、リスク発生時には、対策本部を設置し、迅速な判断・対応ができるよう体制を整備しております。
(7) 情報漏洩等
当社グループでは、現在予期し得ない不正アクセス等により情報が漏洩、改ざんされるリスクがあります。また、コンピュータウイルスの感染等によって情報システムが一定期間使用できないリスクも考えられます。このような事態が発生した場合、事業活動に支障をきたし、当社グループの経営成績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
この対策として、当社グループは、個人情報を含む重要な情報の漏洩等を防ぐために、「アヲハタグループ プライバシーポリシー」を作成し個人情報の保護に努め、「アヲハタグループ ソーシャルメディアポリシー」を作成し、ソーシャルメディアの個人利用に関する社員教育を進めております。また、「情報セキュリティ委員会」を開催し、従業員の情報セキュリティの遵守状況を定期的にレビューするとともに、システムを含め情報管理に対して適切なセキュリティ対策を実施しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における国内経済は、社会・経済活動が活性化し、雇用・所得環境が改善するとともに、インバウンド需要の増加等もあり、景気は緩やかな回復基調となりました。一方で、不安定な国際情勢による地政学リスクの影響、輸入コストおよびエネルギーコストの高止まり等による物価の高騰が続いていることから、依然として消費者の節約志向は続きました。
このような状況のなか、当社グループは2022年度からの中期経営計画に基づき、「フルーツのアヲハタ」実現へ向けた取り組みを進めてまいりました。
(イ)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ6億22百万円減少し170億62百万円となりました。資産の増減の主な要因は、機械装置及び運搬具の減少3億17百万円、原材料及び貯蔵品の減少2億67百万円、商標権の減少2億10百万円、繰延税金資産の減少1億37百万円、建物及び構築物の減少1億6百万円、投資その他の資産のその他の減少71百万円、現金及び預金の増加5億77百万円などであります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ9億43百万円減少し36億41百万円となりました。負債の増減の主な要因は、短期借入金の減少5億円、退職給付に係る負債の減少3億1百万円、長期借入金の減少2億85百万円、流動負債のその他の増加86百万円などであります。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ3億20百万円増加し134億21百万円となりました。純資産の増加の主な要因は、退職給付に係る調整累計額の増加2億4百万円、利益剰余金の増加58百万円などであります。
(ロ)経営成績
売上につきまして、主力のジャム・スプレッドは、2022年に実施した価格改定による販売減から回復の兆しがみえてきました。また、加工メーカー向けフルーツ加工品やお土産品向け商品などの需要も戻ってきており販売が増加しました。以上の結果から、売上高は202億87百万円(前年同期比3.9%増)となりました。
利益につきましては、生産性向上の取り組みを進めましたが、原材料の高騰や、エネルギーコスト上昇などの影響もあり、営業利益は3億42百万円(前年同期比1.2%減)、経常利益は4億22百万円(前年同期比5.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、海外子会社の固定資産の減損損失を計上した影響により、2億23百万円(前年同期比3.5%減)となりました。
当社グループは、食品事業の単一セグメントでありますが、製品等の区分別の営業概況は、次のとおりであります。
(家庭用)
家庭用につきましては、「アヲハタ・55」シリーズの復調や「ヴェルデ・トーストスプレッド」シリーズ等の伸長、新たな需要創出を目指して展開しております「アヲハタ・Spoon Free」、1食食べ切りタイプの冷凍フルーツ加工品類等の新商品も貢献し増収となりました。
この結果、家庭用の売上高は119億29百万円(前年同期比2.9%増)となりました。
(産業用)
産業用につきましては、加工メーカー向けフルーツ加工品やお土産品向け商品などの需要が戻ってきており販売が増加しました。
この結果、産業用の売上高は53億20百万円(前年同期比7.5%増)となりました。
(生産受託・その他)
生産受託につきましては、介護食「キユーピー・やさしい献立」シリーズなどの家庭内食向け商品が伸長しました。一方、海外(中国)では、主要取引先である外食・中食市場のコロナ禍からの売上回復の遅れに加えて生産品目の選択と集中を進めていることもあり、減収となりました。
この結果、生産受託・その他の売上高は30億36百万円(前年同期比1.7%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ5億77百万円増加し、13億15百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、16億92百万円(前年度は14百万円の支出)となりました。主な要因は、減価償却費9億6百万円、税金等調整前当期純利益3億96百万円、棚卸資産の減少額3億63百万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、1億78百万円(前年度は2億71百万円の支出)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出1億72百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、9億50百万円(前年度は49百万円の収入)となりました。主な要因は、短期借入金の純減による支出5億円、長期借入金の返済による支出2億85百万円、配当金の支払額1億64百万円などによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績
当社グループは、食品事業の単一セグメントでありますが、当連結会計年度の生産実績を製品等の区分ごとに示すと、次のとおりであります。
|
区分 |
当連結会計年度 (自 2022年12月1日 至 2023年11月30日) |
前年同期比(%) |
|
家庭用(千円) |
10,653,218 |
99.3 |
|
産業用(千円) |
3,557,628 |
108.8 |
|
生産受託・その他(千円) |
3,345,510 |
113.4 |
|
合計(千円) |
17,556,356 |
103.6 |
(注)金額は販売価格によっております。
(ロ)受注実績
当社グループは受注生産をおこなっておりませんので、該当事項はありません。
(ハ)販売実績
当社グループは、食品事業の単一セグメントでありますが、当連結会計年度の販売実績を製品等の区分ごとに示すと、次のとおりであります。
|
区分 |
当連結会計年度 (自 2022年12月1日 至 2023年11月30日) |
前年同期比(%) |
|
家庭用(千円) |
11,929,963 |
102.9 |
|
産業用(千円) |
5,320,760 |
107.5 |
|
生産受託・その他(千円) |
3,036,412 |
101.7 |
|
合計(千円) |
20,287,135 |
103.9 |
(注)主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年12月1日 至 2022年11月30日) |
当連結会計年度 (自 2022年12月1日 至 2023年11月30日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
加藤産業株式会社 |
4,772,885 |
24.4 |
4,762,523 |
23.5 |
|
キユーピー株式会社 |
2,487,868 |
12.7 |
2,759,689 |
13.6 |
|
三菱食品株式会社 |
2,743,390 |
14.0 |
2,133,245 |
10.5 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2023年11月30日)現在において当社グループが判断したものです。
①財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
当社グループの連結会計年度の経営成績及び財政状態は、以下のとおりであります。
(イ)財政状態および経営成績の分析
財政状態および経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。
(ロ)当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報
(イ)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは、以下のとおりであります。
|
|
2019年 |
2020年 |
2021年 |
2022年 |
2023年 |
|
自己資本比率(%) |
61.5 |
66.5 |
72.8 |
74.1 |
78.7 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
102.3 |
104.0 |
109.7 |
114.0 |
121.3 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%) |
665.1 |
154.2 |
91.4 |
- |
63.3 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
47.3 |
146.6 |
231.1 |
- |
156.5 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
4.2022年11月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率およびインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
(ロ)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、運転資金および設備投資資金などの資金需要につきましては、自己資金において賄っております。また、当社グループでは、グループ内の資金の一元化と低コストで安定的な資金調達を目的として、「アヲハタグループ・キャッシュ・マネジメント・システム」を導入しております。
③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(キユーピー株式会社との製造委託基本契約)
当社は、キユーピー株式会社との間で製造委託基本契約を締結しており、同社から製品の製造の委託を受け、同社は当社から商品を直接買い受けて、特約店等の第三者へ販売しております。
当社グループは、フルーツ摂取を通じた心と体の健康支援を掲げ、「香りと色彩」「食感」「栄養機能」「利便性」「環境」など様々な角度から研究開発に取り組み、「フルーツのアヲハタ」の実現とブランド価値の向上を目指しております。
研究開発活動は研究開発本部、生産本部などが協力しておこなっております。研究開発本部には研究センターと商品開発センターを設置し、各センターで役割を分担して活動しております。研究センターでは、フルーツの機能性・栄養、微生物制御、フルーツ加工技術・物性評価、低温領域の加工技術、いちごを主体とした育種・栽培の各分野に関する研究と技術開発をおこなっております。商品開発センターでは、新規領域の新商品創出に力点を置くと共に、既存商品のアイテム追加や改良による商品力強化に取り組み、多様で魅力的なフルーツ加工品をお客様へお届けできるよう努めております。
当連結会計年度における研究開発活動の中で創出された研究成果を以下の表に示します。
講演・口頭発表など
|
タイトル |
学会等 |
共同研究先 |
|
高電界パルスを用いた細胞膜透過性制御と食品加工への応用 |
食品工学会 |
熊本大学 |
|
LMペクチンのカルシウム反応性の評価 |
日本調理学会 |
- |
|
Anti-obesity and anti-diabetic effects of the peel of a new citrus cultivar ‘Mizuki’ in high-fat diet induced obese mice |
第14回アジア栄養学会議 |
広島大学など |
|
カンキツ新品種「瑞季」の特性を活かした生果および 加工での付加価値の高い利用法の開発 |
日本缶詰びん詰レトルト食品協会 第72回技術大会 |
広島大学 |
今年度は、好きな時にすぐ食べられる“凍ったままでやわらかい”冷凍フルーツ「アヲハタ くちどけフローズン」3品を発売いたしました。「日保ちがしない、皮をむくのが面倒」というフルーツ摂取の不満を解消し、毎日気軽に楽しんでいただける新たな価値提案に取り組みました。また、フルーツによる健康訴求を進めるべく、末梢の冷えが気になる方に向けた機能性表示食品である「果実たより ゆずジンジャー」を発売いたしました。持ち歩きに便利な個包装タイプで、いつでも手軽に食べることができる簡便性も高い商品です。
ジャム・スプレッド類では、スプーンを使わずさっと使えるボトル容器入りフルーツスプレッド「アヲハタ Spoon Free」で「トロピカル」「りんご」「ぶどう」の3品を追加発売いたしました。2023年秋より容器を柔らかくし、より出しやすくするとともに全6品のラインアップで料理からデザートまで幅広い用途で楽しんでいただく新たな用途提案を進めました 。
以上の結果、当連結会計年度における研究開発費は
なお、当社グループは食品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。