第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、次の社訓、経営理念、経営基本方針及び企業行動指針を企業理念として掲げ、企業活動を行っております。

「社訓」

 共存共栄を旨とし、商道を通じ社会に貢献するを経営の目的とする。

「経営理念」

 私たちは「夢と喜びあふれるファッション」を提供し、豊かな社会の創造に貢献します。

「経営基本方針」

 1.お客様第一の行動: 美しくありたい、楽しく幸せでありたいお客様へ価値ある商品を提供します。

 2.社員の尊重: 社員一人ひとりの個性や能力を発揮する環境を整え、社員を大切にします。

 3.チャレンジの姿勢: 新しく、常に前向きに、高い目標にチャレンジします。

「企業行動指針」

 1.企業活動の目的

  私たちは、すべてのお客様に対して、夢と喜びを安全な商品とサービスに託して届けます。

 2.責任ある企業活動
   私たちは、社会の一員として、法令や規則を遵守していきます。
   私たちは、株主に対して、誠実かつ信頼のおける経営で応えていきます。

 3.人権・社員の尊重
   私たちは、人権を尊重し、ハラスメントを行いません。
   私たちは、意欲ある人材の育成に努め、成果を重視し、公正な評価を行います。

 4.情報の管理・公開
   私たちは、企業情報を適切に管理します。
   私たちは、株主はもとより、広く社会とのコミュニケーションを行い、企業情報を適時・適切に開示します。

 

(2)経営戦略

当社グループは、婦人服業界トップクラスの企画・生産力を持ち、年間5,000万枚の高感度・高品質・リーズナブルな価格の商品を製造しています。主力となるアパレル卸売では、専門店、量販店、無店舗等へ販売を進めています。その他に、ライフスタイル卸売を拡大しており、専門店、量販店に加えて、ドラッグストアやコンビニ等への販売を進めています。また、小売については、衣料品、ライフスタイル商品を店舗やECを通じ直接消費者に販売を進めています。

グループ会社では、専門店へのメンズ衣料品販売の株式会社サードオフィス及び化粧品販売の株式会社アイエスリンクにより、当社の事業領域の補完を進めています。これらを支える生産及び物流の基盤として、中国やアセアンの海外有力工場との取組みによる効率的な生産体制、海外検品と国内自社センターとの連携による物流ネットワークなど、グローバルなサプライチェーンの構築を進めています。

 

 

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(3)目標とする経営指標

 当社グループは、長期ビジョンとして、「ファッションの力で、ライフスタイルの新たな可能性を開く。」企業を目指して、「いつもの毎日に、彩りとよろこびを。」をスローガンとする2026年1月期からの3か年の中期経営計画を策定し、アパレルとライフスタイルの両輪で収益力向上に取り組んでおります。

中期経営計画の最終年度であります、2028年1月期の連結業績予測として、売上高は680億円、営業利益は20億円、ROE9.0%以上の目標を掲げ、企業価値の向上を目指しております。

 

 

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(4)経営環境

 アパレル業界は、記録的な残暑や暖冬など厳しい事業環境となりました。加えて、原材料価格の高騰などを背景とした物価上昇により、消費者の生活防衛意識が一段と高まり、依然として先行きが不透明な状況が続いております。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①対処すべき課題の概要

 当社グループにおきましては、アパレル卸売では、収益性向上をさらに推進するため、専門店向け販売の拡大に加え、地球温暖化による夏シーズンの長期化に対応した機能性ファッション「クロスファンクション」が順調に伸長しており、今後も重点拡大を図ります。また、メンズ商品が店頭で好調な兆しを見せており、今後の成長を牽引する柱として育成してまいります。
 小売では、好調な雑貨ショップのさらなる展開に加え、アパレル店舗への雑貨比率を増やすことで、売場の魅力向上と収益改善を進めます。ECでは、SNSやライブコマースを活用した販促施策を強化し、引き続き、EC売上の拡大を目指します。

 ライフスタイル卸売では、好調なシーズン雑貨ブランド「Yoki」に加え、ビューティー分野においてはネイルの新ブランドを立ち上げます。また、ヘルスケア分野では、リカバリーウェアなどの新商品開発を進め、ファッション領域の強みを活かしながら、新しいライフスタイル価値の新たな創造に取り組んでまいります。

 企業価値向上の取り組みとしては、ROE改善の継続及び、中期経営計画に基づくキャッシュの最適配分を進めてまいります。あわせて、M&Aを含む成長投資を積極的に推進するとともに、株主還元の充実にも取り組んでまいります。

 今後も、消費環境の変化に柔軟に対応し、持続的な企業価値向上を目指してまいります。

 

②対処すべき課題の進捗状況

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2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループはサステナビリティに係る対応を経営上の重要課題と認識し、当社にてサステナビリティ委員会を中心とするガバナンス体制を構築するとともに、取締役会による監督を行っております。

 取締役会は、サステナビリティに関するリスク及び機会に係る課題について、サステナビリティ委員会より取組状況や目標の達成状況の報告を受け、モニタリングし、また新たに設定した対応策や目標を監督します。

 サステナビリティ委員会は原則として隔月に開催され、マテリアリティ(重要課題)の検討やサステナビリティ戦略について審議し、サステナビリティ事業に与える影響について評価を行い、対応策の検討・立案及び目標の設定を行うほか、事業活動についてサステナビリティの視点から検証及び提言を行います。そして、取組状況や目標の達成状況を毎年1回取締役会に報告し、監督を受けております。

 サステナビリティ委員会は、委員長は常務取締役が務め、このほか、執行役員から構成され、経営企画部が事務局を担っております。

 

(2)戦略

①サステナビリティに関する取組み

(イ)重要課題

 当社グループはサステナビリティ課題を経営課題の一つと認識しており、サステナビリティ委員会を設置し、検討を進めております。以下の3つのマテリアリティ(重要課題)を特定し、これを実行し、実現することを目標としております。

 

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(ロ)重要課題の取組み概要

a.「環境に配慮するものづくり」に関する取組み

 活動ビジョンとして、「環境配慮型素材の利用促進」「リサイクル・リユースの促進」「資材・副資材の循環利用の促進」の3つを定めています。

 環境配慮型素材の利用促進では、オーガニックコットンや再生ポリエステルなど、環境に配慮した素材を使用した商品開発を推進しています。素材の使用状況を把握し、社内への定着を図りながら、持続可能なものづくりに取り組んでいます。

 リサイクル・リユースの促進では、再利用可能な配送箱「エコビズボックス」の活用を進め、ダンボール箱の削減に取り組んでいます。社内の店舗間配送だけでなく卸先企業への商品サンプル発送時の活用も進んでいます。また、衣料素材のリサイクルにも取り組んでおり、社内にリサイクルステーションを設置して不要となった衣料サンプルや不良返品の回収を行っています。これらの取り組みを通じて、循環型社会の実現に貢献していきます。

 資材・副資材の循環利用の促進では、プラスチックハンガーや梱包用ビニール袋のリサイクルに取り組み、廃棄物削減と資源循環の促進を進めています。これまで店舗で廃棄していた資材については、回収して再利用につなげる仕組みを整備しています。また、NB(ナショナルブランド)製品においては、衿ネームや下げ札などの副資材を環境配慮型素材へ切り替える取り組みを推進しています。100%の切り替えを目指し、社内での啓発活動や副資材の使用状況を定期的に確認することで、環境配慮型資材の利用を促進しています。

 

b.「暮らしと社会の懸け橋」に関する取組み

 活動ビジョンとして、「自治体との地方創生、企業とのコラボレーション企画」「工場の監査、トレーサビリティ管理」の2つを定めています。

 自治体との地方創生、企業とのコラボレーション企画では、北海道東川町でのワーケーションを実施し、社員が新しい環境で挑戦する姿勢を育む取り組みを進めています。自治体やパートナー企業との交流を深め、異業種との協業の可能性を探るなど、地域との連携拡大にもつなげていきます。また、海津市の「こども未来館Zutto」では、小学生を対象に創造する楽しさを伝えるイベントを開催しました。参加した子どもたちには、夏休みの思い出など、好きな絵をTシャツに描いてもらう体験を提供しました。これらの取り組みを通じて、今後も地域とのつながりを深めながら、継続的に地方創生と交流の機会を広げてまいります。

 工場の監査、トレーサビリティ管理では、当社の主力工場を対象に定期的な監査を実施し、人権・社会・環境面におけるリスクの有無を確認しています。また、素材の産地や加工場所の履歴を追跡できるよう、透明性を確保する仕組みを構築しています。さらに、生産管理システムを導入し、産地や加工場所に加えて、検品所から船積みまでの生産スケジュールを一元管理することで、全社で情報を共有できる体制を整えています。

 

c.「一人一人が輝くワークライフ」に関する取組み

 活動ビジョンとして、「ワークライフバランスの推進、QOLの向上」「働きがいの向上、挑戦しやすい環境の整備」の2つを定めています。

 ワークライフバランスの推進、QOLの向上では、育児時短勤務の延長や中抜け休暇制度の導入など、柔軟な働き方を支援する制度を拡充しています。これにより、社員一人ひとりがライフステージに合わせて働ける環境を整え、定着率の向上と働きやすい職場づくりを進めています。

 働きがいの向上、挑戦しやすい環境の整備では、新卒・中途採用者向けにオンボーディングプログラムを導入し、業務理解や企業文化への適応を支援しています。円滑な人間関係の構築を促すことで、早期定着と早期活躍につなげています。また、シニアマネージャーを対象とした育成プログラムを整備し、社内研修に加えて、選抜者には社外講習会やセミナーへの参加機会を提供することでキャリア支援を強化しています。

 

②人的資本に関する取組み

 当社グループにおける人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は以下のとおりであります。

(イ)人材育成方針

当社グループは、社員一人ひとりの成長こそが、持続的な企業価値向上の源泉であると考えております。性別や年齢に関わらず、多様な個性が活かされ、会社と社員がともに成長できる組織づくりを推進しております。

社員が個性や能力を発揮しながら成長できるよう、経験やキャリアに応じた階層別研修や専門スキル研修を体系的に整備し、さまざまなキャリア形成を支援しております。また、幅広い役割や実務経験の機会を提供することで、多角的な視点を持つリーダー候補の育成にも力を入れてまいります。

採用においては、事業ポートフォリオの変革を見据え、将来の事業成長を支える人材の確保や必要な機能強化につながる採用活動を進め、組織基盤の強化を図ってまいります。

 

(ロ)社内環境整備方針

当社グループは、多様なスキル・経験・価値観を持つ社員が、公正に評価され、互いを尊重しながら個性と能力を最大限に発揮できるよう、心理的安全性の高い組織文化と働きやすい社内環境の整備に取り組んでおります。

新卒・中途を問わず入社した社員が早期に活躍し、組織に馴染めるよう、オンボーディングプログラムを導入し受入体制の充実を進めております。また、多様な人材が活躍できるよう、ワークライフバランスを実現し、ライフステージに合わせて柔軟に働ける職場環境づくりに取り組むことで、仕事の生産性向上と生活の質の向上をめざしてまいります。

女性活躍の面では、育児短時間勤務制度の適用期間延長や、柔軟な始業・終業が可能な中抜け制度など、ライフイベントとキャリアを両立できる制度を継続的に拡充しております。さらに、男性の育児休暇取得も積極的に促進し、性別やライフステージにとらわれない柔軟な働き方の実現に努めてまいります。

 

(3)リスク管理

 サステナビリティに係るリスク及び機会は、サステナビリティ委員会にて洗い出しを行い、各事業部門と連携し、確認・対応を行っております。各種施策の進捗は各部会、執行役員会にて議論・報告がなされ、必要に応じて取締役会へ報告しております。また、サステナビリティ係る事項は、常務取締役が管掌しており、常務取締役はサステナビリティ委員会の委員長としてサステナビリティが事業に与える影響について評価し、リスク及び対策について管理を行っております。

 

(4)指標及び目標

 当社では、上記「(2)戦略」において記載した人材の多様性を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりです。

指標

目標

実績(当連結会計年度)

管理職に占める女性労働者の割合

35.0

33.6

男性労働者の育児休業取得率

100.0

100.0

労働者の男女の賃金の差異

90.0

86.3

(注)人材育成・社内環境整備は連結子会社各社で行われていますが、規模・制度の違いから一律に記載せず、人材の大多数が所属する当社単体について開示しています。

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している重要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

①消費低迷や天候不順に関するリスク

 当社グループが扱っております衣料品は、国内外の影響で景気低迷となることや生活必需品値上等で消費マインドが低下することとなった場合、販売不振や販売価格の低下をもたらし、また、シーズン性が高く天候により売上が変動しやすいため、残暑や暖冬などの天候不順により販売不振となる場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(対応策)

 当社グループは、こうした外部環境の変化への対応として、基幹事業であるアパレル卸売の収益性を向上し、小売・ライフスタイル卸売の拡大を進めることで、収益基盤の強化に努め、持続的な成長と企業価値の向上に努めています。

 

②ファッショントレンドや消費者嗜好の変化に関するリスク

 ファッショントレンドの移り変わりによる消費者の嗜好の変化により適切な商品が提供できなかった場合には、販売不振等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(対応策)

 当社グループは、常にファッション情報の収集・分析を行い商品企画の精度向上に努め、多くのブランドを複数の販売チャネルで展開することで消費者の多様な嗜好に対応してまいります。

 

③自然災害に関するリスク

 地震、火災、風水害等の自然災害により事業運営上の困難が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(対応策)

 当社グループは、BCP(事業継続計画)を策定するとともに、大規模地震を想定した緊急時対応訓練を継続的に実施し、グループを挙げて緊急時対応レベルの向上を図っています。

 

④海外からの商品調達に関するリスク

 当社グループの商品は、中国を始めとするアジア諸国等にて生産し国内に輸入、販売しておりますが、海外における自然災害、パンデミック、テロ、戦争、政変や経済情勢の悪化等の発生などにより、海外からの商品調達を適切に行うことができなかった場合や原材料価格の高騰により、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 当社グループは、複数の原料調達先を所有し、特定の原材料を特定の調達先に依存することなく、かつ適正な価格により調達する仕組みを整えています。

 

⑤為替レート変動に関するリスク

 当社グループの商品は、ほとんどを海外で生産し国内へ輸入しており、決済の大半はドル建となっております。そのため、急激な為替相場の変動や極端な為替レートの変動は商品原価の上昇を招き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 当社グループは、商品の調達において為替予約取引を活用し、輸入為替レートの平準化を図っています。これにより、仕入コストの安定化に取り組み、為替変動リスクの低減に努めています。

 

⑥情報管理に関するリスク

 当社グループは、個人情報や開発・営業に関する秘密情報を保有しております。情報管理については、秘密保持契約書の締結及び情報の管理を徹底するとともに、社員には入社時に秘密保持の誓約書の提出を義務付けております。しかしながら、停電、ネットワーク等の通信障害、人為的ミスやサイバー攻撃による外部からの不正アクセス等、予期せぬ事で情報が外部漏洩した場合、修復のための多額の費用や重要なデータの消失・毀損、業務の中断又は遅延等の発生や社会的信用の低下、損害賠償責任が生じる等当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(対応策)

 当社グループは、各事業の遂行にあたり情報システムを多用しています。また、各事業において顧客から取得した個人情報、役職員、その他関係者等の個人情報及び機密情報を多数保有しています。このため、当社グループでは、個人情報への不正アクセスやその漏洩、滅失、改ざん等の防止対策として、従来の脅威メール対策及びファイヤーウォール導入による境界防御に加え、ゼロトラストモデルと多要素認証を組み合わせたセキュリティ強化、並びにシステム異常やサイバー攻撃の予兆を検知するシステム(SIEM)の導入、24時間365日サイバー攻撃を検知するシステム(EDR/SOC)の導入を行い、障害発生時の迅速な対応に向けた態勢を整備するとともに、個人情報保護に関する法令や社会的規範の遵守のため、役職員に対し情報管理に関する周知及び教育を徹底することにより情報の適切な管理に努めています。

 

⑦M&Aに関するリスク

 当社グループでは、成長戦略の一環として、M&Aや事業提携等による事業の拡大を経営戦略のひとつとして進めております。グループでのシナジー効果や、事業ポートフォリオの最適化を図ることにより、事業価値の最大化を目指してまいりますが、市場経済状態の悪化や期待した収益や効果が得られないことにより当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(対応策)

 当社グループは、買収等を行う際にはその目的、意義を明確にした上でリスクを把握し、投下資本に対する利回りが期待収益率を上回っているか定量的に評価し、一定金額以上の重要案件は取締役会で審議を行っております。 また、買収後は、投資回収に努めるものの、経済状況の変化に伴い中長期的に損失が見込まれる場合は決算に反映させています。

 

⑧新規事業に関するリスク

 当社グループでは、顧客や市場の変化に柔軟に対応した商品、販路の拡大やライフスタイル商品を含む新規の業態開発を進めています。新規事業は、十分な調査・研究を行い判断しておりますが、計画どおりに進捗しない場合や市場環境の変化等により成果が上がらない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(対応策)

 当社グループは、新規事業の概況や市場動向を注視しながら、適切なタイミングで事業の再編や構造改革を実施するように努めております。また、経済状況の変化に伴い中長期的に損失が見込まれる場合は決算に反映させています。

 

⑨感染症拡大に関するリスク

 新たな感染症の流行が発生した場合は、生産拠点・物流体制・経済活動停滞や個人消費の減少等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 大規模な感染症等に対しては、お客様や役職員の安全確保を最優先とし、事業活動に支障が出ることがないよう予防、拡大の防止に努めています。また、営業面では、ファッション衣料商品に加え、感染症影響下に対応したアパレル商品やライフスタイル商品の開発を進め、EC販売を積極化することで、販売拡大に努めます。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

①経営成績の状況

 当連結会計年度(2025年2月1日~2026年1月31日)におけるわが国経済は、企業による賃上げを背景に雇用・所得環境が改善し、緩やかな回復基調が続きました。一方で、米国の金融政策の動向や不安定な国際情勢による世界経済への影響が懸念され、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 当アパレル業界では、記録的な残暑や暖冬の影響により秋冬物商品の販売が伸び悩みました。加えて、原材料価格の高騰などを背景とした物価上昇により、消費者の生活防衛意識が一段と高まり、厳しい経営環境となりました。

 このような環境の中、当社グループは、今年度より策定した中期経営計画に基づき、アパレルとライフスタイルの両輪で収益力向上に取り組んでまいりました。アパレル卸売では、収益性向上を目的として専門店販路の拡大を進めるとともに、機能性ファッションブランド「クロスファンクション」の強化やメンズ事業の拡大に注力しました。小売では、自社ブランドを展開する量販ショップにおいて好調な雑貨の品ぞろえを拡充し、ECにおいてはSNSや動画を活用したマーケティングを強化することで売上の拡大を図りました。ライフスタイル卸売では、シーズン雑貨に加え、ビューティー、ヘルスケア、ファッション雑貨などのライフスタイル領域を拡充し、アパレルだからこそできるライフスタイルの創造に取り組んでまいりました。

 売上高は、アパレル卸売における大手GMS向けや無店舗向けの販売が堅調に推移した一方、郊外型専門店向けが引き続き苦戦したことから、前年を下回る結果となりました。ライフスタイル卸売においては、バラエティショップ向け雑貨の新ブランド「Yoki」が順調に拡大したものの、帽子等のファッション雑貨の苦戦をカバーしきれず、前年割れとなりました一方、小売はアパレル店舗が苦戦したものの、雑貨ショップの好調が継続しました。また、「for/c」のボトムや機能性ブランド「クロスファンクション」のEC販売が大きく伸長し、増収を確保しました。
 利益面では、アパレル卸売での原価低減やEC売上拡大による利益率の改善が進んだことに加え、グループ会社の業績回復も寄与し、売上総利益は165億16百万円(前年同期比1.2%増)と増加しました。経費面では、人件費や物流費の増加があったものの、広告宣伝費や販促費などの変動費と固定費削減が奏功し、販売費及び一般管理費は151億21百万円(前年同期比1.0%減)と、収益性改善施策が成果を生み、堅実な利益成長に繋がりました。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は598億52百万円(前年同期比3.5%減)、営業利益は13億95百万円(前年同期比35.5%増)、経常利益は16億36百万円(前年同期比28.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は17億59百万円(前年同期比36.4%増)となりました。
 なお、当社グループは、衣料品事業の割合が高く、開示情報としての重要性が乏しいと考えられることから、セグメント情報の記載を省略しております。

 

②財政状態の状況

a.資産

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ20億20百万円増加の296億78百万円となりました。流動資産は、その他流動資産が2億70百万円減少したものの、現金及び預金が6億66百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ5億49百万円増加の185億61百万円となりました。固定資産は、投資有価証券が12億11百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ14億70百万円増加の111億16百万円となりました。

b.負債

 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ5億11百万円減少の102億4百万円となりました。流動負債は、買掛金が7億44百万円減少し、1年内返済予定の長期借入金が4億18百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ12億85百万円減少の66億4百万円となりました。固定負債は、長期借入金が5億34百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ7億74百万円増加の36億円となりました。

c.純資産

 当連結会計年度末の純資産は、利益剰余金が14億66百万円増加し、その他有価証券評価差額金が9億97百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ25億31百万円増加の194億74百万円となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6億66百万円増加し、49億73百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、9億47百万円の収入(前年同期は4億86百万円の支出)となりました。これは、仕入債務の減少が11億11百万円(前年同期は3億80百万円の減少)、棚卸資産の増加が1億35百万円(前年同期は4億14百万円の増加)となったものの、税金等調整前当期純利益が20億58百万円(前年同期は15億11百万円)となったこと等によります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、1億18百万円の支出(前年同期は2億32百万円の収入)となりました。これは、投資有価証券の売却による収入が3億19百万円(前年同期は4億円の収入)となったものの、有形固定資産の取得による支出が3億56百万円(前年同期は1億17百万円の支出)となったこと等によります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、1億66百万円の支出(前年同期は11億9百万円の支出)となりました。これは、長期借入れによる収入が15億円(前年同期はなし)となったものの、長期借入金の返済による支出が13億83百万円(前年同期は10億66百万円の支出)、配当金の支払額が2億81百万円(前年同期は2億21百万円の支出)となったこと等によります。

 

④仕入及び販売の実績

 当社グループは衣料品事業の割合が高く、開示情報としての重要性が乏しいと考えられることから、セグメント情報の記載を省略しております。

 

a.仕入実績

当連結会計年度における事業部門別の仕入実績は、次のとおりであります。

区分

金額(百万円)

前年同期比(%)

卸売

34,644

△8.5

小売

6,205

+1.7

その他

1,059

+30.1

合計

41,909

△6.4

 

b.販売実績

当連結会計年度における事業部門別の売上高は、次のとおりであります。

区分

金額(百万円)

前年同期比(%)

 

アパレル卸売

44,202

△4.9

 

ライフスタイル卸売

2,577

△8.5

卸売

46,780

△5.1

小売

12,656

+3.4

その他

416

△9.2

合計

59,852

△3.5

 

当連結会計年度における販売チャネル別の売上高は、次のとおりであります。

区分

金額(百万円)

前年同期比(%)

専門店

27,536

△8.7

量販店

20,956

△0.2

無店舗

5,306

+4.0

EC

3,244

+16.1

百貨店他

2,082

△7.1

その他

727

+0.4

合計

59,852

△3.5

 

 

(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであ

   ります。

相手先

前連結会計年度

(自 2024年2月1日

至 2025年1月31日)

当連結会計年度

(自 2025年2月1日

至 2026年1月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社しまむら

20,293

32.7

17,893

29.9

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討結果

 

2026年1月期予想

(A)

2026年1月期実績

(B)

予想比

(B-A)

2025年1月期

参考

売上高  (百万円)

64,000

59,852

△4,148

62,004

営業利益 (百万円)

1,200

1,395

+195

1,029

 売上高は、アパレル卸売において郊外型専門店向けが減少したこと、及びライフスタイル卸売において帽子等のファッション雑貨が減少したことにより、予想を下回りました。

 利益面では、減収はあるものの、アパレル卸売での原価低減が進んだことに加え、広告宣伝費や販促費などの変動費が減少し、営業利益は予想を上回りました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入代金、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、M&A等によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資、M&A及び長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。

 なお、当連結会計年度末における借入金及び社債を含む有利子負債の残高は30億33百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は49億73百万円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

5【重要な契約等】

(1) 商標ライセンス契約(2026年1月31日現在)

会社名

相手方の名称

契約内容

契約期間

提出会社

株式会社Turns

登録商標SEASON REASON by Lin.&Red等の許諾に係る契約

自 2020年7月20日

至 2028年12月31日

(以降、協議の上、更新契約)

提出会社

株式会社ヒロココシノ

登録商標HK WORKS等の商標使用権

の許諾に係わる契約

自 2014年2月1日

至 2027年1月31日

(以降、1年毎の更新契約)

提出会社

株式会社ヒロココシノ

登録商標as-ideal等の商標使用権

の許諾に係わる契約

自 2014年11月1日

至 2027年1月31日

(以降、1年毎の更新契約)

提出会社

ジュンコ シマダ
インターナショナル株式会社

登録商標PART2JUNKO SHIMADA、

49AV JUNKO SHIMADA等の商標使用権の許諾に係わる契約

自 2001年3月1日

至 2027年1月31日

(以降、協議の上、更新契約)

提出会社

株式会社パーソンズデザインスタジオ

登録商標A/C DESIGN BY ALPHA CUBIC等の商標使用権の許諾に係わる契約

自 2003年2月1日

至 2027年1月31日

(以降、協議の上、更新契約)

 (注) 上記商標契約については、対価として一定率のロイヤリティを支払っております。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。