当社は、2026年4月27日開催の当社取締役会において、子会社取得を行うことを決議しましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第8号の2の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。
(1) 取得対象子会社に関する事項
(注1)2025年12月期の連結経営成績及び連結財政状態については監査中の数値です。
(注2)連結経常利益は算出していないため、記載を省略しています。
(2) 取得対象子会社に関する子会社取得の目的
当社グループは、コンタクトセンター・BPO事業を基軸として創業し、2016年よりコンタクトセンターで必須となるPBX※1「Omnia LINK(オムニアリンク)」を自社で開発し、自社コンタクトセンターでの利用を行ってまいりました。続く2017年には、Omnia LINKを外部顧客向けに提供するOmnia LINK外販事業を開始し、現在では、AI機能を多数搭載するとともに、Omnia LINK外販事業のみで国内100社以上に導入いただいております。
国内クラウドPBX市場は10%以上の高い成長率が見込まれており、当社グループとしては収益性の高いOmnia LINK外販事業の売上比率をさらに高めることが、グループ全体の利益率向上、および大きな社会構造の変化に適時に順応するための次の10年に向けたコンタクトセンター・BPO事業や労働集約型ビジネスに留まらない持続的成長投資の原資確保において重要であると考えております。また、その施策の一つとして、中期経営計画にも目標として織り込んだうえで、Omnia LINKの海外展開を検討してまいりました。
複数国への進出可能性を検討する中で、当社グループはマレーシアを最初の海外展開先として選定いたしました。同国への複数回の訪問、ローカル企業および業界関係者へのヒアリング、外部機関を活用した市場調査を踏まえ、以下の理由により進出を決定しております。
・ 多民族国家でありマルチリンガル対応が可能なため、コンタクトセンターのオフショア市場が拡大しており、今後も市場拡大が見込まれること
・ 人口約3,000万人(日本の約1/4)に対し、約30万席規模(日本の約1/2)のコンタクトセンター席数を有し、相対的にコンタクトセンター従事者が多いこと
・ 行政主導でIT化・クラウド化が推進されていること
・ 社会におけるガバナンス意識が高く、事業運営上のリスクが相対的に低いこと
・ 米国系大手ベンダーの参入が限定的であり、とりわけ50~100席規模の中規模コールセンター向けの適切な製品が不足していることから、Omnia LINKの競争優位性を発揮できる余地が大きいこと
Radiant社は、子会社2社を含めて従業員50名程度を有し、1997年より米国Alcatel-Lucent社のパートナーとして、マレーシアの国内企業(国営企業を含む)向けに電話設備やネットワーク機器の構築・保守を手掛けてまいりました。直近10年間では、事業領域をコンタクトセンター分野へ拡大、米国Genesys社の有力パートナーとして、自社開発システムも組み合わせ、Genesys社製品の販売・保守サービスを提供しています。また、近年はシステムの自社開発にも注力しており、コンタクトセンター向けAIエージェントソリューション「KeyAI(キーエーアイ)※2」やCRM※3などのプロダクトを展開しております。
コンタクトセンター顧客のニーズを深く理解し、必要な機能を自社開発する同社の姿勢は、オペレーション知見を基にOmnia LINKを開発してきた当社グループと高い親和性があると認識しております。本株式取得により、Radiant社が有するネットワーク構築ノウハウおよびマレーシアのコンタクトセンター業界におけるプレゼンスを活用し、Omnia LINKのローカライズおよび市場浸透を加速させてまいります。また、当社グループが培ってきた日本型オペレーションの高度化ノウハウを現地顧客へ提供することで、マレーシア市場における独自ポジションの確立を目指します。
さらに将来的には、上述のOmnia LINKのローカライズ、中でも世界人口で5人に1人が使用するとも言われ需要の高い英語での入出力対応を高度なレベルで達成することによりサービス提供の裾野を拡大するとともに、他言語への応用のためのノウハウを蓄積したうえで、マレーシアを起点として、ASEAN市場へ展開することも視野に入れております。海外市場での成長を取り込むことで、Omnia LINK外販事業の売上比率を一層高め、国内のみでは実現困難な成長水準の達成を目指します。
他方で、これと同時に、Radiant社が有するAIソリューション「KeyAI」について、当社グループの事業に融合することにより、日本市場で展開することも検討してまいります。音声およびチャット対応に加え、AIエージェントにより、通話後の処理も自動化するワークフロー機能を備えており、労働力人口減少が進む日本市場においても高い付加価値を提供できるものと考えております。日本での販売が決定いたしましたら、その開始時期については、改めて公表いたします。
また本件の実行を踏まえ、将来的には、「KeyAIやOmnia LINKといった既存のコンタクトセンター・BPO関連ソフトウェア領域」、「ネットワークも含めたハードウェア領域」、そして「人的サービス領域」といったケイパビリティを連動させ、さらに拡張させることで、新たな事業領域も含め、オーガニック・インオーガニックでの成長を加速させることが可能と考えております。
※1 PBX:Private Branch eXchangeの略。企業などの拠点内に設置し、IP電話などの外線の発着信の制御や内線電話の接続をコントロールする構内交換機。
※2 KeyAI:Radiant社が開発したコンタクトセンター向けAIエージェントソリューション。生成AIを活用し、AIエージェントが多言語での音声・テキスト等の自動応対が可能であるとともに、応対後に業務システムへのデータ連携および後処理を行うためのワークフロー機能も有する。
※3 CRM:Customer Relationship Managementの略。顧客情報を一元管理し、営業、マーケティング、カスタマーサポートなどの業務を効率化・最適化するシステム。
(3) 取得株式数及び取得前後の所有株式の状況
(注1)アーンアウト対価はクロージング日のRadiant社の出資者に追加的に支払われる対価であり、2026年1月から2027年12月までのRadiant社のEBITDA が一定の金額を超えた場合、その超過額に応じて、0 MYR~9.5百万MYRの範囲内で支払われます。
アーンアウト対価の導入により、本件買収に伴うリスクを軽減するとともに、Radiant社側に対するインセンティブ効果が得られることになります。
(注2)日本円は、1 MYR= 40円で円換算して表記しております。
以上