第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 1)会社の経営の基本方針

当社は、次の経営理念により、信頼性の高い誠実な企業運営を続けることを基本方針としています。

「商業を通じ消費生活と生活文化の向上に貢献することを基本とする。

 常に最先端の商業、流通技術の運用によって高い生産性と適正な企業業績を維持する。

 世界的視野と人間尊重の経営を基本とし、普遍的な信用、信頼性をもつ誠実な企業運営を続ける。」

 

 2)経営環境

  わが国の今後の経済状況は、米国政権の政策に伴う不確実性や中東情勢の緊迫化など地政学的リスクが残るものの、2026年の賃上げ率は前年に続き高い水準が期待されており、所得環境の改善が進むとみられます。一方で、エネルギーや食料品価格の高騰による物価高が、引き続き個人消費の負担となることが懸念されております。

  小売業を取り巻く環境は、賃金上昇を背景に消費者の購買意欲の回復が期待される一方、生活必需品に対する節約志向は依然として根強く、価値と価格のバランスが取れた商品のご提案がより一層重要になることが予測されております。また、サステナブル商品への関心の高まりや、実店舗とECを融合したオムニチャネル施策の加速など、変化への迅速な対応が求められております。

 

 3)目標とする経営指標

当社は、小売業としての適切な営業利益率を10%として意識し、連結営業利益率についても10%が適切と認識しております。このためにグループ全体を統合した物流システム、情報システムを基本に調達・運営・組織の高度化を図り、新しい企業構造への仕組みの構築を進めております。

 

 4)中長期的な会社の経営戦略

当社は、経営理念に基づいた企業運営を行うため、「社員」「お客様」「取引先」「株主」「社会」にとって「いい会社」を造ることを、長期に渡る経営ミッションとして掲げております。また、本業を通じてESG課題にも取り組み、全てのステークホルダーに対して価値を創造することで、持続可能な社会の実現、企業価値の向上を目指していきます。

 ①長期経営計画2030

当社グループでは、長期的かつ持続的な成長を実現するために、2030年2月期に向けた成長戦略として「長期経営計画2030」を策定しています。長期ビジョンのテーマを「日々の暮らしにワクワクを」とし、既存店事業の伸長と積極的な出店を通じて商圏シェアを拡大し、地域のお客様に対して“ワクワク”する商品とサービスを提供することで、日々の暮らしに楽しさをお届けします。「長期経営計画2030」の骨子は以下の通りです。

a.成長戦略では、事業ポートフォリオの再構築、既存店売上の伸長、新規出店の強化と既存店改装の推進、EC事業の拡大、新たな海外展開を含む新規事業の研究を進めます。

b.基礎と基盤の強化においては、労働力不足への対応や人事労務制度の見直しを進め、教育体系も改善します。また、デジタル化の推進により業務効率を向上させ、物流網の再構築では新規商品センターおよびECセンターの設置を進めます。

c.資本政策では、店舗・商品センターや人的資本への成長投資を継続し、長期的・安定的な株主還元と適正な規模の内部留保を維持します。

d.ESG活動では、プラスチックごみの削減や環境に配慮したサステナブル商品の開発を推進し、サプライチェーンにおける環境・人権への配慮も強化します。また、社員のダイバーシティ推進とガバナンス体制の更なる強化も図ります。これらの戦略のもと、2030年2月期に売上高8,000億円以上、営業利益率10%、ROE9.0%以上の実現を目指します。

②中期経営計画2027

 当社グループにおいて2027年2月期は、「中期経営計画2027」の最終年度にあたります。基本方針「ネクスト・チャレンジ(成長への挑戦)」のもと、社員全員の創意工夫により、既存店業績の伸長と積極的な出店を推進します。これにより、効率的な運営を通じた収益性の向上を図り、中期経営計画2027の目標である連結売上高7,291億円、営業利益率9.2%の達成を目指します。

 

 5)会社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

2026年度のグループ統一テーマは、“ネクスト・チャレンジ3rd『進化する挑戦』”とし、これまでの取り組みを単なる繰り返しに終わらせるのではなく、挑戦自体をより大きく、より価値のあるものに成長させていくこととしました。

①重点課題

a.商品力の強化

商品力の強化については、自社ブランド(PB)の進化とヒット商品の開発、さらには挑戦的な企画商品の創出により、ブランド力の継続的な成長を図ります。また、従来の枠を超えたラインロビングへの挑戦によって新たな顧客層の獲得を推進するとともに、データ分析を一層深化させることで、新規商品の創出と最適な商品構成を実現し、多様化する顧客ニーズに的確に応えていきます。

b.販売力の強化

販売力の強化では、革新的な販促手法と最先端デジタル技術の導入に挑戦し、インプロ(インストアプロモーション)のデジタル活用やVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)をさらに進化させます。あわせて、顧客データの活用により売場や販促の抜本的な見直しを図るとともに、店舗や地域の特性に応じた最適な商品・売場展開を深化させます。さらに、接客技術の向上を通じて新たな購買体験を創造することで、お客様のストアロイヤリティを一段と向上させていきます。

c.基礎と基盤の強化

基礎と基盤の強化では、新たなデジタル技術への挑戦により店舗および本社オペレーションの効率化を徹底するとともに、多様化する顧客ニーズに応えるべくECサイトのさらなる進化を推進します。出店戦略では、都市部への出店やリロケーション、ファッションモール化を拡大し、あわせて新規事業や海外事業への挑戦を加速させます。また、単なるリスクヘッジに留まらない、競争優位性と持続可能性を兼ね備えたサプライチェーンを構築し、本業を通じた「しまむら流ESG」を推進します。さらに、人材戦略を進化させることで、働きやすく働きがいのある「いい会社」を実現し、持続的な成長を支える強固な経営基盤を構築します。

②主力のしまむら事業

20代から60代の女性とその家族をターゲットとするしまむら事業では、お客様が気軽に楽しく選べる品揃えと売場の進化を目指します。商品力の強化では、天候や気温に左右されにくい企画の強化や、従来の発想を脱却したPB開発によるヒット商品の創出、商品グレードの向上を推進します。あわせて、ASEAN生産の拡大や貿易部仕入れの強化といった調達方法の進化に加え、サステナブル商品の拡充や酷暑への対応を徹底します。販売力の強化では、PB・JB・キャラクター・モチベーション売場の進化を図るとともに、EC企画の更なる充実を推進します。

2026年度は、25店舗の開店と18店舗の閉店を予定し、年度末には1,430店舗とする予定です。

③アベイル事業

   10代から40代の男女をターゲットとするアベイル事業では、ファンの拡大による客数向上を目指し、トレンドからベーシック、キャラクターまで幅広く旬な品揃えを提供するために、商品力と販売力の更なる強化を図ります。商品力の強化では、キャラクター商品展開の進化やライフスタイルの多様化に合わせた新規カテゴリーの展開を推進します。あわせて、トレンドに対応する短サイクル生産やベーシックの品質向上を支える生産背景を構築することで、話題性のある商品をいち早く品揃えするとともに商品グレードの向上を図ります。販売力の強化では、話題性と拡散力がある催事の定型化や、店舗特性に合わせた品揃え・売場の最適化を図るとともに、新規の陳列標準によるVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)の向上やECを活用した新規施策の促進を進めます。

   2026年度は、15店舗の開店と9店舗の閉店を予定し、年度末には329店舗とする予定です。

④バースデイ事業

   「ベビー・子供用品の総合専門店」として国内No.1を目指すため、商品力と販売力の更なる進化による既存店売上の向上を図ります。商品力の強化では、お客様に喜ばれるJBの展開や、成育・時短といった世相を反映したPB開発、出産育児用品の構成見直しを推進します。あわせて、サステナブル商品の拡大や、ASEANでのQR(クイックレスポンス)対応可能な生産背景の確保、グループのスケールメリットを活かした共同調達など、調達方法の進化に取り組みます。販売力の強化では、気温・天候に左右されにくい企画の展開や、商品特長を的確に伝える陳列演出・販促方法の改善により売場提案力を高めるとともに、受注生産の仕組み化によるEC売上の拡大を進めます。

   2026年度は、9店舗の開店と6店舗の閉店を予定し、年度末には346店舗とする予定です。

 

 

 

  ⑤シャンブル事業

   10代から60代の女性をターゲットとした「雑貨&ファッション」の専門店であるシャンブルは、日々の暮らしを彩るライフスタイルを提案するために、多様なニーズに応える商品の拡充と、魅力的な売場演出を図ります。商品力の強化では、商品・サイズ・年代の枠を広げるラインロビングの強化や、インフルエンサーコラボを含む既存JBの進化を推進します。あわせて、機能性商品の拡充や貿易部の活用による品質向上と値入れ改善に取り組み、商品力と収益性の向上を両立させます。販売力の強化では、季節やイベントに合わせたチラシ本数の拡大やギフト好適品のバリエーション拡充、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)技術の進化による買上点数向上を目指すとともに、多角的なECフェアの実施によりEC売上の更なる強化を進めます。

 2026年度は、11店舗の開店と3店舗の閉店を予定し、年度末には133店舗とする予定です。

⑥ディバロ事業

   20代から60代の女性とその家族をターゲットとした「靴とファッショングッズの専門店」であるディバロは、日常生活で履けるちょうどいい靴を提供します。商品力の強化では、疲れにくさや、フィット感などの機能性を高めた品揃えを追求します。販売力の強化では、「買いやすさ・選びやすさ」を追求したストレスフリーな売場と、陳列・演出力を高めた「ワクワクする売場」を構築します。また、足型計測に基づく商品レコメンドや顧客の悩みを解決する接客技術を向上させるとともに、インフルエンサー企画の創出、体験型サービスの提供を通じて、ストアロイヤリティの向上と新規顧客の獲得を図ります。EC販売の強化では、顧客データを活用したデジタル販促を強化し、実店舗との相乗効果を高めます。

   2026年度は、開閉店の予定はなく、年度末には19店舗とする予定です。

⑦思夢樂事業

   台湾全域で店舗を展開する思夢樂は、20代から60代の女性とその家族をターゲットとした総合衣料の専門店として、「高感度・高品質・低価格×日本」というブランドの認知度向上を図ります。商品力の強化では、日本商品を中心としたオリジナル商品の拡大やラインロビングによる新規顧客の獲得を推進します。販売力の強化では、インフルエンサーや中山北路店、ポップアップ店舗の活用によりブランド知名度を高めるとともに、大都市や地方中核都市での出店を拡大します。あわせて、自社ECの取扱商品拡大と店舗受取りサービスの開始により、利便性を向上させます。

   2026年度は、5店舗の開店と2店舗の閉店を予定し、年度末には48店舗とする予定です。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方や取り組みは以下の通りです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

1)サステナビリティ全般

当社グループは、本業を通じて持続可能な「しまむら流のESG対応」を推し進め、「社員」「お客様」「取引先」「株主」「社会」にとって「いい会社」を造ることで、企業の持続的な成長を目指します。

①ガバナンス

ガバナンスは、提出日(2026年5月12日)現在の状況を記載しております。

a.取締役会の役割

当社グループのESGに関する方針は、取締役会の諮問機関である経営計画策定委員会で審議したうえで、取締役会で決定しています。当社はESG課題を経営課題と捉えており、経営計画について議論を行う経営計画策定委員会でESG課題についても審議しています。経営計画策定委員会の委員は、取締役全員の計8名です。

取締役会は、年2回以上、各部門やESG推進チームで取り組んだ内容と結果について報告を受け、それをモニタリングし、監督しています。さらに、ESGに関する経営戦略、経営計画等の重要な事項について決定を行っています。

b.グループ経営会議の役割

取締役会で決定された方針は、各部署に伝達され、それぞれの部署方針に組み込んでいます。また、部署を超えて取り組むべき方針については、執行役員が参加するESG推進チームで審議したうえで、各部署と連携して取り組んでいます。

c.サステナビリティ(ESG)推進体制

当社グループは、サステナビリティ方針の基本的な考え方に沿って、ESG課題に対して持続的な活動を行っています。ESG課題に対するテーマ設定や課題への解決プロセス、数値目標などについては、経営計画策定委員会で審議し、取締役会で決定します。

その後、決定された目標に対して、執行役員及び社内各部署が横断的に連携するESG推進チームを設置し、月1回の定期ミーティングで、課題に対する進捗報告や問題提起等を行っています。

ESG推進チームの活動内容については、ESG対応部署である広報室が進捗管理を行い、毎月社長へ報告しています。また、年2回以上、取締役会または経営計画策定委員会へ報告しています。

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②戦略

当社グループは、持続可能な社会の実現のため、サプライチェーンの各段階における「環境」「社会」「ガバナンス」の諸問題を重点課題と捉え、その課題解決に向けて取り組んでいます。当社グループの経営理念や経営ミッションは、国連の提唱するSDGsの目標に通じており、企業活動や課題解決に向けての取組みがSDGsの達成にも貢献すると考えています。SDGsの17の目標の内、9つの目標について、特に関連性が高いと考えており、しまむらグループは 9つの目標に関連する 6つのサステナビリティ重点課題を設定しています。

サステナビリティ重点課題

SDGsの目標

環境

サーキュラーエコノミーの推進

11、12、13、14、15

GHG排出量の削減

持続可能な調達

社会

多様な人材活躍

5、8、11、16、17

衣料品インフラの役割強化

ガバナンス

ガバナンスの進化

16、17

 

③リスク管理

当社グループでは、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識しているリスクについては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しています。なお、気候変動に関するリスクと機会については、「2)気候変動への取組み ②戦略 b.特定した気候変動に関する主なリスクと機会」に記載しております。

 

④指標と目標

2030年2月期までの長期目標、2027年2月期までの中期目標、2025年度の数値実績は下記のとおりです。

重点課題

取組み事項

2025年度

数値実績

長期目標2030

中期目標2027

サーキュラー

エコノミーの推進

プラスチックごみの削減

ハンガーの完全循環型リサイクル比率90.0%

(注)1

80.9%

ビニールの完全循環型リサイクル比率50.0%

(注)2

32.8%

GHG排出量の削減

商品廃棄ゼロの継続と進化

商品廃棄ゼロの継続 (注)3

商品廃棄ゼロ

GHG排出量の削減

GHG排出量(Scope1,2)2013年度比60.0%削減

57.0%

(注)4

持続可能な調達

サステナブル商品の開発と

販売促進

サステナブル商品売上高比率40.0%(注)5

34.5%

サプライチェーンの人権尊重

サプライヤーCoC遵守体制の継続と強化

多様な人材活躍

ダイバーシティの推進

女性管理職比率23.0% (注)6

20.2%

障がい者雇用率5.0%

5.36%

(注)7

衣料品インフラの

役割強化

衣料品インフラの役割強化

(主に買い物弱者への対応)

売上計画2.0億円 (注)8

1.5億円

出張販売の実施

買い物ツアーの受け入れ実施

オンラインストアの拡大

ガバナンスの進化

成長戦略・資本政策の継続的な審議と実行

リスク管理の継続と進化

後継者の育成

取締役会の多様性と適正規模の確保

(注)当社グループにおける主要な事業を営む提出会社の状況を記載しております。

(注)1.商品に付属する当社指定色のプラスチックハンガー。

2.納品時に使用している商品保護用透明ビニール(ポリプロピレン素材)。

3.当社は、現在も商品廃棄ゼロ。今後も継続します。

4.GHG排出量の削減率は、2024年度実績。

5.しまむら事業、アベイル事業、バースデイ事業、シャンブル事業のPB(プライベートブランド)商品。

中期目標2027を「サステナブル商品比率40%」から「サステナブル商品売上高比率40%」に変更しましたが、算出方法に変更はありません。

6.主幹級以上の女性管理職比率。

7.障がい者雇用率の実績は、「障害者雇用状況報告書」の最新値(2025年6月1日現在)を記載しております。

8.出張販売、買い物ツアー、高齢者向けオンラインストアの合算の売上。

当初の目標を上回ったため、中期目標2027を「売上計画1.3億円」から「売上計画2.0億円」に変更しました。

 

 

2)気候変動への取組み

当社グループは、気候変動への対応を重要な経営課題であると考えており、温室効果ガス削減のために独自の合理的な取組みを推し進めています。そのうえで、ESG投資を行う機関投資家などが適切な投資判断を行えるよう、TCFD提言に賛同し、TCFDの4つの開示項目に沿ってその取り組みを開示しています。

なお、気候変動への取組みについては、当社グループにおける主要な事業を営む提出会社の状況を記載しております。

 

①ガバナンス

第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 1)サステナビリティ全般 ①ガバナンス」に記載しています。

 

②戦略

a.シナリオ分析の実施

気候変動リスクには、政策や法規制の変化などがもたらす「移行リスク」と、自然災害の増加による資産の損害といった「物理的リスク」があります。当社は、気候変動に関する主なリスクと機会が事業へ与える影響を特定し、対応戦略を立案するために、シナリオ分析を行いました。なお、シナリオ分析は、下記のプロセスで行っています。

ESGを担当する広報室がシナリオ分析を行います。

広報室から取締役会へシナリオ分析結果を報告します。

取締役会で審議されたうえで、決定します。

 

ア.シナリオ分析の前提

・使用したシナリオ

 

国際エネルギー機関(IEA)

WEO 2024

気候変動に関する政府間パネル

(IPCC)第6次評価報告書

脱炭素シナリオ

(1.5℃~2℃)

NZE(実質排出量ゼロシナリオ)

SSP1-1.9,SSP1-2.6

温暖化進行シナリオ

(2.7℃~4℃)

STEPS(公表政策シナリオ)

SSP3-7.0,SSP5-8.5

 

・分析対象

国内事業(株式会社しまむら)

・想定した時期

短期

~2027年2月(中期経営計画の期間)

中期

~2030年2月(長期経営計画の期間)

長期

~2050年

 

イ.シナリオ分析で想定した世界観(シナリオで想定する気温は、2100年までの平均気温の上昇。)

脱炭素シナリオ

(1.5℃~2℃)

法規制

脱炭素に向けて、炭素税や厳しい法規制が課される。

エネルギー価格

化石燃料から再生可能エネルギーへの転換が進み、電力価格が上昇する。

自然災害

短~中期では、自然災害が頻発・激甚化する。

長期では、温暖化シナリオに比べて、自然災害の激甚化に歯止めがかかる。

温暖化進行シナリオ

(2.7℃~4℃)

法規制

現行の法規制が継続し、炭素税が導入された場合も影響は軽微。

エネルギー価格

化石燃料への依存が継続するため、原油価格が上昇する。

自然災害

長期になる程、自然災害が頻発・激甚化する。

脱炭素シナリオに比べて、発生頻度・被害が大きい。

b.特定した気候変動に関する主なリスクと機会

リスク・機会の種類

重要な変化

(発生時期)

内容

影響度

1.5~2℃

2.7~4℃

移行

リスク

政策・

法規制

炭素税の導入

GHG排出規制

(短~長期)

増税やエネルギー価格の上昇で、原材料価格・物流費が上昇することによる、商品調達コスト増加

非常に

大きい

大きい

増税やエネルギー価格の上昇による、光熱費等の店舗・商品センター運営のコスト増加

非常に

大きい

大きい

環境負荷の高い素材等への法規制に伴い、原材料・包装資材等の変更による、商品調達コストの増加

非常に

大きい

大きい

評判

環境課題への対応遅れ(短~長期)

環境課題への対応遅れによるステークホルダーからの評判の低下

非常に

大きい

大きい

移行

機会

製品/

サービス

顧客行動の変化

(短~長期)

消費者のサステナビリティへの意識の高まりに伴う、サステナブル商品の販売機会の増加

非常に

大きい

大きい

物理的

リスク

急性

リスク

台風・豪雨による

自然災害の増加

(短~長期)

被災地の店舗の営業休止による販売機会の喪失

大きい

非常に

大きい

被災地の商品センターの営業休止による、商品供給体制の寸断

大きい

非常に

大きい

被災地の建物被害による、店舗・商品センターの修繕コストの増加

大きい

非常に

大きい

慢性

リスク

平均気温の上昇

(短~長期)

農作物収穫量が減少することによる、商品調達コストの増加

大きい

非常に

大きい

夏期が長くなり、冬期が短くなることに伴い、冬物商品の購買動機が縮小することによる販売機会の喪失

大きい

非常に

大きい

降水量の不安定

(短~長期)

農作物収穫量が減少することによる、商品調達コストの増加

大きい

非常に

大きい

 

c.当社への財務インパクト(2050年を想定)

炭素税導入

脱炭素シナリオ

(1.5℃~2℃)

3,788百万円

*炭素税:250US$/t-CO2(NZE)

*当社GHG排出量(2024年度・Scope1,2):99,612t-CO2

温暖化進行シナリオ

(2.7℃~4℃)

2,394百万円

*炭素税:158US$/t-CO2(STEPS)

*当社GHG排出量(2024年度・Scope1,2):99,612t-CO2

災害による損失

脱炭素シナリオ

(1.5℃~2℃)

112百万円

*産業革命前と比べて災害発生率1.5倍(SSP1-1.9,SSP1-2.6)

*当社災害による損失(2015-2024年度平均):97百万円

温暖化進行シナリオ

(2.7℃~4℃)

203百万円

*産業革命前と比べて災害発生率2.7倍(SSP3-7.0,SSP5-8.5)

*当社災害による損失(2015-2024年度平均):97百万円

 

d.対応戦略

重要なリスク・機会

対応策

リスク

商品調達コスト増加

・生産国やサプライヤー(=メーカーや商社など商品の仕入れ先。約600社)の多様化・分散化によるリスク分散

・サプライヤーとの連携により、素材(原材料)が調達できなくなる場合への早期対策(素材の早期予約や、代替素材への変更等)の実施

物流コスト増加

・物流の効率化(商品センターの自社運営、自社共同配送、直接物流)

光熱費増加

・電力使用量削減のための設備導入(照明のLED化、省エネ型空調機への入替等)

・サステナブル店舗の開発(省エネ設備の導入、遮熱塗装、断熱材の増加等)

冬物商品の

販売機会の喪失

・トレンド商品やキャラクター商品等の企画・提案力の強化により、天候や気温以外の購買動機を創出

店舗の営業休止による

販売機会の喪失

・多店舗展開によるリスク分散(約2,200店舗)

・営業復旧のための体制や実施策について記載したBCP(事業継続計画)の運用

商品センター営業休止に

よる商品供給体制の寸断

・災害時の配送ルート等、体制や実施策について記載したBCP(事業継続計画)の運用

建物被害による

修繕コストの増加

・建物復旧のための体制や実施策について記載したBCP(事業継続計画)の運用

・店舗開発時にハザードマップ等を確認したうえでの出店

・浸水が予想される店舗へ止水板設置等の災害対策を実施

環境課題への対応遅れ

・資源のサーキュラーエコノミーの推進(ハンガー・ビニールリサイクル)

・商品廃棄ゼロの継続

・商品回収とリサイクル

機会

サステナブル商品の

販売機会の増加

・サステナブル商品の開発・販売の強化

 

③リスク管理

当社グループでは、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識しているリスクについては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。

 

④指標と目標

当社は、気候変動によるリスクを評価・管理する指標として、温室効果ガス排出量(Scope1、2、3)を算定しています。

a.2024年度のGHG(Greenhouse Gas:温室効果ガス)排出量

ア.Scope1、2                     (単位:t-CO2

年度

2013

2024

Scope1

2,899

764

Scope2 ロケーション基準

180,956

95,131

Scope2 マーケット基準

163,883

98,848

・範囲

Scope1:灯油・ガス等のエアコン燃料、商品センターのフォークリフトの燃料、社有車のガソリン使用量

(2020年度以前は社有車のガソリン使用量を含んでいません)

Scope2(ロケーション基準):店舗・商品センター・本社の使用電力量×全国平均係数

Scope2(マーケット基準):調整後排出係数(省エネ法の特定事業者定期報告書、Scope1除く)

イ.Scope3

当社は、Scope3の15カテゴリのうち、どのカテゴリが重要であるか特定するために、Scope3の算定を行いました。なお、算定方法は、サプライチェーンに関連する企業が多い(商品の一次サプライヤーのみで約600社)ため、積み上げ式(サプライチェーンの関連取引先への聞き取り調査)ではなく、環境省排出原単位データベースやIDEAv2から引用した排出原単位と支出額等を用いた簡易的な算定方法を用いています。

気候変動の詳細な情報については当社ウェブサイトをご参照ください。

(URL:https://www.shimamura.gr.jp/sustainability/environment03.html)

b.目標

当社は、気候関連リスク・機会を管理するために、GHG排出量(Scope1、2)、余剰在庫の廃棄量(廃棄ゼロ)、当社指定色ハンガーの完全循環型リサイクル比率、当社指定ビニールの完全循環型リサイクル比率、サステナブル商品売上高比率の目標を定めており、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 1)サステナビリティ全般 ④指標と目標」に記載しています。

なお、気候変動評価の指標にはこの他に水や土地などがありますが、当社は小売業であり、水や土地の汚染への影響が小さいため、評価指標の対象にしていません。

 

3)人的資本・多様性

当社グループは、社員一人ひとりが長きにわたる人生において、仕事を通じて自己実現を図ると共に、日々の暮らしを安定させ、充実した社会生活を送ることができるよう、労働条件や職場環境の整備に努めることを社員に対する経営ミッションとしています。人的資本への投資を通じて社員一人ひとりの成長を促すことで、生産性や付加価値の向上などの成果を発揮し、当社の持続的な成長を目指します。

なお、人的資本・多様性については、当社グループにおける主要な事業を営む提出会社の状況を記載しております。

 

①ガバナンス

第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 1)サステナビリティ全般 ①ガバナンス」に記載しております。

 

②戦略

a.人材育成方針

当社は、人的資本への投資を通じて社員一人ひとりの成長を促すことで、生産性や付加価値の向上などの成果を発揮し、当社グループの持続的な成長を目指します。

ア.人材育成

当社の社員の成長には、現場経験やOJTを通じた知識や技能の習得に加え、Off-JTにより当社の社員として必要な基礎知識や考え方、倫理観を学び、人材育成の土台を築くことが重要です。これらの人材育成制度により、会社の考えや理念、業務の目的、自身の存在意義などを再確認し、個々の意欲向上にも繋げます。

・M社員制度

M社員制度は、店舗で働くパート社員のために作られた制度です。これは、能力があるもののフルタイムで働きにくい主婦層を想定し、高い処遇と家庭生活を両立できる時間シフト制を取り入れた当社独自の制度です。高い能力のM社員と、マニュアルに基づいた店舗運営により、店長1名とM社員6~10名程度という少人数での店舗運営を実現しています。

 

・店長昇進制度

当社では、M社員の中から有能な人材を店長(正社員)として登用しており、現在の店長の約7割がこの制度から誕生しています。店長昇進後はその上位職に当たるブロックマネージャーや他の職種にも挑戦でき、社員本人の働きやすさと成長を両立した制度です。店長昇進の目標を持つことで、仕事へのモチベーションが上がり、社員一人ひとりの能力向上だけでなく会社の成長にも繋がっています。

・適性に応じた職場配置

当社では積極的な大卒採用を継続的に行い、管理職への登用を行っています。正社員の人事は、入社10年以下は仕事のポストを短期間で変えるジョブローテーションを基本とし、その後は適性のある部署に5年以上所属し、スペシャリストを養成します。ジョブローテーションにより、様々な部署で広い視野と知識・業務スキルを身につけ、常にチャレンジ精神を持ち続ける有能な人材へ成長することができます。

・公平な人事評価

全社員が会社の方針を理解し、直属上司の指示・命令のもとで最高の成果を得るために、そして全社員が能力を充分に発揮するために、公平な人事考課制度を定めています。また社員には、常に広い視野に立って新しいあるべき流通業の姿を求め、自己育成することによって質の高い業務を遂行し、良い業績と社業拡大によって社会的役割を果たすことを期待しており、その結果として賃金を公平に支払うための給与規程を定めています。

・Shimamura Women's empowerment Curriculum (しまむら女性活躍カリキュラム)

当社では、2023年度から女性が活躍できる環境作りの一環として、女性管理職の能力向上を目的とした「しまむら女性活躍カリキュラム」を実施しています。マインドセットプログラムとスキルアッププログラムを通じて、モチベーションの向上や、上位職を目指すうえで必要なスキルの習得を行い、女性管理職の能力向上を行っています。

イ.教育制度

会社が成長するためには、社員一人ひとりの成長が不可欠です。

当社では社員へ求める能力を明確にし、当社がその能力を育成するための教育体系を構築及び管理することで、社員の自律的な成長を促します。

・しまむら能力構造モデル

当社は、社員が成果を出すために必要な能力(知識、スキル、思考、コンピテンシー)を「しまむら能力構造モデル」として設定し、当社がこれらの能力を体系的に学ぶ環境を整備することで社員の能力開発を行います。

・階層別教育

正社員を対象として階層別(学卒社員、主任級、主幹級、部長級)に教育を実施し、社員の知識・スキル向上につなげます。

・部署別教育

各部署教育で業務の基本的考え方や仕事の進め方、業務をする上で必要となる知識・スキルを学びます。

・共通教育

差別やハラスメントの発生を防止するためにハラスメント研修、情報セキュリティに関する教育・訓練を行うために情報セキュリティ教育、「しまむら流のESG対応」を推し進め、全社員でESGに取り組むためにESG教育を実施しています。

・自己啓発支援

全社員(アルバイトは除く)を対象に、社員の幅広い知識習得につなげる通信教育制度を設けています。

また、正社員を対象に、社員の自発的な学習を促進するため、資格取得支援制度を設けています。

ウ.ダイバーシティ

当社は、年齢、性別、雇用形態、障がいを持つ方など多様な生活背景を持つ社員がいます。その社員一人ひとりが能力を発揮し、それぞれの職場で活躍し、新たな価値観を創出できる環境をつくることで企業の持続的な成長に繋げます。

・女性活躍推進

当社は、全従業員の約9割が女性であり、女性活躍推進を重要な取組みと位置づけております。女性の管理職が一層活躍できるよう、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定しており、2026年2月20日現在、課長相当職以上の女性管理職比率20.2%と向上しております。またESG推進チーム内にダイバーシティ推進チームを作り、目標達成に向け各種施策を展開しています。

 

・障がい者雇用

ダイバーシティ社会の実現を目指し、障がい者の雇用を継続しています。2025年6月1日現在、973名の障がいのある社員が働いており、法定雇用率を上回る5.36%の雇用率となっております。また当社は、積極的に障がい者雇用を行っており、障がいのある社員の採用や勤務内容等のサポートができる体制を整えています。2021年度より、障がい者採用を担当するブロックマネージャーには「障害者職業生活相談員」取得を推奨しており、2026年2月20日現在、451名の社員が「障害者職業生活相談員」を取得しています。

・定年と再雇用

当社は、2025年4月16日から定年年齢を満60歳から満65歳に変更しました。

満65歳で定年退職を迎えた社員の就労意欲・能力について会社が妥当性を評価、承認し、本人が希望した場

合、再雇用します。再雇用は定年退職日の翌日から始まり、1年の有期雇用とします。

以降、最長満70歳の誕生日まで繰返し再雇用されることがあります。

b.社内環境整備方針

当社は、社員一人ひとりが長きにわたる人生において、仕事を通じて自己実現を図ると共に、日々の暮らしを安定させ、充実した社会生活を送ることができるよう、労働条件や職場環境の整備に努めることを社員に対する経営ミッションとしています。

ア.ワークライフバランス

当社は、社員全員が性別に関係なく、仕事と家庭を両立しながら働きがいのある職場環境の実現のために、様々な取組みを行っています。

・育児・介護の両立支援

当社は、社員が仕事と育児・介護を両立しながら働く社員を支援する制度を整えており、産前産後休暇、出生時育児休業、配偶者出産休暇、育児休業、育児短時間勤務、子の看護等休暇、養育両立支援休暇、子の休憩室利用、介護休業、介護休暇、介護短時間勤務等の制度を設けています。

・再雇用制度(正社員のみ)

管理職勤務年数が満3年以上あり、結婚、出産、育児、介護または配偶者の転勤を事由に退職する正社員は、退職時に予め申込みをする事で、退職後10年の間、再雇用制度を利用することができます。

イ.労働安全衛生

全ての職場で、社員が安全で安心して働ける環境を作ることは、当社を継続的に発展させる上で、重要な基盤となります。法律に基づいて、衛生推進者、安全衛生推進者を選任し、労働災害を防止し、社員が健康で安心して働ける環境、お客様に満足して頂ける清潔な環境を維持します。

・衛生委員会・安全衛生委員会

全ての職場において社員が健康で安心して働ける労働環境の維持に取り組んでいます。毎月、衛生委員会・安全衛生委員会を開催し、衛生管理者や産業医を中心に、健康管理や労働災害防止等について調査審議しています。

・労働災害防止

経営会議で月に1回、担当執行役員が労災発生事例の報告を行い、執行役員全員で労災防止について情報共有と対策を協議しています。また、店長会議で全店長に労災事例を情報共有し、店長が店舗社員へ動画を使用して労災事例を説明するなど、社員全員で労災発生の予防に努めています。

・長時間労働管理・ストレスチェック

過労やストレスが原因の疾患やメンタル不調などを防止するため、産業医による長時間労働の管理とストレスチェック制度を設けています。

ウ.健康経営

当社は2025年度より健康経営に取り組んでいます。当社グループの経営ミッションは「いい会社」を造ることです。社員にとって「いい会社」を造るためには、働きやすさと働きがいに加え、「心とからだが健康であること」が必要不可欠です。

社員の健康づくりに会社がコミットし、イキイキと働けるための環境整備が組織の活性化に繋がり、結果として適正な企業業績の維持に繋がります。

③リスク

人的資本に関するリスクを当社は認識しており、対策を講じております。詳細については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。

 

④指標及び目標

取組み内容

項目

 

2025年度実績

2026年度目標

人材育成に関する取組み

1人あたりの平均研修時間 (注)1

 

24.4時間

1人あたりの平均研修費用 (注)1

 

60,015

多様性に関する取組み

女性管理職比率 (注)2

 

20.2

23.0

女性新卒採用比率

 

55.0

社員全体に占める女性比率

 

94.5

障がい者雇用率 (注)3

 

5.36

5.00

ワークライフバランスに

関する取組み

平均有給休暇取得率

全社員

72.8

80.0

平均有給休暇取得日数

全社員

11.2

育児休業復帰率

全社員

96.5

100.0

育児休業取得率

女性全社員(注)4

97.2%

100.0%

男性全社員

(注)5

105.6%

100.0%

労働安全衛生に関する取組み

休業災害度数率

 

1.88

(注)1.パート・アルバイトは除く。

2.主幹級以上の女性管理職比率。

3.障がい者雇用率の実績は、「障害者雇用状況報告書」の最新値(2025年6月1日現在)を記載しております。

4.女性全社員の育児休業取得率は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

5.男性全社員の育児休業取得率は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識しているリスクに対して、当社グループは下記の方針や体制で取り組んでいます。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

1)基本方針

①基本的考え方

・当社グループは、リスクを「目標達成を阻害する要因」と定義し、大きく以下の3つに分類します。

気候変動や社会情勢の変化などの「外部環境リスク」。

商品調達や物流などに関する「事業活動リスク」。

人的資本や情報管理に関する「経営基盤リスク」。

これらのリスクは多様化と複雑化が進んでおり、その内容によっては企業活動へ大きな影響を及ぼします。

・リスク管理とは、リスクを回避または発生時の損失を最小化するために、経営上の障壁となるリスクを事前に把握し、企業活動への影響度に応じて分類し、リスクレベルに応じて優先度を付けて防止策を計画、実行することです。

・当社グループは、リスク管理を経営の重要課題と位置付け、持続的な事業活動による企業価値の向上と人命・財産の保護を目的に、リスクの未然防止と低減に取り組みます。

②行動指針

・リスクの把握と未然防止に努め、事業の継続を図ります。

・事態が発生した場合には、人命の安全確保を最優先とし、経営資源の保全を図ります。

・被害が生じた場合には、迅速な対応と復旧を図り、商品・サービスの安定供給に努めます。

・ステークホルダーの安全と利益を損なわないように活動します。また、社会的要請をリスク管理に反映します。

・取締役と執行役員はリスク管理を率先垂範し、社員のリスク管理対応能力の向上に努めます。

 

2)リスク管理の職務分掌と体制図

①取締役会

リスク管理規程およびリスク管理の基本方針を決定し、リスクの未然防止と有事に適切な対応ができる体制を整備します。年1回以上、本規程の運用状況を評価し、その結果に応じて執行役員への指示や本規程の見直しを行います。

②執行役員

取締役会が決定した基本方針に基づき、担当部署に関するリスクの対策立案と管理体制の整備・運用を行います。

また、リスク管理の状況や新たに生じたリスクとその対応について、取締役会およびグループ経営会議へ報告します。

③部署長

自部署におけるリスク管理を適切に実施します。

④広報室

リスクの把握と分類、分析を行い、執行役員が立案する対策を取り纏めて取締役会へ報告します。

⑤体制図

取締役会

リスク管理体制の評価、執行役員へ指示、リスク管理規程の見直し。

指示↓

↑報告

(リスクの把握・分類・分析は広報室が行い、対策と合わせて取締役会へ報告)

執行役員

リスク対策の立案、リスク管理体制の整備・運用、取締役会・グループ経営会議へ報告。

指示↓

↑報告

 

部署長

リスク管理の実施、執行役員へ報告。

 

 

 

3)リスクの把握・分類・分析

①リスクの把握・分類

当社グループを取り巻く外部環境と内部環境を分析し、現在と将来においてどのようなリスクが存在するのかを特定し、把握します。具体的な対策に繋げるため、把握したリスクを「大分類」「中分類」「小分類」に分類します。主なリスク(大分類)は、以下の3つです。

・外部環境リスク

当社グループのみならず社会全体に影響を及ぼすリスクである「気候変動・災害・感染症リスク」「地政学リスク」「相場変動リスク」「情報セキュリティリスク」が該当します。

・事業活動リスク

当社グループが事業活動をするうえで直接的に業績に影響を及ぼす「出店」「商品調達」「物流」「販売」に関するリスクが該当します。

・経営基盤リスク

当社グループの経営の土台に影響を及ぼす「事業戦略」「人的資本」「ESG」「情報管理・内部統制」に関するリスクが該当します。

②リスク分析

取組みの優先順位を付けるため、発生可能性と経営計画への影響度を分析し、リスクマトリックスを作成します。

・発生可能性

断続的に発生または毎年複数箇所で発生する

散発的に発生または数年に1度発生する

単発的に発生または数十年に1度発生する

・経営計画への影響度

対応不足または発生時に計画未達となる可能性が高い

対応不足または発生時に計画未達となる可能性がある

対応不足または発生時でも計画に与える影響は限定的

・リスクマトリックス

発生可能性と経営計画への影響度が高い順から、S→A→B→C→Dでレベル分けします。

生可能性

 

B

A

S

 

C

B

A

 

D

C

B

 

 

 

 

 

経営計画への影響度

 

 

 

 

4)主なリスクと取組み

リスク

主なリスク

取組み

外部環境

リスク

異常気象

天候に左右されにくい商品政策、地域別対応、機動的な販促の実施

自然災害

BCP(事業継続計画)の見直し

国内の人口減少・少子高齢化

ラインロビング、リロケーション等による地域シェアの拡大

生産国の政情不安、世界各地での紛争の発生

生産国やサプライヤーの多様化・分散化

エネルギーや原材料の価格高騰

節電対策、貿易部仕入れの拡大、生産国の見直し

極端な円安など為替の急激な変動

貿易部仕入れの為替予約の活用、生地契約・縫製ライン契約による安定生産

サイバー攻撃、不正アクセス等の意図的脅威

セキュリティの強化、BCP訓練の実施

事業活動

リスク

新規出店の不足

都市部への出店、郊外のリロケーション強化

店舗の契約満了に伴う既存店の減少

既存店オーナーとの良好な関係の維持

仕入原価の上昇

高価格帯商品の拡大、貿易部仕入れの拡大、生産国の見直し

市場ニーズの変化への対応遅れ

顧客管理システムやSNS分析ツール等を活用した商品開発

商品の品質低下

サプライヤーと商品部の意識向上、商品管理部による工場監査、商品検査の強化

商品センターのキャパシティオーバー

新商品センターの開設、既存商品センターの改装

配送コストの上昇

自社物流のモーダルシフト、直接物流の活用

商品センターの整備の故障・老朽化

既存商品センターの修繕、改装、リロケーション

作業の増加に伴う労働生産性の低下

DXの推進等による定型業務の見直し

経営基盤

リスク

事業戦略・ポートフォリオの転換遅れ

既存事業の成長戦略と新規事業立上げの研究

風評・報道等による企業イメージダウン

情報の一元管理による迅速な対応、社員教育の実施

DX・イノベーションの対応遅れ

技術革新に即応(検証、評価)するための柔軟な

プロジェクト設定、データドリブンの進行

人手不足

社員採用の柔軟化、人事労務制度の改善

人材不足

人事労務制度の改善、教育制度の充実、女性活躍推進への対応

働き方改革の遅れ

勤務体系の見直し

後継者育成の遅れ

教育制度の充実、後継者育成カリキュラムの運用

組織コミュニケーションの低下

教育制度の充実、デジタルツールの活用

環境課題への対応遅れ

リサイクル推進、GHG排出量の削減

社会課題への対応遅れ

サプライチェーンの人権配慮、社内のハラスメント削減、ダイバーシティの推進

ガバナンス課題への対応遅れ

コーポレートガバナンス・コードへの対応と開示

システム基盤の老朽化

定期的な機器の入替え、データ保存のクラウド化、セキュリティの強化

 

5)機会の抽出

2025年度は、執行役員が機会についても抽出し、広報室が取り纏めて取締役会に報告しました。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

経営成績等の概要

(1)経営成績

   当連結会計年度のわが国の経済は、継続的な賃上げや底堅い雇用環境を背景に、緩やかな回復基調となりました。「金利のある世界」への移行が段階的に進むなか、為替は一時的な変動はあったものの総じて一定の範囲内で推移しました。原材料価格や物流費の高止まりが企業収益を圧迫する要因となりましたが、底堅い設備投資などに支えられ、実質GDPは2025年通年で1.2%のプラス成長となりました。世界経済につきましては、米国では堅調な内需を背景に着実な成長を維持したものの、新政権の政策転換による影響が懸念される状況となりました。欧州ではインフレの沈静化に伴い緩やかに回復に向かった一方、中国では不動産市場の停滞等により厳しい状況が継続するなど、世界情勢の先行きの不透明感は依然として残る環境となりました。

 

 1)当連結会計年度の消費環境の概要

 ①当連結会計年度におけるわが国の消費環境は、過去最高水準の訪日客によるインバウンド消費や、賃上げを背景とした高額品・体験型消費の活発化が見られた一方で、生活必需品の断続的な値上げが家計の負担となりました。そのため消費者の節約志向は依然として根強く、価値と価格を厳しく見極める傾向が強まったことで、衣料品販売においては厳しい環境が続きました。

 ②天候については、記録的な猛暑が秋口まで長期化したことで夏物は好調に推移したものの、秋物や初冬物の動き出しが大幅に遅れる影響がありました。しかしながら、11月以降の気温低下により、冬物は昨年よりも早く動き出し、その後も防寒物を中心とした冬物の販売は堅調となりました。

 

 2)当社グループの状況

  このような状況下で、当社グループは2025年度のグループ統一テーマを“ネクスト・チャレンジ2nd『限界を改め更なる高みへ』”と掲げました。中期経営計画2027の2年目として、前年度の“当たり前を改める”を通じて明確になった課題に対し、具体的な解決策の実行と定着を図るとともに、持続的な成長に向けた経営基盤の強化に取り組みました。

 

 3)しまむら事業

   当連結会計年度は18店舗を開設、11店舗を閉店し、店舗数は1,423店舗となりました。

   また売上高は前期比4.4%増の5,196億58百万円となりました。

 

 4)アベイル事業

  当連結会計年度は13店舗を開設、6店舗を閉店し、店舗数は323店舗となりました。

   また売上高は前期比6.6%増の703億52百万円となりました。

 

 5)バースデイ事業

   当連結会計年度は13店舗を開設、6店舗を閉店し、店舗数は343店舗となりました。

   また売上高は前期比6.4%増の813億94百万円となりました。

 

 6)シャンブル事業

   当連結会計年度は3店舗を開設、1店舗を閉店し、店舗数は125店舗となりました。

   また売上高は前期比11.7%増の172億54百万円となりました。

 

 7)ディバロ事業

  当連結会計年度は3店舗を開設し、店舗数は19店舗となりました。

  また売上高は前期比16.2%増の10億42百万円となりました。

 

 8)以上の結果、当連結会計年度の日本国内の業績は、売上高6,897億2百万円(前期比5.0%増)、営業利益608億8百万円(前期比3.5%増)、経常利益636億35百万円(前期比4.6%増)、当期純利益は444億34百万円(前期比5.6%増)となりました。

 

 9)思夢樂事業

   当連結会計年度は2店舗を開設、1店舗を閉店し、店舗数は45店舗となりました。

   また売上高は前期比10.3%増の21億4百万NT$(103億32百万円)となりました。

 

 10)以上の結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高7,000億34百万円(前期比5.2%増)、営業利益614億83百万円(前期比3.8%増)、経常利益636億72百万円(前期比5.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は444億60百万円(前期比6.1%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

  当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動及び新規出店等による投資活動、ならびに財務活動を行った結果、当連結会計年度末の資金残高が、前連結会計年度末に比べ790億15百万円減少し、1,271億85百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、前連結会計年度と比べ47億48百万円減少し、480億52百万円となりました。これは、税金等調整前当期純利益624億9百万円、減価償却費69億96百万円、仕入債務の増加額16億14百万円、に対し、法人税等の支払額185億79百万円、棚卸資産の増加額40億41百万円、受取利息及び受取配当金13億97百万円等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動に使用した資金は、前連結会計年度と比べ709億83百万円増加し、663億34百万円となりました。これは、有価証券の償還による収入4,548億円等に対し、有価証券の取得による支出4,760億円、有形固定資産の取得による支出229億33百万円、投資有価証券の取得による支出216億99百万円等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動に使用した資金は、前連結会計年度と比べ482億44百万円増加し、607億54百万円となりました。これは、自己株式の取得による支出456億89百万円、配当金の支払額150億64百万円によるものです。

 

生産、受注及び販売の実績

(1)仕入実績

 当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。

事業部門の名称

当連結会計年度

(自 2025年2月21日

至 2026年2月20日)

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

婦人衣料

111,790

104.7

肌着

78,061

104.1

紳士衣料

32,411

104.3

寝装品

31,002

101.8

ベビー・子供服

28,267

103.8

洋品小物

27,003

113.4

インテリア

22,229

106.9

13,426

112.8

しまむら

344,194

105.3

  レディースウェア

16,371

103.9

  シューズ・服飾

13,403

115.4

  メンズウェア

8,911

105.0

  アンダーウェア・インテリア

4,836

107.3

アベイル

43,522

107.8

  雑貨・マタニティ

25,654

109.6

  キッズ衣料・肌着

16,381

106.2

  ベビー衣料・肌着

12,871

103.2

バースデイ

54,907

107.0

シャンブル

10,778

111.5

ディバロ

780

135.6

 日本計

454,184

105.9

思夢樂

5,933

113.4

海外計

5,933

113.4

合計

460,118

106.0

 

(2)売上の実績

当連結会計年度の売上実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。

事業部門の名称

当連結会計年度

(自 2025年2月21日

至 2026年2月20日)

  売上高(百万円)

  前年同期比(%)

婦人衣料

165,902

104.4

肌着

124,408

103.6

紳士衣料

48,468

104.4

寝装品

45,994

100.8

ベビー・子供服

41,116

103.2

洋品小物

40,059

111.2

インテリア

33,920

106.6

19,788

104.2

しまむら

519,658

104.4

  レディースウェア

26,078

101.7

  アンダーウェア・インテリア

14,978

119.1

  シューズ・服飾

14,877

108.9

  メンズウェア

14,418

102.3

アベイル

70,352

106.6

  雑貨・マタニティ

36,913

110.1

  キッズ衣料・肌着

24,581

104.0

  ベビー衣料・肌着

19,899

103.0

バースデイ

81,394

106.4

シャンブル

17,254

111.7

ディバロ

1,042

116.2

日本計

689,702

105.0

思夢樂

10,332

117.3

海外計

10,332

117.3

合計

700,034

105.2

 

(3)都道府県別売上実績

当連結会計年度の都道府県別の売上実績を示すと次のとおりです。

都道府県名

当連結会計年度(自 2025年2月21日 至 2026年2月20日)

売上高(百万円)

前年同期比(%)

構成比(%)

期末店舗数 (店)

北海道

33,530

103.1

4.8

114

青森県

10,963

103.8

1.6

39

岩手県

9,145

103.6

1.3

34

宮城県

15,127

102.4

2.2

57

秋田県

7,392

101.8

1.1

31

山形県

8,220

101.1

1.2

32

福島県

16,698

101.7

2.4

61

茨城県

22,120

101.7

3.2

85

栃木県

16,240

102.7

2.3

63

群馬県

15,192

105.5

2.2

64

埼玉県

68,943

115.3

9.8

156

千葉県

35,750

105.5

5.1

120

東京都

37,124

106.3

5.3

90

神奈川県

33,460

103.8

4.8

84

新潟県

14,921

102.0

2.1

59

富山県

7,103

102.3

1.0

29

石川県

6,750

102.5

1.0

24

福井県

5,576

105.0

0.8

21

山梨県

6,187

102.7

0.9

21

長野県

16,249

103.3

2.3

57

岐阜県

10,245

104.1

1.5

38

静岡県

22,649

105.0

3.2

68

愛知県

32,568

105.7

4.7

91

三重県

9,449

104.9

1.3

35

滋賀県

8,211

103.7

1.2

32

京都府

11,160

106.8

1.6

37

大阪府

32,847

105.1

4.7

89

兵庫県

23,011

103.2

3.3

71

奈良県

7,100

103.5

1.0

29

和歌山県

5,799

103.4

0.8

20

鳥取県

4,464

101.6

0.6

15

島根県

3,902

100.7

0.6

16

岡山県

10,887

106.9

1.5

40

広島県

11,526

107.7

1.6

38

山口県

8,735

104.0

1.2

32

徳島県

4,398

102.2

0.6

15

香川県

5,624

102.9

0.8

22

愛媛県

8,441

104.4

1.2

29

高知県

4,665

101.4

0.7

15

福岡県

25,277

103.5

3.6

80

佐賀県

5,041

102.5

0.7

17

長崎県

7,419

104.0

1.1

26

熊本県

9,326

104.1

1.3

32

大分県

7,398

105.4

1.1

30

宮崎県

7,299

103.5

1.0

23

鹿児島県

8,898

101.3

1.3

31

沖縄県

6,650

109.9

0.9

21

日本計

689,702

105.0

98.5

2,233

思夢樂(台湾)

10,332

117.3

1.5

45

海外計

10,332

117.3

1.5

45

合計

700,034

105.2

100.0

2,278

 

 

 (4)単位当たりの売上実績

項目

前連結会計年度

(自 2024年2月21日

至 2025年2月20日)

当連結会計年度

(自 2025年2月21日

至 2026年2月20日)

売上高(百万円)

665,358

700,034

従業員数(平均)(人)

15,804.6

16,423.4

1人当たり期間売上高(千円)

42,098

42,624

売場面積(平均)(㎡)

2,261,191

2,284,989

1㎡当たり期間売上高(千円)

294

306

(注)1.売場面積(平均)は営業店舗の稼働月数を基礎として算出しております。

2.従業員数(平均)は定時社員(パートタイマー)を正社員換算して算出しております。

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容等

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等  (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。連結財務諸表の作成においては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りには不確実性が伴い実際の結果は異なる場合があります。

 

(2)財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産残高は、前連結会計年度末に比較して485億41百万円減少して3,218億87百万円となりました。これは、主として、現金・預金の減少720億15百万円、有価証券の増加173億87百万円、商品の増加40億93百万円によるものです。

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産残高は、前連結会計年度末に比較して360億63百万円増加して2,327億79百万円となりました。これは主として、投資有価証券の増加224億50百万円、建物及び構築物の増加79億46百万円、土地の増加37億53百万円によるものです。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債残高は、前連結会計年度末に比較して12億1百万円増加して568億6百万円となりました。これは主として、買掛金の増加16億29百万円、未払法人税等の減少4億39百万円によるものです。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債残高は、前連結会計年度末に比較して12億47百万円減少して93億15百万円となりました。これは主として、退職給付に係る負債の減少17億68百万円、定時社員退職功労引当金の増加2億23百万円、資産除去債務の増加1億76百万円によるものです。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産残高は、前連結会計年度末に比べ124億31百万円減少し、4,885億45百万円となりました。これは主として、自己株式の減少456億69百万円、利益剰余金の増加293億90百万円、その他の包括利益累計額の増加38億28百万円によるものです。

 

(3)キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析については、「経営成績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」をご覧下さい。

(資本の財源及び資金の流動性について)

 当社グループの事業活動における運転資金については、日々回収される売上金と自己資金を主な財源としており、設備投資に関しましても、当連結会計年度では、新規出店を中心に249億円の投資を行っており、これらは全て自己資金で賄っております。投資は営業キャッシュ・フローの範囲内であるため財務面の安全度は増しております。

 

(4)経営成績の分析

 1)しまむら事業

  ①しまむら事業では、商品力の強化として、主力プライベートブランド(以下、PB)「CLOSSHI(クロッシー)」を中心に、優れた機能性と快適な着心地を両立した商品の拡充に注力しました。具体的には、夏場の酷暑対策として吸水速乾・接触冷感機能を備えた「FIBER DRY(ファイバードライ)」、冬場の防寒需要に対応する吸湿発熱機能の「FIBER HEAT(ファイバーヒート)」といった季節の看板商品が、高い支持を得て売上を牽引しました。また、美と健康への関心の高まりを捉えた「姿勢サポートブラジャー」は、外部メディアの「ヒット番付」に選出されるなど大きな反響を呼び、機能性インナーの新たなヒット商品となりました。加えて、付加価値を高めた高価格帯PB「CLOSSHI PREMIUM(クロッシープレミアム)」や、サプライヤーとの共同開発ブランド(JointDevelopment Brand、以下JB)の展開を強化したことにより、一点単価は上昇しました。

  ②販売力の強化では、気温に左右されにくい売上作りを目的とした、インフルエンサーや人気キャラクターとのコラボレーション企画を一段と拡大しました。また、ベビー・キッズ用品や寝具・インテリアといったカテゴリー別の重点フェアを実施したほか、地域対応施策を継続実施したことで、多様化する顧客ニーズを的確に捉えました。販促では、着実に増加するアプリ会員を活用したセグメント販促に加え、SNSを通じたタイムリーな情報発信を強化したことで、多様な顧客層への訴求を一段と強めました。また、季節に応じた各種イベントと連動した商品展開を継続的に実施したほか、半期に一度の「しまむら超サプライズセール」では限定商品の戦略的投入により過去最高の売上を更新するなど、年間を通じて高い集客力を維持しました。オンラインストアでは、利便性の高い「店舗受取サービス」の利用率が引き続き高水準で推移したことで、ECの成長に加え、実店舗への送客による「あわせ買い」の創出など、オンラインと実店舗の相乗効果が一層高まりました。

  ③基礎と基盤の強化では、デジタル化による店舗オペレーションの再構築として、自動釣銭機の導入拡大や床清掃ロボットの活用に加え、店内販促物のデジタル化を推進し、労働生産性の向上を図りました。店舗開発では、都市部への出店強化や店舗の再配置を進めるとともに、既存店の改装やファッションモール化を拡大することで、より買い回りやすい店舗環境を整え、店舗収益力の向上に努めました。商品調達では、貿易部を中心としたASEAN地域での生産比率を一段と拡大させることで、原材料価格の高騰や為替変動による仕入原価の上昇を抑制しました。

 

 2)アベイル事業

  アベイル事業では、商品力の強化として、JBを中心としたトレンド提案を推進するとともに、気温に左右されにくい売上作りを目的としたキャラクター商品の拡充を積極的に進めました。販売力の強化では、平日の客数増加を目的とした重点催事の開催や、SNS・販促物・店内BGM等を連動させた企画、ファッションイベントへの出展などを通じて認知度の向上を図り、幅広い客層の獲得に繋げました。また、オンラインストアでは、JBを中心としたトレンド商品やキャラクターの限定企画の販売が好調に推移しました。

 

 3)バースデイ事業

  バースデイ事業では、商品力の強化として、主力のPBやJBの進化に加え、最新のトレンドに合わせた新規ブランド『moi moi(モイモイ)』や『&mignon(アンドミニョン)』などの展開、ならびにキャラクター商品の拡充を積極的に進め、幅広いターゲット層の取り込みを図りました。販売力の強化では、アニバーサリーイヤーを記念した25周年企画の開催が客数の増加に大きく貢献したほか、地域特性に応じた品揃えとセグメント販促を徹底しました。また、マタニティ向けのイベントに出店し、妊婦やそのご家族に向けたブランド認知度の向上にも努めました。さらに、オンラインストアでは、インフルエンサーとのコラボレーション企画や受注生産販売の取り組みが進展し、EC売上の大幅な増加に繋がりました。

 

 4)シャンブル事業

 シャンブル事業では、25周年企画やクリスマス企画など、顧客のニーズやモチベーションに合わせた施策を積極的に展開し、好調に推移しました。また、前年度から取り組んでいる新レイアウト型店舗の開発では、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)の向上を図ったことで、既存店舗の売上が伸長しました。さらに、ラインロビングとこれらの施策が相乗効果を生み、春の新生活や母の日をはじめとするギフト需要も大きく伸びました。

 

 5)ディバロ事業

  ディバロ事業では、商品力の強化として、立ったまま履けるシューズや防水機能商品の取り扱いを拡大し、好調に推移しました。販売力の強化では、グループのオンラインストア統合に合わせて10月下旬にオンラインストアをオープンしたことでディバロの認知度が向上し、レディースシューズを中心に売上が増加しました。さらに、ウェルネス需要を取り込む新モデル店舗の開発にも着手し、順調に推移しました。

 

 

 6)思夢樂事業

  台湾で事業展開する思夢樂事業は、総合衣料の専門店として、台湾のお客様にとって適時、適品、適価な品揃えを実現するために事業の再構築を進めました。商品力の強化では、日本企画のPBやJBに加え、思夢樂オリジナルのPBの拡大を進めました。販売力の強化では、インフルエンサーとのコラボレーションにより認知度が向上し、新規顧客の獲得が進みました。さらに、12月に台北でオープンした中山北路店が好調に推移しました。

 

(5)経営上の目標の達成状況について

当社グループは、安定的な企業の成長を続けるため、中長期的な経営上の目標として連結営業利益率は10%が適切と認識しております。

当連結会計年度における当社グループの連結営業利益率は、8.8%となりました。今後につきましても、適正な粗利益確保と販売費及び一般管理費の抑制を図り、当該目標の達成に努めて参ります。

 

5【重要な契約等】

特記すべき事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

 特記すべき事項はありません。