当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、スーパーマーケットを中心とする小売事業とそれを補完する外食事業などで構成されております。当社グループは、「わが社の成長発展こそがお客様の生活文化の向上を促し、社会への大きな貢献となることを念願し、チェーンストア業界の名門としての地位を永遠に確立する」の経営理念のもと、お客様のニーズに合った商品・サービスの提供を通じて、お客様の豊かなライフスタイルの実現に貢献することを目指しております。
当社は、2024年3月に2026年度を最終年度とする中期経営計画を策定し、持続的・安定的な経営の確立と企業価値向上を実現させることを目標に取り組んでまいりました。
しかしながら、市場環境の変化や、各施策の進捗状況及び直近の営業成績を鑑み、計画最終年度における達成が困難であると判断したため、目標数値を取り下げることといたしました。
今後の計画については、情勢の推移を慎重に見極めてまいります。なお、中長期戦略については、掲げている資本政策・店舗戦略・商品戦略・販売促進施策等に対する変更はなく、引き続きこれらに注力し、持続的成長及び企業価値向上を目指してまいります。
(3) IR活動の充実
これまで実施してきたIR活動を継続・強化することで投資家との対話を深め、企業価値を向上させることでPBRの改善に努めてまいります。
・ホームページ内容の定期的な更新、財務情報・非財務情報の積極的な開示
・決算説明会の内容充実、オンライン開催の継続
・株主・投資家との対話の継続・強化と経営幹部への適切なフィードバック
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般
当社は「商業を通じて地域社会に貢献する」の経営信条のもと、お客様から信頼される企業を目指し、当社グループの成長と社会の持続可能性を両立させるために以下のサステナビリティ基本方針を定めるとともに、6つのサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)を掲げ、取り組みを推進しています。
サステナビリティ基本方針
サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)
(2)気候変動に関する取り組み <TCFD提言への対応>
詳細は
https://www.okuwa.net/eco/tcfd.html
当社グループは、環境・社会に関する課題解決を経営上の重点課題の一つと位置付け、2022年4月「サステナビリティ基本方針」を定めるとともに、代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ推進委員会」を新たに設置いたしました。
「サステナビリティ推進委員会」は、当社グループの気候変動をはじめとするサステナビリティ経営の基本方針等の立案、サステナビリティ推進活動の基本計画等の立案を行うための方針や運営について、取締役会の諮問機関として協議を行っています。
また、「サステナビリティ推進委員会」においては、気候変動に関する重要な課題解決の進捗や年次計画、目標設定について「環境・廃プラ対策推進」、「地域社会共創」、「食品ロス・安全性対策」、「エネルギー・災害対策」、「人権・ダイバーシティ対策」の5つの分科会における活動状況を統括し、各分科会の方針、計画進捗について年1回以上の報告を受ける体制となっています。5つの分科会は6つの重要課題(マテリアリティ)に基づいて設置されており、TCFD情報開示プロセスで特定された当社グループの気候変動関連のリスクと機会に対する対応は、関連する各分科会において対応策の検討とリスクのモニタリングを実施しています。なお、「サステナビリティ推進委員会」及び各分科会での審議事項は、その内容の重要度を鑑み、必要に応じて四半期に1回開催される「執行役員会」への付議が行われます。
取締役会は、「サステナビリティ推進委員会」の報告を受け、監督と意思決定を行っています。
・シナリオ分析の実施概要
当社は、気候変動がもたらす異常気象などの「物理リスク」、政策規制の導入及び市場ニーズの変化などの「移行リスク」についてシナリオ分析を用いて検討を行いました。シナリオ分析は、不確実性の高い現代において、発生可能性にかかわらず想定し得るシナリオを把握し、分析することで、事業のレジリエンスを高める効果的なリスクマネジメント手法と考えます。
なお、気候変動に対するシナリオ分析は、サステナビリティ推進室と関連部門が連携し、シナリオ分析の検討プロセスを4段階に分けて分析と評価を行っております。同時に事業に影響を及ぼす重要な要因を選定し、特定したリスクと機会、評価を事業戦略に反映しています。
検討については、科学的に設定された目標(SBT)の設定年度である2030年度を見据え、シナリオ分析や財務影響度の算出を行っております。
・シナリオ群の定義/気候変動関連リスク・機会の特定と評価/主要なリスク・機会の詳細と対応策など詳細は
当社グループは、リスクマネジメントを責任を持って取り組むべき重要な経営課題であると位置づけ、リスクマネジメント基本方針を定めています。
リスクマネジメント基本方針
リスクマネジメント体制は、「コンプライアンス委員会」において、全社の重要な事業リスクの把握と管理、統括する体制を整えております。
倫理コンプライアンスに関する事項、循環型社会などの環境関連リスク、気候変動に関するリスクを含む事業継続に係る潜在的な全社リスクにつきましては、代表取締役社長を議長とする「コンプライアンス委員会」を四半期に1回開催し、取締役、監査等委員、執行役員を構成委員に、問題の抽出、対策の検討を行っております。当該委員会は、当社グループのリスクマネジメントを適正に行うことにより、当社グループの持続的成長発展を図ることを目的とし、重要なリスクの発見と確認、リスク防止策並びにモニタリングを行い、重要な審議結果については取締役会への報告を行うこととしております。
気候変動に関するリスクについては、2022年度からサステナビリティ推進室が中心となって、リスクの抽出・管理、重要性の見直しを行っており、全社リスクに織り込むことで様々なリスクとともにマネジメントを行っています。「コンプライアンス委員会」には、議長の招集に応じて参加し、当該委員会へ課題解決の進捗等を報告しております。
当社グループは、気候変動に伴う変化を事業機会として捉え、リスク軽減に向けた戦略を展開し、特に再生可能エネルギー調達の拡大により、脱炭素社会の実現に取り組んでまいります。
事業活動に伴うGHGの排出目標(Scope1,2)
GHG排出量実績(Scope1,2) (単位:t-CO2)
※ より正確なCO2排出量算定を目的に2024年度報告分よりScope2排出係数の見直しを行いました。
また、過去の排出量につきましても遡り組み換えを実施しています。
※ 2025年度のGHG排出量実績(Scope1,2)は現在算定中です。
今後の進め方
当社では、サステナビリティ基本方針のもと、気候変動対策も重要な要素と考え、2022年度に社内にプロジェクトチームを発足させ、TCFDの枠組みに従った検討を進めた結果、ガバナンス、戦略、リスク管理、指標及び目標の4つの観点から当社の気候変動への対応についての情報を開示しました。今後は、リスク管理に記載のとおり、定期的に気候変動のリスクや機会、これらへの対応方策について見直しを行ってまいりますが、さらに、Scope3の算出・精緻化を行い、削減貢献に向けた取り組みの推進やCDPへの回答の精緻化など、取り組みを広げてまいります。
(3)人的資本に関する戦略
当社グループは、重要課題(マテリアリティ)である「多様な人材が挑戦する魅力ある職場の実現」のため、人事戦略を経営上の重要テーマとして捉え、人的資本価値の最大化を目指しています。
小売業界においては、顧客ニーズや販売チャネルの多様化などにより、合理性を追求するチェーンストア理論の実践だけではお客様満足度を高めることは困難を極めると予測されます。当社においても、行動規範である「店舗の向上発展を図り、お客様に愛される店舗を作る」ことは一朝一夕に達成は難しく、現場の店長がチェーンストア理論に基づき店舗運営をすると同時に、「個店経営・個店最適」を実践、推進しています。
このような厳しい環境において企業の持続的な成長を支えるのは一人一人の従業員であり、新たに「人材ビジョン」を定め、従業員一人一人が自ら考え行動に移せる自律的なキャリアの形成、失敗を恐れず挑戦する組織・風土へ変わることを「人事戦略」の2本柱に添え、従業員のキャリア自律実現、従業員の能力伸長・スキル開発、組織風土改革、働き方の多様性を「取り組みテーマ」として人事戦略の立案・遂行に取り組んでいます。
人事戦略全体図
・「人事戦略部」の設置
2023年4月に人事戦略部を設置し、取締役・執行役員との慎重かつ闊達な議論を重ねると同時に、現場の責任者である店長へのインタビュー及び全従業員アンケートを実施し人事上の課題抽出を行い、経営戦略と連携、連動させた上で、新たに「人材ビジョン」・「人事戦略」を定めました。「人材ビジョン」の実現に向け人事部門は、管理・統制型から支援・育成型アプローチと転換を図り、従業員に寄り添いながらエンゲージメントの向上と従業員の成長を促進し、競合他社に勝る人事基盤づくりを進めています。
・「人事制度改革プロジェクト」の継続設置
2025年2月に人事総務本部長をリーダーとする人事制度改革プロジェクトを継続設置し、人事部門以外の営業、販売部門のメンバーも参画し、時代に合致した人事制度構築・運営を目指しプロジェクトを運営しています。プロジェクトメンバーが主要テーマを自主的に決め、課題抽出し分析の上、その対策について議論を深めており、「従業員の勤務地」と「定年延長」をテーマに議論を行っています。
② 人材の獲得
当社が持続的成長を続けるためには、人材確保が経営上の重要課題と認識しています。経営戦略と連動する人事戦略の中でも、顧客への価値提供を最優先に考え、かつ当社のカルチャーにフィットする人材の確保は最優先の取組事項であり、新卒採用、キャリア採用の両面からアプローチしています。特に重点出店エリアである東海地区における採用を強化しています。2025年度下期より東海エリアの新規採用者に限定し、「勤務地選択制度」を導入いたしました。
・新卒採用の強化
将来の成長力や向上意欲が高く、お客様と直接的な接点が多い小売業に求められる資質を持った将来の幹部候補として活躍を期待できる人材を採用し、2025年4月に60名が入社しています。2018年には国立大学法人和歌山大学とデータサイエンス分野における連携協定を締結し、データ関連人材の採用に繋がるなど、専門知識を有する学生の採用を行っております。
・キャリア採用の強化
キャリア採用はダイバーシティの推進における重要な取り組みと位置付け、2025年度は7名が入社しています。他企業、他業種においての豊富な実務経験とスペシャリストとしての高い専門知識を有し、部門に新しい考え方や価値観をもたらし現状を打破する強いリーダーシップを発揮しています。
③ 研修体系
当社グループの理念を大切にし、出店エリアのリージョナルチェーンNo.1として地域社会に貢献できる人材を育成しております。1990年には創業者の大桑勇が人材育成機関として「オークワ教育研修センター」を設立し、スキル教育、技術教育、知識教育等のトレーニングだけにとどまらず、グループ経営理念に基づいて「言葉より実行」できる人材を育成しています。
研修は戦略的かつ継続的に体系化された研修を行うことを基本方針とし、OJT、Off-JT、自己啓発の3つから構成され、効果的に組み合わせて実施しています。実施方法は、リアル研修、オンライン研修、動画研修とし、効果が一番期待できる方法で実施しています。
・主な研修
様々な角度から各種研修を体系的に整え、全従業員の能力向上に努めています。
※1 階層別研修
階層別研修は、現場の責任者である店長の育成を最優先に取り組んでいます。現場の要で多数のパートタイマーを部下に持つ各部門責任者のチーフには、販売スキル、商品知識、数値管理、労務管理が向上するような総合的な研修プログラムとしています。新任の店長、バイヤー、スーパーバイザー、チーフを対象とした新任役職者研修は、各役職として期待される役割、必要とされる能力を明確にし、早期育成に重点をおいています。
※2 選抜研修
経営職に必要なコンセプチュアルスキルの向上を目的とするプログラムを開発し、2025年度から男女を問わず、戦略的マネジメントと魅力あるリーダーシップを発揮できる人材の育成を目的として、経営幹部育成研修及び次世代リーダー育成研修を開催しています。
④ 教育環境
当社では、地域社会に貢献できる人材及び自律型従業員の育成を目的とし各種研修プログラムを整え、従業員の定着化、戦力化を図るために教育環境を整備しています。
・「オークワ教育研修センター」の開設
創業者の人材育成への強い思いを実現するために「オークワ教育研修センター」を開設し、現場の責任者である店長をはじめとする数多くの人材を育成しています。営業部門の教育推進室のインストラクターと管理部門の人事教育スタッフが議論を重ねたうえで研修運営を行い、従業員が成長を体感でき、最終的な目的としてお客様満足が向上するための研修プログラムを開発しています。教育研修センターは、持続的な成長を成し遂げる企業の教育機関としての役割を果たしています。
・「教育推進室」の活動
お客様の要望に応えるサービス及び商品提供ができる従業員の育成を目的として2020年に教育推進室を設置しています。部門ごとの専門知識や技術取得ができるよう、従業員のスキルに合わせた教育プログラムを開発しています。個別教育は店舗にて教育体制を整え、集合研修は教育研修センターを活用し活動しています。
・「自己申告制度」導入によるキャリアプラン設計支援
従業員の希望と適材適所の配置を実現するために毎年11月に全正社員に対し、短期・中期・長期のキャリアプランに関する調査を行い、人事部が中心となりその実現に向けたキャリア支援をしています。従業員のスキル、経験値及び資格など情報を一元管理し、新規部門の設立やプロジェクトチーム結成時などにマッチした人材を配置するなど「個」と「能力発揮」を重視するタレントマネジメントを強化しています。
⑤ ダイバーシティの推進
環境変化が激しく、かつオーバーストアの状況下では、単一発想によるビジネスモデルでは持続的な成長は困難であります。当社グループでは、積極的に多様な人材を確保し、様々な意見を出し、新しいアイデアを創出し実現できてこそ、お客様に支持される店舗運営が可能になるとの思いでダイバーシティを推進しています。
・女性活躍推進
研修への参加は女性だけでなく管理職の男性も参加し、女性が働く上での課題を共有するなど、女性が働きやすい対策を講じております。具体的には、店舗サポート部を設置し女性が活躍できる支援体制、ワークライフバランスが充実できるようなサポート体制を整えています。加工食品部門においては、女性バイヤーを複数名配置するなど、女性目線による華やかな売場展開やこだわりのある商品開発も行っています。
・外国人技能実習生の受け入れと育成
当社では、2018年度より外国人技能実習生の受け入れを開始し、国際貢献及び多様な人材の活躍を推進しています。2025年度末時点では、ベトナム及びインドネシア出身の技能実習生288名が在籍しています。実習生が帰国後に母国で活躍できるよう、計画的な育成と支援に取り組んでいます。
・再雇用制度の見直し
当社では、従業員の平均年齢の上昇に伴い、定年を迎えるシニア従業員が加速的に増加していきます。人材構造上の課題である中堅層の人材不足を補うために、引き続き経験豊富なシニア社員の活躍機会を拡げる施策を検討しております。
⑥ 働きやすい職場環境の整備
当社では、心理的安全性を担保された環境を整備した上で、従業員が働きやすい、笑顔が溢れるイキイキ・ワクワクした職場環境づくりを推進し、従業員のエンゲージメントが向上するための施策整備をしています。
・「オークワ倫理ホットライン」の設置
「黙認は愛社精神ではありません」を合言葉にハラスメント防止、違反行為、法令違反等の防止に努めています。社内通報窓口だけにとどまらず、弁護士事務所と連携し社外通報が可能な仕組みとし、より積極的にコンプライアンスの遵守に努めています。
・働き方改革
働き方改革の一環として、本社においてオンラインでの商談、静かな環境において業務に集中するための専用ブースを2023年11月に設置し、生産性向上に役立てています。DX推進の観点より、各部門における各種申請手続きをシステム化に改めるなど業務の効率化に努め、働き方改革を行っています。省エネルギー推進の観点より6~9月の期間はノーネクタイを実施いたしておりましたが、2023年度より通年でノーネクタイを実施し、働きやすい環境づくりに着手しています。
・健康経営の推進
時間外労働の短縮、勤務間インターバル制度の運用強化、有給休暇の取得促進、長期休暇の取得によるリフレッシュ策を推進し、従業員の負担軽減に努めています。2023年度より管理職には第2種衛生管理者の資格取得を義務付け全員が取得しております。これにより部下の健康管理や自部署の職場環境改善ができる仕組みづくりを行っています。また、従業員の健康づくりを支援するための施策として、2026年度より「会社敷地内の全面禁煙」に向け、2025年度は禁煙日の設定及び禁煙サポートを行っています。従業員の健康維持・増進に努めるとともに、持続可能な健康経営を目指します。
(4)人的資本に関する指標及び目標
当社では、人事戦略である人材の多様性を含む人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針と取り組みについて、次の指標を用いております。
なお、当社グループに属する全ての会社では指標及び目標の設定が行われていないため、当社グループにおける記載が困難であります。このため、当該指標に関する目標及び実績は、提出会社のものを記載しております。
今後の取り組みとして、管理職に占める女性労働者の割合、店長に占める女性労働者の割合を向上するために、教育の拡充、個人別の育成プランの策定、職場労働改善に取り組み、管理職及び店長を目指す女性を育成します。
また、男性労働者の育児休業取得率の向上に向け、社内報や啓蒙ポスターの作成など制度の周知を行い、休業時の代替要員を含めたフォロー体制の構築に取り組みます。
なお、労働者の男女の賃金の差異について、賃金制度・体系において性別による差異はありません。引き続き、労働者の男女の賃金の差異の是正に向け、女性の勤続年数の改善と役職及び管理職への登用を推進します。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがありますが、当社グループは、これらのリスクの存在や可能性を認識したうえで、その発生の回避や極小化に努めてまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 外部環境
① 経済環境
当社グループは小売業を中心に営んでおりますが、今後の景気動向や金融情勢の変動による消費者の購買意欲の低下や、地政学リスクの高まりによる原油・原材料等の高騰に伴い、店舗運営における光熱費や商品・店舗資材等の調達価格が大きく上昇した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
② 自然環境
当社グループは、近畿・東海において小売業を展開しており、東海・東南海及び南海地震等の発生が危惧されている地域となっております。なお、防災への取り組みとして、緊急対策本部設置訓練や津波を想定した避難訓練を定期的に実施し、従業員の危機管理意識の向上を図っております。また、災害発生後の速やかな復旧のため、リスクの高い一部の店舗を対象として、損害保険へ加入し、財務面でのリスクヘッジを行っております。しかしながら、これら地域における大規模な震災やその他の自然災害が発生した場合、事業活動に著しい支障が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③ 競争環境
当社グループは、他社との差別化を図るべく、地域のお客様のニーズに合った商品構成、売場づくりに努めておりますが、商圏人口の減少や同業種・異業種を含めた競合が激化した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
④ 人材確保・人件費等の増加
当社グループは、お客様に満足いただけるサービスの提供には、人材の確保と育成が重要な課題と認識しております。積極的な新卒・中途採用及びパートタイマーの確保とともに、労働環境の改善、人事制度の整備、社内研修やOJTを通じた「働き甲斐の向上」、「ダイバーシティ」や「健康経営」に取り組んでおりますが、これらが計画どおりに進まない場合は、営業活動に支障をきたし、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、最低賃金の上昇や社会保障費増大などにより、中長期的に従業員に関する費用が増加していくことが見込まれます。「業務改革」や「ITシステムの導入」により店舗作業の効率改善に取り組んでおりますが、これらが計画どおりに進まない場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 食の安全性
当社グループでは、食品の安全性について、食品工場・食品加工センターを中心に厳格な管理体制を敷いており、衛生管理の徹底や検査体制の充実、生産履歴の明確化(トレーサビリティ)などに努めております。万一、衛生面において問題が生じ、店舗の営業に影響が及んだ場合や、食中毒等の予期せぬ事態が発生し、商品の安定的な供給ができなくなった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 気候変動・環境問題
当社グループでは、気候の変化に応じた商品の販売計画を立てておりますが、想定外の気候変動により、売上の減少や過剰在庫を招くことにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、環境問題に対しては、太陽光発電設備の導入や、その他の再生可能エネルギーの活用、節電への取り組み、リサイクルへの取り組み、食品ロスの削減などに積極的に取り組んでおります。
気候変動・環境問題に対するリスク・指標・目標を策定し、それらに対する対応を進めておりますが、対応の遅れや解決できない問題が発生した場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 店舗政策
当社グループの店舗出店及び増床については、「大規模小売店舗立地法」の規制対象となっており、店舗面積1,000㎡を超える店舗の新規出店及び増床に際して、都道府県又は政令指定都市に届出が義務付けられ、届出後、駐車台数、騒音対策、廃棄物処理等について、地元住民の意見を踏まえ審査が進められます。したがって、審査の状況及び規制の変更等により出店政策に影響を及ぼす場合があります。
また、当社グループは、店舗の大部分について土地又は建物を賃借しており、新規出店や改装計画時に賃貸人の与信調査を行い、契約条件の協議など適宜実施し、賃貸借契約の維持に努めております。しかしながら、倒産その他の賃貸人に生じた事由により、業績が好調な店舗であっても退店を余儀なくされる場合や、店舗賃借の際に差し入れた保証金・敷金の全部又は一部が回収できなくなった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 個人情報管理
当社グループは、販売戦略としてポイントカードを発行し、大量の顧客情報を取り扱っております。個人情報保護法の制定に伴い、当社グループでは、個人情報保護方針、情報管理規程等を制定し、情報管理及びプライバシー保護に努めております。しかしながら、コンピュータウィルスの感染やサイバー攻撃などの不測の事態により、顧客情報の流出等が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6) システムトラブル
当社グループは、通信ネットワークやコンピューターシステムを使用し、商品の発注や販売数量の管理、社内情報の共有やWEB会議など様々な分野で活用を進めております。システムの運用や管理には万全の体制で取り組んでおりますが、想定外の自然災害や事故等により設備に甚大な被害があった場合や、コンピューターシステムのトラブルや従業員の過誤等によるシステム障害が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 法令・会計制度
① 減損会計
当社グループは、固定資産の減損会計を適用しております。新規出店や店舗改装の際にはその地域環境の把握と将来の収益性の見込みを十分に評価・検討した上で投資判断を行っておりますが、店舗等において外部環境の急激な変化等で収益性が著しく低下した場合や固定資産の時価が著しく低下した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
② その他法的規制
当社グループは、通商、労働、独占禁止、下請、特許、消費者、租税、環境・リサイクル等各方面の法規制の適用を受けており、コンプライアンスの強化には最大限努めておりますが、これらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は、次のとおりであります。
当社は「変わらぬ想いで、変わり続けるスーパーマーケット」をテーマに、経営理念である「お客様の生活文化の向上により一層寄与できる企業」を具体化するために、商品力・販売力の強化、サービスの創造を図り、地域社会に貢献できるビジネスモデルの構築を推進しております。
当連結会計年度(2025年2月21日~2026年2月20日)におけるわが国経済は、企業収益の改善や継続的な賃金上昇を背景とした所得環境の持ち直しにより、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、主要国の通商政策の転換や、新たな関税措置の発動、さらには地政学リスクの長期化など、国際社会における不確実性が一段と高まりを見せております。これらに起因する為替相場の変動や資源価格の高止まりは、原材料費やエネルギーコストの押し上げ要因となっており、景気の先行きは依然として不透明な状況にあります。
小売業界においても、賃金の上昇を背景とした個人消費の緩やかな持ち直しや、インバウンド需要の継続に支えられ、緩やかな回復基調が見受けられるものの、食料品や日用品を中心とした価格上昇による家計への負担増は依然として大きく、消費者の節約志向や選別購買の傾向は、一段と強まっております。また、人件費の継続的な上昇をはじめとした各種コストの増加に加え、業態の垣根を越えた競争も依然として激しく、厳しい経営環境が継続しております。
このような状況下において、当社は、年度スローガン『小さな気づきを行動に移そう みんなで変える より良い売場』を前期より継続し、従業員一人ひとりが「より良いお店のために」を共通の行動目標と再確認し、多様化するお客様ニーズへの対応等、変化するライフスタイルに合わせた商品・サービスの提供に引き続き取り組み、地域社会への貢献、当社の持続的な成長に向けた競争力と収益力の向上に努めてまいりました。
具体的には、「商品戦略」、「販売促進施策」、「マーケティング戦略」等の施策を推進し、収益力の強化と来店客数の増加に向けた取り組みに注力いたしました。
連結子会社については、外食事業を営む株式会社オークフーズは、客数の増加による繁忙期の業績が好調となり、増収増益となりました。農産物等の加工・配送業務を担う株式会社サンライズは、作業の集中等による業務の効率化を図り、増益となりました。
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ5億94百万円増加し、1,292億23百万円となりました。流動資産では2億86百万円の増加であり、これは主に受取手形及び売掛金が2億32百万円増加したことによるものであります。固定資産では3億8百万円の増加であり、これは主に退職給付に係る資産が18億74百万円、投資有価証券が10億16百万円、リース資産(純額)が2億35百万円増加した一方、繰延税金資産が8億88百万円、リース資産(純額)を除く有形固定資産が19億53百万円減少したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ4億80百万円増加し、545億81百万円となりました。流動負債では7億84百万円の増加であり、これは主に1年内返済予定の長期借入金が9億22百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が2億81百万円減少したことによるものであります。固定負債では3億4百万円の減少であり、これは主に長期借入金が6億4百万円減少した一方、固定負債の「その他」に含まれるリース債務が2億61百万円増加したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ1億14百万円増加し、746億41百万円となりました。これは主に自己株式の増加により9億79百万円、利益剰余金が8億81百万円減少した一方、退職給付に係る調整累計額が10億93百万円、その他有価証券評価差額金が8億67百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度における当社グループの経営成績につきましては、営業収益(売上高及び営業収入)は2,526億55百万円(前年同期比1.0%増)、営業利益は18億78百万円(前年同期比41.4%増)、経常利益は19億73百万円(前年同期比36.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2億64百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失23億81百万円)となりました。
なお、セグメント別の実績については、当社グループにおける報告セグメントは小売業であるスーパーマーケット事業のみであるため、記載を省略しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1億53百万円減少し、109億99百万円(前年同期比1.4%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ10億22百万円増加し、76億19百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が7億80百万円、非資金損益項目の減価償却費が64億9百万円、減損損失が10億87百万円、未払消費税等の増加額が3億3百万円であった一方、売上債権の増加額が2億32百万円、仕入債務の減少額が2億81百万円、法人税等の支払額が2億50百万円であったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、前連結会計年度に比べ29億89百万円減少し、57億51百万円となりました。これは主に、固定資産の取得による支出が57億77百万円であったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、前連結会計年度に比べ8億64百万円減少し、20億20百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が36億82百万円、自己株式の取得による支出が10億円、配当金の支払額が10億74百万円、リース債務の返済による支出が2億61百万円であった一方、長期借入れによる収入が40億円であったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における売上高をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1 「その他」については、主に外食事業の売上高を記載しております。
2 報告セグメントは、スーパーマーケット事業のみであります。
当連結会計年度における仕入高をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1 「その他」については、主に外食事業の仕入高を記載しております。
2 報告セグメントは、スーパーマーケット事業のみであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態の分析
「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 a. 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
b. 経営成績の分析
(売上高)
売上高は、前連結会計年度に比べ、20億21百万円増加し、2,395億49百万円(前年同期比0.9%増)となりました。
(営業総利益)
営業総利益は、前連結会計年度に比べ、15億29百万円増加し、795億41百万円(前年同期比2.0%増)となりました。これは客単価の上昇等に伴う売上高の伸長や、荒利益率の改善が主な要因であります。
(営業利益)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ、9億79百万円増加し、776億62百万円(前年同期比1.3%増)となりました。これは最低賃金の上昇等による人件費の増加や、電力単価の上昇による水道光熱費の増加が主な要因であります。
これらの結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ5億50百万円増加し、18億78百万円(前年同期比41.4%増)となりました。
(経常利益)
経常利益は、前連結会計年度に比べ、5億30百万円増加し、19億73百万円(前年同期比36.8%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別損益は、減損損失の計上が前連結会計年度に比べ、28億31百万円減少したこともあり、前連結会計年度に比べ、27億78百万円の損失(純額)減となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ、26億46百万円増加し、2億64百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失23億81百万円)となりました。
当社グループを取り巻く経営環境は、エネルギー価格や原材料費の高騰、人件費負担の増大に加え、物価高に伴う消費者の生活防衛意識の高まりや、少子高齢化・世帯人数の減少といった構造的な変化により、依然として厳しい状況が続いております。このような環境下、当社グループは多様化するライフスタイルに対応した商品・サービスの提供を通じて「選ばれる店づくり」を実践することで、食の安全・安心と豊かな生活をお客様にお届けし、地域社会への貢献と持続的な収益力向上に努めてまいります。
c. 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
キャッシュ・フローの分析につきましては、前連結会計年度は25億28百万円の税金等調整前当期純損失であった一方、当連結会計年度では7億80百万円の税金等調整前当期純利益であったこともあり、営業活動の結果得られた資金は前連結会計年度に比べ10億22百万円増加し、76億19百万円となりました。新店及び既存店舗改装などによる設備投資資金が減少したことにより、投資活動により使用した資金は前連結会計年度に比べ29億89百万円減少し、57億51百万円となりました。前連結会計年度では20億円の自己株式の取得を実施した一方、当連結会計年度では10億円にとどまったこともあり、財務活動により使用した資金は前連結会計年度に比べ8億64百万円減少し、20億20百万円となりました。
当社グループにおける資金需要の主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費などの運転資金、新規出店及び改装などの設備投資資金であります。
当連結会計年度の資金については、営業活動に加え金融機関からの借入れにより安定的に得られました。今後も主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入れによる資金調達により、資金の流動性の確保を図ってまいります。
③ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは営業収益経常利益率、ROE(自己資本利益率)、ROA(総資産経常利益率)、自己資本比率及びキャッシュ・フロー対有利子負債比率を重要な経営指標と考えており、当連結会計年度においては、営業収益経常利益率0.8%(前年同期比0.2ポイント増)、ROE0.4%(前年同期は△3.1%)、総資産経常利益率1.5%(前年同期比0.4ポイント増)、自己資本比率57.5%(前年同期比0.2ポイント減)、キャッシュ・フロー対有利子負債比率2.9年(前年同期比0.4年減)となりました。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。