第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社グループは『Make the Impossible Possible』をコーポレートメッセージとして掲げ、「ものづくりのグローバルメーカーとして新しい価値を創造し、ヘルスケア産業の発展と人々の健康・福祉に貢献する」ことをMISSIONとしております。

 

(2)経営環境

当社グループの主力製品である衛生用品製造機械の需要は、最終製品である紙おむつや生理用ナプキン等の消費動向に影響を受けます。これらの衛生用品の市場は、成長が期待される地域も存在するものの、グローバル全体では緩やかな成長に留まると見込まれます。また、当社グループにとって主要な市場であった日本においては、少子化の加速や人口減少を背景に、大きな需要増加が見込みにくい環境にあります。同じく主要市場である中国においては、少子化の加速に加えて、景況感の回復に時間を要すると見込んでおります。このような状況のなか、当社グループでは新興国を中心に海外顧客を積極的に開拓しておりますが、競合企業の技術力の向上も見られ、競争環境は厳しさを増しております。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

このような経営環境のもと、当社グループでは「第4次中期経営計画」(2026年2月期~2028年2月期)を策定し、衛生用品製造機械の販売台数が必ずしも増加しないとの前提に立ったうえで、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するための事業構造の変革に取り組んでおります。

当連結会計年度においては、その初年度として、部品・サービス領域の強化やグローバルでの販売体制の強化に取り組むとともに、事業ポートフォリオの拡充に向けて、ユニチカ株式会社からスパンレース不織布事業を譲り受け、材料分野への展開を開始いたしました。また、防護服、自動排泄処理装置、使用済み紙おむつリサイクル機械などの新規事業についても開発・展開を進めております。

さらに、従来の機械販売に加え、設計から設備導入、立ち上げまでを一貫して提供するターンキーソリューションの提供を開始するとともに、部品・サービス事業の拡充を通じて、収益の安定化に向けた取り組みを進めております。加えて、これらの戦略を迅速に実行するための組織体制の見直しや機能強化にも取り組んでおります。

 

A)衛生用品製造機械事業の競争力再生

① 改造・部品業務、付随業務に注力し、業務付加価値を高める

衛生用品製造機械の高付加価値化による機械本体(以下、本機)の販売は最重要でありますが、改造案件や部品・ユニット販売などの拡充により、本機以外での収益機会の拡大を図ってまいります。さらに、設計から設備導入、立ち上げまでを一貫して提供するターンキーソリューションの提供や、サービス領域の強化を通じて、付加価値の向上と収益基盤の強化を進め、収益の安定化及びボラティリティの低減を図ってまいります。

② ブルーオーシャン戦略の展開

アジア、アフリカ、中南米地域の新興国では、今後所得の増加に比例して生理用品やベビー用紙おむつの需要は増加しますので、当社でも営業部内にブルーオーシャン推進グループを設置し、マーケット調査、開拓に着手しております。

③ コスト競争力の向上

グループ内の生産拠点の連携強化、モジュール設計の推進による製品の短納期化、Value Engineering等により、コスト競争力の向上と収益性の改善を図ってまいります。また、プロジェクト管理体制の強化により、コスト管理及び納期管理の精度向上にも取り組んでまいります。

B)新規事業の加速による事業ポートフォリオ拡充

① 新しい素材・製品開発への展開

当社の衛生用品製造装置分野で培った技術と素材を融合し、複合資材を開発し、生活資材用品等、素材から最終製品までを視野に入れた提案につなげていきます。

② 事業性の見極めを徹底し、選択と集中による収益性の確保

スパンレース不織布事業をはじめ、防護服、自動排泄処理装置、使用済み紙おむつリサイクル機械等の展開を進めるとともに、研究開発や設備投資に加え、M&Aも活用しながら事業領域の拡大を図り、第2・第3の収益の柱の確立を図ってまいります。

C)財務面では、M&A等の成長投資資金を確保する観点から、必要に応じて有利子負債を積極的に活用してまいります。また、株主還元については、本中計期間中は連結配当性向35%前後を目標に配当を実施いたしたいと考えており、必要に応じ、適宜自己株式の取得も検討してまいります。

 

 「第4次中期経営計画」では『SPEED&CHALLENGE』をテーマにこれらの課題に取り組み、最終年度(2028年2月期)の目標である売上300億円、内新規事業の売上高80億円、営業利益率8%以上の達成を目指してまいります。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 第4次中期経営計画(2026年2月期~2028年2月期)の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として売上高、新規事業の売上高、営業利益率を指標としております。

 なお、第4次中期経営計画の初年度である2026年2月期の達成状況は以下の通りです。

指標

2026年2月期

中計計画目標

実績

売上高

220億円

211億円

新規事業の売上高

10億円

5億円

営業利益率

4.5%

0.8%

 

(参考) 第4次中期経営計画(2026年2月期~2028年2月期)における経営目標は以下の通りです。

指標

2028年2月期

目標

売上高

300億円

新規事業の売上高

80億円

営業利益率

8.0%

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1)サステナビリティについて

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。なお、当社グループにおいてサステナビリティとは、環境、社会およびガバナンスに関する課題を含め、事業活動に影響を及ぼす中長期的なリスクおよび機会をいうものと捉えております。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。サステナビリティに関連する取り組み等は、株式会社瑞光ホームページ(「企業情報」-「サステナビリティ」)もご覧ください。(https://www.zuiko.co.jp/about/sustainability/)

 

①ガバナンス及びリスク管理

 当社グループでは、サステナビリティに関する課題について、人事総務部門を中心に対応し、経営に影響を及ぼすリスクおよび機会の観点から、必要に応じて総務部門を事務局とするリスクマネジメント委員会にて、審議・検討を行い、その内容を取締役会に報告しております。また、リスクマネジメント委員会を筆頭として、安全衛生委員会、コンプライアンス委員会、情報セキュリティ委員会といった分科会を設置し、各領域におけるリスクを検知し、対策を講じております。

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②戦略及びこれに対する指標及び目標

 当社グループは、サステナビリティに関する取り組みの継続が、当社グループの事業運営の基盤を支える重要な要素であり、第4次中期経営計画(2026年2月期~2028年2月期)の目指す「持続的な成長と中長期的な企業価値向上」に資する重要な経営課題として位置付けております。

 

ア 気候変動等の地球環境問題への配慮

 当社グループでは、気候変動が事業活動に及ぼす影響について、移行リスクおよび物理リスクの観点から認識しております。移行リスクとしては、環境規制や政策動向の変化、市場ニーズの変化等により、事業活動に影響が生じる可能性があると考えております。他方で、物理リスクとしては、気候変動に伴う気温上昇や気象条件の変化等により、生産活動やサプライチェーンに影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、これらのリスクおよび機会について、事業戦略との関係を踏まえつつ、動向を継続的に注視してまいります。引き続き、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)提言に示される考え方を参考にしながら、リスク及び機会の特定・評価等行ってまいります。

イ 再生可能エネルギーの活用

 当社グループは、地球環境に優しい再生可能エネルギーの活用の一環として2023年2月に太陽光発電システム、2024年12月に蓄電池を本社工場へ導入いたしました。この取り組みにより、2026年2月期は再生可能エネルギー比率が約35%に向上しました。今後もエネルギーコスト削減の取り組みを推進するとともに、環境に配慮したモノづくりを加速させて、SDGsの実現に向けて貢献してまいります。

 

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ウ 人的資本について

 (ア)人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針

 当社グループは、持続的な成長と高い収益性を実現できる事業構造への転換を図っております。従来の企業風土から脱却し変革を進めるためには、多様な技術・知識・視点を融合させてイノベーションを生み出すことが不可欠と認識しています。この考えのもと、挑戦する風土、働きがいのある環境づくりを推進し従業員一人ひとりのキャリア実現を支援する施策に取り組んでいます。

 また、当社は、多様な人材の活躍が企業成長の源泉であると認識し、国籍や性別にとらわれない人材活用を推進しております。特にグローバル展開を見据え、外国人材の採用を積極的に進めるとともに、多様なバックグラウンドを持つ人材が能力を最大限発揮できる環境整備を進めております。多様性を尊重した組織文化の醸成にも注力しております。当事業年度は、女性管理職率8.0%を目標としておりましたが、実績値は7.7%となります。

 また、当社は、従業員一人ひとりの成長が企業価値向上につながるとの考えのもと、キャリア開発支援を強化しております。全社員を対象としたキャリア面談を実施し、その結果を踏まえて本人の志向や適性を考慮したジョブローテーションを行うことで、多様な経験機会の提供と人材の最適配置を推進しております。主体的なキャリア形成の支援にも継続的に取り組んでおります。

 さらに、当社は、環境変化に対応した組織力の強化を目的として、人事制度の抜本的な見直しを行っております。適切な人材登用とメリハリのある人事異動を実施することで、組織の活性化および従業員のモチベーション向上を図るとともに、成果に基づく公正な評価・処遇の実現に取り組んでおります。制度の透明性向上と納得性の確保にも努めております。

 

 (イ)社内環境整備に関する方針

 当社は、多様な人材一人ひとりが活躍できるよう、アンケートや対話、面談機会の充実でニーズの把握に努め、多様な支援制度の拡充を進めております。また、新入社員が職場に適応できずに離職することを防ぐため、メンターを配置する制度を導入し、日常業務や職場適応、人間関係など多面的なサポートを行っています。こうした取り組みにより、新入社員が不安や孤立を感じることなく、安心して働き続けられる環境づくりを推進しています。

 また、当社は、経営と現場の相互理解を深めることが重要であると認識し、従業員と経営層の対話を積極的に行っております。役員による直接対話や意見交換の場を設けることで、経営方針の浸透と現場の声の把握を図り、組織全体のエンゲージメント向上と一体感の醸成を推進しております。社内福利厚生の一環として提供している英会話学習支援については、オンライン英会話に加え、社内サークルを立ち上げ、実践的なコミュニケーション機会の創出を図ることで、グローバル人材の育成及び語学力向上をより実効的に支援しています。

 さらに、当社は、持続的な企業価値向上には従業員が心身ともに健康でいることが不可欠であると認識し、健康経営の浸透と定着を図っております。その結果、2023年2月期から4年連続で健康経営優良法人に認定されました。また、設計・生産両部門が連携し、設計段階からリスクを洗い出すことで、事故や故障のリスクを低減する“安全標準”を設定し、労働災害の予防に努めております。さらに、月1回安全衛生委員会メンバーによる職場巡視を実施し、その結果を社内掲示するなど、安全衛生管理体制の強化及び職場環境の継続的な改善に取り組んでおります。加えて、月ごとに健康テーマを設定し、当該テーマに関する情報を発信し、社員食堂において栄養バランスに配慮したメニューを表示・提供することで、従業員の健康意識の向上を図るとともに、健康的な生活習慣の定着を促進しております。

 また、当事業年度においては、従業員の自主運営による社内サークル活動が発足し、現在9つのサークルで社員間での交流が深まっております。

 

 

 

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

1.当社グループのリスクマネジメント体制

 当社グループのリスクマネジメントは、リスク及び機会を踏まえた適切な意思決定を促し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目的として取り組んでいます。代表取締役社長を委員長とするリスクマネジメント委員会は、当社グループの事業継続に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクを中心に、重要度を踏まえた検討を行い、必要な対応について協議すること、各部門において顕出されるリスクに関する情報共有の場として機能させ、部門横断的な観点からの整理および検討を行うこと、当社グループにおけるリスクヘッジに関する取組みについて、継続的に運用可能な枠組みの整備を図ることを目的としています。

 当社グループは、事業環境や経営課題の変化を踏まえ、リスクマネジメントの適切な運用に努めてまいります。

 

2.主要なリスク項目

⑴ 衛生用品製造機械事業の市場動向について

 衛生用品市場の需要減少、衛生用品メーカーにおける設備投資の抑制等により、紙おむつ製造機械等の衛生用品製造機械の大きな需要増加が見込みにくい環境にあります。これに対し、当社グループは、グローバル市場の流動的なニーズを的確に捉えながら、顧客企業の需要に合致した新コンセプト機の開発、製品や素材の提案を通じた受注拡大、既存の技術や事業領域と関連のある事業に取り組み、衛生用品製造機械以外の収益の確保および新たな成長領域を獲得するための取り組みを行っております。

⑵ 為替変動リスクについて

 当社グループでは、海外顧客への販売や海外からの部品調達による外貨支払いによる為替変動リスクが一定程度発生します。これに対し、為替予約等を活用することで当該リスクの緩和・平準化を図っております。

⑶ 自然災害、テロ等の災害リスクについて

 大規模地震等の自然災害や火災・事故等の発生、テロ等の人為的災害、感染症等が発生した場合について、従業員の安全確保や事業の早期復旧のため、緊急連絡網の整備や非常時を想定した定期的な避難訓練等の基本的な対策を実施しております。また、太陽光発電、蓄電池の導入を行い、長時間の停電にも対応可能な非常電源を確保しております。

その他、データの保護や迅速な復旧のため、社内データの管理システム及び社外にデータのバックアップを補完するセンターを整備しております。

⑷ 海外展開、子会社管理にかかるリスクについて

 当社グループは、海外取引を含む複数国にまたがる積極的な事業活動を展開しており、各国において、通商、独占禁止、環境・リサイクル関連の法的規制を受ける他、予期し得ない法律・規制の変更、政治・経済の混乱等のリスクが内在しており、これらの規制違反や当該リスクが発生した場合は、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。これに対し、各国において当該国のカントリーリスクを慎重に検討し、定期的に事業上のリスクにおける重要事項を当社に報告する仕組みを設けております。また、内部監査部門による定期的な往査により、海外子会社のコンプライアンス、リスク管理その他の管理状況を確認し、問題点を適宜指摘することで是正を促しております。

⑸ 情報セキュリティリスクについて

 当社グループは、事業活動の中で顧客情報・個人情報等や営業上・技術上の機密情報を保有します。そのため、万が一、情報漏えい等の事故が発生した場合には、情報管理に関する法的責任を問われる可能性や当社グループの評判・信用、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。これに対し、当社グループでは、各種情報の取扱い、機密保持には細心の注意を払っており、不正なアクセス、改ざん、破壊等から保護するため、管理体制及び取扱規則を定め、合理的な技術的対策を実施するなど、適切な安全措置を講じております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 なお、前連結会計年度において企業統合に係る暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度に確定したため、前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。

① 財政状態及び経営成績の状況

a.経営成績

 当社グループでは、国内外の衛生用品メーカーを中心に衛生用品製造機械等の提案活動を積極展開するとともに、受注済みの機械製造案件や改造案件の早期完成・引渡し、部品販売の促進に努めることで、売上拡大を図っております。

 この結果、当連結会計年度の業績は、売上高21,170百万円(前期比6.1%増)、営業利益は162百万円(前期は営業損失300百万円)、経常利益は350百万円(前期は経常損失142百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,972百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失778百万円)となりました。

 なお、2026年2月19日に公表いたしました「特別利益(負ののれん発生益)の計上及び2026年2月期連結業績予想の修正に関するお知らせ」で、負ののれん発生益2,760百万円程度と公表させていただいておりますが、負ののれん発生益に対する税効果の会計処理により負ののれん発生益と法人税等調整額が同額増減することで、スパンレース不織布事業の譲り受けに伴う負ののれん発生益1,925百万円になりました。

 売上面においては、日本及び中国が前年対比で増加したことに加え、ZUIKO DELTA S.R.L.(イタリア)を情報拠点とした欧州への販売も順調に推移しました。主な製品別売上高では、大人用紙おむつ製造機械7,518百万円(前期比18.0%増)、小児用紙おむつ製造機械6,891百万円(同0.3%増)、生理用ナプキン製造機械3,286百万円(同5.7%増)、部品2,445百万円(同13.0%減)、その他1,028百万円(同29.9%増)となりました。

 利益面においては、売上増加や原価率低減により黒字転換しましたが、高付加価値機能を伴う新製品の案件について、当初の想定納期より長期化することにより材料費や人件費等などのコストが増加していること等により、期初業績予想の営業利益1,000百万円から大きく減少しました。

 受注環境におきましては、新興国向けの小児用紙おむつ製造機械や生理用ナプキン製造機械の受注活動とともに、当社の強みである欧米向けの付加価値の高い大人用おむつ製造機械の受注活動に取り組む一方で、新規事業の受注活動も積極的に行っております。これらの結果、当連結会計年度中の受注高は22,246百万円(前期比2.2%増)、当連結会計年度末の受注残高15,848百万円(同7.3%増)となりました。詳細については、P.18「② 生産、受注及び販売の実績 b.受注実績」をご参照下さい。

 当社グループでは、生理用ナプキン製造機械及び紙おむつ製造機械等の一般産業用機械・装置製造の事業が太宗を占めており、「その他の事業」の割合が僅少で開示情報として重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。なお、2026年1月1日より事業譲受しましたスパンレース事業の売上518百万円(約2か月分)は「その他の事業」セグメントに含めておりますが、2026年度からは別個のセグメントとしてお示しします。

b.財政状態

(資産合計)

 当連結会計年度末の財政状態は、資産合計が52,440百万円と前連結会計年度末に比べ23百万円増加しました。現金及び預金は、スパンレース事業譲受資金やPROGA ZUIKO出資金に伴う支出、また社債期日返済額と銀行新規借入額の差額1,000百万円を手元資金で賄ったことを主因として、1,921百万円の減少となりました。

 また、スパンレース事業に要する運転資金(売掛金、棚卸資産)が増加する一方で、契約資産(工事進行基準売上の売掛金に該当)が大きく減少した結果、流動資産は2,760百万円の減少となりました。

 固定資産についても、スパンレース事業譲受における垂井事業所の固定資産の増加とPROGA ZUIKO出資金が主因となり2,783百万円の増加となりました。

(負債合計)

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,999百万円減少し16,116百万円となりました。支払手形及び買掛金や契約負債が減少したことに加え、社債期日償還資金5,000百万円の借換を4,000百万円の新規借入に留めたことが主因であります。

(純資産合計)

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,023百万円増加し36,324百万円となりました。スパンレース事業の特別利益を主因として利益剰余金が1,681百万円増加いたしました。

 この結果、自己資本比率は69.1%(前期は65.3%)となりました。

c.キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、9,400百万円となり、前連結会計年度末に比べ332百万円減少しております。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は1,132百万円(前期比3.7%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,051百万円に加え、売上債権の減少1,172百万円、棚卸資産の減少249百万円及び減価償却費の計上884百万円の一方、負ののれん発生益1,925百万円、仕入債務の減少1,037百万円、契約負債の減少660百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動の結果獲得した資金は265百万円(前期比76.6%減)となりました。これは主に、定期預金の減少1,629百万円及び補助金による収入1,770百万円の一方、事業譲受による支出2,150百万円、投資有価証券の取得による支出596百万円及び有形固定資産の取得による支出368百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は1,710百万円(前期比121.1%増)となりました。これは主に、長期借入れによる収入4,000百万円の一方、社債の償還による支出5,000百万円、長期借入金の返済による支出367百万円及び配当金の支払額291百万円によるものであります。

 

② 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループは、生理用ナプキン製造機械及び紙おむつ製造機械等の一般産業用機械・装置製造業及びその他の事業でありますが、その他の事業の全セグメントに占める割合が僅少であり、開示情報としての重要性が乏しいため、当連結会計年度の生産実績を製品別に記載しております。

製品別

当連結会計年度

(自 2025年2月21日

至 2026年2月20日)

金額(千円)

前年同期比(%)

生理用ナプキン製造機械

3,286,423

105.7

小児用紙おむつ製造機械

6,891,181

100.3

大人用紙おむつ製造機械

7,518,258

118.0

その他機械

135,338

33.9

部品

2,445,465

87.0

その他

893,584

227.2

21,170,251

106.1

 (注)1.金額は、販売価格で表示しております。

2.部品には仕入部品を含んでおります。

3.金額は、外注による生産実績を含んでおります。

 

b.受注実績

 当社グループは、生理用ナプキン製造機械及び紙おむつ製造機械等の一般産業用機械・装置製造業及びその他の事業でありますが、その他の事業の全セグメントに占める割合が僅少であり、開示情報としての重要性が乏しいため、当連結会計年度の受注実績を製品別に記載しております。

製品別

当連結会計年度

(自 2025年2月21日

至 2026年2月20日)

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

生理用ナプキン製造機械

3,055,296

(2,875,828)

85.7

(83.5)

1,629,742

(1,511,730)

87.6

(85.1)

小児用紙おむつ製造機械

6,329,581

(5,498,409)

68.7

(64.7)

6,996,092

(6,583,372)

92.6

(92.4)

大人用紙おむつ製造機械

7,441,226

(3,988,660)

121.4

(129.4)

5,183,600

(3,089,054)

98.5

(96.2)

その他機械

2,081,224

(1,863,818)

(-)

2,038,836

(1,886,855)

(-)

部品

2,445,465

(2,027,839)

87.0

(83.5)

(-)

(-)

その他

893,584

227.2

22,246,378

(16,254,557)

102.2

(95.5)

15,848,272

(13,071,013)

107.3

(107.4)

 (注)1.括弧内の数字(内書)は海外受注高及び受注残高であり、受注高に対する海外受注高の割合は、当連結会計年度73.0%であります。

2.受注後、値引等のあったものは、受注高で調整しております。

3.金額は販売価格によっております。

4.その他機械の受注残高の前年同期比については、1,000%を超えるため記載しておりません。

 

c.販売実績

 当社グループは、生理用ナプキン製造機械及び紙おむつ製造機械等の一般産業用機械・装置製造業及びその他の事業でありますが、その他の事業の全セグメントに占める割合が僅少であり、開示情報としての重要性が乏しいため、当連結会計年度の販売実績を製品別に記載しております。

製品別

当連結会計年度

(自 2025年2月21日

至 2026年2月20日)

金額(千円)

構成比(%)

前年同期比(%)

生理用ナプキン製造機械

3,286,423

(3,139,914)

15.5

(14.8)

105.7

(105.6)

小児用紙おむつ製造機械

6,891,181

(6,042,464)

32.6

(28.5)

100.3

(95.7)

大人用紙おむつ製造機械

7,518,258

(4,110,714)

35.5

(19.4)

118.0

(97.8)

その他機械

135,338

(27,508)

0.6

(0.1)

33.9

(13.9)

部品

2,445,465

(2,027,839)

11.6

(9.6)

87.0

(83.5)

その他

893,584

4.2

227.2

21,170,251

(15,348,441)

100.0

(72.5)

106.1

(95.2)

 (注)1.括弧内の数字(内書)は海外販売高及び売上全体に対する割合であります。

2.「その他」には、コットンスパンレース事業約2か月分を含んでおります。64期からは、個別のセグメントとして表示いたします。

3.主な相手先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ユニ・チャーム株式会社

2,724,634

13.7

(注)当該割合が100分の10未満については記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、重要な会計方針に基づき見積り及び判断を行っており、実際の結果は、見積りによる不確実性のために異なる可能性があります。

 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しているとおりです。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度における売上高は、大人用紙おむつ製造機械、生理用ナプキン製造機械、小児用紙おむつ製造機械及びその他が増加したことにより前連結会計年度と比べ1,219百万円増加し、21,170百万円となりました。

 また、国内売上高は1,993百万円増加し5,821百万円、海外売上高は773百万円減少し15,348百万円となりました。

(売上総利益)

 当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ売上高の増加1,219百万円及び原価率の改善2ポイント等により570百万円増加し、3,204百万円となりました。

(営業利益)

 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、人件費、垂井事業所の登記費用、R&Dセンターの修繕及び研究開発費等の費用の増加により連結会計年度に比べ107百万円増加し、3,042百万円となりました。

 以上の結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ462百万円増加し、営業利益162百万円となりました。

(経常利益)

 当連結会計年度における営業外収益は、受取利息が減少したことなどから前連結会計年度に比べ41百万円減少し、269百万円となりました。営業外費用は、為替差損が減少したことなどから前連結会計年度に比べ72百万円減少し、82百万円となりました。

 以上の結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ493百万円増加し、経常利益350百万円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度における特別利益は、ユニチカスパンレース事業譲り受けに伴う、負ののれん発生益や経済産業省補助金対象設備への補助金の承継により前連結会計年度に比べ3,066百万円増加となりました。特別損失は補助金対象設備の圧縮記帳やZUIKO DELTA S.R.L.での裁判に関する和解金(買収前の事象)の計上等により、前連結会計年度に比べ1,984百万円増加となりました。

 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ2,751百万円増加し、親会社株主に帰属する当期純利益1,972百万円となりました。

 

財政状態の分析

 当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの主な資金需要は、通常の事業活動に必要な運転資金、競争力強化のための研究開発費及び設備投資等です。

 当社グループが主に製造販売している紙おむつ・生理用ナプキン製造機械は個別受注生産であり、標準品・汎用品を大量に製造販売する業態と比較して、受注から納入までの期間が相対的に長くなる特徴があります。また、製造機械本体の1件あたりの受注金額が大きく、かつ、顧客への納入タイミングにばらつきがある一方で、製造費用や販売費及び一般管理費などの支出は経常的に発生します。

 当社グループは、安定的な事業運営と成長投資に必要な資金を確保するため、営業活動によるキャッシュ・フローで獲得する資金に加えて金融機関からの借入等を有効に活用してまいります。具体的には、受注代金の一部を前受金として製品納入前に回収するなど資金回収時期の早期化・平準化を図り運転資金の安定確保に努めているほか、短期的な流動性確保に向けて金融機関との間で当座貸越契約を締結しています。また、長期借入金や社債等を活用することで、安定的な資金確保を図っております。

 当連結会計年度末における有利子負債残高はリース債務も含め6,225百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,346百万円減少しました。これは主に長期借入金の増加により有利子負債は増加しましたが、社債の償還により有利子負債が減少したことによるものです。当連結会計年度末の現金及び現金同等物は9,400百万円であり、前連結会計年度末と比較して332百万円減少しています。

5【重要な契約等】

 当社は2025年9月12日付の取締役会でスパンレース不織布事業の譲り受けを決議し、契約を締結しております。

 事業譲り受けの内容は以下となります。

1.事業譲受の内容

(1)譲受事業の内容

スパンレース不織布の製造・販売

(2)譲受事業の経営成績(2025年3月期)

売上高 約40億円

(3)譲受事業の資産・負債及び金額

(クロージング時点の譲受見込額)

資産:約47億円

(負債の承継はございません。)

(4)譲受価額及び決済方法

①譲受価額:21.5億円

②決済方法:現金決済

(5)当該事業の開始のために特別に支出する

金額及び内容

現時点において特別に支出する予定はありません。

 

2.譲渡会社の概要

(1)名称

ユニチカ株式会社

(2)所在地

大阪府大阪市中央区久太郎町4-1-3 大阪センタービル

(3)代表者の役職・氏名

代表取締役社長 藤井 実

(4)事業内容

高分子事業、機能資材事業、繊維事業

(5)資本金

100百万円

(6)設立年月日

1889年(明治22年)6月19日

(7)純資産

16,233百万円(2025年3月期)

(8)総資産

149,430百万円(2025年3月期)

(9)大株主及び持株比率

(2025年3月末時点)

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)     10.28%

株式会社三菱UFJ銀行                 4.08%

ユニチカ従業員持株会                  2.93%

BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG (FE-AC)       1.54%

BNYM SA/NV FOR BNYM FOR BNY GCM CLIENT ACCOUNTS M LSCB RD

                            1.53%

(10)当社との関係

資本関係

記載すべき事項はありません。

人的関係

記載すべき事項はありません。

取引関係

記載すべき事項はありません。

関連当事者

記載すべき事項はありません。

 

3.譲受の日程

(1)事業譲受契約締結

2025年9月12日

(2)事業譲受日

2025年12月31日

(3)事業開始日

2026年1月1日

 

 

6【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動につきましては、高まる顧客ニーズと環境ニーズを先攻する独自技術の開発を基本姿勢としております。
 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は183百万円であります。

 その主なものは、衛生材料商品の付加価値向上を目的として、省資源、消費エネルギー削減、環境配慮資材の適応を考慮した装置開発及び生産設備への適用に向けた、新たな材料加工プロセスに関してと、新事業展開を見据えた研究・開発であります。

 また、当社グループは、生理用ナプキン製造機械及び紙おむつ製造機械等の一般産業用機械・装置製造業及びその他の事業でありますが、その他の事業の全セグメントに占める割合が僅少であり、開示情報としての重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。