当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間(2025年10月1日から2026年3月31日まで)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大により、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、緊迫化する中東情勢を受けた原油価格の高騰や物流網への影響に加え、米国の通商・外交政策に関する不確実性など、国内外における経済的な見通しは依然として不透明感の強い状況が続いております。
当社グループの属する情報サービス産業においては、「2025年の崖」(注1)を端緒としたDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の動きが一段と進展してきております。既存システムの老朽化対策に加え、2027年以降を見据えたレガシーシステム(注2)のクラウド移行や、アナログな業務プロセスの抜本的なデジタル化など、企業競争力強化に向けたIT投資は依然として旺盛な状況にあります。中でも、業務効率化や新たな価値創造に直結する生成AIの本格的なビジネス活用に対する需要が急速に高まっております。
一方で、国内企業のDX進展状況には依然として格差が見られ、本格的なトランスフォーメーションに向けた課題を抱える企業も多いことから、今後、IT企業の役割はますます重要になっていくことが予想されます。総務省の「サービス産業動態統計調査(2026年1月分速報)」によりますと、情報通信業の2026年1月の売上高は前年同月比7.9%増の6兆4,252億円となっており、市場全体として引き続き拡大基調にあります。また、企業経営における人的資本の重要性が一段と高まる中、DXを加速させるためのリスキリングが不可欠な投資として定着してきており、デジタル技術を活用して新たな価値を創造できる人材の育成や、スキルの再開発に対する需要も高まっております。
このような環境の中、当社グループにおいては、中長期的視点から事業利益の創出に取り組むための「中期経営計画(2024年9月期~2026年9月期)」及び中長期ビジョン「Vision2028」(2028年9月期目標:売上高100億円・営業利益10億円)を策定し、元請け案件や受託案件の獲得拡大に対する取り組みや顧客企業のセキュリティ課題解決に対する取り組み、生成AIを活用した技術開発への取り組み等、各施策を積極的に遂行してまいりました。さらに、当社グループが提供している教育サービス業務で蓄積した研修ノウハウの活用や、社内での技術共有を進めることで、より規模の大きな案件や難易度の高い案件を確保するために必要な技術力の強化、プロジェクトマネージャー(注3)の育成やコンサルティング力の強化を進めてまいりました。
これらの結果、当中間連結会計期間における売上高は3,603百万円(前年同期比6.1%増)となりました。利益につきましては、営業利益は160百万円(同25.3%減)、経常利益は167百万円(同22.4%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は104百万円(同29.4%減)となりました。これは、中長期的な成長基盤の強化を目的に、社員の待遇向上や大阪事業所の増床、本社移転に伴う諸費用の計上に加え、社内IT環境の拡充といった積極的な成長投資、ならびに機動的なM&Aを実施したことによるものです。
(注1)「2025年の崖」とは、2018年に経済産業省が発表した「DXレポート」内で示された言葉で、過度に複雑化した国内の古いシステムを刷新しない限り、2025年以降、最大で年間12兆円の経済損失が生じるリスクを指します。
(注2)「レガシーシステム」とは、過去の技術や仕組みで構築されている古いシステムのことを表します。
(注3)「プロジェクトマネージャー」とは、プロジェクトの計画、遂行に責任を負うプロジェクトの管理者のことをいいます。
セグメント別の経営成績は、次のとおりです。
なお、各セグメントの業績数値には、セグメント間の内部取引高を含んでおります。
(システムインテグレーション事業)
業務用システムの設計・開発及び構築、運用保守の各工程を、当社グループにて提供できる体制(ワンストップ体制)を構築しており、顧客の要望に応じて、全工程の業務サービス、または、工程別の業務サービス提供を行っております。IT通信業・金融業・流通業・医療・官公庁等の幅広い業種に対応しており、業務用アプリケーションの設計開発業務、インフラシステムの設計構築業務、業務用アプリケーション・インフラシステムの運用保守業
務等を行っております。
当中間連結会計期間においては、企業のDX推進の加速を背景に、サーバや基幹システムのリプレイス、クラウドストレージ導入に伴うデータ移行、標的型メール訓練サービス(注4)などの案件が、前連結会計年度に引き続き堅調に推移いたしました。
さらに、大型案件の引き合いも増加しており、これらに対して迅速かつ高品質なサービスを提供すべく、ビジネスパートナー(注5)を積極的に活用するとともに、当社の品質管理専門チームを中心に品質の管理・向上に努めながら各案件を遂行してまいりました。
当社ホームページへの問い合わせ件数も増加傾向にあり、元請け案件の獲得にも寄与しております。引き続き、楽々WorkflowⅡ(注6)や楽々Framework3(注7)、COMPANY(注8)などの問い合わせが増加傾向となっております。
これらの結果、システムインテグレーション事業の売上高は3,429百万円(前年同期比5.6%増)、セグメント利益につきましては743百万円(同1.3%増)となりました。
(注4)「標的型メール訓練サービス」は、株式会社ブロードバンドセキュリティと協業し、提供しているサービスです。
(注5)「ビジネスパートナー」とは、外注先企業に在籍しているエンジニアのことをいいます。
(注6)「楽々WorkflowⅡ」は、本格的なワークフローも簡単・スピーディに実現し、グローバルにも対応した電子承認・電子決裁システムです。(住友電気工業株式会社の登録商標です。)
(注7)「楽々Framework3」は、システム開発の費用・リスクを大幅に削減できる純国産ローコード開発プラットフォームです。(住友電気工業株式会社の登録商標です。)
(注8)「COMPANY」はクラウド型統合人事システムで、株式会社Works Human Intelligenceが製造・販売している製品です。
(教育サービス・セキュリティソリューション事業)
当該事業は、自社で開発した商材を基に、IT研修の企画及びコンサルティング、研修プログラムの開発、研修業務を行う教育サービス分野と、セキュリティ製品の開発、販売、導入、保守を行うセキュリティソリューション分野をサービス領域として提供しております。
教育サービス分野については、IT研修の企画及びコンサルティング、研修プログラムの開発、研修実施の各工程を当社グループにて提供できる体制を構築しており、顧客の要望に応じて、全工程の業務サービス、または、工程別の業務サービス提供を行っております。当社連結子会社のアスリーブレインズ株式会社が当該分野を担っております。
当中間連結会計期間においては、新規研修の研究開発を継続するとともに、講師陣の育成強化を図ってまいりました。売上高につきましては、企業のITスキル習得需要の高まりを背景に、クラウドや無線LAN構築、及び生成AI関連の研修の受注が堅調に推移いたしました。
また、2026年4月より、プロ講師による高度な実践研修にAIの常時サポートを融合した、次世代型AI教育プラットフォーム「ピジェトレ」の提供を開始いたしました。「ピジェトレ」は、実務を想定したAIロールプレイや日報分析を通じ、個々の習熟度やメンタル状況をデータに基づいて可視化するサービスです。これにより、従来の画一的な教育から脱却し「育成のパーソナライズ化」を加速させることで、技術スキルと現場対応力を兼ね備えた即戦力人材の育成を実現してまいります。まずは2026年4月の新入社員研修から導入を開始し、今後はAI技術の精度向上を図るとともに、個々のキャリアステップに最適化されたカリキュラムの拡充を予定しております。
これらの生成AI領域における知見の蓄積は、教育サービス分野にとどまらず、システムインテグレーション事業への技術的波及や新たなシナジー創出に繋がるものであり、当社グループ全体でのイノベーション創出を牽引するものと期待しております。顧客企業におけるデジタルトランスフォーメーションを担う人材確保やリスキリングの必要性は一段と高まっており、当社グループが提供するIT教育サービスへの需要は今後も継続的に拡大するものと見込んでおります。
セキュリティソリューション分野においては、主に、金融機関やクレジットカード会社、保険会社等の厳格なセキュリティ基準を有する業界を対象に、サーバやデータベースを操作したログを取得するセキュリティ製品の開発、販売、導入、保守の提供を行っております。加えて、様々な業界を対象に、ランサムウェア等のサイバー脅威に対し、多層的な防御と運用サポートを行うセキュリティソリューションの提供を行っております。当該分野においては、当社及び当社連結子会社のウイーズ・システムズ株式会社が担っており、グループ全体で幅広い顧客ニーズに柔軟に対応できる体制を構築しております。
自社製品として、重要システムからの情報漏洩リスクを防ぐIT運用統制ソフトウェアツール群「WEEDS Trace」(注9)を販売しており、さまざまな情報システムのログを収集する主要製品をベースに、顧客の目的に応じて、必要な機能やライセンスの提供を行っております。
当中間連結会計期間においては、顧客の多様なニーズに柔軟に対応すべく、前連結会計年度に引き続き、「WEEDS Trace」の機能拡張を実施いたしました。さらに、新たな自社サービスとして、2025年12月より、サイバーセキュリティ統合プラットフォーム「Cornelius-EDR by Heimdal」(コーネリアス・イーディーアール・バイ・ハイムダル)の提供を開始いたしました。本サービスは、高度な脅威検知・対応能力を持つセキュリティ製品「Heimdal セキュリティスイート」(注10)をベースに、初期構築から運用サポートまでを一貫して提供する統合プラットフォームです。特に、暗号化の予兆を検知して遮断する強力なランサムウェア対策に強みを持っており、専門知識や人員の不足に課題を抱える企業のセキュリティレベル向上と、運用負荷の低減を同時に実現いたします。こうした背景から、提供開始直後より多くの引き合いをいただいており、契約ライセンス数も順調に推移しております。
売上高につきましては、前連結会計年度から継続して、「WEEDS Trace」の公共法人向け及び地方銀行向けのライセンス販売が堅調に推移いたしました。
これらの結果、教育サービス・セキュリティソリューション事業の売上高は201百万円(前年同期比15.8%増)、セグメント利益につきましては52百万円(同23.6%増)となりました。
(注9)「WEEDS Trace」は、当社連結子会社のウイーズ・システムズ株式会社で企画・開発した特権IDの管理・重要情報保護のためのセキュリティソフトウェア製品です。
(注10)「Heimdal セキュリティスイート」は、デンマークの Heimdal Security A/G が開発したセキュリティソフトです。高度な EDR (Endpoint Detection and Response)機能に加え、脆弱性管理、メール防御など多角的なセキュリティ機能を統合しているのが特長です。脅威の未然防止と、運用効率を両立する設計で、世界中の企業で採用されています。
(2)財政状態の分析
①流動資産
当中間連結会計期間末における流動資産は2,284百万円となり、前連結会計年度末に比べ73百万円増加いたしました。これは、主に現金及び預金が173百万円増加した一方、売掛金及び契約資産が135百万円減少したことによるものであります。
②固定資産
当中間連結会計期間末における固定資産は1,125百万円となり、前連結会計年度末に比べ227百万円増加いたしました。これは、主に有形固定資産が29百万円、のれんが65百万円、無形固定資産のその他が86百万円及び繰延税金資産が37百万円増加したことによるものであります。
③流動負債
当中間連結会計期間末における流動負債は1,210百万円となり、前連結会計年度末に比べ24百万円増加いたしました。これは、主に1年内返済予定の長期借入金が60百万円及び未払法人税等が14百万円増加した一方、未払費用が10百万円、契約負債が15百万円及び流動負債のその他が11百万円減少したことによるものであります。
④固定負債
当中間連結会計期間末における固定負債は541百万円となり、前連結会計年度末に比べ254百万円増加いたしました。これは、主に長期借入金が239百万円及び退職給付に係る負債が14百万円増加したことによるものであります。
⑤純資産
当中間連結会計期間末における純資産は1,658百万円となり、前連結会計年度末に比べ22百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が26百万円増加したことによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ154百万円増加し、1,178百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は198百万円(前年同期は35百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益167百万円、売上債権及び契約資産の減少146百万円、棚卸資産の増加24百万円、その他の負債の減少52百万円、法人税等の支払額63百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は265百万円(前年同期は97百万円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出97百万円、連結の範囲の変更を伴う関連会社株式の取得による支出131百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は221百万円(前年同期は105百万円の支出)となりました。これは、長期借入による収入300百万円及び配当金の支払額78百万円によるものであります。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
該当事項はありません。
該当事項はありません。