第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 (1) 会社の経営の基本方針

 当社は、従業員、お客様、株主、投資家、ユーザー、協力会社、地域社会等のすべてのステークホルダーにとって有益な存在でありたいと考えます。

 2021年、当社は、パーパス「小さな気づきと技術をつなぎ、心地よい生活と持続可能な社会を創造する」を制定いたしました。これまで当社は、お客様に寄り添い、一つひとつの困りごとに真摯に向き合うことから生まれる「小さな気づき」と技術をつなぎ、当社の強みでもある、卓越した製品力とグローバルな生産体制を通して、それらの困りごとを解決してきました。

 今後も当社は、広く社会から信頼され続けるクリエイティブカンパニーを目指し、製品開発に加えサービスの提供など新たな事業創出にも挑戦し、小さな気づきをカタチにしながら、社会課題の解決、さらには、心地よい生活と持続可能な社会の創造に貢献してまいります。

 あわせて、企業として、コンプライアンスを徹底するとともに適切なリスクマネジメントを実践することによって、激変する社会経済環境に柔軟かつ適正に対応していくことが必要であり、こうした考え方を徹底し実践していくことも重要であると考えます。

 当社は、上記の基本的な考え方に基づいてコーポレート・ガバナンスの充実を経営の優先課題と位置付け、グループ経営の強化を図っていきます。

 

(2) 経営戦略等、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、2021年度より、3ヶ年計画はローリング型中期経営計画を採用しています。これは、各年度の実績及び取り巻く環境の変化を適宜織り込み、最も適した目標数値を示して目標の達成に臨むものです。

 当社は、顧客に対し、よりよい社会を創造し、顧客ニーズを解決する提案を行うことにより、社会的価値と企業価値の最大化を目指します。

 

 

2022年度実績

2025年度

目標

2022年度比

売上高

3,217億円

3,450億円

+7.2%

営業利益

344億円

400億円

+16.1%

営業利益率

10.7%

11.6%

+0.9%pts

当期純利益

211億円

280億円

+32.3%

ROE

10%

13%

+3.0%pts

ROIC

13.1%

15%

+1.9%pts

営業キャッシュ・フロー

(3年間合計)

1,089億円

1,150億円

+5.6%

為替前提

1ドル=131.6円

1ユーロ=138.1円

1ドル=125円

1ユーロ=135円

(注)当期純利益は、親会社株主に帰属する当期純利益を指します。

 

(3) 経営環境

 当社グループは、工業用ファスナーを中心とした、エンジニアリングプラスチック製品を主力とした事業を展開しており、主に自動車、住環境に関する製品をグローバルに製造・販売しております。エンジニアリングプラスチック製品は軽量、防錆であり、加工性にも優れているため、特に自動車産業で軽量化やコストダウンに大きく貢献しております。また、内装・外装のみならず、先進運転支援システム(ADAS)や電動車(xEV)関連に至るまで、幅広い領域に製品を供給しております。

 今後、自動車産業は自動運転やIoTなどのテクノロジーの進歩による大きな変革期が到来することが予想されますが、当社は技術力・開発力により柔軟に対応してまいります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループの主要なマーケットである自動車産業については、グローバル・ベースでは今後も成長していくものと考えておりますが、半導体等の部品不足による影響に加え地政学上の様々な変化も起きていることから、顧客要求も多様化、複雑化しております。

 そのため、当社グループがさらに飛躍・成長するには、これらの課題及びニーズに的確に対応しグローバル・ベースでの顧客満足度を向上させることが重要であります。

 その課題達成に向けて、各ユーザーのニーズを的確かつ迅速に対応し得る商品と生産工程に関わる技術の構築、働き方の改善、人材育成及びニフコ流JOB型人事体系の構築、セキュリティの確保とIT活用の推進を考慮した情報システムの構築に注力するとともに、当面はグローバル戦略車及び多国間プロジェクトの円滑な立上げ、グローバル各社の品質保証体制強化を図っております。

 また、当社では他社の知的財産権を尊重し、当社の商品が他社の知的財産権を侵害しないよう開発段階から特許調査等を行うことで他社の知的財産権に対する侵害回避に努め、知的財産に関する訴訟リスクの低減を図っております。なお、当期におきましては、知的財産権に関する問題で第三者から訴訟を提起された事案はございません。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1)サステナビリティに関する考え方

 当社は、ユニークで存在感のあるグローバル企業として成長し続ける会社でありたいと考えております。そのためには、企業活動を通じた気候変動への対応及び人的資本といわれる人材が活きる企業であることが重要です。当社は、こうした考え方を以下の取組を通じて、グループ各社に浸透させてまいります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(2)気候変動を含むサステナビリティに関する取組

①ガバナンス

 当社は、取締役会において、気候変動を含むサステナビリティに関する方針、戦略、計画、施策の策定、目標とすべき指標の審議及び設定を行うとともに、進捗や成果を共有し、改善や新たな取組を決定し推進します。また、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置しています。同委員会では、サステナビリティ全般に関する事項について諮問を行い、その結果を取締役会に助言・提言します。取締役会で決議された同議案は、直接あるいは経営会議を通じて当社の各事業部門、及びグループ各社に伝達され、それぞれの経営計画・事業運営に反映されます。その内容によっては取引先にも協力を要請しています。

 

②戦略

 国際的に推奨されるガイダンスによるシナリオ分析の手法で導かれる2021年から2040年までの環境の変化予測に対して、当社は、気候変動に起因する事業リスク及び機会の分析評価を行いました。そして、それらの結果を基に、それぞれのリスクや機会の取組方針を策定しました。

詳細は、ニフコレポートP24以下をご参照ください。

https://www.nifco.com/csr/sustainability/sustainabilityreport/NifcoReport2022_jp_s.pdf

 

③リスク管理

 気候変動に関することを含むサステナビリティ全般における事項は、取締役会を通じて、当社のグループの損失危機の管理を行うリスクマネジメント委員会に指示・報告されます。同委員会では、指示・報告されたリスクに対し、事前予防策の検討、実施の管理を行います。

 また、リスク事項によっては、取締役会より直接にあるいは経営会議を通じて、関係する執行役員に指示が行われます。

 

④指標及び目標

 当社は、SBT目標設定支援事業への参加企業として、2℃シナリオの中期目標を掲げていますが、最新の動向である1.5℃シナリオへの移行が重要であるとの認識の下、現在、新たなるCO₂排出量削減目標を達成するための手段を追加検討中です。近年の国内単体のCO₂排出量は以下の通りです。

 

Scope1、Scope2推移グラフ(国内単体)

 

0102010_001.png

 

 

 

Scope3推移グラフ(国内単体)

 

0102010_002.png

 

国内グループ会社まで含めたScope1、Scope2のCO₂排出量につきましては、ニフコレポートP42をご参照ください。

https://www.nifco.com/csr/sustainability/sustainabilityreport/NifcoReport2022_jp_s.pdf

 

(3)人的資本に関するサステナビリティに関する取組

①戦略

 人的資本につきましては、当社は、経営資源の成長分野への重点的な投入、即ち従業員の能力開発やスキル向上等を通じて、事業の持続的な成長と生産性向上に取り組み、付加価値の最大化に注力します。

 まず、人材について、当社では、グローバルスケールで活躍できる人材の要件/行動指針を「挑戦・変革・未来・協働・克服」のキーワードで明文化しています。従業員育成・研修体系はこうした人材の育成を目的に制定したものであり、階層別型、自己研鑽型、選抜育成型、そして全社型の4つのカテゴリーで従業員の声や時勢を鑑みながら現在進行形で運営・実施しています。

 また、社員が活き活きと働くことが出来る職場環境づくりを目指し、働き方改革を推進しています。具体的には総労働時間の削減に向けた取り組み、時間管理から解放され自由度を高めたフレックスタイム制度の拡充、そして働く場所を自分で選べるようにテレワーク制度の導入です。このような新しい働き方と休暇制度の充実を図ることで、高いエンゲージメントを保ちながら、事業の持続的な発展を強力に推進していきます。

 

②指標及び目標

 人的資本につきまして当該指標に関する当事業年度の実績については、「第1 企業の概況 5〔従業員の状況〕(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」をご参照下さい。当社では、ニフコグループ企業行動憲章ならびにニフコグループ人権方針に基づき、ダイバーシティ推進の専門部隊が、あらゆる属性の従業員が能力を最大限に発揮できる職場作りを進めています。

 管理職に占める女性労働者の割合は当事業年度実績6.3%となっており、2027年度中10%達成を目標として各職場で育成活動を進めています。

 また、男性労働者の育児休業取得率は43.9%です。こちらは早期に全ての男性従業員が取得できるように職場の労働環境を整えてまいります。

 さらに、労働者の男女の賃金の差異について当事業年度実績56.4%(有期雇用者を除き74.5%)となります。各等級制度の中で男女の違いによる処遇の違いはありませんが、正規社員で管理職の男女比率や、有期雇用者の男女比率の違いから全体としての格差が56.4%となりました。今後の対応としては、女性活躍の推進を進め、女性管理職などを増やすことにより格差を縮小していく所存です。

3【事業等のリスク】

 当社グループが事業を進めるうえで留意すべきリスクのうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主要な事項は次のとおりと考えております。

 なお、文中における将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日(2023年6月22日)現在において判断したものです。

 

   (1) 経済状況

 当社グループでは、日系自動車メーカーを中心に各国自動車メーカーに対する売上比率が高い水準にあり、これら自動車メーカー向け製品の需要については経済状況により影響を受けますが、主要市場である日本、米国、中国のうち日本国内における自動車の販売については長期的に見ると減少傾向にあります。

そのため、グローバル化を進めておりますが、特に米国あるいは中国の経済状況が不調に陥った場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響が及ぶことが予想されます。

 なお、ベッド及び家具事業に限っては、日本及びアジアでのみ事業展開しておりますのでそれら地域の経済状況に左右されます。

   (2) 価格競争リスク

  当社グループの主たる事業である合成樹脂成形品については適正な製品価格設定に努めておりますが、主要取引先である自動車メーカーからのコストダウン要請も強まっております。

 このため、他社との受注競争において想定以上の製品価格競争を余儀なくされた場合には、当社グループの業績及び財務状況が悪影響を受ける可能性があります。

   (3) 原材料の価格変動及び調達にかかるリスク

 当社グループが使用する原材料の価格は、原油及びナフサ価格等の変動に伴い改定されるため、これら原材料の価格上昇分を製品価格に十分に転嫁できない場合、あるいは安価な原材料への転換が進まない場合などには、当社グループの業績及び財務状況が悪影響を受ける可能性があります。また、原材料供給業者における不慮の事故あるいは震災をはじめとする自然災害などの影響により、原材料の調達が予定通りにできない場合にも、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

   (4) 為替変動リスク

 海外向け輸出は僅少ですが、グローバル化の進展に伴い海外子会社が生産した製品の現地販売により、当社グループの海外売上比率は年々高まっております。

 そのため、連結財務諸表上は、海外子会社の現地通貨建てによる財務諸表の値を本邦通貨に換算するため、為替レートの変動が連結財務諸表に影響を与えます。

   (5) 製品の品質不良に伴うリスク

 当社グループは、厳しい品質管理基準に従って生産を行っています。しかし、何らかの原因によって不良品が市場に流通し、製造物責任等を問われた場合には、損害賠償やその対応に多額のコストを要するだけでなく、当社グループに対するユーザーの信頼が低下し、その結果、当社グループの業績及び財務状況が悪影響を受ける可能性があります。

   (6) カントリーリスク

 当社グループは日系自動車メーカーを中心とするユーザーのグローバル化に対応し、そのニーズに適切かつ迅速に対応できるように海外拠点を拡充してまいりましたが、海外拠点の所在国・地域において、政策・法律・税制の急激な変更、予測できない政治・経済の不安定化、テロ・戦争・紛争の勃発、伝染病の蔓延などによる社会的混乱により事業の遂行が困難になる可能性があります。

 そのため、当社グループでは、できる限り特定の国や地域に拠点が偏在しないよう拠点展開を進めておりますが、上記のような事態が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

   (7) 地震などの自然災害リスク

 当社グループでは、国内においては自動車メーカー向けには当社内の2工場(相模原、名古屋)のほかに山形、栃木及び熊本に生産子会社3社を有し、またベッドは富士小山工場で生産しております。

一方、海外においては、急速に生産拠点の拡大・分散化を進めております。

 日本に限らず世界の各地域で自然災害が多発しているなか、仮に災害に遭遇した場合でも、被害を最小限にとどめるべく、各工場では耐震化を進めるとともに、全社員の安否確認のためのシステムを導入し、更に復旧体制構築に向けた事業継続計画に取り組んでおります。

 しかしながら、当社グループの生産拠点等において、地震・暴風雨などの自然災害あるいは不慮の事故などにより、生産設備等が何らかの損害を受け、製品の製造・販売が遅延もしくは停止する場合、あるいは本部機能が麻痺した場合には、当社グループの業績及び財務状況が悪影響を受ける可能性があります。

 将来新たな自然災害が発生した場合には、樹脂材料の調達に支障をきたし、「(3)原材料の価格変動及び調達にかかるリスク」が顕在化したり、サプライチェーンの寸断あるいは電力供給力の減少により、「(1)経済状況」が悪化する可能性もあると考えます。

   (8) 固定資産に関する減損のリスク

 当社グループが使用する有形固定資産は、資産価値の下落に起因する潜在的な減損リスクにさらされています。

 特に、米国におけるドイツ系自動車向け合成樹脂事業の拠点については、経営環境の悪化により、減損の生じるリスクが相対的に高いと考えられ、減損損失が発生した場合には、連結財務諸表に対して影響を生じさせる可能性があります。

   (9) 子会社株式に関する減損のリスク

 当社グループが保有する子会社株式の評価基準は原価法によっておりますが、市場価格のない株式については財政状態の悪化等により実質価額が著しく下落した場合、子会社株式の減損処理を余儀なくされ、単体の経営成績に影響を与える可能性があります。

 

 これらのリスクのほかにも、通常想定できないリスクが事業活動の拡大・変化に伴い突然顕在化する可能性は否定できませんので、リスクマネジメント委員会を中心に、そのような不測のリスク発生の回避・軽減あるいは不測のリスクが発生した場合の適切な対応・損失の極小化に努めてまいります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、非製造業では、個人消費やインバウンド需要の回復を背景に、小売などの消費関連の景況感が改善した一方、製造業では、原材料高を受け素材業種の景況感が低迷したほか、世界的な半導体需要の落ち込みから電機機械の景況感も悪化するなど、景況感は二極化しております。海外に目を転じますと、中国経済では、2022年秋に中国政府がゼロコロナ政策を強化したことに加え、米欧景気の減速や、活動制限による工場稼働率の低下などを背景に輸出が低下するなど、内外需ともに低迷しております。欧州経済については、労働需給のひっ迫を反映し賃金が上昇しているほか、資源高などを通じた生産コストの上昇を販売価格に転嫁するなど、財・サービスともにインフレ圧力が根強く、景気の重石となっております。米国経済においては、商品のリードタイムの改善などにより供給制約の緩和が企業活動の下支え要因となっているものの、金融引き締めなどを受けた需要の減少を反映し新規受注が減少傾向となり、製造業や建設業などの財生産部門の低迷が続いております。このように世界経済は、国際商品市況の高騰や経済全体での労働コストの増加などを背景として物価上昇が進行しております。物価安定に向け、急速な金融引き締めが進み、経済活動に対する政策的な下押しがされ、依然として先行き不透明な状況にあります。

 

 このような状況のなか、当期の連結業績の売上高は、前期比13.4%増の3,217億7千1百万円となりました。営業利益は前期比12.8%増の344億3千9百万円となりました。経常利益は前期比12.7%増の378億7千6百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比7.8%減の211億7千万円となりました。

 資産合計は、前期比260億8千2百万円増加し、3,591億5千万円となりました。負債合計は、前期比8億3千万円増加し、1,330億2千3百万円となりました。純資産合計については、前期比252億5千2百万円増加して、2,261億2千7百万円となりました。その結果、自己資本比率は62.2%、1株当たり純資産は2,237円06銭となりました。

 

  セグメントの経営成績を示すと次のとおりです。

 各セグメントの売上高は、外部顧客に対するものであります。

 

合成樹脂成形品事業

 合成樹脂成形品事業の売上高は前期比13.7%増の2,887億3千4百万円となりました。セグメント利益は、前期比12.9%増の340億5千万円となりました。

ベッド及び家具事業

 ベッド及び家具事業は、売上高は前期比11.1%増の330億3千7百万円となりました。セグメント利益につきましては、前期比5.8%増の58億8千5百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動によるキャッシュ・フローは、372億6千1百万円の資金の増加となり、前期が317億4千3百万円の資金の増加であったことと比べて、55億1千7百万円の増加となりました。これは、棚卸資産の増減額が増加から減少に転じたこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動によるキャッシュ・フローは、115億3千万円の資金の減少となり、前期が94億7千9百万円の資金の減少であったことと比べて、20億5千1百万円の減少となりました。これは、定期預金の預入による支出が、定期預金の払戻による収入を上回ったこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動によるキャッシュ・フローは、174億1千8百万円の資金の減少となり、前期が135億1千6百万円の資金の減少であったことと比べて、39億1百万円の減少となりました。これは、短期借入れによる収入が減少したこと等によるものであります。

  以上の結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、前期末と比較して122億4千1百万円増加し、1,222億3千3百万円となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

  a 生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

合成樹脂成形品事業(百万円)

204,596

110.5

ベッド及び家具事業(百万円)

11,627

109.8

合計(百万円)

216,224

110.5

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

  b 商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

合成樹脂成形品事業(百万円)

13,876

92.2

ベッド及び家具事業(百万円)

2,935

114.6

合計(百万円)

16,812

95.5

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

  c 受注実績

 当社及び連結子会社は受注より出荷までの期間が極めて短いため、原則として一部の確定受注や過去の生産実績等を参考とした見込生産によっております。

 

  d 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

合成樹脂成形品事業(百万円)

288,734

113.7

ベッド及び家具事業(百万円)

33,037

111.1

合計(百万円)

321,771

113.4

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産、負債、偶発資産及び偶発債務並びに会計期間における収益及び費用に影響を与えるような見積りや仮定を必要とします。結果として、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと実績が異なる場合があります。当社は、重要な会計方針の適用における見積りや仮定は連結財務諸表に重要な影響を与えると考えております。

  a 棚卸資産

当社グループは、棚卸資産の推定される将来需要及び市場状況等に基づく収益性の悪化について、評価減を計上しております。実際の将来需要又は市場状況等が見積りより悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。

  b 投資の減損

当社グループは、長期的な取引関係の開拓・維持等のため特定の顧客の株式及び余資の運用としての株式等を所有しております。これら株式等には価格変動性が高い市場価格のあるものと、市場価格等の算定が困難である非公開会社が含まれております。当社グループは、原則として市場価格のあるものについては投資原価の下落率が50%以上のもの、また市場価格のないものについては、それら会社の財政状態が悪化し純資産の下落率が50%以上のものについて、それぞれ減損処理を行っております。また30%~50%程度下落したものについては、金額の重要性、回復可能性等を考慮し、必要と認められた額について減損処理を行っております。将来の市場悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が発生した場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。

  c 退職給付費用

従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の給与水準、退職率、死亡率及び年金資産の収益率などが含まれます。親会社及び一部の国内子会社の年金制度において、割引率は日本の国債の市場利回りをもとに退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率を使用して算出しております。期待運用収益率は、年金資産が投資されている資産の種類ごとの長期期待運用収益率の加重平均に基づいて計算されます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は変更された場合、その影響額は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び債務に影響を及ぼします。近年の割引率の低下及び年金資産の運用率の低下は、当社グループの年金費用に対して悪影響を及ぼします。未認識の数理計算上の差異及び制度変更等による過去勤務費用にかかる償却は、年金費用の一部を構成しておりますが、前提条件の変化による影響や実際との結果との違いの影響を規則的に費用認識したものであります。

  d 有形固定資産の減損

当社グループは、自社利用の事業用資産については、事業所単位もしくは連結子会社単位で、賃貸用不動産、
遊休資産及び売却予定資産については、個別物件ごとにグルーピングを行っております。
 当連結会計年度においては、合成樹脂セグメントに含まれる中国における韓国系ビジネス拠点において、得意先である韓国系自動車メーカーの中国での生産体制の見直しの影響によって経営環境が著しく悪化し、固定資産に減損の兆候が存在すると判断し、回収可能価額を見積もっております。固定資産の回収可能性テストを実施した結果、固定資産の帳簿価額に回収可能性がないと判断されたため、帳簿価額と公正価値の差額を減損損失として認識しております。また、合成樹脂セグメントに含まれる米国におけるドイツ系ビジネス拠点において、人件費高騰などの製品価格への反映の遅れや歩留まりの改善の遅延によって収益性が著しく悪化し、固定資産に減損の兆候が存在すると判断し、回収可能価額を見積もっております。固定資産の回収可能性テストを実施した結果、固定資産の帳簿価額に回収可能性がないと判断されたため、帳簿価額と公正価値の差額を減損損失として認識しております。

減損損失の測定のための公正価値の見積りにおいては、外部の専門家による鑑定評価額を基礎として算定しており、当該鑑定評価額の算定に用いる評価手法及びその前提条件の選択にあたっては、算定結果に重要な影響を及ぼします。

 

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(1)当連結会計年度の経営成績等

   当社グループの主要顧客であります自動車メーカーにつきましては、日本市場では、当期において、対前年同期比で、生産台数、販売台数ともに、上回りました。海外におきましては、当期の対前年同期比で、欧州市場は、生産台数、販売台数ともに前年割れとなり、米国市場では、販売台数は前年割れしたものの、生産台数は上回りました。中国市場及びインド市場では、生産台数、販売台数ともに大幅に上回りました。

   このような状況のなか、当期の連結業績は、売上高は、前期比13.4%増の3,217億7千1百万円となりました。利益面では、売上増加による売上総利益の増加が、販売費及び一般管理費の増加を上回ったため、営業利益は前期比12.8%増の344億3千9百万円となりました。経常利益は円安が進み為替差益が発生したことにより、前期比12.7%増の378億7千6百万円となりました。また、米国及び中国子会社における減損損失、中国子会社における事業構造改善費用などがあり、特別損失として23億7千8百万円計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比7.8%減の211億7千万円となりました。

  資産合計は、前期比260億8千2百万円増加し、3,591億5千万円となりました。主な増加要因としては、売掛金が33億9千3百万円、有形固定資産が15億9千1百万円、退職給付に係る資産が13億8千9百万円それぞれ増加しております。また、現金及び預金が168億4千8百万円増加したことなどによるものであります。

  負債合計は、前期比8億3千万円増加し、1,330億2千3百万円となりました。増加要因としては、支払手形及び買掛金が28億1千7百万円増加したことなどによるものであります。

  純資産合計は、前期比252億5千2百万円増加して、2,261億2千7百万円となりました。主として利益剰余金が149億2千8百万円増加したこと、及び円安により為替換算調整勘定が109億4千万円増加したことなどによるものであります。

  以上の結果、自己資本比率は前期比2.7ポイント増加し、62.2%、1株当たり純資産は2,237円06銭となりました。

 

(2)経営成績に重要な影響を与える要因

a 経済状況

当社グループでは、自動車メーカー、特に主要日系自動車メーカーに対する売上比率が高い水準にありますが、これら日系自動車メーカー向けの製品の需要は、世界経済の動向、特に主要市場である日本をはじめ米国、中国などの経済状況に影響を受け、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼす場合があります。

b 原油及びナフサ価格の高騰

当社グループは、原油価格及びナフサ等の石油製品の価格が高騰し、その期間が長期に及ぶ場合には原材料価格の上昇により、経営成績に影響が生じる可能性があります。

c 取引先からの値引き要請

当社グループは、取引先からの価格値引き要請に対して生産コストの削減等の努力をしておりますが、予想以上に値引き要請が強い場合、経営成績に重要な影響を受ける場合があります。

 

(3)資本の財源及び資金の流動性

  当社グループの運転資金は、主に製品製造過程に供される原材料や部材の購入のほか、製造費用や販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは、人件費、物流費、研究開発費であります。これらの必要資金は、利益の計上から生み出した内部資金により賄っております。

  設備投資資金については、その投資に際し、投資採算及びキャッシュ・フローを重視し実施しております。これら設備投資の資金は、原則として減価償却費及び利益の計上から生み出された内部資金の一部を充当することとしておりますが、国内、海外での積極的な設備投資については、状況に応じて社債発行及び外部借入で調達することとしております。

  当社グループは、健全な財政状態、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力等により、運転資金及び通常の設備投資資金を調達し、将来の成長のための投資及びM&A資金などについては、長期で低利な条件での調達を実施しております。

  これにより当社グループの調達手段の多様化及び低コストでの長期安定資金の調達が実現し、更に資本コストの引き下げ効果及び、設備投資効果と相俟って、今後も財務体質は引き続き安定して推移するものと考えております。

 

(4)セグメントごとの経営成績等

a 合成樹脂成形品事業

〔国内自動車業界向け〕

 国内の自動車生産につきましては、半導体不足やサプライチェーン停滞の影響による減産により、特に第1四半期に大きく当初の計画を下回りました。第2四半期以降には生産が若干挽回に転じたものの計画達成までには至らず、第3四半期にはふたたび中国での新型コロナウイルス感染拡大の影響による生産減が加わり、計画を下回る結果となりました。

 

〔海外自動車業界向け〕

 海外においては、地域や顧客毎に大きく業績の分かれる結果となりました。欧米地域においては、韓国系を除く全拠点において半導体不足、原材料や人件費、物流費等の高騰により苦戦を強いられ、売上・利益ともに大きく計画を下回る結果となりました。特にドイツOEM向け事業は、オペレーション上の問題も発生し損失を拡大させる結果となりました。一方で、アセアン地域においては、これらの影響をほとんど受けず、日系OEMの堅調な需要に支えられ好調を維持することができました。中国地域においても、年末にかけてはゼロコロナ政策解除の影響を受け、大幅な業績の悪化にみまわれましたが、通年では堅調な業績を維持しました。韓国OEM向け事業も中国を除いて世界的に好調を維持し、特に欧州、北米、インドにおいて売上・利益ともに計画を上回る結果となりました。今年度は、海外地域統括制の導入により、地域主導で欧米拠点の建て直しに注力するとともに、中国における韓国系不採算拠点の統廃合等を推進し、海外事業の業績改善、更なる収益力向上に取り組んでまいります。

 

〔その他業界向け〕

 住生活分野においては、中国のロックダウンやウッドショックの影響による住宅設備関連の減産で当初の計画を下回る結果となりました。一方、スポーツ・アウトドア分野においては、欧米諸国を中心に健康志向の高まりによって、ランニング関連の靴部材や衣服部材の需要が旺盛だったことから、売上高は前期比増となりました。

 

  以上の結果、合成樹脂成形品事業は、売上高は前期比13.7%増の2,887億3千4百万円となりました。セグメント利益につきましては、前期比12.9%増の340億5千万円となりました。

 

b ベッド及び家具事業

  ベッド及び家具事業は、国内において販売店向けが順調に伸びたものの、原材料などの高騰及び円安による原価アップを吸収できず、増収減益となりました。一方、海外においては、中国ではゼロコロナ政策の影響から厳しい環境下になるものの大幅な落ち込みは避けることができ、また、台湾・シンガポールでは卸・小売・ホテル向けが順調に伸びて、加えて円安による為替影響もあり、増収増益となりました。この結果、ベッド及び家具事業売上高は前期比11.1%増の330億3千7百万円となりました。セグメント利益につきましては、前期比5.8%増の58億8千5百万円となりました。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

(1)技術上の重要な契約

① 技術提携

 提出会社

原始契約年月日

契約締結先

国別

契約の内容

契約期間

1966年

12月21日

イリノイ・ツール・ワークス社

米国

プラスチックバックル

2023年8月27日まで

 

② 技術供与

 提出会社

原始契約年月日

契約締結先

国別

契約の内容

契約期間

1982年

11月24日

台湾扣具工業

股份有限公司

台湾

プラスチック製バックル及び工業用ファスナーの製造技術

2025年12月31日まで

1985年

2月7日

Nifco Korea Inc.

韓国

プラスチック製バックル及び工業用ファスナーの製造技術

2024年12月31日まで

1988年

11月23日

Union Nifco Co., Ltd.

タイ

プラスチック製バックル及びプラスチックと金属からなるファスナーアッセンブリーの製造技術

2027年12月31日まで

1990年

11月19日

Nifco Manufacturing

(Malaysia) Sdn. Bhd.

マレーシア

プラスチック製バックル及び工業用ファスナーの製造技術

2024年12月31日まで

1993年

11月15日

Nifco (HK) Ltd.

香港

プラスチック製バックル及びプラスチックと金属からなるファスナーアッセンブリーの製造技術

2024年12月31日まで

2000年

12月18日

Nifco U.K. Ltd.

英国

工業用プラスチック製部品及びプラスチック以外の部品・材料を含む組み立て品の製造技術

2024年12月31日まで

2000年

12月18日

Nifco America Corporation

米国

工業用プラスチック製部品及びプラスチック以外の部品・材料を含む組み立て品の製造技術

2024年12月31日まで

2003年

3月31日

上海利富高塑料制品有限公司

中国

固着機能等を有する樹脂製及び金属製の部品・完成品、樹脂製部品と金属製部品との複合品、バックル並びにこれらの部品及び完成品等の金型等の製造技術

2025年6月30日まで

2003年

8月25日

東莞利富高塑料制品有限公司

中国

固着機能等を有する樹脂製及び金属製の部品・完成品、樹脂製部品と金属製部品との複合品、バックル並びにこれらの部品及び完成品等の金型等の製造技術

2025年6月30日まで

2004年

3月1日

Nifco (Thailand) Co.,Ltd.

タイ

バックル・工業用プラスチック製部品及びプラスチック以外の部品・材料を含む組立品、並びにこれらの部品及び完成品等の金型等の製造技術

2024年12月31日まで

2004年

8月26日

台扣利富高塑膠制品(東莞)有限公司

中国

固着機能等を有する樹脂製及び金属製の部品・完成品、樹脂製部品と金属製部品との複合品、バックル並びにこれらの部品及び完成品等の金型等の製造技術

2027年6月30日まで

 

 

原始契約年月日

契約締結先

国別

契約の内容

契約期間

2005年

11月18日

北京利富高塑料制品有限公司

中国

固着機能等を有する樹脂製及び金属製の部品・完成品、樹脂製部品と金属製部品との複合品、バックル並びにこれらの部品及び完成品等の金型等の製造技術

2026年12月31日まで

2006年

9月1日

Nifco Poland Sp.z o.o.

ポーランド

工業用プラスチック製部品及びプラスチック以外の部品・材料を含む組立品、並びにこれらの部品及び完成品等の金型等の製造技術

2024年12月31日まで

2008年

11月1日

Nifco Vietnam Ltd.

ベトナム

工業用プラスチック製部品及びプラスチック以外の部品・材料を含む組立品、並びにこれらの部品及び完成品等の金型等の製造技術

2023年12月31日まで

2010年

1月20日

利富高(天津)精密樹脂制品有限公司

中国

固着機能等を有する樹脂製及び金属製の部品・完成品、樹脂製部品と金属製部品との複合品、バックル並びにこれらの部品及び完成品等の金型等の製造技術

2025年6月30日まで

2010年

8月1日

Nifco India Private Ltd.

インド

工業用プラスチック製部品及びプラスチック以外の部品・材料を含む組立品、並びにこれらの部品及び完成品等の金型等の製造技術

2024年12月31日まで

2010年

10月1日

利富高(湖北)精密樹脂制品有限公司

中国

固着機能等を有する樹脂製及び金属製の部品・完成品、樹脂製部品と金属製部品との複合品、バックル並びにこれらの部品及び完成品等の金型等の製造技術

2025年6月30日まで

2011年

1月1日

Nifco Korea USA Inc.

米国

バックル・工業用プラスチック製部品及びプラスチック以外の部品・材料を含む組立品、並びにこれらの部品及び完成品等の金型等の製造技術

2025年12月31日まで

2011年

3月1日

利富高(江蘇)精密樹脂制品有限公司

中国

固着機能等を有する樹脂製及び金属製の部品・完成品、樹脂製部品と金属製部品との複合品、バックル並びにこれらの部品及び完成品等の金型等の製造技術

2025年6月30日まで

2012年

10月1日

Nifco South India Manufacturing Private Ltd.

インド

バックル・工業用プラスチック製部品及びプラスチック以外の部品・材料を含む組立品、並びにこれらの部品及び完成品等の金型等の製造技術

2027年12月31日まで

2012年

10月1日

利富高(塩城)精密樹脂制品有限公司

中国

固着機能等を有する樹脂製及び金属製の部品・完成品、樹脂製部品と金属製部品との複合品、バックル並びにこれらの部品及び完成品等の金型等の製造技術

2026年12月31日まで

2013年

1月1日

PT.Nifco Indonesia

インドネシア

バックル・工業用プラスチック製部品及びプラスチック以外の部品・材料を含む組立品、並びにこれらの部品及び完成品等の金型等の製造技術

2024年12月31日まで

2013年

1月1日

Nifco Korea Poland Sp.z o.o.

ポーランド

工業用プラスチック製部品及びプラスチック以外の部品・材料を含む組み立て品の製造技術

2027年12月31日まで

2014年

1月1日

Nifco Central Mexico S.de R.L.de C.V.

メキシコ

バックル・工業用プラスチック製部品及びプラスチック以外の部品・材料を含む組立品、並びにこれらの部品及び完成品等の金型等の製造技術

2024年12月31日まで

 

 

 

(2)経営上の重要な契約

 ① 提出会社

原始契約年月日

契約締結先

国別

契約の内容

契約期間

2001年

8月23日

台湾扣具工業

股份有限公司

台湾

プラスチック製バックル及び工業用ファスナー(自動車、家電向)の中国での製造販売事業に関する合弁契約

合弁会社(台扣利富高塑膠制品(東莞)有限公司)の存続期間中

2008年

12月9日

ダイムラー社

ドイツ

コンソールボックス特許の実施許諾契約

2024年10月5日まで

 

 ② 連結子会社

  シモンズ株式会社

原始契約年月日

契約締結先

国別

契約の内容

契約期間

1987年

6月30日

ドリームウェル・リミテッド(旧シモンズ・ユーエスエー・コーポレーション)

米国

技術、許諾商標、特許、許諾製品の許諾地域内での製造・販売等に関する権利及び許諾製品の許諾地域内でのマーケティング・輸入等に関する販売情報の使用に関する専用実施権

会社の存続期間中

 

 

6【研究開発活動】

 当連結会計年度における研究開発費の総額は、3,702百万円となっており、大部分は合成樹脂成形品事業で3,683百万円であります。

 当社グループとしては、各主力市場に向けた新製品開発の推進、並びに関連市場への積極的参入を図っております。迅速、かつ専門的な開発活動を推進することを目的に、主力商品のファスナーを始めとした商品群毎と各主力市場の領域毎に開発部門を設けました。開発のフロントローディング化、商品の高品質化が進む中、デジタル解析と評価分析の連携により論理的な開発を行い、お客様の困りごとを解決する提案をグローバルで進めてまいります。また、その他分野においては、商品とサービスを組み合わせた開発も進めてまいります。

 ものづくりにおいては、材料投入からお客様のライン投入までの工程全体の最適化を進める生産技術本部を強化し、立上げ品質の更なる向上を努めております。

 今後もお客様からの信頼を高め、グローバルサプライヤーとしての確固たる地位を不動なものにしてまいります。

 

(1)合成樹脂成形品事業

  ① 自動車分野 : 業界の普遍のテーマである「環境」・「安全」・「快適」の分野の製品へ開発資源を集中しております。「環境」においては、燃費向上に貢献する金属からの樹脂化部品や空力関連部品、先進環境対応車に搭載するパワートレイン関連部品などを数多く開発・量産化しております。「安全」においては、障害物検知センサー関連の数多くの量産品を手がけると同時に、それを深化させる開発を進めております。また「快適」においては、静音関連部品や車室内の快適性を上げる部品を開発・量産化を行っております。

 100年に一度と言われる大変革期において、当社グループは変化をチャンスと捉え、今まで培ってきた強みを進化させ、普遍的な価値を持った商品を世界中のお客様に提供することを努めております。

   ② その他   : 環境に優しい「電池レスセンサーデバイス」を用いたICTソリューションの取り組みが評価され、2023年1月に横須賀市と「地域課題解決に向けた包括連携協定」を締結しました。協定内容と致しましては、1.市内学校等のICT化 2.市内学校等と連携した人材育成 3.市内事業者の生産性向上 4.横須賀リサーチパークの活性化 5.その他、地域課題解決及び市民サービスの向上となります。先ずは学校の省電力化と教師の見回り工数削減が可能となるパッケージを市内の小中学校への導入を目指して、各学校と実証実験を開始致しました。また「省エネ」「学校」というテーマに共感を頂いたNSDC(インド国家技能開発公社)と2022年12月に製造業分野における人材育成に係る覚書を締結しました。インドの学校関連への展開も視野に活動を推進しております。

 

(2)ベッド及び家具事業

 市場への健康で快適な睡眠の提案のため、科学的な分析のみならず感性や感覚も含めた商品提案のための研究を行っております。また、成長が期待されるシニア市場への提案のため、さまざまな機能、動きをコントロールできる多機能ベッドの開発にも力を入れております。