【連結財務諸表注記】
1.報告企業
コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス株式会社(以下「当社」)は、日本に所在する企業であり、東京証券取引所プライム市場に上場しております。当社とその連結子会社(企業集団として「当社グループ」という。)は、「コカ・コーラ」ブランドの下、日本国内における炭酸飲料、コーヒー飲料、茶系飲料、ミネラルウォーター、アルコール等の飲料の購入、販売、製造、ボトリング、パッケージ、物流およびマーケティングを行っております。1999年以降に5つのコカ・コーラボトラーと経営統合を行い、総人口約45百万人の近畿・中国・四国・九州地域の2府20県で事業展開するコカ・コーラボトラーとなりました。2017年4月には、コカ・コーラウエスト株式会社を株式交換完全親会社、コカ・コーライーストジャパン株式会社を株式交換完全子会社とする株式交換を実施いたしました。コカ・コーラウエスト株式会社は商号をコカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社に変更し、コカ・コーラウエスト株式会社のグループ経営管理事業および資産管理事業を除く一切の事業を100%出資子会社である、新CCW設立準備株式会社(商号をコカ・コーラウエスト株式会社に変更)に継承させ、持株会社体制へ移行しました。また、2018年1月には、持株会社としての役割をより明確にするために、商号を「コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス株式会社」に変更しております。
当社グループの連結財務諸表は、当社および子会社ならびに関連会社に対する持分により構成されております。当連結財務諸表は、2024年3月27日に当社の代表取締役社長、カリン・ドラガンおよび代表取締役副社長 兼 最高財務責任者(財務本部長)、ビヨン・イヴァル・ウルゲネスにより公表が承認され、その日までの後発事象について検討しております(注記36「後発事象」をご参照ください)。
2.作成の基礎
(1)財務報告の適用枠組み
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準審議会(International Accounting Standards Board。以下「IASB」)により策定されたIFRSに準拠して作成しております。当社グループは、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる指定国際会計基準特定会社の要件をすべて満たすことから、同第93条の規定を適用しております。
(2)機能通貨および表示通貨
連結財務諸表は当社の主な経済環境における通貨(以下「機能通貨」)である日本円で表示しております。表示している全ての連結財務情報は特に記載のない限り、百万円未満を四捨五入しております。
3.重要性のある会計方針
当社グループが連結財務諸表作成のために使用している、重要性のある会計方針および測定の基礎は以下のとおりであります。これらの会計方針は、特段の記載がない限り、表示された全ての報告期間において継続して適用しております。
(1)連結の基礎
(a)子会社
連結財務諸表は、当社および当社グループに支配されている企業(以下「子会社」)の財務諸表により構成されております。当社グループが投資先に対して、パワーを有する場合で、投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、かつ投資先に対するパワーによりそのリターンに影響を及ぼす能力を有している場合に支配しております。これらの事象や環境に変化が生じた場合、会社は投資先を支配しているか否かの再評価を行うこととしております。
支配の喪失を伴わない非支配持分との取引は資本取引として会計処理しております。支払対価の公正価値と子会社の純資産の帳簿価額に占める取得または喪失持分相当額との差額は、資本に認識しております。当社グループが子会社の支配を喪失した場合、当該企業に対する残存持分は支配を喪失した日の公正価値で再測定され、帳簿価額の変動は全て損益に認識しております。
グループ会社間の取引、残高および未実現利益は連結上、消去しております。
(b)持分法を適用している関連会社に対する投資
連結財務諸表において、関連会社に対する投資は持分法で会計処理しております。持分法では、関連会社に対する投資は取得原価で当初認識し、その後は関連会社の株式取得後の損益のうち、当社グループ持分は損益に認識し、関連会社のその他の包括利益のうち、当社グループ持分の変動はその他の包括利益で認識しております。
(2)企業結合
当社グループは企業結合ごとに、被取得企業の非支配持分を公正価値または被取得企業の識別可能な純資産に対する比例的な持分のいずれかで認識しております。移転された対価、被取得企業の非支配持分および以前所有していた被取得企業の持分の取得日における公正価値の合計額が、識別可能な純資産の公正価値を超える場合、その差額はのれんとして資産に計上しております。
(3)外貨換算
外貨建取引は、取引日の為替レートで当社グループ各社の機能通貨に換算しております。
外貨建の貨幣性資産および負債は、報告日の為替レートで当社グループ各社の機能通貨に換算しております。公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産および負債は公正価値が決定した日の為替レートで換算しております。取得原価で測定される外貨建非貨幣性項目は取引日の為替レートで換算されます。為替換算差額は損益計上しております。
(4)セグメント情報
事業セグメントは最高経営意思決定者に提出される内部報告と整合した方法で報告されております。最高経営意思決定者は事業セグメントの経営資源配分および業績評価について責任を負っております。当社グループでは取締役会を最高経営意思決定者と位置づけております。
(5)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、現金、要求払預金、および容易に換金可能でかつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から満期日までの期間が3カ月以内の短期投資で構成されております。
(6)棚卸資産
棚卸資産は取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定しております。割引、リベートその他の類似した項目および額面価額に達するまでの金利は全て取得原価から控除されます。製造原価には直接材料費、直接労務費および製造間接費が含まれます。正味実現可能価額は見積販売価格から見積販売原価および見積販売費用を控除した金額で算定しております。
当社グループは通常、加重平均法に基づいて棚卸資産の取得原価を算定しております。棚卸資産の正味実現可能価額が取得原価を下回った場合に連結損益計算書上、費用として認識しております。
(7)有形固定資産
有形固定資産は当初認識後、取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額を控除した金額で計上しております。資産の生産性、許容量もしくは効率性を高めるための拡張、性能向上、改良のために発生した支出、または資産の耐用年数を延長させるために発生した支出は資本的支出として関連する資産に含める一方、修理、管理費用は発生した時点の費用として計上しております。
減価償却費は、以下のとおり有形固定資産の項目ごとの見積耐用年数にわたって主として定額法により算定しております。
資産の減価償却方法、見積耐用年数および見積残存価額は各連結会計年度末に見直し、変更がある場合は会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
資産の除売却による損益は、帳簿価額と売却価額の差額として連結損益計算書の「その他の収益」または「その他の費用」に計上しております。
(8)無形資産
無形資産は取得原価または製造原価で当初認識されます。当初認識後、無形資産は取得原価から償却累計額および減損損失累計額を控除した金額で計上しております。当社グループは無形資産の耐用年数が確定可能か評価し、確定可能であれば、使用可能と見込まれる期間に基づいて耐用年数を評価しております。
耐用年数が確定できる主な無形資産はソフトウエアであり、減価償却費は見積耐用年数(5-10年)にわたって定額法により算定しております。
なお、償却方法、見積耐用年数および見積残存価額は各連結会計年度末に見直しを行ない、変化があった場合には会計上の見積りの変更として、将来にわたって適用しております。
契約関連無形資産
旧コカ・コーライーストジャパン株式会社の取得に関連した当社グループの契約関連無形資産は、ザ コカ・コーラ カンパニーとの間で締結されたもので、特定のエリアでのコカ・コーラブランドの製造、流通、販売等の独占権に関する契約であります。
当該契約は10年間契約で、更新や延長の検討をすることなく更新されます。
当社グループはボトリング契約に起因する契約関連無形資産を、耐用年数を確定できない無形資産として会計処理しております。当社グループは、ザ コカ・コーラ カンパニーとの過去の関係性や、契約非更新によるフランチャイザーへの考えられうる悪影響から、契約を更新・延長しない可能性は少ないと判断しております。したがって、資産がネットキャッシュ・フローを生み出しうる期間を予見することは困難であります。
契約関連無形資産は償却しておりませんが、毎年、また潜在的な減損の可能性を示唆する事象や環境の変化がある場合に、減損テストを行っております。
(9)リース(借手)
当社グループは、リース開始日において、使用権資産およびリース負債を認識しております。使用権資産は、開始日において取得原価で測定しております。開始日後におきましては、原価モデルを適用し、取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額を控除して測定しております。使用権資産のリース期間は、リースの解約不能期間に、リースを延長するオプションを行使することまたはリースを解約するオプションを行使しないことが合理的に確実な期間を加えて見積っており、使用権資産は、開始日から主として15年にわたって定額法で減価償却しております。
リース負債は、開始日において同日現在で支払われていないリース料の現在価値で測定しております。開始日後におきましては、リース負債に係る金利や、支払われたリース料を反映するようにリース負債の帳簿価額を増減しております。リース負債を見直した場合またはリースの条件変更が行われた場合には、リース負債を再測定し使用権資産を修正しております。
(10)有形固定資産、無形資産、のれんおよび使用権資産の減損
当社グループは、のれんおよび耐用年数を確定できない無形資産は毎年、また潜在的な減損の可能性を示唆する事象や環境の変化がある場合に、減損テストを実施しております。また、その他の非貨幣性資産については、資産または資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を上回る兆候がある場合に減損テストを実施しております。
個別資産または資金生成単位の回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値か使用価値のいずれか高い金額としております。使用価値は資産によりもたらされることが期待できる将来キャッシュ・フローの現在価値として決定しております。個別資産の回収可能価額が見積れない場合は、資産が属する資金生成単位の回収可能価額を見積ります。割引率には、貨幣の時間価値および当該資産に固有のリスクに関する現在の市場評価を反映しております。処分コスト控除後の公正価値の決定に当たり、直近の市場取引の状況も考慮しております。そのような取引が特定できない場合は、適切な評価モデルによって処分コストを控除した公正価値を算定しております。
資産または資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超える場合には、回収可能価額まで帳簿価額を切り下げ、減損損失を損益認識しております。
(11)金融商品
(a)金融資産および金融負債-認識および認識の中止
当社グループは、営業債権及びその他の債権を発生日に当初認識しております。その他の金融資産および金融負債は、契約当事者となった取引日に当初認識しております。
金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、または金融資産を譲渡し、その金融資産の所有に係るリスクと経済価値を実質的にすべて移転した場合、またはそのいずれでもないが移転資産に対する支配を喪失した場合に当該金融資産の認識を中止しております。当社グループにより生成または保有されている認識が中止された金融資産の持分は、個別の資産または負債として認識しております。
金融負債については契約上の義務から免責、取消および失効した場合に認識を中止しております。金融資産および金融負債は、認識された金額を相殺する法的に強制力のある権利を有し、かつ純額で決済するかまたは資産の現金化と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、連結財政状態計算書上で相殺し、純額で表示しております。
(b)金融資産の分類および測定
金融資産は当初認識時に、事後に償却原価で測定する金融資産または公正価値で測定する金融資産に分類しております。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、公正価値で当初認識しております。その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産および償却原価で測定する金融資産は、取得に直接起因する取引コストを公正価値に加算した金額で当初認識しております。
なお、当社グループは、IFRS第9号における分類について事実および状況に基づき判断しており、資本性金融商品についてはその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品として指定しております。
(ⅰ)償却原価で測定する金融資産
当社グループの事業モデルの目的が契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有すること、また契約条件により、元本および元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じるという条件がともに満たされる場合にのみ、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
(ⅱ)公正価値で測定する金融資産
上記の2つの条件のいずれかが満たされない場合は公正価値で測定する金融資産に分類されます。当社グループは、公正価値で測定する金融資産については、純損益を通じて公正価値で測定しなければならない売買目的で保有する資本性金融商品を除き、個々の金融商品ごとに、純損益を通じて公正価値で測定するか、その他の包括利益を通じて公正価値で測定するという取消不能の指定を行うかを決定しております。
デリバティブについては、「(e)デリバティブおよびヘッジ会計」に記載しております。
金融資産は、それぞれの分類に応じて以下のとおり事後測定しております。
(ⅰ)償却原価で測定する金融資産
実効金利法による償却原価で測定し、必要な場合には減損損失を控除しております。実効金利法による償却および認識が中止された場合の利得または損失は損益に認識しております。
(ⅱ)公正価値で測定する金融資産
報告日における公正価値で測定しております。公正価値の変動額は、金融資産の分類に応じて損益またはその他の包括利益で認識しております。なお、その他の包括利益を通じて公正価値で測定すると指定した資本性金融商品から生じる受取配当金については損益に認識しております。また、その他の包括利益を通じて公正価値で測定すると指定した資本性金融商品の認識の中止を行った場合は、その他の包括利益累計額に計上されている公正価値の累積変動額を利益剰余金に振り替えております。
(c)金融負債の分類および測定
金融負債は当初認識時に、事後に純損益を通じて公正価値で測定する金融負債と償却原価で測定する金融負債に分類しております。純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は公正価値で当初測定しておりますが、償却原価で測定する金融負債は取得に直接起因する取引コストを公正価値から減算した金額で当初測定しております。
金融負債は、それぞれの分類に応じて以下のとおり事後測定しております。
(ⅰ)純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
報告日における公正価値で測定しております。公正価値の変動額は損益に認識しております。当社グループの純損益を通じて公正価値で測定する金融負債としては、デリバティブ負債が該当します。当初認識時において純損益を通じて公正価値で測定する金融負債として、取消不能の指定を行ったものはありません。デリバティブについては、「(e)デリバティブおよびヘッジ会計」に記載しております。
(ⅱ)償却原価で測定する金融負債
実効金利法による償却原価で測定しております。実効金利法による償却および認識が中止された場合の利得又は損失については、損益に認識しております。
(d)減損
当社グループは、償却原価で測定する金融資産の回収可能性に関し、報告日ごとに予想信用損失の見積りを行っております。当初認識後に信用リスクが著しく増大していない金融商品については、12カ月以内の予想信用損失を貸倒引当金として認識しております。当初認識後に信用リスクが著しく増大している金融商品については、全期間の予想信用損失を貸倒引当金として認識しております。ただし、営業債権については、常に全期間の予想信用損失で貸倒引当金を測定しております。
信用リスクが著しく増大している金融資産のうち、信用減損している証拠がある金融資産については、帳簿価額から貸倒引当金を控除した純額に実効金利を乗じて利息収益を測定しております。
減損の客観的な証拠が存在するかどうかを判断する場合に当社グループが用いる指標には以下のものがあります。
・発行体または債務者の重大な財政的困難
・利息または元本の支払不履行または延滞などの契約違反
・借手の財政的困難に関連した経済的もしくは法的な理由による、または当社グループが想定しない、借手への譲歩の供与
・借手が破産または他の財務的再編成に陥る可能性が高くなったこと
・当該金融資産についての活発な市場が財政的困難により消滅したこと
金融資産の全体または一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合は、当該金額を金融資産の帳簿価額から直接減額しております(直接償却)。その後、信用リスクが減少し、直接償却後に発生した事象と明らかに区別できる場合(債務者の信用格付けが改善した等)、認識した直接償却の戻入れは損益としております。
(e)デリバティブおよびヘッジ会計
デリバティブはデリバティブ契約を締結した日の公正価値で当初認識を行い、当初認識後は報告日ごとに公正価値で再測定を行っております。再測定の結果生じる利得または損失の認識方法は、デリバティブがヘッジ手段として指定されているかどうか、また、ヘッジ手段として指定された場合にはヘッジ対象の性質によって決まります。当社グループは一部のデリバティブについてキャッシュ・フロー・ヘッジ(認識されている資産もしくは負債に関連する特定のリスク、または可能性の非常に高い予定取引のヘッジ)のヘッジ手段として指定を行っております。
当社グループは、ヘッジ関係の開始時に、ヘッジ手段とヘッジ対象との関係ならびにこれらのヘッジ取引の実施についてのリスク管理目的および戦略について文書化しております。また、当社グループはヘッジ開始時および継続的に、ヘッジ取引に利用したデリバティブがヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動を相殺するために有効であるかどうかについての評価も文書化しております。
ヘッジの有効性は継続的に評価しており、ヘッジ対象とヘッジ手段との間に経済的関係があること、信用リスクの影響が経済的関係から生じる価値変動に著しく優越するものではないこと、ならびにヘッジ関係のヘッジ比率が実際にヘッジしているヘッジ対象およびヘッジ手段の数量から生じる比率と同じであることのすべてを満たす場合に有効と判定しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジのヘッジ手段として指定され、かつ、その要件を満たすデリバティブの公正価値の変動のうち有効部分は、その他の包括利益で認識しております。非有効部分に関する利得または損失は、直ちに損益に認識しております。
その他の包括利益を通じて認識された利得または損失の累計額は、ヘッジ対象から生じるキャッシュ・フローが損益に影響を与える期に損益に振り替えております。ただし、ヘッジ対象である予定取引が非金融資産(例えば、棚卸資産)の認識を生じさせるものである場合には、それまでその他の包括利益に認識していた利得または損失を振り替え、当該資産の当初の取得原価の測定に含めております。当該金額は最終的には、棚卸資産の場合には売上原価として認識されます。
ヘッジ手段の消滅または売却等によりヘッジ関係が適格要件をもはや満たさなくなった場合には、将来に向かってヘッジ会計の適用を中止しております。ヘッジされた将来キャッシュ・フローがまだ発生すると見込まれる場合は、その他の包括利益に認識されている利得または損失の累計額を引き続きその他の包括利益累計額として認識しております。予定取引の発生がもはや見込まれなくなった場合等は、その他の包括利益に認識していた利得または損失の累計額を直ちに損益に振り替えております。
(12)引当金および偶発債務
引当金は、事象が起こる可能性とその影響に関する情報を考慮に入れた、債務の支払いまたは移転に必要な金額についての最善の見積りによる現在価値で測定されております。時の経過に伴う割引額の割戻しは金融費用として認識されます。
(13)従業員給付
(a)短期従業員給付
短期従業員給付は、関連するサービスが提供された時点で費用として計上しております。
(b)確定拠出制度
確定拠出制度への拠出は、従業員が役務を提供した期間に費用として認識しております。
(c)確定給付制度
確定給付制度に関連する当社グループの純債務は、従業員が当期以前において獲得した将来給付額を制度ごとに見積り、その金額を現在価値に割り引き、制度資産の公正価値を差し引くことによって算定しております。
確定給付制度の債務は、年金数理人が予測単位積増方式を用いて毎年算定しております。
数理計算上の差異、制度資産に係る収益(利息を除く)および資産上限額の影響から構成される確定給付制度の債務の再測定は、その他の包括利益として計上し、即時にその他の包括利益累計額から利益剰余金に直接振り替えております。当社グループは、当期の期首に確定給付制度の債務(資産)の測定に用いられた割引率を期首の確定給付制度の債務(資産)および制度資産に乗じて、当期の利息費用(収益)の純額を算定しております。
期首の確定給付制度の債務には、拠出および給付支払による当期の確定給付制度の債務(資産)のすべての変動を考慮しております。利息費用の純額および確定給付制度に関連するその他の費用は、損益に認識しております。
(d)その他の長期従業員給付
当社グループの長期従業員給付は将来の見積便益を現在価値に割り引いて計算しております。
割引率は、平均残存勤務期間と近似する、報告日におけるAA格付けされた社債の市場利回りに基づき決定しております。
(14)法人所得税
税金費用は、当期税金と繰延税金から構成されております。これらはその他の包括利益で認識される項目を除き、損益に認識しております。
法人所得税が、その他の包括利益で認識される項目に関連する場合は、その税金もまた、その他の包括利益で認識しております。
(a)当期税金
当期税金は、当期の課税所得または損失に係る未払法人税あるいは未収還付税の見積りに、前年までの未払法人税および未収還付税を調整したものであります。当期税金の金額は、法人税に関する不確実性を反映した税金金額の最善の見積りによるものであります。当期税金には、配当から生じる税金も含まれております。
(b)繰延税金
繰延税金は、資産および負債の財務諸表上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異について認識しております。繰延税金資産および負債は、報告日における資産および負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異、繰越欠損金および繰越税額控除に対して認識しております。金額は、当該資産が実現する期または負債が決済される期に適用されると見込まれる税率によって算定しております。
以下の場合には、繰延税金を認識しておりません。
・企業結合以外の取引で、かつ会計上または税務上のいずれの損益にも影響を及ぼさない取引における資産または負債の当初認識に係る一時差異
・子会社、関連会社および共同支配の取決めに対する投資に関連する将来加算一時差異で、当社グループが一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な将来にその差異が解消されない可能性が高い場合
・のれんの当初認識において生じる加算一時差異
以下の場合には、繰延税金を認識しております。
・連結子会社および関連会社に対する投資から生じる将来減算一時差異は、将来解消する可能性が高く、課税所得が利用可能となる範囲で認識しております。
繰延税金資産は、未使用の税務上の欠損金、未使用の税額控除および将来減算一時差異のうち、将来課税所得が利用できる範囲まで認識しております。将来課税所得は、当社グループにおける個々の子会社に関する事業計画に基づいて算定しております。繰延税金資産は毎報告日に見直し、税務便益が実現する可能性がなくなった部分について減額しております。そのような減額は、十分な課税所得を稼得する可能性が改善した場合に戻入れております。
未認識の繰延税金資産は、各報告日現在で再検討され、将来の課税所得に対してそれらが利用できる可能性がある範囲で認識されます。繰延税金は、報告日に施行または実質的に施行される法律に基づいて、一時差異が解消される時に適用されると予測される税率を用いて測定しております。
当期税金資産と当期税金負債を相殺する法的に強制力のある権利が存在し、かつ、繰延税金資産および負債が、同一の納税事業体に対して、同一の税務当局によって課されている法人所得税に関連するものである場合には、繰延税金資産および負債は相殺しております。
(15)資本
(a)普通株式
普通株式は資本に分類されます。普通株式の発行に直接帰属する増分コストは、税引後の金額により資本から控除しております。
(b)普通株式の取得および処分(自己株式)
自己株式を取得した場合は、直接取引コスト(税効果考慮後)を含む支払対価を、「自己株式」の表示により資本の控除項目として認識しております。自己株式を売却した場合、売却価額と帳簿価額の差額は、資本剰余金として認識しております。
(16)配当
親会社の所有者に対する配当は、親会社の所有者による承認が行われた期間の負債として認識しております。
(17)収益認識
IFRS第15号に基づく利息および配当収益等を除く顧客との契約について、下記の5つのステップを適用することにより、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に(または充足するにつれて)収益を認識する
当社グループは、炭酸飲料、コーヒー飲料、茶系飲料、ミネラルウォーター、アルコール等の飲料の販売を行っております。これらの製品販売については、製品の引渡時点において顧客が当該製品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断していることから、主として当該製品の引渡時点で収益を認識しております。収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引き、リベートおよび返品等を控除した金額で測定しております。
また、当社は顧客向けのポイント制度を採用しており、商品および製品の購入に応じて付与するポイントは将来当社の商品および製品の購入時に使用することが出来ます。付与したポイントを履行義務として識別しポイントの利用および失効見込み分を考慮した上で、独立販売価格を基礎として取引価格の配分を行い、ポイントが使用された時点で収益を認識しております。ポイントの履行義務に配分された取引価格は連結財政状態計算書上「その他の流動負債」として計上しております。
(18)株式報酬
当社は、株価変動のメリットとリスクを株主のみなさまと共有し、中長期的な企業価値向上および株価上昇への貢献意欲を従来以上に高めることを目的として、当社の取締役(監査等委員である取締役および社外取締役を除く)ならびに当社および当社子会社の執行役員、従業員を対象として役員BIP信託制度および株式付与ESOP信託制度を導入し、同信託が有する当社株式は自己株式として認識しております。本制度により算定された報酬は費用として認識するとともに、対応する金額を資本の増加として認識しております。
4.重要な会計上の判断、見積りおよび仮定
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成にあたり、経営者は当社グループの会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の報告金額に影響する判断、見積りおよび仮定を設定することが必要となります。実績はこれらの見積りと異なる場合があります。見積りおよびその前提となる仮定は継続して見直しており、これまでの経験や環境下において相当と考えられる将来の事象を含むその他の要因に基づいております。会計上の見積りはこれらの連結財務諸表が公表される時点において最も適した情報に基づいております。その先を見越した将来における見積りの変更がある場合、その見直しによる影響は、見直した報告期間以降の連結損益計算書および連結包括利益計算書において認識しております。
連結財務諸表上で認識する金額に重要な影響を与える仮定および見積りに関する情報は、以下のとおりであります。
(a)有形固定資産、使用権資産および無形資産の耐用年数
有形固定資産は、当該資産の将来の経済的便益が期待される期間である見積耐用年数に基づいて減価償却しております。有形固定資産が将来陳腐化、または他の目的のために再利用される場合、減価償却費が増加し見積耐用年数が短くなる可能性があります。耐用年数の詳細は、注記3(7)「有形固定資産」に記載しております。
使用権資産は、そのリース期間を、リースの解約不能期間に、リースを延長するオプションを行使することまたはリースを解約するオプションを行使しないことが合理的に確実な期間を加えて見積っております。耐用年数の詳細は、注記3(9)「リース(借手)」に記載しております。
無形資産は、関連する全ての要因を分析し、当該無形資産がキャッシュ・インフローをもたらすと期待される期間についての予見可能性に基づき、耐用年数が確定できるのか、または確定できないのかを評価しております。耐用年数が確定できる無形資産については、将来の経済的便益が期待される期間である見積耐用年数により償却しております。償却費は、事業環境の変化などの外部要因によりもたらされる見積耐用年数の変化に伴い増加するリスクがあります。耐用年数の詳細は、注記3(8)「無形資産」に記載しております。
(b)有形固定資産、使用権資産、のれんおよび無形資産を含む非金融資産の減損テスト
減損テストを実施するにあたり、資金生成単位の回収可能価額を使用価値に基づいて計算しております。使用価値は、将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引くことにより算定しております。回収可能価額の見積りにおける主要な仮定には、将来キャッシュ・フロー、割引率および長期平均成長率が含まれております。将来キャッシュ・フローの基礎となる中期計画は、当該期間の販売計画およびコスト計画等に基づいております。このような仮定は、経営者による最善の見積りおよび判断に基づいておりますが、将来の連結財務諸表に重要な影響を与える経済状況の変化により、これらの仮定も影響を受ける可能性があります。資金生成単位と回収可能価額の決定についての詳細は、注記3(10)「有形固定資産、無形資産、のれんおよび使用権資産の減損」および注記11「非金融資産の減損」に記載しております。
(c)引当金
当社グループは、連結財政状態計算書において、資産除去債務や環境対策引当金などについての引当金を認識しております。引当金は、債務の決済に必要な支出の最善の見積りに基づいて認識しております。債務の決済に必要な支出は、将来の結果に影響を与えるあらゆる要因を考慮して計算しておりますが、予測し得ない事象や前提とした環境の変化により影響を受ける可能性があります。
引当金の会計方針と計上金額については、注記3(12)「引当金および偶発債務」および注記14「引当金」にそれぞれ記載しております。
(d)繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の認識において、当社グループは中期計画に基づき将来課税所得の発生時期および発生金額を見積っております。将来課税所得の見積りは、中期計画を基礎としており、その主要な仮定は、当該期間の販売計画およびコスト計画等であります。
繰延税金資産の回収可能性の評価においては、予測される繰延税金負債の取り崩し、予測される将来課税所得および資産売却等を含むタックス・プランニングを考慮しております。このような仮定は、経営者による最善の見積りおよび判断に基づいておりますが、将来の連結財務諸表に重要な影響を与える経済状況の変化により、これらの仮定も影響を受ける可能性があります。繰延税金資産の回収可能性に関する詳細は、注記3(14)「法人所得税」および注記27「法人所得税」に記載しております。
(e)確定給付制度に係る債務の測定
当社グループは、確定給付制度を含む様々な退職給付制度を採用しております。いずれの制度に係る確定給付債務の現在価値および勤務費用は数理計算上の予測に基づいております。数理計算上の予測は、割引率、昇給率およびインフレ率などの変動要因に係る見積りおよび判断を必要としております。当社グループは、これらの変動要因を含む数理計算上の予測の妥当性に関して、外部の年金数理人の助言を得ております。数理計算上の予測は経営者による最善の見積りおよび判断に基づいて決定しておりますが、不確実な将来の経済状況の変化および将来の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある関連法規の新設および改訂により影響を受ける可能性があります。
確定給付債務の測定に係る数理計算上の予測についての詳細は注記17「退職後給付」に記載しております。
(f)活発な市場における市場価格のない金融商品の測定
当社グループは、活発な市場における市場価格のない金融商品の公正価値を評価するために市場における観察可能でないインプットを使用する評価技法を適用しております。観察可能でないインプットは、将来の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある不確実な将来の経済状況の変化により影響を受ける可能性があります。
金融資産の評価に関連する詳細は、注記30「金融商品(7)金融商品の公正価値」に記載しております。
5.セグメント情報
(1)報告セグメント
当社グループの事業セグメントは、構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会(最高経営意思決定者)が経営資源の配分の決定をするために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
なお、当社グループは「飲料事業」の単一セグメントであります。
取締役会は、業績評価を同業他社と比較して行うために、一般に公正妥当と認められる会計基準(IFRS)に準拠して報告された営業利益に基づいて行っております。報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、注記3「重要性のある会計方針」における記載と同一であります。
(2)製品およびサービスごとの情報
「(1)報告セグメント」に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
(3)地域ごとの情報
外部顧客への国内売上収益が連結損益計算書の売上収益の大部分を占めるため、地域別の売上収益の記載を省略しております。
また、日本国内の非流動資産の帳簿価額が連結財政状態計算書の非流動資産の大部分を占めるため、地域別の非流動資産の記載を省略しております。
(4)主要な顧客
売上収益が連結売上収益の10%以上となる単一の外部顧客は存在しないため、該当事項はありません。
6.現金及び現金同等物
前連結会計年度および当連結会計年度の連結財政状態計算書における現金及び現金同等物の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度および当連結会計年度の連結財政状態計算書における「現金及び現金同等物」の残高と連結キャッシュ・フロー計算書における「現金及び現金同等物」の残高は一致しております。
7.営業債権およびその他の債権
前連結会計年度および当連結会計年度の営業債権およびその他の債権の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
8.棚卸資産
前連結会計年度および当連結会計年度の棚卸資産の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度および当連結会計年度に「売上原価」に計上した棚卸資産の金額はそれぞれ455,662百万円および484,353百万円であります。そのうち、前連結会計年度および当連結会計年度における棚卸資産の評価減の金額は234百万円および250百万円であります。
9.有形固定資産および使用権資産
前連結会計年度および当連結会計年度の有形固定資産および使用権資産の取得原価、減価償却累計額および減損損失累計額の変動、ならびに帳簿価額は以下のとおりであります。
取得原価
(単位:百万円)
減価償却累計額および減損損失累計額
(単位:百万円)
(注)その他は,科目振替等であります。
帳簿価額
(単位:百万円)
有形固定資産の減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」および「販売費及び一般管理費」に含まれております。
10.のれんおよび無形資産
前連結会計年度および当連結会計年度ののれんおよび無形資産の取得原価、償却累計額および減損損失累計額の変動、ならびに帳簿価額は以下のとおりであります。
取得原価
(単位:百万円)
償却累計額および減損損失累計額
(単位:百万円)
帳簿価額
(単位:百万円)
前連結会計年度末日および当連結会計年度末日のソフトウエアには、自己創設無形資産がそれぞれ431百万円および345百万円含まれております。
無形資産の償却費は、連結損益計算書の「売上原価」および「販売費及び一般管理費」に含まれております。
個別に重要なのれんは、主として2017年度におけるコカ・コーライーストジャパン株式会社との経営統合およびそれに伴う関連会社の連結子会社化によって生じたものでありますが、過年度に減損損失を認識しております。
契約関連無形資産の詳細は、注記3(8)「無形資産」に記載しております。
11.非金融資産の減損
(1)減損損失
前連結会計年度および当連結会計年度の当社グループが認識した減損損失は、以下のとおりであります。減損損失は、連結損益計算書の「その他の費用」に計上しております。
(単位:百万円)
当社グループは、事業用資産を継続的に収支の把握を行っている管理会計上の事業単位で資金生成単位を識別しております。また、賃貸資産および遊休資産については、それぞれの個別資産をグルーピングの最小単位としております。
前連結会計年度および当連結会計年度において、遊休資産について、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。当該遊休資産のうち建物及び構築物、土地について、回収可能価額は処分コスト控除後の公正価値により測定しております。なお、処分コスト控除後の公正価値は不動産鑑定評価額等に基づいて算定しております。当該公正価値のヒエラルキーはレベル3に分類されております。
また、当該遊休資産のうち機械装置及び運搬具、使用権資産について、回収可能価額は使用価値により測定しており、その価値をゼロとしております。
(2)耐用年数を確定できない無形資産を含む資金生成単位または資金生成単位グループの減損テスト
企業結合の一部として取得した耐用年数を確定できない無形資産(契約関連無形資産)は、シナジー効果が期待される資金生成単位または資金生成単位グループに配分しております。資金生成単位または資金生成単位グループに配分された耐用年数を確定できない前連結会計年度および当連結会計年度の無形資産の金額は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
耐用年数を確定できない無形資産が配分された資金生成単位または資金生成単位グループについては毎年、また潜在的な減損の可能性を示唆する事象や環境の変化がある場合に、減損テストを行っており、前連結会計年度および当連結会計年度において減損損失は認識しておりません。
耐用年数を確定できない無形資産が配分された資金生成単位または資金生成単位グループの回収可能価額は、使用価値に基づいて計算しております。使用価値は、将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引くことにより算定しております。将来キャッシュ・フローは、過去の経験および外部の情報を反映した5年以内の中期計画、および計画で示された期間後については継続価値に基づいて算定しており、市場の長期平均成長率を加味したキャッシュ・フローを使用しております。
回収可能価額の見積りに使用された主要な仮定には、将来キャッシュ・フロー、割引率および長期平均成長率が含まれております。また、将来キャッシュ・フローの基礎となる中期計画は、当該期間の販売計画およびコスト計画等に基づいて策定しております。
これらの仮定に基づく数値は、関連する業種の将来の趨勢に関する経営者の評価を反映し、外部情報および内部情報の両方から得られた過去のデータを基礎としております。
前連結会計年度末日および当連結会計年度末日現在の、耐用年数を確定できない無形資産が配分された資金生成単位または資金生成単位グループの使用価値の計算に使用された税引前の割引率および成長率は以下のとおりであります。
(注)1.割引率は、キャッシュ・フロー(日本円)と同一通貨建の市場において、日本政府が発行した10年物国債の利率を基に、株式投資によるリスクの増加および特定の資金生成単位の市場関連的リスクを反映するリスク・プレミアムを調整した税引前割引率であります。
2.当社グループは市場とビジネスから見込まれる成長率を用いてキャッシュ・フローを見積っております。成長率は、市場参加者が使用すると想定される値と一致する市場の長期平均成長率に基づいて決定しております。
(3)感応度分析
以下の表では、回収可能価額を帳簿価額と一致させるために、主な仮定をそれぞれ単独で置き換えた値を示しております。
飲料については、当連結会計年度において回収可能価額が帳簿価額を149,269百万円上回っており、仮に割引率が7.4%を上回るまたは成長率が△1.4%を下回る場合には、減損損失が発生する可能性があります。
12.その他の流動資産およびその他の非流動資産
前連結会計年度および当連結会計年度のその他の流動資産およびその他の非流動資産の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
13.営業債務およびその他の債務
前連結会計年度および当連結会計年度の営業債務およびその他の債務の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
14.引当金
当連結会計年度の引当金の変動は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
資産除去債務
当社グループが使用する工事設備や事務所等の有害物質を撤去する義務または賃貸契約に付随する原状を回復する義務等、通常の使用に供する固定資産の除去に関して法令または契約で要求される法律上の義務を有する場合において、主に過去の実績に基づき算出した将来の支出の見積額に基づき資産除去債務を計上しております。これらの費用は将来支払われる予定でありますが、その支払額は、将来の事業計画等により変更される可能性があります。
環境対策引当金
産業廃棄物の処理に係る支出に備えるため、支払見込額を環境対策引当金として計上しております。この費用は将来支払われる予定でありますが、その支払額は、将来の事業計画等により変更される可能性があります。
15.社債及び借入金
前連結会計年度および当連結会計年度の社債及び借入金の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
平均利率は当連結会計年度残高に対する加重平均利率であり、満期は当連結会計年度残高における満期を記載しております。
社債の発行の主な条件は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)1.()内書は、一年以内の償還予定額であります。
2.利率はすべて固定金利であります。
16.リース
当社グループは、主として営業拠点等に係る建物及び構築物をリースしております。当該リースに係る契約期間は、主として15年であります。なお、特記すべきリース契約によって課された制限(配当、追加借入および追加リースに関する制限等)はありません。
前連結会計年度および当連結会計年度のリースに係る損益の内訳、キャッシュ・アウトフローの合計額は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度および当連結会計年度の使用権資産の帳簿価額の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度および当連結会計年度における使用権資産の増加額は、それぞれ6,869百万円および8,529百万円であります。
17.退職後給付
当社グループの従業員に対する退職給付制度については、一部子会社において拠出額および給付額の金額を職位、勤務年数その他の要素に基づいて計算する確定拠出型年金制度や確定給付型年金制度を採用するなどしておりましたが、2019年4月1日付で、主として飲料事業において、掛金拠出型の確定拠出年金制度および退職一時金制度からなる制度へ統一し、従来の確定給付型年金制度を凍結いたしました。凍結した確定給付型年金制度の債務は、凍結時に確定した退職給付額に基づき算定し、従業員の将来の退職時に年金または一時金として支払われるまで、確定給付債務として認識しております。
(1)確定給付制度
(a)確定給付制度債務の現在価値の増減
前連結会計年度および当連結会計年度における確定給付制度債務の現在価値の増減は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度末および当連結会計年度末の確定給付制度債務の加重平均存続期間はそれぞれ10.0年および10.0年であります。
(b)制度資産の公正価値の変動
前連結会計年度および当連結会計年度における制度資産の公正価値の変動は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(c)アセット・シーリングによる調整額の変動
前連結会計年度および当連結会計年度のアセット・シーリングによる調整額の変動は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
アセット・シーリングによる調整額は、「従業員給付」(IAS第19号)において制度資産が確定給付制度債務の現在価値を上回る積立超過の場合に当該超過額を退職給付に係る資産として資産計上しますが、その資産計上額が一部制限されることによる調整額であります。
(d)確定給付制度債務および制度資産の調整
前連結会計年度および当連結会計年度における確定給付制度債務および制度資産と連結財政状態計算書に計上された退職給付に係る負債および資産との関係は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(e)制度資産の主要項目
当社グループにおける退職給付制度の制度資産は、市場性のある株式および債券が含まれており、株価および金利、為替のリスクに晒されております。制度資産についての運用は、許容されるリスクの範囲内で、確定給付制度の受給者が将来給付を確実に受けるため、中長期的な期間で制度資産価値を最大化することを目標としております。制度資産は、リスクを低減するため、資産配分目標に基づき国内外の様々な株式および債券に分散投資しております。資産配分については、リターンの予想、長期リスクおよび今までの実績に基づき、中長期にわたり維持すべき配分の目標を設定しております。この資産配分の目標は、制度資産の運用環境等に重要な変化が生じた場合には、適宜見直しております。
前連結会計年度および当連結会計年度における制度資産の主な分類は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
制度資産の大部分は合同運用ファンドを通じて運用されております。合同運用ファンドは、専門家による運営と規模の経済による恩恵を受けるために集まった資産プールであります。投資家はファンドに対する持分を有し、ファンド管理者によって提供された投資の純資産価値に基づいて当該持分の公正価値を測定します。ファンドによって運用される制度資産は、活発な市場における国内株式、海外株式、国内債券および海外債券等の市場性のある有価証券に投資されております。オルタナティブは、ファンド・オブ・ファンズ等への投資であります。
年金資産が最低必要積立額を上回っているため翌連結会計年度における制度資産への見積拠出額はありません。
(f)重要な数理計算上の仮定
前連結会計年度および当連結会計年度における重要な数理計算上の仮定は以下のとおりであります。
(g)感応度分析
前連結会計年度および当連結会計年度における重要な数理計算上の仮定が変動した場合の、確定給付制度債務に与える金額的影響は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
上表の感応度分析は、分析の対象とした各仮定以外の全ての数理計算上の仮定が一定であることを前提としております。この感応度分析は前連結会計年度末日および当連結会計年度末日における確定給付制度債務の変動を示しており、当社グループが合理的と考える数理計算上の仮定の変化の結果であります。この分析は暫定的な計算に基づいており、実績は分析とは異なる可能性があります。
(2)確定拠出制度
前連結会計年度および当連結会計年度における、当社グループの確定拠出制度に係る費用計上額はそれぞれ10,112百万円および10,004百万円であります。
18.その他の流動負債およびその他の非流動負債
前連結会計年度および当連結会計年度におけるその他の流動負債およびその他の非流動負債の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
19.資本
(1)資本金
前連結会計年度および当連結会計年度における授権株式数および発行済株式数の変動は以下のとおりであります。
(単位:千株)
(2)資本剰余金
資本剰余金は資本取引から得られた剰余金で、主として資本金として組み入れない資本準備金により構成されております。日本の会社法においては、株式の発行に対する払込みの2分の1以上を資本金に組み入れる必要があり、払込金の残りが資本剰余金となっております。また株主総会決議によって資本剰余金から資本金に組み替えることができます。
(3)利益剰余金
利益剰余金は、利益準備金とその他利益剰余金により構成されております。日本の会社法においては、剰余金の配当により減少する剰余金の10分の1を、資本準備金および利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで、資本準備金または利益準備金に積み立てることが規定されております。積み立てられた利益準備金は、株主総会決議により欠損填補に充当、または取り崩すことができます。
(4)自己株式
前連結会計年度および当連結会計年度における自己株式の変動は以下のとおりであります。
(単位:千株)
(5)その他の包括利益累計額
前連結会計年度および当連結会計年度におけるその他の包括利益累計額の変動は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
上記はすべて税効果考慮後の金額であります。
20.株式報酬
当社グループは、当社の取締役(監査等委員である取締役および社外取締役を除く)ならびに当社および当社子会社の執行役員および従業員(以下「対象者」)を対象として業績連動型株式報酬制度を導入しております。
1.業績連動型株式報酬制度
(1) 制度の概要
当社は、持分決済型株式報酬として対象者に対して、連続する3連結会計年度(2021年1月1日~2023年12月31日、2022年1月1日~2024年12月31日および2023年1月1日~2025年12月31日)を評価期間として、パフォーマンス・シェア・ユニット(以下「PSU」)制度およびリストリクテッド・ストック・ユニット(以下「RSU」)制度により構成される業績連動型株式報酬制度に基づき、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託により取得した当社普通株式(以下「当社株式」)および金銭を支給いたします。これらの制度は、対象者が、株価変動のメリットとリスクを株主のみなさまと共有し、中長期的な企業価値向上および株価上昇への貢献意欲を従来以上に高めることを目的としております。
(2)権利確定条件
(PSU制度)
・付与から3年後に、3か年の業績達成状況(全社業績のみ)に応じて、PSU基準金額の0%~150%の範囲で交付株式数を決定(ただし交付株式数の半数は納税資金に充当することを目的として金銭で支給)。
・役員報酬等の決定に関する方針に基づき、中長期的な企業価値向上に向けた動機づけのため、連結ROE、連結売上収益成長率を評価指標として採用。
(RSU制度)
・株主のみなさまとの価値共有、企業価値向上のインセンティブ、人材のリテンション強化の目的で付与。
・退任時および退職時等にあらかじめ定めた数の株式を交付(ただし交付株式数の半数は納税資金に充当することを目的として金銭で支給)。
(3) 公正価値および公正価値の測定方法
当社株式の市場価値又は当社株式の市場価値に予想配当を考慮に入れて修正をした金額を公正価値としております。前連結会計年度および当連結会計年度における主な公正価値は以下のとおりであります。
(単位:円)
(注)1.従業員を対象とするRSUに係る公正価値であります。
2.特別RSUに係る公正価値であります。
2.株式報酬費用
連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれている株式報酬費用は、前連結会計年度および当連結会計年度において、482百万円および 572百万円であります。
21.配当金
前連結会計年度および当連結会計年度における配当金の支払額は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(注)2023 年8月9日取締役会決議分の配当金の総額には、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託が保有する当社株式に対する配当金79百万円が含まれております。
基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、効力発生日が翌連結会計年度となるものは以下のとおりであります。
(注)配当金の総額には、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託が保有する当社株式に対する配当金76百万円が含まれております。
22.売上収益
(1) 収益の分解
当社グループは飲料事業の単一セグメントで組織が構成されており、構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会(最高経営意思決定者)が経営資源の配分の決定をするために、定期的に検討を行う対象となっていることから飲料事業で計上する収益を売上収益として表示しております。
飲料事業においては日本におけるコカ・コーラ等の炭酸飲料、コーヒー飲料、茶系飲料、ミネラルウォーター、アルコール等の飲料の仕入、製造・販売等を行っております。これらの製品販売については、製品の引渡時点において顧客が当該製品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断していることから、主として当該製品の引渡時点で収益を認識しております。
当該履行義務に関する支払いは、引渡時から概ね2カ月以内に受領しております。また、顧客との契約に重大な金融要素を含む契約はありません。
(単位:百万円)
(2) 契約残高
当社グループの契約残高は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(3) 残存履行義務に配分した取引価格
当社グループにおいては、個別の予想契約期間が1年を超える重要な取引がないため、残存履行義務に関する情報の記載を省略しております。また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
(4) 顧客との契約の獲得または履行のためのコストから認識した資産
顧客との契約の獲得または履行のためのコストから認識した資産及びその償却費について、金額に重要性はありません。
23.販売費及び一般管理費
前連結会計年度および当連結会計年度における販売費及び一般管理費の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
24.従業員給付費用
前連結会計年度および当連結会計年度における従業員給付費用の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
25.その他の収益およびその他の費用
前連結会計年度および当連結会計年度におけるその他の収益およびその他の費用の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)1.有形固定資産売却益は、前連結会計年度および当連結会計年度における土地等を売却したことによる売却益であります。
2.政府補助金は、前連結会計年度における新型コロナウイルス感染症の感染拡大による従業員の一時帰休実施に伴う休業手当に対する補助金であります。
3.事業構造改善費用は、前連結会計年度および当連結会計年度において、当社グループの持続的な成長に向け、これまで以上の価値創出や更なる生産性の向上を目指した効率的な新体制の構築を進めることを目的として実施した施策に係るコンサルティング費用であります。
4.特別退職加算金は、前連結会計年度および当連結会計年度の早期退職の実施に伴い発生した、特別退職加算金および再就職支援費用等に係る費用であります。
5.一時帰休費用は、前連結会計年度における新型コロナウイルス感染症の感染拡大による従業員の一時帰休実施に伴う休業手当で、それぞれ売上原価から92百万円、販売費及び一般管理費から2,076百万円を振り替えております。
26.金融収益および金融費用
前連結会計年度および当連結会計年度における金融収益および金融費用の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
27.法人所得税
(1)繰延税金資産および繰延税金負債
前連結会計年度および当連結会計年度における繰延税金資産および繰延税金負債の主な原因別の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
当社グループは、繰延税金資産の認識にあたって将来減算一時差異または繰越欠損金の一部または全部が将来課税所得に対して利用できる可能性を考慮することによりその回収可能性を評価しております。繰延税金資産が認識される期間の課税所得の過去の趨勢および予測される将来課税所得に基づいて、当社グループは前連結会計年度末日および当連結会計年度末日にこれら繰延税金資産の税務便益が実現する可能性は高いと判断しております。
当連結会計年度末現在、連結子会社のコカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社において税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産 16,874百万円を認識しております。注記4「重要な会計上の判断、見積りおよび仮定」のとおり、繰延税金資産の認識において、当社グループは中期計画に基づき将来課税所得の発生時期および発生金額を見積っております。将来課税所得の見積りは中期計画を基礎としており、その主要な仮定は当該期間の販売計画およびコスト計画等であります。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、予測される繰延税金負債の取り崩し、予測される将来課税所得および資産売却等を含むタックス・プランニングを考慮しております。
なお、当社グループを取り巻く経済環境の変化、市場の状況その他の要因により将来課税所得の見積りの不確実性が増すと考えられます。
前連結会計年度および当連結会計年度における繰延税金資産および繰延税金負債(純額)の増減内容は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(2)未認識の繰延税金資産および繰延税金負債
上記の繰延税金資産の回収可能性の評価の結果から、当社グループは、将来減算一時差異の一部について、繰延税金資産を認識しておりません。前連結会計年度末日および当連結会計年度末日における、繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異の金額は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度末日および当連結会計年度末日における繰延税金負債を認識していない子会社および関連会社への投資に関する将来加算一時差異は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(3)法人所得税費用
前連結会計年度および当連結会計年度における法人所得税費用の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
上記の繰延税金費用は、主に一時差異の発生と解消によるものであります。
(4)実効税率の調整表
前連結会計年度および当連結会計年度における法定実効税率と連結損益計算書における実際負担税率との調整は以下のとおりであります。
28.その他の包括利益
前連結会計年度および当連結会計年度におけるその他の包括利益の各項目の内訳とそれらに係る税効果額(非支配持分を含む)は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
29.財務活動から生じるキャッシュ・フローに係る負債の変動額の調整表
前連結会計年度および当連結会計年度における財務活動による負債の変動は以下のとおりであります。
(注) それぞれ1年内返済予定の長期借入金および1年内償還予定の社債を含んでおります。
30.金融商品
(1)財務リスク管理
当社グループは金融商品から生じる以下のリスクに晒されております。
・信用リスク
・流動性リスク
・市場リスク
当社グループは事業を営む上で様々な財務リスク(信用リスク、流動性リスクおよび市場リスク(金利リスク、株価変動リスク、為替リスクおよび価格リスク))に直面しており、これらの財務リスクを回避および低減するため一定の方針に従い、リスク管理しております。当社グループのリスク管理方針は、リスクおよび統制を適切に把握すること、リスクをモニタリングし統制を遵守することを目的として、当社グループが直面するリスクを識別、分析の上、策定しております。リスク管理方針とシステムは、市場の状況および当社グループの事業活動を反映するため定期的に見直ししております。当社グループは、全従業員がその役割と規律を理解する統制環境を維持するため、研修を実施し、マニュアルおよび手続を策定しております。
当社グループは、リスク管理方針に基づき、一定のリスク・エクスポージャーをヘッジするためにデリバティブ取引を利用しております。デリバティブは、為替変動リスクおよび価格リスクを回避するために利用し、投機的な取引は行わない方針であります。当社の財務部門は、財務リスクを識別し、評価し、そしてヘッジを行っております。
(2)信用リスク
信用リスクとは、金融商品の一方の当事者が債務を履行できなくなり、他方の当事者が財務的損失を被ることとなるリスクであります。当社グループの事業の過程で、営業債権及びその他の債権、その他金融資産(預け金、有価証券、その他債権を含む)について、相手先の信用リスクに晒されております。連結財務諸表に表示されている金融資産の減損後の帳簿価額は、獲得した担保の評価額を考慮に入れない、当社グループの金融資産の信用リスクに対するエクスポージャーの最大値であります。また、特定の取引先について、重要な信用リスクのエクスポージャーはなく、特段の管理を有する信用リスクの過度の集中はありません。
当社グループでは、信用リスクを管理するため、内部の顧客管理規程に従い顧客ごとに支払期日および残高管理を行い、定期的に主要顧客の信用状況をモニタリングしております。デリバティブ取引の実施にあたっては、信用リスクを軽減するため、原則として高い格付けを有する金融機関に限定して取引を行っております。
また、当社グループでは、信用リスク特性に基づき債権等を区分して貸倒引当金を算定しております。 営業債権およびリース債権については、常に全期間の予想信用損失と同額で貸倒引当金を測定しております。営業債権およびリース債権以外の債権等については、原則として12カ月の予想信用損失と同額で貸倒引当金を測定しておりますが、信用リスクが当初認識時点より著しく増加した場合には、全期間の予想信用損失と同額で貸倒引当金を認識しております。信用リスクが著しく増加しているか否かは、債務不履行発生のリスクの変動に基づいて判断しており、支払期日の経過情報や債務者の財政状態の悪化等を考慮しております。営業債権以外の債権等のうち12カ月の予想信用損失と同額で貸倒引当金を測定しているものは、全て集合的ベースで測定しております。
営業債権に係る予想信用損失の金額は、単純化したアプローチに基づき、債権等を相手先の信用リスク特性に応じて区分し、その区分に応じて算定した過去の信用損失の実績率に将来の経済状況等の予測を加味した引当率を乗じて算定しております。
営業債権以外の債権等に係る予想信用損失の金額は、原則的なアプローチに基づき、信用リスクが著しく増加していると判定されていない債権等については、同種の資産の過去の信用損失の実績率に将来の経済状況等の予測を加味した引当率を帳簿価額に乗じて算定しております。信用リスクが著しく増加していると判定された資産および信用減損金融資産に係る予想信用損失の金額については、見積将来キャッシュ・フローを当該資産の当初の実効金利で割り引いた現在価値の額と帳簿価額との差額で算定しております。
(a)信用リスク・エクスポージャー
前連結会計年度および当連結会計年度における当社グループの信用リスク・エクスポージャーは、以下のとおりであります。
営業債権及びその他の債権
当社グループは、営業債権及びその他の債権については支払期日の経過に応じて信用リスクの評価を行っております。
前連結会計年度(2022年12月31日)
全期間の予想信用損失に等しい金額で測定している金融資産は、主として信用減損している金融資産であります。
当連結会計年度(2023年12月31日)
全期間の予想信用損失に等しい金額で測定している金融資産は、主として信用減損している金融資産であります。
その他の金融資産
当社グループは、その他の金融資産については相手先の信用リスク格付け等に応じて信用リスクの評価を行っております。全期間の予想信用損失に等しい金額で測定している金融資産の信用リスク格付けは、12カ月の予想信用損失で測定している金融資産の予想信用損失の信用リスク格付けに比べて相対的に低く、同一区分内における金融資産の信用リスク格付けは概ね同一であります。
なお、期日を経過しているその他の金融資産で重要な信用リスク・エクスポージャーを有するものはありません。
前連結会計年度(2022年12月31日)
全期間の予想信用損失に等しい金額で測定している金融資産は、主として信用減損している金融資産であります。
当連結会計年度(2023年12月31日)
全期間の予想信用損失に等しい金額で測定している金融資産は、主として信用減損している金融資産であります。
(b)貸倒引当金
前連結会計年度および当連結会計年度における貸倒引当金の変動は以下のとおりであります。
営業債権及びその他の債権
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
当社グループは過去に直接償却した営業債権から、今後キャッシュ・フローの回収が行われることは見込んでおらず、またキャッシュ・フローの回収も発生しておりません。
その他金融資産
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(c)期中の金融商品の総額での帳簿価額の著しい変動の影響
前連結会計年度および当連結会計年度において、貸倒引当金の変動に影響を与えるような総額での帳簿価額の著しい増減はありません。
(3)流動性リスク
流動性リスクとは、期限の到来した金融負債の返済義務を履行するにあたり、支払期日にその支払を実行できなくなるリスクであります。当社グループは、当社グループに損失を生じさせる状況、評判に影響する状況がないよう、どのような状況下においても、支払期日に間に合わせる十分な資金を確保する管理を行っております。当社の財務部門では、純利益および銀行との取引信用枠内での資金残高を適正レベルに維持すること、また実際のキャッシュ・フローと予測キャッシュ・フローを比較、分析することにより、当社グループの流動性リスクを管理しております。
前連結会計年度および当連結会計年度における金融負債(デリバティブ負債を含む)の返済期日別残高は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2022年12月31日)
当連結会計年度(2023年12月31日)
(4)市場リスク
市場リスクとは、当社グループの収益および保有する有価証券の価額に影響を与えるような金利、株価などの市場価格の変動によるリスクであります。利益を最適化する一方、市場リスクのエクスポージャーを容認できる範囲になるよう管理しております。
(a)金利リスク
借入金と社債は、固定金利によっております。したがって、金利が変動することにより損益に与える影響はなく、当社グループの金利リスクはないと判断し、ベーシス・ポイント・バリューなどの感応度分析は行っておりません。
(b)株価変動リスク
当社グループは市場価格のある株式を多く保有しているため、株価変動リスクに晒されております。市場価格のある株式は、売買目的以外に保有しており、主にその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しております。
その他すべての変数が一定であることを前提として、当社グループが期末日時点で保有する上場株式の株価が10%上昇または下落した場合、その他の包括利益(税効果考慮前)に与える影響は前連結会計年度および当連結会計年度において、それぞれ870百万円および454百万円であります。
(c)為替リスク
当社グループは、連結子会社であるコカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社において、外貨建の原材料仕入を行っていることから、米ドルを中心とした為替リスクに晒されております。為替リスクは将来の仕入などの予定取引、またはすでに認識されている資産および負債から発生します。当社グループは、為替リスクを回避する目的で、為替予約取引を利用しております。ヘッジ会計の要件を満たす取引については、ヘッジ会計を適用しております。外貨建債権および債務等は為替レートの変動によるリスクを有しておりますが、このリスクは為替予約等と相殺されるため影響は限定的であります。
(d)価格リスク
当社グループは、連結子会社であるコカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社において、天候、自然災害等によって価格が変動しやすい原材料の仕入を行っております。そのため、当社グループは原材料の価格リスクに晒されております。これらの原材料の価格変動リスクを回避するために商品スワップ取引を行っております。
(5)資本管理
当社グループは、安定した財政状態を維持する一方、事業成長を通じた長期的な改善により資本効率を高めることを資本管理の基本方針としております。
資本管理を行う上での指標は、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)および資産合計税引前利益率(ROA)であります。ROEは親会社の所有者に帰属する資本に対する当期利益の比率であり、ROAは総資産に対する税引前利益の比率であります。前連結会計年度および当連結会計年度におけるROEおよびROAは、引き続き原材料・資材・エネルギー価格の高騰や円安などの外部要因によるコスト増加の影響があるものの、販売数量成長やケース当たり納価改善等の利益貢献により、以下のとおりとなりました。
なお、当社グループには、外部から課される重要な自己資本に対する規制はありません。
(6)金融商品の分類
前連結会計年度および当連結会計年度における金融資産および金融負債の分類別残高は以下のとおりであります。
金融資産
前連結会計年度(2022年12月31日)
当連結会計年度(2023年12月31日)
金融負債
前連結会計年度(2022年12月31日)
当連結会計年度(2023年12月31日)
株式は、政策投資目的で保有しているため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に指定しております。
前連結会計年度および当連結会計年度におけるその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の主な銘柄の公正価値は以下のとおりであります。
前連結会計年度および当連結会計年度における報告日に保有している投資に係る受取配当金は以下のとおりであります。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定するものと指定した資本性金融商品の一部は、取引関係の見直し等の観点から期中に処分しております。前連結会計年度および当連結会計年度におけるこれらの処分時の公正価値、処分時の累積利得または損失(税効果考慮前)および受取配当金は以下のとおりであります。
その他の包括利益累計額に認識されていた累積利得または損失は、当該金融資産を処分した場合にその他の包括利益累計額から利益剰余金へ振り替えております。前連結会計年度および当連結会計年度における振替額は、注記19「資本(5)その他の包括利益累計額」に記載しております。
(7)金融商品の公正価値
(a)公正価値ヒエラルキーのレベル別分類
当初認識後に経常的に公正価値で測定する金融商品は、測定に用いたインプットの観察可能性および重要性に応じて、公正価値ヒエラルキーの3つのレベルに分類しております。
公正価値ヒエラルキーは以下のとおり定義しております。
レベル1:同一の資産または負債の活発な市場における(無調整の)公正価値
レベル2:資産または負債について、直接的に観察可能なインプットまたは間接的に観察可能なインプットのうち、レベル1に含まれる相場価格以外のインプットに基づいた公正価値
レベル3:資産または負債について、観察可能でないインプットに基づいた公正価値
公正価値の測定に複数のインプットを使用する場合、公正価値測定の全体において重要な最も低いレベルのインプットに基づいて公正価値ヒエラルキーのレベルを決定しております。公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は各四半期の期首に生じたものとして認識しております。
前連結会計年度および当連結会計年度において、レベル1、レベル2およびレベル3の間における振替はありません。
(b)公正価値の測定
株式は、同一の資産または負債について活発な市場における株価があればそれにより測定し、公正価値ヒエラルキーのレベル1に分類しております。同一の資産または負債について活発な市場における株価がない場合、活発でない市場における株価および類似企業の市場価格などの評価技法を用いて算定しております。測定に利用する市場価格や割引率のような重要なインプットが観察可能であればレベル2に分類しておりますが、重要な観察可能でないインプットを含む場合にはレベル3に分類しております。
非上場株式については、類似企業の市場価格に基づく評価技法、純資産価値に基づく評価技法、およびその他の評価技法を用いて算定しており、公正価値ヒエラルキーのレベル3に分類しております。非上場株式の公正価値測定にあたっては、評価倍率等の観察可能でないインプットを利用しており、必要に応じて一定の非流動性ディスカウント、非支配持分ディスカウントを加味しております。このような公正価値の測定方法は、当社グループの会計方針に従い、財務部門で決定しております。
前連結会計年度および当連結会計年度におけるレベル3の公正価値測定に利用する評価技法および重要な観察可能でないインプットは以下のとおりであります。
前連結会計年度(2022年12月31日)
当連結会計年度(2023年12月31日)
EBITマルチプル:企業価値/EBIT
EBITDAマルチプル:企業価値/EBITDA
PER:株価収益率
PBR:株価純資産倍率
(c)経常的に公正価値で測定する金融商品
前連結会計年度および当連結会計年度における経常的に公正価値で測定する金融商品の内訳は以下のとおりであります。
前連結会計年度(2022年12月31日)
当連結会計年度(2023年12月31日)
上表の金融商品の公正価値測定に用いる主な評価技法は以下のとおりであります。
a.株式
上場株式については、取引所の価格によっており、公正価値ヒエラルキーレベル1に区分しております。
b.デリバティブ
外国為替先物予約の公正価値は、期末日現在の先物為替レートを用いて算定した価値を現在価値に割引くことにより算定しております。そのため、為替予約について、公正価値ヒエラルキーレベル2に区分しております。
レベル3に分類した金融商品の期首残高から期末残高の調整表は、以下のとおりであります。
その他の包括利益に認識した利得または損失は、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の純変動」に認識されております。
(d)償却原価で測定する金融商品
前連結会計年度および当連結会計年度における償却原価で測定する金融商品の帳簿価額および公正価値の内訳は以下のとおりであります。
前連結会計年度(2022年12月31日)
当連結会計年度(2023年12月31日)
長期借入金及び社債には1年内返済予定の残高を含んでおります。また、現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務については、短期間で回収・決済されることから公正価値が帳簿価額に近似しているため、上表には含んでおりません。
上表の金融商品の公正価値測定に用いる主な評価技法は以下のとおりであります。
a.借入金
固定金利付の借入金は、残期間と信用リスクに従って調整した金利を用いて割り引かれた将来キャッシュ・フローの現在価値により計算しております。固定金利付の借入金は、公正価値ヒエラルキーのレベル2に分類しております。
b.社債
市場価格のある社債については、公正価値は市場価格に基づいて見積もられます。市場価格のない社債については、公正価値は残期間と信用リスクに従って調整した金利を用いて割り引かれた将来キャッシュ・フローの現在価値により計算しております。市場価格のある社債は公正価値ヒエラルキーのレベル1に分類され、市場価格のない社債についてはレベル2に分類しております。
(8)デリバティブおよびヘッジ会計
当社グループのリスク管理におけるヘッジ会計の運用については、「(1)財務リスク管理」に記載しております。なお、デリバティブ取引は、コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社において実施されております。
(a)連結財政状態計算書における影響
前連結会計年度および当連結会計年度におけるヘッジ指定されているヘッジ手段が当社グループの連結財政状態計算書に与える影響は以下のとおりであります。なお、ヘッジ手段に係る資産の帳簿価額(公正価値)は「その他の金融資産」、ヘッジ手段に係る負債の帳簿価額(公正価値)は「その他の金融負債」に含まれております。
前連結会計年度(2022年12月31日)
為替予約における平均レートは、1米ドル当たり129.15円であります。
当連結会計年度(2023年12月31日)
為替予約における平均レートは、1米ドル当たり142.33円であります。
なお、当社グループが行うヘッジ取引においては、ヘッジ対象項目全体をヘッジしており、一部のリスク要素をヘッジする取引はありません。
為替予約および商品スワップによりキャッシュ・フローの変動をヘッジしている期間はいずれも2024年1月から2024年12月であります。
キャッシュ・フロー・ヘッジに係るその他の包括利益累計額は以下のとおりであります。ヘッジ会計を中止したヘッジ関係から生じたキャッシュ・フロー・ヘッジに係るその他の包括利益累計額はありません。
(b)連結損益計算書および連結包括利益計算書における影響
前連結会計年度および当連結会計年度におけるキャッシュ・フロー・ヘッジとして指定したヘッジ手段に関する純損益およびその他の包括利益への影響は以下のとおりであります。
ヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ対象の価値の変動はヘッジ手段の公正価値の変動に近似しております。
ヘッジの中止等による組替調整額はありません。なお、ヘッジ対象が棚卸資産の取得等に関する予定取引である場合は、「その他の包括利益累計額」に累積された繰延ヘッジ損益を棚卸資産等の取得原価に振り替えております。
純損益に認識したヘッジ非有効部分、および組替調整額として純損益に振り替えられた金額は金融収益および金融費用に含まれております。
ヘッジ対象とヘッジ手段の間の条件が完全に一致しているわけではないことから、その条件の相違により、ヘッジ非有効部分が生じます。
31.重要な子会社
当社グループの重要な子会社は以下のとおりであります。特に記載のない限り、子会社の資本金は当社グループに直接所有される普通株式から構成され、持分比率は当社グループにより所有される議決権比率と同じであります。主要な事業所は会社の所在地と同一であります。
(注) 議決権比率は、子会社を通じた間接保有分を含んでおります。
32.持分法で会計処理されている投資
前連結会計年度および当連結会計年度における当社グループの主要な関連会社は以下のとおりであります。主要な事業所は会社の所在地と同一であります。なお、個別に重要な関連会社はありません。
(注) 議決権比率は、子会社を通じた間接保有分を含んでおります。
33.コミットメント
購入コミットメント
前連結会計年度および当連結会計年度における報告日以降の有形固定資産、無形資産の取得に関するコミットメントは以下のとおりであります。
前連結会計年度および当連結会計年度において、上記を除く購入コミットメントはそれぞれ8,478百万円および4,271百万円であります。主としてガス購入契約に関する未履行の契約によるものであります。
34.1株当たり利益
親会社の所有者に帰属する基本的1株当たり当期利益(△は損失)の計算は、親会社の所有者に帰属する当期利益(△は損失)および発行済普通株式の加重平均株式数に基づいております。
前連結会計年度および当連結会計年度における基本的1株当たり利益(△は損失)および希薄化後1株当たり利益の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
(注)1.前連結会計年度において、株式報酬751千株は逆希薄化効果を有するため、「希薄化後1株当たり当期利益」は記載しておりません。
2.当社は、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託を導入しております。これにより当該信託が保有する当社株式を当連結会計年度の基本的1株当たり当期利益(△は損失)および希薄化後1株当たり当期利益の金額の算定上、加重平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。控除した当該自己株式の加重平均株式数は、当連結会計年度においては26,886千株であります。
35.関連当事者取引
前連結会計年度および当連結会計年度における関連当事者との取引金額および未決済金額は、以下のとおりであります。なお、当社グループの子会社との取引は連結財務諸表上消去されているため、開示しておりません。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(注)1.取引金額には消費税等が含まれておりませんが、未決済残高には消費税等が含まれております。
2.ザ コカ・コーラ カンパニーの子会社である日本コカ・コーラ株式会社との取引については、ザ コカ・コーラ カンパニーおよび日本コカ・コーラ株式会社との間で締結しているコカ・コーラ等の製造、販売および商標使用等に関する契約に基づき取引をしております。
3.みちのくコカ・コーラボトリング株式会社との取引については、市場価格等を勘案した一般的取引条件にて、当社と関連を有しない他の当事者との取引と同様に決定しております。
前連結会計年度および当連結会計年度における主要な経営幹部に対する報酬は、以下のとおりであります。
36.後発事象
該当事項はありません。