第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、「“日本一うまい”食を通じて“ほっとした安らぎ”と“笑顔いっぱいのだんらん”を提供できることを最上の喜びとする。」という企業理念に基づいた経営を行っております。核家族化や個食化が進み、食事においても利便性が優先される時代の中で、当社は本来食事の持つ「おいしさ」、「あたたかさ」、「楽しさ」を大切にし、家族や世代をつなぐ「共食」の文化を広げていくために、安全で美味しい商品を提供し続けてまいります。

 川上から川下までしっかりと自社で責任を持ち、こだわりを持った職人の技術を磨き、心温まるサービスを提供する体制をグループ一丸となり築き、多くのお客様に安心して喜んでいただくことで信頼されるブランドを作り上げ、全ての人たち(お客様・従業員・オーナー・取引先・生産者・株主・地域等)が幸せになることが当社の想いです。

 

(2)経営環境

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染防止に伴う行動制限や海外からの入国制限の緩和、さらに5月8日から新型コロナウイルス感染症が5類感染症へと移行されるなど、社会経済活動の正常化・活発化に向けた動きが見られるものの、ウクライナ情勢の長期化による資源や原材料価格の高騰など、景気の動向は依然として不透明な状況が続いております。また、外食産業におきましては、行動制限のない社会生活を取り戻し、店内飲食への抵抗感も減少し、客数も順調に回復しておりますが、仕入価格の高騰や人件費・光熱費等の上昇など、引き続き厳しい経営環境が続いております。

 外食市場におきましても、消費者の低価格志向・節約志向・中食需要の拡大等により大変厳しい環境となっておりますが、今後もコンビニや中食各社を含めた企業間競争の激化などもあり、厳しい状況が続くことが想定されます。

 たこ焼市場におきましては、近年は原材料価格(たこ)の高騰による事業者の廃業等により市場縮小傾向にありましたが、庶民の味として定着しているたこ焼市場の継続的な縮小は見込まれておらず、当社はたこ焼市場における圧倒的トップシェア企業の地位を確立しております。居酒屋市場におきましては、提供メニューを絞ったカテゴリー居酒屋、さらにはフードを絞ったセレクト系居酒屋が登場しており、これらの業態は従来の総合居酒屋業態に比して高い成長性を有しています。当社の銀だこ酒場、おでん屋たけし、日本再生酒場等の酒場業態は、カテゴリー居酒屋・セレクト系居酒屋に属するものと考えられ、今後十分な成長余地があると考えます。

 新型コロナウイルス感染症は、国内外の人々の生活に甚大な影響を及ぼし、社会全体が大きく変わる可能性があります。このような社会環境の変化に対応すべく、市場の変化に合わせた業態・店舗の開発・展開に取り組んでまいります。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは、日本一のたこ焼チェーンから日本を代表する外食企業グループを目指して、5本柱の、株式会社ホットランドにおける「築地銀だこ」事業、株式会社オールウェイズにおける酒場事業、株式会社ホットランドネクステージにおける主食事業、株式会社ファンインターナショナルにおける京都等の観光地における飲食事業やクリエイティブ事業(設計内装)、海外における事業展開等を通じて、飛躍的な成長を目指してまいります。

 具体的には、(ア)株式会社ホットランドにおける「築地銀だこ」事業において、積極的な販売施策の実施、デリバリー強化策、ロードサイド店の出店を、(イ)株式会社オールウェイズにおける酒場事業において、銀だこハイボール酒場、おでん屋たけし、もつ焼き処い志井・日本再生酒場の各店舗の積極的な出店を、(ウ)株式会社ホットランドネクステージにおける主食事業において、野郎めし、東京油組総本店の積極的な出店と、新業態の開発を、(エ)株式会社ファンインターナショナルにおける飲食事業やクリエイティブ事業において、インバウンドに伴う観光地の飲食店舗出店、アウトドア用飲食マーケットの開拓、グループ内店舗の内装強化と外販を、(オ)海外において、米国におけるフラグシップ店舗の展開、冷凍たこ焼及び水産物の卸事業の拡大、アセアンを中心としたFC事業の拡大をそれぞれ進めてまいります。

 

 加えて、以下の施策を講じることにより、各グループ会社の更なる成長を目指してまいります。

①グローバル社員が最も働きがいのある会社を目指し、新卒採用を強化し、将来の幹部候補として育成してまいります。

②全国の銀だこ事業部エリアにて利益率の高い業態(銀だこハイボール酒場、油そば、おでん屋たけし等)の出店を行い、事業の多角化を図ってまいります。

③新業態のブランド化を行い、SNS等による集客を目指してまいります。

④マネージャーやスーパーバイザーの教育を行い、強い店長を育ててまいります。

⑤適切なポートフォリオの構築を目指し、積極的なM&Aを行ってまいります。

⑥米国事業の強化を目指し、日系レストラン運営を行うGindaco USA, Inc.、日本をテーマにしたイベントの企画運営を行うJapan Taste Marketing, Inc.、インポート流通を担うHERO USA, Inc.の3社を米国で展開してまいります。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社は、監査役委員会設置会社の形態を採用し、独立性の高い複数の社外監査役を選任するとともに、監査等委員の機能を強化することで、当社における業務執行に対する管理・監督機能の充実を図っております。また、取締役会は経営方針の策定、業務の意思決定及び取締役間の相互牽制による業務執行の監督を行う機関と位置づけ運営され、原則として、毎月1回開催されるほか、必要に応じて臨時取締役会を開催し、経営判断の迅速化を図っております。

 全社的なリスク管理は、社内の統治体制の構築のため組織横断的に構成されたリスク管理委員会において取り扱う一方、サステナビリティ全般に関するリスク及び機会については、経営管理本部や人事総務本部等の当社関連各部において全社的なリスク機会の分析、対応策等を検討し、担当役員を通じて適宜取締役会に報告する体制としております。また、取締役会は担当役員からの報告を受け、当社グループのサステナビリティに関する対応等についての審議・監督を行うこととしております。現時点でサステナビリティに特化した委員会は設置しておりませんが、サステナビリティ課題の解決に向けた審議を深めていくために、委員会設置の検討を行っております。

 なお、詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりであります。

 

(2)戦略

 当社グループは、日本一のたこ焼チェーンから日本を代表する外食企業グループを目指して、5本柱の、株式会社ホットランドにおける「築地銀だこ」事業、株式会社オールウェイズにおける酒場事業、株式会社ホットランドネクステージにおける主食事業、株式会社ファンインターナショナルにおける京都等の観光地における飲食事業やクリエイティブ事業(設計内装)、海外における事業展開等を通じて、飛躍的な成長を目指してまいります。

 具体的には、(ア)株式会社ホットランドにおける「築地銀だこ」事業において、積極的な販売施策の実施、デリバリー強化策、ロードサイド店の出店を、(イ)株式会社オールウェイズにおける酒場事業において、銀だこハイボール酒場、おでん屋たけし、もつ焼き処い志井・日本再生酒場の各店舗の積極的な出店を、(ウ)株式会社ホットランドネクステージにおける主食事業において、野郎めし、東京油組総本店の積極的な出店と、新業態の開発を、(エ)株式会社ファンインターナショナルにおける飲食事業やクリエイティブ事業において、インバウンドに伴う観光地の飲食店舗出店、アウトドア用飲食マーケットの開拓、グループ内店舗の内装強化と外販を、(オ)海外において、米国におけるフラグシップ店舗の展開、冷凍たこ焼及び水産物の卸事業の拡大、アセアンを中心としたFC事業の拡大をそれぞれ進めてまいります。

 

 加えて、以下の施策を講じることにより、各グループ会社の更なる成長を目指してまいります。

 

①グローバル社員が最も働きがいのある会社を目指し、新卒採用を強化し、将来の幹部候補として育成してまいります。

②全国の銀だこ事業部エリアにて利益率の高い業態(銀だこハイボール酒場、油そば、おでん屋たけし等)の出店を行い、事業の多角化を図ってまいります。

③新業態のブランド化を行い、SNS等による集客を目指してまいります。

④マネージャーやスーパーバイザーの教育を行い、強い店長を育ててまいります。

⑤適切なポートフォリオの構築を目指し、積極的なM&Aを行ってまいります。

⑥米国事業の強化を目指し、日系レストラン運営を行うGindaco USA, Inc.、日本をテーマにしたイベントの企画運営を行うJapan Taste Marketing, Inc.、インポート流通を担うHERO USA, Inc.の3社を米国で展開してまいります。

 

 当社の企業理念は「日本一うまい食を通じて、ほっとした安らぎと笑顔いっぱいのだんらんを提供できることを最上の喜びとする。」であります。その理念を実践するために、銀だこマニュアル等当社独自の教育プログラムに従って、4週間にわたって、実践的な教育を徹底しております。

 主力事業である「築地銀だこ」は、川上から川下まで自社で完結する当社独自のビジネスプラットフォームを強みとする「銀だこスタイル」で展開しております。当社は、「築地銀だこ」の一層の積極的展開のために、経営資源を集中させ、人材の能力開発や最適な人材配置を行ってまいります。

 また、継続的な成長基盤を築くため人材の安定的な確保・採用を積極的に行っております。多様化するライフスタイルに合わせ「勤務地限定社員制度」、「時短社員制度」を導入し、働きやすい環境を創出しながら人材の確保・採用の強化を図ってまいります。

 なお、詳細につきましては、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (5)当社チェーンの人材戦略」に記載のとおりであります。

 

(3)リスク管理

 当社は、グループ全体のリスク管理の基本方針及び管理体制を「リスク管理規程」において定め、その基本方針及び管理体制に基づき、代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会で、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスクの未然防止を図っております。また、重大な危機が発生したときは、代表取締役社長を本部長とする対策本部を直ちに設置し、対応することとしております。

 なお、詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(4)指標及び目標

 当社グループのサステナビリティに関する目標は、「(2)戦略」に記載のとおりであります。

 なお、人材の多様性の確保を含む人材の育成等に関する指標及び目標といたしましては、更なる多様な人材を確保するため、「女性の正社員人数」、「外国人従業員人数」、「退職者人数」等を念頭に、目標とすべき指標等を検討中であります。

 既存事業での新規出店の拡大、並びに新規事業の展開加速、M&Aの推進、海外展開に向け、新たな制度設計の構築を進めるとともに、改めてグループ全体としての適切な目標設定ができるように検討を続けてまいります。

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結決算の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。当社は、グループ全体のリスク管理の基本方針及び管理体制を「リスク管理規程」において定め、その基本方針及び管理体制に基づき、代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会で、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスクの未然防止を図っております。また、重大な危機が発生したときは、代表取締役社長を本部長とする対策本部を直ちに設置し、対応することとしております。

 

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

1.各種法的規制について

当社グループは、「食品衛生法」、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」、「中小小売商業振興法」、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」、「労働基準法」、「個人情報の保護に関する法律」等の法規制の適用を受けています。これらの法的規制の強化、変更、又は新たな法規制の導入により、それに対応するための費用が発生した場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

特に、当社グループが運営する店舗は、食品衛生法の規定に基づき、所管保健所より飲食店営業の営業許可を取得しており、日々のオペレーションにおいて、「築地銀だこマニュアル」等に基づき、衛生管理体制の強化を図っております。

しかしながら、食中毒事故等が発生した場合には、食品等の廃棄、営業許可の取り消し、営業の禁止、もしくは一定期間の営業停止の処分、被害者からの損害賠償請求等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

2.主要原材料等の市況変動

 当社グループの主要商材であるたこの仕入額が、当社グループ全体の仕入原価に占める割合は極めて大きく、たこの市場動向が原価に大きく影響を与えております。たこの仕入価格は、従来は主に西アフリカ地域諸国及び中国の原料相場と、二次加工地である中国及びベトナム工場での加工費に依存され、漁獲高、為替変動等の影響により、その価格が大きく変動するリスクがありました。当社グループにおいては、リスク回避のために新たな調達先を世界的規模で積極的に開拓しております。新たな開拓地域へ日本式漁法を導入し効率的な漁労環境を確立するとともに、当地の提携工場に生産ラインを設置し、水揚げから加工、日本への輸出までのサプライチェーンを一気通貫で構築することによる加工経費の低減及び特恵関税の適用等、仕入原価への好影響が期待されます。この様に仕入先を複数の国・地域に分散しているほか、調達ルートを複数保有し、価格交渉力を高めることで、安定的な仕入れ価格および数量の確保に努めております。しかしながら想定以上に相場が高騰した場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

3.出退店政策の基本方針

当社グループは、予め一定以上の集客を見込めるショッピングセンター(以下「SC」という。)、スーパーマーケット、ホームセンター、百貨店、駅構内等の商業施設及び路面に出店しており、立地条件、賃貸条件、店舗の採算性等の観点から、好立地を選別した上で、出店候補地を決定しております。そのため、計画した出店数に見合った出店地を十分に確保できない可能性もあり、その場合には、当社グループの業績見通しに影響を及ぼす可能性があります。

 

4.市場環境の変化、競合の状況

当社グループは、主要な事業を日本国内において、また海外においても一部事業を展開しています。そのため、事業を展開している国内、海外の景気や個人消費の動向などの経済状態や外食業界の環境が悪化した場合、また、顧客の嗜好の変化等に当社が対応できなかった場合、さらに出店地の周辺環境の変化等により店舗の集客力が低下する場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5.特定の取引先・製品・技術等への依存に関する重要事項

①主要製品への依存

当社グループは、主にたこ焼を販売する業態である「築地銀だこ」の店舗の売上構成比が高い状況であるため、たこそのものやたこ焼に対する消費者の嗜好に変化が生じた場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

②特定の仕入先からの仕入の依存

 地政学的なリスクが高まっている昨今の状況に鑑み当社グループは特定の供給源に依存及び偏重することなく子会社のHERO-SARLのモーリタニア工場を主軸に複数の地域・企業より分散した仕入を実施し調達ルートを世界的規模で複数保有するに至っておりますまた新たな仕入先を積極的に開拓するなど供給源の集中により惹起されるリスクを分散しております

 しかしながら、何らかの要因により、調達ルート先との取引が継続できなくなった場合は、当社グループの業績等や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ショッピングセンター等への出店について

当社グループは、SC等の大規模小売店に多数の店舗を展開しております。今後、SCを取り巻く環境の変化や業界再編、SCの集客力の変動、及びSCの運営企業の出店戦略の変更等により当社グループの出店するSCが閉鎖される事態が生じた場合には、当社グループの業績等及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

6.フランチャイズ・チェーン展開に関する重要事項

当社グループは直営店による事業拡大とともに、加盟者との間で「フランチャイズ契約」を締結し、店舗展開を行っております。当社グループは同契約により、加盟者に対し、スーパーバイザー等を通じて、店舗運営指導や経営支援等を行っております。

また、当社から独立した加盟者を中心に設立され、当社グループの業態を運営する者をメンバーとするオーナー会は、「チェーン経営向上委員会」「総務広報委員会」の2つの委員会の活動を通じて、相互協調とチェーンの向上・発展に努めており、当社グループと加盟者との関係は円満に推移しております。

しかし、当社グループの指導や支援が及ばない範囲で、加盟者において当社グループ事業の評判に悪影響を及ぼすような事態が発生した場合には、当社グループ及びブランドのイメージに悪影響を与え、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

7.特定人物への依存

当社の創業者で代表取締役社長である佐瀬守男は、経営方針や経営戦略の決定をはじめとして、当社グループの事業活動全般において重要な役割を果たしております。

現時点において、当社グループの事業は、当社グループの役職員により計画及び運用されておりますが、当社代表取締役社長である佐瀬守男に不測の事態が生じた場合には、円滑な事業の推進に支障を来たす可能性があります。

 

8.有利子負債依存度の状況

当社グループは、新規出店資金やM&A資金を含めた、設備投資及び新規事業展開に必要な資金を、自己資金の他、金融機関からの借入金によって調達しております。銀行借入についてはコミットメントライン等の借入枠を設定しており、自己資金を超えた資金需要が出た場合には今後も当該借入枠を利用して出店等を行う予定であります。

また、現時点での借入金の大半は変動金利となっているため、金利の変動により資金調達コストが上昇した場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

9.重要な財務制限条項

当社は、株式会社三井住友銀行及び株式会社みずほ銀行を主幹事とする銀行団とシンジケート方式によるコミットメントライン契約及びタームローン契約を結び、また、株式会社三菱UFJ銀行とコミットメントライン契約及びタームローン契約、農林中央金庫とタームローン契約を締結しており、借入を実行または実行を予定しております。本借入には、純資産の維持、経常利益の維持に関する財務制限条項が付されております。

同条項に定める所定の水準が達成できなかった場合には、借入金利の引上げや借入金の期限前弁済を求められる可能性があるため、今後の業績や財務状況により、本財務制限条項へ抵触することとなった場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

10.資産の減損、含み損の存在、発生可能性

当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。今後とも収益性の向上に努める所存でありますが、店舗業績の不振等により、固定資産及びリース資産の減損会計による損失を計上することとなった場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループでは、既存事業の海外展開や、新規事業の展開などによる事業拡大を図っております。M&Aによる企業買収や新規事業の展開の結果、連結上ののれんやテリトリーフィーや店舗開設フィーの長期前払費用が生じて、当該のれんが買収時における評価を大幅に下回り、減損の対象となった場合や、計画通りに事業が進展せずに当該前払費用が減損の対象となった場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

11.自然災害について

当社グループの出店地域及び仕入先が所在する地域において大規模な地震等の災害が発生し、店舗や設備の損壊、道路網の寸断、交通制御装置の破損等により、店舗運営並びに仕入等が困難になった場合には、一時的に店舗の売上が減少する可能性があります。また、災害等の被害の程度によっては、修繕費等の多額の費用が発生する可能性があり、結果として当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

12.カントリーリスクについて

当社グループは、アジアを中心とした海外へ積極的に店舗展開しており、また、食材の一部を海外から仕入れております。

海外市場における事業活動には、進出国における政治、経済、法律、文化、宗教、習慣や為替等の潜在リスクがあり、当社グループは現地の動向を随時把握し、適時適切に対応していく方針でありますが、これらに関して不測の事態が発生し、想定通りの事業展開が行えない場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

13.為替変動リスクについて

当社グループが提供する商品の原材料のたこは海外から輸入されているため、その価格は為替変動の影響を受けております。当社は、為替予約により、為替変動リスクを回避する努力を行っておりますが、適切かつ機動的な為替予約を必ず行えるという保証はなく、為替の変動が当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

 

14.労働者の雇用について

当社グループは、業種柄多くの短時間労働者が就業しております。今後の店舗展開に伴い適正な労働力を確保できないあるいは人件費が増加する可能性があります。また、労働関連法規の改定や年金制度の変更が行われた場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営成績等の概要

(1)経営成績

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染防止に伴う行動制限や海外からの入国制限の緩和、さらに5月8日から新型コロナウイルス感染症が5類感染症へと移行されるなど、社会経済活動の正常化・活発化に向けた動きが見られるものの、ウクライナ情勢の長期化による資源や原材料価格の高騰など、景気の動向は依然として不透明な状況が続いております。また、外食産業におきましては、行動制限のない社会生活を取り戻し、店内飲食への抵抗感も減少し、客数も順調に回復しておりますが、仕入価格の高騰や人件費・光熱費等の上昇など、引き続き厳しい経営環境が続いております。

このような状況下、当社グループは、当連結会計年度を初年度とする中期経営計画を策定し、株式会社ホットランドをベースの収益基盤として、5本柱の、株式会社ホットランドにおける「築地銀だこ」事業、株式会社オールウェイズにおける酒場事業、株式会社ホットランドネクステージにおける主食事業、株式会社ファンインターナショナルにおける京都等の観光地における飲食事業やクリエイティブ事業(設計内装)、海外における事業展開等で安定と成長を目指してまいります。

「築地銀だこ」事業においては、第4四半期連結会計期間では、全国の築地銀だこ店舗(一部店舗を除く)にて、11月17日から“ぜったいお得”な『秋の回数券』を数量限定で販売したほか、12月6日から12月10日までの5日間、日頃からご愛顧いただいている皆様へ1年間の感謝を込めた、『年末感謝祭』を開催いたしました。12月6日から8日までの3日間は、創業以来1番人気!“ぜったいうまい!!たこ焼(ソース・8個入り)”を、税込価格より100円引きでご提供し、同月8日から10日までの3日間は、スタンプが貯まるとたこ焼が無料でもらえる“銀だこ スタンプカード”のスタンプ2倍を実施いたしました。また、11月14日から12月4日、12月18日から12月31日までの期間、株式会社MIXIが展開する人気スマホゲーム「ことば」で闘う新感覚RPG「共闘ことば RPG コトダマン」と、初のコラボレーションを実施したほか、12月12日から1月31日までの期間、全国の築地銀だこ店舗(一部店舗を除く)にて、TVアニメ「推しの子」とのコラボレーションを実施いたしました。また商品関連では、11月8日より<プレミアム明太シリーズ>『焦がし醤油 もちチーズ明太』を期間限定で販売するなど、自社キャンペーン・コラボレーション・新商品と積極的な販売促進活動を実施いたしました。デリバリーサービスについては、導入可能な店舗にはほぼ導入が完了したことから、次の施策としてサービス自体の認知拡大と併せ1店舗あたりのデリバリー売上拡大に取り組んでおります。こうした取り組みにより、当連結会計年度における既存店売上高前年比は115.1%となりました。出店については、2月に「マーサ21店」、3月に「エスコンフィールド店」、「あべのキューズモール店」、「大岡山店」、4月に「手稲店」、「アル・プラザ草津店」、「ジョイホンパーク吉岡店」、6月に「Mav行徳店」、10月に「学芸大学駅前店」及び「草加ヴァリエ店」、11月に「那覇メインプレイス店」及び「イオンモール広島府中3F店」、12月に「あまがさきキューズモール店」の13店舗をオープンしたほか、「築地銀だこ」と「コールド・ストーン・クリーマリー」の併設型店舗の「多摩境店」を3月に、「船橋店」を7月にオープンし、6月にはコールド・ストーン・クリーマリーの新たな旗艦店となる「コールド・ストーン・クリーマリー 原宿店」をオープンいたしました。なお、昨今の円安や原材料価格の高騰、人件費・物流費・光熱費の上昇等を企業努力だけで吸収することが難しい状況となったことから、3月1日より商品価格の改定をいたしましたが、売上は継続して堅調に推移しております。また、子会社のHERO-SARLのモーリタニアたこ工場は、従来の生産能力を倍増すべく、工場の近代化及び増築工事を進めております。同工場はBRC認証を取得していますが、より安定した品質を追求すべく、2024年8月完工予定の冷凍加工・保管設備を中心に近代化改装及び増築工事を進めております。

酒場事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響が薄まり国内外の人流が活発になってきたことから、各業態ともに引き続き好調に推移いたしました。「銀だこハイボール酒場」については、「銀だこハイボール横丁 秋葉原店」を4月に、「門前仲町店」を9月に直営店で出店したほか、フランチャイズによる地方出店にも積極的に取り組み、3月に「春日部店」、4月に「佐賀駅店」、9月に「吉塚店」、10月に「新潟駅前店」及び「高松店」をオープンいたしました。また、「銀だこハイボール酒場」業態以外の出店も加速し、2月に「おでん屋たけし」の「新横浜店」及び「千葉駅東口店」、3月に「渋谷店」、4月に「八重仲ダイニング店」、8月に「西五反田店」、11月に「渋谷宮益坂店」をそれぞれ出店し、「もつやき処 い志井」は3月に「中目黒店」を、「日本再生酒場」は7月に「築地本店」を出店いたしました。さらに、新業態として“日常の生活の中で気軽に立ち寄れ、お酒も楽しめる街のレストラン”をコンセプトに誕生した「大衆ビストロ コタロー」の1号店(調布店)を5月に、2号店となる「五反田店」を7月に出店したほか、12月にはトビウオを使用した“あご出汁”と、濃厚な“鶏出汁”が決め手!の創作もんじゃ「古民家もんじゃ だしもん」の「池袋南口店」をオープンいたしました。

 

主食事業においては、2月に「野郎めし」の「つくば店」、3月に「本庄店」及び「高崎店」、4月に「白岡店」及び「桶川店」、8月に「松戸店」、9月に「野田店」を出店したほか、6月には初の都市型店舗として「蒲田東口店」を東京23区内に出店いたしました。また、3月に「東京油組総本店 <油そば>」の「錦糸町組」及び「相模原組」、4月に「手稲組」、6月に「天神組」及び「天台組」、7月に「宇都宮組」及び「五反田組」、8月に「大街道組」、9月に「茨木組」、10月に「つくば谷田部組」、12月に「土浦組」を出店いたしました。なお、「相模原組」・「天台組」・「つくば谷田部組」は、「築地銀だこ」のロードサイド型店舗である「相模原中央店」・「天台ドライブイン店」・「つくば谷田部ドライブイン店」を改装し、「築地銀だこ」と「東京油組総本店 <油そば>」の併設型店舗として出店した新しい出店形態となります。さらに新業態として、注文が入ってからひと釜ずつ丁寧に炊き上げた釜めしと、厳選した蕎麦を提供する「釜めしと蕎麦 かまど」の「鹿沼店」を12月に出店いたしました。

製販事業においては、冷凍たこ焼の大手コンビニエンスストア向け卸販売のほか、アイスクリーム製品の大手スーパーマーケット向けの販路が拡大し、引き続き好調に推移いたしました。また冷凍たこ焼については、現在海外販路の開拓にも積極的に取り組んでおります。

海外事業においては、アセアンでは新型コロナウイルス感染症に関わる各種規制が緩和され、本格的なアフターコロナに向けた経済活動の活発化が進んでおり、タイに4店舗、インドネシアに3店舗、シンガポールに1店舗のフランチャイズによる出店をいたしました。また、香港では新型コロナウイルス感染症の影響が未だ残りかつ外部環境の変化が顕在化しているものの、直営店舗は営業黒字を維持している店舗も多く、7店舗の出店をいたしました。引き続き商機を吟味しつつ出店してまいります。なお、米国における貿易事業も開始し、主に国産水産物の輸出が進捗しております。

観光地に店舗を多く有する株式会社ファンインターナショナルの運営店舗は、新型コロナウイルス感染症の影響が薄まり海外からの入国制限が緩和されたことにより引き続き堅調に推移いたしました。出店については、昭和初期に建築された歴史ある京町屋の古き良き部分や和の趣を残しながら現代的なモダンさを取り入れた炉端焼きが味わえる新業態「炭炉まん(すみろまん)」京都四条烏丸を5月に、8月には地元食材をふんだんに使った群馬名物の釜めし・郷土料理のお切込み・ひもかわうどん・手間ひまかけた自慢の炭焼(串&炉端)等をご堪能いただける「草津湯畑 まんてん」を草津温泉 湯畑の目の前の絶好のロケーションに直営店でオープンいたしました。

また、炭火を使ってみんなで「つくる・食べる・楽しむ」をコンセプトに、今までのバーベキューや焼肉とは異なる新たな食体験ができると人気を博している全天候型のインドアバーベキュー施設「スミテラス」1号店の猪名川店に続き、9月に新業態のカフェ「シカモア」と併設する形で群馬県桐生市黒保根町水沼に2号店目をオープンいたしました。

この結果、当社グループの当連結会計年度末の店舗数につきましては、出店74店舗(国内58店舗・海外16店舗)、退店36店舗(国内24店舗・海外12店舗)により、732店舗(国内644店舗・海外88店舗)となりました(業態変更による出退店及び店舗集約による退店3店舗は含んでおりません)。

以上の結果当連結会計年度における売上高は38,710百万円(前期比20.4%増)、営業利益は2,235百万円(前期比28.2%増)となりましたまた為替予約の時価評価による為替差益等の計上により経常利益は2,635百万円(前期比1.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、国内及び海外店舗に関する閉店店舗の固定資産除却損及び店舗整理損失並びに不採算店舗に関する固定資産の減損などの損失の計上などにより、1,021百万円(前期比24.8%減)となりました

 

 

店舗数の推移は、以下のとおりであります。

(店舗数の推移)

区分

ブランド

前連結会計年度

当連結会計年度

国内

築地銀だこ

425

426

銀だこハイボール酒場等

64

69

油そば(東京油組総本店)

27

38

おでん屋たけし

12

18

野郎めし

11

16

日本再生酒場・もつやき処い志井

15

14

銀のあん

11

10

大釜屋

10

9

ごっつい

8

7

米福

6

6

満天

4

5

コールドストーン

2

5

日本橋からり

4

4

その他

14

17

小計

613

644

海外

築地銀だこ

57

59

銀カレー

15

15

銀のあん

7

7

銀だこハイボール酒場

1

1

その他

4

6

小計

84

88

合計

697

732

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高(以下「資金」という)は485百万円減少し、2,729百万
円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動の結果、増加した資金は2,938百万円(前期は2,896百万円の増加)であります。この増加は主に税金等調整前当期純利益1,651百万円、減価償却費1,408百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動の結果、減少した資金は2,684百万円(前期は1,835百万円の減少)であります。この減少は主に有形固定資産の取得による支出が2,179百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動の結果、減少した資金は740百万円(前期は909百万円の減少)であります。この減少は主に長期借入れによる収入が252百万円、短期借入金の純増加額が1,802百万円あった一方で、長期借入金の返済による支出が1,477百万円、自己株式の取得による支出が785百万円あったことによるものであります。

 

生産、受注及び販売の実績

(1)仕入実績

 当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(千円)

前年同期比(%)

飲食事業

16,294,629

122.7

合計

16,294,629

122.7

(注)金額は仕入価格によっております。

 

(2)販売実績

 当連結会計年度の販売実績を契約形態ごとに示すと、次のとおりであります。

契約形態

販売高(千円)

前年同期比(%)

国内

直営

22,853,495

124.0

FC

5,251,984

113.2

PC

7,284,133

122.9

その他

925,212

68.7

小計

36,314,827

119.7

海外

直営

1,918,740

118.8

FC

85,197

73.0

PC

その他

391,605

441.1

小計

2,395,543

131.6

合計

38,710,370

120.4

 

 

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成におきましては、経営者による会計方針の選択適用、合理的な見積りが必要とされます。当該見積りにあたりましては、当社グループにおける過去の実績等を踏まえ合理的に判断しておりますが、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループが採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、財政状態及び経営成績に特に重要な影響を与える会計方針と見積りは、以下のとおりと考えております。なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」記載されております。

 

① 固定資産の減損処理の測定基準

 当社グループは、店舗、工場及び賃貸物件など多くの固定資産を有しております。これら固定資産につきまして減損の認識が必要とされた場合の回収可能価額は、「固定資産の減損に係る会計基準」等に従い合理的に算定しておりますが、前提が異なることとなった場合には、将来追加で減損処理が発生する可能性があります。

 

② 繰延税金資産の計上基準

 当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金を有しております。これらにかかる繰延税金資産の計上にあたりましては、「税効果会計に係る会計基準」等に従い回収可能性を判断しており、将来の課税所得見積りは、その実現可能性について十分な検討を行い、必要に応じて評価性引当額を計上しております。しかし、将来の経営環境の変化などにより回収可能見込額が変動した場合には、繰延税金資産の取崩又は追加計上が発生する可能性があります。

 

(2) 財政状態に関する分析

 資産、負債および純資産の状況は下記のとおりであります。

(資産)
 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して1,649百万円増加し23,713百万円となりました。その主な要因は、投資有価証券が213百万円、有形固定資産が669百万円増加したこと等によるものであります。

(負債)
 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比較して1,574百万円増加し12,957百万円となりました。その主な要因は、短期借入金が1,802百万円増加したこと等によるものであります。

(純資産)
 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比較して75百万円増加し、10,756百万円となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益1,021百万円を計上した一方、自己株式785百万円を取得したことによるものであります。

 

(3)経営成績の分析

 当連結会計年度の経営成績は、本報告書の「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の概要(1)経営成績」に記載しておりますが、その主な要因は次のとおりです。

 

①「築地銀だこ」の既存店舗における売上高の推移
 当連結会計年度においては、自社キャンペーン・コラボレーション・新商品と積極的な販売促進活動を実施いたしました。デリバリーサービスについては、導入可能な店舗にはほぼ導入が完了したことから、次の施策としてサービス自体の認知拡大と併せ1店舗あたりのデリバリー売上拡大に取り組んでおります。
 その結果、「築地銀だこ」事業の既存店舗における売上高は前年比115.1%(築地銀だこ業態:前年比114.1%、酒場業態:前年比122.1%)となりました。

②製販事業
 製販事業においては、冷凍たこ焼の大手コンビニエンスストア向け卸販売のほか、アイスクリーム製品の大手スーパーマーケット向けの販路が拡大し、引き続き好調に推移いたしました。また冷凍たこ焼については、現在海外販路の開拓にも積極的に取り組んでおります。

 

③海外事業
 海外事業においては、アセアンでは新型コロナウイルス感染症に関わる各種規制が緩和され、本格的なアフターコロナに向けた経済活動の活発化が進んでおります。また、香港では新型コロナウイルス感染症の影響が未だ残りかつ外部環境の変化が顕在化しているものの、直営店舗は営業黒字を維持している店舗も多く、引き続き商機を吟味しつつ出店してまいります。なお、米国における貿易事業も開始し、主に国産水産物の輸出が進捗しております。

 

 以上の結果、当連結会計年度の経営成績は下記のとおりとなりました。

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は38,710百万円となり、前連結会計年度に比べ20.4%の増加となりました。

(営業利益)

 当連結会計年度の営業利益は2,235百万円となり、前連結会計年度に比べ28.2%の増加となりました。

(経常利益)

 当連結会計年度の経常利益は2,635百万円となり、前連結会計年度に比べ1.0%の増加となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は1,021百万円となり、前連結会計年度に比べ24.8%の減少となりました。

 

(4)キャッシュ・フローの状況についての分析

 当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高(以下「資金」という)は485百万円減少し、2,729百万
円となりました。

 各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動の結果、増加した資金は2,938百万円(前期は2,896百万円の増加)であります。この増加は主に税金等調整前当期純利益1,651百万円、減価償却費1,408百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動の結果、減少した資金は2,684百万円(前期は1,835百万円の減少)であります。この減少は主に有形固定資産の取得による支出が2,179百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動の結果、減少した資金は740百万円(前期は909百万円の減少)であります。この減少は主に長期借入れによる収入が252百万円、短期借入金の純増加額が1,802百万円あった一方、長期借入金の返済による支出が1,477百万円、自己株式の取得による支出が785百万円あったことによるものであります。

 

 

(5)キャッシュ・フローの状況についての分析に基づく資本の財源及び資金の流動性について

 キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、本報告書の「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の概要(2)キャッシュ・フロー」に記載の通りであります。

 なお、当社グループの事業活動における運転資金の需要の主なものは、生産に必要な運転資金(原材料・人件費及び外注費)、従業員給与等の販売費及び一般管理費があります。また、設備資金需要としましては、海外子会社を含む新規店舗の出店及び既存店舗の改装およびМ&A等があります。

 これらの事業活動に必要な資金は、内部資金の活用を基本としておりますが、必要に応じて資本市場からの資金調達及び金融機関からの借入による資金調達も行っております。十分な手元流動性資金と金融機関の借入枠を有しているため、今後の運転資金及び投資資金需要にも十分対処できる状況であります。

 

(6)経営戦略の現状と見通し

 外食市場におきましては、消費者の低価格志向・節約志向・中食需要の拡大等により大変厳しい環境となっておりますが、今後もコンビニや中食各社を含めた企業間競争の激化などもあり、厳しい状況は続くことが想定されます。

 当社グループは、日本一のたこ焼チェーンから日本を代表する外食企業グループを目指して、5本柱の、株式会社ホットランドにおける「築地銀だこ」事業、株式会社オールウェイズにおける酒場事業、株式会社ホットランドネクステージにおける主食事業、株式会社ファンインターナショナルにおける京都等の観光地における飲食事業やクリエイティブ事業(設計内装)、海外における事業展開等を通じて、飛躍的な成長を目指してまいります。

 具体的には、(ア)株式会社ホットランドにおける「築地銀だこ」事業において、積極的な販売施策の実施、デリバリー強化策、ロードサイド店の出店を、(イ)株式会社オールウェイズにおける酒場事業において、銀だこハイボール酒場、おでん屋たけし、もつ焼き処い志井・日本再生酒場の各店舗の積極的な出店を、(ウ)株式会社ホットランドネクステージにおける主食事業において、野郎めし、東京油組総本店の積極的な出店と、新業態の開発を、(エ)株式会社ファンインターナショナルにおける飲食事業やクリエイティブ事業において、インバウンドに伴う観光地の飲食店舗出店、アウトドア用飲食マーケットの開拓、グループ内店舗の内装強化と外販を、(オ)海外において、米国におけるフラグシップ店舗の展開、冷凍たこ焼及び水産物の卸事業の拡大、アセアンを中心としたFC事業の拡大をそれぞれ進めてまいります。

2024年12月期につきましては、原材料価格の高騰、円安の進行、人件費や光熱費等の上昇なども踏まえ、当連結会計年度を初年度とする中期経営計画に基づき、株式会社ホットランドをベースの収益基盤として、5本柱で成長を目指してまいります。

 

(7)経営者の問題認識と今後の方針について

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染防止に伴う行動制限や海外からの入国制限の緩和、さらに5月8日から新型コロナウイルス感染症が5類感染症へと移行されるなど、社会経済活動の正常化・活発化に向けた動きが見られ、外食産業におきましても、行動制限のない社会生活を取り戻し、店内飲食への抵抗感も減少し、客数も順調に回復しておりますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は日本のみならず全世界において膨大な損失を与え、また、国内外の人々の生活に甚大な影響を及ぼし、社会全体が大きく変わる可能性があります。当社はこのような時代だからこそ「企業個性」を磨き、さらに強く発揮することが最も重要であると考えております。

 当社は、創業以来、挑戦と失敗を繰り返し、その失敗から学び、成長を遂げてまいりました。その中で培った個性が「自由な発想力」、「行動力」、「スピード感」、「現場力」、そして、何よりも大切にしているものは「人を想う心」です。これらの「企業個性」には、時代や環境の変化への「対応力」があると信じております。「人を想う心」を持った人材を育て上げ、日本の良き「共食」文化を世界に広げてまいります。

 また、世界のマーケットでは、「和食」は日本の重要輸出品目であり、健康食としての和食ブームは今後もますます拡大していくことと考えております。

 当社グループの店舗へのお客様の支持を獲得し続けていくために、当社グループは本来食事の持つ「おいしさ」、「あたたかさ」、「楽しさ」を大切にし、安全で美味しい商品を提供し続けてまいります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

(1)店舗運営に関する契約

 当社は、加盟者との間で、「築地銀だこフランチャイズ契約」を締結し、所定の店舗所在地において、「築地銀だこ」の標章及び「築地銀だこフランチャイズシステム」を使用し、店舗を運営する権利等を付与しております。当該契約には次の3つの種類があり、各契約の内容の要旨は、次のとおりであります。

契約の種類

概要

契約期間

契約条件

加盟金

ロイヤリティー

又は業務委託料

FCA契約

・加盟者が店舗内装設備及び什器の所有権を有する

・加盟者がデベロッパー又は建物賃貸人との間で店舗に関する契約(賃貸借契約等)を締結する

契約締結日から開始し、営業開始予定日の5年目の応答日の前日に終了する(期間満了後1年間の自動更新あり)

200万円

ロイヤリティー

月間売上高の5%

(条件により変動)

FCB契約

・加盟者が店舗内装設備及び什器の所有権を有する

・当社がデベロッパー又は建物賃貸人との間で店舗に関する契約(賃貸借契約等)を締結する

契約締結日から開始し、営業開始予定日の5年目の応答日の前日に終了する(期間満了後1年間の自動更新あり)

200万円

ロイヤリティー

月間売上高の5%

(条件により変動)

PC(パートナーコントラクト)契約

・当社が店舗内装設備及び什器の所有権を有する

・当社が加盟者(PCオーナー)に店舗の運営業務を委託

契約締結日から開始し、営業開始予定日の5年目(IPC契約の場合は3年目)の応答日の前日に終了する(期間満了後1年間の自動更新あり)

200万円

(IPC契約の場合の独立権利金は100万円)

業務委託料

店舗の収益性に応じて設定

 

(2)エリアフランチャイズ契約

 当社は、各テリトリー内において、当社が保有する各ブランドを使用し、店舗を運営する権利等を付与しております。

契約相手先の名称

テリトリー

及びブランド

契約期間

契約条件

権利金

ロイヤリティ

株式会社

タコプランニング

埼玉県

(築地銀だこ)

2002年4月1日から満6年間

(期間満了後3年間の自動更新あり)

契約締結時に一定額を支払う

エリア内店舗の月間売上高の一定率に相当する金額とその消費税を支払う

Siam Santa Foods Co., Ltd

タイ王国

(築地銀だこ)

2013年11月15日から満2年間

(双方合意による更新の規定あり)

契約締結時に一定額を支払う

エリア内店舗の月間売上高の一定率に相当する金額を支払う

Splendid Co., Ltd.

タイ王国

(銀のあん(クロワッサンたい焼含む))

2014年8月15日から満8年間

(期間満了後5年間の自動更新あり)

契約締結時に一定額を支払う

エリア内店舗の月間売上高の一定率に相当する金額を支払う

 

 

契約相手先の名称

テリトリー

及びブランド

契約期間

契約条件

権利金

ロイヤリティ

PT Foods Beverages Indonesia

インドネシア

(築地銀だこ)

 

2017年11月28日から満5年間(期間満了後5年間の自動更新あり)

契約締結時に一定額を支払う

エリア内店舗の月間売上高の一定率に相当する金額を支払う

ピセ株式会社

シンガポール

(築地銀だこ)

2019年6月1日から満5年間(期間満了後1年間の自動更新あり)

契約締結時に全額を支払う

エリア内店舗の月間売上高の一定率に相当する金額を支払う

 

(3)「COLD STONE CREAMERY」に関するMaster License Agreement

契約会社名

相手先の名称

相手先の所在地

契約期間

契約内容

契約条件

株式会社ホットランド

Kahala Franchising, LLC

米国

2005年5月2日から25年間

日本国内において「COLD STONE CREAMERY」のアイスクリーム店を運営する権利及びサブライセンスをする権利を付与する契約

 当社より以下の金額を 支払う

 

① 契約時にマスターライセンスフィー及び店舗開設フィーとして一定額

 

② 定期フィーとして、

  以下の金額のうちい

  ずれか大きい金額

  a 月間総収入の一定

  率相当額

  b サブライセンシー

  に請求している月間

  ロイヤリティの一定

  率相当額

 

③ マーケティングフィーとして、店舗形態ごとに予め定められた月間総収入の一定率相当額

 

(4)「東京油組総本店」の複合商業施設における排他的独占的なフランチャイズ権の付与等に関する契約

契約会社名

相手先の名称

相手先の所在地

契約期間

契約内容

契約条件

株式会社ホットランド

株式会社サッポロ実業

東京都豊島区

2019年8月20日から10年間

日本国内において「東京油組総本店」を運営する権利及びサブライセンスをする権利を付与する契約

当社より以下の金額を支払う。

 

①契約時にマスターライセンスフィー及び店舗開設フィーとして一定額

 

②定期フィーとして毎月一定額

 

(5)海外における合弁契約等

契約会社名

相手先の名称

相手先の所在地

契約締結日

合弁会社名

契約内容

株式会社ホットランド

LOOB Ventures Sdn.Bhd.

マレーシア

2016年1月20日

LH Venture Sdn.Bhd.

マレーシアでの当社ブランド築地銀だこ・日本橋からり等の直営店の運営及びFC展開を行うことを目的とした合弁会社設立のための契約

 

 

 

 

6【研究開発活動】

 当連結会計年度においては、未だ確立されていない真だこの完全養殖技術の開発及び産業化に向けた研究や、それらを活かした商品開発・高付加価値機能食品などの様々な研究開発活動を行ってまいりました。当社は上天草水産研究所を設立し、科学技術振興機構(JST)から補助金を受けて宮城大学他と産学官で共同したプロジェクトを行っております。

 

 上天草水産研究所による研究開発項目は次のとおりであります。

① 真だこの完全養殖

宮城大学・東北大学・東海大学・石巻養殖業者等との共同プロジェクト

科学技術振興機構(JST)の受諾(2013年~)研究活動

② たこを主原料とした高付加価値商品の研究開発

天然由来のタウリン・DHA・コンドロイチン・低カロリー食品

 

 当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は33,007千円であります。