以下の当社グループの財政状態及び経営成績の検討及び分析は、本報告書に添付された連結財務諸表及び注記に関連づけて読まれる必要があります。別段に示されない限り、当社グループの連結財務諸表及び以下に記載される財政状態及び経営成績の検討及び分析は、日本GAAPに従って作成されております。また、かかる財政状態及び経営成績の検討及び分析は、将来の事実及び経営成績に関する当社グループの現時点における見解を反映した予想を含んでおります。当社グループの実際の経営成績は、「事業等のリスク」における記述を含むいくつかの要因の結果によりこれらの予想と大きく異なる可能性があります。
(1) 経営の基本方針
当社は、ケイマン諸島においてケイマン法に基づいて設立・登記されたグローバルな投資会社で、香港に事業本部を構え、日本、シンガポール、マレーシア、インドネシア、中国及びカナダに子会社を有しております。子会社の新華モバイル(香港)リミテッドを通じて知的財産権の取得及びライセンシングを行っています。また、子会社の GINSMS(トロント・ベンチャー証券取引所に上場、TSXV:GOK)を通じてモバイル・メッセージング・サービス並びにソフトウェア製品及びサービスを提供しています。また、投資持株会社とし投資事業を通して、新たな収入源の獲得も目指して参ります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、業績並びに売上高、営業利益、経常利益、当期純利益及びキャッシュ・フローといった経営指標の変動率を重視しており、それは、当社グループが、これらの指標に照らして業績を評価していることによります。
(3) 中長期的な経営戦略
当社グループは、既存事業の拡大を目指すと共に、投資持株会社とし投資事業を開始し、将来的には当該投資事業を当社グループの中核事業として位置づけたいと考えております。具体的には、投資物件が安定した賃貸収入を生み出し、不動産価値に潜在的なキャピタルゲインを提供できることを考慮し、グローバルに、かつ特に不動産市場が繁栄している地域において優良な投資対象を選定の上、投資目的で不動産を取得する予定です。また、将来的には当社グループの成長、経営安定化及び企業価値増大を目指し、収益力及び将来性を具備する企業・事業の取得等戦略的投資活動を通して、新しい収益源を獲得できるよう努めます。
(4) 対処すべき課題
当社グループは、事業に関する以下のような問題点を解決するため、引き続き適切な措置を講ずる予定です。当社の深刻な財政状態が、本来事業開発のために利用されるべき経営資源を制限しております。当社は過去に多大な損失を被り、多くの資金が失われました。当連結会計年度においては、前連結会計年度から引き続き営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、当社グループは、引き続き深刻な財政状態に直面しております。
1) 当社グループの資産規模は非常に小さくなっており、事業の拡大に必要な資源が充分ではありません。その結果、収入が事業経費及び費用を賄いきれず、当社グループ全体に著しい損失をもたらしております。
2) 当社グループは、当連結会計年度において、前連結会計年度から引き続き営業損失2,604千米ドル(369百万円)を計上し、親会社株主に帰属する当期純損失3,180千米ドル(451百万円)を計上しており、営業活動によるキャッシュ・フロー支出は2,667千米ドル(378百万円)となっております。当社グループの事業がもたらす収入及びキャッシュ・フローは低水準又はマイナスとなっており、当社グループは資金不足の状態にあります。
対策
1.事業の損失削減及び収益性の向上のため、全社的な費用及び営業費用の更なる削減。
2.当社グループの限られた資金を活用しての重要な事業の促進。
3.業務提携を含むがこれに限定せず、その他様々な手法により新たな発展の機会をもたらす潜在投資家・提携先の発掘。
4.新たな資金調達により調達した資金による新たな収益源の獲得。
上記事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(5) その他会社の経営上重要な事項
株式併合及び授権資本の増加
2023年11月8日、当社の取締役会は、当社の発行済並びに未発行の普通株式、優先株式及び劣後株式を100株につき1株の比率をもって併合(以下「本株式併合」といいます。)すること、また、本株式併合が株主の皆様のご承認を得ることを条件として、本株式併合が有効となった直後に当社の授権資本を (a) 200,000,000 香港ドル、1 株当たり額面 1.00香港ドルの182,000,000 普通株式、一株当たり額面 1.00香港ドルの 13,000,000 優先株式及び一株当たり額面 1.00 香港ドルの 5,000,000 劣後株式から、(b) 20,000,000,000 香港ドル、1 株当たり額面 1.00香港ドルの18,200,000,000 普通株式、一株当たり額面 1 .00香港ドルの 1,300,000,000 優先株式及び一株当たり額面 1.00 香港ドルの 500,000,000 劣後株式に増加(以下「本授権資本増加」といいます。)させることを2023年度定時株主総会(以下「本株主総会」といいます。)の議案として付議することを決議し、2023年12月27日付開示文書「定時株主総会の決議事項について」にて、本株主総会において、本株式併合及び本授権資本増加が承認されたことをお知らせいたしました。本株式併合及び本授権資本増加のより詳細な情報については、上記2023年11月8日付開示文書、又は本株主総会の招集通知をご参照ください。なお、本株式併合の効力発生日は、2024年3月27日でした。
(6) 業績等の概要
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照下さい。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度において、当社が判断したものであります。
当社は、ケイマン諸島の法律に基づき設立・登記・運営されている会社で、主に東南アジア(香港・シンガポール、マレーシア及びインドネシア)に主たる子会社・オフィスを有しております。地球環境の保全が人類共通の重要課題の一つであることを認識し、事業活動を行うにあたり環境に配慮して行動することを基本方針としております。また、サステナビリティの取組みの強化は、会社の持続的な成長及び企業価値の向上のための重要課題の一つであると認識しております。
そのため、今後、取締役会及び監査委員会を中心にサステナビリティ関連のリスク及び機会の監視(ガバナンス)並びにサステナビリティ関連のリスク管理に努めて参ります。また、人材の多様性については、上記のとおり当社グループは、東南アジア各国において子会社・オフィスを有しており、当社取締役の3名の内2名は外国籍(日本以外)、1名は女性により構成されており、今後も多様な人材の採用・育成に努めて参る所存です。
(1) 事業等のリスク
上記「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 対処すべき課題」及び下記「(3) 当社の経営及び事業の継続性に関するリスク」に記載の課題・リスク及び対策以外に、当社が(外国会社であることを含め)認識している一般的・潜在的なリスクは以下のとおりです。
(a) 当社グループは、将来的に利益を計上することができなくなる可能性があります。
当社グループは、将来純損失を回避できる又は収益性を実現できることを保証することはできません。更に、のれんの増加を招く新たな買収、追加の売上高及び収入の減少若しくは発生の遅れ、経営陣の再編又は買収した企業の統合の失敗は、将来、大幅な営業損失及び純損失を招く可能性があります。
(b) 将来における買収が当社グループの事業管理能力に悪影響を与える可能性があります。
選び抜いた企業買収は、当社グループの事業を更に拡大するための当社グループの戦略の一部となっております。将来における買収及びその後の当社グループへの被買収会社の統合に際し、当社グループの経営陣がかなりの注意を払うことが必要となる場合があります。当社グループの経営陣の注意の分散及び統合のプロセスで遭遇する何らかの困難により、当社グループの事業管理能力が悪影響を受けるおそれがあります。将来の買収は、当社グループを潜在的なリスクにさらすおそれがあります。こうしたリスクには、新たな事業、技術、及び人材の融合に伴うリスク、予見しえない又は隠れた債務が発生・存在するリスク、当社グループの事業及び技術からのリソースが分散するリスク、買収のコスト及び費用に見合う十分な収益を上げられないリスク、及び新規事業の統合の結果、従業員、顧客、及びサプライヤーとの関係を失い又は損なう可能性があるリスクが含まれます。
(c) 当社グループは、将来における企業の買収から期待する利益を得られない可能性があります。
戦略的な買収は、当社グループ全体の成長戦略の重要な部分を占めております。当社グループは、過去において、様々な商品、顧客基盤、市場アクセス及び人材の獲得にとって極めて重要な買収を行ってきました。このような買収先企業の統合には、経営陣の関与、従業員の熱心な努力及び有能なリーダーシップが大いに求められます。良好な統合プロセスは、買収による利益の実現において重要なものとなっております。更に、当社グループは、買収から期待する収益及び費用に関するシナジーが実現されることを保証することはできません。買収が期待される当社の成長と発展という成果をもたらすとの保証はなく、また上記に記載した事項等により当該買収に関し、当社が重大な損失を被るおそれもあります。
(d) 当社グループが商品及びサービスを提供し改良する能力を維持しこれを更に発展させることができなかった場合、当社グループは収益成長を確保できない可能性があります。
当社の事業が属する産業は変化が激しく、当社グループのような企業は、投資決定にあたり当社グループが提供するような商品・サービスを利用する非常に要求水準の高い顧客基盤に対して、適時かつ適切なコンテンツ及び分析を提供する必要があります。当社グループがかかる能力を維持できない場合、又は継続的に改良を行い顧客のニーズの変化に対応できなかった場合、当社グループの売上げ及び収益性が低下する可能性があります。
(e) 新規及び既存の競合他社との競争に勝てなかった場合、当社グループは市場シェアを失い、収益性に悪影響が生じる可能性があります。
当社グループは、主に他のグローバルな企業と競合しております。競合他社の多くは当社グループに比べ、長い営業実績、幅広い商品群、豊富な資金力及び国際的に高い認知度を有しております。今後、当社グループの事業分野における競争が激化することが予想されます。当社グループは、新規及び既存の競合他社との競争に勝つことを保証することはできません。
(f) 当社グループは、他社による当社グループの知的財産の利用を阻止できない可能性があり、この場合当社グループの事業に悪影響が生じ、訴訟に巻き込まれる可能性があります。
当社グループは、当社グループのコンテンツ、ドメイン名、商号、商標及び類似する知的財産は、当社グループの成功に不可欠なものであると考えております。当社グループは、商標保護、著作権及び機密保持に関する法令及び契約に依拠することにより、当社グループの知的財産権の保護に努めております。
当社グループが講じてきた措置は、当社グループ専有の技術及び情報の不正利用の防止のためには十分でなかった可能性があります。いかなる不正利用も、当社グループの事業及び業績にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。更に、当社グループは、当社グループの知的財産権を主張するため法的手段を用いなければならなくなる可能性もあります。当社グループの知的財産に関連する訴訟は、多額の出費並びに経営資源及び経営陣の注意の分散を招く可能性があります。
(g) 当社グループは、新規事業計画に取り掛かっておりますが、当該新規事業計画が成功するとは限りません。
当社グループは、新規事業計画に取り掛かっております。しかし、当該新規事業計画は、期待していた成長又は発展を遂げることができない可能性があり、そのような場合には、当社グループの事業及び経営成績が悪影響を受けるおそれがあります。
(h) 当社グループの事業は、経営幹部による継続的な努力に大きく依拠しており、彼らの経営への関与が失われた場合、当社グループの事業に深刻な混乱を招く可能性があります。
当社グループの将来における成功は、当社の経営幹部の継続的な任務の遂行に大きく依拠しております。当社グループは、かかる経営幹部の専門知識、事業運営及び資金調達並びに株主、戦略的パートナー及び規制当局との関係に依拠しております。経営幹部のうちの1名又は複数が現在の地位を継続できなくなったか又はその意欲を失った場合、当社グループはかかる経営幹部の職務を容易に又は全く引継ぐことができない可能性があります。その結果、当社グループの事業が深刻に悪化し、財政状態及び経営成績に重大な悪影響が生じ、当社グループが人員を確保し育成するための追加費用を負担しなければならなくなる可能性があります。
また、かかる経営幹部のいずれかが競合他社に加わるか又は競合会社を設立した場合、当社グループは、顧客及び戦略的パートナーを失う可能性があります。当社の経営幹部の各々は、当社との間で、機密保持及び競業避止の規定を含む雇用契約を締結しております。当社の経営幹部と当社との間で何らかの紛争が生じた場合、当社は、かかる契約が有効に実施されるかにつき保証することはできません。
(i) 当社グループが貴重な人材及び能力の高い従業員を採用、育成及び確保することができない場合は、当社グループの事業が悪影響を受ける可能性があります。
当社グループは、より綿密な分析を提供する従業員、配信プラットフォームを維持かつ拡充するための情報技術及びエンジニアリング社員、当社グループの商品を販売するためのマーケティング社員、及び経営をサポートする管理事務スタッフを追加的に雇用する必要があると考えております。当社グループがこのような分野において十分な従業員を発掘、採用、雇用、育成及び確保できない場合、又は既存社員に対し十分なインセンティブ等を提供できず、その結果彼らを確保しておくことができない場合は、当社グループの商品及びサービスは、ユーザーの期待に反し、その結果かかるユーザーが競合他社に流れ、ひいては、当社の事業及び経営成績が悪影響を受けるおそれがあります。
(j) 現在及び将来の経営組織の拡大を適切に管理できない場合は、当社グループの事業は悪影響を受けるおそれがあります。
当社グループの今日までの成長は、当社グループの経営陣、システム及び経営資源に著しい負担を強いてきました。当社グループの人材を育成し活用することに加え、財務及び経営管理並びに報告システム・手続を引続き改善、開発する必要があります。当社グループが、経営組織の拡大を効率的又は効果的に管理できることは保証されておらず、かかる管理ができない場合には当社グループの成長が制約され、当社グループの事業戦略が妨げられる可能性があります。
(k) 必要となる追加的資本を調達できない可能性があります。
当社グループは、現在の現金及び現金同等物、営業活動からのキャッシュ・フロー及び資金調達活動による手取金が、当社グループの現金需要を満たすのに不十分である場合、新たな株式若しくは債券の発行をし、又は新たな信用枠の取得を図る可能性があります。追加的な株式の発行は、当社グループの株主にとって、さらなる希薄化をもたらすことになります。新たな債務を負うことにより、元利金支払義務が増大し、債務の負担に伴い当社グループの事業活動を制約するような事業・財務制限条項を負う可能性があります。当社グループが受け入れられる金額又は条件による資金調達ができるとの保証はありません。
(l) 当社グループの商品及びサービスの中に含まれている情報のために提訴される可能性があり、防御に時間と多額の費用がかかる可能性があります。
当社グループの商品及びサービスの中に含まれている情報に誤り若しくは虚偽又は誤解を招く情報を含んでいた場合、第三者が、当該情報の使用に関連して被った損失について当社グループに対して法的手続を取る可能性があります。いかなる請求も、根拠の有無にかかわらず、防御に時間と多額の費用がかかり、訴訟になり、かつ経営陣の注意及び労力を分散させるおそれがあります。
(m) 当社グループ資産の一部の価値が当社グループの連結財務諸表で計上した価額より減少する可能性があります。
当社グループの連結財務諸表に計上している、のれん、無形固定資産及び有価証券資産等の当社グループ資産の一部は、定期的な減損テスト及び評価替えの対象となります。当該テストにより、それらの資産が簿価より低い価値しかないと判断された場合、それらの価値は切下げられ、当社グループの財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
(n) 当社グループ子会社の当社に対する配当金の支払が規制又は制限された場合、当社の株主に対する配当可能資金が減少することになります。
当社は持株会社であり、完全子会社及び関係会社等の出資持分以外は、重要な資産を有しておりません。その結果、当社の株主に対する配当金の支払は、子会社から支払われる配当金、経営指導料その他のフィーに依存しております。仮に将来において子会社が負債を負った場合、当該負債に関連する契約には当社に対する配当その他の支払を制限する条項が盛込まれている可能性があります。また、子会社の設立準拠法に係る規制基準によっても、当社への支払能力が制限される可能性があります。
(o) 当社は、過去に配当金の支払を宣言又は実行したことがなく、将来においてもこれらを行わない可能性があります。
当社は、継続して純損失を計上しており、また将来、利益を計上できた場合においても企業価値を最大化するため、現時点においては、配当可能利益を事業に再投資し事業拡大のための資金に充当することを検討しております。従って、利益を計上し事業をある程度拡大できるまでは将来において配当金支払の宣言又は支払を行わない可能性があります。
(p) 当社の事業及び経営成績は世界経済の動向によって悪影響を受ける可能性があります。
当社の製品及びサービスに対する顧客の需要は、世界的な経済によって影響されます。経済情勢の不振により、顧客の業績又は当社の製品及びサービスに対する需要が低下する可能性があります。
(q) 数多くの国で事業を行うことにより当社はより多くのリスクに直面します。
当社は、香港、シンガポール、マレーシア、日本及びその他のアジア圏内に事務所を有しており、その収益の過半をアジア圏内から得ております。異なる国々で事業を展開することにより、当社は、当社の営業若しくは顧客の当社の製品及びサービスの利用に影響するような法律及び規制上の要件の変更、通貨の移動に関する規制、輸出入の規制、並びに政治経済上の不安定さ等、数多くの法律、経済及び規制上のリスクに直面します。これらの要素により、当社の事業及び運営に重大な悪影響が生じる可能性があります。
(r) ハードウェア及びソフトウェアの不具合、コンピュータ及び通信システムの遅延、システム強化の失敗により当社の事業が害される可能性があります。
当社の成功は、当社のコンピュータ及び通信システムの効率的かつ連続した稼動に依存しております。当社のネットワーク又はデータ収集に不具合が発生した場合、データ、データベース及びサービスの配信、顧客注文並びに当社の事業の日々の運営の処理が阻害され、かつ、データの損傷及び喪失を生じる可能性があります。当社が必要とするデータ通信能力を提供する当社のコンピュータ環境に不具合が生じた場合、当社のサービスが中断する可能性もあります。また、システムの強化及び改善策が計画より大幅に遅延し、又は完成したシステムのパフォーマンスが不調に見舞われた場合、当社の評判が損なわれ、当社の事業を害する可能性があります。
(s) 当社は、特定の資金調達の合意に基づく制限及び誓約条項を遵守することができない可能性があり、それにより、資金調達の合意上の条項に基づきデフォルトに陥り、早期償還条項が発動される可能性があります。
当社が現在若しくは将来の資金調達その他の合意の制限及び誓約条項を遵守することが出来ない場合、それらの合意の条項に基づきデフォルトに陥る可能性があります。デフォルトが発生した場合、債権者は、状況に応じて、当社への貸付のコミットメントを中止し、早期償還条項を適用して既存債務の全額につき弁済期の到来を宣言し、又はかかる合意を終了するといった対応をとる可能性があります。これらの事態が発生した場合、当社の資産及びキャッシュ・フローが、全ての債務につき全額の弁済を行うのに十分である保証はなく、また、代替的な資金調達先が見つかるという保証もありません。仮に代替的な資金調達先が得られたとしても、当社にとって有利又は受け入れられる条件で資金が調達できるという保証はありません。
(2) 株式に関するリスク
(a) 当社はケイマン諸島法に基づき設立されているため、同法制度上、投資家の利益を保護するのが困難である可能性があり、また投資家が日本の裁判所を通じて自己の権利を保護することが限られる可能性があります。
当社は、当社の基本定款及び附属定款並びにケイマン会社法及びその他のケイマン諸島の法体系に従うものとされております。ケイマン諸島法に基づく株主の権利及び取締役の受託者責任は、日本の制定法又は判例ほど明確に確立されておりません。特に、ケイマン諸島法は、日本法に比べて投資家保護が極めて限定的です。従って、かかる法制度上、当社の一般の株主は、経営陣、取締役、又は支配株主の関わる訴訟において自己の利益を保護することに関して、日本、米国又はその他の国で設立された会社の株主よりも困難となる可能性があります。更に、ケイマン諸島において設立された会社の株主は、日本の裁判所において株主代表訴訟を提起する資格を持たない可能性があります。
(b) 当社がケイマン諸島で設立され、当社の取締役及び経営幹部の一部が日本国外に居住しているため、投資家が当社若しくは当社の取締役及び経営幹部に対して訴訟を提起すること、又は当社若しくは当社の取締役及び経営幹部に対する判決についての執行を行う能力は限定されます。
当社はケイマン諸島で設立され、その経営は、主に香港及びシンガポールにおける当社の子会社を通じて行っております。当社の取締役及び経営幹部の一部は日本国外に居住しており、それらの者のほとんど全部の資産は日本国外にあります。その結果、投資家は自己の権利が金融商品取引法等の下で侵害されていると考えた場合であっても、当社又は当社の取締役及び経営幹部に対して訴訟を提起することは困難又は不可能である可能性があります。投資家がこのような訴訟を提起することができたとしても、関連する管轄地域の法律が当社の資産又は当社の取締役及び経営幹部の資産に対して判決を執行することができないと判断される可能性があります。より詳細な情報は、ケイマン諸島及び中国の関連する法律をご参照下さい。
(c) 将来、市場価格未満で当社の株式が発行された場合、当社の株式の市場価格は悪影響を受ける可能性があります。
ケイマン諸島の法律及び当社の定款のいずれも、市場価格未満による新株の発行につき株主の承認を必要としません。当社の経営陣が、企業買収又はその他の事業目的のために株式を市場価格未満で多数発行することを決定した場合、当社の株式の市場価格は、希薄化により悪影響を受ける可能性があります。
(d) 当社及び当社の株主は、取締役、経営幹部、会計監査人等の義務の履行に関してなされた行為(不作為又は同意に関与した行為を含みます。)に起因する損害につき補償を受けられない可能性があります。
当社の基本定款及び附属定款によると、当社の取締役、経営幹部、会計監査人等は、自らの義務又は予期される義務の履行に関する行為(不作為又は同意に関与した行為を含みます。)により発生するあらゆる訴訟、費用、損害等につき、当社の資産及び利益により保護されます。但し、ケイマン諸島法に基づく不正行為、重大な過失又は刑事犯罪に起因する場合は、この限りではありません。更に、当社の基本定款及び附属定款によると、当社の株主は、当社の取締役に対し、その義務の履行に関する作為又は不作為につき、請求又は訴訟を行うことができません(但し、ケイマン諸島法に基づく不正行為、重大な過失又は刑事犯罪につき行われる場合を除きます。)。従って、当社及び当社の株主は、取締役、経営幹部、会計監査人等の義務の履行に関してなされた行為(不作為又は同意に関与した行為を含みます。)に起因する損害につき十分な補償を受けられない可能性があります。
(3) 当社の経営及び事業の継続性に関するリスク
当社グループは、前連結会計年度まで継続して重要な営業損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上し、当連結会計年度においても、引き続き営業損失2,604千米ドル(369百万円)を計上し、親会社株主に帰属する当期純損失3,180千米ドル(451百万円)を計上したことにより、純資産が1,725千米ドル(245百万円)の債務超過となっております。また、当社グループのキャッシュ・フローは非常に厳しいため、引き続き既存の債務を返済するための資金が不足しております。これらの状況から継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
当社グループは、これらの状況を解消するために、引き続き既存事業の拡大に注力しつつ、投資事業を遂行したいと考えております。具体的には、投資物件が安定した賃貸収入を生み出し、不動産価値に潜在的なキャピタルゲインを提供できることを考慮の上、投資目的で不動産を取得する予定です。また、当社グループの成長、経営安定化及び企業価値増大を目指し、収益力、将来性を具備する企業・事業の取得等戦略的投資活動を今後も積極的に推進していく予定であり、当該投資事業を通して、新しい収益源を獲得できるよう努めて参ります。加えて債務超過を解消するため、当社グループは、2024年2月14日公表の「債務超過解消に向けた取り組みについて」にて記載の取り組みを実施して参ります。具体的には、既存事業からの収益で、債務超過を解消すること、また、当社の当面の運転資金を確保することが難しい状況であるため、連結純資産を増強すること、当面の運転資金を確保すること、並びに投資持株会社として、上記の不動産の取得及び企業・事業等に投資する事業を遂行するための資金を調達することを目的とし、第三者割当による増資(新株式及び/又は新株予約権の発行)を実施することで、2024年12月期末までに連結純資産の債務超過の解消を目指して参ります。
しかしながら、これらの対応策は、計画実行途上ないし計画途上にあることから、現時点においては継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
なお、連結財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を連結財務諸表に反映しておりません。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する主な注記は、以下のとおりです。
以下の記述のうち、将来に関する事項は当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析は、以下のとおりです。
(1) 重要な会計方針及び会計上の見積り
当社の連結財務諸表は、日本GAAPに基づいて作成されております。当社の経営陣はこの連結財務諸表の作成にあたり、有価証券の減損、減価償却資産の償却年数の設定、繰延税金資産の評価等の重要な会計方針に関する重要な見積りを行い、これらの見積りは継続的に再評価が実施されております。但し、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、第6 経理の状況の注記もご参照ください。
(2) 当社グループの経営成績
以下の表は、日本GAAPに基づき、2022年12月31日及び2023年12月31日にそれぞれ終了した連結会計年度における当社グループの経営成績を表したものです。
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単位:(千米ドル、括弧内は百万円) |
|||
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2023年12月期 |
2022年12月期 |
||
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売上高 |
2,348 |
(333) |
2,298 |
(326) |
|
売上総利益 |
959 |
(136) |
858 |
(122) |
|
営業損失(△) |
△2,604 |
(△369) |
△2,274 |
(△322) |
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経常損失(△) |
△3,183 |
(△451) |
△2,366 |
(△336) |
|
親会社株主に帰属する当期純損失(△) |
△3,180 |
(△451) |
△2,373 |
(△337) |
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EBITDA(注) |
△2,399 |
(△340) |
△2,048 |
(△291) |
(注)EBITDAは営業損益に減価償却費及びのれん代償却額を加算したものと定義されております。
当社グループは、世界中の投資家ニーズに応えるため、IFRSに従った財務諸表も作成しております。後記「日本GAAPとIFRSの差異のうち、当社グループの財務報告に重要な影響を与えるもの」をご参照下さい。以下の表は、IFRSに基づき、2022年12月31日及び2023年12月31日にそれぞれ終了した連結会計年度における当社グループの経営成績を表したものです。
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単位:(千米ドル、括弧内は百万円) |
|||
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|
2023年12月期 |
2022年12月期 |
||
|
売上高 |
2,348 |
(333) |
2,298 |
(326) |
|
売上総利益 |
959 |
(136) |
858 |
(122) |
|
親会社株主に帰属する当期純損失(△) |
△3,134 |
(△444) |
△2,364 |
(△335) |
|
EBITDA(注) |
△2,631 |
(△373) |
△2,067 |
(△293) |
(注)1. 支払利息、税金、減価償却及び償却費控除前の当期損益として定義されております。
当社グループは、EBITDAが当社グループの経営成績の重要な尺度であると考えております。償却費は、現金支出を伴わない費用であるため、当社グループはEBITDAを当社グループのキャッシュ・フロー及び経営成績の概要を把握するための重要な尺度とみなしております。
(3) 2023年12月期(2023年12月31日に終了した会計年度)
当社は2023年12月期において、ライセンシング事業及びメッセージング事業の分野にて商品及びサービスを提供しております。
売上高
売上高は、2022年12月期が2,298千米ドル(326百万円)であったのに対し、2023年12月期が2,348千米ドル(333百万円)でした。
2023年12月期における売上高の増加は、主としてメッセージング事業セグメントの売上高が増加したことによるものです。
2023年12月期におけるライセンシング事業セグメントの売上高は-千米ドル(-百万円)、メッセージング事業セグメントの売上高は2,348千米ドル(333百万円)及びその他の事業セグメントの売上高は-千米ドル(-百万円)でした。
売上原価
売上原価は、2022年12月期が1,441千米ドル(204百万円)であったのに対し、2023年12月期が1,389千米ドル(197百万円)でした。
2023年12月期における売上原価の減少は、主としてメッセージング事業セグメントの下請けコストが減少したことによります。
2023年12月期のライセンシング事業セグメントの売上原価は-千米ドル(-百万円)、メッセージング事業セグメントの売上原価は1,389千米ドル(197百万円)及びその他の事業セグメントの売上原価は-千米ドル(-百万円)でした。
売上総利益率
売上総利益率は、2022年12月期が37.3%であったのに対し、2023年12月期が40.9%でした。
2023年12月期における売上総利益率の増加は、主としてメッセージング事業セグメントの売上高が増加したことによるものです。
2023年12月期のライセンシング事業セグメントの売上総損失率は-%、メッセージング事業セグメントの売上総利益率は40.9%及びその他の事業セグメントの売上総利益率は-%でした。
販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、2022年12月期が3,131千米ドル(444百万円)であったのに対し、2023年12月期が3,564千米ドル(505百万円)でした。
2023年12月期における販売費及び一般管理費の増加は、主として給料及び手当、不良債権及び支払手数料が増加したことによるものです。
2023年12月期のライセンシング事業セグメントの販売費及び一般管理費は14千米ドル(2百万円)、メッセージング事業セグメントの販売費及び一般管理費は1,034千米ドル(147百万円)及びその他の事業セグメントの販売費及び一般管理費は2,515千米ドル(357百万円)でした。
営業損失
2022年12月期における営業損失2,274千米ドル(322百万円)に対し、2023年12月期は2,604千米ドル(369百万円)の営業損失となりました。
2023年12月期における営業損失の増加は、主として販売費及び一般管理費が増加したことによるものです。
2023年12月期のライセンシング事業セグメントの営業損失は14千米ドル(2百万円)、メッセージング事業セグメントの営業損失は75千米ドル(11百万円)及びその他の事業セグメントの営業損失は2,515千米ドル(357百万円)でした。
経常損失
2022年12月期における経常損失が2,366千米ドル(336百万円)であったのに対し、2023年12月期は3,183千米ドル(451百万円)の経常損失となりました。
2023年12月期における経常損失の増加は、主として支払利息、為替損失並びに販売費及び一般管理費が増加したことによるものです。
2023年12月期のライセンシング事業セグメントの経常損失は14千米ドル(2百万円)、メッセージング事業セグメントの経常損失は117千米ドル(17百万円)及びその他の事業セグメントの経常損失は3,051千米ドル(433百万円)でした。
親会社株主に帰属する当期純損失
2022年12月期における親会社株主に帰属する当期純損失が2,373千米ドル(337百万円)であったのに対し、2023年12月期における親会社株主に帰属する当期純損失は3,180千米ドル(451百万円)でした。
2022年12月期と比較した2023年12月期における親会社株主に帰属する当期純損失の増加は、主として経常損失が増加したことによるものです。
2023年12月期のライセンシング事業セグメントの親会社株主に帰属する当期純損失は14千米ドル(2百万円)、メッセージング事業セグメントの親会社株主に帰属する当期純損失は114千米ドル(16百万円)及びその他の事業セグメントの親会社株主に帰属する当期純損失は3,052千米ドル(433百万円)でした。
(4) 顧客所在地別売上高
当社グループの売上高を地域別に区分した百分比で示すと以下のとおりです。
|
|
地域 |
2023年12月期 |
||
|
|
|
(千米ドル) |
(百万円) |
構成比 |
|
|
アジア |
2,060 |
292 |
87.7% |
|
|
北米 |
- |
- |
0.0% |
|
|
欧州 |
149 |
21 |
6.3% |
|
|
日本 |
- |
- |
0.0% |
|
|
その他 |
140 |
20 |
6.0% |
|
|
計 |
2,348 |
333 |
100.0% |
|
|
地域 |
2022年12月期 |
||
|
|
|
(千米ドル) |
(百万円) |
構成比 |
|
|
アジア |
1,798 |
255 |
78.2% |
|
|
北米 |
- |
- |
0.0% |
|
|
欧州 |
192 |
27 |
8.4% |
|
|
日本 |
- |
- |
0.0% |
|
|
その他 |
309 |
44 |
13.4% |
|
|
計 |
2,298 |
326 |
100.0% |
(5) 2023年12月31日に終了した連結会計年度(2023年度)の資産、負債、純資産及びキャッシュ・フロー分析
総資産
2022年12月期末現在における総資産は43,966千米ドル(6,236百万円)であったのに対し、2023年12月期末現在の総資産は12,041千米ドル(1,708百万円)となりました。2022年12月期末現在と比較して2023年12月期末現在において総資産が減少したのは、主として2022年12月期末に借入れた借入金を返済したことにより現金及び預金が減少したことによるものです。
純資産
2022年12月期末現在における純資産総額が1,379千米ドル(196百万円)であったのに対し、2023年12月期末現在の純資産総額は△1,725千米ドル(△245百万円)となりました。2022年12月期末現在と比較して2023年12月期末現在において純資産総額が減少したのは、主として親会社株主に帰属する四半期純損失を計上したことによるものです。
負債
2022年12月期末現在における負債総額が42,587千米ドル(6,040百万円)であったのに対し、2023年12月期末現在の負債総額は13,766千米ドル(1,952百万円)となりました。2022年12月期末現在と比較して2023年12月期末現在において負債総額が減少したのは、主として2022年12月期末に借入れた借入金を返済したことによるものです。
営業活動によるキャッシュ・フロー
2022年度12月期末現在における営業活動によるキャッシュ・フロー支出が1,303千米ドル(185百万円)であったのに対し、2023年度における営業活動によるキャッシュ・フロー支出は、2,667千米ドル(378百万円)となりました。2023年度における営業活動によるキャッシュ・フロー支出の増加は、主として営業損失及び運転資金の増加によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フロー
2022年度12月期末現在における投資活動によるキャッシュ・フロー支出は77千米ドル(11百万円)であったのに対し、2023年度における投資活動によるキャッシュ・フロー支出は、2,737千米ドル(388百万円)となりました。2023年度における投資活動によるキャッシュ・フロー支出の増加は、持分法適用会社からの配当収入による部分的な相殺はありますが、主として持分法適用会社の取得に係る対価を支払ったことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フロー
2022年度12月期末現在における財務活動によるキャッシュ・フロー収入は30,877千米ドル(4,379百万円)であったのに対し、2023年度における財務活動によるキャッシュ・フロー支出は26,249千米ドル(3,723百万円)となりました。2023年度における財務活動によるキャッシュ・フロー支出は、主として2022年12月期末に借入れた短期借入金を返済したことによるものです。
現金及び現金同等物
上記の結果から、2023年度末の現金及び現金同等物残高は1,276千米ドル(181百万円)となりました。なお、連結貸借対照表上の現金及び預金残高は1,276千米ドル(181百万円)となっております。
(6) 流動性及び資本の財源
当社グループの流動性及び資本の財源に関する情報については、上記「(5) 2023年12月31日に終了した連結会計年度(2023年度)のキャッシュ・フロー分析」をご参照下さい。なお、当社グループはサービス提供会社であるため、生産及び受注の状況に該当する事項はありません。また、販売の状況については「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照下さい。
(7) 日本GAAPとIFRSの差異のうち、当社グループの財務報告に重要な影響を与えるもの
上記分析には、日本GAAPによるほか、国際財務報告基準(IFRS)に基づく財務情報も記載されているため、以下に日本GAAPとIFRSの差異のうち、当社グループの財務報告に重要な影響を与えるものについて説明いたします。
本書に記載される監査済みの財務情報は日本GAAPに従い作成され表示されております。以下の要約は、完全なものではなく、日本GAAP及びIFRSのそれぞれについて公表される内容を別途確認いただく必要があります。以下の要約は監査を受けたものではなく、当社グループの財務情報に関連する全ての日本GAAP及びIFRSの相違点を含むものではないことにご留意下さい。本書の要約には、会計基準の変更による日本GAAPとIFRSの将来の相違点や、将来行われる取引や事象によって生じる日本GAAPとIFRSの相違点は考慮されておらず、それらを明らかにする目的のものでもありません。
1) のれん
日本GAAPでは、20年を上限とする期間でのれんを償却することを義務付けております。当社グループののれんは、定額法にて5年から20年間で償却されております。
国際会計基準(IAS)36の下では、2004年3月31日以降に買収した子会社に関連するのれんは償却されず、少なくとも年一回以上の減損テストを行います。
2) のれん、無形資産及び有形固定資産の減損損失
日本GAAPでは、非流動資産(のれん、無形資産及び有形固定資産を含む。)の減損損失を認識するかの判断に使用する将来の見積割引前キャッシュ・フローの割引は20年を上限とします。
IFRSでは、固定資産(のれんや無形資産を含む)割引キャッシュ・フローによる減損判定に加え、買収した子会社の純資産の回復可能性の検討が行われ、これに伴い、日本GAAPにおいては追加的にのれんの減損が発生することがあります。
3) 支配権の異動を伴わない追加取得の場合
日本GAAPでは、支配権の異動を伴わない追加取得について、支払った対価と取得した非支配持分の帳簿価額との差額を資本剰余金に計上しています。
IFRSでは、支払対価と取得した非支配持分の帳簿価額との差額は、利益剰余金に計上されます。
4) 新株交付費
日本GAAPでは、新株交付費は支出時に費用処理を行うか、又は資産計上し3年を上限とする期間でこれを償却することが義務付けられております。
IFRSでは、新株発行に直接的に起因する外部費用は、資本の控除(税引き後)項目として表示されます。
5) 上場関連費
日本GAAPでは、上場関連費は支出時に費用処理を行うことが義務付けられております。
IFRSでは、新株発行に際して上場に直接的に起因する外部費用は、資本の控除(税引き後)項目として表示されます。
6) 株式報酬
日本GAAPの下では、2006年5月1日より前に発生した株式による報酬取引に対する特定の会計基準はありませんでした。2006年5月1日以降に発生する株式による報酬取引については、従業員に対するストック・オプション等の付与に関連した費用も含む報酬取引の影響を損益及び財政状態に反映させることが要求されます。
IFRS第2号では、株式による報酬取引の会計は、従業員に対するストック・オプション等の付与に関連した費用を含む、株式による報酬取引の影響を損益及び財政状態に反映させることを要求しております。株式による報酬取引は付与日の時価によって測定されることとなります。測定された当該時価は償却期間中の株価変動の影響を受けず、権利確定期間に渡って定額法に基づき償却を行っていきます。なお、当該IFRS第2号を2005年1月1日に開始する会計年度より前に適用した場合は、当該事実を開示する必要があります。
7) 償還可能優先株式
日本GAAPでは、2014年8月に発行されたA種優先株式は、償還が可能となっておりますが、資本として計上されます。
IFRSでは、当該A種優先株式は公正価値にて負債として計上されます。公正価値の変動は、損益計算書にて調整されます。
8) 新株予約権
日本GAAPでは、ストック・オプション等として、当該ストック・オプション等の付与時の価値を公正な評価額で認識することが求められております。ストック・オプション等に係る意図及び条件の変更がない限り、ストック・オプション等の価値は再評価されません。新株予約権の行使に伴い株式が発行された場合、予約権として計上されている部分は、資本剰余金として再分類されます。
IFRSでは、当該ストック・オプション等の付与時の価値として測定された公正価値は、オプション負債として認識されます。オプション負債は各報告期間の末日に再評価されその評価差額は、公正価値の変動として損益認識されます。新株予約権の行使に伴い株式が発行された場合、オプション負債として計上されている部分は、資本剰余金として再分類されます。
9) 関係会社株式
日本GAAPでは、持分法を適用した日に関係会社の貸借対照表において認識された資産及び負債の公正価値を測定し、当該関係会社の純資産は公正価値に調整されます。取得原価が当該関係会社の調整後純資産を超える部分は、のれんとして計上され、20年以内に償却されます。一方、当該関係会社の調整後純資産が取得原価を超える部分がある場合は、負ののれんとして認識され、損益勘定を通して、持分法による投資利益として認識されます。
IFRSでは、関係会社の持分は持分法が適用され、当初は取得原価で認識されます。関係会社の認識可能な資産及び負債の純公正価値のうち当社グループの持分が、投資額を超える部分は、のれんとして計上されます。のれんは、投資額の帳簿価格に含まれます。認識可能な資産及び負債の純公正価値のうち当社グループの持分が、取得原価を超える部分がある場合は、損益勘定を通して、関係会社株式の公正価値の評価益として認識されます。
10) 子会社による新株発行
日本GAAPでは、子会社によるDESを通じた新株発行は、支配権の変更なしの非支配持分の変更により、資本剰余金に計上されました。IFRSでは、子会社によるDESを通じた新株発行は、支配権の変更なしに非支配持分の変更により繰り越された利益剰余金によって相殺されました。
(8) 当社の事業の継続の前提に関する重要な疑義を生じさせる事項
当社グループは、継続的に事業上のポジショニングの見直しを行い、前進します。また、更なる営業費用の削減を実施し、事業の収益性の向上を図ります。加えて、当社グループは、アジア市場に身を置く利点を活かしながら、独自のコア・コンピタンスを活用して、アジアにおける成長機会をとらえていきたいと考えております。
但し、当社グループの事業の継続可能性は、今後の資金調達の成功並びに事業の成長に強く依存していることから、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(5)その他会社の経営上重要な事項」をご参照ください。
6【研究開発活動】
該当事項ありません。