文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「お客様第一」を社是として「理想を持って夢の実現のために困難に挑戦していく」という経営理念を掲げ、常に地域に密着し、お客様一人ひとりに100%満足していただくことをモットーにコンビニエンスストアチェーンの店舗運営を展開しております。
製造から販売まで一貫した管理を行なう「製販一貫体制」を採用し、安心で安全な商品を立地ニーズに合わせた品揃えで提供すること、また、「流通小売業の専門商社を目指す」を経営方針として、規模の大小にかかわらず適正な利益確保を可能にする、様々な店舗スタイルのラインナップを用意しており、個々の店舗が商圏内においてお客様から支持され、地域で一番「強い」店となることを目標に、お客様、加盟店、取引先、株主に、そして地域社会に信頼される企業を目指してまいります。
(2)目標とする経営指標等
当社グループの直近の状況を踏まえ、安定的な黒字化の達成を第一の目標として、各事業の構築を行ってまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社を取りまく環境は依然として厳しい状況ではありますが、効率の追求と安定した収益性を維持していくために次の戦略を実施します。
1.順調に収益を獲得しつつあるローソン・ポプラ事業を事業の柱として、さらなる成長軌道に乗せるべく、出店による店舗数の伸長を進めるとともに、直営店舗のフランチャイズ化を図り、エリアフランチャイザーとしての事業構築に邁進してまいります。
2.スマートストア事業については、システムの内製化を主体にさらなるコスト管理を強化したうえで、特長である売上ロイヤリティ制度及びそれを支える製販一貫体制を活かし、工場・オフィス等の職域内、病院、大学への出店を進めてまいります。
加えて、超小規模無人コンビニスタイルの「スマートセルフ」、あるいはコンビニ未満の売店へは「商品供給事業」など、事業者ニーズに合わせ、多様な出店を加速させてまいります。
3.当社の自社弁当工場から製品化される弁当・惣菜について、今まで以上にお客様ニーズを反映した商品や、多様な売場ニーズに沿った商品開発を進めるとともに、当社の特長である店舗で炊いたごはんを詰めるポプ弁についても他チェーンとの差別化商品として更なるブラッシュアップを進め、特徴ある商品として販売の向上に努めてまいります。
4.商圏別販売データの分析を行い、それぞれの立地やお客様ニーズに合った売場づくりを進めるとともに、QSCレベルの向上に取組み続け、より魅力の高い、お客様に満足いただける店舗運営を行ってまいります。
5.新たに開始する冷凍調理品製造事業を早急に収益獲得事業へと発展させるとともに、同様に、さらなる事業を育成すべく随時、プロジェクトチームを発足させ、既存のヒト・モノに加え、新しい知識や販売ルートを開拓し、早急に採算ベースに乗せられるよう事業構築を実践していきます。
(4)経営環境及び優先的に対処すべき事業上、財務上の課題
新型コロナウイルス感染症の感染法上の位置づけが、2類相当から5類へ移行することで経済活動は回復に向かうと想定される一方、ウクライナ情勢に起因する原材料やエネルギー価格の世界的な高騰に伴う物流コストの上昇など、経営環境のリスクにも対応できる収益体制の再構築が求められます。
CVSを取り巻く環境は、国内店舗数が58千店を超えて頭打ちの状況であり、客数は5年連続前年割れとなっています。さらに労働力不足、人件費の高騰など加盟店の経営状況は厳しさを増しており、大手CVSチェーンにおいては低日販店舗からの撤退、新規出店を見合わせ、既存店投資を優先するなどの慎重な経営姿勢も見受けられます。
一方で売店高度化のニーズはなお多く存在しており、このような状況の中、当社グループは事業者ニーズの受け皿になるべく、強みを活かした事業モデルの再構築を行い、大規模店から小規模店まで「流通小売業の専門商社を目指す」を事業方針に、様々な店舗スタイルのラインナップを用意して店舗開発を行っていきます。
フルスペックコンビニとしては「ローソン・ポプラ」ブランドを、施設内コンビニとしては「ポプラ」「生活彩家」ブランド、その他、超小規模無人コンビニスタイルの「スマートセルフ」、あるいはコンビニ未満の売店へは「商品供給事業(問屋業)」を事業者ニーズに合わせ提供することが可能となっております。
もう一方の事業スタイルとして、自社運営の弁当惣菜工場を保有しており、新たに開始する冷凍惣菜・弁当の製造を含めて「製造小売業」としてのプロダクトアウトも推進してまいります。
これら独自の商品施策、フレキシブルな対応により、加盟店・事業者・本部がいずれも「持続可能なサービスの提供」を実現すべく、事業に取り組んでまいります。
これらを達成するためにも、資金繰りの懸念は払拭しなければなりません。主要取引銀行と財務制限条項はあるものの2,000百万円のコミットメントライン契約を締結して機動的な資金繰り対応を可能としておりますが、計画達成に相違が出た際には資金面でも即時に対応できるよう、管理体制の強化を図ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年5月30日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)競合による影響
当社グループは、コンビニエンスストア事業を運営しておりますが、最近ではコンビニエンスストア業界のみならず、食品スーパー、ファストフード、ファミリーレストランやドラッグストア等の他業界との間において競争状態にあります。当社グループが提供する商品の品質、価格、あるいはサービスレベルを上回る競争先が現れた場合、または更なる競争の激化によりコスト負担が嵩んだ場合、当社グループの業績及び財政状況が悪化する可能性があります。
(2)出退店政策の巧拙
コンビニエンスストア業界は、オーバーストアの状態による競合が続いており、出店余地も地域によっては少なくなってきております。当社グループでは、店舗開発を行うにあたり、十分な商圏調査や立地分析を行い進めておりますが、計画どおりに出店ができなかった場合や想定外の退店に伴う費用が発生した場合は、当社グループの業績及び財政状況が悪化する可能性があります。
(3)天候や自然災害及び感染症等による影響
当社グループが運営するコンビニエンスストア事業は、天候や気温により需要が変動し、売上に影響を及ぼします。
年間を通し、天候・気温によって売上が変動する傾向にあります。特に夏季の気温低下や暖冬等の場合には、売上の低迷をもたらし、業績及び財政状況が悪化する可能性があります。
また、想定外の自然災害や新型コロナウイルス感染症などの感染症等の流行により来店客数の減少や、店舗への商品供給機能がストップするなど、店舗の継続的運営が阻害されることとなった場合、当社グループの業績及び財政状況が悪化する可能性があります。
(4)法的規制
当社グループが運営するコンビニエンスストア事業は、食品衛生法、環境・リサイクル関連法規等、様々な法的規制を受けており、すべての法的規制を遵守すべく、取り組んでおります。しかし、規制が強化されるなどの規制遵守に係るコスト負担等が増加した場合には、業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、営業時間や出店地域などにおける法的規制が行われた場合は、当社グループにおける業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)原材料等の調達
当社グループは、コンビニエンスストア事業の運営と製造部門である弁当工場及び商品センターを運営しており、弁当工場で製造する食材の原材料は、商品相場や為替変動によって価格が変動します。食材の原材料や容器など副資材の高騰等は製造原価のアップや利益率の悪化につながり、業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)人材の確保
当社グループはコンビニエンスストア店舗の運営、弁当工場及び商品センターの運営、また、フランチャイズシステムの管理・運営を行っていくための相応の人材確保が必要となっています。
人材不足による各事業を運営するための人材確保に困難をきたした場合、当社グループにおける業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)食の安全に関する事項
当社グループが運営している弁当工場及び商品センターでは、品質管理、鮮度管理を徹底し、安全管理に対して万全の体制で臨んでおります。しかしながら、品質管理に問題が発生した場合や品質管理、鮮度管理の強化や対策を講じるための費用が発生した場合には、業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)フランチャイズ契約に関するリスク
当社グループは、加盟者との間でフランチャイズ契約を締結し、コンビニエンスストア事業を行っております。このため、競合店の出現等による加盟店収支の悪化や店舗における事故、不祥事等によりブランドイメージが損なわれた場合、フランチャイジーとの間で何らかのトラブルや訴訟が提起され、当社にとって不利益な結果になった場合、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を与える可能性があります。
(9)有価証券の時価変動
当社グループは、積極的な有価証券投資は行っておりませんが、保有する有価証券に関しては堅実運用のスタンスで有価証券運用を行っております。しかし、今後の市況の変化による時価の下落によって減損処理が必要となることも考えられます。その場合には当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)固定資産の減損処理
コンビニエンスストア事業における今後の店舗収支の悪化等によって減損処理が必要となった場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
(11)新型コロナウイルス感染症について
当社グループは、コンビニエンスストア事業を運営しておりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急事態宣言の発出や、企業のリモートワーク化等は、外出の自粛や人の移動制限による来店客数の減少や、事業所等、限定商圏への出店中止や先送りの要因となるなど、売上の減少につながる要因となり、長期化した場合には当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12)継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、当連結会計年度において純資産が694,242千円の債務超過となっております。また、当社は、継続的な営業損失を計上しており、当事業年度においては営業損失428,063千円、当期純損失528,010千円を計上し、純資産が942,928千円の債務超過となっており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在していると認識しております。
しかしながら、「3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおり、行動制限の緩和や、全国旅行支援の政策による外出・行楽需要等の影響により、既存店売上高は好調に推移しているとともに、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類の2類(相当)から5類への引き下げにより、2024年2月期の当社グループの業績は堅調に推移する見込みとなっております。また、外販事業を本格的に開始するために、冷凍設備を導入し、販売に向けた準備を開始しております。
これらの状況に加え、資金面に関しては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 (連結貸借対照表関係)※4」に記載のとおり、主要取引銀行と2,000,000千円のコミットメントライン契約を締結しており、当面の資金を確保していること、また、その他各取引銀行と利用の都度、審査は必要となるものの、総額1,000,000千円の当座貸越契約を締結しております。さらに、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおり、2023年4月26日開催の取締役会において、第三者割当による種類株式を発行する決議を行っており、700,000千円の資金調達及び債務超過の解消を予定していることから、重要な資金繰りの懸念はありません。
従って、当該事象又は状況の解消ができるものと考えており、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による行動制限の緩和により感染防止と経済活動の両立が進み、景気に持ち直しの動きが見られました。一方で、ウクライナ情勢に起因する原材料やエネルギー価格の世界的な高騰は継続しており、個人消費の冷え込みが懸念される先行き不透明な状況で推移しました。
コンビニエンスストア業界においては、大手の寡占状態が進み、1店舗あたりの客数が減少しつつある中、コロナ禍で一層減少した客数の回復に向け、新たな商品・サービスの開発競争が激化しております。また、人手不足や人件費、光熱費の高騰による個店運営環境の悪化など、厳しい状況が続いております。
このような状況の中、当社グループは、改訂中期事業計画(2023年2月期~2024年2月期)に基づき、中核となる「ローソン・ポプラ事業」で着実に収益を獲得しつつ、「スマートストア事業」の再編を行い、グループでの黒字化に向けた収益体制の構築を進めております。
売上の状況につきましては、コロナ禍の影響を大きく受けていた施設内店舗の売上が回復に転じたことや、行動制限の緩和に伴い前年同期比では改善が進んだものの、コロナ前の2019年比では大きく下回っていることに加え、政策的に直営店舗のフランチャイズ化を推進した結果、当連結会計年度の営業総収入は13,064百万円(前連結会計年度比4.1%減)となりました。対して利益面においては、フランチャイズ店舗化を含めて構造改革の成果が出てきており、粗利益の改善や費用の圧縮が進んだ結果、営業利益は55百万円(前連結会計年度実績:営業損失1,099百万円)、経常利益は73百万円(同:経常損失1,007百万円)の計上となりましたが、ソフトウエア他の減損損失を計上したため、親会社株主に帰属する当期純損失は237百万円(同:親会社株主に帰属する当期純損失518百万円)となりました。
セグメントごとの活動状況は以下のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。
<スマートストア事業>
「ポプラ」「生活彩家」ブランドで施設内へ展開する事業は、行動制限の緩和による人流の回復に伴い、当連結会計年度における既存店ベースの売上前年同期比は105.6%と回復が進みましたが、当社が政策的に出店してきた施設内店舗では、コロナ前の売上と比較すると、当連結会計年度末で83.6%と完全な回復には時間を要する状況となっております。
営業部門では、「その場で当たるポイント還元キャンペーン」や、特定の商品を購入すれば必ず話題の商品がもらえる販売促進策「ONE BUY ONE」企画を継続して行い、来店リピート率の向上に努めました。そして、当社の看板商品である、炊きたての店炊きごはんをお弁当に盛り付ける「ポプ弁」が2023年に40周年を迎えることから、「ご愛顧感謝のお弁当」を期間限定で段階的に3品販売しました。ポプラのお弁当づくりの原点とも言える、あたたかいごはんとおかずをたっぷりと詰め込んだボリューム満点の内容で、ポプラらしいと好評を得ることができました。
また、お客様の近くに売場を構える新たな戦略として、事業所内の一角に1坪から5坪程度の無人ミニコンビニを設置する「スマートセルフ」事業をスタートさせ、当連結会計年度においては27店舗を出店しました。スタートから培ってきた実績をもとに、立地場所や環境によるニーズに合わせた什器の設置や商品を品揃えし、売上の拡大を図っております。また、初期投資の縮小化も視野に入っており、新たな店舗スタイルとしてフランチャイズ展開を目論んでおります。
製造・卸部門では、「ポプラ」及び「ローソン・ポプラ」両ブランド店舗に向けて「ポプ弁」の販売強化に努めたほか、外販事業を本格的に開始いたしました。また、2022年12月にはマイナス60℃で瞬間凍結可能な冷凍設備の導入を完了、老健施設等向けの調理済み冷凍惣菜や冷凍弁当の販売に向けた準備を開始しております。
出店については、経済活動の正常化に伴い、14店舗を出店したほか、スマートセルフ店舗27店舗を加えて、合計41店舗を出店しました。閉店については不採算店舗、コロナ禍での事業撤退店舗など32店舗を閉店した結果、期末店舗数は262店舗(前連結会計年度末:253店舗)となりました。
これら活動の結果、スマートストア事業の営業総収入は4,983百万円(前連結会計年度比4.6%減)、営業損失は139百万円(前連結会計年度実績:営業損失564百万円)となりました。
<ローソン・ポプラ事業>
今期で2年目を迎えたローソン・ポプラ事業は、「withコロナ」による行動制限の緩和や、全国旅行支援の政策による外出・行楽需要を受け、当連結会計年度において既存店売上前年同期比は110.7%と好調に推移しました。また、一部の店舗でデリバリーサービスを導入したほか、無印良品の商品や焼き芋を取り扱うなど、ローソンチェーンとしての施策を着実に実行する一方、ローソングループの中でもポプ弁を取り扱う特徴あるお店として「出来たてポプ弁唐揚げ1個増量セール」など、ポプ弁販売店舗として独自のキャンペーンを行い、ポプ弁40周年「ご愛顧感謝のお弁当」においては本家チェーンよりも広いエリアで販売することで、セグメント利益とグループ全体の利益を追求し、グループとしてポプラの認知度向上に貢献しました。
出店については、当連結会計年度において1店舗を出店し、昨年のブランド転換以降、収益改善が進まなかった不採算直営店4店舗を閉店した結果、期末店舗数は108店舗となりました。また、社員の独立支援や既存オーナーの複数店経営を推進し、当連結会計年度において12店舗のFC化を実現して、管理コスト削減による収益改善を行うとともに、ローソンのメガフランチャイザーとしての体制づくりを実現してまいりました。
店舗運営・コントロールにおいても、適正な発注や商品廃棄、人員の配置など、1年目と比較して格段に統制のとれた、きめ細かな店舗管理に取り組んだ結果、ローソン・ポプラ事業の営業総収入は7,244百万円(前連結会計年度比0.1%増)、営業利益は437百万円(前連結会計年度実績:営業損失192百万円)となりました。
② 財政状態の状況
資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度における資産、負債及び純資産の状況は、次のとおりであります。
(流動資産)
前連結会計年度に比較し当連結会計年度の流動資産は83百万円減少し1,720百万円(前連結会計年度比4.6%減)となりました。これは、主に商品及び製品が58百万円減少したことによるものであります。
(固定資産)
前連結会計年度に比較し当連結会計年度の固定資産は224百万円減少し2,151百万円(前連結会計年度比9.4%減)となりました。これは、主に無形固定資産が226百万円減少したこと及び繰延税金資産が46百万円増加したことによるものであります。
(流動負債)
前連結会計年度に比較し当連結会計年度の流動負債は365百万円増加し2,532百万円(前連結会計年度比16.8%増)となりました。これは、主に短期借入金が400百万円増加したことによるものであります。
(固定負債)
前連結会計年度に比較し当連結会計年度の固定負債は407百万円減少し2,033百万円(前連結会計年度比16.7%減)となりました。これは、主に長期借入金が147百万円減少したこと及び返済によりリース債務が169百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
前連結会計年度に比較し当連結会計年度の純資産は264百万円減少し△694百万円(前連結会計年度は△429百万円)となりました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純損失が237百万円であったことと、退職給付に係る調整累計額が26百万円減少したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により101百万円の増加、投資活動において100百万円の減少、財務活動において24百万円の増加があった結果、当連結会計年度に25百万円増加し、当連結会計年度末には828百万円(前連結会計年度末比3.2%増)となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は101百万円(前年同期は2,432百万円の減少)となりました。これは主に未収入金が102百万円減少したこと、未払金が54百万円減少したこと及び棚卸資産が66百万円減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は100百万円(前年同期は872百万円の増加)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出が142百万円、敷金及び保証金の回収による収入が44百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は24百万円(前年同期は182百万円の減少)となりました。これは主に短期借入金の純増額が405百万円あったこと及びリース債務の返済による支出が174百万円、長期借入金の返済による支出が200百万円あったことによるものであります。
④販売の実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年3月1日 至 2023年2月28日) |
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金額(千円) |
前年同期比(%) |
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スマートストア事業 |
4,983,920 |
95.4 |
|
ローソン・ポプラ事業 |
7,244,561 |
100.1 |
|
報告セグメント計 |
12,228,481 |
98.1 |
|
その他の事業 |
836,412 |
71.5 |
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合計 |
13,064,893 |
95.9 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度前半は依然としてコロナ禍に苛まれる状況が続き、繁忙期である夏場の売上低調が業績に影響を与える結果となりました。しかしながら後半の秋口より「withコロナ」が進み、行動制限の緩和や、全国旅行支援の政策による外出・行楽需要による、売上の回復が見られたことから前半を覆し、通期では前期を上回る成績で着地することができました。
ただし、回復はしつつも、当社グループ内でも事業ごとにその濃淡はあり、限定商圏が主な出店先であるスマートストア事業はライフスタイルの変更や、コロナ前の運営環境の回帰に慎重さが見受けられ、ホテル内店舗は回復の兆しを見せたものの、病院、学校などでは未だ回復基調に乗り切れない状況が続きました。
そのような状況の中で、打開策として新たな取り組みを推進し、無人コンビニスタイルであるスマートセルフ店舗の出店や、自社工場で製造したお弁当などの外販を伸長させることができました。
一方で、主に路面店舗をメインとするローソン・ポプラ事業は売上を伸長させ、安定的な利益獲得を実現することができました。
これらの結果、当連結会計年度は黒字化・親会社株主に帰属する当期純利益の計上に至りませんでしたが、当社グループの目標である、安定的な利益計上の一歩である営業利益・経常利益の計上を達成し、事業としては着実に計画を履行できております。継続して事業計画を実行していくとともに、新たな収益獲得のため新規事業も実践して経営の安定化を図ってまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」 に記載のとおりであります。
当社グループの主な資金需要は、店舗設備、自社工場の機械装置及びシステム開発・更新等の設備投資資金と、チェーン本部及び直営店の運営資金であります。設備投資資金は主に自己資金またはリース契約にて、運営資金につきましては自己資金もしくは金融機関からの借入金にて調達することとしております。
資金の流動性については、年度の資金繰り予測表を作成し、事業計画及び実績と照らし合わせながら月次単位で補正をかけて、突発的な資金不足が起こらないよう注視しております。また、予測に沿ってコミットメントライン契約や当座貸越契約の利用や、長期借入を実施して流動性を確保しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りであるが故の不確実性により、実際の結果は見積りと異なる場合があります。
特に、固定資産の減損の判定にあたっては、資産のグルーピングを行い、収益性、用途変更、除売却の意思決定の有無等により兆候判定を実施しています。また、減損損失の認識においては、割引前将来キャッシュ・フローを直近の実績や事業計画に基づき合理的に見積もるほか、不動産等の時価のある資産については、適正な正味売却価額を用いて、固定資産の帳簿価額の回収可能性の可否について判定を行っています。しかしながら、割引前将来キャッシュ・フローの見積りについては、事業計画の実現可能性に不確実性を伴うため、事業計画の変更や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ、見積り額が減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(1)ポプラフランチャイズ加盟契約
当社のフランチャイズ加盟契約は、「ロイヤルティーは売上の3%、契約期間は5年、違約金なし」を特色としております。ロイヤルティー比率は相対的に高いものではなく、また加盟者に対する拘束力は強いものではないため、当社には、魅力ある店舗作り及び加盟者との友好的関係が重要になっております。
加盟店契約の要旨
当社が加盟契約者との間で結ぶ基本契約であり、契約内容の要旨は次のとおりであります。
a 契約の名称
ポプラ・フランチャイズ契約
b 契約の本旨
当社の許諾によるコンビニエンスストア経営のためのフランチャイズ契約関係を形成することであります。
c 加盟に際し徴収する加盟金、保証金その他の金銭に関する事項
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徴収する金銭の額 |
その性質 |
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総額 |
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約5,200,000円 |
下記(a)と(b)の合計 |
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内訳 |
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(a)加盟金 1,000,000円 |
当チェーンに加盟する証拠金(消費税等は含まず)及び15日間の研修費用(宿泊費含む)。 |
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(b)保証金 約4,200,000円 |
加盟者が当社及び仕入先に対して有する全ての債務の精算に備えるため、予め当社に預託する保証金(契約終了時に債権債務精算後、加盟者に返還されます。)。 |
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(店舗面積1㎡当たり30,000円で、上記概算金額は1店舗当たりの平均額) |
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d フランチャイズ権の付与
(a)“ポプラ”または“生活彩家”の商号・商標の使用権
(b)店舗の経営ノウハウとその情報、各種マニュアル・資料・書式等を使用する権利
e 加盟者に対する商品の販売条件に関する事項
(a)当社は、開業時の加盟店の商品の品揃えを行います。この開業時在庫商品の代金の支払については、開業後加盟店から当社へ送金される売上代金から随時充当決済されることになります。
(b)加盟者は当社が指定する納入業者から商品の供給を受けます。
f 経営の指導に関する事項
(a)研修
当社の実施するフランチャイズ・システムの理解、販売心得、接客方法、商品管理、仕入の事務処理、帳票類の作成方法及び直営店における実務研修(概ね2週間)。
(b)加盟者に対する継続的な経営指導方法
イ.担当者を派遣して、店舗・商品・販売に関する定期的、継続的助言・指導。
ロ.加盟店の知名度を高め、販売促進のための広告宣伝を行う。
ハ.最も効果的と判断される標準小売価格を開示する。
ニ.信頼できる仕入先の推奨及び商品情報の提供。
ホ.販売情報等の資料の提供と当社のPOSシステムに関する情報の伝達。
g 加盟店から定期的に徴収する金銭に関する事項
加盟店より、当社が実施するサービスの対価として月間総売上金額の3%相当額を徴収。
h 契約の期間・更新及び契約の解除
(a)契約の期間
契約締結日より満5年間
(b)契約の更新
契約満了に際し、協議し、合意に基づいて行われます(特に障害となる事由がない限り、原則として更新されることになります)。
(c)契約の解除
イ.仮差押、仮処分、強制執行、競売の申し立てを受け、もしくは破産、再生手続きの申し立てを受け、または自らこれをなし、その他滞納処分、支払停止処分を受ける等の事由により、契約の履行が困難であると認められたとき。
ロ.ロイヤルティー、商品代金等の累積不足額が保証金の80%に達したとき。
ハ.「ポプラ・チェーン」を不正に利用し、あるいはその運営を妨害し、もしくはその名誉を毀損し、またはその利益を侵害し、その他この契約を継続し難い重大な背信行為があるとき。
(2)ポプラリテール加盟契約
加盟契約の要旨
株式会社ポプラリテールと加盟契約者との間で結ぶ基本契約であり、契約内容の要旨は次のとおりであります。
a 契約の名称
フランチャイズ契約
b 契約の本旨
株式会社ローソンとのメガフランチャイズ契約に基づく、株式会社ポプラリテールの許諾によるローソン・ストア経営のためのフランチャイズ契約関係を形成すること。
c フランチャイズ権の付与
(a)ローソン・ストア経営について”ローソン・ポプラ“または“ローソン”の商品商標・サービスマーク・意匠・その他の標章の使用権。
(b)ローソン・ストア経営のノウハウとその情報、各種マニュアル・資料・書式等を使用する権利。
d 加盟店に対する商品の販売条件に関する事項
(a)株式会社ポプラリテールは、開業時の加盟店の商品の品揃えを行いますが、商品代金は加盟者が負担します。また、開店後は加盟者が株式会社ローソンの推薦する仕入先及びその他の仕入先から商品を買い取ります。
(b)商品代金の支払は、日々加盟者が株式会社ポプラリテールに送金する売上代金から随時充当決済されます。
e 経営の指導に関する事項
(a)仕入先の推奨と仕入数量の提案および商品構成や陳列、管理、保管の状況に関する指導
(b)販売促進活動に関する指導
(c)接客態度、服装や身だしなみに関する指導
(d)衛生管理、美観、清潔感の保持に関する指導
(e)毎月の会計帳票の作成および会計業務に関する指導と助言
(f)その他店舗運営全般に関する指導、助言、援助
f 契約の期間、契約満了後の新規契約及び契約解除に関する事項
(a)契約期間
契約締結日から新規オープン日の属する月の初日より満10ヵ年目の日
(b)契約満了と満了後の再契約
契約満了により終了し、更新はありません。但し、契約終了の6か月前までに加盟者が合意した場合には、株式会社ポプラリテールの提示するフランチャイズ契約により再契約を締結します。
(c)契約解除・解約の条件
株式会社ポプラリテール又は加盟者がフランチャイズ契約上の定めに重大な違反をした場合や、信用不安となった場合など、フランチャイズ契約を継続しがたい事由が生じた場合は、その相手方はフランチャイズ契約を解除することができます。
(3)メガフランチャイズ契約
a 契約当事者
株式会社ポプラリテール及び株式会社ローソン
b 契約締結日
2020年9月23日
c 契約の本旨
株式会社ポプラリテールが、株式会社ローソンの指導援助・営業施策をもとに、自らまたは第三者を通じてローソンストアを経営するための契約関係を形成すること。
d 契約の内容
(a)ローソン・ストア経営について”ローソン・ポプラ“または“ローソン”の商品商標・サービスマーク等の使用の許諾
(b)ローソン・ストア経営のノウハウとその情報、各種マニュアル・資料・書式等を使用する権利。
(c)契約店舗の営業についての経営指導。
(d)株式会社ポプラリテールは、個店総粗利益高にチャージ率を掛けた対象契約店舗の総合計額をメガFCチャージとして株式会社ローソンへ支払う。
e 契約期間
契約締結日より15年
当社グループは、お客様のニーズに応えるため、弁当惣菜及びファストフード等を中心にオリジナル商品の開発を常にすすめておりますが、その他特記すべき事項はありません。