【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
(1) 報告セグメントの決定方法
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。 当社グループは、各種計測ソリューションの国内外への提供、自社オリジナル製品・ソリューションの開発、これに付帯関連するサポート・保守・修理を主たる業務としており、事業ごとに戦略を立案し、事業活動を展開しております。
したがって、当社グループの構成単位は技術分野別セグメントから構成されており、技術の種類・性質の類似性により「情報通信/情報セキュリティ」、「機械制御/振動騒音」、「物性/エネルギー」、「EMC/大型アンテナ」、「海洋/特機」、「ソフトウェア開発支援」、「ライフサイエンス」の7つを報告セグメントとしております。
(2) 各報告セグメントに属する製品及びサービス
(情報通信/情報セキュリティ)
情報通信分野では、ネットワークの性能試験や運用の可視化、情報セキュリティの担保などのための試験
システムや解析・監視システムなど、最新の技術標準に対応した先進的なソリューションを幅広く提供して
います。情報セキュリティ分野では、サービスソリューション型・エンジニアリング型のサービスに加え
て、最新IT技術(クラウド、OSS、機械学習、ビッグデータ解析)を活用し、新たなサービスをリアルタイ
ムに提供しています。
(機械制御/振動騒音)
自動車や鉄道などの輸送機器の「性能(操縦性、乗り心地など)」をはじめ、産業機械を含めた「振動騒
音」「安全性/耐久性」などにおける研究・開発に使われる計測と解析、実験データの管理に関する機器や
ソリューションを提供しています。さらに自動車では自動運転、電動化など、最新分野の研究・開発に有用
なソリューションにも注力しています。
(物性/エネルギー)
再生可能エネルギーや電気自動車の普及など、大きく変化するエネルギーインフラに対応する、パワー半
導体や有機エレクトロニクスなどの材料、デバイスの基礎研究から、バッテリー、インバーターなどの製品
開発まで、幅広い分野で高精度な計測・評価システムを提供しています。
(EMC/大型アンテナ)
自動車や情報通信機器、医療機器など、電子機器におけるEMC(電磁環境両立性)の分野で、電磁波環境
への対応を支えるソリューションを提供しており、コネクテッドカー向けのOTA(Over The Air)計測シス
テムなども提供しています。また、大型アンテナの分野では、パラボラ大型アンテナ地上システムのサイト
調査から、据付工事、メンテナンスまでのトータルソリューションを提供しております。
(海洋/特機)
洋上、海中、海底の観測から水中ドローン、水中データ通信まで、水産業、特機、洋上風力発電など海洋
の幅広い分野で役立つ各種計測機器を提供しています。
(ソフトウェア開発支援)
ソフトウェアの開発現場に、品質向上から生産性向上まで、ソフトウェア開発のライフサイクル全般を支
援する製品とサービスを提供しています。さらに、世界で進むデジタルトランスフォーメーション(DX)に
対応し、その安全・安心の実現のために、ソフトウェアの開発現場に求められる最新のセキュリティソリュ
ーションを提供しています。
(ライフサイエンス)
ライフサイエンス分野では、整形外科のデジタルプランニングツールなど、医療分野に最先端のソリュー
ションを提供しています。
(3) 報告セグメントの変更等に関する事項
当社グループは経営管理区分及び社内組織の見直しを行ったことに伴い、当連結会計年度より「ライフサイエンス/マテリアルズ」を「ライフサイエンス」に名称変更し、マテリアルサイエンス(材料評価)分野の製品ラインを「ライフサイエンス」から、事業領域が近く、シナジーが見込まれる「物性/エネルギー」に移管しております。なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の報告セグメントの区分方法により作成しております。
2 報告セグメントごとの売上高、利益または損失、資産の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一です。
報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値です。
3 報告セグメントごとの売上高、利益または損失、資産の金額に関する情報及び収益の分解情報
前連結会計年度(自 2021年10月1日 至 2022年9月30日)
(単位:千円)
(単位:千円)
当連結会計年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)
(単位:千円)
(単位:千円)
(注)「その他の収益」は、リースに係る収益等を含んでおります。
4 報告セグメント合計額と連結財務諸表計上額との差額及び当該差額の主な内容(差異調整に関する事項)
(単位:千円)
(注)全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない営業費用のほか、引当金の計上方法による差異等が含まれています。
(単位:千円)
(注)全社資産は、 主に報告セグメントに帰属しない余剰運用資金(現預金及び有価証券)、長期投資資金(投資有価証券)、有形固定資産等です。
(単位:千円)
(注) 1 減価償却費の調整額は、主に報告セグメントに帰属しない建物及び構築物、車両運搬具、工具、器具及び備品、ソフトウェアに係る減価償却費です。
2 有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、主に報告セグメントに帰属しない建物及び構築物、車両運搬具、工具、器具及び備品、ソフトウェアです。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2021年10月1日 至 2022年9月30日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める顧客がないため、記載しておりません。
当連結会計年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める顧客がないため、記載しておりません。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2021年10月1日 至 2022年9月30日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2021年10月1日 至 2022年9月30日)
(単位:千円)
(単位:千円)
当連結会計年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)
(単位:千円)
(単位:千円)
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2021年10月1日 至 2022年9月30日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)
該当事項はありません。
前連結会計年度(自 2021年10月1日 至 2022年9月30日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)
該当事項はありません。
(注) 1 1株当たり純資産額の算定上の基礎は、以下のとおりです。
2 1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定上の基礎は、以下のとおりです。
(取得による企業結合)
当社は、2023年11月8日開催の取締役会において、株式会社トーキンEMCエンジニアリング(以下、「トーキンEMC」)の全株式を取得し、子会社化することについて決議いたしました。
当社は40年以上にわたりEMC事業を手掛けており、長年培った知見による自社開発の試験システムやソフトウェアにより高いマーケットシェアを維持しています。また、これらに使用する測定器の測定確度を維持するために必要な校正サービスも提供しており、精度の高い校正を実施できるISO/IEC 17025校正機関としてA2LA (米国試験所認定協会)より認定を受けております。このたび株式を取得するトーキンEMCもまた、40年近くにわたりEMC試験※の受託サービス、EMC対策支援をはじめ、測定器校正、海外認証取得支援サービスなどを事業としています。情報通信機器から車載機器、医療機器など幅広い分野におけるEMC試験の受託サービスを提供しており、国内3か所に電波無響室を備えた計測センターを保有、車載製品試験用無響室も整備しています。また、当社と同じくトーキンEMCもA2LAより認定を受けた高精度な校正サービスを展開しています。
今回、当社がトーキンEMCを子会社化することにより、当社の主力事業の一つであるEMC分野において両社の知見・技術力を集結し、電波無響室など施設の有効運用、多様なEMC試験ニーズへの対応や先進的なソリューション開発の推進、認定校正サービスのシナジーなどにより、さらなる事業拡大を行ってまいります。
※EMC試験:電子機器が放出する電気的ノイズが他の機器へ影響を与えないこと、外部からの電気的ノイズにより電子機器の正常動作が妨害されないこと、という二つの特性を評価する電磁両立性の法規制に基づく試験。電気・電子部品を搭載する全ての機器は、EMC国際規格に基づく各国の法律に適合しなければ販売することはできず、電気自動車(EV)や自動運転(AD)/先進運転支援システム(ADAS)機能の開発が進む自動車産業においては、特に同試験の重要性が高まっている。
株式会社トーキン
被取得企業の名称: 株式会社トーキンEMCエンジニアリング
事業の内容: 1.EMC測定及び電磁環境測定業務
2.計測器校正及び技術アドバイス業務
3.海外認証取得支援サービス業務
資本金: 100,000千円
取得株式数: 1,500株
取得価額: 460,000千円
取得後の持分比率: 100%
取締役会決議日: 2023年11月8日
譲渡契約締結日: 2023年12月19日
株式譲渡実行日: 2024年1月1日(予定)
(2)当社は、2023年11月28日開催の取締役会において、下記のとおりRototest International AB(本社:スウェーデン・ローンニゲ、以下 Rototest社)の全株式を取得し、子会社化することについて決議いたしました。
1.株式取得の理由
近年、電動自動車(EV)、自動運転(AD)/先進運転支援システム(ADAS)、コネクテッドカーなど、技術革新が進む自動車産業では、システムがより高度化・複雑化し、開発の現場において効率的に評価を行うことが課題となっております。開発の効率化には、コンピューター上でシミュレーションするモデルベース開発(MBD)※1が必須とされ、そのシステム検証にHILS※2を導入することでさらなる開発サイクルの短縮化が期待されております。
当社は、2016年にRototest社と国内代理店契約を締結し、ハブ結合式シャシダイナモメーターシステム「ROTOTEST® Energy™」を展開しております。持ち運びやセットアップが簡便なシステムで、本システムを核とし、レーダーシミュレーターやカメラシミュレーターを組み合わせた統合システム「ドライビング&モーションテストシステム(DMTS)」を当社の自社開発製品として提供しております。
当社がRototest社を子会社化することで、核となるシャシダイナモメーターシステムも自社製品とし、複数の機能評価や施設内での実車走行による模擬試験を実現する統合システム「DMTS」の拡充を図ることで、自動車産業における開発サイクル短縮化のさらなる貢献を目指します。2023年12月には「DMTS」が一般財団法人日本自動車研究所(JARI)に納入され、HILS試験に活用される予定です。
米国においては、2022年に当社子会社の米国現地法人TOYOTech LLC が米国大手メーカーより「ROTOTEST® Energy™」を受注し採用が決定しています。米国はEV、AD/ADASの技術開発投資が活況であり、今後もさらなる需要を見込んでいます。
当社グループは、中期経営計画“TY2024”の事業戦略の一つに「M&Aによる事業拡大」を掲げており、米国に加え中国や欧州においても販売実績が豊富なRototest社を子会社化することにより、当社の自動車開発・試験ソリューションをグローバル市場に向けて、積極的に事業拡大するものです。
※1 MBD:Model Based Development。コンピューター上でパーツや実車などを再現しシミュレーションして、
設計開発すること。
※2 HILS:Hardware in the Loop Simulation。ハードウェアを用いたシミュレーション。
Rtt Global Holdings AB
Fouriertransform AB
被取得企業の名称: Rototest International AB
事業の内容:ハブ式ダイナモメーターの開発・製造
資本金: 500,000SEK
取得株式数: 99,900株
取得価額: 9,000,000EUR
取得後の持分比率: 100%
取締役会決議日: 2023年11月28日
譲渡契約締結日: 2023年11月28日
株式譲渡実行日: 2023年11月30日