第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 (1)会社の経営の基本方針

株式会社建設技術研究所は、1945年に前身である財団法人建設技術研究所が創立されて以来、「誠実」と「技術」を社是として社会資本整備の一翼を担ってきました。

近年、世界中で地球温暖化の進行により、気象災害が激甚化・頻発化しており、日本ではインフラ施設老朽化や少子高齢化による担い手不足など、様々な社会課題に直面しています。

私たちCTIグループは、「世界に誇れる技術と英知で、安全で潤いのある豊かな社会づくりに挑戦する」という経営理念に基づき、これまで築いてきた皆さまからの「信頼」をさらに高めながら、当社のブランドフレーズである『未来につづく安全・安心を』のもと、災害への備え、地球環境問題への対応、安全で安心できる社会の構築、そして世界の持続可能な社会の形成に貢献していきます。

 

 (2)目標とする経営指標

当社グループは、2024年12月期における業績目標を売上高89,000百万円、営業利益8,400百万円、経常利益8,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益6,100百万円としております。

なお、 中期経営計画2024における2024年12月期の業績目標を次のとおりとしております。

  (連結) 売上高85,000百万円、営業利益7,700百万円、営業利益率9.1%、ROE10%以上

  (個別) 売上高55,000百万円、営業利益6,400百万円、営業利益率11.6%

 

 (3)経営戦略

当社グループは、2030年を目標年次としたCTIグループ中長期ビジョン「SPRONG2030」に基づき、国内外のインフラに関わるあらゆる課題を解決に導き、SDGs目標の達成に向けて貢献する「グローバルインフラソリューショングループ」として飛躍していくことを目指しています。

また、「SPRONG2030」の実現にむけて、中期経営計画2024(2022年1月~2024年12月)を策定し、企業価値を向上させ、社会の持続的な発展に貢献するため、グループ一丸となって「グローバルインフラソリューショングループ」として成長することを目指し、具体的な経営数値目標及び施策のもと、推進しています。

さらに、飛躍のための取り組みの1つとして、2022年6月に「CTIグループ・サステナブルチャレンジ」を策定し、公表しました。「CTIグループ・サステナブルチャレンジ」では、インフラ整備を通じた「サステナビリティ」実現に向けて、多様な主体が共創すること、自然の力を巧みに活かすことにより、地域の「防災」、「環境保全」、「地域活性化」の同時達成に寄与する新しい価値を提案・開示することとしています。

 

 

 (4)経営環境及び対処すべき課題

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が継続しています。ただし、世界的な金融引締めに伴う影響、中国経済の先行き等が経済状況を下押しするリスクとして存在しています。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響については、継続的に注視していく必要があります。

当社グループを取り巻く経営環境は、国内建設コンサルティング事業では、政府が推進している防災・減災対策の強化、インフラ老朽化対策に関わる国土強靭化推進などを背景として、引き続き堅調に推移しています。海外建設コンサルティング事業では、アジア市場及び英国市場ともに、新型コロナウイルス感染症による影響がほぼ解消し以前の事業環境に戻りつつある一方、中東及びウクライナ情勢による不確実性の高まりのほか、世界的なインフレの進行や金融引締め等の懸念すべき事象も発生しています。

当社グループは、このような経営環境のもと、「中期経営計画2024」の中間年である2023年において、①事業構造変革の促進、②生産システム改革の促進、③ガバナンスの強化、④サステナビリティ経営の推進の4点をグループ全体の取組として掲げ、多くの施策を実行してまいりました。

 

国内建設コンサルティング事業では、2023年6月に改正国土強靱化基本法が施行され、2024年度における国の公共事業関係費予算及び防災・減災、国土強靭化のための推進予算が前年並みに確保される見込みで、流域治水等の防災・減災対策、河川や道路のメンテナンス事業等のインフラ老朽化対策などが引き続き進むものと想定されます。さらに、災害への対応、DX推進、カーボンニュートラルへの対応など、社会からの要請が一層高まると予想されます。

海外建設コンサルティング事業では、株式会社建設技研インターナショナルの所管する東南アジアの事業が引き続き改善傾向にあるものの、Waterman Group Plcの所管する英国やオーストラリアでは、高騰するインフレ率、賃金上昇などを背景とする景気動向により受注環境は不確実な状況であり、今後も注視していく必要があります。

以上の経営環境のもと、「中期経営計画2024」の最終年となる2024年では、積み残した課題の改善と「中期経営計画2024」の目標達成に向けて、以下の重点テーマに基づく取組を推進します。

 (a) 事業構造変革の促進

防災・減災などコア事業の競争力を一層高めるとともに、情報システム開発や都市・建築、エネルギーなどの重点事業分野の受注拡大を図ります。また、ウェビナー等を活用した営業活動を進め、地方自治体や民間、海外等への市場展開を促進します。

 (b) 生産システム改革の促進

成長の原動力である人材の強化を図り、そのための人材確保、人材育成、人材活用を重点的に実施します。さらに、プロジェクトマネジメント強化とDXの推進によって品質確保と生産性向上を図ります。

 (c) リスクマネジメントによるガバナンスの強化

前年より強化したリスクマネジメント体制のもと、コンプライアンスを徹底するとともに、事業リスクや成果品質、労務管理及び情報セキュリティ等、当社グループを取り巻く俯瞰的かつ重点的なモニタリングを行うことにより、グループ全体の内部統制を一層強化します。

 (d) サステナビリティ経営の推進

サステナブルチャレンジ推進計画に沿った施策、エンゲージメント向上に資する取組、ダイバーシティに関する取組などを引き続き推進するとともに、これらの取組の積極的な開示に努めてまいります。

 

 (5)不適切な原価管理の発生

2024年2月6日、当社従業員より、当社が受託した業務において生じた人件費等を、当該業務以外の業務に付け替えた旨の自己申告がなされました。

当社は、本申告の内容を調査するため、社内調査委員会を設置し、本事案の詳細及び類似案件の有無について調査を実施いたしました。

調査にあたっては、関係者ヒアリング調査、デジタルフォレンジック調査、アンケート調査等の各種調査方法を用いております。また、調査対象としては、自己申告のあった従業員の所属する部室の部員のほか、当社及び当社の主要なグループ会社の中から予算管理権限のある管理職832名(内グループ会社116名)を選定いたしました。

各種調査の結果、複数拠点にて、主に赤字の回避や予算原価率との乖離の回避を目的として、業務月報上について、本来付けるべき業務ではない業務に記録して申請する等の手段を用いて、売上等の計算の基礎である原価を操作するという、不適切な原価管理がなされていることを確認いたしました。

当社は、本事案の再発防止策として、原価管理に関するチェック機能の強化及びコンプライアンス研修の徹底等の実施に取り組みます。

今後とも再発防止を徹底するとともに、信頼回復に努めてまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

    当社グループのサステナビリティに関する考え方及び具体の取組は、次のとおりであります。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。

  当社グループは経営理念を「世界に誇れる技術と英知で、安全で潤いのある豊かな社会づくりに挑戦する」と定め、経営の規範である行動憲章において「サステナビリティ」を基本概念のひとつとして位置づけ、持続可能な社会の形成への貢献をうたっています。

  企業活動を通じて企業の社会的責任を果たし、社会的課題を解決し、人々が大切にする文化を守り創造することで、社会と会社の持続的な発展を同時に実現することを目指しています。当社におけるサステナビリティとは、「行動憲章」の実践により、当社グループの中長期的な企業価値向上と、社会の持続的な発展を同時に実現することと考えます。

 

(1) サステナビリティに関するガバナンス

 経営会議と同レベルのサステナビリティ委員会(委員長:代表取締役社長)を設置し、サステナビリティを経営管理上の課題の体制の中に組み込むことにより、ガバナンス体制を構築しました。サステナビリティ委員会では、温室効果ガス排出削減や持続可能な地域づくりに貢献する研究・技術開発、人材育成等の方針について審議し、重要事項については取締役会を経て決定します。

 


 

 

(2) サステナビリティに関するリスク管理

当社グループを取り巻く社会環境は、気候変動やエネルギーなどの全世界的な問題に加えて、人材の多様化やガバナンス強化の要請など、多岐にわたる課題が存在しています。このような社会環境の中で、当社グループは中長期ビジョン「SPRONG2030」において、国内外のインフラに関わるさまざまな課題を解決に導き、社会の持続可能な発展に貢献する「グローバルインフラソリューショングループ」として飛躍していくことを目指しています。飛躍に向けた歩みを確実なものとするため、特に重点的に取り組むべき課題をマテリアリティとして特定しました。

特定したマテリアリティは、サステナビリティ委員会でモニタリングを行い、PDCAサイクルによる必要な見直しを行います。

サステナビリティ委員会では、具体的な推進、実行の役割を担う下部委員会として、環境を統括するグリーン投資戦略WG、人的資本を統括するウェルビーイング推進会議を設置しています。これら委員会では特に環境及び人的資本にかかる情報の収集と分析・評価、対応策の実行、モニタリングを行い、定期的に課題を抽出し、サステナビリティ委員会で審議のうえ対応策等の見直しを行っています。

                <当社のマテリアリティ>

1. 安全・安心を支えるインフラ整備への貢献     

気候変動による災害の激甚化や、高度経済成長期に整備されたインフラの老朽化などが社会的課題となっています。一方、インフラ整備の財源や担い手不足も課題であり、より効率的で効果的なインフラ整備が求められています。CTIグループは、これまでに蓄積された知見や経験を活かし、安全・安心な社会を支えるインフラ整備の課題に取り組んでいきます。

2. 国・地域・社会の持続的発展への貢献

少子高齢化などによる、地域経済の停滞や社会基盤サービスの維持が社会的課題となっています。また、世界の中には経済発展に必要なインフラ整備が不足している地域もあります。CTIグループは、次世代モビリティなど地域活性化への取組や国内インフラ整備の実績を活かし、国内外における社会の持続的発展へ貢献していきます。

3. 脱炭素・循環型社会と生態系保全への貢献

持続可能なエネルギーへの転換など、環境負荷を低減した持続可能な社会の実現が世界的な課題となっています。また、水域や陸域における生態系の保全と多様性の維持が急務となっています。CTIグループが有する環境分析や環境保全対策に関するコンサルティングサービスの経験を生かし、循環型社会の構築や生態系の保全に貢献していきます。

4. DX による価値の創出

技術による社会貢献を目指すCTIグループにとって、急速に進化するテクノロジーに対応することが必須です。企業のデジタル化とイノベーションは競争力の源泉であり、革新的技術の活用は社会的課題の解決にも貢献するものです。CTIグループは、DXによる成果を社会的課題の解決に実装するとともに、業務生産の効率化や企業価値向上に活用していきます。

5. 人材の充実とウェルビーイングの実現

CTIグループにおける最大の経営資本は人材であり、人材の採用、育成、活性化が極めて重要です。その際、従業員が「幸福」であることが、創造性、生産性を高め、人材を引き付ける原動力となると考えています。そのため、CTIグループではウェルビーイングを最重要課題としてとらえ、トップマネジメントとして推進していきます。

6. コーポレート・ガバナンスの強化

CTIグループは、公正なビジネス慣行の下で持続可能な変革を推進するために、透明なガバナンスの確立が不可欠であると考えています。適正かつ積極的な情報開示を通じてステークホルダーとの信頼関係を構築するとともに、公正な意思決定と運営を確保し、攻めと守りのガバナンス戦略により、持続的な企業価値の向上を目指します。

7. 成果品質の確保・向上

CTIグループの活動の成果は、人と社会の安全・安心に関わるものであり、成果品の品質の確保、顧客をはじめとしたステークホルダーからの信頼の維持は、企業活動の生命線と言えるものです。CTIグループは、高品質な成果の提供に努め、顧客満足度、社会的評価及び技術競争力の向上に取り組んでいきます。

 

さらに、リスクマネジメント委員会では被害・損害規模と発生頻度から重要リスクを抽出し、リスクマネジメントを実施しています。また当該実施状況のモニタリングを行い、課題の抽出、リスクやその対応策の見直しを図ります。サステナビリティ委員会とリスクマネジメント委員会は、サステナビリティ課題に対する重要リスクについて、情報の共有及び連携を図り対応しています。

なお、重要リスクに関する詳細については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。

 

 

(3) 人的資本に関する情報

① 戦略(人材の育成及び社内環境整備に関する方針)

技術を通じて社会に貢献する当社において、最大の経営資本は人材です。したがって、人材の採用、育成及び活性化に向けた投資は極めて重要です。人材の強化と活性化は、生産性や生産品質の向上に直結し、結果として社員への還元や収益向上にも寄与します。

人的資本の強化に際しては、従業員の幸福が創造性や生産性の向上を促し、優れた人材を引き付ける原動力となります。そのため、当社ではウェルビーイングを最優先の課題と捉え、「CTIウェルビーイング基本方針」を定めました。この方針に基づき、トップマネジメントとしてウェルビーイングの推進に努めています。

   ア.心身ともに健康な状態の形成

従業員の心身の健康は生産性と直結し、ストレスや過労はパフォーマンスの低下や長期的な健康問題につ ながります。そのため、労使協働で働き方改革を推進し、長時間労働を削減します。また、生活習慣病の予防に注力し、ストレスチェックとフォローアップでメンタルヘルスをサポートします。

   イ. 信頼と尊重にもとづく職場環境の形成

職場の信頼と尊重はコミュニケーションを促進し、創造的で生産的な職場環境を作ります。そのため、従業員間の信頼を深めるための1on1ミーティングやサンクスポイント制度の導入、コーチングとコミュニケーションスキルを向上させる研修などにより、個々の人権を尊重し、チームワークを重視する文化を醸成します。

   ウ.多様な働き方を受け入れ、ワークライフバランスを充実させる制度の構築

ワークライフバランスの充実は従業員の満足度を高め、企業の離職率を低下させます。また、多様な働き方を受け入れることで、さまざまな才能を生かすことができます。そのため、「CTIスマートワーク」の推進、柔軟な勤務制度の導入、ダイバーシティ&インクルージョンの推進、そして充実した福利厚生を通じて、多様な働き方をサポートし、従業員のワークライフバランスを充実させます。

   エ.自らの成長を実感し、自律的に目標とやりがいを持って仕事をする風土の醸成(人材育成方針)

従業員が自らの成長を実感し、自律的に仕事に取り組むことは、持続可能な組織成長とイノベーションに不可欠です。そのため、ヒューマンリソースマネジメント基本方針を策定して、求める人材像とスキルを明確にし、充実した研修制度を提供します。また、年功序列から、役割や職責を重視する人事制度に転換し、従業員が自分自身の成長を実感し、やりがいを持って仕事に取り組めるような環境を構築します。

詳細の取組については、当社統合報告書(2023年)38ページから43ページをご覧ください。

   (統合報告書:https://www.ctie.co.jp/ir/financial/togo/uploads/2023/10/2023_browse.pdf)

 


 

 

 ② 指標と目標

当社では、ウェルビーイング基本方針に定める項目毎に施策及びKPIを設定し実行しています。特に重要としている指標は、以下表に記載のとおりです。

<ウェルビーイング基本項目に係る目標と指標の現況>

ウェルビーイング基本項目と内容

施策

重要指標

目標(2030年)

現況(2023年)

心身ともに健康な状態の形成:経済的に不自由なく、心身共に健康な状態である

 

長時間労働の是正
健康増進活動の推進
メンタルヘルスケアの充実

働き方改革の推進
健康経営の促進

年間総労働時間

1,900時間

2,170時間

信頼と尊重にもとづく職場環境の形成:職場において信頼と敬意にもとづく人間関係が形成されている

 

チームワークの促進
コミュニケーションの活性化
コミュニケーションスキル

人事処遇制度改革
1on1、サンクスポイント

CTIGヒューマンリソースマネジメント

エンゲージメント

 スコア

60以上

(Aランク)

54.6

(BBランク)

多様な働き方・ワークライフバランスの充実:多様な働き方が認められ、ワークライフバランスが充実している

 

テレワーク、多様な働き方の拡充
ダイバーシティの推進
福利厚生の充実

CTIスマートワーク
ダイバーシティ推進計画

女性管理職比率

男性育休取得率

10.0%

100%

 2.0%

63%

成長の支援・やりがいの醸成:会社や自らの成長を実感し、自律的に目標とやりがいをもって仕事をしている

 

成長の支援、やりがいの醸成

CTIGヒューマンリソースマネジメント
人事処遇制度改革

社員離職率

   ※定年退職除く

研修時間
 

3.0%

30時間

3.5%

30時間

 

 

(4) 環境に関する情報

  ① 戦略

当社グループの事業への影響評価において想定したシナリオで中長期的に想定される主要なリスクと機会を定性的に評価した結果は次のとおりです。リスクとして、移行リスクは事業活動に伴う炭素税等による排出規制の強化及び社会の気候変動に対する意識の高まりに伴う当社グループの社会的責任、物理リスクは台風・豪雨等の自然災害の増加を特定しました。一方、機会として、気候変動影響の増加に伴う防災・減災等に係る社会インフラの計画・設計、再生可能エネルギー等の脱炭素型エネルギーへの転換等に係るニーズの増加を特定しました。

当社グループの事業に与えるリスクと機会を定量的かつ精緻に評価するとともに、対応策を具体化するなど、内容の充実を図ります。

<気候変動に伴う主要なリスクと機会、その対応策>

分類

内容

財務影響

対応策

1.5℃

4℃

移行

リスク

政策・

規制

・化石燃料使用への課金による光熱水費・エネルギー管理コストの増加

・再生可能エネルギーへの転換

・自社ビルのZEB化、EV化などCO2排出の低減

市場

・社会の環境配慮意識の高まりによる企業責任の増加

・地域社会のサステナビリティ実現への貢献

機会

政策・

規制

・地域や企業の脱炭素化、気候変動適応関連のニーズ拡大

・脱炭素型社会構築関連の官民分野での事業展開

・再生可能エネルギー等のニーズ拡大

・再生可能エネルギー関連の技術開発と事業展開

・クレジットの創出・管理に係る技術開発と事業展開

物理

リスク

急性

・台風・豪雨等の自然災害による事業継続リスクの増加

・災害対策に関するBCPの整備

・自然災害リスク回避のための対策強化

機会

慢性

・防災・減災及び国土強靭化に係るコンサルティングサービスニーズの増加

・国土強靭化への体制強化

・防災・減災のための技術開発と事業展開

 

 

② 指標と目標

当社グループは、自らの企業活動に伴う環境負荷を低減するとともに、公共事業を担う企業責任から、地域社会のサステナビリティを向上させることにより、関係するステークホルダーの信頼と共感を通じて企業価値の向上に努めることをめざしています。そのためScope1,2の目標として「企業活動に伴う二酸化炭素の排出量を2030年までに実質ゼロ」とすることとしています。同時に「CTIグループサステナブル投資予算枠を設け、地域社会のサステナビリティを向上させる事業に投資するとともに、関連する研究開発や人材育成を推進」することとしています。

           <サステナブルチャレンジ推進計画に基づく目標と指標の現況>

区分

目標(2030年)

現況(2022年)

当社グループのカーボンニュートラル実現

 

 

 温室効果ガス排出

排出量

2030年温室効果ガス排出実質ゼロ

    4,451t-CO2/年

   内訳

Scope1

          809t-CO2/年

Scope2

        3,641t-CO2/年

 

    (参考)Scope3

           -

(参考)23,103t-CO2/年

 (建設技術研究所単体)

地域社会のサステナビリティへの貢献

 

研究開発投資

(建設技術研究所単体)

研究開発投資に占める

サステナブル枠

研究開発投資予算の50%を目安

  32%(2023年)

 

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。また、以下の記載は、当社グループのリスクの全てを網羅するものではないことにご留意ください。

(1)市場

当社グループの受注は公共事業に大きく依存しており、その動向により当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、技術革新により事業環境が大きく変化する可能性があります。

これらのリスクに対して、新技術の開発・導入やDXの推進によって競争力を更に高めるとともに、グループ会社間の連携強化などを通じて民間市場など事業領域の拡大に取り組むことにより、受注確保に努めております。

(2)基準、法的規制

当社グループは、国内事業及び海外事業において様々な法的規制の適用を受けております。近年、変化の著しい社会・経済環境に応じてしばしば基準・法律が制定・改正されており、これらへの対応が遅れる事態が発生すれば、社会的信用の失墜等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このリスクに対し、基準・関係法令等の最新情報を収集・分析し、速やかな対応に努めております。

(3)気候変動、自然災害、パンデミック

大規模な地震、台風、豪雨等の自然災害や感染症の流行等の発生により、正常な事業活動が困難となり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、プロジェクトの中断、新規案件での発注遅延等の発生により、業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、気候変動対応策への対応の遅れにより、事業機会を喪失する可能性があります。

これらのリスクに対して、当社グループでは、BCP(事業継続計画)を策定し、社員に周知しており、定期的に内容を点検・更新するなど、危機管理体制を整備して事業活動への影響を低減するように努めるとともに、気候変動関連の技術開発等により、気候変動関連事業への展開に努めております。

(4)投資

企業買収や新事業などへの投資による損失が業績に影響を及ぼす可能性があります。

このリスクに対して、事業環境を見極め、投資した事業の継続的なモニタリングを実施し、より成長が期待できる分野等への投資を行ってまいります。

(5)人材確保・育成

当社グループは、高度な専門性や公的資格及び実績を有した人材が、競争優位性を確保し、持続的な成長を可能とするための、唯一にして最大の経営資源と認識しております。必要とする人材の確保・育成ができなかったり、優秀な人材が流出したりした場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対して、当社グループは積極的かつ継続的な採用活動を行うことに加え、働き方改革を推進し、多様な働き方に対応する制度の充実等を図っております。さらに、社員のキャリアアップに資する各種研修・教育訓練などの人材育成に積極的に投資しております。

(6)情報セキュリティ

電子媒体やネットワークを介して取り扱う情報が拡大する中、災害、故障・障害、過失・故意等による情報の紛失、破壊、漏洩等により、社会的信用の失墜、顧客との取引停止、損害賠償等が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対して、CTIグループ情報セキュリティポリシーをはじめとした規程類を整備し、当社グループが取り扱う情報及び情報システムの適切な運用・管理を行うとともに、定期的に情報セキュリティ研修を実施して、社員の情報セキュリティに関する意識とリテラシーの向上に努めております。

(7)カントリーリスク

当社グループが海外事業を行う国・地域において予期しえない法制度の変更や政治・経済情勢における不測の事態が発生した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対して、海外業務に従事する際の安全対策マニュアル策定による社員の安全の確保、海外の市場変化への柔軟な事業展開、与信管理の徹底による不払いや貸し倒れリスクの軽減等に努めております。

 

(8)品質・安全

当社グループが行う業務は、公益性が高いことから、広範に及ぶ社会的影響などのリスクが潜在します。特に成果品に契約不適合箇所があった場合や安全管理不足による重大事故が生じた場合には、社会的信用の失墜、指名停止処分、損害賠償等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対して、潜在するリスクを評価・特定し必要な対策を講ずるために「技術リスクガイドライン」を策定して、品質環境管理システムとの一体的運用を行い、業務の品質管理を徹底し、成果品の社内照査を確実に行うための体制を構築し、契約不適合箇所発生等の技術リスクの低減に努めております。また、安全管理教育を徹底し、重大事故防止に努めています。なお、契約不適合責任に対する損害賠償請求に備えるため損害賠償責任保険に加入しております。

(9)技術力

社員の成長の停滞や研究開発の低迷等に起因する技術力の低下や生産性の低下により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対して、事業環境の変化を見極め、研修等を通じた技術力の強化、計画的な研究開発の推進、生産システム改革の推進などを進めています。

(10)人事・労務

長時間労働や各種ハラスメント行為の発生により、社員の心身の健康等に悪影響を及ぼし、傷病の発生、生産性の低下、又は労働法令違反による社会的信用の失墜等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対して、長時間労働防止に向けた行動計画の策定とモニタリングの強化、テレワーク等を活用した新しい働き方の推進、深夜労働回避のための管理の強化、ハラスメント防止教育の実施、社内通報・相談窓口の設置等に取り組んでおります。 

また、技術によって社会に貢献する当社にとって、従業員が「幸福」であることが、創造性、生産性を高め、優秀な人材を引き付ける原動力との認識のもと、CTIウェルビーイング基本方針を策定し、トップマネジメントとして健康経営を推進しております。

(11)コンプライアンス

社員のコンプライアンス意識の薄さから、社員個人又は会社組織での会計不正、横領・贈収賄、独禁法違反、知的財産権侵害、インサイダー取引、機密情報・個人情報の持ち出し等の事態が生じる可能性があります。

これらのリスクに対して、コンプライアンス違反行為を発生させない職場環境づくりや意識向上に努めるとともに、社員に対するコンプライアンス研修・教育の実施、情報持ち出し防止策の徹底、内部監査体制の強化に努めております。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、「経営成績等」という。)の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が継続しています。ただし、世界的な金融引締めに伴う影響、中国経済の先行き等が経済状況を下押しするリスクとして存在しています。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響については、継続的に注視していく必要があります。

当社グループを取り巻く経営環境は、国内建設コンサルティング事業では、政府が推進している防災・減災対策の強化、インフラ老朽化対策に関わる国土強靭化推進などを背景として、引き続き堅調に推移しております。海外建設コンサルティング事業では、アジア市場及び英国市場ともに、新型コロナウイルス感染症による影響がほぼ解消し以前の事業環境に戻りつつある一方、中東及びウクライナ情勢による不確実性の高まりのほか、世界的なインフレの進行や金融引締め等の懸念すべき事象も発生しています。

当社グループは、このような経営環境のもと、「中期経営計画2024」の中間年である2023年において、①事業構造変革の促進、②生産システム改革の促進、③ガバナンスの強化、④サステナビリティ経営の推進の4点をグループ全体の取組として掲げ、多くの施策を実行してまいりました。

これらの取組により、当連結会計年度における当社グループの受注高は、92,473百万円と前年同期比7.7%増となりました。売上高は93,057百万円と前年同期比11.5%増経常利益は10,153百万円と前年同期比23.3%増親会社株主に帰属する当期純利益は7,534百万円と前年同期比28.2%増となりました。

当社グループのセグメント別の業績は次のとおりです。

1 国内建設コンサルティング事業

 国内建設コンサルティング事業は、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策(2025年度まで)により引き続き受注が好調であったことに加え、大型案件の受注や業務単価の上昇等により、利益率が向上しました。以上の結果、受注高は62,161百万円と前年同期比6.8%増、売上高は64,473百万円と前年同期比10.9%増となり、セグメント利益は8,943百万円と前年同期比29.9%増となりました。

2 海外建設コンサルティング事業

 海外建設コンサルティング事業は、東南アジアを拠点とする株式会社建設技研インターナショナルにおいて堅調に推移するとともに、英国を中心に事業展開するWaterman Group Plcの公共部門をはじめとする各部門においても受注が堅調に推移し売上も増加いたしました。一方で、海外における人件費の高騰等により、利益率は減少しました。以上の結果、受注高は30,312百万円と前年同期比9.4%増、売上高は28,583百万円と前年同期比12.9%増となり、セグメント利益は1,073百万円と前年同期比5.2%減となりました。

 

②財政状態の状況

当連結会計年度末における総資産は79,914百万円と前年同期比9.0%増となりました。これは主に、現金及び預金が減少した一方、受取手形、完成業務未収入金及び契約資産に加えて退職給付に係る資産が増加したことによるものであります。

当連結会計年度末における総負債は24,820百万円と前年同期比3.0%減となりました。これは主に、賞与引当金が増加した一方、未払法人税等が減少したことによるものであります。

当連結会計年度末における純資産は55,093百万円と前年同期比15.5%増となりました。これは主に、自己株式の増加による減少があった一方、親会社株主に帰属する当期純利益の計上で増加したことによるものであります。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,934百万円減少し、19,654百万円となりました。

営業活動の結果取得した資金は874百万円(前年同期比77.0%減)となりました。これは主に、売上債権及び契約資産の増加による支出7,027百万円や法人税等の支払額4,547百万円があった一方、税金等調整前当期純利益10,140百万円や減価償却費1,401百万円による収入や未払消費税等の増加1,130百万円による収入があったことによるものであります。

投資活動の結果使用した資金は912百万円(前年同期比21.3%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出843百万円があった一方、貸付金の回収による収入255百万円があったことによるものであります。

財務活動の結果使用した資金は3,291百万円(前年同期比155.0%増)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出1,025百万円、配当金の支払額1,408百万円があったことによるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

1)生産実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2023年1月1日 至  2023年12月31日)

(百万円)

前年同期比(%)

国内建設コンサルティング事業

64,473

10.9

海外建設コンサルティング事業

28,583

12.9

合計

93,057

11.5

 

(注)1  金額は、販売価額によっております。

2 上記の金額は外部顧客に対するもので、セグメント間の内部取引及び振替額は含まれておりません。

 

2)受注実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年1月1日 至  2023年12月31日)

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

国内建設コンサルティング事業

62,161

6.8

38,856

△2.2

海外建設コンサルティング事業

30,312

9.4

26,497

5.8

合計

92,473

7.7

65,353

0.9

 

(注)1  金額は、販売価額によっております。

2 上記の金額は外部顧客に対するもので、セグメント間の内部取引及び振替額は含まれておりません。

 

3)販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年1月1日 至  2023年12月31日)

(百万円)

前年同期比(%)

国内建設コンサルティング事業

64,473

10.9

海外建設コンサルティング事業

28,583

12.9

合計

93,057

11.5

 

(注)1  金額は、販売価額によっております。

2 上記の金額は外部顧客に対するもので、セグメント間の内部取引及び振替額は含まれておりません。

3 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

販売先

前連結会計年度

(自  2022年1月1日

至  2022年12月31日)

当連結会計年度

(自  2023年1月1日

至  2023年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

日本国

29,532

35.4

32,125

34.5

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。

経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計基準は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

当連結会計年度の連結財務諸表の作成にあたって、特に重要な見積りは以下のとおりであります。

 

(のれんの減損)

当社グループは、企業結合により発生したのれんを計上しております。当該のれんについては、将来の超過収益力を適切に反映しているものと判断しております。

のれんの減損損失の判定にあたっては、子会社の業績や事業計画等に基づき合理的に判断しておりますが、これらは長期的な見積りに基づくため、将来の経営環境や市況等の変動によっては、当社グループの財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(建設コンサルティング業務契約における収益認識)

当社グループは、建設コンサルティング業務契約について、一定の期間にわたり充足される履行義務については、見積総原価に対する発生原価の割合に基づく進捗度により収益を認識しております。

見積総原価の見積りには、不確実性を伴いますので、予期し得ぬ状況変化や事実の判明によって業務の作業量等が大きく変動した場合には、当社グループの財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

②経営成績等の状況の分析

当連結会計年度末における経営成績の状況は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。

国内建設コンサルティング事業セグメントの営業利益率は、前年同期11.8%から当連結会計年度13.9%へと上昇しました。公共事業における技術者単価の上昇、契約ロットの大型化により採算性の向上があった一方、人件費も増加しておりますが、DX化等の業務効率化の推進により、採算性が上昇しております。 

海外建設コンサルティング事業セグメントの営業利益率は、前年同期4.5%から当連結会計年度3.8%へと低下しました。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響がほぼ解消する中、英国の公共部門が業績を下支えし、売上高は増加しておりますが、民間部門やオーストラリア等においては、インフレによるコスト増の価格転嫁が進まず、採算性が低下しております。

 

③財政状態の分析

当連結会計年度末における財政状態の状況は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」をご参照ください。

総資産は79,914百万円と前年同期比9.0%増となり、総負債は24,820百万円と前年同期比3.0%減、純資産は55,093百万円と前年同期比15.5%増となりました。

これらは、受注高、売上高等の事業規模拡大により増加しておりますが、自己資本比率も前年同期64.8%から当連結会計年度68.7%へと上昇しておりますので、財政の安定性を保ちながら事業規模拡大が図られていると考えております。

 

④資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度末のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

当社グループの事業規模拡大に伴い、総資産が増加していますが、資金については、手元流動性を確保しつつ、基本的には自己資金の範囲内で事業拡大と生産性向上並びに業務効率化に必要な投資を進めているところであります。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、業務原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は中長期的な成長に向けてのM&Aや設備投資によるものであります。

なお、業務の特性上、受託料収入が第2四半期に集中し、第1四半期には手元資金残高が減少する傾向があるため、当該時期には資金需要に応じて運転資金の一部を金融機関からの短期借入金で賄うことがあります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、国内及び海外において事業を展開しており、事業拡大に資する研究開発を進めております。

具体的には、事業拡大や最先端技術の開発、品質・生産性の向上に主眼を置いた研究開発として、専任者を配置し、3~5年で実施する計画的研究開発投資、専任者を設けずに1~2年で行う短期的研究開発投資を設けるとともに、緊急的投資、国土文化研究、国際投資、人材開発投資などに区分することで研究開発への投資の実効性を高める取り組みを継続しております。

当連結会計年度においては、国内建設コンサルティング事業を中心に総額1,233百万円を投入し、主に以下のテーマについて研究を進めております。なお、セグメント別の研究開発費は、国内建設コンサルティング事業が1,215百万円、海外建設コンサルティング事業が18百万円であります。

① 計画的研究開発投資(交通まちづくり、都市・建築PPP、災害情報共有システム、土砂災害ソフト対策、防災行動支援システム、3次元データ標準設計、エネルギー事業、画像解析等のAI技術など)

② 短期的研究開発投資(流域治水管理システムの研究・開発、UAVを用いた無人設置型観測ベース機器の開発、Level4自動運転車を見据えた次世代モビリティの遠隔監視システムの開発、炭素排出量の定量化に向けた設計評価ツールの開発、CTI自社ビルのZEB化改修設計技術習得による事業分野拡大、無人航空機の利活用の高度化に対応するシステム開発、リアルタイムで現場の生物生息状況を把握できる環境DNA等分析技術の確立、細菌叢解析を用いた地下水流動検討分野への展開、ArcGISを用いたCM業務向けアプリの開発など32テーマ)

③ 国土文化研究(地方と都市の共助社会システムに関する研究、インフラが地域の歴史・文化・社会形成に与えた影響に関する研究)

④ 国際投資(国際ビジネス推進、Waterman連携)

⑤ 人材開発投資(BIM/CIM推進やダイバーシティ推進等に向けた各種社内外の研修、社会人大学院派遣、海外研修派遣等)

 

第3 【設備の状況】

 

1 【設備投資等の概要】

当連結会計年度の設備投資の総額は843百万円であり、セグメント毎の設備投資等について示すと、次のとおりであります。

(国内建設コンサルティング事業)

当連結会計年度中に生産能力に重要な影響を及ぼす設備投資、設備の売却及び撤去などはありません。

 

(海外建設コンサルティング事業)

当連結会計年度中に生産能力に重要な影響を及ぼす設備投資、設備の売却及び撤去などはありません。

 

 

2 【主要な設備の状況】

当社グループにおける主要な設備は、次のとおりであります。

(1)提出会社

2023年12月31日現在

事業所名
(所在地)

セグメントの名称

設備の
内容

帳簿価額(百万円)

従業員数
(名)

建物及び
構築物

機械装置
及び
運搬具

土地
(面積㎡)

リース
資産

その他

合計

本社
(東京都中央区)

国内建設コンサルティング事業

統括業務
施設

35

3

43

82

148

(5)

東京本社
(東京都中央区)

国内建設コンサルティング事業

事務所

148

15

144

308

671

(227)

東京本社
さいたまオフィス
(さいたま市浦和区)

国内建設コンサルティング事業

事務所

749

0

772

(1,978)

2

32

1,557

79

(56)

研究センターつくば
(茨城県つくば市)

国内建設コンサルティング事業

事務所
及び
実験施設

252

79

1,937

(50,605)

1

16

2,286

29

(8)

与野寮
(さいたま市中央区)

国内建設コンサルティング事業

厚生施設

140

820

(1,565)

0

961

(―)

九州支社
(福岡市中央区)

国内建設コンサルティング事業

事務所

395

0

1,025

(1,136)

57

1,478

190

(49)

CTIけいはんな
ビル
(京都府相楽郡
精華町)

国内建設コンサルティング事業

事務所

及び

環境調査
分析施設

559

1

121

(4,660)

0

683

(―)

CTI岡崎ビル
 (愛知県岡崎市)

国内建設コンサルティング事業

事務所
及び
環境調査
分析施設

172

109

(1,200)

0

282

(―)

 

(注) 1  研究センターつくばの土地面積には、連結会社以外から賃借している土地14,895㎡が含まれております。

2  臨時雇用者数は(  )内に年間平均人員を外数で記載しております。

 

(2)国内子会社

 主要な設備はありません。

 

(3)在外子会社

 主要な設備はありません。

 

3 【設備の新設、除却等の計画】

(1)重要な設備の新設等

 重要な設備の新設等の計画はありません。

 

(2)重要な設備の除却等

 重要な設備の除却等の計画はありません。