第1【公開買付要項】

1【対象者名】

株式会社リソー教育

 

2【買付け等をする株券等の種類】

普通株式

 

3【買付け等の目的】

(1)本公開買付けの概要

 公開買付者は、本書提出日現在、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場に上場している対象者の普通株式(以下「対象者株式」といいます。)31,842,039株(増資前所有割合(注1):20.57%、増資後所有割合(注2):18.69%)を所有する対象者の筆頭株主であり、対象者を持分法適用関連会社としております。

(注1) 「増資前所有割合」とは、対象者が公開買付者を割当先として実施する第三者割当増資(注3)(以下「本第三者割当増資」といいます。)によって対象者の発行する株式を公開買付者が引き受ける前の所有割合をいい、増資前所有割合は、①対象者が2024年4月8日に公表した「2024年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(以下「対象者決算短信」といいます。)に記載された2024年2月29日現在の対象者の発行済株式総数(156,209,829株)に、②対象者から2024年3月22日に報告を受けた2024年2月29日現在の新株予約権37,508個の目的となる対象者株式の数(合計403,740株)(以下、新株予約権を総称して「本新株予約権」といい、本新株予約権の回号毎の概要は以下の表をご参照ください。)を加算した株式数(156,613,569株)から、③対象者決算短信に記載された2024年2月29日現在の対象者が所有する自己株式数(1,846,230株)を控除した株式数(154,767,339株)に対する割合をいい、小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、増資前所有割合の記載において同じとします。

発行決議日

名称

権利行使期間

新株予約権の数(個)

新株予約権の目的となる対象者株式の数(株)

2018年10月9日

第1回株式報酬型

新株予約権

2018年11月20日~

2058年11月19日

1,433

42,990

2019年8月23日

第2回株式報酬型

新株予約権

2019年9月25日~

2059年9月24日

3,869

38,690

2020年9月18日

第3回株式報酬型

新株予約権

2020年10月20日~

2060年10月19日

8,979

89,790

2021年8月24日

第4回株式報酬型

新株予約権

2021年9月23日~

2061年9月22日

2,963

29,630

2022年6月23日

第5回株式報酬型

新株予約権

2022年7月20日~

2062年7月19日

13,778

137,780

2023年9月19日

第6回株式報酬型

新株予約権

2023年10月26日~

2063年10月25日

6,486

64,860

合計

37,508

403,740

 

(注2) 「増資後所有割合」とは、①対象者決算短信に記載された2024年2月29日現在の対象者の発行済株式総数(156,209,829株)に、②本新株予約権37,508個の目的となる対象者株式の数(合計403,740株)及び公開買付者が本第三者割当増資において引き受ける対象者株式の数(15,596,330株)を加算した株式数(172,209,899株)から、③対象者決算短信に記載された2024年2月29日現在の対象者が所有する自己株式数(1,846,230株)を控除した株式数(170,363,669株、以下「本基準株式数」といいます。)に対する割合をいい、小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、増資後所有割合の記載において同じとします。

(注3) 「本第三者割当増資」は、対象者が2024年4月8日に関東財務局長に提出した有価証券届出書(以下「対象者有価証券届出書」といいます。)によれば、本公開買付けの成立等を条件に、公開買付者が第三者割当増資において引き受ける対象者株式15,596,330株の発行、1株当たり発行価額を218円、発行総額を3,399,999,940円として実施される予定であり、本公開買付けに係る決済開始日(2024年6月3日を予定しておりますが、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)が延長された場合には、延長後の決済開始日)の前営業日までに払込みを行うことを予定しております(公開買付者は、本公開買付け及び本第三者割当増資を組み合わせることにより、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第206条の2に基づく手続が必要となる場合、本取引(以下に定義します。)の安定性が害され、かえって対象者の株主の利益が損なわれることになると考え、本公開買付けに係る決済開始日より前に払込みを行うことにより、同条の形式的な適用を受けない形としております。)。なお、本第三者割当増資の払込期間は、延長前の公開買付期間の末日の翌営業日である2024年5月23日から2024年7月11日までと定められておりますが、これは、公開買付期間が延長された場合には、上記払込みを行う日も延期されるためです。また、対象者有価証券届出書によれば、本第三者割当増資により調達する差引手取概算額3,323,000千円の具体的な使途については、①新規事業「こどもでぱーと」開設に伴う設備投資(新教室開設に伴う敷金、教室設備・備品取得費、初期投資費用)に1,291,000千円、②渋谷創造文化教育施設(敷金、内装施設工事、デザイン料等)に710,000千円、③DX戦略推進費用(顧客データベース、顧客との接点アプリケーション、教室ネットワーク等)に697,000千円、④防犯カメラ設置工事(教室内)に200,000千円、⑤戦略的M&A等の投資資金に425,000千円を充当する予定とのことです。

 

 今般、公開買付者は、2024年4月8日付の取締役会決議により、本公開買付け及び本第三者割当増資(以下、本公開買付け及び本第三者割当増資を総称して「本取引」といいます。)を通じて対象者を公開買付者の連結子会社とすることを目的として、対象者との間で2020年9月29日に締結した資本・業務提携契約書(以下「2020年9月29日付資本業務提携契約」といいます。)及び2021年10月27日に締結した資本・業務提携契約変更契約書(以下「2021年10月27日付資本業務提携変更契約」といい、2021年10月27日付資本業務提携変更契約をもって変更した公開買付者と対象者との資本業務提携を「現資本業務提携」といいます。なお、現在の資本関係に至るまでの経緯については、下記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」をご参照ください。)を更に変更する資本・業務提携契約変更契約書(以下「本資本業務提携変更契約」といい、本資本業務提携変更契約に基づく変更後の公開買付者と対象者との資本業務提携を「本資本業務提携」といいます。)を対象者との間で2024年4月8日付で締結するとともに、本公開買付けを実施し、本公開買付けが成立すること等を条件として、対象者が実施する本第三者割当増資を引き受けることを決議いたしました。本第三者割当増資に関する概要を含む本資本業務提携変更契約の概要については、下記「(3)本取引に係る重要な合意に関する事項」の「① 本資本業務提携変更契約」をご参照ください。

 

 また、本公開買付けの実施にあたり、公開買付者は、2024年4月8日付で、対象者の創業者で取締役会長かつ第2位株主である岩佐実次氏(所有株式数:15,780,250株、増資前所有割合:10.20%、増資後所有割合:9.26%、以下「岩佐氏」といいます。)との間で、その所有する対象者株式の全てを本公開買付けに応募する旨の応募契約(以下「本応募契約」といいます。)を締結しております。本応募契約の概要につきましては、下記「(3)本取引に係る重要な合意に関する事項」の「② 本応募契約」をご参照ください。

 

 公開買付者は、本取引により公開買付者が最終的に対象者を連結子会社化すること(増資後所有割合を51.0%とすること)を目的としていること、本取引は対象者株式の上場廃止を企図するものではなく、本公開買付けが成立し、かつ、本第三者割当増資の払込みが完了した場合においても、公開買付者及び対象者は引き続き対象者株式の上場を維持する方針であることから、本公開買付けにおいては、可能な限り多くの対象者の株主の皆様に売却の機会を提供しつつ、仮に本公開買付けに対象者が所有する自己株式を除く発行済株式総数の全ての応募があった場合においても増資後所有割合が51.0%となるよう、本公開買付けによる買付予定数の上限を39,447,200株(増資前所有割合:25.49%、増資後所有割合:23.15%)としております。そのため、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の上限(39,447,200株)を超える場合は、その超える部分の全部又は一部の買付け等を行わないものとし、法第27条の13第5項及び府令第32条に規定するあん分比例の方式により、株券等の買付け等に係る受渡しその他の決済を行います。この場合、岩佐氏は本公開買付け後も、対象者株式を一部所有することになりますが、岩佐氏によるその後の対象者株式の保有方針について、公開買付者と岩佐氏との間に特段の取決めはなく、岩佐氏の保有方針についても伺っておりません。

 また、本第三者割当増資は、対象者において約34億円の資金需要があることを考慮し、発行株式数を15,596,330株(増資後所有割合:9.15%)とするものですが、公開買付者は、本取引後に増資後所有割合を51.0%とし、対象者を連結子会社化することを企図しているため、本公開買付けの成立等を条件としてこれを行う予定です。本第三者割当増資の概要につきましては、対象者有価証券届出書及び下記「(3)本取引に係る重要な合意に関する事項」の「① 本資本業務提携変更契約」の「(ⅲ)本第三者割当増資に関する事項」をご参照ください。

 他方、本公開買付けにより売却を希望される対象者の株主の皆様に適切な売却機会を提供するとともに、仮に本第三者割当増資に加えて、本公開買付けにより対象者の連結子会社化に必要な対象者株式の応募が集まらない場合でも、下記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、公開買付者は、本公開買付けにより公開買付者の所有割合を少しでも高めることにより対象者との資本関係を更に強化することが本資本業務提携の目的に資すると判断していることから、本公開買付けにおいては買付予定数の下限は設定しておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の上限(39,447,200株)以下の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。なお、公開買付者は、対象者の連結子会社化が実現できるような条件で本公開買付けを実施していると考えており、本取引により公開買付者が対象者の議決権の過半数を取得するに至らず、対象者を連結子会社化することができないことは現段階では想定しておりません。万が一本取引により公開買付者が対象者の議決権の過半数を取得するに至らなかった場合には、下記「(5)本取引後の対象者の株券等の取得予定」に記載のとおり、対象者株式の市場価格等の外部環境を注視しつつ、公開買付者の増資後所有割合が51.0%となるよう対象者株式を追加取得することも改めて検討する可能性がありますが、現段階では具体的な検討は行っておりません。

 

 また、対象者が2024年4月8日付で公表した「ヒューリック株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する意見表明、同社との資本業務提携契約の変更、及び同社を割当予定先とする第三者割当による新株式発行に関するお知らせ」(以下「対象者プレスリリース」といい、「対象者有価証券届出書」と併せて「対象者有価証券届出書等」と総称します。)によれば、対象者は、2024年4月8日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、本公開買付けには買付予定数に上限が設定され、本公開買付け後も対象者株式の上場が維持される予定であり、対象者の株主の皆様としては本取引成立後も対象者株式を所有するという選択肢をとることにも十分に合理性が認められることに鑑み、対象者の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについては、中立の立場を取り、対象者の株主の皆様のご判断に委ねること、公開買付者との間で本資本業務提携変更契約を締結すること及び本第三者割当増資を実施することを決議したとのことです。

 上記対象者取締役会の決議の詳細については、対象者プレスリリース及び下記「(4)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 対象者における利害関係を有しない取締役全員による決議及び監査役全員による異議のない旨の意見」をご参照ください。

 その後、公開買付者は、2024年5月10日に第94期(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)に係る有価証券報告書の訂正報告書を関東財務局長に提出したことから、公開買付届出書の記載事項の一部に訂正すべき事項が生じたため、法第27条の8第2項の規定に基づき、本書の訂正届出書を関東財務局長に提出するとともに、これに伴い、法第27条の8第8項の規定により、公開買付期間を、当該訂正届出書の提出日である2024年5月13日から起算して10営業日を経過した日である2024年5月27日まで延長することとなったため、公開買付期間は合計32営業日となりました。

 

(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針

① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程

 公開買付者は、1957年3月に、創業の地である東京・日本橋にちなみ、「日本橋興業株式会社」として設立されました。公開買付者は創業以来、不動産事業を中心に事業を営んでまいりましたが、2007年1月に、創業50周年の節目を迎えるにあたり、商号を「ヒューリック株式会社」に改め、建替、投資・M&Aを中心に独自の成長戦略により、企業基盤を着実に強化しつつ、新たな事業の推進を図っております。

 公開買付者株式については、2008年11月に東京証券取引所市場第一部に上場し、2022年4月に東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所市場第一部から東京証券取引所プライム市場に移行し、現在に至っております。

 公開買付者のグループは、本書提出日現在、公開買付者、子会社24社(連結子会社19社、非連結子会社5社)及び関連会社24社(持分法適用関連会社17社(対象者を含みます。)、持分法非適用関連会社7社)(以下「公開買付者グループ」といいます。)により構成されており、「不動産事業」、「保険事業」、「ホテル・旅館事業」及び「その他」の事業を営んでおります。

 「不動産事業」では、安定的で効率的な収益構造を確立している不動産賃貸業務、保有物件の建替及び都心部の好立地において開発を行う不動産開発業務、賃貸ポートフォリオ拡大のための不動産取得や不動産バリューアッドビジネス(注4)等の不動産の取得・販売を行う不動産投資業務、投資法人等のアセットマネジメント業務等を行っております。公開買付者グループにおいては、2023年12月期において連結営業収益の約9割が「不動産事業」となっております。また、「保険事業」では生損保の保険代理店業務、「ホテル・旅館事業」ではホテル及び旅館の運営業務、「その他」では建築工事請負業務、設計・工事監理業務などを行っており、各事業の詳細は以下のとおりです。

(注4) 「不動産バリューアッドビジネス」とは、公開買付者の保有物件や、新たに購入・出資した不動産に対し、改装、リニューアルやリノベーション、増築、用途変更、遵法性・耐震性の回復等を行い、資産価値の最大化を図る事業のことをいいます。

 

(ⅰ)不動産事業

(a)不動産賃貸業務

 公開買付者グループの中核事業は、東京23区の駅近を中心に保有・管理する約250件(販売用不動産を除きます。)の賃貸物件を活用した不動産賃貸事業であり、賃貸可能面積は約138万㎡となっております。この賃貸資産ポートフォリオを有効に活用し収益力の一層の強化を図るため、建替による賃料収入の増強を実現し、安定的な賃貸収入を得ることが公開買付者のビジネスモデルの中核となっております。また、賃貸ポートフォリオを拡充させるため、公開買付者のポートフォリオ概念に沿った好立地物件の不動産取得、不動産関連SPCへの出資にも取り組んでいます。不動産賃貸業務については、公開買付者、連結子会社及び持分法適用関連会社において行っております。

 また、企業の保有する不動産の有効活用を提案・実行するCRE(Corporate Real Estate)事業(注5)や、マーケットの拡大が予想される高齢者・観光・環境ビジネスにおいても、不動産賃貸事業の強化及び組織の強化に取り組んでおります。2023年9月には、CROSSCOOP株式会社(現商号はヒューリックビズフロンティア株式会社)の完全子会社化によるレンタルオフィス事業への参入を通じ、新たな事業機会の創出を目指しております。

(注5) 「CRE(Corporate Real Estate)事業」とは、法人顧客が保有する不動産の有効活用のお手伝いを通じて、企業価値向上のサポートをする事業のことをいいます。

(b)不動産開発・建替業務

 公開買付者は、物件立地特性に応じた不動産開発業務を行っております。特に従来から保有している賃貸物件の建替の着実な推進によるポートフォリオの質的改善を行っているほか、新規の物件取得・開発・売却を通じた付加価値創出の実現を目指し、開発業務を推進しております。

 PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)事業(注6)では、新会社を設立し、東京都渋谷区において渋谷一丁目地区共同開発事業の事業推進を図っております。

(注6) 「PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)事業」とは、行政と連携して公共資産(国・地方自治体所有地)の効率的な活用・運用をお手伝いする事業のことをいいます。

(c)アセットマネジメント業務

 公開買付者の連結子会社であるヒューリックリートマネジメント株式会社は、J-REIT事業への参入のため2014年2月に東京証券取引所不動産投資信託証券市場へ上場したヒューリックリート投資法人からアセットマネジメント業務を受託しております。

 また、公開買付者の連結子会社であるヒューリック不動産投資顧問株式会社は、2017年11月に運用を開始したヒューリックプライベートリート投資法人等からアセットマネジメント業務を受託しております。

(d)その他

 公開買付者は、不動産マーケットにおける多様なニーズに対応して、不動産バリューアッドビジネス等、不動産の取得・販売業務も行っております。

 その他、公開買付者の連結子会社であるヒューリックビルマネジメント株式会社などは、賃貸不動産に関連する業務としてビル管理業務、警備業務及びビル清掃業務を行っております。

 また、公開買付者の連結子会社であるヒューリックプロパティソリューション株式会社は、不動産バリューアッドビジネスに伴う建築工事の企画、設計、査定、管理及びコンサルティング業務を行っております。

 

(ⅱ)保険事業

 公開買付者の連結子会社であるヒューリック保険サービス株式会社は、損害保険会社20社・生命保険会社24社及び少額短期保険会社1社と代理店契約を締結し、火災保険・自動車保険等の損害保険代理店業務、定期保険・養老保険等の生命保険及び医療保険等の募集業務を行っております。また、保険代理店業務に関連する集金代行業務も行っております。

 保険事業は法人マーケットに重点を置いた営業を展開しておりますが、個人顧客にも「お客さま第一」のきめ細やかなサービスを提供し、法人・個人のバランスのとれた営業基盤を築いております。

 

(ⅲ)ホテル・旅館事業

 公開買付者の連結子会社であるヒューリックホテルマネジメント株式会社は「THE GATE HOTEL」シリーズ及び「ビューホテル」シリーズ、ヒューリックふふ株式会社は「ふふ」シリーズを中心に、ホテル及び旅館の運営を行っております。

 

(ⅳ)その他

 公開買付者の連結子会社であるヒューリックビルド株式会社は、公開買付者の保有ビル等の営繕工事、テナントの入退去時の内装工事を中心とした建築工事請負業務、設計・工事監理業務等を行っております。

 また、「こども教育事業」については、対象者とコナミスポーツ株式会社(以下「コナミスポーツ」といいます。)との3社での業務提携に基づき、子どもを対象にした教育関連サービスをワンストップで提供する教育特化型ビルである「こどもでぱーと」の事業等を推進しております。

 

 今後の経済環境の見通しについて、公開買付者は、景気回復の動きは継続するものの、金融資本市場の変化や、物価上昇圧力、人手不足の深刻化などによる先行き不透明な状況が続くものと予想しています。

 また、不動産事業環境について、公開買付者は、日本銀行の金融正常化に向けた動きはあるものの、急速な引き締めを直ちに懸念する状況にはないと想定しており、収益不動産の投資市場は引き続き概ね堅調に推移すると考えております。

 こうした環境のもと、公開買付者グループは、2023年1月30日に、中長期経営計画(2020-2029)のフェーズⅡに位置する新中期経営計画(2023-2025)を策定・公表しました。当該中期経営計画では、「格付水準の維持を目線としながら、環境変化に対応した高品質の賃貸ポートフォリオ構築とサステナブル経営の更なるレベルアップを図る」ことを基本方針と定め、(ⅰ)高品質の賃貸ポートフォリオ構築と柔軟な収益構造を維持・強化、(ⅱ)開発・建替、バリューアッド物件のパイプライン充実。出口を多様化して確実に収益化、(ⅲ)新規事業領域の取組み強化による収益源の多様化、(ⅳ)格付水準の維持を目線とした財務健全性の確保とリスク管理、(ⅴ)環境対応、人的資本育成対応などサステナブル経営の一層の深化、の5点を「対処すべき課題」として捉えております。

 特に、「(ⅲ)新規事業領域の取組み強化による収益源の多様化」については、公開買付者グループは、高齢者、観光、環境の他、対象者及びコナミスポーツと展開するこども教育事業分野等の既存取組分野の事業拡大を実現する手段として、他企業との協業・提携、M&A等を積極的に活用していく方針です。また、中長期戦略の一環として約500億円の成長戦略投資枠を設定し、社会課題・地域課題に対応した新規事業領域を幅広く探索していく方針であることに加えて、海外事業においても500億円の別の投資枠を設定し、今後成長が見込まれるマーケットにおいて、知見を有するパートナーとの共同事業等により、リスクの低減を図りつつ米国の高齢者住宅への投資等にも着手していく方針です。

 

 一方、対象者プレスリリースによれば、対象者は、1985年7月、対象者の取締役会長である岩佐氏が経営に参画していた幼児向け教育機器の販売及び教室運営を行っていた株式会社日本こどもぴあ(株式会社学習研究社の100%出資会社)より14教室の営業を譲り受け、株式会社日本教育公社を設立、1990年3月、「生徒の個性・個人差は千差万別。その個人差に的確に対応できる教育こそが本物の教育であり、理想の教育である。」という理念のもと、従来の一斉集団指導に伴う弊害を排除し、個々の生徒の個性・個人差に的確に対応した個人別指導による質の高い教育サービスの提供を目的として、「完全個室(全室ホワイトボード付)の1対1の個人教授システム」を開発し、1998年10月には、現商号である株式会社リソー教育へ変更したとのことです。

 対象者株式については、1998年12月に日本証券業協会に店頭登録、2001年3月には東京証券取引所市場第二部へ上場、2002年6月には東京証券取引所市場第一部に市場変更、2022年4月には東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所市場第一部から東京証券取引所プライム市場に移行し、現在に至っているとのことです。

 

 対象者は、本書提出日現在、対象者及び子会社8社の合計9社(以下「対象者グループ」といいます。)により構成されており、対象者においては、個別指導受験塾「TOMAS(トーマス)」を手掛ける一方で、対象者の子会社においては、名門幼稚園・小学校の受験塾(伸芽会)や託児所、学童、英会話スクール等を多数運営しているとのことです。

 対象者グループの主な企業及び事業内容は次のとおりとのことです。

 

(ⅰ)株式会社名門会

 対象者の連結子会社である株式会社名門会では、100%プロ社会人講師が個別指導する進学学習指導を主な事業としており、直営方式で「名門会家庭教師センター」、完全1対1個別指導の医学部受験専門予備校「MEDIC名門会」、対象者が手掛ける個別指導受験塾「TOMAS」が展開していない地域に全国版進学個別指導塾「TOMEIKAI」を運営しているとのことです。

 

(ⅱ)株式会社伸芽会

 対象者の連結子会社である株式会社伸芽会では、名門幼稚園・名門小学校への受験指導を行う「伸芽会」、受験対応型の長時間英才託児事業及び進学指導付き学童事業を行う「伸芽'Sクラブ(しんが~ずくらぶ)」を運営しているとのことです。

 

(ⅲ)株式会社スクールTOMAS

 対象者の連結子会社である株式会社スクールTOMASでは、学校法人向けにサービスとして学校内に個別指導ブースを設置して「TOMAS」のノウハウを活かした学校内個別指導塾「スクールTOMAS」を運営しているとのことです。

 

(ⅳ)株式会社駿台TOMAS

 対象者の連結子会社である株式会社駿台TOMASでは、完全個別指導を中心とした超難関受験特化型学習指導を主な事業としており、「Spec.TOMAS」を運営しているとのことです。

 なお、対象者は、2019年7月、超難関校受験対策に特化した教育システムを確立するために、学校法人駿河台学園(以下「駿河台学園」といいます。)との間で資本業務提携契約を締結しており、株式会社駿台TOMASは、同年9月に対象者と駿河台学園との合弁会社として設立された法人とのことです。

 

(ⅴ)株式会社プラスワン教育

 対象者の連結子会社である株式会社プラスワン教育では、知識教育では埋めきれない人格情操教育指導を教育カリキュラムに組み込んだ事業を「スクールツアーシップ」、「TOMASサッカースクール」、「TOMAS体操スクール」として運営しているとのことです。

 

(ⅵ)株式会社ココカラTチャーズ

 対象者の連結子会社である株式会社ココカラTチャーズでは、「講師の質と量」を担保し、効果的かつ効率的な講師採用・確保を継続的に実施するため、講師採用業務を一括して行い、採用した講師の育成、研修、紹介を一貫して行っているとのことです。

 

(ⅶ)株式会社リソーウェルフェア

 対象者の連結子会社である株式会社リソーウェルフェアでは、福利厚生の一環として、東京都豊島区南池袋にあるビルに、対象者グループの従業員だけではなく対象者の会員が利用できるカフェを運営しているとのことです。

 

 対象者は、2020年9月、公開買付者及びコナミスポーツとの3社で教育事業における子ども向けワンストップサービスの教育特化型ビルである「こどもでぱーと」の開発等を目的とした業務提携契約を締結し、公開買付者と間で2020年9月29日付資本業務提携契約を締結し、2021年10月には2021年10月27日付資本業務提携変更契約を締結しているとのことです。

 また、2023年4月21日に、2024年2月期(第39期)を初年度とする3ヶ年の「新中期経営計画」を策定・公表し、連結売上高において平均成長率8.0%、利益構造の適正化、公開買付者及びコナミスポーツとの3社提携による教育特化型ビルである「こどもでぱーと」の本格展開により、1歳から継続して通うことができるワンストップサービスによる新たな囲い込み戦略を展開していくとのことです。加えて、2024年4月8日には、新たに2025年2月期(第40期)を初年度とする3ヶ年の「新中期経営計画」を策定・公表し、2027年2月期(第42期)には連結売上高382億円、営業利益33.6億円、当期利益20億円のいずれも過去最高を見込んでいるとのことです。

 

 公開買付者は、2018年10月頃から、対象者に対して、対象者の子会社である株式会社伸芽会の本社等として使用することを目的として、公開買付者又は公開買付者の子会社が運用する公募REITが信託受益権を所有する不動産を賃貸しております。

 

 公開買付者と対象者との資本関係は、2020年9月29日、公開買付者は、対象者との間で教育に関わる新規事業の共同検討、公開買付者グループが所有・開発する不動産の活用、不動産戦略サポート、両社の知識・ノウハウ及びネットワーク等の相互活用といった業務提携の推進に向けた長期的な提携関係の構築・強化を目的に、2020年9月29日付資本業務提携契約を締結し、2020年9月30日に対象者株式7,820,000株(持株割合:5.29%(2020年9月30日時点の対象者の発行済株式総数(156,209,829株)から2020年8月31日現在で対象者が所有する自己株式数(8,395,220株)を控除した数(147,814,609株)に対する割合をいい、以下、本段落の「持株割合」の記載においては小数点以下第三位を四捨五入しております。)を岩佐氏から取得し、対象者株式を所有することになりました。また、2021年5月28日、公開買付者は、日本道路興運株式会社より、対象者株式9,322,039株を新たに取得したことにより、17,142,039株(持株割合:11.60%(2021年5月28日現在の対象者の発行済株式総数(156,209,829株)から2021年2月28日現在の対象者の自己株式数(8,396,070株)を控除した数(147,813,759株)に対する割合)の対象者株式を所有することになりました。さらに、2021年10月27日、公開買付者は、同日付で岩佐氏との間で締結した株式譲渡契約に基づき、2021年10月27日に岩佐氏より対象者株式8,200,000株を追加取得したことに加えて、2020年9月29日付資本業務提携契約の強化を目的として、2021年10月27日付資本業務提携変更契約を締結し、対象者からの第三者割当による自己株式の処分により、対象者株式6,500,000株を追加取得したことにより、31,842,039株(持株割合:21.54%(2021年11月17日現在の発行済株式総数(156,209,829株)から2021年8月31日現在で対象者が所有する自己株式数(8,396,070株)を控除した数(147,813,759株)に対する割合)の対象者株式を所有することになり、本書提出日現在、対象者株式31,842,039株(増資前所有割合:20.57%、増資後所有割合:18.69%)を所有するに至っています。

 

 公開買付者は、対象者との2020年9月29日付資本業務提携契約の締結以降、子ども向けワンストップサービスを提供する教育特化型ビル「こどもでぱーと」での協働をはじめとして、公開買付者が所有する駅前一等地の立地優位性のある物件を対象者に紹介することにより、対象者においてTOMASや伸芽会の新校舎の展開を進め、新地域での新規生徒を獲得するなどの一定の成果を上げてまいりました。「こどもでぱーと」に関しては、東京都渋谷区の渋谷一丁目地区の共同開発事業における開発予定物件、東京都中野区及び神奈川県横浜市での展開も含めて計6物件の事業化が決定しており、2029年までに首都圏で20件程度まで増やす方針です。また、公開買付者が保有する太陽光発電設備由来の電力を対象者に利用いただく等、環境負荷低減の取組み等の協働も進めております。

 一方で、公開買付者は、今後の対象者とのさらなる協働での取組み強化にあたっては、公開買付者による対象者株式の所有割合が20.57%に留まっている状況では、対象者の利益を公開買付者グループの収益として取り込めない関係上、公開買付者から対象者に対する経営資源の積極的な投入や公開買付者と対象者との間での情報の共有や授受によって生じるシナジー効果を直接的に享受しづらいことから、両社間での協働を推進するインセンティブが構造的に低い関係性にあると認識しています。また、公開買付者は、対象者グループによるM&Aの実施によって、対象者グループの企業価値を更に向上させることを検討しているものの、現在の所有割合の状況では、M&Aの候補先に対する守秘義務によって当該候補先に関する情報を対象者に対して共有することができず、対象者によるM&Aを公開買付者が積極的にサポートすることが困難であると認識しています。他方で、対象者を連結子会社化した場合には、守秘義務の例外として当該候補先に関する情報の共有が許容されることが想定され、対象者によるM&Aを公開買付者が積極的にサポートすることが可能となると考えております。そのため、公開買付者としては、2023年11月上旬から、現資本業務提携の効果を一層発揮させ対象者の企業価値の更なる向上を図るには、対象者の連結子会社化により、公開買付者が対象者の利益をグループ収益として取り込むとともに、対象者に対して積極的に投資を行うことを可能とし、公開買付者が持つ不動産の空室情報や売却情報、不動産会社として築き上げてきた公開買付者グループ内外のテナントや不動産仲介業者とのネットワーク、不動産事業には限られない公開買付者の出資先とのネットワークを共有することで、対象者単独では難しい新たな事業提携先の発掘等の支援強化をする必要があると考えており、また、公開買付者の財務基盤の活用を通じ、今後のさらなる戦略的M&A等も見据えて公開買付者が有する経営資源を迅速に投入可能な体制を整えることが適当と考えるに至りました。なお、公開買付者は、対象者の完全子会社化も検討いたしましたが、対象者の展開する事業は、子どもを有する世帯を顧客ターゲットとするビジネスであることから、上場企業であることはこれら顧客ターゲットからの認知獲得に対して大きく寄与していることに加え、人材獲得の観点からも、上場による知名度及び信用力を活用することにより対象者において良質な人材の採用を可能とし、対象者株式が上場を維持することによるメリットが存在し、一方で、対象者の完全子会社化により対象者株式が上場廃止される場合には、当該メリットを享受することができず、対象者のビジネスに悪影響を及ぼし得るところ、公開買付者としても対象者の更なる企業価値向上を図るためには、対象者株式の上場維持によるメリットを引き続き享受することが望ましいと考えております。

 また、公開買付者は、公開買付者及び対象者の現資本業務提携の成果のひとつである「こどもでぱーと」について、上記のとおり、事業化が決定している6物件の開発も含め、2029年までに首都圏で20件程度まで展開する方針であり、対象者においてもDX投資等経営の効率化に向けた投資を今後数年間で予定していることを踏まえると、対象者において設備投資資金として相応な資金需要があることを認識しております。公開買付者は、2023年12月上旬、対象者が当該資金を有利子負債で調達するのではなく第三者割当増資の方法で調達することにより対象者の財務基盤の強化を図り、それにより生み出された投資余力を以て中長期的な成長投資の資金を確保することが対象者の企業価値向上の観点からも重要であると考え、公開買付者による対象者の連結子会社化の手法としては、本公開買付けと本第三者割当増資を組み合わせた方法により対象者に投資資金を供給することが最適と判断しました。

 

 かかる検討の経緯の中、公開買付者は、本取引の実施に向けて本格的な検討を進めるため、2023年11月上旬、公開買付者、対象者及び岩佐氏から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてみずほ証券株式会社(以下「みずほ証券」といいます。)を、2023年11月上旬、リーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所をそれぞれ選任いたしました。なお、みずほ証券の報酬については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の基礎」をご参照ください。また、森・濱田松本法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず、稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。

 

 その後、2024年1月22日に、公開買付者は、本取引に関する提案書を対象者に提出しました。公開買付者は、2024年1月上旬から同年3月上旬にかけて対象者に対するデュー・ディリジェンスを実施するとともに、2024年2月上旬以降、対象者との間で、本取引の意義及び目的に関して協議及び説明を行ってまいりました。2024年2月29日、公開買付者は、対象者が開示している財務情報等の客観的な資料、デュー・ディリジェンスを通じて提供された資料及び対象者に対して質問した事項に対する回答、連結子会社化を企図した上限付きの公開買付けにおいて市場価格に対して付与されたプレミアム水準等を総合的に勘案し、本公開買付けにおける対象者株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を300円(当該提案日の前営業日である2024年2月28日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値224円に対して33.93%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値236円(小数点以下を四捨五入しております。以下、終値の単純平均値の計算において同じです。)に対して27.12%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値232円に対して29.31%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値239円に対して25.52%のプレミアム(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、プレミアムの計算について同じです。)を加えた価格)とすること、また、本第三者割当増資における1株当たりの発行価額として本取引の公表日(2024年4月8日)の前営業日である2024年4月5日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値(以下「対象者株式直前取引日終値」といいます。)から10%ディスカウントした価格(1円未満は切り上げ。以下、本第三者割当増資の1株当たりの発行価額について同じです。)とすること(2024年2月28日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値224円から10%ディスカウントした価格で計算される払込金額では202円となります。)を対象者に対してそれぞれ提案しました。これに対して、公開買付者は、2024年3月6日、対象者が設置した本特別委員会(下記「(4)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に定義されます。)における議論も踏まえ、本公開買付価格及び本第三者割当増資における1株当たりの発行価額について、対象者の少数株主の利益を十分に保護する観点から、本公開買付価格については再検討を、本第三者割当増資における1株当たりの発行価額については本取引の公表日の前営業日の終値及び同日までの平均株価(1ヶ月/3ヶ月/6ヶ月における終値単純平均)を下回らない価格とすることが望ましいことを踏まえた再検討を、対象者から要請されました。

 当該要請を受け、公開買付者は、本公開買付価格について、慎重に検討を進め、2024年3月21日に、本公開買付価格を320円(当該提案日の前営業日である2024年3月19日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値225円に対して42.22%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値224円に対して42.86%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値230円に対して39.13%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値235円に対して36.17%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とすること、また、本第三者割当増資における1株当たりの発行価額として対象者株式直前取引日終値から5.0%ディスカウントした価格(1円未満は切り上げ。)とすること(2024年3月19日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値225円から5.0%ディスカウントした価格で計算される払込金額では214円となります。)を対象者に対してそれぞれ提案しました。これに対して、公開買付者は、2024年3月22日、本特別委員会における議論も踏まえ、本公開買付価格については、一定程度評価できる水準であると考えているものの、本第三者割当増資における1株当たりの発行価額については、対象者の少数株主の利益を十分に保護する観点から、対象者株式直前取引日終値を下回らない価格とすることが重要であると考えていることを踏まえた再検討を、対象者から要請されました。当該要請を受けて、公開買付者は、2024年4月1日、本公開買付価格については、対象者による明確な応諾がなされなかったことを踏まえて改めて検討中であるが、本第三者割当増資における1株当たりの発行価額については、対象者株式直前取引日終値とすることを対象者に対して提案(以下「最終提案」といいます。)しました。これに対して、公開買付者は、対象者から、2024年4月2日、正式な意思決定は2024年4月開催予定の対象者取締役会で承認されることを条件とし、本第三者割当増資における1株当たりの発行価額は対象者株式直前取引日終値と同額とする旨の連絡を受けました。公開買付者は、2024年4月4日に、本公開買付価格については、対象者による明確な応諾がなされなかったことを踏まえて改めて検討した結果、本公開買付価格を320円(当該提案日の前営業日である2024年4月3日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値217円に対して47.47%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値222円に対して44.14%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値231円に対して38.53%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値234円に対して36.75%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とすることを対象者に対して提案(以下「最終価格提案」といいます。)しました。これに対して、公開買付者は、2024年4月4日、対象者から、正式な意思決定は2024年4月開催予定の対象者取締役会で承認されることを条件とし、本公開買付価格の最終価格提案にて本公開買付けに賛同する旨の連絡を受けました。

 

 これらの協議・交渉の結果、公開買付者は、2024年4月8日付取締役会決議により、同日付で対象者との間で本資本業務提携変更契約を締結するとともに、岩佐氏との間で本応募契約を締結し、本取引を実施することを決議いたしました。

 なお、本第三者割当増資の1株当たりの発行価額は、対象者株式直前取引日終値と同額とされている一方、本公開買付価格については、対象者の連結子会社化により生じるシナジーを本公開買付けに応募する株主に分配するという考え方から、市場株価にプレミアムを付しております。

 なお、公開買付者としては、本第三者割当増資における1株当たりの発行価額は、日本証券業協会の「第三者割当増資の取扱いに関する指針」(平成22年4月1日付)に従った金額であるため、一般に許容される以上の株価下落及び希釈化のおそれを生じさせるものではないと考えており、ひいては、本取引が、既存の対象者株主の皆様に不当に経済的不利益をもたらすものではないと考えております。また、公開買付者としては、本取引に際して対象者の連結子会社化に必要と考える範囲を超えた対象者株式を追加で取得することは現時点で想定しておりません。加えて、公開買付者は、本取引のように本公開買付価格よりも低い金額での本第三者割当増資を組み合わせたからといって、公開買付者が不当に低廉な金額によって対象者の連結子会社化を行ったことにはならないと考えております。すなわち、本第三者割当増資については、対象者の具体的な資金需要等(具体的な資金使途については、下記「(3)本取引に係る重要な合意に関する事項」の「① 本資本業務提携変更契約」の「(ⅲ)本第三者割当増資に関する事項」をご参照ください。)に基づき、必要最小限の規模で実施されるものであり、不当に低廉な金額で対象者を連結子会社化するために、本第三者割当増資を組み合わせたわけではありません。公開買付者においては、公開買付者が対象者を連結子会社化して対象者の増資後所有割合が51.0%となるよう対象者株式を取得する場合に、本公開買付けのみでこれを実施しようとする場合と比較し、より多くの資金が必要となるであろうとの試算をしております(注7)。

(注7) 公開買付者が対象者を連結子会社化して対象者の増資後所有割合が51.0%となるよう対象者株式を取得する方法として、①第三者割当増資のみにより取得する場合、②本取引により取得する場合、及び③公開買付けのみにより取得する場合のそれぞれにおける、希釈化率、買付予定数及び必要資金の総額は、以下のとおりです。

取引の種類

希釈化率(注1)

買付予定数(注2)

必要資金総額(注3)

① 第三者割当増資のみにより取得する場合

62.26%

20,949,935千円

② 本取引により取得する場合

10.10%

39,447,200株

16,023,104千円

③ 公開買付けのみにより取得する場合

47,089,400株

15,068,608千円

 (注1) 「希釈化率」とは、①においては、当該第三者割当増資で公開買付者が引き受ける対象者株式96,100,621株を発行済株式総数(自己株式を除きます。)で除した割合、②においては本第三者割当増資の発行株数(15,596,330株)を発行済株式総数(自己株式を除きます。)で除した割合をいい、それぞれ小数点以下第三位を四捨五入しております。

 (注2) 「買付予定数」とは、公開買付けにおいて、対象者の株主から取得する必要がある株式数をいいます。

 (注3) 「必要資金総額」には、①においては、当該第三者割当増資における払込総額(1株当たりの払込金額218円に発行株式数を乗じた金額)、②においては、本第三者割当増資における払込総額(1株当たりの払込金額218円に発行株式数を乗じた金額)及び本公開買付けにおける買付予定数に本公開買付価格(320円)を乗じた金額の合計額、③においては、当該公開買付けにおける買付予定数に本公開買付価格(320円)を乗じた金額をそれぞれ記載しています。

 

② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由

 対象者が2021年10月27日付で公表した「第三者割当による自己株式の処分に関するお知らせ」によれば、対象者は1985年7月の創業以来、「生徒の個性・個人差は千差万別。その個人差に的確に対応できる教育こそが本物の教育であり、理想の教育である。」という理念のもと、同業他社との差別化をより明確にした「ひと部屋に生徒一人に先生一人」の全室ホワイトボード付の完全1対1の個別指導システムにより、個々の生徒の個性・個人差に的確に対応した質の高い教育サービスを提供しているとのことです。学習塾業界においては1997年より進行の一途をたどる少子化に加え、教育制度改革や大学入試改革、GIGAスクール構想(注8)による学校への情報通信技術(以下「ICT」(Information and Communications Technology。従来わが国で広く一般的に使用されるITにSNSなども包含した概念をいいます。)といいます。)導入の前倒しなど、取り巻く環境が大きく変わろうとしており、特徴のない学習塾は淘汰される時代となっているとのことです。このような外部環境に対して、少子化を前提としたビジネスモデルの対象者グループは、「すべては子どもたちの未来のために」という考え方から、高品質な「本物」の教育サービスを提供し、徹底した差別化戦略によって日本を代表するオンリーワン企業を目指すことを経営の基本方針とし、さらに、新型コロナウイルス感染症の影響に対しても、子どもたちの教育の場を守るために、安心して通塾できる環境作りに注力することで、他社とのさらなる差別化を図っているとのことです。また、対象者は、成長戦略の一つとして、資本業務提携及び業務提携を推進しているとのことです。公開買付者は、共働き世帯の増加、幼児教育無償化、教育資金の贈与税非課税制度等を背景に、こども教育事業は今後有望なマーケットとしてビジネスチャンスが広がる領域であると考えておりますが、公開買付者及び対象者は、対象者の2020年9月29日付プレスリリース「ヒューリック株式会社及びコナミスポーツ株式会社との業務提携に関するお知らせ」にて開示されているとおり、対象者及び公開買付者並びにコナミスポーツとの業務提携では、共働き夫婦にとって学習塾、スポーツ教室等の習い事の送迎が一番のネックになっていることに着目し、公開買付者の「不動産」、対象者の「教育」、コナミスポーツの「スポーツ」をひとつにした、教育特化型ビル「こどもでぱーと」の開発及び展開を共同で行う予定とのことです。対象者においては、「こどもでぱーと」に伸芽'Sクラブ託児、名門小学校・幼稚園受験の伸芽会、伸芽'Sクラブ学童、進学個別指導塾TOMAS、マンツーマン英会話スクールのインターTOMASなど対象者グループの各ブランドが入居することで、各ブランドのシナジー効果を発揮し、対象者の推し進める年齢軸からの「囲い込み戦略」をより強固にすることで、同業他社とのさらなる差別化の促進、教育分野における市場優位性の確保、相互シナジーを実現し、「子どもたちの未来のために」よりよい教育サービスの提供が可能になると考えているとのことです。また、対象者の2020年9月29日付プレスリリース「ヒューリック株式会社との資本・業務提携に関するお知らせ」にて開示されているとおり、対象者は、同日付で公開買付者との間で2020年9月29日付資本業務提携契約を締結しており、同提携により、対象者は、公開買付者の所有及び開発する駅前一等地の物件の紹介を優先的に受けることができ、生徒及び保護者により通ってもらいやすい立地での教室展開が可能となったとのことですが、この度、公開買付者との提携関係をより強固にすることで、今後の対象者の新校舎の展開がさらに有利になるものと考えているとのことです。

(注8) 「GIGAスクール構想」とは、文部科学省が提唱する、義務教育を受ける児童生徒のために、1人1台の学習者用PCと高速ネットワーク環境などを整備する計画のことをいいます。

 対象者では、対象者にとって最適な株主構成を達成する観点から、今後の対象者の事業の拡大に向けた増資の必要性を勘案し、新規株式の第三者割当による割当予定先として公開買付者を含むいくつかの候補先を検討していたところ、公開買付者は既に対象者株式を所有しており、かつ対象者グループとの取引関係があることから、引き続き資本業務提携の強化を行うことで、上記の公開買付者との提携によって得られる「こどもでぱーと」における事業展開や有利な新校舎の展開を基に、「こども教育事業」における完全な囲い込み戦略による差別化を促進し、教育分野における市場優位性を確保することで相互にシナジーを発揮し、対象者グループ全体への拡大による新たな顧客層の開拓可能性の拡大など、顧客満足度の向上が見込まれることから、両社の収益拡大につながるものと考え、2023年12月下旬、本第三者割当増資の割当予定先として公開買付者を選定したとのことです。

 対象者は、2021年11月の公開買付者に対する第三者割当による自己株式の処分後も、当該資本業務提携に基づき上記の施策を推し進めてきたところ、公開買付者及び対象者において、さらなる提携の強化による教育業界全体を巻き込んでの業界再編及びビジネスモデルそのものの進化が必要との共通認識を持つようになったとのことです。

 加えて、対象者においては、教育業界を取り巻く環境は大変厳しいものとなっていると認識しているとのことです。対象者は、日本国内においては、終わりの見えない少子化問題がコロナ禍を受けてさらに加速しており、大学全入学時代の到来も相まって受験産業そのものの創造価値が何であるかを問われる中で、大手大学受験予備校などは苦戦している事業者も多く、中堅の多くの学習塾もそうした社会トレンドにおいて苦戦傾向にあるものと推察しているとのことです。

 一方で、対象者においては、対象者の教育ビジネスは既に30年以上も前に、これから来るであろう“少子化”を前提とした「完全1対1の個別指導塾」を長きに渡って展開してきており、その成長はむしろ“少子化”を追い風にして業績を伸ばしてきたとのことです。そもそも“少子化”というのは、子どもがいなくなるわけではなく、子どもが少なくなることであり、それは一人当たりにかけられる教育費が上がることも意味しており、ひいては安全で確実な教育サービスが求められる時代の到来と考えているとのことです。対象者の「完全1対1の個別指導塾」は、こうした考えで作り上げたビジネスモデルであり、今後もこのニーズは高まっていくものと考えているとのことです。

 対象者が提供するサービスの根底には、質の高い本物の教育サービスという考え方があり、その究極的な形として、完全1対1の個別指導を商品として提供しているとのことです。公開買付者も、同社の事業分野は不動産業が中心で異なるものの、永く「安心と信頼に満ちた社会」の実現に貢献すべく質の高いオフィスビル、ホテル、旅館、介護施設等の提供をしていることから、対象者としては、顧客対象が互いにフィットしており、そうした本物を求める人たちへの訴求力のシナジー効果があるものと認識しているとのことです。

 対象者としては、公開買付者が不動産事業において地域・エリアを限定しており、その戦略性が対象者の展開するビジネスモデルと共通する点が多く、一方で両社の事業内容は異なることから、両社が一体となって事業展開することのシナジー効果は計り知れないと考えているとのことです。また、対象者としては、こうした異業種間での一体化も他に例がなく、真似のできない唯一無二の戦略になると期待しているとのことです。

 2025年には「こどもでぱーと」の第1棟目と第2棟目が完成する予定であり、「こどもでぱーと」の開設により、顧客の視点からは勉強(学習塾や英会話など)とスポーツや音楽など(体操、水泳やピアノ、バイオリンなど)の習い事ごとに別々の場所へ通わせていた(送り迎えをしていた)のが、一ヶ所で事足りることから、同じ日に連続して別の習い事を連続させることも可能になること、また、兄弟でそれぞれ異なる種類の習い事に同時に通わせることも可能となることから、その利便性が格段に上がるとのことです。その一方で、供給面からしても同じビルに異なるサービスを提供できるようになることで、対象者のような複数の教育サービスを提供している事業会社はそのマネジメント面での効率性がより高まると同時に、異業者間での顧客の紹介による生徒集客のコストダウンが格段に図れることになるとのことです。既に体操教室に通っている生徒にとっては、離れた場所にある学習塾に通うよりも同じビルにある学習塾に通う方が利便性も高く、子どもにとっても通塾に対するハードルも低くなりえるとのことです。

 対象者としては、このような施設を首都圏のターミナル駅を中心に展開していくことで、これまで獲得し損ねていた本物の教育サービスを求めている顧客層に対しての訴求力を上げていくとのことです。

 対象者は、今回の本第三者割当増資において割当予定先を選定するにあたり、対象者の企業価値を高める上で、業務及び事業内容が相互において競争関係になく、かつ対象とする顧客層が一致しているかを選定基準に設定したとのことです。対象者としては、当該基準の中で、上記の提携も踏まえ、公開買付者が最も対象者にとってシナジー効果が高く、またディスシナジーが少ないと考えられるパートナーであると判断したとのことです。そして、対象者は、公開買付者との間で、2020年9月29日付資本業務提携契約の締結を機に開始された公開買付者との資本業務提携を実施する中で、現資本業務提携をより実効的なものとするためには、本取引前の公開買付者が所有する対象者株式の数では不十分であって、対象者を公開買付者の連結子会社とすることによって、両社間の協力関係を一層強化することにより、公開買付者グループ一体として事業を推進していくことが両社の企業価値向上に必要であるとの共通認識に至ったとのことです。他方で、同時期に、対象者は、公開買付者との間で、対象者の独自の企業文化や経営の自主性を維持することが、対象者の持続的な発展により企業価値を向上させていくために非常に重要であり、両社の資本関係を強化するにあたっては、対象者の自主的な経営を尊重しつつ、両社の連携を深めることができる、対象者の上場を維持する連結子会社化が望ましいとの共通認識に至ったとのことです。

 

 なお、対象者は、本第三者割当増資が本公開買付けと近接した時期に実施されることにより、(ⅰ)公開買付者が公開買付けのみで対象者の連結子会社化に必要な対象者株式を取得する場合と比較すれば、本公開買付けによる買付予定数が減少し、株主の売却機会が少なくなること、(ⅱ)本第三者割当増資の発行価額と本公開買付価格に差異が生じていることにより株価下落リスクが生じる可能性が否定できないこと、(ⅲ)本第三者割当増資によって、公開買付者の対象者において有することになる議決権の数が本第三者割当増資後の総株主の議決権の数の2分の1を超えることにはならないことから、会社法第206条の2に定められる支配株主の異動を伴う第三者割当増資の場合の通知等の手続の対象とならないこと、(ⅳ)以上の(ⅰ)から(ⅲ)までの事項を懸念した少数株主が、本公開買付けに応募しない場合には、応募した場合よりも不利に扱われる可能性が否定できないと考え、本公開買付価格に不満があっても、事実上、本公開買付けに応募するように圧力を受けてしまう、いわゆる強圧性の問題が生じると考える株主が存在する可能性があることを認識したとのことです。

 それを踏まえ対象者は、本第三者割当増資による対象者株式価値の下落を合理的な一般的に許容される範囲内に留めるために、公開買付者との間で、本第三者割当増資の払込価格について、以下のとおり決定しているとのことです。具体的には、公開買付者からは、2024年2月29日、対象者に対し、本第三者割当増資の払込価格は、対象者株式直前取引日終値に対し10%のディスカウントを考慮した価格とすることを提案されたとのことですが、これを踏まえ、対象者は、これに対し、2024年3月6日付で、本第三者割当増資の払込価格は対象者株式直前取引日終値及び公表前1ヶ月、3ヶ月及び6ヶ月における同終値単純平均を下回らない価格とすることを提案し、公開買付者に再検討を依頼したとのことです。これに対して、公開買付者からは、2024年3月21日、対象者に対し、本第三者割当増資の払込価格は、対象者株式直前取引日終値に対し5.0%のディスカウントを考慮した価格とすることを提案されたとのことです。これに対し、対象者は、2024年3月22日付で、対象者株式直前取引日終値に対してディスカウントした払込金額となると、対象者株式の1株当たりの価値の希薄化が生じ、対象者の市場株価への下落リスク等の懸念があり、また、類似取引の事例における払込金額や、対象者の本源的価値との比較の観点からも依然として対象者の少数株主にとって十分なものとは評価できないため、対象者の少数株主の利益確保の観点から、本第三者割当増資の払込価格は、対象者株式直前取引日終値を下回らない価格とすることが重要である旨提案し、公開買付者に再検討を依頼したとのことです。その後、公開買付者からは、2024年4月1日、本第三者割当増資の払込価格を、対象者株式直前取引日終値と同額とすることを提案されたとのことですが、対象者からは2024年4月2日、2024年4月開催予定の対象者取締役会での承認を条件として、対象者株式直前取引日終値と同額とする旨回答したとのことです。

 なお、(a)本第三者割当増資は、上記のとおり対象者の具体的な資金需要に基づき、想定される業務提携にあたり必要となる設備投資資金の調達のために必要最小限の規模で実施されるものであり、企業内容等の開示に関する内閣府令(昭和48年大蔵省令第5号。その後の改正を含みます。)第二号様式の記載上の注意(23-6)に規定される大規模な第三者割当にも該当しないことから、本第三者割当増資によって株主の売却機会が大幅に少なくなるとはいえないと考えられること、(b)本第三者割当増資及び本公開買付けが公表された後の対象者株式の市場株価が、本公開買付価格に引き付けられて上昇し、公開買付期間の終了後に下落するリスクは完全には否定できないものの、対象者としては、本取引を通じて、本第三者割当増資による一定の希薄化が発生するものの、これを上回る対象者の企業価値・株式価値の向上を見込むことができると判断していること、(c)本第三者割当増資は、第三者割当増資のみによって公開買付者が対象者を連結子会社化するスキームと比較すると、本公開買付けと組み合わせて行われることにより会社法第206条の2に定められる支配株主の異動を伴う第三者割当増資の場合の通知等の手続の対象とならないものの、本取引においては、上記の会社法上の少数株主の保護のための手続に代えて、本取引に係る意思決定の過程全体において、本特別委員会の設置を含め、意思決定の過程における恣意性を排除し、利益相反を回避する観点から取引条件の公正性を担保するために十分な措置が講じられており、これらの措置を通じて対象者の少数株主の利益の保護が図られていること、(d)本取引実行後も公開買付者からは、取締役1名及び監査役1名の指名予定にとどまることにより、公開買付者からの経営の独立性が維持され、対象者の少数株主の利益が保護されることが想定されていること、(e)本第三者割当増資の内容については対象者プレスリリースその他の資料に適切に記載され、対象者の株主に対する適切な説明が行われることにより、対象者の株主に適切な判断機会を確保しているものであることを総合的に勘案すれば、本公開買付けに応募しない少数株主の利益にも十分な配慮がなされており、強圧性は十分に低減されているものと判断しているとのことです。また、対象者としては、本第三者割当増資の払込金額は対象者株式直前取引日終値を下回らない価格としていることから、上記のとおり一般論として第三者割当増資により一時的な価格下落圧力が一般に生じる理論的な可能性があるとしても、本第三者割当増資については一般に許容される以上の株価下落及び希薄化のおそれを生じさせるものではないと考えているとのことです。また、対象者としては、上記の公開買付者と対象者の資本業務提携の一層の強化は対象者の企業価値の向上に資するものと考えており、対象者の少数株主は本取引によって生じるシナジーの実現による対象者の企業価値向上の機会を享受することができるため、長期的には少数株主に対し株価の上昇という形で利益の還元ができるものと考えているとのことです。

 

 対象者は、2024年4月8日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、本公開買付けには買付予定数に上限が設定され、本公開買付け後も対象者株式の上場が維持される予定であり、対象者の株主の皆様としては本取引成立後も対象者株式を所有するという選択肢をとることにも十分に合理性が認められることに鑑み、対象者の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについては、中立の立場を取り、対象者の株主の皆様のご判断に委ねること、公開買付者との間で本資本業務提携変更契約を締結すること及び本第三者割当増資を実施することを決議したとのことです。

 

 なお、上記対象者取締役会の決議の詳細については、下記「(4)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 対象者における利害関係を有しない取締役全員による決議及び監査役全員による異議のない旨の意見」をご参照ください。

 

③ 本公開買付け後の経営方針

 公開買付者は、本取引成立後、対象者とのコミュニケーションを一層深めるとともに、対象者の独立性を尊重し、対象者がこれまで推進してきた全室ホワイトボード付の完全1対1の個別指導システムや「こども向け教育事業」における完全な囲い込み戦略による同業他社との差別化等の事業運営方針を基本として、更なる成長戦略の実現を目指す方針です。また、本取引後においても、対象者株式は東京証券取引所プライム市場への上場を維持し、対象者は、上場会社として独立した経営を維持することとなります。なお、対象者は、公開買付者の代表取締役会長で対象者の取締役を兼務する西浦三郎氏については、対象者の取締役に選任する旨の議案を2024年5月開催予定の対象者の定時株主総会に上程することを予定しているとのことです。また、公開買付者は、本資本業務提携変更契約により、対象者の監査役の候補者(但し、対象者において会社法第335条第3項の要件を充足するために当該候補者が社外監査役である必要がある場合、対象者の独立社外監査役の要件を充足する者とする。)1名を推薦することができますが、現時点において、監査役の候補者を推薦する具体的な予定はありません。

 本資本業務提携変更契約の概要については、下記「(3)本取引に係る重要な合意に関する事項」の「① 本資本業務提携変更契約」をご参照ください。

 

(3)本取引に係る重要な合意に関する事項

① 本資本業務提携変更契約

 公開買付者は、2024年4月8日付で対象者との間で本資本業務提携変更契約を締結しました。本資本業務提携変更契約の概要は以下のとおりです。

(ⅰ)目的

 対象者を公開買付者の連結子会社とし、公開買付者並びにその子会社及び関連会社(以下「公開買付者グループ」という。)と、対象者並びにその子会社及び関連会社(以下「対象者グループ」という。)が、それぞれ有する専門性及び経営資源を相互に活用することにより、こども教育に関わる事業等を発展させることを目的とする。

 

(ⅱ)本公開買付けに関する事項

 対象者は、本資本業務提携変更契約の締結日において、本公開買付けに賛同する(但し、対象者の株主による本公開買付けに対する応募については中立とする。)(以下「本賛同意見」という。)旨の取締役会決議(以下「本賛同決議」という。)を行い、その内容(利害関係を有しない取締役全員の賛成によるものである旨を含む。)を東京証券取引所の有価証券上場規程(以下「上場規程」という。)に従い公表するとともに、本公開買付けの開始日において、法令等に従い本賛同意見の内容を記載した意見表明報告書を提出する。

 対象者は、本資本業務提携変更契約の締結日から公開買付期間の末日までの間、本賛同決議を維持し、変更又は撤回せず、また、本賛同決議と矛盾する内容のいかなる決議(以下「本賛同決議の変更等」という。)も行わない。但し、対象者が本資本業務提携変更契約に違反することなく、本資本業務提携変更契約の締結日以降、公開買付期間の末日の5営業日前までに、公開買付者以外の第三者が対象者株式を対象として本公開買付価格を一定程度上回る買付価格による公開買付け(以下「対抗取引」という。)を開始した場合において、本賛同意見を表明することは相当であることの対象者の特別委員会の答申が変更又は撤回され、かつ、対象者の取締役会が、対象者の弁護士による法律意見書に基づき、対象者が本賛同決議を維持することが、対象者の取締役の善管注意義務に違反する具体的なおそれがあると客観的かつ合理的に判断し、公開買付者に対してその旨をかかる判断に関する合理的な説明(当該法律意見書その他のかかる判断に至った根拠及び理由を含む。)とともに書面により通知した場合には、対象者は、対象者の取締役の善管注意義務に違反しないために合理的に必要な範囲で、本賛同決議の変更等を行うことができる。

 対象者は、本資本業務提携変更契約の締結日から本公開買付けに係る決済開始日までの間、本取引と実質的に抵触し又は本取引の実行を困難にする取引及びそれらに関する合意を行わず、かつ、かかる取引に関する提案、勧誘、協議、交渉又は情報提供を行わない。

 対象者は、第三者から本取引と実質的に抵触し又は本取引の実行を困難にする取引に関する情報提供、提案、勧誘、協議その他の申出を受けた場合には、速やかに、公開買付者に対して、その事実及び内容を通知し、対応について、公開買付者との間で誠実に協議する。但し、第三者から対象者に対して対抗取引に係るその具体的な取引条件を明示した書面による提案があった場合であって、公開買付者との間の協議の結果を踏まえて誠実に検討してもなお、対象者の取締役会が、対象者が当該第三者に対して情報提供、協議又は交渉を行わないことが対象者の取締役としての善管注意義務に違反する具体的なおそれがあると客観的かつ合理的に判断し、公開買付者に対してその旨をかかる判断に関する合理的な説明(かかる判断に至った根拠及び理由を含む。)とともに書面により通知したときは、この限りではない。

 公開買付者及び対象者は、本取引の実行に伴い必要となる手続や事項(司法・行政機関等からの許認可等の取得及び司法・行政機関等への届出の提出を含む。)を誠実に遂行し、これらについて相互に誠実に協力する(司法・行政機関等に対して必要な情報を提供するための協力を含む。)。

 

(ⅲ)本第三者割当増資に関する事項

 対象者は、本資本業務提携変更契約の締結日において、大要以下の各号に掲げる条件で本第三者割当増資を行う旨の取締役会決議を行い、その内容(利害関係を有しない取締役全員の賛成によるものである旨を含む。)を上場規程に従い公表するとともに、法令等に従い、本第三者割当増資に係る有価証券届出書を提出する。

 

(1)募集株式の種類及び数 :対象者株式 15,596,330株(以下「本募集株式」という。)

(2)払込期間       :2024年5月23日から2024年7月11日まで(以下「本払込期間」という。)

(3)払込金額       :対象者株式1株につき218円

(4)払込金額の総額    :3,399,999,940円

(5)増加する資本金の額  :1,699,999,970円

(6)増加する資本準備金の額:1,699,999,970円

(7)割当方法       :第三者割当の方法により公開買付者に割り当てる。

 対象者は、本資本業務提携変更契約の締結日から本払込期間の末日までの間、本第三者割当増資を行う旨の取締役会決議(以下「本第三者割当増資決議」という。)を維持し、変更又は撤回せず、また、本第三者割当増資決議と矛盾する内容のいかなる決議も行わない。但し、本公開買付けが成立しなかった場合にはこの限りではない。

 対象者は、事前に公開買付者の書面による承諾を得た場合を除き、本第三者割当増資により払い込まれた資金を、①新規事業「こどもでぱーと」開設に伴う設備投資(新教室開設に伴う敷金、教室設備・備品取得費、初期投資費用)、②渋谷創造文化教育施設(敷金、内装施設工事、デザイン料等)、③DX戦略推進費用(顧客データベース、顧客との接点アプリケーション、教室ネットワーク等)、④防犯カメラ設置工事(教室内)、⑤戦略的M&A等の投資資金のために使用する。

 公開買付者及び対象者は、本公開買付けが成立した場合、本資本業務提携変更契約の規定に従い、本第三者割当増資につき総数引受契約書を締結する。この場合、公開買付者は、本公開買付けに係る決済開始日の前営業日までの日において、本募集株式に係る払込金額の払込みを行う。なお、本公開買付けが成立しなかった場合、公開買付者は、当該払込金額の払込みの全部を行わない。

 

(ⅳ)業務提携の内容

 公開買付者及び対象者は、以下に関する業務提携を行う。

① こども教育に関わる新規事業・M&Aの共同検討

② 公開買付者グループが所有・開発する不動産への対象者グループの新規出店検討

③ 公開買付者グループによる対象者グループの不動産戦略サポート

④ 両社の知識・ノウハウ及びネットワーク等の相互活用

 

(ⅴ)対象者の運営に関する合意

 公開買付者は、対象者の取締役の候補者1名及び監査役の候補者(但し、対象者において会社法第335条第3項の要件を充足するために当該候補者が社外監査役である必要がある場合、対象者の独立社外監査役の要件を充足する者とする。)1名を推薦することができる。

 対象者は、以下の事項を決定し又は実施しようとする場合には、公開買付者に対して事前にその内容を通知し、公開買付者の事前の書面による承諾を得る。

① 株式等(株式、新株予約権(ストック・オプションを含む。)、新株予約権付社債、転換社債、新株引受権その他対象者の株式を新たに取得できる証券又は権利を総称していう。)の発行、処分若しくは付与又はこれらに関する合意(本資本業務提携変更契約の締結日において発行済みの新株予約権に基づく株式の発行、処分若しくは付与を除く。)

② 株式又は新株予約権の無償割当て

③ 自己株式又は自己新株予約権の取得、株式の分割又は株式の併合

④ 合併、会社分割、株式交換、株式移転、株式交付その他の組織再編行為又は事業の全部若しくは重要な一部の譲渡又は譲受

⑤ その他本公開買付けの決済完了時点における公開買付者の対象者に対する議決権保有割合に変動を生じることとなる一切の行為(本資本業務提携変更契約の締結日において発行済みの新株予約権に基づく株式の発行、処分若しくは付与を除く。)

 

 対象者は、以下の事項を決定し又は実施しようとする場合には、公開買付者に対して事前にその内容を通知し、公開買付者との間で誠実に協議を行う。

① 定款変更

② 資本金の額の増加又は減少

③ 解散若しくは清算又は倒産手続等の開始の申立て

④ 上場廃止基準に該当する可能性のある行為又は上場廃止の申請

⑤ 会計方針、会計実務若しくは税務の処理原則の重要な変更又は事業年度の変更

⑥ 法令等に基づき公開買付者グループにおいて公表又は第三者に対する開示が必要となり得る事項、対象者グループ以外の公開買付者グループに関連する事項その他公開買付者グループの利害に影響を及ぼし得る事項についての公表又は第三者に対する開示

⑦ その他法令等及び対象者の定款に基づき対象者の株主総会の特別決議が必要とされる事項

 

 公開買付者及び対象者は、本取引の実行後、上場会社に適用されるコーポレートガバナンス・コードの各原則その他の上場規則等の趣旨を踏まえ、対象者及び株主共同の利益を尊重し、対象者の少数株主の利益に配慮しつつ、公開買付者が上場会社として合理的に必要と認める水準のガバナンス体制を構築する方針であることを確認する。公開買付者及び対象者は、本取引の実行後、対象者が、公開買付者グループと対象者グループの間の取引その他公開買付者グループと対象者の一般株主との間の利益が相反する重要な取引について、取引の必要性及び条件の妥当性について十分に審議し、その適正性を確保するための合理的な措置を講じることに合意する。

 

② 本応募契約

 公開買付者は、2024年4月8日付で、岩佐氏(所有株式数:15,780,250株、増資前所有割合:10.20%、増資後所有割合:9.26%)との間で、本応募契約を締結しました。本応募契約の概要は以下のとおりです。なお、本書提出日現在、公開買付者と岩佐氏との間で、本応募契約以外に、本取引に係る合意は存在せず、岩佐氏が応募する対象者株式に係る対価の支払以外に、本取引に関して公開買付者から岩佐氏に対して供与される利益は存在しません。

 

 本応募契約においては、岩佐氏は、自らが保有する対象者株式15,780,250株(以下「応募対象株式」といいます。)について、本公開買付けに応募し、かつ、これを撤回せず、当該応募により成立する応募対象株式の買付け等に係る契約を解除しないことを合意しています。

 また、本応募契約において、岩佐氏は、(ⅰ)2024年4月8日以降、本公開買付けに係る決済開始日までの間、応募対象株式の譲渡、贈与、担保設定その他の処分その他本公開買付けと実質的に抵触し又は本公開買付けの実行を困難にし得る取引及びそれらに関する合意を行わず、第三者との間でかかる取引に関する提案、勧誘、協議、交渉又は情報提供を行わないものとし、第三者からかかる取引に関する情報提供、提案、勧誘、協議その他の申出を受けた場合には、速やかに、公開買付者に対して、その事実及び内容を通知し、対応につき公開買付者との間で誠実に協議すること、(ⅱ)本公開買付けに係る決済開始日以前の日を権利行使の基準日とする対象者の株主総会が開催される場合、当該株主総会における応募対象株式(当該株主総会の日が公開買付期間の満了後の日であるときは、本公開買付けにより岩佐氏から買い付ける株式に限る。)に係る議決権その他の権利の行使について、公開買付者の選択に従い、公開買付者の指示に従って行うか、又は、公開買付者若しくは公開買付者の指定する者に対して権限者による記名押印のある適式な委任状を交付して包括的な代理権を授与し、かつ、かかる代理権の授与を撤回しないこと、及び(ⅲ)対象者の第39回定時株主総会の終結時をもって、任期満了により対象者の取締役を退任することについて合意しています。

 

(4)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置

 本書提出日現在、対象者は公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による取引には該当しませんが、対象者における本公開買付けの是非や取引条件の当否に係る検討及び判断に際し、公開買付者が対象者株式31,842,039株(増資前所有割合:20.57%、増資後所有割合:18.69%)を所有しており、対象者を持分法適用関連会社としていること、公開買付者の代表取締役会長である西浦三郎氏が対象者の取締役を兼任していること、公開買付者が岩佐氏との間で本応募契約を締結することを考慮し、公開買付者及び対象者は、本公開買付価格を含む本取引の公正性を担保し、対象者の少数株主の皆様の利益を保護する観点から、以下の措置を講じております。なお、以下の記載のうち、対象者において実施した措置については、対象者から受けた説明に基づくものです。

 

① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

 公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び対象者並びに岩佐氏から独立した第三者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーであるみずほ証券に対して、対象者株式の株式価値の算定を依頼いたしました。みずほ証券は、公開買付者及び対象者並びに岩佐氏の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。なお、公開買付者は、本取引に際して実施されている本公開買付価格の公正性を担保するための他の措置並びに利益相反を回避するための措置(具体的な内容については、本「(4)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」をご参照ください。)を踏まえると、対象者の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考え、みずほ証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。

 公開買付者が2024年4月5日付でみずほ証券から取得した対象者株式の株式価値に関する株式価値算定書(以下「公開買付者株式価値算定書」といいます。)の概要については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の基礎」及び「算定の経緯」をご参照ください。

 

② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

 対象者プレスリリースによれば、対象者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者、岩佐氏及び対象者のいずれからも独立した第三者算定機関として、株式会社プルータス・コンサルティング(以下「プルータス・コンサルティング」といいます。)に対して、対象者株式の株式価値の算定を依頼し、2024年4月5日に、対象者株式価値算定書を取得したとのことです。なお、プルータス・コンサルティングは、公開買付者、岩佐氏及び対象者のいずれの関連当事者にも該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。また、本特別委員会は、第1回の特別委員会において、プルータス・コンサルティングの独立性及び専門性に問題がないことから、対象者の第三者算定機関として承認した上で、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認しているとのことです。なお、対象者は、本取引に際して実施されている他の本公開買付価格の公正性を担保するための措置並びに利益相反を回避するための措置(具体的な内容については、本「(4)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」をご参照ください。)を踏まえると、対象者の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考え、プルータス・コンサルティングから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。また、本取引に係るプルータス・コンサルティングに対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれていないとのことです。

 

 プルータス・コンサルティングは、対象者株式の価値算定にあたり必要となる情報を収集・検討するため、対象者の経営陣から事業の現状及び将来の見通し等の情報を取得して説明を受け、それらの情報を踏まえて、対象者株式の価値算定を行ったとのことです。プルータス・コンサルティングは、複数の株式価値算定手法の中から対象者株式の価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、市場株価法、類似会社比較法及びディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)を採用して、対象者株式の価値を算定したとのことです。

 プルータス・コンサルティングが上記の手法に基づき算定した対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりとのことです。

 

市場株価法  :218円~234円

類似会社比較法:159円~201円

DCF法   :191円~368円

 

 市場株価法では、2024年4月5日を算定基準日として、東京証券取引所プライム市場における対象者株式の基準日終値218円、過去1ヶ月間の終値の単純平均値221円、過去3ヶ月間の終値の単純平均値230円及び過去6ヶ月間の終値の単純平均値234円を基に、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲を218円から234円と算定したとのことです。

 類似会社比較法では、対象者と比較的類似する事業を営む上場企業の市場株価や収益性を示す財務指標との比較を通じて、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲を159円から201円までと算定しているとのことです。

 DCF法では、対象者が作成した2024年2月期から2027年2月期までの事業計画(以下「対象者事業計画」といいます。)、直近までの業績動向、一般に公開された情報等の諸要素を考慮した、対象者が生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて対象者の企業価値や株式価値を分析し、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲を191円から368円と算定しているとのことです。

 なお、プルータス・コンサルティングがDCF法に用いた対象者事業計画においては、対前年度比較において大幅な増減益及び大幅なフリー・キャッシュ・フローの増減を見込んでいる事業年度は含まれていないとのことです。また、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、プルータス・コンサルティングがDCF法に用いた事業計画には加味されていないとのことです。

 

③ 対象者における独立した法律事務所からの助言

 対象者プレスリリースによれば、対象者は、本取引に関する対象者取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するために、対象者、岩佐氏及び公開買付者から独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業(以下「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」といいます。)を選任し、本取引に対する対象者取締役会の意思決定の方法及び過程その他の意思決定にあたっての留意点に関する法的助言を受けているとのことです。なお、アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、対象者、岩佐氏及び公開買付者の関連当事者に該当せず、本取引に関して、重要な利害関係を有していないとのことです。また、アンダーソン・毛利・友常法律事務所に対する報酬は、本取引の成否にかかわらず、稼働時間に時間対価を乗じて算出するものとされており、本取引の成立を条件に支払われる成功報酬は含まれていないとのことです。

 

④ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得

(ⅰ)設置等の経緯

 対象者プレスリリースによれば、対象者は、本取引の是非や取引条件の妥当性についての検討及び判断が行われる過程全般にわたってその公正性を担保する観点から、2024年1月24日開催の取締役会において、いずれも公開買付者及び対象者から独立し、高度な識見を有すると考えている対象者の独立社外取締役である佐藤敏郎氏、小西徹氏及び小野田麻衣子氏の3名から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置したとのことです(なお、本特別委員会の委員は設置当初から変更していないとのことです。)。また、本特別委員会は、互選により、本特別委員会の委員長として、佐藤敏郎氏を選定しているとのことです。なお、本特別委員会の委員の報酬は、本取引の成否にかかわらず固定金額を支払う報酬体系としているとのことです。

 対象者取締役会は、本特別委員会設置の決定に際し、本特別委員会に対し、(a)本取引の目的は合理的と認められるか(本取引が対象者の企業価値向上に資するかを含む。)、(b)本取引の条件(本取引の実施方法、本公開買付けにおける買付け等の価格や本第三者割当増資における発行条件を含む。)の妥当性が確保されているか、(c)本取引において、公正な手続を通じた対象者の株主の利益への十分な配慮がなされているか、(d)本第三者割当増資に必要性及び相当性が認められるか、(e)上記(a)から(d)を踏まえて、本取引は対象者の少数株主にとって不利益でないと考えられるか、(f)対象者取締役会が本公開買付けに賛同する旨の意見表明及び対象者株主に本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見表明を行うことの是非(これらを総称して、以下「本諮問事項」といいます。)を諮問し、これらの点についての答申を対象者に提出することを嘱託したとのことです。さらに、対象者は、上記の取締役会において、対象者取締役会における本取引に関する意思決定は、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行うこととすることを決定するとともに、本特別委員会に対し、(ⅰ)上記の事項の検討にあたって、本特別委員会は、対象者の株式価値評価その他本特別委員会が必要と判断する事項を第三者機関その他アドバイザーに委託することができるものとすること、その場合の当該委託に係る合理的な費用は対象者が負担するところ、本特別委員会は、対象者の本取引に係るアドバイザーが高い専門性を有しており、独立性にも問題がないなど、本特別委員会として対象者の本取引に係るアドバイザーを信頼して専門的助言を求めることができると判断した場合には、対象者の本取引に係るアドバイザーに対して専門的助言を求めることができるものとすること、(ⅱ)対象者の役職員その他本特別委員会が必要と認める者から、本取引の検討及び判断に必要な情報の提供を求めることができること、並びに(ⅲ)本取引の取引条件等に関する対象者による交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、本取引の取引条件等に関する交渉過程に実質的に関与するとともに、本特別委員会が必要と認める場合には、自ら直接本取引の取引条件等の協議及び交渉を行うことができる旨を決定したとのことです。

 

(ⅱ)検討の経緯

 本特別委員会は2024年1月25日から2024年4月5日まで合計11回、合計約20時間にわたって開催され、本諮問事項に関して、慎重に検討及び協議を実施したとのことです。

 本特別委員会は、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、プルータス・コンサルティングを対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関とすること、アンダーソン・毛利・友常法律事務所を対象者のリーガル・アドバイザーとすることについて承認したとのことです。その上で、本特別委員会は、プルータス・コンサルティング及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた助言を踏まえ、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置について検討を行ってきたとのことです。

 本特別委員会は、対象者に対して、本取引に係る公開買付者の提案内容を踏まえ、対象者の事業の状況、事業環境、経営課題、事業計画の内容、本取引の意義、本取引によるシナジーの創出、対象者の事業に対する影響等についての対象者としての意見を確認しているとのことです。また、本特別委員会は、本取引に関する協議の過程において、公開買付者と面談を行うこと等を通じて、本取引の背景・経緯、想定される業務提携の内容を含む本取引によって創出が見込まれるシナジーの有無や本取引の意義・目的、本取引後の経営方針、本取引における諸条件等について公開買付者の考えを確認することを含め、重要な交渉上の局面において対象者に対して意見を述べているとのことです。

 加えて、本特別委員会は、対象者から対象者事業計画の作成経緯及び内容の説明を受け、対象者事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について確認しているとのことです。その上で、本「(4)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、プルータス・コンサルティングは、対象者事業計画を前提として対象者株式の株式価値算定を実施しており、本特別委員会は、プルータス・コンサルティングから、実施した対象者株式の株式価値算定に係る算定方法、当該算定方法を採用した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件(継続価値算定の前提としたフリー・キャッシュ・フローを含む株式価値算定の前提となる計画値、DCF法における割引率の計算根拠を含みます。)について説明を受け、質疑応答及び審議・検討を行った上で、その合理性を確認しているとのことです。

 また、対象者は、2024年2月29日に、公開買付者から本公開買付価格を1株当たり300円、本第三者割当増資の払込価格を対象者株式直前取引日終値に対し10%のディスカウントを考慮した価格とする提案を受領した後、本特別委員会による助言並びにプルータス・コンサルティングによる対象者株式の株式価値の算定結果や公開買付者との交渉方針等を含めた財務的な助言及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所からの本取引における手続の公正性を確保するための対応についてのガイダンスその他の法的助言等を踏まえ、公開買付者との間で、継続的に協議・交渉を行ったとのことです。

 対象者は、上記のとおり、本特別委員会による助言並びにプルータス・コンサルティングによる対象者株式の株式価値の算定結果や公開買付者との交渉方針等を含めた財務的な助言及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所からの本取引における手続の公正性を確保するための対応についてのガイダンスその他の法的助言等を踏まえ、2024年3月6日付で、本公開買付価格については、少数株主の利益確保の観点から価格の再考が必要と考えること、及び、本第三者割当増資の払込価格については対象者株式直前取引日終値及び公表前1ヶ月、3ヶ月及び6ヶ月における同終値単純平均を下回らない価格とすることを提案し、公開買付者に再検討を依頼しているとのことです。これに対して、公開買付者からは、2024年3月21日、対象者に対し、本公開買付価格を1株当たり320円、本第三者割当増資の払込価格を対象者株式直前取引日終値に対し5.0%のディスカウントを考慮した価格とすることを提案されました。これに対し、対象者は、本特別委員会による助言並びにプルータス・コンサルティングによる対象者株式の株式価値の算定結果や公開買付者との交渉方針等を含めた財務的な助言及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所からの本取引における手続の公正性を確保するための対応についてのガイダンスその他の法的助言等を踏まえ、2024年3月22日付で、本公開買付価格の提案については、一定程度評価できる水準であると考えられる一方で、対象者株式直前取引日終値に対してディスカウントした払込金額となると、対象者株式の1株当たりの価値の希薄化が生じ、対象者の市場株価への下落リスク等の懸念があり、また、類似取引の事例における払込金額や、対象者の本源的価値との比較の観点からも依然として対象者の少数株主にとって十分なものとは評価できないため、対象者の少数株主の利益確保の観点から、本第三者割当増資の払込価格は、対象者株式直前取引日終値を下回らない価格とすることが重要である旨提案し、公開買付者に再検討を依頼しているとのことです。その後、公開買付者からは、2024年4月1日、本第三者割当増資の払込価格を、対象者株式直前取引日終値と同額とすることを提案されたところ、対象者からは、2024年4月2日、本特別委員会による助言並びにプルータス・コンサルティングによる対象者株式の株式価値の算定結果や公開買付者との交渉方針等を含めた財務的な助言及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所からの本取引における手続の公正性を確保するための対応についてのガイダンスその他の法的助言等を踏まえ、2024年4月開催予定の対象者取締役会での承認を条件として、本第三者割当増資の払込価格を対象者株式直前取引日終値と同額とする旨回答しているとのことです。さらに、公開買付者からは、2024年4月4日に、本公開買付価格については、対象者による明確な応諾がなされなかったことを踏まえて改めて検討した結果、本公開買付価格を320円とすることを提案されたところ、これに対して、対象者は、公開買付者に対し、2024年4月4日、正式な意思決定は2024年4月開催予定の対象者取締役会で承認されることを条件とし、本公開買付価格を320円とすることで本公開買付けに賛同する旨回答したとのことです。

 

(ⅲ)判断内容

 本特別委員会は、以上のような経緯のもと、本諮問事項について慎重に協議及び検討した結果、2024年4月8日付で、対象者取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の答申書(以下「本答申書」といいます。)を提出したとのことです。

(a)答申内容

1.本公開買付けを含む本取引は企業価値の向上に資するものであって、その目的は合理的と認められる。

2.本公開買付けを含む本取引の条件(本取引の実施方法、本公開買付けにおける買付け等の価格や本第三者割当増資における発行条件を含む。)の妥当性は確保されていると認められる。

3.本公開買付けを含む本取引に係る手続の公正性は確保されていると認められる。

4.本第三者割当増資の必要性及び相当性が認められる。

5.上記1.から4.を踏まえ、本取引は、対象者の少数株主にとって不利益なものでないと認められる。

6.対象者取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明することは相当であり、また、対象者の株主に対して本公開買付けに応募するか否かについて中立の立場をとり、株主の判断に委ねることは合理的であると認められる。

 

(b)答申の理由

1.本取引の目的は合理的と認められるか(本取引が対象者の企業価値向上に資するかを含む。)。

 以下の理由から、本公開買付けを含む本取引は企業価値の向上に資するものであって、その目的は合理的と認められる。

・対象者が、対象者における事業環境及び経営課題について、概要以下のとおり認識しており、当該対象者による事業環境及び経営課題の認識については、矛盾した点や明らかに客観的事実に反している点はなく、当該経営課題の解決及びその実現へ向けた戦略の一環として、対象者が検討を重ねてきたという、教育サービスの高品質化を促し、不動産事業を補完するパートナーとの業務提携や、M&A取引についての施策に寄与する方策を講じることは、一般論としては対象者の企業価値の向上に資するものであると考えられること。

●学習塾業界においては1997年より進行の一途をたどる少子化に加え、教育制度改革や大学入試改革、GIGAスクール構想による学校へのICT導入の前倒しなど、取り巻く環境が大きく変わろうとしており、特徴のない学習塾は淘汰される時代となっていること。

●対象者は、日本国内においては、終わりの見えない少子化問題がコロナ禍を受けてさらに加速しており、大学全入学時代の到来も相まって受験産業そのものの創造価値が何であるかを問われる中で、大手大学受験予備校などは苦戦している事業者も多く、中堅の多くの学習塾もそうした社会トレンドにおいて苦戦傾向にあるものと推察していること。

●このような外部環境に対して、少子化を前提としたビジネスモデルの対象者グループは、「すべては子どもたちの未来のために」という考え方から、高品質な「本物」の教育サービスを提供し、徹底した差別化戦略によって日本を代表するオンリーワン企業を目指すことを経営の基本方針とし、さらに、新型コロナウイルス感染症の影響に対しても、子どもたちの教育の場を守るために、安心して通塾できる環境作りに注力することで、他社とのさらなる差別化を図っていること。

・対象者は、本資本業務提携を行うことで、公開買付者との提携によって得られる「こどもでぱーと」における事業展開や有利な新校舎の展開を基に、「こども教育事業」における完全な囲い込み戦略による差別化を促進し、教育分野における市場優位性を確保することで相互にシナジーを発揮し、対象者グループ全体への拡大による新たな顧客層の開拓可能性の拡大など、顧客満足度の向上が見込まれることから、両社の収益拡大につながるものと考えており、公開買付者も、同社の事業分野は不動産業が中心で異なるものの、永く「安心と信頼に満ちた社会」の実現に貢献すべく質の高いオフィスビル、ホテル、旅館、介護施設等の提供をしていることから、対象者としては、顧客対象が互いにフィットしており、そうした本物を求める人たちへの訴求力のシナジー効果があるものと認識しているとのことであり、対象者と公開買付者との間で想定されるシナジーの内容は、相互に矛盾する点や明らかに客観的事実に反している点は見当たらず、合理的なものであると考えられること。

・現資本業務提携の効果を一層発揮させ対象者の企業価値の更なる向上を図るには、対象者の連結子会社化を目指して対象者との間で資本関係をさらに強固なものとすることにより、公開買付者が対象者の利益をグループ収益として取り込むとともに、対象者に対して積極的に投資を行うことを可能とし、公開買付者が持つ不動産の空室情報や売却情報、不動産会社として築き上げてきた公開買付者グループ内外のテナントや不動産仲介業者とのネットワーク、不動産事業に限られない公開買付者の出資先とのネットワークを共有することで、対象者単独では難しい新たな事業提携先の発掘等の支援強化をする必要があると考えており、また、公開買付者の財務基盤の活用を通じ、今後のさらなる戦略的M&A等も見据えて、公開買付者が有する経営資源を迅速に投入可能な体制を整えることは合理的であると考えられること。

・対象者の展開する事業は、子どもを有する世帯を顧客ターゲットとするビジネスであることから、上場企業であることはこれら顧客ターゲットからの認知獲得に対して大きく寄与していることに加え、人材獲得の観点からも、上場による知名度及び信用力を活用することにより対象者において良質な人材の採用を可能とし、対象者株式が上場を維持することによるメリットが存在し、一方で、対象者の完全子会社化により対象者株式が上場廃止される場合には、当該メリットを享受することができず、対象者のビジネスに悪影響を及ぼし得るところ、対象者がこれらのメリットを引き続き享受することが望ましいこと。

・対象者が①新規事業「こどもでぱーと」開設に伴う設備投資(新教室開設に伴う敷金、教室設備・備品取得費、初期投資費用)、②渋谷創造文化教育施設(敷金、内装施設工事、デザイン料等)、③DX戦略推進費用(顧客データベース、顧客との接点アプリケーション、教室ネットワーク等)、④防犯カメラ設置工事(教室内)及び⑤戦略的M&A等(以下「本資金使途」という。)の資金を有利子負債で調達するのではなく第三者割当増資の方法で調達することにより対象者の財務基盤の強化を図り、それにより生み出された投資余力を以て中長期的な成長投資の資金を確保することが対象者の企業価値向上の観点からも重要であると考え、公開買付者による対象者の連結子会社化の手法としては、本公開買付けと本第三者割当増資を組み合わせた方法により対象者に投資資金を供給することが最適と考えられること。

・本資本業務提携変更契約上、公開買付者及び対象者は、本取引の実行後、上場会社に適用されるコーポレートガバナンス・コードの各原則その他の上場規則等の趣旨を踏まえ、対象者及び株主共同の利益を尊重し、対象者の少数株主の利益に配慮しつつ、対象者が上場会社として、公開買付者及び対象者が協議の上合理的に必要と認める水準のガバナンス体制を構築する方針であることを確認することとされており、また、公開買付者及び対象者は、本取引の実行後、対象者が、公開買付者グループと対象者グループの間の取引その他公開買付者グループと対象者の少数株主との間の利益が相反する重要な取引について、取引の必要性及び条件の妥当性について十分に審議し、その適正性を確保するための合理的な措置を講じることに合意することとされているなど、本取引後においても対象者の自律性が一定程度尊重維持される構成となっていること。また、本公開買付けを含む本取引に要する資金について、公開買付者は今年度の投資枠の範囲内の資金により賄う予定であるところ、本資本業務提携後の対象者の事業運営に重大な支障をきたし、本資本業務提携による対象者の企業価値向上という目的が達成できないおそれがあるものとは認められないこと。

・以上の事実を前提にすれば、本取引により想定されるシナジーは合理的なものということができ、公開買付者の想定と対象者の想定との間に矛盾・齟齬もなく、本取引の実行は、対象者が認識する経営課題の解決に資することが認められること。また、公開買付者の完全子会社となり、対象者株式の上場を廃止する等の他の手法によるのではなく、連結子会社化を含む本取引によるべき理由として説明された内容も合理的なものであると認められ、連結子会社化を含む本取引によることも相当であると考えられること。加えて、本取引による対象者の企業価値向上に対する重大な支障となる事情として認められるものも見受けられないこと。

・したがって、本公開買付けを含む本取引は企業価値の向上に資するものであって、その目的は合理的と認められること。

2.本公開買付けを含む本取引の条件(本取引の実施方法、本公開買付けにおける買付け等の価格や本第三者割当増資における発行条件を含む。)の妥当性は確保されていると認められるか。

 以下の理由から、本公開買付けを含む本取引の条件(本公開買付価格を含む。)の妥当性は確保されていると認められる。

・公開買付者は、対象者が当該資金を有利子負債で調達するのではなく第三者割当増資の方法で調達することにより対象者の財務基盤の強化を図り、それにより生み出された投資余力を以て中長期的な成長投資の資金を確保することが対象者の企業価値向上の観点からも重要であると考え、公開買付者による対象者の連結子会社化の手法としては、本公開買付けと本第三者割当増資を組み合わせた方法により対象者に投資資金を供給することが最適と判断したとのことであり、他の手法によらず、本資本業務提携による経営課題の解決を目指すという判断は、合理的なものと考えられ、他の資金調達手段と比較しても、本第三者割当増資という調達手段には合理性が認められること。

・本公開買付価格(1株当たり320円)及び本第三者割当増資発行価額(1株当たり対象者株式直前取引日終値と同額である218円)は、公開買付者による当初の提示額(本公開買付価格:1株当たり300円、本第三者割当増資発行価額:1株当たり対象者株式直前取引日終値に0.9を乗じた金額)と、プルータス・コンサルティングによる暫定的な株式価値算定結果を前提に、対象者が、当委員会における審議・検討に基づく当委員会からの本公開買付価格及び本第三者割当増資発行価額の引き上げ要請も踏まえ、プルータス・コンサルティングの助言を受けながら公開買付者と交渉をした結果、公開買付者から、3度にわたり本公開買付価格及び本第三者割当増資発行価額を引き上げる提案を引き出し、最終合意に至ったものであること。

・最終的な本公開買付価格及び本第三者割当増資発行価額は、当初に公開買付者が提示した価格から相応の上積みがされており、対象者として、少数株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指して交渉がされた経緯が認められること。

・以上から、本取引における本公開買付価格及び本第三者割当増資発行価額の合意は、対象者と公開買付者との間において、実質的にも独立当事者間に相当する客観的かつ整合性のある議論を踏まえた交渉の結果なされたものであることが推認され、合意プロセスの透明性や公正性を疑わせるような事情は見当たらないこと。

・本公開買付価格の公正性・妥当性の検討に当たっては、プルータス・コンサルティングによる株式価値の算定結果が中心的な資料となるが、これは対象者事業計画を基礎資料としているところ、対象者事業計画については、本取引が実施される可能性が具体的に認識される前から作成が進められていたものであり、その策定プロセスに、公開買付者の圧力が介在した事実は認められず、また、その内容において不合理な予測となっている点は認められないこと。

・プルータス・コンサルティングが採用した評価手法である、市場株価法、類似会社比較法及びDCF法の選択、並びに、それぞれの算定方法及び算定根拠について、いずれも不合理な点は見当たらず、対象者株式の株式価値の検討に当たり、プルータス・コンサルティングが作成した対象者株式価値算定書に依拠することができること。

・本公開買付価格である1株当たり320円は、(ⅰ)市場株価法により算定された対象者株式の1株当たり株式価値のレンジの上限を上回り、(ⅱ)類似会社比較法により算定された対象者株式の1株当たり株式価値のレンジの上限を上回り、かつ、(ⅲ)DCF法により算定された対象者株式の1株当たり株式価値のレンジの下限を優に上回り、その範囲内に入る価格であると認められること。また、対象者株式直前取引日終値218円に対して46.79%、2024年4月5日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値221円に対して44.80%、過去3ヶ月間の終値単純平均値230円に対して39.13%、過去6ヶ月間の終値単純平均値234円に対して36.75%のプレミアムがそれぞれ加算されているが、これは、2019年6月28日から2023年12月31日までに公表された、国内上場企業を対象に連結子会社化を目的とする、買付予定数に上限が設定された他社株公開買付けの事例におけるプレミアム水準(公表日前営業日の終値に対して中央値21.70%・平均値23.79%、直近1ヶ月間の平均終値に対して中央値24.96%・平均値25.41%、直近3ヶ月間の平均終値に対して中央値24.86%・平均値26.40%及び直近6ヶ月間の平均終値に対して中央値28.08%・平均値28.39%)と比較して、本公開買付けにおいては他の同種案件と遜色ないプレミアムが確保されていると認められること。

・以上のような諸事情を勘案すれば、本公開買付価格は、対象者株式の株式価値が適正に反映されたものと考えることができ、その価格の妥当性が否定される水準ではないと評価できるものと考えられること。

・本第三者割当増資発行価額(218円)は、対象者株式直前取引日終値に相当する金額であるため、日本証券業協会「第三者割当増資の取扱いに関する指針」(平成22年4月1日付)に従った払込金額であると言え、当該払込金額は相当であり、有利発行には該当しないものと思料されること。

・本第三者割当増資発行価額が、本公開買付価格よりも低額であるという差異が生じている点については、本公開買付けについては、連結子会社化するために必要な株式数を応募してもらう確度を高めることが重要であり、市場株価の動向等を踏まえて、対象者株式の売却を希望する対象者の株主に対し、市場株価に十分なプレミアムを付した価格での売却機会を確保する必要があり、また、本公開買付けに応募する株主については、所有する株式を売却するためその機会を享受できないため、プレミアムを含んだ本公開買付価格とすることで、当該シナジーのうち一定部分を公開買付者から対象者株式を売却する対象者株主に対して分配するという性質もあると考えられる一方で、本第三者割当増資については、本資金使途のために必要な資金を対象者が調達するものであり、対象者株主から株式の取得を受けることはなく、対象者を連結子会社化することで生じるシナジーの実現による対象者の企業価値向上の機会を対象者株主は享受することができることから、本第三者割当増資発行価額についてプレミアムを含んだ価格とする必要はないと考えられること。

・会社法上の有利発行規制との関係では、割当先との企業提携や割当先による子会社化を伴う第三者割当の場合には、当該提携や子会社化による効果を織り込まない株価を払込金額の基準とすることは、シナジーを募集株式の発行等が行われた後の持株比率に比例して両者間に配分することを意味し、むしろ公正であるという考え方が有力であるところ、かかる考え方に照らせば、対象者と公開買付者との資本業務提携及び公開買付者による対象者の子会社化を目的とし、本第三者割当増資の払込金額と異なる金額の公開買付価格を設定する本公開買付けが行われる場合であっても、対象者と公開買付者との本資本業務提携及び公開買付者による対象者の連結子会社化の効果を織り込まない株価を基準とした当該払込金額が「募集株式を引き受ける者に特に有利な金額」に当たらないと考えることには合理性が認められること。

・本第三者割当増資発行価額の決定については、対象者は公開買付者との間で誠実に協議していると評価されること。

・本第三者割当増資発行価額は対象者株式直前取引日終値を下回るものではなく同額であること。

・以上から、本第三者割当増資発行価額が本公開買付価格よりも低額であることをもって有利発行に該当しないことの結論に影響を及ぼすものではないと考えられること。

3.本公開買付けを含む本取引に係る手続の公正性は確保されていると認められるか。

 以下の理由から、本公開買付けを含む本取引に係る手続の公正性は確保されていると認められる。

・2024年1月22日に公開買付者から意向表明書を受領した後、同月24日に当委員会が設置され、同月25日に第1回委員会が開催されており、公開買付者から買収提案を受けた後、可及的速やかに設置されていること。

・当委員会の委員は独立社外取締役3名で構成されており、各委員について、公開買付者及び本取引の成否から独立していることが確認されていること。

・当委員会は、本取引の取引条件に関する交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うことなどにより、本取引の取引条件に関する交渉過程に実質的に関与する権限を与えられており、取引条件に関する交渉過程に実質的に影響を与え得る状況を確保していること。

・当委員会は、対象者取締役会から、独自のアドバイザー等を選任し、又は、対象者のアドバイザー等を当委員会のアドバイザー等として指名若しくは承認(事後承認を含む。)する権限、及び、対象者のアドバイザー等が高い専門性を有しており、独立性にも問題がないなど、当委員会として対象者のアドバイザー等を信頼して専門的助言を求めることができると判断した場合には、対象者のアドバイザー等に対して専門的助言を求めることができる権限が与えられているところ、(ⅰ)第1回委員会において、対象者のファイナンシャル・アドバイザーであるプルータス・コンサルティングについて、独立性及び専門性に問題ないことを確認の上、対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関とすることを承認し、さらに、(ⅱ)第1回委員会において、対象者のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所について、専門性及び独立性に問題がないことを確認した上で、対象者のリーガル・アドバイザーとすることを承認している。また、当委員会としても、必要に応じてプルータス・コンサルティング及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所から専門的助言を求めることを確認していること。

・当委員会は、公開買付者に対し質問事項を送付し、回答を得るほか、対象者の執行陣から説明を受け、情報提供を求めるなど、検討及び判断に必要な情報を収集していること。

・当委員会の委員の報酬は、一定の固定額を上限とした金額となっており、成功報酬は採用していないこと。

・対象者取締役会は、対象者取締役会における本取引に関する意思決定は、本公開買付けへの賛否を含め、当委員会の判断内容を最大限尊重して行うこと、及び、当委員会が本公開買付けを含む本取引の取引条件が妥当でないと判断した場合には、本公開買付けを含む本取引に賛同しないこととすることを決議していること。

・対象者の第2位株主であり、その所有する対象者株式の全てを本公開買付けに応募する旨の応募契約を公開買付者との間で締結した岩佐氏及び公開買付者の取締役を兼務し、本取引につき特別利害関係を有する取締役と判断される西浦三郎取締役を除いた全取締役により、本公開買付けに対する意見表明に係る決議を実施することを想定していること。

・対象者取締役会は、当委員会の判断内容を最大限尊重して本取引に関する意思決定を行うこと、当委員会が本取引の取引条件が妥当でないと判断した場合には、本取引に賛同しないことが併せて決議されていることなどを踏まえれば、本取引に関する対象者の意思決定の恣意性は排除され、意思決定のプロセスの公正性、透明性及び客観性が確保されているといえること。

・対象者は、本公開買付価格の公正性を担保するために、対象者及び公開買付者並びに本取引の成否から独立した第三者算定機関であるプルータス・コンサルティングから、対象者株式の株式価値に関する資料として対象者株式価値算定書を取得していること。また、対象者株式価値算定書においては、複数の算定方法を採用しており、恣意的な価格の算定がされないよう配慮がされていること。さらに、算定の前提となる対象者事業計画の作成に当たって、公開買付者又は対象者の役職員による恣意的行動があった事実は認められず、算定に当たって公正性を疑わせるような事情も見当たらず、以上のことから、対象者株式価値算定書は、独立した第三者算定機関による対象者株式価値算定書であると認められること。

・本取引では、公開買付者プレスリリース及び対象者プレスリリースにおいて、当委員会に付与された権限の内容、当委員会における検討経緯や公開買付者との取引条件の交渉過程への関与状況、本答申書の内容及び当委員会の委員の報酬体系等、対象者株式価値算定書の概要、本取引の実施に至るプロセスや交渉経緯及び本資本業務提携変更契約の内容等について充実した情報開示がなされる予定となっており、対象者の株主等に対し、取引条件の妥当性等についての判断に資する重要な判断材料が提供されていると認められること。

・以上のことから、本取引では、(ⅰ)取引条件の形成過程において実質的にも独立当事者間取引といえる状況が確保され、(ⅱ)少数株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会の確保という視点から見ても充実した公正性担保措置が採用され、かつ、実効性をもって運用されていると認められるから、結論として、本公開買付けを含む本取引に係る手続の公正性は確保されていると認められること。

4.本第三者割当増資の必要性及び相当性が認められるか。

 以下の理由から、本第三者割当増資の必要性及び相当性が認められる。

・学習塾業界においては1997年より進行の一途をたどる少子化に加え、教育制度改革や大学入試改革、GIGAスクール構想による学校へのICT導入の前倒しなど、取り巻く環境が大きく変わろうとしており、特徴のない学習塾は淘汰される時代となっており、教育業界を取り巻く環境は大変厳しいものとなっていると認識しているとのことであり、日本国内においては、終わりの見えない少子化問題がコロナ禍を受けてさらに加速しており、大学全入学時代の到来も相まって受験産業そのものの創造価値が何であるかを問われる中で、大手大学受験予備校などは苦戦している事業者も多く、中堅の多くの学習塾もそうした社会トレンドにおいて苦戦傾向にあるものと推察しているとのことであること。

・対象者は、このような外部環境の中で、当該経営問題の解決方法として、公開買付者との資本業務提携に基づく取組みを含む、本資金使途に係る各施策を実施する必要があること。(具体的には、本資本業務提携を行い、協働での取組みを強化することで、公開買付者との提携によって得られる「こどもでぱーと」における事業展開や有利な新校舎の展開を基に、「こども教育事業」における完全な囲い込み戦略による差別化を促進し、教育分野における市場優位性を確保することで相互にシナジーを発揮し、対象者グループ全体への拡大による新たな顧客層の開拓可能性の拡大など、顧客満足度の向上が見込まれることから、両社の収益拡大につながるものと考えていること、及び、対象者が提供するサービスの根底には、質の高い本物の教育サービスという考え方があり、その究極的な形として、完全1対1の個別指導を商品として提供しているところ、公開買付者も、同社の事業分野は不動産業が中心で異なるものの、永く「安心と信頼に満ちた社会」の実現に貢献すべく質の高いオフィスビル、ホテル、旅館、介護施設等の提供をしていることから、顧客対象が互いにフィットしており、そうした本物を求める人たちへの訴求力のシナジー効果があるものと認識していること。対象者を公開買付者の連結子会社とすることにより、本資本業務提携を実施することが、対象者を取り巻く事業環境の変化に対する迅速な対応を実現し、対象者の企業価値向上に資する最善の方策であること。公開買付者としては、現資本業務提携の効果を一層発揮させ対象者の企業価値の更なる向上を図るには、対象者の連結子会社化を目指して対象者との間で資本関係を更に強固なものとすることにより、公開買付者が対象者の利益をグループ収益として取り込むとともに、対象者に対して積極的に投資を行うことを可能とし、公開買付者が持つ不動産の空室情報や売却情報、不動産会社として築き上げてきた公開買付者グループ内外のテナントや不動産仲介業者とのネットワーク、不動産事業に限られない事業提携先の発掘等の支援強化をする必要があると考えており、また、公開買付者の財務基盤の活用を通じ、今後のさらなる戦略的M&A等も見据えて、公開買付者が有する経営資源を迅速に投入可能な体制を整えることが適当と考えるに至ったとのことであること。公開買付者は、対象者及び公開買付者の現資本業務提携の成果のひとつである「こどもでぱーと」について、事業化が決定している6物件の開発も含め、2029年までに首都圏で20件程度まで展開する方針であるとのことであり、また、対象者においてもDX投資等経営の効率化に向けた投資を今後数年間で予定していることを踏まえると、対象者において本資金使途に伴う資金として相応な資金需要があることを認識しているとのことであること。

・以上の点に鑑みると、本資本業務提携により経営課題の解決を目指すという判断とその実現のための本第三者割当増資の必要性は、合理的なものと考えられること。

・対象者が当該資金を有利子負債で調達するのではなく第三者割当増資の方法で調達することにより対象者の財務基盤の強化を図り、それにより生み出された投資余力を以て中長期的な成長投資の資金を確保することが対象者の企業価値向上の観点からも重要であると考え、公開買付者による対象者の連結子会社化の手法としては、本公開買付けと本第三者割当増資を組み合わせた方法により対象者に投資資金を供給することが最適と判断しているところ、他の手法によらず、本資本業務提携による経営課題の解決を目指すという判断は、合理的なものと考えられ、他の資金調達手段と比較しても、本第三者割当増資という調達手段には合理性が認められること。

・本第三者割当増資発行価額(218円)は、対象者株式直前取引日終値に相当する金額であるため、日本証券業協会の「第三者割当増資の取扱いに関する指針」(平成22年4月1日付)に従った払込金額であると言え、当該払込金額は相当であり、有利発行には該当しないものと考えられること。

・本第三者割当増資発行価額が、本公開買付価格よりも低額であるという差異が生じているのは、本第三者割当増資及び本公開買付けが、それぞれ公開買付者が対象者を連結子会社化する本取引の一環であるものの、本公開買付けは、対象者の株主に金銭を交付し対象者株式を取得するという対象者の株主との取引である一方、本第三者割当増資は、対象者に金銭を払い込むことにより対象者株式を取得するという対象者との取引であり、取引の性質が異なるため、それぞれ異なる考慮を行ったためであり、本公開買付けにおいては、連結子会社化のために必要な株式数の応募が集まらないリスクが存在するため、連結子会社化のために必要な株式数を応募してもらう確度を高めることが重要であり、市場株価の動向等を踏まえて、対象者株式の売却を希望する対象者の株主に対し、市場株価に十分なプレミアムを付した価格での売却機会を確保する必要があること、また、本公開買付けに応募しない株主については、本公開買付け後に対象者が公開買付者の連結子会社となることで生じるシナジーの実現による対象者の企業価値向上の機会を享受し得るところ、本公開買付けに応募する株主については、所有する株式を売却するためその機会を享受できないため、プレミアムを含んだ本公開買付価格とすることで、当該シナジーのうち一定部分を公開買付者から対象者株式を売却する対象者株主に対して分配するという性質もある一方で、本第三者割当増資については、本資金使途のために必要な資金を対象者が調達するものであり、対象者株主から株式の取得を受けることはなく、対象者を連結子会社化することで生じるシナジーの実現による対象者の企業価値向上の機会を対象者株主は享受することができることから、本第三者割当増資発行価額についてプレミアムを含んだ価格とする必要はないこと。

・会社法上の有利発行規制との関係では、割当先との企業提携や割当先による子会社化を伴う第三者割当の場合には、当該提携や子会社化による効果を織り込まない株価を払込金額の基準とすることは、シナジーを募集株式の発行等が行われた後の持株比率に比例して両者間に配分することを意味し、むしろ公正であるという考え方が有力であるところ、かかる考え方に照らせば、対象者と公開買付者との資本業務提携及び公開買付者による対象者の子会社化を目的とし、本第三者割当増資の払込金額と異なる金額の公開買付価格を設定する本公開買付けが行われる場合であっても、対象者と公開買付者との本資本業務提携及び公開買付者による対象者の連結子会社化の効果を織り込まない株価を基準とした当該払込金額が「募集株式を引き受ける者に特に有利な金額」に当たらないと考えることには合理性が認められること、本第三者割当増資発行価額の決定については、対象者は公開買付者との間で誠実に協議していると評価されること、本第三者割当増資発行価額は対象者株式直前取引日終値を下回るものではなく同額であることなどから、本第三者割当増資発行価額が本公開買付価格よりも低額であることをもって有利発行に該当しないことの結論に影響を及ぼすものではないこと。

・以上を踏まえると、本第三者割当増資の発行条件は相当であると認められること。

・対象者及び公開買付者は、対象者の独自の企業文化や経営の自主性を維持することが、対象者の持続的な発展により企業価値を向上させていくために非常に重要であり、両社の資本関係を強化するにあたっては、対象者の自主的な経営を尊重しつつ、両社の連携を深めることができる対象者の上場を維持する連結子会社化が望ましいとの判断に至ったとのことであり、また、連結子会社化に向けた具体的な方法としては、本資本業務提携に基づく「こどもでぱーと」の開発及び展開のほか対象者が企図している本資金使途に係る資金需要、対象者の収益拡大、ひいては両社の企業価値の向上に資することから、本公開買付けのみならず、本第三者割当増資を組み合わせることが望ましいとの結論に至ったとのことであること、対象者及び公開買付者は、両社グループのより一層の企業価値向上を図るため、対象者の連結子会社化を目指して対象者との間で資本関係をさらに強固なものとすることにより、公開買付者が対象者の利益をグループ収益として取り込むとともに、対象者に対して積極的に投資を行うことを可能とし、公開買付者が持つ不動産の空室情報や売却情報、不動産会社として築き上げてきた公開買付者グループ内外のテナントや不動産仲介業者とのネットワーク、不動産事業に限られない公開買付者の出資先とのネットワークの共有や公開買付者の財務基盤の活用を通じ、公開買付者が有する経営資源を迅速に投入可能な体制を整えることを通じて、シナジーの実現を目指していくとのことであること、公開買付者の払込みに要する財産の存在について、公開買付者が関東財務局長に提出した2023年12月期の有価証券報告書(2024年3月19日提出)により、公開買付者グループが本第三者割当増資の払込みに十分な現金及び現金同等物(82,763百万円)を保有していることを確認し、その後かかる財務内容が大きく悪化したことを懸念させる事情も認められず、本第三者割当増資に係る払込みの確実性に問題はないものと判断していること、また、公開買付者は、東京証券取引所プライム市場に上場しており、同社が同取引所に提出したコーポレート・ガバナンス報告書(最終更新日:2023年12月14日)に記載している反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況を、同取引所のホームページにて確認することにより、対象者は、公開買付者並びにその役員及び主要株主が反社会的勢力とは一切関係がないと判断していること。

・以上を踏まえると、公開買付者を本第三者割当増資の割当予定先として選定することには相当性が認められること。

・本資金使途のための資金需要は、発行諸費用を含め約3,400百万円であるところ、本第三者割当増資による調達金額は、当該金額と同額であり、本第三者割当増資による調達金額は、必要性に応じた出資とみることができ、徒らに既存株主の株式の希薄化を生じさせるものではないと思料されること。本第三者割当増資による株式価値の希薄化は、公開買付者が対象者の連結子会社化に必要な対象者株式の取得の一部を本公開買付けによって行うことにより、対象者による本資金使途のための資金調達に必要な限度に留められており、公開買付者が対象者の連結子会社化に必要な対象者株式の取得の全部を第三者割当増資で行う場合に比して、生じ得る希薄化及び株価下落のリスクの程度は小さいこと。対象者が資金調達をすることにより、対象者の財務体質が一層強化されるとともに、本公開買付け及び本第三者割当増資を通じて公開買付者の連結子会社となることによって、中長期的には、上記の希薄化を上回る対象者の企業価値及び株主価値の向上につながるものと考えられるため、対象者の企業価値及び株主価値の向上に資することとなる。そのため、本第三者割当増資により生じ得る希薄化及び株価下落のリスクを考慮しても、対象者株主は、対象者の企業価値及び株主価値の向上により、それを上回るシナジーを享受できると考えられること。

・以上の資金調達の手段、発行条件、割当予定先、増資金額、既存の株主への影響に鑑みると、本第三者割当増資に係る株式の発行数量及び希薄化の規模は合理的であると考えられること。

5.上記1.から4.を踏まえ、本取引は、対象者の少数株主にとって不利益なものでないと認められるか。

 上記1.から4.までで検討を要請されている事項が、上記5.を検討する際の考慮要素になるものと考えているところ、当委員会における検討の結果、上記1.から4.までについて、いずれも問題があるとは認められないこと、また、対象者からは、対象者株式の流通株式比率に照らし、本取引完了後においても、対象者株式が上場廃止基準に抵触する見込みはなく、東京証券取引所プライム市場への上場は維持される見込みであるとの説明を受けていることから、上記5.について、本取引を行うことは、対象者の少数株主にとって不利益なものでないと認められる。

6.対象者取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明し、対象者の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することは相当であると認められるか。

・上記1.から5.までにおいて、本取引の目的の合理性、本取引に係る手続の公正性及び本取引に係る取引条件の妥当性が確認され、かつ、本取引を行うことが対象者の少数株主にとって不利益なものでないことから、本公開買付けの開始予定に係る公表の時点で対象者取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明することは相当であり、また、対象者の株主に対して本公開買付けに応募するか否かについて中立の立場をとり、株主の判断に委ねることは合理的であると認められる。

 

⑤ 対象者における利害関係を有しない取締役全員による決議及び監査役全員による異議のない旨の意見

 対象者プレスリリースによれば、対象者は、プルータス・コンサルティングから取得した対象者株式価値算定書、プルータス・コンサルティングからの財務的見地からの助言、アンダーソン・毛利・友常法律事務所からの法的助言を踏まえつつ、本特別委員会から提出された答申書の内容を最大限尊重しながら、本公開買付けの諸条件について、慎重に協議及び検討を行ったとのことです。その結果、対象者は、上記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2024年4月8日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、本公開買付けには買付予定数に上限が設定され、本公開買付け後も対象者株式の上場が維持される予定であり、対象者の株主の皆様としては本取引成立後も対象者株式を所有するという選択肢をとることにも十分に合理性が認められることに鑑み、対象者の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについては、中立の立場を取り、対象者の株主の皆様のご判断に委ねること、公開買付者との間で本資本業務提携変更契約を締結すること及び本第三者割当増資を実施することを決議したとのことです。上記対象者取締役会決議においては、取締役8名のうち、西浦三郎氏及び岩佐氏を除く利害関係を有しない取締役6名全員が参加し、参加した取締役の全員の一致により決議したとのことです。なお、(ⅰ)対象者の取締役のうち、西浦三郎氏は、公開買付者の代表取締役会長を兼務しているため、また、(ⅱ)岩佐氏は本応募契約を締結するため、取締役会における審議及び決議が本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、上記対象者取締役会における審議及び決議には参加しておらず、また対象者の立場において、本公開買付けに関する公開買付者との協議及び交渉に参加していないとのことです。また、対象者の監査役4名全員が上記対象者取締役会に出席し、出席した監査役の全員が上記決議につき、異議がない旨の意見を述べているとのことです。

 

⑥ 本公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保

 公開買付者は、公開買付期間を、法令に定められた最短期間である20営業日よりも長い29営業日に設定することにより、対象者の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断の機会を確保しつつ、公開買付者以外の者にも対象者株式の買付け等を行う機会を確保し、これをもって本公開買付けの適正性を担保することを企図しております。なお、公開買付者は、2024年5月10日に第94期(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)に係る有価証券報告書の訂正報告書を関東財務局長に提出したことから、公開買付届出書の記載事項の一部に訂正すべき事項が生じたため、法第27条の8第2項の規定に基づき、本書の訂正届出書を関東財務局長に提出するとともに、これに伴い、公開買付期間を、当該訂正届出書の提出日である2024年5月13日から起算して10営業日を経過した日である2024年5月27日まで延長することとなったため、公開買付期間は合計32営業日となりました。

 

(5)本取引後の対象者の株券等の取得予定

 公開買付者は、対象者を連結子会社化することを目的として本取引を実施するものであり、また、対象者株式の上場を維持する方針であることから、本取引によりその目的を達成した場合には、本取引後に対象者株式を追加で取得することは現時点で予定しておりません。万が一本取引により公開買付者が対象者の議決権の過半数を取得するに至らず、対象者を連結子会社化するために必要な対象者株式を取得できなかった場合には、対象者株式の市場価格等の外部環境を注視しつつ、公開買付者の増資後所有割合が51.0%となるよう対象者株式を追加取得することも改めて検討する可能性がありますが、現時点では具体的な検討は行っておりません。

 

(6)上場廃止となる見込み及びその理由

 対象者株式は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場していますが、本公開買付けは対象者株式の上場廃止を企図するものではなく、公開買付者は、買付予定数の上限を39,447,200株(増資前所有割合:25.49%、増資後所有割合:23.15%。また、上記「(1)本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けが成立し、かつ、本第三者割当増資の払込みが完了した場合においても、本取引後において公開買付者が所有することとなる対象者株式の合計数の増資後所有割合は最大で51.0%)と設定し、2024年2月29日現在の対象者株式の流通株式比率は60.45%となっているため、本取引完了後においても、対象者株式の東京証券取引所プライム市場への上場は維持される見込みです。

 また、本取引完了後において、上場廃止基準に抵触する見込みはございません。なお、公開買付者及び対象者との間で2024年4月8日付で締結した本資本業務提携変更契約においては、対象者が上場廃止基準に該当する可能性のある行為又は上場廃止の申請を決定し又は実施しようとする場合には、公開買付者に対して事前にその内容を通知し、公開買付者との間で誠実に協議を行うことと規定しております。

 

4【買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数】

(1)【買付け等の期間】

①【届出当初の期間】

買付け等の期間

2024年4月9日(火曜日)から2024年5月27日(月曜日)まで(32営業日)

公告日

2024年4月9日(火曜日)

公告掲載新聞名

電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。

(電子公告アドレス https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/)

 

②【対象者の請求に基づく延長の可能性の有無】

 該当事項はありません。

 

③【期間延長の確認連絡先】

 該当事項はありません。

 

(2)【買付け等の価格】

株券

普通株式1株につき 金320円

新株予約権証券

新株予約権付社債券

株券等信託受益証券

(     )

株券等預託証券

(     )

算定の基礎

 公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び対象者並びに岩佐氏から独立した第三者算定機関としてフィナンシャル・アドバイザーであるみずほ証券に対して、対象者株式の株式価値の算定を依頼いたしました。なお、みずほ証券は、公開買付者及び対象者並びに岩佐氏から独立した第三者算定機関であり、公開買付者及び対象者並びに岩佐氏の関連当事者には該当せず、みずほ証券のグループ企業である株式会社みずほ銀行(以下「みずほ銀行」といいます。)は、公開買付者及び対象者の株主たる地位を有しているほか、公開買付者に対して通常の銀行取引の一環として融資取引等は生じておりますが、本取引に関して公開買付者及び対象者並びに岩佐氏との利益相反に係る重要な利害関係を有していません。また、みずほ証券によれば、みずほ証券は法第36条第2項及び金融商品取引業等に関する内閣府令第70条の4の適用法令に従い、みずほ証券とみずほ銀行間の情報隔壁措置等の適切な利益相反管理体制を構築し、かつ実施しており、みずほ銀行の株主及び貸付人の地位とは独立した立場で対象者株式の株式価値の算定を行っているとのことです。公開買付者は、みずほ証券とみずほ銀行との間において適切な弊害防止措置が講じられていること、公開買付者とみずほ証券は一般取引先と同様の取引条件での取引を実施しているため第三者算定機関としての独立性が確保されていること、みずほ証券は過去の同種事案の第三者算定機関としての実績を有していること等を踏まえ、みずほ証券を公開買付者及び対象者並びに本取引から独立した第三者算定機関として選定いたしました。なお、本取引に係るみずほ証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれています。公開買付者は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合にも公開買付者に相応の金銭負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本取引の完了を条件に支払われる成功報酬が含まれることをもって独立性が否定されるわけではないとの判断をしています。

 

 みずほ証券は、対象者の財務状況、対象者株式の市場株価の動向等について検討を行った上で、多面的に評価することが適切であると考え、複数の株式価値算定手法の中から採用すべき算定手法を検討した結果、市場株価基準法、類似企業比較法及びDCF法を用いて、対象者株式の株式価値の算定を行い、公開買付者は、みずほ証券から公開買付者株式価値算定書を取得しました。なお、公開買付者は、本取引に際して実施されている他の本公開買付価格の公正性を担保するための措置並びに利益相反を回避するための措置(具体的な内容については、上記「3.買付け等の目的等」の「(4)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」をご参照ください。)を踏まえると、対象者の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考え、みずほ証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。

 

 公開買付者株式価値算定書において採用した手法及び当該手法に基づいて算定された対象者株式1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりです。

 

 

 

市場株価基準法:218円から234円

 

類似企業比較法:122円から211円

 

DCF法   :134円から509円

 

 

 

 市場株価基準法では、本公開買付けの公表日の前営業日である2024年4月5日を算定基準日として、対象者株式の東京証券取引所プライム市場における算定基準日の終値218円、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値221円、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値230円及び同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値234円を基に、対象者株式1株当たりの株式価値の範囲を218円から234円と算定しております。

 

 

 

 類似企業比較法では、対象者と比較的類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて、対象者株式の株式価値を算定し、対象者株式1株当たり株式価値の範囲を122円から211円と算定しております。

 

 DCF法では、対象者から提供を受けた対象者事業計画及びその他対象者の将来の収益予想に基づき、対象者が2025年2月期以降において創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて対象者の企業価値や株式価値を算定し、対象者株式1株当たりの株式価値の範囲を134円から509円と算定しております。

 

 なお、当該事業計画は、本取引の実行を前提としておりません。また、上記DCF法の算定の基礎となる対象者の事業計画については、大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれておりませんが、大幅なフリー・キャッシュ・フローの増加を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2025年2月期において、前年度の一過性要因による運転資本増加に伴うフリー・キャッシュ・フロー減少の影響が解消されることから、フリー・キャッシュ・フローにおいて前年度比548.5%の増加を見込んでおります。公開買付者は、みずほ証券から取得した公開買付者株式価値算定書の算定結果に加え、2024年1月上旬から同年3月上旬にかけて対象者に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果、過去に行われた本取引と同種の連結子会社化を企図した上限付き公開買付け(2019年6月28日から2024年4月5日までに公表された公開買付け、19件)の際に付与されたプレミアムの実例(公表日の前営業日の終値に対して平均23.40%)、本公開買付価格に関する対象者及び岩佐氏との協議・交渉の結果、対象者の取締役会による本公開買付けへの賛同の有無及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、最終的に2024年4月8日付取締役会決議により、本公開買付価格を320円とすることを決定いたしました。

 

 なお、本公開買付価格である320円は、対象者株式直前取引日終値218円に対して46.79%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値221円に対して44.80%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値230円に対して39.13%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値234円に対して36.75%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となっております。

 

 また、本公開買付価格である320円は、本書提出日の前営業日である2024年4月8日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値223円に対して43.50%のプレミアムを加えた価格となっております。

 

 なお、公開買付者は、対象者が2021年11月17日を処分期日として行った第三者割当による自己株式処分の引受けにより、対象者株式6,500,000株を1株当たり443円で取得しております。当該取得価格(443円)と本公開買付価格(320円)との間には、123円の差異が生じておりますが、これは、当該第三者割当による自己株式処分による取得価格が、当該第三者割当による自己株式処分に係る取締役会決議日の前営業日までの過去1ヶ月間(2021年9月27日から2021年10月26日まで)の東京証券取引所市場第一部(当時)における対象者株式の終値の単純平均値(443円)により決定されているのに対し、本公開買付価格は、対象者株式直前取引日終値218円に対して46.79%のプレミアムが付されているためです。

 

 

算定の経緯

(本公開買付価格の決定に至る経緯)

 

 上記「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、公開買付者は、対象者が開示している財務情報等の客観的な資料、デュー・ディリジェンスを通じて提供された資料及び対象者に対して質問した事項に対する回答、連結子会社化を企図した上限付きの公開買付けにおいて市場価格に対して付与されたプレミアム水準等を総合的に勘案し、2024年2月29日、本公開買付けにおける対象者株式1株当たりの本公開買付価格を300円(当該提案日の前営業日である2024年2月28日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値224円に対して33.93%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値236円に対して27.12%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値232円に対して29.31%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値239円に対して25.52%のプレミアムを加えた価格)とすること、また、本第三者割当増資における1株当たりの発行価額として対象者株式直前取引日終値から10%ディスカウントした価格とすること(2024年2月28日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値224円から10%ディスカウントした価格で計算される払込金額では202円となります。)を対象者に対してそれぞれ提案しました。これに対して、公開買付者は、2024年3月6日、対象者が設置した本特別委員会における議論も踏まえ、本公開買付価格及び本第三者割当増資における1株当たりの発行価額について、対象者の少数株主の利益を十分に保護する観点から、本公開買付価格については再検討を、本第三者割当増資における1株当たりの発行価額については対象者株式直前取引日終値及び同日までの平均株価(1ヶ月/3ヶ月/6ヶ月における終値単純平均)を下回らない価格とすることが望ましいことを踏まえた再検討を、対象者から要請されました。当該要請を受け、公開買付者は、本公開買付価格について、慎重に検討を進め、2024年3月21日に、本公開買付価格を320円(当該提案日の前営業日である2024年3月19日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値225円に対して42.22%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値224円に対して42.86%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値230円に対して39.13%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値235円に対して36.17%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とすること、また、本第三者割当増資における1株当たりの発行価額として対象者株式直前取引日終値から5.0%ディスカウントした価格とすること(2024年3月19日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値225円から5.0%ディスカウントした価格で計算される払込金額では214円となります。)を対象者に対してそれぞれ提案しました。これに対して、公開買付者は、2024年3月22日、本特別委員会における議論も踏まえ、本公開買付価格については、一定程度評価できる水準であると考えているものの、本第三者割当増資における1株当たりの発行価額については、対象者の少数株主の利益を十分に保護する観点から、対象者株式直前取引日終値を下回らない価格とすることが重要であると考えていることを踏まえた再検討を、対象者から要請されました。当該要請を受けて、公開買付者は、2024年4月1日、本公開買付価格については、対象者による明確な応諾がなされなかったことを踏まえて改めて検討中であるが、本第三者割当増資における1株当たりの発行価額については、対象者株式直前取引日終値とすることを対象者に対して最終提案しました。これに対して、公開買付者は、対象者から、2024年4月2日、正式な意思決定は2024年4月開催予定の対象者取締役会で承認されることを条件とし、本第三者割当増資における1株当たりの発行価額は対象者株式直前取引日終値と同額とする旨の連絡を受けました。公開買付者は、2024年4月4日に、本公開買付価格については、対象者による明確な応諾がなされなかったことを踏まえて改めて検討した結果、本公開買付価格を320円(当該提案日の前営業日である2024年4月3日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値217円に対して47.47%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値222円に対して44.14%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値231円に対して38.53%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値234円に対して36.75%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とすることを対象者に対して最終価格提案しました。これに対して、公開買付者は、2024年4月4日、対象者から、正式な意思決定は2024年4月開催予定の対象者取締役会で承認されることを条件とし、本公開買付価格の最終価格提案にて本公開買付けに賛同する旨の連絡を受けました。

 

 以上の経緯及び協議を経て、公開買付者は、2024年4月8日、本公開買付価格を320円として本公開買付けを実施することを決定しました。

 

 

 

① 算定の際に意見を聴取した第三者の名称

 

 公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び対象者並びに岩佐氏から独立した第三者算定機関としてのフィナンシャル・アドバイザーであるみずほ証券に対して、対象者株式の株式価値の算定を依頼しました。

 

 なお、みずほ証券は、公開買付者及び対象者並びに岩佐氏からは独立した算定機関であり、公開買付者及び対象者並びに岩佐氏の関連当事者には該当せず、本取引に関して公開買付者及び対象者並びに岩佐氏との利益相反に係る重要な利害関係を有しておりません。なお、公開買付者は、本取引に際して実施されている他の本公開買付価格の公正性を担保するための措置並びに利益相反を回避するための措置(具体的な内容については、上記「3.買付け等の目的等」の「(4)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」をご参照ください。)を踏まえると、対象者の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考え、みずほ証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。

 

 

 

② 当該意見の概要

 

 みずほ証券は、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、市場株価基準法、類似企業比較法及びDCF法を用いて、対象者株式の株式価値の算定を行っております。採用した手法及び当該手法に基づいて算定された対象者株式1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりです。

 

 

 

市場株価基準法:218円から234円

 

類似企業比較法:122円から211円

 

DCF法   :134円から509円

 

 

 

③ 当該意見を踏まえて本公開買付価格を決定するに至った経緯

 

 公開買付者は、みずほ証券から取得した公開買付者株式価値算定書の算定結果に加え、2024年1月上旬から同年3月上旬にかけて対象者に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果、過去に行われた本取引と同種の連結子会社化を企図した上限付き公開買付け(2019年6月28日から2024年4月5日までに公表された公開買付け、19件)の際に付与されたプレミアムの実例(公表日の前営業日の終値に対して平均23.40%)、本公開買付価格に関する対象者及び岩佐氏との協議・交渉の結果、対象者の取締役会による本公開買付けへの賛同の有無及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、最終的に2024年4月8日付の取締役会決議により、本公開買付価格を320円とすることを決定いたしました。

 (注) みずほ証券は、対象者株式の株式価値の算定に際し、対象者から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を参照し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであること、また本公開買付価格の分析・算定に重大な影響を与える可能性がある事実でみずほ証券に対して未開示の事実はないことを前提としており、独自にそれら資料及び情報等の正確性及び完全性の検証を行っておりません。加えて、対象者の財務予測に関する情報については、対象者による現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成され、公開買付者の経営陣がその内容を精査した上でみずほ証券による価値算定において使用することを了承したことを前提としております。また、対象者及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。みずほ証券の算定は、2024年4月5日までの上記情報を反映したものです。

 

(3)【買付予定の株券等の数】

株券等の種類

買付予定数

買付予定数の下限

買付予定数の上限

普通株式

39,447,200(株)

―(株)

39,447,200(株)

合計

39,447,200(株)

―(株)

39,447,200(株)

 (注1) 応募株券等の数の合計が買付予定数の上限(39,447,200株)以下の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。応募株券等の数の合計が買付予定数の上限(39,447,200株)を超える場合は、その超える部分の全部又は一部の買付け等を行わないものとし、法第27条の13第5項及び府令第32条に規定するあん分比例の方式により、株券等の買付け等に係る受渡しその他の決済を行います。

 (注2) 本公開買付けを通じて、対象者が所有する自己株式を取得する予定はありません。

 (注3) 単元未満株式についても、本公開買付けの対象としております。なお、会社法に従って株主による単元未満株式買取請求権が行使された場合には、対象者は法令の手続に従い公開買付期間中に自己の株式を買い取ることがあります。

 (注4) 本新株予約権が公開買付期間の末日までに行使される可能性がありますが、当該行使により発行又は交付される対象者株式も本公開買付けの対象としております。

 

5【買付け等を行った後における株券等所有割合】

区分

議決権の数

買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)

394,472

aのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(b)

bのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(c)

公開買付者の所有株券等に係る議決権の数(2024年4月9日現在)(個)(d)

318,420

dのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(e)

eのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(f)

特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2024年4月9日現在)(個)(g)

160,623

gのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(h)

2,336

hのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(i)

対象者の総株主等の議決権の数(2023年11月30日現在)(個)(j)

1,541,134

買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合

(a/j)(%)

25.49

買付け等を行った後における株券等所有割合

((a+d+g)/(j+(b-c)+(e-f)+(h-i))×100)(%)

46.06

 (注1) 「買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)」は、本公開買付けにおける買付予定数(39,447,200株)に係る議決権の数を記載しております。

 (注2) 「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2024年4月9日現在)(個)(g)」は、各特別関係者(但し、特別関係者のうち法第27条の2第1項各号における株券等所有割合の計算において府令第3条第2項第1号に基づき特別関係者から除外される者を除きます。)が所有する株券等に係る議決権の数の合計を記載しております。但し、特別関係者が所有する株券等(但し、対象者が所有する自己株式を除きます。)についても買付け等の対象としているため、「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2024年4月9日現在)(個)(g)」は分子に加算しておらず、「gのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(h)」を分母に加算しておりません。

 (注3) 「対象者の総株主等の議決権の数(2023年11月30日現在)(個)(j)」は、対象者が2024年1月10日に提出した第39期第3四半期報告書に記載された2023年11月30日現在の総株主等の議決権の数(1単元の株式数を100株として記載されたもの)です。但し、単元未満株式(但し、対象者が所有する単元未満の自己株式を除きます。)及び本新株予約権の行使により発行又は移転される対象者株式についても本公開買付けの対象としているため、「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、①対象者決算短信に記載された2024年2月29日現在の対象者の発行済株式総数(156,209,829株)に、②本新株予約権の目的となる対象者株式の数(合計403,740株)を加算した株式数(156,613,569株)から、③対象者決算短信に記載された2024年2月29日現在の対象者が所有する自己株式数(1,846,230株)を控除した株式数(154,767,339株)に係る議決権数(1,547,673個)を分母として計算しております。

 (注4) 対象者有価証券届出書等によれば、対象者は、2024年4月8日開催の取締役会において、本第三者割当増資(普通株式:15,596,330株、1株当たりの発行価額:218円、発行総額:3,399,999,940円、払込期間:2024年5月23日から2024年7月11日まで。)についても決議しており、公開買付者は、本公開買付けの成立等を条件に当該募集株式の全てを引き受ける予定です。本第三者割当増資が実施された場合、「対象者の総株主等の議決権の数(2023年11月30日現在)(個)(j)」に代えて本基準株式数(170,363,669株)に係る議決権の数(1,703,636個)を分母とし、かつ「買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)」に公開買付者が本第三者割当増資において引き受ける対象者の新株に係る議決権の数(155,963個)を加算した数(550,435個)を分子として計算すると、「買付け等を行った後における株券等所有割合」は51.00%となります。

 (注5) 「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」は、小数点以下第三位を四捨五入しております。

 

6【株券等の取得に関する許可等】

(1)【株券等の種類】

普通株式

 

(2)【根拠法令】

 公開買付者は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。その後の改正を含みます。以下「独占禁止法」といいます。)第10条第2項に基づき、公正取引委員会に対し、本取引による対象者株式の取得(以下「本株式取得」と総称します。)に関する計画をあらかじめ届け出なければならず(以下、当該届出を「事前届出」といいます。)、同条第8項により、原則として、事前届出が受理された日から30日(短縮される場合もあります。)を経過するまでは本株式取得を行うことはできません(以下、本株式取得が禁止される当該期間を「取得禁止期間」といいます。)。

 また、独占禁止法第10条第1項は、一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる他の会社の株式の取得行為を禁止しており、公正取引委員会はこれに違反する行為を排除するために必要な措置を命ずることができます(同法第17条の2第1項。以下「排除措置命令」といいます。)。公正取引委員会が、排除措置命令を発令するときは、当該排除措置命令の名宛人となるべき者について意見聴取を行わなければならず(同法第49条)、その意見聴取にあたっては、予定する排除措置命令の内容等を名宛人に通知しなければなりませんが(同法第50条第1項。以下「排除措置命令の事前通知」といいます。)、事前届出に係る株式取得に関する計画に対する排除措置命令の事前通知は、一定の期間(上記事前届出が受理された日から原則30日間ですが、延長又は短縮される場合もあります。以下「措置期間」といいます。)内に行うこととされています(同法第10条第9項)。なお、公正取引委員会は、排除措置命令の事前通知をしないこととした場合、その旨の通知(以下「排除措置命令を行わない旨の通知」といいます。)をするものとされております(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第9条から第16条までの規定による認可の申請、報告及び届出等に関する規則(昭和28年公正取引委員会規則第1号。その後の改正を含みます。)第9条)。

 公開買付者は、本株式取得に関して、2024年3月13日に公正取引委員会に対して事前届出を行い、同日付で受理されております。そして、2024年3月19日付で公開買付者は、公正取引委員会より排除措置命令を行わない旨の通知を受領したため、同日をもって措置期間は終了しております。また、2024年3月19日の経過をもって取得禁止期間は終了しております。

 

(3)【許可等の日付及び番号】

許可等の日付  2024年3月19日(排除措置命令を行わない旨の通知を受けたことによる)

許可等の番号  公経企第271号(排除措置命令を行わない旨の通知書の番号)

許可等の日付  2024年3月19日(禁止期間の短縮の通知を受けたことによる)

許可等の番号  公経企第272号(禁止期間の短縮の通知書の番号)

 

7【応募及び契約の解除の方法】

(1)【応募の方法】

① 公開買付代理人

みずほ証券株式会社  東京都千代田区大手町一丁目5番1号

 

② 本公開買付けに応募する際には、所定の「公開買付応募申込書」に所要事項を記載し、公開買付期間の末日の15時までに、公開買付代理人の本店又は全国各支店において応募してください。なお、オンライントレードである「みずほ証券ネット倶楽部」においては応募の受付けは行いません。

 

③ 本公開買付けに係る応募の受付けにあたっては、本公開買付けに応募する株主(以下「応募株主等」といいます。)が、公開買付代理人に証券取引口座を開設した上、応募する予定の株券等を当該証券取引口座に記録管理している必要があります。本公開買付けにおいては、公開買付代理人以外の金融商品取引業者等を経由した応募の受付けは行われません。また、本公開買付けにおいては、対象者指定の特別口座の口座管理機関であるみずほ信託銀行株式会社に設定された特別口座に記録されている株券等をもって本公開買付けに応募することはできません。応募する予定の株券等が、公開買付代理人以外の金融商品取引業者等に開設された証券取引口座又は特別口座の口座管理機関に設定された特別口座に記載又は記録されている場合は、応募に先立ち、公開買付代理人に開設した証券取引口座への振替手続を完了していただく必要があります。(注1)

 

④ 公開買付代理人に証券取引口座を開設しておられない応募株主等は、新規に証券取引口座を開設していただく必要があります。証券取引口座を開設される場合には、個人番号(マイナンバー)又は法人番号及び本人確認書類(注2)が必要になるほか、ご印鑑が必要になる場合があります。

 

⑤ 上記③の応募株券等の振替手続及び上記④の口座の新規開設には一定の日数を要する場合がありますのでご注意ください。

 

⑥ 外国の居住者である株主(法人株主を含みます。以下「外国人株主」といいます。)の場合、日本国内の常任代理人を通じて応募してください。

 

⑦ 日本の居住者である個人株主の場合、買付けられた株券等に係る売却代金と取得費等との差額は、一般的に株式等の譲渡所得等に関する申告分離課税の適用対象となります。(注3)

 

⑧ 応募の受付けに際し、公開買付代理人より応募株主等に対して、公開買付応募申込みの受付票が交付されます。

(注1) 対象者指定の特別口座の口座管理機関に設定された特別口座から公開買付代理人の証券取引口座に株券等の記録を振り替える手続について

対象者指定の特別口座の口座管理機関に設定された特別口座から公開買付代理人の証券取引口座に株券等の記録を振り替える手続を公開買付代理人経由又は特別口座の口座管理機関にて行う場合は、特別口座の口座管理機関に届け出ている個人情報と同一の情報が記載された「口座振替申請書」による申請が必要となります。詳細については、公開買付代理人又は特別口座の口座管理機関にお問合せくださいますようお願い申し上げます。

 

(注2) 個人番号(マイナンバー)又は法人番号及び本人確認書類の提出について

公開買付代理人において新規に証券取引口座を開設される場合、又は日本国内の常任代理人を通じて応募する外国人株主の場合には、次の本人確認書類等が必要になります。番号確認書類及び本人確認書類の詳細につきましては、公開買付代理人へお問合せください。

 

個人株主の場合  次の表の①から③のいずれかの個人番号確認書類及び本人確認書類が必要になります。なお、個人番号(マイナンバー)をご提供いただけない方は、公開買付代理人であるみずほ証券株式会社にて口座開設を行うことはできません。また、公開買付代理人において既に証券取引口座を開設している方であっても、氏名、住所、個人番号(マイナンバー)を変更する場合には個人番号確認書類及び本人確認書類が必要になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

番号確認書類

 

個人番号カード

(両面)

顔写真付き

 

通知カード

 

個人番号が記載された住民票の写し

又は

住民票記載事項証明書

(※当該書類は本人確認書類の1つになります。)

 

 

 

本人確認書類

 

 

a.以下のいずれかの書類1つ(顔写真付き確認書類)

 

a.以下のいずれかの書類1つ(顔写真付き確認書類)

 

 

・運転免許証

・運転経歴証明書

・旅券(パスポート)

・在留カード

・療育手帳

・身体障害者手帳等

 

・運転免許証

・運転経歴証明書

・旅券(パスポート)

・在留カード

・療育手帳

・身体障害者手帳等

 

 

又は

 

又は

 

 

b.以下のいずれかの書類2つ(a.の提出が困難な場合)

 

b.以下のいずれかの書類1つ(a.の提出が困難な場合)

 

 

・住民票の写し

・住民票の記載事項証明書

・国民健康保険被保険者証等の各種健康保険証

・印鑑登録証明書

・国民年金手帳等

 

・国民健康保険被保険者証等の各種健康保険証

・印鑑登録証明書

・国民年金手帳等

・個人番号カード(両面)をご提出いただく場合、別途本人確認書類のご提出は不要です。

・通知カードは、通知カードに記載された氏名、住所等が住民票に記載されている事項と一致している場合に限り、個人番号確認書類としてご利用になれます。

・氏名、住所、生年月日の記載のあるものをご提出ください。

・本人確認書類は有効期限内のもの、期限の記載がない場合は6ヶ月以内に作成されたものをご提出ください。

 

法人株主の場合  「法人番号指定通知書」の写し、又は、国税庁法人番号公表サイトから印刷した法人番号が印刷された書面及び本人確認書類(登記事項証明書(6ヶ月以内に作成されたもので名称及び本店又は主たる事務所の所在地並びに事業内容を確認できるもの))が必要になります。なお、法人自体の本人確認書類に加え、取引担当者(当該法人の代表者が取引する場合はその代表者)個人の本人確認書類が必要となります。また、公開買付代理人において既に証券取引口座を開設している法人であっても、法人名称及び所在地を変更する場合には法人番号確認書類及び本人確認書類が必要になります。

 

外国人株主の場合 日本国政府の承認した外国政府又は権限ある国際機関の発行した書類その他これに類するもので、居住者の上記本人確認書類に準じるもの等(本人確認書類は、自然人の場合は、氏名、住所、生年月日の記載のあるもの(※1)、法人の場合は、名称及び本店又は主たる事務所の所在地並びに事業内容の記載のあるもの(※2)が必要です。また、当該本人確認書類は、自然人及び法人ともに6ヶ月以内に作成されたもの、又は有効期間若しくは期限のある書類は有効なものに限ります。)及び常任代理人との間の委任契約に係る委任状又は契約書の写し(※3)が必要となります。

(※1) 外国に居住される日本国籍を有する株主の方は、原則として旅券(パスポート)の提出をお願いいたします。

(※2) 法人の場合、当該法人の事業内容の確認が必要であるため、本人確認書類に事業内容の記載がない場合は、別途事業内容の確認ができる書類(居住者の本人確認書類に準じる書類又は外国の法令の規定により当該法人が作成されることとされている書類で事業内容の記載があるもの)の提出が必要です。

(※3) 当該外国人株主の氏名又は名称、国外の住所地の記載のあるものに限り、①常任代理人による証明年月日、②常任代理人の名称、住所、代表者又は署名者の氏名及び役職が記載され、公開買付代理人の証券取引口座に係る届出印により原本証明が付されたもの。

 

(注3) 日本の居住者の株式等の譲渡所得等に関する申告分離課税について(個人株主の場合)

日本の居住者である個人株主の方の場合、株式等の譲渡所得等には、原則として申告分離課税が適用されます。本公開買付けへの応募による売却につきましても、通常の金融商品取引業者を通じた売却として取り扱われることとなります。税務上の具体的なご質問等につきましては、税理士等の専門家にご確認いただき、ご自身でご判断いただきますようお願い申し上げます。

 

(2)【契約の解除の方法】

 応募株主等は、公開買付期間中においては、いつでも本公開買付けに係る契約を解除することができます。契約の解除をする場合は、公開買付期間の末日の15時までに、応募受付けをした公開買付代理人の本店又は全国各支店に本公開買付けに係る契約の解除を行う旨の書面(以下「解除書面」といいます。)を交付又は送付してください。契約の解除は、解除書面が公開買付代理人に交付され、又は到達した時に効力を生じます。したがって、解除書面を送付する場合は、解除書面が公開買付期間の末日の15時までに公開買付代理人に到達しなければ解除できないことにご注意ください。

 

解除書面を受領する権限を有する者

みずほ証券株式会社  東京都千代田区大手町一丁目5番1号

(その他みずほ証券株式会社全国各支店)

 

(3)【株券等の返還方法】

 応募株主等が上記「(2)契約の解除の方法」に記載の方法により本公開買付けに係る契約の解除を申し出た場合には、解除手続終了後速やかに下記「10 決済の方法」の「(4)株券等の返還方法」に記載の方法により応募株券等を返還いたします。

 

(4)【株券等の保管及び返還を行う金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地】

みずほ証券株式会社  東京都千代田区大手町一丁目5番1号

 

8【買付け等に要する資金】

(1)【買付け等に要する資金等】

買付代金(円)(a)

12,623,104,000

金銭以外の対価の種類

金銭以外の対価の総額

買付手数料(b)

100,000,000

その他(c)

32,680,000

合計(a)+(b)+(c)

12,755,784,000

 (注1) 「買付代金(円)(a)」欄には、本公開買付けにおける買付予定数(39,447,200株)に、本公開買付価格(320円)を乗じた金額を記載しております。

 (注2) 「買付手数料(b)」欄には、公開買付代理人に支払う手数料の見積額を記載しております。

 (注3) 「その他(c)」欄には、本公開買付けに関する公告に要する費用及び公開買付説明書その他必要書類の印刷費その他諸費用につき、その見積額を記載しております。

 (注4) 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 (注5) その他公開買付代理人に支払われる諸経費及び弁護士報酬等がありますが、その額は本公開買付け終了後まで未定です。

 

(2)【買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等】

①【届出日の前々日又は前日現在の預金】

種類

金額(千円)

普通預金

35,040,285

計(a)

35,040,285

 

②【届出日前の借入金】
イ【金融機関】

 

借入先の業種

借入先の名称等

借入契約の内容

金額(千円)

 

ロ【金融機関以外】

借入先の業種

借入先の名称等

借入契約の内容

金額(千円)

 

③【届出日以後に借入れを予定している資金】
イ【金融機関】

 

借入先の業種

借入先の名称等

借入契約の内容

金額(千円)

計(b)

 

ロ【金融機関以外】

借入先の業種

借入先の名称等

借入契約の内容

金額(千円)

計(c)

 

④【その他資金調達方法】

内容

金額(千円)

計(d)

 

⑤【買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等の合計】

35,040,285千円((a)+(b)+(c)+(d))

 

(3)【買付け等の対価とする有価証券の発行者と公開買付者との関係等】

 該当事項はありません。

 

9【買付け等の対価とする有価証券の発行者の状況】

 該当事項はありません。

 

10【決済の方法】

(1)【買付け等の決済をする金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地】

みずほ証券株式会社  東京都千代田区大手町一丁目5番1号

 

(2)【決済の開始日】

2024年6月3日(月曜日)

 

(3)【決済の方法】

 公開買付期間終了後遅滞なく、本公開買付けによる買付け等の通知書を応募株主等(外国人株主の場合はその常任代理人)の住所宛に郵送いたします。

 買付けは、現金にて行います。買付けられた株券等に係る売却代金を応募株主等(外国人株主の場合はその常任代理人)の指示により、決済の開始日以後遅滞なく、公開買付代理人から応募株主等(外国人株主の場合はその常任代理人)の指定した場所へ送金するか、公開買付代理人の応募受付けをした応募株主等の口座へお支払いします。

 

(4)【株券等の返還方法】

 下記「11 その他買付け等の条件及び方法」の「(1)法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容」又は「(2)公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法」に記載の条件に基づき応募株券等の全部又は一部を買付けないこととなった場合には、公開買付代理人は、返還することが必要な株券等を公開買付期間末日の翌々営業日(本公開買付けの撤回等を行った場合は撤回等を行った日)以後、速やかに応募が行われた時の状態に戻します。

 

11【その他買付け等の条件及び方法】

(1)【法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容】

 応募株券等の数の合計が買付予定数の上限(39,447,200株)以下の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。応募株券等の数の合計が買付予定数の上限(39,447,200株)を超える場合は、その超える部分の全部又は一部の買付け等を行わないものとし、法第27条の13第5項及び府令第32条に規定するあん分比例の方式により、株券等の買付け等に係る受渡しその他の決済を行います(各応募株券等の数に1単元(100株)未満の株数の部分がある場合、あん分比例の方式により計算される買付株数は各応募株券等の数を上限とします。)。

 あん分比例の方式による計算の結果生じる1単元未満の株数を四捨五入して計算した各応募株主等からの買付株数の合計が買付予定数の上限に満たないときは、買付予定数の上限以上になるまで、四捨五入の結果切り捨てられた株数の多い応募株主等から順次、各応募株主等につき1単元(追加して1単元の買付け等を行うと応募株券等の数を超える場合は応募株券等の数までの数)の応募株券等の買付け等を行います。但し、切り捨てられた株数の等しい複数の応募株主等全員からこの方法により買付け等を行うと買付予定数の上限を超えることとなる場合には、買付予定数の上限を下回らない範囲で、当該応募株主等の中から抽選により買付け等を行う株主を決定します。

 あん分比例の方式による計算の結果生じる1単元未満の株数を四捨五入して計算した各応募株主等からの買付株数の合計が買付予定数の上限を超えるときは、買付予定数の上限を下回らない数まで、四捨五入の結果切り上げられた株数の多い応募株主等から順次、各応募株主等につき買付株数を1単元(あん分比例の方式により計算される買付株数に1単元未満の株数の部分がある場合は当該1単元未満の株数)減少させるものとします。但し、切り上げられた株数の等しい複数の応募株主等全員からこの方法により買付株数を減少させると買付予定数の上限を下回ることとなる場合には、買付予定数の上限を下回らない範囲で、当該応募株主等の中から抽選により買付株数を減少させる株主を決定します。

 

(2)【公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法】

 令第14条第1項第1号イ乃至ヌ及びワ乃至ツ、第3号イ乃至チ及びヌ、並びに同条第2項第3号乃至第6号に定める事項のいずれかが発生した場合は、本公開買付けの撤回等を行うことがあります。なお、令第14条第1項第3号ヌに定める「イからリまでに掲げる事実に準ずる事実」とは、①対象者が過去に提出した法定開示書類について、重要な事項につき虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項の記載が欠けていることが判明した場合、②対象者の重要な子会社に同号イ乃至トに掲げる事実が発生した場合をいいます。

 撤回等を行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間の末日までに公告を行うことが困難な場合は、府令第20条に規定する方法により公表を行い、その後直ちに公告を行います。

 

(3)【買付け等の価格の引下げの条件の有無、その内容及び引下げの開示の方法】

 法第27条の6第1項第1号の規定により、対象者が公開買付期間中に令第13条第1項に定める行為を行った場合は、府令第19条第1項に定める基準により買付け等の価格の引下げを行うことがあります。

 買付け等の価格の引下げを行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間の末日までに公告を行うことが困難な場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。買付け等の価格の引下げがなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、引下げ後の買付け等の価格により買付け等を行います。

 

(4)【応募株主等の契約の解除権についての事項】

 応募株主等は、公開買付期間中においては、いつでも本公開買付けに係る契約を解除することができます。契約の解除の方法については、上記「7 応募及び契約の解除の方法」の「(2)契約の解除の方法」に記載の方法によるものとします。

 なお、公開買付者は応募株主等による契約の解除があった場合においても、損害賠償又は違約金の支払いを応募株主等に請求しません。また、応募株券等の返還に要する費用も公開買付者の負担とします。解除を申し出られた場合には、応募株券等は当該解除の申出に係る手続終了後速やかに上記「10 決済の方法」の「(4)株券等の返還方法」に記載の方法により返還します。

 

(5)【買付条件等の変更をした場合の開示の方法】

 公開買付者は、公開買付期間中、法第27条の6第1項及び令第13条により禁止される場合を除き、買付条件等の変更を行うことがあります。買付条件等の変更を行おうとする場合は、その変更内容等につき電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間の末日までに公告を行うことが困難な場合は、府令第20条に規定する方法により公表を行い、その後直ちに公告を行います。買付条件等の変更がなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、変更後の買付条件等により買付け等を行います。

 

(6)【訂正届出書を提出した場合の開示の方法】

 訂正届出書を関東財務局長に提出した場合(但し、法第27条の8第11項但書に規定する場合を除きます。)は、直ちに訂正届出書に記載した内容のうち、公開買付開始公告に記載した内容に係るものを府令第20条に規定する方法により公表します。また、直ちに公開買付説明書を訂正し、かつ、既に公開買付説明書を交付している応募株主等に対しては、訂正した公開買付説明書を交付して訂正します。但し、訂正の範囲が小範囲に止まる場合には、訂正の理由、訂正した事項及び訂正後の内容を記載した書面を作成し、その書面を応募株主等に交付する方法により訂正します。

 

(7)【公開買付けの結果の開示の方法】

 本公開買付けの結果については、公開買付期間の末日の翌日に、令第9条の4及び府令第30条の2に規定する方法により公表します。

 

(8)【その他】

 本公開買付けは、直接間接を問わず、米国内において若しくは米国に向けて行われるものではなく、また、米国の郵便その他の州際通商若しくは国際通商の方法・手段(ファクシミリ、電子メール、インターネット通信、テレックス及び電話を含みますが、これらに限りません。)を利用して行われるものでもなく、更に米国の証券取引所施設を通じて行われるものでもありません。上記方法・手段により、若しくは上記施設を通じて、又は米国内から本公開買付けに応募することはできません。

 また、本書又は関連する買付書類は、米国内において若しくは米国に向けて、又は米国内から、郵送その他の方法によって送付又は配布されるものではなく、かかる送付又は配布を行うことはできません。上記制限に直接又は間接に違反する本公開買付けへの応募はお受けできません。

 本公開買付けへの応募に際し、応募株主等(外国人株主の場合は常任代理人)は公開買付代理人に対し、以下の表明及び保証を行うことを求められることがあります。

 応募株主等が応募の時点及び公開買付応募申込書送付の時点のいずれにおいても米国に所在していないこと。本公開買付けに関するいかなる情報(その写しを含みます。)も、直接間接を問わず、米国内において若しくは米国に向けて、又は米国内から、これを受領したり送付したりしていないこと。買付け等若しくは公開買付応募申込書の署名交付に関して、直接間接を問わず、米国の郵便その他の州際通商若しくは国際通商の方法・手段(ファクシミリ、電子メール、インターネット通信、テレックス及び電話を含みますが、これらに限りません。)又は米国内の証券取引所施設を使用していないこと。他の者の裁量権のない代理人又は受託者・受任者として行動する者ではないこと(当該他の者が買付け等に関する全ての指示を米国外から与えている場合を除きます。)。

 

第2【公開買付者の状況】

1【会社の場合】

(1)【会社の概要】

①【会社の沿革】

 

②【会社の目的及び事業の内容】

 

③【資本金の額及び発行済株式の総数】

 

④【大株主】

年 月 日現在

 

氏名又は名称

住所又は所在地

所有株式数

(千株)

発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合

(%)

 

⑤【役員の職歴及び所有株式の数】

年 月 日現在

 

役名

職名

氏名

生年月日

職歴

所有株式数

(千株)

 

(2)【経理の状況】

① 【貸借対照表】

 

② 【損益計算書】

 

③ 【株主資本等変動計算書】

 

(3)【継続開示会社たる公開買付者に関する事項】

①【公開買付者が提出した書類】

イ【有価証券報告書及びその添付書類】

 事業年度 第94期(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)2024年3月19日 関東財務局長に提出

 

ロ【四半期報告書又は半期報告書】

 事業年度 第95期第1四半期(自 2024年1月1日 至 2024年3月31日)2024年5月10日に関東財務局長に提出

 

ハ【訂正報告書】

 訂正報告書(上記イの訂正報告書)を2024年4月5日に関東財務局長に提出

 訂正報告書(上記イの訂正報告書)を2024年5月10日に関東財務局長に提出

 

②【上記書類を縦覧に供している場所】

ヒューリック株式会社

(東京都中央区日本橋大伝馬町7番3号)

株式会社東京証券取引所

(東京都中央区日本橋兜町2番1号)

 

2【会社以外の団体の場合】

 該当事項はありません。

 

3【個人の場合】

 該当事項はありません。

 

第3【公開買付者及びその特別関係者による株券等の所有状況及び取引状況】

1【株券等の所有状況】

(1)【公開買付者及び特別関係者による株券等の所有状況の合計】

(2024年4月9日現在)

 

 

所有する株券等の数

令第7条第1項第2号に該当する株券等の数

令第7条第1項第3号に該当する株券等の数

株券

476,707(個)

―(個)

―(個)

新株予約権証券

2,336

新株予約権付社債券

株券等信託受益証券(   )

株券等預託証券(     )

合計

479,043

所有株券等の合計数

479,043

(所有潜在株券等の合計数)

(2,336)

 (注) 特別関係者である対象者は、2024年2月29日現在、対象者株式1,846,230株を所有しておりますが、全て自己株式であるため、議決権はありません。

 

(2)【公開買付者による株券等の所有状況】

(2024年4月9日現在)

 

 

所有する株券等の数

令第7条第1項第2号に該当する株券等の数

令第7条第1項第3号に該当する株券等の数

株券

318,420(個)

―(個)

―(個)

新株予約権証券

新株予約権付社債券

株券等信託受益証券(   )

株券等預託証券(     )

合計

318,420

所有株券等の合計数

318,420

(所有潜在株券等の合計数)

(―)

 

(3)【特別関係者による株券等の所有状況(特別関係者合計)】

(2024年4月9日現在)

 

 

所有する株券等の数

令第7条第1項第2号に該当する株券等の数

令第7条第1項第3号に該当する株券等の数

株券

158,287(個)

―(個)

―(個)

新株予約権証券

2,336

新株予約権付社債券

株券等信託受益証券(   )

株券等預託証券(     )

合計

160,623

所有株券等の合計数

160,623

(所有潜在株券等の合計数)

(2,336)

 (注) 特別関係者である対象者は、2024年2月29日現在、対象者株式1,846,230株を所有しておりますが、全て自己株式であるため、議決権はありません。

 

(4)【特別関係者による株券等の所有状況(特別関係者ごとの内訳)】

①【特別関係者】

(2024年4月9日現在)

 

氏名又は名称

株式会社リソー教育

住所又は所在地

東京都豊島区目白三丁目1番40号

職業又は事業の内容

完全個別指導を中心とした学習塾の運営及び幼児教育事業

連絡先

連絡者    株式会社リソー教育

管理企画局  経営企画部長  村尾 直哉

連絡場所   東京都豊島区目白三丁目1番40号

電話番号   03-5996-3701

公開買付者との関係

公開買付者が特別資本関係を有する法人である対象者

 

(2024年4月9日現在)

 

氏名又は名称

岩佐 実次

住所又は所在地

東京都豊島区目白三丁目1番40号(対象者所在地)

職業又は事業の内容

対象者 取締役会長

連絡先

連絡者    株式会社リソー教育

管理企画局  経営企画部長  村尾 直哉

連絡場所   東京都豊島区目白三丁目1番40号

電話番号   03-5996-3701

公開買付者との関係

公開買付者が特別資本関係を有する法人(対象者)の役員

 

 

(2024年4月9日現在)

 

氏名又は名称

天坊 真彦

住所又は所在地

東京都豊島区目白三丁目1番40号(対象者所在地)

職業又は事業の内容

対象者 代表取締役社長

連絡先

連絡者    株式会社リソー教育

管理企画局  経営企画部長  村尾 直哉

連絡場所   東京都豊島区目白三丁目1番40号

電話番号   03-5996-3701

公開買付者との関係

公開買付者が特別資本関係を有する法人(対象者)の役員

 

②【所有株券等の数】

株式会社リソー教育

(2024年4月9日現在)

 

 

所有する株券等の数

令第7条第1項第2号に該当する株券等の数

令第7条第1項第3号に該当する株券等の数

株券

0(個)

―(個)

―(個)

新株予約権証券

新株予約権付社債券

株券等信託受益証券(   )

株券等預託証券(     )

合計

0

所有株券等の合計数

0

(所有潜在株券等の合計数)

 (注) 特別関係者である対象者は、2024年2月29日現在、対象者株式1,846,230株を所有しておりますが、全て自己株式であるため、議決権はありません。

 

岩佐 実次

(2024年4月9日現在)

 

 

所有する株券等の数

令第7条第1項第2号に該当する株券等の数

令第7条第1項第3号に該当する株券等の数

株券

157,802(個)

―(個)

―(個)

新株予約権証券

1,238

新株予約権付社債券

株券等信託受益証券(   )

株券等預託証券(     )

合計

159,040

所有株券等の合計数

159,040

(所有潜在株券等の合計数)

(1,238)

 

天坊 真彦

(2024年4月9日現在)

 

 

所有する株券等の数

令第7条第1項第2号に該当する株券等の数

令第7条第1項第3号に該当する株券等の数

株券

485(個)

―(個)

―(個)

新株予約権証券

1,098

新株予約権付社債券

株券等信託受益証券(   )

株券等預託証券(     )

合計

1,583

所有株券等の合計数

1,583

(所有潜在株券等の合計数)

(1,098)

 (注) 上記の「所有する株券等の数」には、対象者の役員持株会における持分に相当する株式893株(小数点以下切捨て)に係る議決権の数8個が含まれています。

 

2【株券等の取引状況】

(1)【届出日前60日間の取引状況】

 該当事項はありません。

 

3【当該株券等に関して締結されている重要な契約】

 公開買付者は、2024年4月8日付で、対象者との間で本資本業務提携変更契約を締結しております。本資本業務提携変更契約の概要については、上記「第1 公開買付要項」の「3 買付け等の目的」の「(3)本取引に係る重要な合意に関する事項」の「① 本資本業務提携変更契約」をご参照ください。

 また、公開買付者は、2024年4月8日付で、岩佐氏との間で本応募契約を締結しております。本応募契約の概要については、上記「第1 公開買付要項」の「3 買付け等の目的」の「(3)本取引に係る重要な合意に関する事項」の「② 本応募契約」をご参照ください。

 

4【届出書の提出日以後に株券等の買付け等を行う旨の契約】

 対象者有価証券届出書等によれば、対象者は、2024年4月8日開催の取締役会において、本第三者割当増資(普通株式:15,596,330株、1株当たりの発行価額:218円、発行総額:3,399,999,940円、払込期間:2024年5月23日から2024年7月11日まで。)についても決議しており、公開買付者は、本公開買付けの成立等を条件に当該募集株式の全てを引き受ける予定です。

 なお、本第三者割当増資の概要については、対象者有価証券届出書等及び上記「第1 公開買付要項」の「3 買付け等の目的」の「(3)本取引に係る重要な合意に関する事項」の「① 本資本業務提携変更契約」の「(ⅲ)本第三者割当増資に関する事項」をご参照ください。

 

第4【公開買付者と対象者との取引等】

1【公開買付者と対象者又はその役員との間の取引の有無及び内容】

(1)公開買付者と対象者との間の取引

 最近の3事業年度における公開買付者と対象者との間の取引は以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

決算年月

対象者2022年2月期

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

対象者2023年2月期

(自 2022年3月1日

至 2023年2月28日)

対象者2024年2月期

(自 2023年3月1日

至 2024年2月29日)

対象者から公開買付者への不動産の賃借料の支払い

93

93

93

 

(2)公開買付者と対象者の役員との間の取引

 該当事項はありません。

 

2【公開買付者と対象者又はその役員との間の合意の有無及び内容】

(1)本公開買付けへの賛同

 対象者プレスリリースによれば、対象者は、2024年4月8日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに関して、賛同する旨の意見を表明するとともに、本公開買付けには買付予定数に上限が設定され、本公開買付け後も対象者株式の上場が維持される予定であり、対象者の株主の皆様としては本取引成立後も対象者株式を所有するという選択肢をとることにも十分に合理性が認められることに鑑み、対象者の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについては、中立の立場を取り、対象者の株主の皆様のご判断に委ねる旨の決議をしたとのことです。

 なお、対象者の取締役会決議の詳細については、対象者プレスリリース及び上記「第1 公開買付要項」の「3 買付け等の目的」の「(4)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 対象者における利害関係を有しない取締役全員による決議及び監査役全員による異議のない旨の意見」をご参照ください。

 

(2)公開買付者と対象者の役員との間の合意

 公開買付者は、2024年4月8日付で、岩佐氏との間で本応募契約を締結しております。本応募契約の概要については、上記「第1 公開買付要項」の「3 買付け等の目的」の「(3)本取引に係る重要な合意に関する事項」の「② 本応募契約」をご参照ください。

 

(3)本資本業務提携変更契約

 公開買付者は、2024年4月8日付で対象者との間で本資本業務提携変更契約を締結しました。本資本業務提携変更契約の概要については、上記「第1 公開買付要項」の「3 買付け等の目的」の「(3)本取引に係る重要な合意に関する事項」の「① 本資本業務提携変更契約」をご参照ください。

 

第5【対象者の状況】

1【最近3年間の損益状況等】

(1)【損益の状況】

決算年月

売上高

売上原価

販売費及び一般管理費

営業外収益

営業外費用

当期純利益(当期純損失)

 

(2)【1株当たりの状況】

決算年月

1株当たり当期純損益

1株当たり配当額

1株当たり純資産額

 

2【株価の状況】

(単位:円)

 

金融商品取引所名又は認可金融商品取引業協会名

東京証券取引所 プライム市場

月別

2023年10月

2023年11月

2023年12月

2024年1月

2024年2月

2024年3月

2024年4月

最高株価

266

255

245

246

244

228

224

最低株価

233

225

208

225

216

214

215

 (注) 2024年4月については、同年4月8日までのものです。

 

3【株主の状況】

(1)【所有者別の状況】

年 月 日現在

 

区分

株式の状況(1単元の株式数  株)

単元未満株式の状況

(株)

政府及び地方公共団体

金融機関

金融商品取引業者

その他の法人

外国法人等

個人その他

個人以外

個人

株主数(人)

所有株式数

(単位)

所有株式数の割合(%)

 

(2)【大株主及び役員の所有株式の数】

①【大株主】

年 月 日現在

 

氏名又は名称

住所又は所在地

所有株式数

(株)

発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合

(%)

 

②【役員】

年 月 日現在

 

氏名

役名

職名

所有株式数

(株)

発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合

(%)

 

4【継続開示会社たる対象者に関する事項】

(1)【対象者が提出した書類】

①【有価証券報告書及びその添付書類】

 事業年度 第37期(自 2021年3月1日 至 2022年2月28日) 2022年5月30日 関東財務局長に提出

 事業年度 第38期(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日) 2023年5月29日 関東財務局長に提出

 

②【四半期報告書又は半期報告書】

 事業年度 第39期第3四半期(自 2023年9月1日 至 2023年11月30日) 2024年1月10日 関東財務局長に提出

 

③【臨時報告書】

 該当事項はありません。

 

④【訂正報告書】

 該当事項はありません。

 

(2)【上記書類を縦覧に供している場所】

株式会社リソー教育

(東京都豊島区目白三丁目1番40号)

株式会社東京証券取引所

(東京都中央区日本橋兜町2番1号)

 

5【伝達を受けた公開買付け等の実施に関する事実の内容等】

 該当事項はありません。

 

6【その他】

(1)本第三者割当増資

 対象者有価証券届出書等によれば、対象者は、2024年4月8日開催の取締役会において、本第三者割当増資(普通株式:15,596,330株、1株当たりの発行価額:218円、発行総額:3,399,999,940円、払込期間:2024年5月23日から2024年7月11日まで。)についても決議しており、公開買付者は、本公開買付けの成立等を条件に当該募集株式の全てを引き受ける予定です。本第三者割当増資の概要については、対象者有価証券届出書等及び上記「第1 公開買付要項」の「3 買付け等の目的」の「(3)本取引に係る重要な合意に関する事項」の「① 本資本業務提携変更契約」の「(ⅲ)本第三者割当増資に関する事項」をご参照ください。

 

(2)「2024年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」の公表

 対象者は、2024年4月8日に、対象者決算短信を公表しております。当該公表に基づく対象者決算短信の概要は以下のとおりです。なお、当該公表の内容については、法第193条の2第1項の規定に基づく監査法人の監査を受けていないとのことです。また、以下の公表内容の概要は、対象者が公表した内容を一部抜粋したものであり、詳細については、当該公表の内容をご参照ください。

 

① 損益の状況(連結)

会計期間

連結会計年度

(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)

売上高

32,215,052千円

売上原価

23,698,305千円

販売費及び一般管理費

5,929,817千円

営業外収益

31,100千円

営業外費用

3,488千円

親会社株主に帰属する当期純利益

1,703,704千円

 

② 1株当たりの状況(連結)

会計期間

連結会計年度

(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)

1株当たり当期純利益

11.04円

1株当たり配当額

10.00円

1株当たり純資産額

55.35円

 

(3)「2024年2月期(第39期)経営成績について」の公表

 対象者は、2024年4月8日に、「2024年2月期(第39期)経営成績について」を公表しております。詳細については、当該公表の内容をご参照ください。

 

(4)「新中期経営計画の策定に関するお知らせ」の公表

 対象者は、2024年4月8日に、「新中期経営計画の策定に関するお知らせ」を公表しております。詳細については、当該公表の内容をご参照ください。