第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
 また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクにつきまして、重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当第1四半期における当社グループを取り巻く経営環境は、国内において製造業を中心に設備投資は緩やかな回復に向かう中、半導体市況の持ち直しの動きに足踏みが見られるなど、一部に弱さが見られました。海外においては、米国では内需主導で経済成長を牽引する中、設備投資が底堅く推移する一方、欧州では金融引き締めによる景気悪化により、英国及びドイツを中心に弱含みが続きました。中国においては、不動産市況の悪化に端を発した景気減速が継続しており、生産、消費の持ち直しの動きは鈍く需要の低迷が続き、その影響は東南アジアにも波及しています。加えてロシア・ウクライナ、中東問題などの地政学上リスクが残るなど、依然として不透明感が残る状態でもありました。

このような経営環境のもと、当社グループは「中期経営計画2026」に基づき、製品・サービスによる社会課題解決を通じて持続的に企業価値を拡大することをめざし、強靭な事業体の構築へ向け、収益力改善、資本効率向上、新事業探索の強化を遂行するとともに、SDGsへの貢献拡大及び環境負荷低減への取組み強化などの施策を推進してまいりました。

この結果、当社グループの受注高は2,211億円(前年同期比15%減)、売上高は2,548億円(前年同期比3%増)となりました。損益面につきましては、営業利益は184億円(前年同期比14%増)、経常利益は188億円(前年同期比15%増)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は136億円(前年同期比26%増)となりました。

 

各セグメント別の状況は、以下のとおりであります。

 

① メカトロニクス

中小型の減・変速機は、中国での市況低迷が継続、またモータ、インバータは、欧州での顧客の在庫調整の影響があり需要が減少したことから、受注、売上、営業利益ともに減少しました。この結果、受注高は472億円(前年同期比9%減)、売上高は494億円(前年同期比7%減)、営業利益は17億円(前年同期比47%減)となりました。

 

② インダストリアル マシナリー

プラスチック加工機械事業は、中国での電気電子関連の需要が停滞、また欧州においても投資の冷え込みが継続したことから受注、売上、営業利益は減少しました。

その他の事業は、半導体市況の停滞に伴う顧客の在庫調整や投資先送りの影響などを受け、受注は減少しましたが、受注残が高い水準であったこともあり、売上、営業利益ともに増加しました。この結果、受注高は625億円(前年同期比11%減)、売上高は665億円(前年同期比3%減)、営業利益は62億円(前年同期比13%減)となりました。

 

③ ロジスティックス&コンストラクション

油圧ショベル事業は、国内において前期にあった価格改定前の駆け込み受注がなくなったことや、米国での前期の先行発注の反動減などにより受注は減少したものの、米国を中心に受注残が高い水準であったことから売上は増加し、営業利益は国内での価格改定効果もあり増加しました。

その他の事業は、建設用クレーン事業では、北米の需要が底堅く推移したことから受注、売上、営業利益ともに増加しました。また、運搬機械事業では、製鉄や造船向けでの大型案件があったことから受注は増加したものの、当期売上対象となる案件が少なかったことから売上、営業利益ともに減少しました。

この結果、受注高は847億円(前年同期比14%減)、売上高は945億円(前年同期比8%増)、営業利益は92億円(前年同期比55%増)となりました。

 

④ エネルギー&ライフライン

エネルギープラント事業は、欧州の発電設備の大型改造案件の減少により受注は減少しましたが、案件の工事進捗差により売上は増加し、営業利益は前年同期並みとなりました。

その他の事業は、新造船事業からの撤退により、2024年度以降の新規受注を停止したことなどから受注は減少したものの、受注残があったことから売上、営業利益ともに増加しました。

この結果、受注高は250億円(前年同期比34%減)、売上高は429億円(前年同期比15%増)、営業利益は9億円となりました。

 

⑤ その他

受注高は16億円(前年同期比3%増)、売上高は16億円(前年同期比10%増)、営業利益は5億円(前年同期比10%増)となりました。

 

(2) 財政状態の状況

当第1四半期連結会計期間末(2024年3月31日)における総資産は、前連結会計年度末と比べて、棚卸資産が265億円、現金及び預金が139億円、有形固定資産が107億円それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末比532億円増の1兆2,541億円となりました。

負債合計は、有利子負債が414億円増加したことなどにより、前連結会計年度末比315億円増の6,049億円となりました。

純資産は、為替換算調整勘定が168億円、利益剰余金が62億円それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末比217億円増の6,491億円となりました。

以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末比0.5ポイント減の51.1%となりました。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社は事業活動に必要な手元流動性について、現金及び現金同等物及びコミットメントラインの未使用額を合わせた金額を流動性として位置づけています。当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は1,140億円となりました。当社は複数の金融機関との契約によるコミットメントラインも保持しており、当第1四半期連結会計期間末の未使用のコミットメントラインの総額は900億円であります。現預金、未使用のコミットメントライン額の合計で2,040億円を確保しており、当社の手元流動性は十分に確保されていると考えております。
 当社グループの資金需要の主なものは、設備投資、M&Aなどの長期資金需要と当社グループの製品製造のための材料及び部品の購入などの運転資金需要であります。
  資金の調達については、調達コストの低減と資金の安定調達の観点から、社債、コマーシャル・ペーパー等の直接金融と銀行借入等の間接金融の比率や、調達期間の分散を図りながら、その時々のマーケットの状況から有利な調達手段を機動的に選択・活用しております。その結果、有利子負債残高は前連結会計年度末より414億円増加し2,036億円となりました。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、65億円であります。

なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。