第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更があった事項は、次のとおりであります。

 

(継続企業の前提に関する重要事象等)

当社グループは、前連結会計年度において、4期連続で営業損失及び経常損失を、6期連続で親会社株主に帰属する当期純損失を計上しました。当第2四半期連結会計期間末時点で流動比率が93.5%と流動負債の額が流動資産の額を上回っており、財務制限条項に抵触した金融機関借入金114億14百万円が存在しております。

このような状況の中、連結子会社である株式会社サマンサタバサジャパンリミテッド(以下「STJ」という。)の経営支援を目的に、「第4 経理の状況 1.四半期連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおり、2024年4月10日付で当社を株式交換完全親会社、STJを株式交換完全子会社とする株式交換契約を締結し、従来の財務的支援から更に踏み込んで、借入金を含む資金について両社一体で管理することとなったことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していると認識しております。

一方では、STJを完全子会社化することにより、同社の少数株主との利益相反に関する懸念が解消されますので、これまでにも増して迅速かつ効率的な意思決定の下、コナカのリソースやノウハウを活用・共用することで、資金だけでなく、在庫や人材等の効率的な運用の促進等、STJの収益力の改善に資する抜本的な事業構造改革も可能となります。

また、当社グループの上記のような新体制の構築を背景として、「第4 経理の状況 1.四半期連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおり、当社及びSTJ共に、2024年5月15日付で既存の借入金をシンジケートローンの形式でリファイナンスし、借入期間も1年超の割合が増加するなど、財務面における安定性については十分に確保されていることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当第2四半期連結累計期間における我が国経済は、インバウンド需要が引き続き堅調に推移したほか、好調な企業業績に支えられた賃金上昇の加速により、旅行や娯楽等のサービス分野を中心に、個人消費に持ち直しの動きが見られました。しかしながら、ペースは鈍化しつつあるものの物価の上昇基調に変わりは無く、為替動向を含めて懸念材料も増加しております。

このような状況のもと、ファッション事業につきましては、昨年よりも前倒ししたフレッシャーズへの販促活動や各種施策が功を奏し、最大商戦期である当第2四半期は、客数・客単価共に前年同月を上回り続けました。「コナカ・フタタ」では、ベスト付きスーツなどのドレスアップスタイルや、新しいレディースブランド『NATURAL BEAUTY』がフレッシャーズに好評で、客単価を維持しつつ客数を伸ばすことができました。「SUIT SELECT」では、店舗スタッフの充実を図ったことで、フレッシャーズにもパターンオーダーの『AI SPEED ORDER』をご提案する機会が増加し、客単価の向上に繋がりました。「DIFFERENCE」では、フレッシャーズ商戦に備えて新たな海外生産拠点を開設するなど、生産キャパシティの拡大に努めた結果、機会損失を減らして、昨年を上回る売上を確保いたしました。この結果、売上高は、未だ売上回復の足取りが重く、30店舗に及ぶ不採算店舗の撤退を進めた株式会社サマンサタバサジャパンリミテッドの第3及び第4四半期(2023年9月1日~2024年2月29日)と合わせ、343億62百万円(前年同期比2.5%減)となりました。

フードサービス事業につきましては、「かつや」「縁」での期間限定メニューが客数と客単価を押し上げ、売上高は10億5百万円(前年同期比9.3%増)となりました。

教育事業につきましては、「Kids Duo」の生徒数増加により、売上高は4億83百万円(前年同期比11.7%増)となりました。

グループの店舗数につきましては、上述の30店舗を含めグループで48店舗を退店した一方で、SUIT SELECTの5店舗やDIFFERENCEの4店舗など計21店舗を新規に出店し、694店舗となりました。

以上の結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は358億52百万円(前年同期比2.0%減)、営業利益は11億30百万円(前年同期比48.8%増)、経常利益は14億26百万円(前年同期比41.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は7億33百万円(前年同期比30.3%減)となりました。

なお、当社グループは事業の性質上、売上高に季節的変動があり、第1四半期、第2四半期及び第3四半期に比し第4四半期の売上高の割合が低くなります。

 

(2)財政状態の状況

(資産)

当第2四半期連結会計期間末における流動資産は271億69百万円となり、前連結会計年度末に比べ24億5百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が3億76百万円、売掛金が15億85百万円増加したことによるものであります。固定資産は246億35百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億12百万円減少いたしました。これは主に減損損失の計上等により有形固定資産が9億77百万円減少したことによるものであります。

この結果、総資産は518億5百万円となり、前連結会計年度末と比べ11億92百万円増加いたしました。

(負債)

当第2四半期連結会計期間末における流動負債は290億72百万円となり、前連結会計年度末と比べ4億31百万円増加いたしました。これは主に短期借入金が14億56百万円、1年内返済予定の長期借入金が3億64百万円減少したものの、支払手形及び買掛金が9億66百万円、電子記録債務が10億15百万円増加したことによるものであります。固定負債は26億61百万円となり、前連結会計年度末と比べ1億27百万円増加いたしました。

この結果、負債合計は317億34百万円となり、前連結会計年度末と比べ5億59百万円増加いたしました。

(純資産)

当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は200億71百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億33百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益の計上に伴い利益剰余金が3億4百万円増加したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は37.8%(前連結会計年度末は37.5%)となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、59億26百万円となり前連結会計年度末と比べ4億33百万円増加いたしました。

当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は21億円(前年同四半期は27億82百万円の獲得)となりました。これは主に売上債権の増加15億86百万円、固定資産売却益5億87百万円があったものの、仕入債務の増加19億5百万円、減損損失8億25百万円、税金等調整前四半期純利益11億30百万円の計上等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果得られた資金は4億76百万円(前年同四半期は6億27百万円の獲得)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出6億78百万円があったものの、有形固定資産の売却による収入16億58百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は21億32百万円(前年同四半期は18億52百万円の使用)となりました。これは主に短期借入金の純減額14億56百万円によるものであります。

 

(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5)経営方針・経営戦略等

当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(6)優先的に対処すべき課題

当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(7)研究開発活動

特記事項はありません。

 

(8)主要な設備

主要な設備の新設について、当第2四半期連結累計期間に完成したものは次のとおりであります。

セグメント

業態(ブランド)

設備の内容

店舗数

ファッション事業

SUIT SELECT

店舗設備他

5店舗

DIFFERENCE

店舗設備他

4店舗

Samantha Thavasa

店舗設備他

8店舗

DonDonDown on Wendsesday

店舗設備他

1店舗

フードサービス事業

店舗設備他

1店舗

教育事業

コペルプラス

店舗設備他

2店舗

(注)上記「Samantha Thavasa」の店舗数には、株式会社サマンサタバサジャパンリミテッドのグループ内における新設店舗数を記載しております。

 

3【経営上の重要な契約等】

(1)当社及び連結子会社である株式会社サマンサタバサジャパンリミテッドは、2024年4月10日開催の両社の取締役会において、2024年7月1日を効力発生日として、当社を株式交換完全親会社、株式会社サマンサタバサジャパンリミテッドを株式交換完全子会社とする株式交換を行うことを決議し、同日付で両社の間で株式交換契約を締結いたしました。

なお、株式交換契約の概要は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください。

 

(2)当社及び連結子会社である株式会社サマンサタバサジャパンリミテッドは、2024年5月13日開催のそれぞれの取締役会において、既存借入金の借換え(リファイナンス)について決議し、同日付で契約を締結しております。

なお、詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください。