第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスク、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、継続的な円安にともなう物価高や人手不足などによる懸念材料はあるものの、円安によるインバウンドの増加にともなう経済効果などもあり、概ね回復傾向にありました。しかしながら、引き続き中国経済の停滞や、世界的な景気の不透明感から、先行きの見えない状況が続きました。

 一方、世界経済においても、各国におけるインフレ抑制政策の効果は現れてきたものの、引き続き不透明な状況でした。米国では、経済状況は引き続き好調であったものの、これまで実施してきた金融政策による今後の経済活動への影響がいまだ不透明な状況となっています。欧州では、継続的な高インフレ状態により景気回復は不透明な状況でした。中国では、米国との経済対立や不動産市況の悪化による影響で引き続き不透明な状況となっています。東南アジア/南アジアでは、生産活動は概ね回復傾向にありましたが、一部の顧客では、在庫過多による生産調整が続いています。

 こうした経済状況のもと、当社グループの主要顧客である日系メーカーでは、各国の経済活動への規制緩和により景気回復は進んだものの、多くの顧客において在庫調整が継続していることにより生産活動は低調で、当社グループの取引においても、その影響が及びました。

 このような中、当社グループでは、中期経営計画「CR Vision 20+(Plus)」の最終期として過去2期において成し得なかった”事業強化”と”体制強化”の施策を中心に、次の中期に向けての更なる地盤固め(企業基盤の強化)の推進に取り組んでおります。事業強化では、引き続き販促事業やアフターマーケット支援などの新領域のサービスに加え、既存事業の深化として新しいメディアを活用したマニュアル制作や環境に配慮した梱包材の開発設計にも取り組んでおります。一方、体制強化では、更なる事業の拡大と企業価値の向上を目指すため、より一層の意思決定の迅速化ならびに業務執行の効率化を図る組織体制への構築に取り組んでおります。

 このような経済状況のもとで、当第3四半期連結累計期間の売上高は14,522,738千円(前年同期比12.6%減)、営業利益は981,356千円(前年同期比29.5%減)、経常利益は1,034,232千円(前年同期比25.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は659,459千円(前年同期比14.1%減)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、以下のとおりであります。

① 日本

 取引先における新製品の投入遅延や開発案件の停滞などによる影響は落ち着いてきました。しかしながら、巣ごもり需要で好調だった一部の顧客の取引や自治体向けコンサルティング業務においては、生産調整や法改正の減少により低調でした。その一方で一部の情報機器関連の顧客における新規案件やプロモーション関連の業務の増加もあり回復傾向となりました。

 このような状況のもとで、日本では、当第3四半期連結累計期間の外部顧客への売上高は4,166,679千円(前年同期比4.8%減)、セグメント利益は214,641千円(前年同期比37.9%減)となりました。

 

② 中国地域

 華東地区では、欧米メーカーを含めた医薬品関連の取引は引き続き堅調に推移しましたが、その一方で日系メーカーの取引は軟調でした。また、中国の景気悪化から中国国内市場向け顧客との取引は減少しました。華南地区では、一部の顧客の生産活動に回復は見られるものの、中国から他国への断続的な生産移管もあり全体的に取引は減少となりましたが、完全商社化により収益は改善しました。

 このような状況のもとで、中国では、当第3四半期連結累計期間の外部顧客への売上高は3,301,796千円(前年同期比9.9%減)、セグメント利益は223,772千円(前年同期比3.9%減)となりました。

 

 

③ 東南アジア/南アジア地域

 フィリピンでは、引き続き体制変更や不採算商品の撤退などによる事業の見直しを推し進めている影響で、取引は減少しているものの、税引後の収益性は改善傾向にあります。インドネシアでは、引き続き医薬品関連の新規取引や生活用品・ヘルスケア用品などの新事業分野の顧客との取引は順調に推移しております。その一方で一部の顧客では、引き続き在庫過多による生産調整などの影響で、取引は軟調でした。タイでも、顧客全般に在庫過多による生産調整が続いており、取引は低調でした。ベトナムでは医療機器関連を中心に生産活動は徐々に回復傾向ではありますが、全般的に取引は引き続き横ばいでした。インドでは生産活動は徐々に回復傾向で、取引も微増となりました。

 このような状況のもとで、東南アジア/南アジアでは、当第3四半期連結累計期間の外部顧客への売上高は5,270,046千円(前年同期比25.6%減)、セグメント利益は401,123千円(前年同期比37.9%減)となりました。

 

④ 欧米地域

 米国では、引き続き輸送機器メーカーや翻訳事業の取引が順調に推移していることに加え、大統領予備選による新規取引もあり、全体的に堅調でした。欧州でも、玩具系電器メーカーとの取引が安定的に継続していることに加え、主要顧客である輸送機器メーカーとの取引も安定しており堅調でしたが、収益性の低い取引もあり利益は減少しました。

 このような状況のもとで、欧米では、当第3四半期連結累計期間の外部顧客への売上高は1,784,216千円(前年同期比19.9%増)、セグメント利益は139,200千円(前年同期比15.5%減)となりました。

 

 

(2)財政状態の分析

(資産合計)

 当第3四半期連結会計期間末における流動資産は11,235,416千円となり、前連結会計年度末に比べ60,609千円増加いたしました。これは主に商品及び製品が231,980千円、仕掛品が159,469千円、原材料及び貯蔵品が41,357千円減少しましたが、現金及び預金が487,492千円増加したことによるものであります。

 固定資産は8,053,430千円となり、前連結会計年度末に比べ773,109千円増加いたしました。これは主に繰延税金資産が61,312千円減少しましたが、有形固定資産が847,662千円増加したことによるものであります。

 この結果、総資産は19,293,459千円となり、前連結会計年度末に比べ838,330千円増加いたしました。

(負債合計)

 当第3四半期連結会計期間末における流動負債は6,926,496千円となり、前連結会計年度末に比べ30,386千円増加いたしました。これは主に短期借入金が134,083千円、未払法人税等が81,952千円、支払手形及び買掛金が57,124千円減少しましたが、未払金が177,558千円、賞与引当金が107,871千円増加したことによるものであります。

 固定負債は3,900,915千円となり、前連結会計年度末に比べ80,817千円増加いたしました。これは主に長期借入金が501,232千円減少しましたが、社債が280,000千円、リース債務が253,223千円、退職給付に係る負債が47,460千円増加したことによるものであります。

 この結果、負債合計は10,827,412千円となり、前連結会計年度末に比べ111,204千円増加いたしました。

(純資産合計)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は8,466,046千円となり、前連結会計年度末に比べ727,126千円増加いたしました。これは主に利益剰余金が363,565千円、為替換算調整勘定が245,207千円、非支配株主持分が102,071千円増加したことによるものであります。

 

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、32,634千円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。