第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、食料品を中心に販売するスーパーマーケット経営を通じ、「Better Life with Community(地域社会の人々に、より充実した生活を)」を経営理念に、お客様に支持され信頼される店作りを進め、スーパーマーケットとしての社会的役割を経営の基本としております。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、厳しい外部環境の中、安定成長と財務体質の強化を図り、企業価値を常に最大にするための体制作りを行ってまいります。そのために、連結売上高経常利益率を重要な経営指標と捉え、4.5%以上の確保に向けて、今後の事業戦略に反映させてまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、経営方針の実現のため、中長期の経営戦略として、標準化したフォーマットでの計画出店を行い、新たな商圏開発に取り組むとともに、あわせて既存店の改装等による店舗活性化や店舗状況に合わせた諸施策を実施し、一層のドミナント化とお客様に支持される店舗展開を行います。
 また、高収益の企業体質を維持、継続していくために、効率経営によりさらなるローコストオペレーションに取り組んでまいります。

 

 (4)会社の優先的に対処すべき課題

今後の経営環境は、個人消費の先行きが不透明なことに加え、企業間競争の激化等依然厳しい状況が続くものと思われます。このような状況の中で、当社グループが経営戦略を実現するために、優先的に対処すべき課題は以下のとおりであります。

① 新規優良立地の確保による計画的出店

② 高い労働生産性の実現

③ 経費コントロールの徹底

④ 自社物流の展開による効率化の推進

⑤ 連結子会社の収益性の向上

これらの施策により、高収益体質を維持し、競争力のある企業グループを目指します。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理

当社グループは、気候変動などの環境課題、人権、人的資本経営、サプライチェーン等に関するサステナビリティを巡る課題への対応が、リスクの減少のみならず中長期的な企業価値の向上につながる重要な経営課題であると認識しております。

リスク管理委員会は、当社グループの経営資源の保全、社会的評価及びステークホルダーへ影響を与えうるリスク(不確実性)に対して、迅速かつ的確に対応することを目的として設置しています。2024年1月より、サステナビリティを巡る課題への対応は、全社的な視点から包括的に評価し戦略的なアプローチが必要なことから、その課題への対応をリスク管理委員会の所管事項としました。

リスク管理委員会は、代表取締役社長を委員長、業務執行取締役を委員として構成し、オブザーバーとして常勤監査役が委員会に出席しています。リスク管理委員会は、サステナビリティを巡る課題に対する方針の策定、担当取締役の任命、リスクと機会の特定、指標及び目標の設定のほか、取組計画の承認及び進捗状況の監督等を行っています。リスク管理委員会は、2024年2月期においては年6回開催し、その議事内容は、委員会事務局(業務サポート部)がその議事内容を記録し、取締役会に報告し、取締役会との連携を図っています。

また、当社グループのサステナビリティに関する考え方、目標、取組状況等について、ステークホルダーの皆様と共有するため、2023年3月にサステナビリティ広報室を設置し、IR専門部署である業務サポート部とともに、サステナビリティ情報開示の充実を図っています。

 

スーパーマーケットを事業活動の中心としている当社グループが、持続可能な社会の実現に向け果たすべき役割について、リスク管理委員会において、その洗い出しを行い、下表のとおり特定しました。

E/環境

・気候変動対応

・循環型社会への貢献

・廃棄物排出量の削減

S/人的資本経営

・様々な課題を解決し、新しい価値を作り出す人間力のある人材の育成

・ダイバーシティ

・健康経営

S/地域社会との連携

・安全安心な商品の供給

・地域社会への貢献

G/コーポレートガバナンス

・コンプライアンスの徹底

・リスクマネジメント

 

 今後も、取組の進捗状況、外部環境及び社会意識の変化を踏まえ、定期的な見直しを行っていきます。

 

(2)重要なサステナビリティ項目

上記、ガバナンス及びリスク管理を通して識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は、以下のとおりであります。

 

 ● 気候変動対応に関する取組

 ● 人材の多様性の確保を含む人的資本経営に関する取組

 

①気候変動対応に関する取組 

<ガバナンス>

当社グループでは、これまで環境委員会が環境活動の推進を行ってきましたが、気候変動対応をはじめとする環境課題を企業価値向上を図る上でのリスクと機会と捉え、2024年1月に環境委員会を廃止し、リスク管理委員会において、環境マネジメントを全社的な視点から包括的に評価し戦略的なアプローチにすることとしました。

リスク管理委員会は、代表取締役社長を委員長、業務執行取締役を委員として構成し、オブザーバーとして常勤監査役が委員会に出席しています。リスク管理委員会では、方針の策定、担当取締役の任命(上田英雄専務取締役)、リスクと機会の特定、指標及び目標の設定のほか、取組計画の承認及び進捗状況の監督等を行なうこととしました。

委員会は、2024年2月期においては年6回開催し、その議事内容は、委員会事務局(業務サポート部)が作成する議事録を取締役会に報告し、取締役会との連携を図っています。

 

スーパーマーケットを中心に事業活動を行っている当社グループでは、移行リスクとして、冷蔵冷凍設備を多く有していることから、CO2排出量削減規制強化および代替フロン規制強化に伴い、エネルギー調達コスト、設備投資の増加が、また、物理リスクとして、食料資源の課題が、持続的な調達への懸念(品質・物量・コスト)があると認識しています。

なお、気候関連のリスクおよび機会が、当社グループの事業、戦略、財務計画に及ぼす影響や気候関連のシナリオを考慮した戦略のレジリエンスについては、今後、分析を進めていきます。

 

持続可能な社会の実現に貢献するため、環境マネジメントの重要なテーマとして、次の項目を選定しています。

 

1. 政府が推進する「2050年カーボンニュートラル」の実現に向け、当社グループでは、2030年度までにGHG

 (温室効果ガス)排出量を2013年度比で50%削減する目標を設定し、その対応を進めていきます。

2. 循環型社会の実現のため、店舗から排出される資源ゴミだけでなく、販売した製品の包材等の回収を積極的に

 行い、資源利用量の削減に取り組んでいきます。

3. 廃棄物排出量削減のため、デジタル技術やデータを活用した発注数量コントロールにより、排出量の削減に

 取り組んでいきます。

4. その他、環境に対する負荷の軽減または回避、汚染の削減等に取り組むとともに、法令及び規制を遵守いたし

 ます。

 

GHG排出量削減の取り組みでは、排出量の約85%を占める電気の使用に伴う間接排出を重点に、省エネ・創エネのほか、再生可能エネルギーへの転換を推進し、削減目標の達成を目指していきます。

電力使用量を抑える「省エネ」は、設備面では、店舗照明を蛍光灯使用時と比較して消費電力が約半分となるLED照明への切り替え、効率よく保冷する開閉式扉のショーケースの導入等を行い、運用面では、使用電力を見える化し、コントロールするデマンドモニターを全店に設置し、電力使用量の削減に取り組んでいます。

電気を創る「創エネ」では、物流センターや店舗において「太陽光発電」の設備導入を順次進め、CO2を排出しない再生可能エネルギーの採用を拡大しています。2024年2月現在では、40か所の事業所に「太陽光発電」設備を導入し、2023年度にはCO2排出量3,669t-CO2に相当する867万kWhを発電しました。

「再生可能エネルギーへの転換」では、2023年5月から本社屋で使用する電力を100%非化石電源への切替を行い、2023年度には、370t-CO2相当のCO2を削減しました。

今後は、2030年度までにGHG排出量50%削減(2013年度比)する目標の達成に向け、電力使用量の50%以上を再生可能エネルギーに切り替えを順次進めていきます。

また、GHG排出量の約10%を占める代替フロンについては、従来の代替フロンガスから自然冷媒を使用する冷蔵ケースを導入することにより、GHG排出量の削減に取り組んでいます(2024年2月現在、4店舗に導入)。

今後は、新店舗および冷凍機器の更新を伴う既存店舗の改装では、半数以上の店舗に自然冷媒機器を導入していきます。

 

資源循環型社会への貢献の取り組みとして、スーパーマーケット事業の特性を活かしたリサイクル活動を積極的に推進し、資源利用量の削減に取り組んでいます。

全店舗の店頭に「リサイクルステーション」を設置し、ペットボトル・牛乳パック・食品トレー・アルミ缶等を回収しています。お客様には、販売した商品の包材を次回のお買物時にご持参いただくことで、普段の生活スタイルの中でリサイクル活動にご協力いただいています。回収ボックスの大型化や回収作業の効率化を図ることで、より多くの回収量を目指しています。また、店舗の営業に伴って排出されるダンボール、発泡スチロール、雑紙についても、店頭回収と同様に、リサイクルを行っています。

回収した資源ゴミは、自社配送の帰り便を活用して、物流拠点に隣接した自社「リサイクルセンター」に配送しています。リサイクルセンターは、2004年に開設され、回収した資源ゴミの減容および溶解処理を行い、2024年2月期には、ダンボール、ペットボトル及び牛乳パック等をリサイクルしました。

また、流通過程における資源循環では、廃棄物になりやすいダンボールを使用せず、サプライヤーと協業して、専用リターナブルコンテナの使用を推進しています。リターナブルコンテナを繰り返し使用することで、ダンボールの使用量の削減をはじめ、配送時の積載効率、店舗作業の効率化の効果を図っています。

 

廃棄物排出量の削減への取り組みにおいては、食料品を取り扱うスーパーマーケットにとって食品廃棄物の課題は、重要なテーマの一つと考えております。

廃棄物の発生抑制では、ベルクの特長である本社主導型経営により、デジタル技術やデータ分析を活用し、専門部署「データコントロール室」が適正な発注数量のコントロールを行っています。また、商品化や販売方法の見直しにより、食品残渣の削減、売り切りに取り組んでいます。

また、発生してしまった食品残渣は、食品リサイクル(堆肥化・飼料化・ガス化)、脱水処理による運搬や焼却時の環境負荷軽減、微生物による分解処理等に取り組むことで、排出量を削減しています。

 

②人材の多様性の確保を含む人的資本経営に関する取組 

当社グループの経営理念は、社名の由来でもある「Better Life with Community(地域社会の人々に より充実した生活を)」であり、これをコンセプトに生鮮食料品を中心に地域密着型のストアづくりに取り組んでいます。

小売業は変化対応業であり、常に時代の変化を見据え、社会環境の変化に対応していかなければなりません。当社グループの中長期的な企業価値の向上を図り、持続可能な社会の実現へ貢献するために、人材育成及び社内環境整備は重要な経営課題の一つであると認識しております。

 

<人材育成方針>

当社グループでは、「様々な課題を解決し、新しい価値を創り出す人間力のある人材」の育成を目指し、一人ひとりのレベルや立場、特性に応じた教育プログラム、技術や知識の習得を行うトレーニングセンターの設置、デジタルツールの活用、体験型学習への転換等、変化を楽しみながら、お客様の笑顔を見たい、地域に貢献していきたいという従業員の成長をサポートしています。

 

 ● 階層別・職種別研修(新入社員・フォローアップ・スペシャリスト・キャリア採用)

 ● 技術研修(作業技術・商品知識・販売知識・産地視察・工場視察)

 ● 管理者研修(部門チーフ・副店長・店長・課長塾)

 ● 特別研修(若手人材育成・ビジネススキル・食とマナー)

 ● 部門横断したテーマ別勉強会(商品開発・デジタル学習)

 ● 外部セミナーへの派遣

 ● 自己啓発支援(通信教育・デジタル学習ツール・社内資格認定試験)

 

<社内環境整備方針>

従業員一人ひとりが能力を発揮するには、「従業員が前向きにチャレンジできる社内環境の整備」が不可欠であると考えており、様々な取り組みを推進しています。

 

 ● 仕事のやりがいを醸成する従業員エンゲージメントの向上とハラスメント対策

 ● 仕事とプライベートを両立し、働きやすさを実現するワークライフバランス

 ● 多様な視点や価値観を共有し、従業員の個性と能力を発揮するダイバーシティの推進

 ● 従業員が心身ともに健康であることを推進する健康経営・労働安全衛生の取り組み

 

<従業員エンゲージメントの向上>

従業員一人ひとりの能力が最大限発揮できるように従業員との良好な関係をつくり、仕事のやりがいを醸成する取り組みを推進し、従業員エンゲージメントの向上を図っています。商品開発及び接客等の優れた取り組み、技術及び知識に優れた従業員に対する表彰を行ない、また、1on1面接及び自己申告制度を通じて従業員の立場や特性に応じた意見や悩みを把握することで、能動的に業務に取り組める社内風土、環境づくりを行っています。

 

ハラスメント行為は、人権侵害にあたるだけでなく、従業員のメンタル不調・モチベーションの低下につながる等、企業価値向上を阻害する課題として、経営陣のみならず、従業員一人ひとりが予防・防止に取り組むことが重要と考えます。毎年4月を「ハラスメント防止啓発月間」とし、全従業員向けにトップメッセージの発信、ハラスメント防止研修の実施、ポスターの掲示等を行ない、予防・防止への意識を高める機会として取り組んでいます。ハラスメント行為の相談・通報窓口として、コンプライアンス委員会が運営する「従業員情報ダイヤル」を設置し、必要に応じて調査・是正措置を行なうこととしています。

また、当社グループは、地域社会の人々により充実した生活を提供するために事業活動を行ない、お客様との関係を大切にしていますが、時にはお客様からの不適切な言動や行為によって、従業員が困惑したり、不快な思いをすることがあり、2023年11月に従業員の安全配慮義務の観点からこのような課題に対する行動指針を定め、公表しました。

 

<ワークライフバランス>

仕事とプライベートを両立し柔軟な働き方ができる職場環境の整備は、従業員の成長を促し、業務が効率化するだけではなく、従業員の健康維持、多様な人材の活躍につながると考え、従業員一人ひとりの「働きやすさ」の実現を目指しています。

労働時間の適正化及び休暇の取得促進について、部門横断的に課題を共有し解決するための会議を開催しています。多様な働き方においては、地域限定社員制度の導入により従業員の生活環境や価値観、ライフステージに合わせた正社員区分の選択が可能となっています。また、積極的なデジタルの活用によるテレワークの推進を行う等、仕事とプライベートを両立する取り組みを行い、埼玉県の多様な働き方実践企業認定制度の「プラチナ」に認定されています。

 

<ダイバーシティの推進>

多様な視点や価値観が存在することが、会社の持続的な成長を確保する上で強みとなるとの認識に立ち、従業員の個性と意欲を尊重し、ダイバーシティの推進に取り組んでいます。

女性が活躍できる雇用環境の整備を行うため、2021年4月から2026年3月までの「女性活躍推進法に基づく行動計画」を策定しています。現状においては、正社員における女性の比率が低く、また、平均勤続年数において差があるとの課題認識から、目標を設定し取り組みを推進しています。

 

1. 正社員に占める女性の割合を2021年3月末時点の22.6%から25%までに引き上げる

2. 女性の平均勤続年数を男性の平均勤続年数に対して70%以上とする

 

働く女性従業員に向け「誰もが働きやすい会社」を実現するため、2024年1月に「女性活躍推進プロジェクト」を立ち上げました。プロジェクトでは、従業員アンケートや研修を通じ、キャリアプランの形成、働く環境の整備、女性特有の悩みや育児等の女性活躍推進に関する課題が認識され、その改善に取り組んでいます。

当社グループでは、国籍にかかわらず積極的に外国人採用を行い、2024年2月期にはインド人のシステムエンジニアを新規採用しました。また、外国籍の従業員が安心して勤務や生活ができるように体制を整え、一人ひとりの個性や多様性を尊重しながら、組織で活躍できる職場づくりに取り組んでいます。

当社グループの障がい者雇用は、法定雇用率の達成は当然ながら、障がい者の方々が当社グループの一員として個々の特性や強みを生かして働く職場づくりを目指しています。採用に当たっては、特別支援学校・就労支援機関・ハローワークを始めとしたサポート機関と連携し、業務や職場環境を理解したうえで採用を行っています。

当社は、2019年に障がい者雇用優良事業所として「厚生労働大臣表彰」を受賞し、また、2020年には、障がい者就労農園「わーくはぴねす農園さいたま川越(埼玉県川越市)」に参画し、地域の障がい者を雇用し、農園で栽培した野菜を近隣店舗で販売を行なう、スーパーマーケットならではの取り組みを開始しています。

 

<健康経営の推進>

従業員の健康保持・増進の取り組みは、当社グループの将来の企業価値に大きな影響を与える要素であり、従業員の健康状態の悪化は、企業の生産性を低下させることになり、さらには、人材の定着率の悪化等、有能な人材の確保・定着にも悪影響を及ぼす可能性がある重要な経営課題の一つとして認識しています。

当社グループでは、役員及び従業員が守るべき行動規範である「ベルク行動基準」では「安全かつ衛生的な職場環境を維持し、従業員の健康を重視した快適な職場環境に努めます」とし、倫理規範である「商売六訓」では「働いている従業員も健康で幸せになろう」と明文化することで、役員及び従業員がこの価値観を共有しています。

リスク管理委員会では、健康経営の推進を全社的なリスクと機会と捉え、人的資本経営及び健康経営に関する担当取締役(大杉佳弘常務取締役)を任命し、従業員の健康増進を重視し、健康管理を経営課題として捉え、その実践を図ることで従業員の健康の維持・増進と会社の生産性向上を目指すこととしております。主管部署である人事教育部を中心に、健康保険組合、産業医と連携し、次の項目に取り組んでいきます。

 

 ● 従業員の健康課題の把握と必要な対策の検討

 ● 健康経営の実践に向けた土台づくり

 ● 従業員の健康づくりに関する施策の実行

 

従業員の安全と健康保持、労働災害事故防止などのため、拠点ごとの労働安全衛生委員会を開催し、その意見を反映させています。委員会では、労働災害の発生状況や労働時間の管理状況について確認、報告、対応を行っています。また、職場での安全確保の意識醸成のため、毎年8月を「労災防止強化月間」とし、全従業員向けにトップメッセージの発信、重点項目の共有及び対策の啓発活動を行っております。

 

当社は、人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

なお、指標に関する数値は、連結グループにおける記載が困難であるため、具体的な取り組みが行われている提出会社のものを記載しております。

 

指標

目標

実績

(当事業年度)

正社員に占める女性の割合

2026年3月末までに25.0%

26.1%

正社員平均勤続年数における

女性の男性に対する割合

2026年3月末までに70.0%以上

60.6%

管理職に占める女性労働者の割合

2030年2月期末までに10.0%

1.9%

男性労働者の育児休業取得率

2030年2月期末までに100.0%

77.8%

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)「大規模小売店舗立地法」について

当社は、スーパーマーケットの多店舗展開を行っておりますが、店舗の新規出店及び既存店の売場面積等の変更については、「大規模小売店舗立地法」の規制を受けております。これは売場面積1,000㎡を超える新規出店及び既存店の売場面積等の変更に対し、騒音、交通渋滞、ゴミ処理問題等、出店地近隣住民に対し生活環境を守る立場から都道府県または政令指定都市が一定の審査をし、規制を行う目的で施行されたものであります。当社の新規出店及び増床については、上記の法規制を受けております。 

 

(2) 食品衛生及び食の安全性について

当社及び当社グループの事業に関しては、「食品衛生法」の規制を受けており、所轄の保健所を通じて営業許可を取得しております。食品の安全性に日頃より十分な注意を払い、食中毒の未然防止、商品の検査体制の充実や生産履歴の明確化(トレーサビリティ)に努めております。しかし、万一食中毒の発生等でお客様にご迷惑をお掛けする事態が発生したり、当社グループ固有の衛生問題のみならず、社会全般にわたる一般的な衛生問題等が発生した場合、当社及び当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 (3) 品質表示等にかかる法的規制について

昨今、食品をはじめとする偽装事件等、商品の品質、安全性に関わる問題が発生しております。当社及び当社グループは、「JAS法」「計量法」「景品表示法」等の遵守に加え、社内計量士による自主検査を行い、適切な品質表示に努めております。しかし、販売する商品に問題が生じた場合、当社及び当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 減損会計の適用について

店舗を出店する小売業として、建物、土地を一部自社所有により運営しております。事業用固定資産に対する減損会計の適用によって保有固定資産に減損処理が必要になった場合は、当社及び当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 出店政策について

当社は、2024年2月末現在、埼玉県を中心とする首都圏を地盤にスーパーマーケットを138店舗展開しております。今後もドミナント化を意図した出店を行い、店舗密度を高めていく方針であります。出店場所が十分確保できない場合やドミナントの形成までに時間を要する場合、あるいは、競合他社の出店状況や価格競争の激化などによっては、当社の想定通りの成果が得られず、当社及び当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 

 

(6) 物流センターについて

当社は、自社物流センターを運営しており、このセンターより全店舗に定時一括納品を行い、集中配送のメリットを生かした効率的物流体制をとっております。しかしながら、物流センターにおける事故等、不測の事態が生じた場合には、店舗への商品配送に遅延等の支障をきたす恐れがあり、当社及び当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 差入保証金について

当社及び当社グループは、賃借による店舗出店にあたり、差入保証金の差入れを行っております。当連結会計年度末現在の差入保証金の残高は、9,001百万円であります。
  返還方法は、主に賃借期間にわたって分割返還となっておりますが、賃借先の経済的破綻等によりその一部または全部が回収できなくなった場合、当社及び当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 金利変動による影響について

当社及び当社グループの設備投資資金は主に長期借入金によって調達しており、当連結会計年度末現在の有利子負債残高は、34,514百万円となっており、連結総資産の18.7%を占めております。このうち長期借入金は、31,697百万円(1年内返済含む)で、主に固定金利による借入であるため、金利変動による影響は比較的少ないものと考えられます。しかしながら、急激に金利が上昇した場合、当社及び当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 人材の確保と育成について

当社及び当社グループは、優れた人材の採用及び教育を最重要課題の一つとしており、今後の事業拡大には、既存従業員に加え、パートタイマーも含めた優秀な人材の確保が不可欠であると認識しております。従業員に対しては、昇格試験制度や業績評価制度、また報奨金制度などのインセンティブを導入し、志気向上を促すとともに、各種研修プログラムの充実を図り、人材育成に力を注いでおります。しかし、必要とされる人材の採用、教育が計画どおり進まない場合、出店計画の見直しや、店舗管理レベル、商品力の低下等、当社及び当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 個人情報の保護について

当社は、多数の個人情報を所有しております。これらの情報の管理につきましては、個人情報保護法に基づき、個人情報に関する規程の整備、従業員への教育、情報システムのセキュリティ対策等を行っております。また、マイナンバーに関する特定個人情報の管理体制についても万全の対応を図っております。しかしながら、万一、個人情報の流出が発生した場合には、当社及び当社グループの信用が低下し、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 外部環境の変化による影響について

当社及び当社グループは、食品スーパーマーケットとして、価格競争の激化、他社の出店増加に伴う競合の激化、景気後退に伴う買上点数並びに客数の減少、異常気象等による生鮮相場の大幅な変動等、外部環境の変化により業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 自然災害による影響について

当社は、埼玉県を中心とする首都圏に出店をしておりますが、当該地域において自然災害が発生した場合、店舗施設への倒壊損傷等が引き起こり、店舗の営業継続に影響を及ぼす可能性があります。 

 

(13) 感染症による影響について

当社及び当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、お客様及び従業員等の健康と安全を最優先として感染防止に取り組んでおります。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大により、当社グループの販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合、臨時休業や対策費用の支出等により、当社及び当社グループの財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 知的財産の保護について

当社及び当社グループは、商標等の知的財産の保護のための体制を整備しその対策を講じております。しかし、他社との間に知的財産を巡り紛争が生じたり、他社からの知的財産の侵害を受けたりした場合は、多大な損害を被る恐れがあります。一方、当社及び当社グループの認識の範囲外で第三者の知的財産権を侵害する可能性もあります。このような事態に陥った場合、当社及び当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) 業務・資本提携について

当社は、2006年7月31日にイオン株式会社との間に、関東圏における食品スーパー事業に関し、①商品供給 ②販売促進施策 ③開発業務 における業務提携及び1年以内に当社の発行済株式総数の15%を限度とする資本提携契約を締結いたしました。また、2007年5月よりイオン株式会社から取締役1名を受け入れております。
  当社は、イオン株式会社との業務・資本提携を継続していく方針でありますが、何らかの理由で継続できない場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。
 なお、当社の財務及び営業または事業の方針の決定に、イオン株式会社の承認を要する事項は特にございません。また、上記業務・資本提携を変更する予定はなく、現時点での関係を継続する方針であります。
 上記の状況をふまえ、イオン株式会社につきましては「関係会社の状況」には記載しておりません。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

  当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

  ①財政状態及び経営成績の状況

 (業績等の概要)

 当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあり、緩やかに回復しました。しかしながら、世界的な金融引き締め等を背景とした海外景気の下振れが国内景気を下押しするリスクとなり、また、物価上昇による家計や企業への影響や供給面での制約等により、先行き不透明な状況が続いております。

 小売業界におきましては、個人消費の持ち直しが見られるものの、消費者物価が緩やかに上昇し続けることに起因した買い控えや、消費の二極化が起きており、世界的なエネルギー価格高騰による販売管理費の増加や、度重なる食料品の調達価格の上昇等、厳しい状況が続いております。

 このような状況の中で当社グループは、スーパーマーケットとして地域社会の人々により充実した生活を提供すべく、「Better Quality & Lower Price」を掲げ、おいしく鮮度の良い商品の販売、価格訴求及びお客様に支持され信頼される店舗づくりを推進いたしました。

 主な取り組みにつきましては、以下のとおりであります。 

 販売政策におきましては、ポイントカード販促やチラシ価格の強化、SNSを利用したおすすめ情報の発信を行い、幅広い層のお客様への来店動機を高めてまいりました。ネットスーパー「ベルクお届けパック」、当社独自の電子マネーカード「ベルクペイ」は導入店舗を継続して拡大し、利便性向上を図ってまいりました。また、移動スーパー「とくし丸」も拡大展開を続け、高齢者等に対する買物支援の取り組みを進めました。

 商品政策におきましては、プライベートブランド「くらしにベルク kurabelc(クラベルク)」を含めた自社開発商品の取扱いをより一層拡大することで、目的を持ってお買い物に来ていただけるお客様を増やすことに貢献いたしました。 

 店舗運営におきましては、当社最大の特長である標準化された企業体制を基盤にしながら、適正な人員配置や省力器具の運用を日々見直し、チェーンオペレーションの高効率化を推進いたしました。

 店舗投資におきましては、新店を6店舗、2023年5月に東京都八王子市に「フォルテ八王子店」、6月に埼玉県和光市に「光が丘店」、9月に千葉県富里市に「フォルテ富里店」、12月に茨城県古河市に「古河諸川店」、2024年1月に千葉県船橋市に「船橋藤原店」、2月に千葉県野田市に「野田山崎店」を出店いたしました。また、既存店6店舗の改装を実施し、惣菜及び簡便商品の拡充、快適なお買い物空間を提供するための設備の更新を行いました。そのうちの2店舗である群馬県高崎市の「江木店」と群馬県太田市の「竜舞店」は、新業態の「クルベ」としてそれぞれ2023年7月、2024年2月にリニューアルオープンいたしました。なお、8月に埼玉県児玉郡上里町の「上里SC店」を閉店し、2024年2月末現在の店舗数は138店舗であります。

 物流体制におきましては、商品を産地やメーカーから大量一括調達し、自社物流を活かした配送の高効率化等を行うことで、商品の価格強化と品質の安定化を目指しました。また、店舗作業に合わせた配送体制の見直しを引き続き行い、店舗運営の効率化に取り組みました。

 一方、グループ会社である「株式会社ホームデリカ」は、製造能力の増強とおいしい商品の供給体制を構築し、店舗の効率化を図ってまいりました。また、「株式会社ジョイテック」は、備品、消耗品及び販売用資材等の供給と開発、また、店舗の清掃業務等、当社グループのサービス業務の強化に取り組みました。

 これらの結果、当連結会計年度における経営成績は、営業収益(売上高及び営業収入)が351,856百万円(前年比113.2%)、営業利益が14,495百万円(前年比103.4%)、経常利益が14,972百万円(前年比104.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益が10,677百万円(前年比111.1%)となりました。

 

(資産)

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ15,057百万円増加184,363百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ4,226百万円増加36,908百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金が1,448百万円商品及び製品が1,066百万円及び売掛金が1,020百万円増加したこと等によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ10,830百万円増加147,455百万円となりました。この主な要因は、建物及び構築物が5,389百万円及び土地が3,087百万円増加したこと等によるものであります。

 

(負債)

 負債は、前連結会計年度末に比べ6,396百万円増加84,398百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べ7,150百万円増加45,444百万円となりました。この主な要因は、買掛金が3,267百万円増加したこと等によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ753百万円減少38,954百万円となりました。この主な要因は、長期借入金が802百万円減少したこと等によるものであります。

 

 (純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べ8,660百万円増加99,965百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が8,612百万円増加したこと等によるものであります。

 

  ②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,448百万円増加し、17,028百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、21,059百万円(前年同期に比べ5,440百万円増加)となりました。これは、「仕入債務の増減額」が増加したこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、16,227百万円(前年同期に比べ298百万円増加)となりました。これは、差入保証金の差入による支出が減少したこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、3,382百万円(前年同期に比べ7,480百万円増加)となりました。これは、長期借入れによる収入が減少したこと等によるものであります。

 

 ③生産、受注及び販売の実績

 当社グループは、小売業のみを営んでおり、単一のセグメントであるため、商品別により記載しております。

(販売実績)

商品別売上状況

商品別

当連結会計年度
(自 2023年3月1日
  至 2024年2月29日)

売上高(百万円)

前年同期比(%)

青果

45,518

112.0

海産

25,971

111.1

精肉

36,620

114.8

デリカ

37,936

112.5

生鮮計

146,046

112.7

一般食品

128,565

113.8

菓子

58,415

114.7

雑貨

12,012

108.0

グロサリーギフト

1,032

110.4

グロサリー計

200,025

113.7

合計

346,072

113.3

 

 

(仕入実績)

商品別仕入状況

商品別

当連結会計年度
(自 2023年3月1日
  至 2024年2月29日)

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

青果

36,392

114.5

海産

17,661

110.2

精肉

25,307

115.0

デリカ

21,890

111.0

生鮮計

101,252

113.1

一般食品

95,666

114.9

菓子

43,419

115.6

雑貨

9,130

108.3

グロサリーギフト

823

111.2

グロサリー計

149,039

114.7

合計

250,292

114.0

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
 

  ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ40,510百万円増加し、346,072百万円(前年比113.3%)となりました。その主な要因は、仕入原価上昇に伴う商品の、他社と比較した際の相対的な価格の安さを維持しながらの適時適切な値上げ、積極的な販売促進活動、ポイントカード販促等の実施、前連結会計年度に出店した7店舗が年間稼動したこと及び当連結会計年度に新規出店した6店舗が売上高の増加に寄与したこと等によるものであります。

(売上総利益)

当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ9,555百万円増加し、94,165百万円(前年比111.3%)となりました。売上総利益率は27.2%となりました。

(営業収入)

当連結会計年度における営業収入は、前連結会計年度に比べ520百万円増加し、5,784百万円(前年比109.9%)となりました。

(営業総利益)

 当連結会計年度における営業総利益は、前連結会計年度に比べ10,075百万円増加し、99,949百万円(前年比
 111.2%)となり、売上高対営業総利益率は28.9%となりました。

(販売費及び一般管理費)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ9,598百万円増加し、85,453百万円(前年比112.7%)となりました。その主な要因は、店舗数の増加に伴う人員数の増加等に伴う給与手当(前年差3,316百万円増)及び店舗改装・メンテナンスの対応に伴う保守修繕費(前年差896百万円増)等が増加したこと等によるものであります。売上高対販売費及び一般管理費率は24.7%となりました。

(営業利益)

当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ476百万円増加し、14,495百万円(前年度103.4%となりました。 

(経常利益) 

 当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ675百万円増加し、14,972百万円(前年比104.7%
  となり、売上高対経常利益率は、4.3%となりました。目標とする経営指標である4.5%は未達成でしたが、値上げ

局面の中での徹底的な価格強化、次期以降の店舗営業に備えるための修繕等を実施したことによるものでありま

す。
  (特別損益)

 当連結会計年度において、特別利益として、20百万円の計上をしております。内訳は資産除去債務戻入益20百万
 円であります。また、特別損失として、258百万円の計上をしております。内訳は固定資産除却損240百万円等であ
 ります。

(親会社株主に帰属する当期純利益)  

当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ491百万円増加し、14,733百万円(前年比103.5%)となりました。
 税金費用(法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額)は、前連結会計年度に比べ572百万円減少し、4,055百万円(前年比87.6%)となりました。
 以上の結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ1,063百万円増加し、10,677百万円(前年比111.1%)となりました。

 

 

  ②経営成績に重要な影響を与える要因について

「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

  ③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、主として営業活動により得られた資金のほか、金融機関からの借入により必要資金を調達しており、当連結会計年度においては、業績の堅調な推移により安定的にキャッシュ・フローを創出でき、新規出店、既存店の改装等の設備資金及び出店予定用地の取得を行いました。

当社グループでは、財務健全性を図りながら、適正な株主還元と業容拡大のための成長投資を継続して計画しております。

 

  ④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債及び収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りにつきましては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項」に記載しておりますが、以下の会計方針及び見積りが連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。

 
イ 固定資産の減損
 当社グループは、店舗における営業活動から生じる損益が継続してマイナスである等減損の兆候がある店舗資産については減損損失の認識を判定し、減損損失の測定については各資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額し減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては決算時点で入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、今後市場環境について想定を上回る変化が生じた場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。 


ロ 繰延税金資産の回収可能性
 当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画における課税所得に基づき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性については、当社グループの業績の推移などから将来の課税所得を合理的に見積り判断しておりますが、今後将来の不確実な経済条件の変動等により課税所得の予測に影響を与える変化が生じた場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
 
ハ 退職給付債務の算定
 確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、死亡率、退職率や年金資産の長期期待運用収益率等の様々な計算基礎があります。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、将来の退職給付費用及び債務が変動する可能性があります。
 
ニ 資産除去債務の計上
 当社グループは、主に店舗用土地建物の不動産賃借契約に伴う原状回復義務等に備えるため、資産除去債務を計上しております。計上にあたっては、過去の実績を基に算定した原状回復費用の見込み額を現在価値に割り引いて算出しておりますが、今後新たな事実の発生等に伴い、資産除去債務の見積り額が変動する可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

契約会社名

相手方の名称

相手先の
所在地

契約の内容

契約期間

提出会社

イオン株式会社

日本

①商品供給②販売促進施策③開発業務における業務提携及び当社の発行済株式総数の15%を限度とする株式取得による資本提携。

2006年7月31日当初契約。

 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。