文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「食を通して好循環型の社会をめざす」という基本理念に基づき、24時間営業食品スーパーマーケットを展開しております。今後も、以下に定めた経営理念等の下で、多様化するお客様のニーズに積極的に答え、事業拡大に取り組んでまいります。
(2)経営戦略
当社は商品小売事業の単一セグメントであります。出店エリアである広島県、岡山県、香川県、愛媛県、徳島県、兵庫県及び山口県の瀬戸内沿岸部で、標準化した店舗によるドミナント化(一定の地域に集中して出店すること。)を目指してまいります。
出店形態は標準化した売場面積600坪型及び450坪型の24時間営業食品スーパーマーケットを主力業態としてまいります。競争環境が激化する中で、優位性を保つために、ビジネスモデルの進化に取り組んでまいります。
(3)経営環境
食品スーパーマーケット業界では、近年加速している人口減少等(少子高齢化)の影響から、マーケットの縮小が予測されます。また、異業種を含めたオーバーストア化及び消費者の生活防衛意識の高まり等により、競争の激化が進むと見込まれます。
当社は、広島県、岡山県、香川県、愛媛県、徳島県、兵庫県及び山口県の瀬戸内沿岸部の人口が密集する主要都市を商勢圏と設定し、長期ビジョン「瀬戸内商勢圏180店舗3000億円構想」を進めてまいります。今後も、継続的な新規出店を進め、商勢圏内のドミナント化を進めることで、マーケットシェアを高めてまいります。
①長期ビジョン
②長期ビジョンの進捗状況
※出典:株式会社流通企画 2023食品スーパーマーケット年鑑
(4)中長期経営戦略
当社は、2022年2月期より5カ年で、中期経営計画「2125計画」を推進しております。「2125計画」は、2025年度決算期(2026年2月期)までに、120店舗体制で営業収益2,000億円を達成する計画であります。3年目に当たる当事業年度は、営業収益1,954億円、店舗数106店舗となりました。
(5)対処すべき課題
今後の見通しにつきましては、景気は引き続き回復基調を維持するとの見方があるものの、物価の上昇等により、消費マインドの冷え込み懸念など、生活防衛意識による慎重な購買活動及び低価格志向が続くものと見込まれます。加えて、人口の減少、年齢構成及びライフスタイルの変化などが続き、これらへの対応及びオーバーストアなどの競争環境激化への対応が迫られております。
①出店における課題
広島、岡山、香川、愛媛、徳島、兵庫及び山口商勢圏でのドミナント化を確立してまいります。業態に関しましては、主にサバブ(郊外住宅地域)及びアーバン(都市住宅地域)に出店する売場面積600坪型・450坪型の標準化したフォーマットを確立してまいります。また、買物に便利な商業集積地として、異業種と複合化したオープンモール型のNSC化と商圏内ベスト立地の確保に引き続き取り組んでまいります。
②改装における課題
既存店の改装を行い業績の向上を再認識したため、今後は大規模な店舗改装を強化してまいります。お客様への快適な買物空間の提供、変化する消費者ニーズへの対応、LED照明・省エネルギータイプの空調・冷蔵設備等の導入による光熱費の低減、売場や作業場の標準化を行ない作業手順の統一による効率改善のため、既存店舗の改装は建設後の年数を考慮し計画的に取り組んでまいります。
③商品における課題
新鮮な生鮮食品、利便性の高い惣菜等の調理済み食品、メーカー製造の加工食品及び当社PB商品を販売計画及びカテゴリーマネジメントに基づいて、消費者へ提供してまいります。
当社PB商品「ハローズセレクション」に関しましては、積極的に商品開発を進め、品揃え等の充実をはかってまいります。開発商品、仕入商品の安全・安心に関しましては、社内自主衛生基準に基づく工場調査を継続的に実施してまいります。
商品の物流面に関しましては、早島物流センターを基軸に、その他物流センター等の物流網を有効的に活用し、商品の安定供給と物流の効率化を推進してまいります。
④店舗運営における課題
店舗における商品発注、商品補充、生鮮品の加工及び清掃等の業務が時間帯ごとに明確化された「24時間店舗運営システム」、24時間営業の商品・資材の提供を支援する「24時間物流システム」、そして顧客ニーズと各業務システムを連携する「24時間情報システム」をさらに高度運用することにより、労働生産性の向上、品切れによるチャンスロスの防止、売れ残り等のロスの削減、ローコスト・オペレーションの確立に努めてまいります。また、安全な商品を安心して購入していただくために、店舗衛生検査、表示チェックなどを強化し、適正な鮮度、品質、表示を継続してまいります。
⑤組織における課題
昇格制度や業績評価制度及び報奨金制度等のインセンティブを導入し、モチベーションの向上を促すとともに、各種研修プログラムの充実をはかり、人材育成に力を注いでまいります。また、営業力の強化のために、店長・副店長及び主任の早期育成並びにパートタイム社員の戦力化をはかります。採用に関しましては、今後の出店にともない、新卒者及びパートタイム社員を積極的に雇用するとともに、中途採用においても、嘱託社員及び経験者など優秀な人材の確保に努めてまいります。
⑥環境保全における課題
新規店舗及び既存店舗での再生可能エネルギー及び省エネ設備導入、店舗での電気使用量削減活動による省エネへの取り組み、食品リサイクル活動、エコセンターを活用した容器等の資源リサイクル等を推進し、環境負荷の低減に努めてまいります。
(6)目標とする経営指標
当社の経営上の主要指標は自己資本利益率(ROE)であり、その目標値は10%以上であります。
当社は、この指標を達成するため営業収益成長率5~10%を維持しつつ、売上高経常利益率の向上を目指しております。
新規出店基準におきましては、個別の投資条件と売上高予測を勘案し、投資対経常利益率(ROI)の当社基準値を満たした店舗開発を行ってまいります。
売上高経常利益率におきましては、高収益商品の開発、情報システム及び物流システムの改革並びに固定費の削減等に取り組み、売上高経常利益率4~5%を目指しております。
文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
当社は、社会課題解決と企業成長を両立させ持続可能な未来を実現するためサステナビリティ委員会を設置しております。サステナビリティ委員会では、取締役会と連携しながら、推進施策の決定や全社の取組の監視を行っております。
①サステナビリティ委員会の概要
②マテリアリティ(重要課題)
企業が環境及び社会貢献を考慮した経営に取り組むことは必須と言える時代になりました。これまでも当社では経営理念に「地域社会の生活文化向上に貢献する」を掲げ、食を通して好循環型の社会を目指すべく取り組んでまいりました。
地球環境、社会的及び経済的な課題についてステークホルダーと協働し、積極的且つ継続的に取り組むことで、世界中の人々の幸せづくりに貢献し、日々の業務の中でサステナビリティを意識した活動を一層推進してまいります。
サステナビリティの取組に当たっては、ステークホルダー及び当社の事業活動にとっての重要性を鑑み、特に重要度が高い課題を、当社が取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として特定いたしました。
イ.特定プロセス
a. 社会課題の把握と整理
ESG動向やメガトレンドを踏まえ、取締役を中心とした社内協議によりテーマの洗い出しを行いました。
b. 社会課題の重要性の評価
ステークホルダー及び当社の事業活動に与える影響の観点から社会課題を評価し、優先順位を特定いたしました。
c. マテリアリティ(重要課題)の特定
ステークホルダー及び当社の事業活動にとっての重要度の2つの軸から、マテリアリティ(重要課題)を検討し特定いたしました。
d. マテリアリティ(重要課題)の決定
常勤取締役、総合企画室長、人事教育部長、総務部長、財務経理部長及び開発部長で構成するサステナビリティ委員会にて、特定したマテリアリティ(重要課題)の内容について審議し承認いたしました。
ロ.当社の活動領域におけるマテリアリティ(重要課題)
a. 食を通じた経済
(a) 食の安全・安心
(b) フードロス・廃棄物削減
(c) 安価・安定的な食の提供
(d) 産地応援
b. 人財活躍
(a) 多様な人財の活躍
(b) 従業員満足度向上
(c) 職場環境の向上及び雇用維持
(d) ワークライフバランスの推進
c. 社会貢献
(a) 食を通じた地域社会・生活文化への貢献
(b) 地域社会との共存共栄
(c) 地域一番お客様貢献店づくり
d. 環境保全
(a) 循環型社会への貢献
(b) CO2排出削減
(c) 再生可能エネルギーの創出
ハ.当社の活動領域を支えるためのマテリアリティ(重要課題)
ガバナンス及びコンプライアンス
a. 強固なガバナンス体制の構築
b. コンプライアンスの徹底
c. CSR経営
d. 情報戦略(情報セキュリティポリシー)
e. BCP対策強化
①サステナビリティ方針
当社は、社訓・経営理念の下、事業を進める中で、地球環境、社会的及び経済的な課題に向き合い、それらの課題についてステークホルダーと協働し、積極的且つ継続的に取り組むことで、世界中の人々の幸せづくりを目指してまいります。
②事業領域
当社は、社会のサステナビリティへの取り組みを継続的に行うためには、当社自らが持続可能な事業を展開することが重要と考えております。この先、無くなることのない「食」に関する大きな市場の中で、生活者の豊かさを実現する「食品流通」というインフラ事業に経営資源を集中し、事業活動を行ってまいります。
③サステナビリティの基本的な考え方
当社は、地球環境や社会、経済などに配慮しながら、企業価値の向上を目指してまいります。また、サステナビリティに関する「4つの活動領域」を設定し、その具体的な取組課題についての進捗を定性又は定量的に管理し、取締役会にて監督してまいります。
④活動領域
イ.食を通じた経済に関する活動領域
当社は、地域のお客様の食文化向上に貢献するため、「安全・安心」な商品を「安価・安定」供給することに取り組んでまいります。
ロ.人財活躍に関する活動領域
当社は、取締役及び従業員の一人ひとりの成長が、サステナビリティへの取組を継続するためには最も重要と考えております。また、その人財が活躍できる体制整備に取り組んでまいります。
ハ.社会貢献に関する活動領域
当社は、社会及び人権に関する課題等に、積極的に取り組んでまいります。
二.環境保全に関する活動領域
当社は、地球環境への課題(CO2排出削減、エネルギー問題、資源の有効活用、自然破壊対策等)に、積極的に取り組んでまいります。
⑤気候変動
当社は、2023年4月に気候関連情報開示タスクフォース(TCFD)による提言に賛同いたしました。TCFDの枠組みを参考に、気候変動が当社の事業に与えるリスク・機会を把握、分析し、適切なリスクマネジメントを行い、これを事業戦略に反映させるとともに、適切な情報開示に努めてまいります。当社は、事業を通じて、地球温暖化の原因とされている CO2等の温室効果ガス排出の削減に貢献しながら、持続的な成長を目指してまいります。
TCFD の枠組みに基づく情報開示の内容については、サステナビリティ委員会が主導して毎年見直しを行い、内容の充実をはかってまいります。
⑥人材育成及び社内環境整備方針
当社は、取締役及び従業員の一人ひとりの成長が、サステナビリティへの取り組みを継続するためには最も重要と考えております。また、その人財が活躍できる体制整備に取り組んでまいります。
イ.取締役から一般社員まで階層別の教育体制の整備
ロ.従業員が働きやすい環境整備及び人事制度の構築
ハ.取締役及び従業員がダイバーシティへの理解を深めることができる環境整備と取締役及び従業員の
多様性の確保
二.従業員及びその家族に対しての健康維持促進活動
当社において、全社的なリスク管理は内部統制委員会が統括し、詳細なリスク管理はコンプライアンス委員会、危機管理委員会、J-SOX法対応委員会及びサステナビリティ委員会で行っております。サステナビリティ委員会が担当する重要なリスクについては、経営戦略会議及び常勤取締役会等の協議を経て、内部統制委員会より取締役会へ報告し監督しております。
当社は、前記「(2)戦略」において記載した、気候変動及び人材育成及び社内環境整備方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
①気候変動
イ.CO2排出量削減目標の設定
当社では、カーボンニュートラルを見据えた持続可能な事業活動を達成するため、CO2排出量削減のための目標を設定いたします。
ロ.CO2排出量実績 (算定対象会社 株式会社ハローズ)
(単位:t-CO2)
②人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、
指標及び目標
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出した
ものであります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)
の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行
規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したもの
であります。
当社は、事業等に関するリスクについての定期的な評価を実施しており、その中で投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を下記に記載しております。したがって、以下は当社に関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外にもリスクは存在します。当社は、事故、障害、災害等が発生する可能性を踏まえ、発生の回避及び発生した場合の対応に努めてまいります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1)出店戦略について
当社は、現在広島県、岡山県、香川県、愛媛県、徳島県、兵庫県及び山口県に店舗を展開しております。今後も、周辺地域を含めて店舗網を拡充する計画を継続してまいります。出店先の選定につきましては出店条件を設定し、立地条件、周辺人口、採算性等の調査に基づき、投資回収期間及び予想利益等の一定条件を満たすものを出店対象としておりますが、出店条件に合致する物件がなく出店を取りやめる場合又は諸条件の変更等により出店予定数の見直しや開発コストが増大する可能性があります。これらに伴い、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社店舗の出店及び増改築に際しては「大規模小売店舗立地法」の規制を受ける場合があり、売場面積1,000㎡を超える店舗の新規出店及び増改築については、都道府県又は政令指定都市及び指定された市に届出が義務付けられております。「大規模小売店舗立地法」届出後、駐車台数、騒音対策、廃棄物処理等について、地元住民の意見を踏まえ審査が進められます。したがって、審査の状況及び規制の変更等により、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2)経営環境について
当社は、食品スーパーマーケットを主体としており、個人消費者との結びつきが強い業種であります。したがって、経済環境等の悪化による消費購買力の低下、天候要因による季節の売れ筋商品の変化等により売上が低下する場合があります。また、競合他社の進出や業態変更による競争の激化等での売上の低下、あるいは商品調達価格の上昇などによる収益性の悪化などは、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、生食肉及びノロウイルスによる食中毒、鳥インフルエンザの発生や食品の偽装問題などに見られるように、食の安全性を揺るがす問題の発生は、消費者の購買意欲を低下させる要因となり、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3)食品衛生管理について
当社は、食料品の小売業として「食品表示法」等の規制を受けており、商品の取り扱いに関する衛生管理、鮮度管理、温度管理及び表示管理等に対し厳格な注意を払っております。また、マニュアルに基づき従業員の衛生管理意識の徹底もはかっております。一方で、製造委託先工場への立入り検査や店頭商品の抜取り検査を行うなど、全社一丸となり商品全般で予見されるリスクの発生防止に取り組んでおります。
しかしながら、上記の衛生管理等の取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合には、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4)商品開発について
当社は、PB商品の開発を積極的に行っており、その開発にあたっては、「適切な品質」、「低価格」及び「安全・安心・健康」を基本コンセプトにし、品質管理においては、上記(3)に記載のとおり、厳格な管理を行っております。しかしながら、商品が消費者ニーズに合致しなくなった場合、又は当社PB商品に起因する事故等が発生した場合は、当社に対する信頼の失墜、売上高の低迷等により、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5)個人情報及び特定個人情報の取扱いについて
当社は、役員、従業員、顧客及び取引先に関する個人情報を取り扱っております。また、2016年1月より利用開始したマイナンバー制度にともない特定個人情報も取り扱っております。「個人情報の保護に関する法律」及び「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」は、個人情報及び特定個人情報を取り扱う事業者に対して、当該情報を安全に管理する義務、利用目的を特定及び限定して当該情報を利用する義務等を定めております。当社では、諸規程を定めるとともに、従業員の意識改革、保管場所の改善やセキュリティ強化等、法の遵守に努めておりますが、当該情報の流出が発生した場合には、当社の社会的信用の低下、該当者からの損害賠償請求等により、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)システムトラブルについて
当社は、情報システムの安全管理体制構築をはかっております。しかし、自然災害及び外部からのサイバー攻撃等によるソフト及びハードウェア障害等のシステムトラブルが発生した場合、店舗運営に支障をきたすこととなり、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、物流や商品供給等の重要なインフラの業務委託先の技術力や収益力等が著しく低下した場合や当該業務委託先との契約の継続が困難となった場合も、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7)固定資産の減損会計による影響について
当社は、出店するにあたり建物、土地を一部自社保有しております。2007年2月期から固定資産の減損会計の適用を受けており、保有する固定資産に減損処理が必要になった場合は、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8)人件費の増加について
近年、労働人口の減少及び企業間の採用競争激化により、人材の確保が逼迫してきました。そのような状況の中で、当社は、従業員が働き易い環境整備及び処遇待遇の改善を強化しておりますが、さらに、時間給や基本給等の見直し及び社会保険制度の改正等により人件費が大幅に増加した場合、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9)人材の確保と育成について
当社は、優れた人材の採用及び教育を最重要課題の一つとしており、今後の事業拡大には、パートタイム社員も含め優秀な人材の確保が不可欠であると認識しております。従業員に対しては、昇格制度や業績評価制度、また、報奨金制度等のインセンティブを導入し、モチベーションの向上を促すとともに、各種研修プログラムの充実をはかり、人材育成に力を注いでおります。しかし、予期せぬ外部環境の変化により人材の確保及び育成が進まない場合、出店計画の見直し、店舗管理レベル及び商品力の低下等により、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10)消費税率引き上げについて
今後、消費税率の引き上げが適用された場合、食料品等個人消費への影響が予測され、加えて、新制度への対応等の費用発生により、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11)賃借した土地等の継続的使用について
当社は、新規出店の際に土地及び建物を取得する場合と賃借する場合があります。賃借する場合は対象物件の権利関係等の確認を行っておりますが、土地等の所有者である法人・個人が破綻等の状態に陥り、土地等の継続的使用が困難となった場合には、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12)敷金及び保証金について
当社は、賃借による出店にあたり、敷金及び保証金の差入れを行っております。この差入敷金保証金を担保するために賃借権の登記等保全対策を講じております。また、差入保証金の一部は賃借期間にわたっての分割返済を受けておりますが、賃借先の経済的破綻等によりその一部又は全部が回収できなくなった場合、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13)金利変動による影響について
当社は、主に長期借入金により設備投資資金の調達をしております。主に固定金利による借入であるため、金利変動による影響は比較的少ないものと考えられます。しかしながら、今後の資金調達において、急激に金利が上昇した場合、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(14)災害等による影響について
当社は、一定地域に集中して出店しております。このため、地震や台風などの自然災害が発生した場合、多数の店舗が被害を受ける可能性があります。また、災害等による交通の遮断、放射性物質の影響などにより、商品の流通や仕入が困難となった場合は、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(15)24時間営業について
当社は、24時間営業の店舗を主体としております。出店に際し、近隣住民の皆様への事前説明を実施するなど、営業に関するご理解をいただいております。しかし、今後の環境変化により、24時間営業ができなくなった場合、物流や作業の変更によるコストが発生し、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(16)各種感染症による影響について
当社の店舗、物流センター及び本部では、公衆衛生の徹底等の感染症拡大防止対策に取り組み、ライフラインとして食料品を販売する社会的役割を継続しております。
また、当社の標準タイプである600坪型を中心とした広い店舗、時間分散が可能な24時間営業の事業形態は、感染症の拡大防止に適しているものと考えております。
しかし、今後、国内で各種感染症の蔓延が発生した場合、店舗の休業、本部及び物流センターの機能不全、流通・仕入活動の停滞、テナントの業績悪化及び消費者の購買意欲を低下させる風評リスクの発生等、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、当社は、商品小売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
また、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在で判断したものであります。
(1)財政状態の状況
① 流動資産
現金及び預金は、前事業年度末に比べ422百万円増加し17,127百万円(前期比2.5%増)となりました。預け金は、前事業年度末に比べ121百万円減少し1,011百万円(前期比10.7%減)となりました。その結果、流動資産は前事業年度末に比べ1,286百万円増加し、25,034百万円(前期比5.4%増)となりました。
この主な要因は、店舗数増加に伴う収益の増加によるものであります。
② 固定資産
有形固定資産は、新規店舗及び物流センターの建設、出店用地の土地購入等により、前事業年度末に比べ3,432百万円増加し、67,323百万円(前期比5.4%増)となりました。無形固定資産はソフトウエアの取得などにより、前事業年度末に比べ377百万円増加し916百万円(前期比70.0%増)となりました。投資その他の資産は、繰延税金資産等の増加により、前事業年度末に比べ40百万円増加し、11,010百万円(前期比0.4%増)となりました。その結果、固定資産は、前事業年度末に比べ3,850百万円増加し、79,250百万円(前期比5.1%増)となりました。
③ 流動負債
買掛金は、前事業年度末に比べ1,199百万円増加し10,685百万円(前期比12.6%増)となりました。その結果、流動負債は前事業年度末に比べ1,140百万円増加し、24,027百万円(前期比5.0%増)となりました。
この主な要因は、店舗数増加によるものであります。
④ 固定負債
長期借入金は、前事業年度末に比べ3,880百万円減少し、10,176百万円(前期比27.6%減)となりました。その結果、固定負債は、前事業年度末に比べ3,712百万円減少し、17,742百万円(前期比17.3%減)となりました。
この主な要因は、借入金の返済によるものであります。なお、新規の借入は行っておりません。
⑤ 純資産
株主資本は、別途積立金及び繰越利益剰余金等が増加したことなどにより、前事業年度末に比べ7,654百万円増加し、62,295百万円(前期比14.0%増)となりました。その結果、純資産合計は、前事業年度末に比べ7,707百万円増加し、62,514百万円(前期比14.1%増)となりました。
(2)経営成績の状況
a.経営成績
① 営業収益
売上高は、前事業年度に比べ21,112百万円増加し、189,932百万円(前期比12.5%増)となり、営業収入は、前事業年度に比べ224百万円増加し、5,512百万円(前期比4.3%増)となりました。
以上の結果、営業収益は、前事業年度に比べ21,337百万円増加し、195,444百万円(前期比12.3%増)となりました。
この主な要因は、4店舗の新規出店、前事業年度開店店舗及び既存店舗によるものであります。なお、既存店舗の売上高前年比は107.9%でした。
② 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価につきましては、売上高の増加により、前事業年度に比べ14,988百万円増加し、141,094百万円(前期比11.9%増)となりました。
販売費及び一般管理費につきましては、前事業年度に比べ4,531百万円増加し、43,479百万円(前期比11.6%増)となりました。
この主な要因は、4店舗の新規出店及び前事業年度開店店舗等に関する経費の増加によるものであります。
③ 営業利益
以上の結果、営業利益につきましては、前事業年度に比べ1,818百万円増加し、10,870百万円(前期比20.1%増)となりました。
④ 営業外損益
営業外収益につきましては、前事業年度に比べ34百万円減少し、165百万円(前期比17.3%減)となりました。
営業外費用につきましては、前事業年度に比べ28百万円増加し、139百万円(前期比25.3%増)となりました。
⑤ 経常利益
以上の結果、経常利益につきましては、前事業年度に比べ1,755百万円増加し、10,896百万円(前期比19.2%増)となりました。経常利益率は前事業年度と比べ0.3ポイント増加し、5.7%となりました。
⑥ 特別損益
特別利益につきましては、補助金収入等を計上したことにより、449百万円(前期比13,981.6%増)となりました。
特別損失につきましては、固定資産除却損等を計上したことにより、27百万円(前期比108.6%増)となりました。
⑦ 当期純利益
以上の結果、税引前当期純利益につきましては、前事業年度に比べ2,187百万円増加し、11,318百万円(前期比24.0%増)となり、法人税等負坦額は前事業年度に比べ200百万円減少し、2,729百万円(前期比6.8%減)となりました。その結果、当事業年度における当期純利益は前事業年度に比べ2,387百万円増加し、8,589百万円(前期比38.5%増)となりました。
⑧ 自己資本利益率(ROE)についての分析
当社は経営上の目標指標として、自己資本利益率(ROE)10%以上を目指しております。
当事業年度の自己資本利益率(ROE)の実績は、14.7%(前事業年度11.9%)でした。内訳は、当期純利益8,589百万円(前期比38.5%増)、自己資本(期中平均)58,469百万円(前期比12.5%増)でした。その主な要因は以下の2項目であります。
1) 販売政策による客数増加及び商品原価等の高騰による商品売価の引き上げ等により、既存店の売上高前年比は107.9%となり、一方で販売費及び一般管理費率が抑制されたことにより、経常利益が増加したこと。
2) 坂出ロジスティクスセンター新設に係る助成金及び賃上げ促進税制に係る税額控除等により当期純利益が大幅に増加したこと。
今後も新規出店を継続しつつ、24時間営業及びオペレーション、商品開発、生産性、ロジスティクス及び店舗開発等の改善に取り組み、自己資本利益率(ROE)10%以上を目指してまいります。
① 仕入実績
当事業年度の仕入実績を商品部門別に示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注) 金額は、仕入価格によっております。
② 販売実績
当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。
イ.商品部門別販売実績
(単位:百万円)
(注) 主な販売先の販売実績で、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はありません。
ロ.地域別販売実績
(単位:百万円)
ハ.単位当たり売上高
(注) 1 金額には、消費税等は含まれておりません。
2 売場面積(期中平均)は、営業月数単位による加重平均で算出しております。
3 従業員数(期中平均)は、パートタイマー、アルバイト及び嘱託契約の従業員を含んでおります。なお、パートタイマー、アルバイト及び嘱託契約の従業員は1日8時間換算の期中平均により算出しております。
(3)キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローに関しては、順調に利益を獲得しており、特段の問題はありません。詳細は以下のとおりであります。
① 現金及び現金同等物
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税引前当期純利益11,318百万円、有形固定資産の取得による支出6,801百万円、長期借入金の返済による支出4,153百万円等の要因により、前事業年度末に比べて301百万円増加し、18,139百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
② 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は13,154百万円(前期比2,535百万円増加)でありました。これは主に、税引前当期純利益11,318百万円(前期比2,187百万円増加)、減価償却費4,259百万円(前期比566百万円増加)によるものであります。
③ 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は7,249百万円(前期比4,270百万円減少)でありました。これは主に、出店候補地の土地及び新店舗の建設等に伴う有形固定資産の取得による支出6,801百万円(前期比3,993百万円減少)、無形固定資産の取得による支出607百万円(前期比221百万円増加)によるものであります。
④ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は5,603百万円(前期は4,075百万円の収入)でありました。これは主に、長期借入金の返済による支出4,153百万円(前期比493百万円増加)及び配当金の支払額897百万円(前期比42百万円増加)によるものであります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社は、運転資金及び設備投資資金につきまして、主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び銀行等からの借入金により資金調達をしております。資金計画につきましては基本的に営業活動により得られた資金を有効活用し有利子負債の削減を図ることとしております。
当社のキャッシュ・フロー指標は次のとおりであります。
(注) 1 各指標の算出基準は以下のとおりであります。
自己資本比率 (自己資本)÷(総資産)
時価ベースの自己資本比率 (株式時価総額)÷(総資産)
債務償還年数 (有利子負債)÷(キャッシュ・フロー)
インタレスト・カバレッジ・レシオ (キャッシュ・フロー)÷(利払い)
2 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式総数をベースに算出しております。
3 有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象にしております。
4 キャッシュ・フロー及び利払いにつきましてはキャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フロー及び利息の支払額を使用しております。
5 2020年2月期の総資産には、期末金融機関休業日による仕入債務等の未決済分が6,516百万円含まれております。
6 2021年2月10日及び2月24日を払込期限とする新株式発行により、資本金及び資本準備金がそれぞれ2,316百万円増加しております。
7 2021年2月期の総資産には、期末金融機関休業日による仕入債務等の未決済分が7,265百万円含まれております。
(4)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、財務諸表の作成時において、新型コロナウイルス感染症拡大が会計上の見積りに及ぼす影響は重要でないと評価しております。
特記すべき事項はありません。
特記すべき事項はありません。