当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「ヤマザワグループは、お客様に安心と豊かさを提供し、地域の健康元気を応援するとともに、従業員一人一人が輝く企業を目指します」をグループ経営理念と定め、「地域に愛される、健康元気な100年企業を目指す」をグループビジョンに掲げております。日々の生活に欠かせない食料品・日用品を販売する事業を通じて、お客様の生活をより豊かにし、地域にとって欠かせない企業となるため、総力をあげて取り組んでおります。
(2)経営戦略
当社グループは、スーパーマーケット事業を核とし、合わせて、ドラッグストア、調剤薬局、食品の卸製造業を展開いたしております。
販売エリアも業態も異なる各社それぞれが自社の強みを充分に活かしつつ、一方で、管理面・システム面の統合を推進することで、グループとして最大限の効果を発揮する「グループ一体運営」の実現を目指してまいります。
スーパーマーケット事業においては、共同仕入・販売戦略の統一、本部機能のスリム化を目指します。ドラッグストア事業においては、調剤のドラッグインストア化の推進、収益のあがる店舗フォーマットの作成に取り組みます。その他事業のサンコー食品においては、新設されたデリカセンター惣菜商品力・供給力の強化、ひいてはSM事業のローコスト化貢献を目指します。
(3)目標とする経営指標
当社グループは、連結売上高経常利益率を重要な経営指標ととらえており、その目標は、3%であります。業界水準は概ね1.5%~4%程度と認識いたしておりますが、売上高経常利益率3%を継続的に確保することで、各ステークホルダーに対しての適切な還元や、持続的な成長のための投資が可能になると考えております。
(4)経営環境
① 人口減少・高齢化・マーケット縮小
(ア)買物難民の増加(イ)担い手不足・ITによる代替(ウ)ネットスーパー・宅配等需要増
② 業種・業態を超えた競争激化
(ア)ドラッグストア…食品特化店の脅威(イ)ディスカウンター…低価格ニーズにマッチ
(ウ)EC拡大…実店舗に行かなくても購入可能
③ 新型コロナウィルスの影響と今後の動向
(ア)買物行動の変容…時短、ワンストップ(イ)消費行動…節約志向、低価格ニーズ
(ウ)スマートフォン活用…決済、SNS、アプリによる手段の多様化
④ コスト高騰
(ア)仕入れ価格高騰(イ)光熱費、物流費、建設費上昇(ウ)人件費、採用コスト増
⑤ 社会的要請、技術の進化
(ア)デジタル化推進が急務(イ)SDGsへの対応(ウ)市場区分変更
(5)対処すべき新たな課題
① ライフスタイルの変化への対応
② 付加価値創造、価格戦略(優位性確保)
③ 全員の能力を最大化できる環境整備
④ デジタルを活用した販売促進、生産性向上
⑤ 企業価値向上、サステナブル経営
(6)当社の目指す姿
「すべてのステークホルダーにご満足いただく」ことを基本姿勢とし、企業活動を通じ、お客様・株主様・お取引先様および地域社会との絆をより強固なものとし、そのうえで、従業員が「働いてよかった」と思える魅力的な企業を目指します。
(7)第3次中期経営計画の概要(2023年2月期~2025年2月期)
〔重点課題〕
(ア)顧客の創造
・商品開発…地元商品開拓・ヤマザワブランド開発と地産地消推進
・価値訴求…提案力のある買いやすい売場づくりと販売力強化
・設備投資(SM事業、サンコー食品)…新店6店、活性化12店、デリカセンター
(イ)新たな生産性の獲得
・業務効率化…ペーパーレス化、アウトパック推進
・DX推進…付加価値業務への人的資源集中と、ITインフラ整備
・商品供給体制の構築…デリカセンター活用、新物流体制の構築
(ウ)サステナビリティ
・地域貢献…食育事業と自治体との連携
・環境対策…CO2排出量削減、食品ロス削減と省エネ対策
・働きやすい環境整備…女性管理職登用推進:6%以上目標、仕事と家庭の両立支援、健康経営優良法人の認定取得
(エ)組織基盤整備
・グループシナジーの追求…業務・仕入、商品供給体制効率化
・スーパーマーケット事業…株式会社ヤマザワ、よねや商事株式会社 2023年3月合併
・サンコー食品…惣菜商品力・供給力強化、SM事業のローコスト化に貢献
・ヤマザワ薬品…調剤のドラッグインストア化促進、収益の上がる店舗のフォーマット作成
(オ)人材育成
・全員の戦力化…現場スキルの強化と、学習による素養向上
・教育制度改革…OJT指導者の育成と、教育ツールIT化
・人事制度・評価制度見直し…給与体系の見直しと、公平性の高い評価制度
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ基本方針
当社グループは、「お客様に安心と豊かさを提供し、地域の健康元気を応援するとともに、従業員一人一人が輝く企業を目指します」をグループ経営理念として掲げています。この経営理念に基づき、当社グループは、事業活動を通して地域の皆様の健康で豊かなくらしの実現を応援するとともに、将来にわたる環境保全や、従業員の成長支援・働きやすい職場環境づくりを推進します。こうした取組みを通じて持続可能な社会の実現に貢献し、グループビジョンとして標榜している「地域に愛される、健康元気な100年企業」を目指します。
(2)マテリアリティ(重要課題)の特定
①マテリアリティの特定プロセス
当社では、ステークホルダーにとっての重要度、当社グループの事業にとっての重要度の2つの観点から、優先して取組むべき社会課題を抽出し、7つのマテリアリティを設定しました。
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STEP 1 |
社会課題の抽出と、自社取組み分析・ステークホルダーの要請確認 |
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一般的な社会課題を基に、経営陣を含む社内の関係者へのアンケート・ヒアリングを通じて、自社の現在の取組みを整理し、自社にとっての重要性を確認しました。 また、外部格付け機関(SASB,S&P 等)、ベンチマーク先企業の開示情報、消費者動向などから外部ステークホルダーが当社の属している業界に対して期待していることを分析しました。 |
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STEP 2 |
マテリアリティ分析の実施(抽出した課題の評価) |
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一般的な社会課題(25個)に対して、①ステークホルダーにとっての重要度と、②自社にとっての重要度の2つを軸にマッピングし、重要度を可視化しました。 |
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STEP 3 |
マテリアリティの議論・特定 |
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マテリアリティ分析の結果抽出した12項目について、経営陣を含む社内での議論を経た上で、7つのマテリアリティに再構成しました。 |
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STEP 4 |
マテリアリティの取組み方針の策定 |
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7つのマテリアリティについて、今後の取組み方針を決定しました。 |
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②特定したマテリアリティ
当社グループでは、サステナビリティ基本方針に則り、企業価値創造と持続可能な社会を実現する上で重要と考える事項を、マテリアリティ(重要課題)として特定しました。
特定したマテリアリティごとに、以下のような取り組み方針や取組みテーマを掲げ、各課題の解決に向けた具体策の策定と推進に取組んでいきます。
(3)ガバナンス
・代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ推進委員会」において、人的資本をはじめとした各種サステナビリティ課題に関わる基本方針や重要事項、リスクなどを(3カ月に一回の頻度で)検討・審議します。
・「サステナビリティ推進委員会」で人的資本をはじめとした各種サステナビリティ課題に関する検討を行い、取締役会に上程・報告し、取締役会が監督・指示を行います。(取締役会には、年2回の報告を行います。)
・取締役会で審議・決定された議案は、各部門に展開され、経営計画・事業運営に反映します。
(4)戦略
・人的資本経営への取組み
グループ経営理念において、従業員一人一人が輝く企業を目指すことを掲げているように、当社にとって人材は、お客様に選ばれ続け、地域の皆様に貢献し続ける上での必要不可欠な経営資源であると考えています。
中長期的な企業価値の向上に向けて、以下のような方針を通じて従業員の育成及び従業員が働き続けたいと思える環境の整備を進め、地域に愛される、健康元気な100年企業を目指してまいります。
(ア)人材育成方針
今期の事業面での重点施策として、主として以下のような項目を掲げています。
▹魅力的な商品展開や売り場作り、お客様の利便性向上
▹更なる生産性の向上にむけた従業員の多能化、供給体制の拡充
▹組織基盤の整備、グループ連携の強化
これらの重点課題を実現させていくために、これまで以上に従業員一人ひとりの成長や組織の充実化を推進してまいります。人材育成・体制充実の面では、特に「リーダーシップ」「育成」「スキル」「採用」が重要であると考えています。具体的には、以下のような取組みを推進してまいります。
a.魅力的な商品の展開
お客様が手に取りたくなるような、魅力ある商品を展開する為に、商品企画・開発・ブランディングを推進する部署として「ブランド戦略室」を設置しました。この「ブランド戦略室」の役割・機能を最大限発揮していくためには、企画・開発人材の個々のレベルアップが必要であると考えており、そのために今後、外部専門人材による企画開発プロセスの監修や、社会環境・市場トレンド調査による知見の蓄積といった取組みを進めてまいります。
b.商品の魅力が伝わる売り場づくり
来店いただいたお客様に商品の魅力が伝わるような売場づくりを進めていくために、売場づくりを主導する本部企画担当人材(バイヤー)の育成や、店舗現場に携わる店舗オペレーション人材の確保・育成の両面が重要と考えております。そのために外部機関主催による、バイヤー研修・部門責任者研修への参加、また、社内においても新入社員研修・部門別研修を実施いたしました。今後も継続的な研修の実施を進めると共に、売り場づくりのノウハウの可視化・店舗間での共有化などによる育成の加速を図ります。
c.ITテクノロジー導入によるお客様の利便性向上
店舗における電子決済への対応や、EC強化など、ITテクノロジーの更なる導入により、お客様にとってよりお買い物をしやすい環境を整えていきます。そのためには、社内においてITスキルの蓄積・拡充が重要と考えており、専門人材の採用強化に取組みました。今後も引き続き採用強化に取組むと共に、IT関連スキルの資格取得補助制度の拡充を行ってまいります。
d.ドラッグストア内での調剤薬局の開設
ドラッグストア店舗に来店していただくきっかけを広げていくために、店舗内への調剤薬局の開設を進めており、そのために薬剤師等専門スタッフの拡充を併せて進めていく必要があります。これまでも専門人材の採用強化に取り組んでまいりましたが、今後とも更なる拡充を図ってまいります。
e.従業員の多能化
店舗業務の更なる生産性向上に向けて、従業員の“多能化”を進め、一人の従業員が、複数部門の業務に対応できる体制に整えてまいります。また、本社部門においても、業務量の変動や社員の異動・休暇に柔軟に対応できるよう、社員の多能化を推進し、本社業務を代わり合って担える体制に整えてまいります。そのために、継続的なOJT教育(社員の目標管理、上長による進捗状況のフォローアップ)を行ってまいりました。今後は知識・技術の継承を目的とした社内講師による研修等も進めてまいります。
f.供給体制の拡充
店舗業務の効率化にむけて、惣菜商品のアウトパック化を推進しており、グループ会社の株式会社サンコー食品においては、惣菜商品のパッキングラインの拡張を図りました。同社においては、惣菜商品の品揃え強化に対応した供給体制の拡充も進めており、継続的に製造要員の育成・確保を進めてまいります。
g.食品衛生・品質管理の徹底
株式会社サンコー食品における供給力の拡大と併せて、食品衛生・品質管理の水準を維持・向上させることも重要課題であると認識しています。そのために、これまで専門人材の積極的な確保や、社内における資格取得支援制度の制定等を行ってまいりました。今後は資格取得の推奨強化、資格取得支援制度の充実化により、さらなる体制強化を図ってまいります。
h.スーパーマーケット事業の組織的な運営(本部と店舗の連携強化)
全社的な事業戦略、施策を各店舗に浸透させ着実に実行していく上では、本部と各店舗の橋渡しとなるブロック長や、各店舗で施策を主導する店舗責任者が、より一層リーダーシップを発揮していくことが重要であると考えています。これまで、外部研修への派遣、同業他社との人材交流といった取り組みにより、ブロック長・店舗責任者のマネジメント力の強化を進めました。今後はさらに外部研修への派遣人数の拡大や同業他社の交流の更なる促進により取組みを加速してまいります。
(イ)社内環境整備方針
当社では、マテリアリティの一つとして「生き生きと働く場の提供」を掲げており、その実現に向けて、特に「ワークライフバランスの推進」、「社員の健康維持、促進」、「性別、年齢、国籍に関係なく働きやすい職場環境の実現」の3つの観点から、従業員が働きやすい職場づくりを進めてまいります。また、「従業員のモチベーション強化」に向けて、新人事制度の導入も進めてまいります。それぞれの狙いや具体的な取り組みは以下の通りです。
a.ワークライフバランスの推進
当社は、子育て世代の従業員のワークライフバランスを向上させるための取組みとして、男女育児休暇の制度を取り入れております。当年度の取得率は、女性の育児休暇は100%、男性の育児休暇は91.7%でした。また、「時間外労働削減に関する労使共同宣言」を労働組合との間で締結しました。労働組合・人事教育部合同で各店・各部の個別問題を相談・指導し、さらなるワークライフバランスの推進に努めてまいります。
b.社員の健康維持・促進
当社は、社員の健康を維持し、また促進していくために下記の取り組みに取組んでおり、「健康経営優良法人2024」の認証を取得しました。今後とも、社員の健康維持・促進に向けてさらなる充実を図ってまいります。
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定期健診・二次健診の実施 |
・当社社員を対象に実施。また受診率を100%に近づけるために、店舗を巡回する形での健診の実施、未受診者への受診勧奨などの取組みも行っている。 |
|
健康アンケートの実施 |
・睡眠や食生活など、健康診断等では見えにくい部分を、社内の健康アンケートを通して可視化し、従業員の健康保持及び増進に取組んでいる。 |
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情報発信 |
・健康通信を社内イントラネットで月1回配信し、健康に役立つ情報提供を実施。 |
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感染症予防 |
・インフルエンザ予防接種費用の一部助成、店舗売場内及びバックヤードのアルコール設置、レジ及びサービスカウンターにおけるパーテーション設置、レジ待ち位置表示等を実施。 |
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禁煙の推奨 |
・受動喫煙予防対策として、本社及び店舗の敷地内で全面禁煙を実施。 |
c.性別、年齢、国籍に関係なく、働きやすい職場環境の実現
当社は、様々な性別・年齢・国籍など、多様なバックグラウンドを持っている従業員が快適に働ける職場環境を整備してまいりました。中でも、女性活躍推進に向けて、2023年度に「レディースプロジェクト」を発足させました。今後も、上記プロジェクトとの連携による女性管理職の登用推進、中途キャリア採用の強化等の取組みを行ってまいります。
(5)リスク管理
・人的資本をはじめとしたサステナビリティ課題の特定プロセスにおいて、サステナビリティの関連課題を広く洗い出し、リスクと機会の両面を考慮した上で重要項目を特定しています。重要項目として特定した項目は、「サステナビリティ推進委員会」で継続的に確認していきます。
・管理プロセスとして、「サステナビリティ推進委員会」を通じて、各種サステナビリティに関する分析、対策の立案と推進、進捗管理等を実践していきます。「サステナビリティ推進委員会」で分析・検討された内容は、取締役会や経営会議に報告し、全社で統合したリスク管理を行います。
(6)指標及び目標
・人的資本経営に関する指標及び目標を下記のとおり設定しております。
|
指標 |
実績 (2022年度) |
実績 (2023年度) |
目標 (2024年度) |
|
経営人材育成研修 |
18名 |
8名 |
10名 |
|
研修受講者数(注)2 |
2,210名 |
1,214名 |
1,250名 |
|
累計有資格者数 (食品表示検定) |
食品表示検定 292名 |
食品表示検定 310名 |
食品表示検定 330名 |
|
累計有資格者数 (登録販売者)(注)3 |
登録販売者 299名 |
登録販売者 302名 |
登録販売者 310名 |
|
平均勤続年数 |
18.2年 |
17.5年 |
18.0年 |
|
全役員に占める女性役員比率 |
10.0% |
8.3% |
8.3% |
|
女性管理職の管理職に 占める構成比率 |
5.3% |
7.3% |
7.5% |
|
障がい者雇用率 |
2.77% |
3.16% |
3.00% |
|
男女間での給与差 |
59.2% |
62.1% |
63.0% |
|
育休復帰者の育児短時間 勤務の利用割合 |
100% |
100% |
100% |
|
育児休業等後の復職率・ 定着率 |
100% |
100% |
100% |
|
男性育児休暇取得率 |
32.0% |
84.6% |
100% |
|
女性育児休暇取得率 |
100% |
100% |
100% |
|
定期健康診断実施割合 |
89.1% |
96.3% |
100% (2025年度以降) |
|
精密検査受診割合 |
90% |
80.2% |
100% (2025年度以降) |
(注)1.当社グループに属する全ての会社で指標及び目標の設定が行われているものではないため、当社グル
ープにおける記載が困難となっております。このため、主な指標に関する目標及び実績は、当社のも
のを記載しております。
2.2022年度より新たな研修カリキュラムを導入し積極的な受講を推奨したため、初年度の「経営人財育
成研修参加者」および「研修受講者数」が多くなっております。
3.連結子会社であります株式会社ヤマザワ薬品における累計有資格者数を記載しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1)業界動向・競合環境
現在のスーパーマーケット業界は、消費の飽和状態に加えオーバーストア状況にあるものの、引き続き各社の積極的な新規出店が続いております。近年は、資本提携や合併等による経営規模の拡大化、また、大手量販店、ドラッグストア、ホームセンター、コンビニエンスストア等との業界垣根を越えた競争や、ネット宅配等の新業態の進展等もあり、企業間競争は更に激しさを増しております。このような中、当社グループにおいては、地域密着型の企業としてドミナント経営を軸とし、品質、価格、サービス面等において地域のお客様からより信頼を得られるよう努め競合他社等との差別化を図っていく所存ですが、こうした競合は当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)出店政策
当社グループは、スーパーマーケット及びドラッグストア等の多店舗展開を行っており、既存店の活性化とともに新規出店計画を実行中でありますが、用地選定、地権者との交渉、テナント募集、出店に伴う各種法的手続き等にはある程度期間を要することから、これらの進捗状況によっては、今後の開発計画及び計画中の一部店舗について変更・修正等を行うことが予想されます。また、災害・事故、人手不足等による工期の遅れや建築単価の高騰等によっても、対応するための計画変更が必要となり、場合によってはやむを得ず計画を中断することもあり得ます。このような場合は、各利害関係者や業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、店舗の新規出店及び既存店の売場面積等の変更については、「大規模小売店舗立地法」の規制を受けております。
(3)自然災害・事故
当社グループの各本社、物流センター、出店地域等において大地震や台風、集中豪雨等の自然災害または予期せぬ事故等が発生した場合は、流通網等に物理的損害が生じるなど営業活動が阻害され、建物等固定資産や棚卸資産への被害等によっては、営業継続に支障をきたす可能性があります。また、国内外を問わず、災害、事故、暴動、テロ活動、新型インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、その他当社グループの仕入・流通網に影響する何らかの事故が発生した場合は、営業活動が阻害され、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)商品の安全性・衛生管理
当社グループは、生鮮食品を中心に加工食品、日配食品、その他日用品、薬品等、広範囲に亘り商品を扱っております。お客様に安全・安心な商品を提供するため、品質管理および商品の表示に関する担当組織の強化を図り、取引先を含めた商品管理の徹底、生産履歴の明確化(トレーサビリティ)、適正な食品表示等に努めるとともに、衛生・温度管理に日頃より十分な注意を払い、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)を徹底し、常に安全で衛生的な店づくりを心がけております。しかしながら、万一食中毒や異物混入の発生等でお客様にご迷惑をお掛けする事態が発生したり、調達した商品について有害物質・放射能等による予期せぬ汚染等が発覚したりした場合、また、BSEや鳥インフルエンザ等の不可抗力な要因が発生し、お客様の食品に対する不安感から商品の需要が減少するなどした場合は、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)人材の確保・育成
当社グループにおいて更なる成長を実現するためには、優秀な人材の確保及び育成が重要な課題となります。このため、新卒採用、中途採用並びにパートタイマーの確保に積極的に取り組むとともに、社員の配置転換や社内研修制度・昇給昇格制度の充実を図るなど、人材の育成に注力しております。しかしながら、人材獲得競争の激化等により十分な採用が行えない場合及びその育成が計画どおりに進まない場合は、出店計画の見直しや商品力の低下等により営業活動に支障をきたし、また、人件費負担が増加し、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)法令・制度の変更
当社グループは、労務関連、環境整備関連をはじめとする各種法令・制度に十分留意のうえ事業活動を進めておりますが、新たな法令・制度の制定及び導入を含む各種法令・制度の変更が生じた場合は、対応によるコスト負担が発生し、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)個人情報の管理
当社グループは、ポイントカードによるお客様サービスに伴うカード会員情報のほか、ギフト配送やお客様相談室等、多数の個人情報を保有しております。個人情報の管理につきましては、個人情報の保護に関する法律等及びグループ内部統制システムに基づき適正な運用・管理に向けた取り組みを実施しておりますが、万一個人情報の漏洩や不正利用等の事態が生じた場合は、当社グループの社会的信用の失墜により、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)システムトラブル
当社グループは、通信ネットワークやコンピューターシステムを使用し、商品の調達や販売等、多岐にわたるオペレーションを実施しております。システムの運用・管理には万全を期しておりますが、想定外の自然災害や事故等により設備に甚大な被害があった場合や、システム障害、ネットワーク障害、ウイルス感染、ソフトウェアやハードウェアの欠陥、サイバー攻撃等が発生した場合は、業務に支障をきたし、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)減損・評価損
当社グループは、減損会計適用の対象となる事業資産を所有しております。競争激化や周辺環境の変化等により、保有する資産の時価が著しく低下した場合や収益性が悪化する店舗が発生した場合は、減損損失が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、保有する有価証券において、当該証券等の時価や実質価額が下落した場合や投資先の業績が著しく悪化するなどした場合は、有価証券の評価損が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)調剤業務
当社子会社の株式会社ヤマザワ薬品は、ドラッグストア及び調剤薬局の経営を行っております。調剤においては、調剤業務に関する技術や医薬品知識の向上に取り組み、調剤過誤を防止すべく万全の管理体制のもと業務を行っておりますが、万一重大な調剤過誤の発生により訴訟や行政処分を受けた場合は、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類に移行されたことで、コロナ禍からの経済活動の再開が進む一方、為替相場の変動やエネルギー価格の高騰など、景気の先行きについては不透明な状況が続いております。
当社グループが主に属する食品小売業界におきましては、業種・業態の垣根を越えた競争の激化、原材料価格の高騰、水道光熱費をはじめとしたエネルギーコストや物流コストの上昇、さらには相次ぐ値上げによる消費者の節約志向の高まりなど、企業経営を取り巻く環境は厳しさを増しております。
このような状況の中、当社グループにおきましては昨年度からスタートしました第3次中期経営計画の2年目を迎えております。顧客の創造、新たな生産性の獲得、収益構造改革を重点課題とし、風土改革、サステナビリティ、人材の育成を組織の基盤整備に掲げ、経営課題解決に向けての戦略推進により強い企業成長を目指してまいりました。また、グループ経営理念であります「ヤマザワグループは、お客様に安心と豊かさを提供し、地域の健康元気を応援するとともに、従業員一人一人が輝く企業を目指します」を基軸に、「地域に愛される、健康元気な100年企業を目指す」というグループビジョンを達成するために、『チャレンジ100 ~100年企業に向けてスピードアップ~』をスローガンに掲げ、全社一丸となって各施策の実行及び検証を行ってまいりました。
なお、当社は2023年3月1日をもちまして連結子会社であるよねや商事株式会社を吸収合併いたしました。本合併は経営資源の集約、業務の効率化を目的としたものであり、当社グループのさらなる合理化・効率化を推進してまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ39億27百万円増加し、581億86百万円となりました。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ37億4百万円増加し、293億26百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ2億23百万円増加し、288億59百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は1,018億91百万円(前年同期比2.4%増)、営業利益は6億25百万円(同11.9%減)、経常利益は6億77百万円(同27.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億51百万円(同119.5%増)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
スーパーマーケット事業におきましては、第3次中期経営計画の重点課題であります、顧客の創造、新たな生産性の獲得、収益構造改革の諸施策に取組んでまいりました。
顧客の創造におきましては、お客様の来店動機や購買動機を高めるために、同質化競争から脱却し、当社の独自性を追求するとともに「ヤマザワブランドづくり」に注力してまいりました。美味しさ、地元(産地)、健康、便利の4つをコンセプトとし、商品そのものの品質の追求と、付加価値を生む売り方を訴求してまいりました。具体的には「健康」をテーマにした、塩分控えめながらも、だしの旨みに着目した「だしが旨い」シリーズの商品開発や、野菜摂取を促進する商品・売り場づくりへの取組み等を行っております。お客様の節約志向への取組みといたしましては、加工食品や日用品を中心としたスペシャルプライス商品などのお買得な販売企画や、価格優位性のある、当社が加盟するニチリウグループ(日本流通産業株式会社)のプライベートブランド「くらしモア」の商品、連結子会社の株式会社サンコー食品による当社オリジナルの惣菜及び日配食品の拡販を積極的に行っております。
また、店舗へのご来店が困難なお客様の利便性向上を目的とし、販売パートナー(個人事業主)が商品を車に積み込み、依頼されたお客様のご自宅まで伺い、お買物をしていただくサービスである、移動スーパー「とくし丸」事業も引き続きご好評を得ており、山形県内におきまして12台、宮城県内におきまして2台、秋田県内におきまして9台稼働しております。引き続きエリアを拡大して運行を随時増やしていく予定です。
新たな生産性の獲得におきましては、従来以上に効率的に業務を遂行するために、ローコストオペレーション(DX推進)に努めてまいりました。具体的には、発注支援システムの導入・拡大やセルフレジの増設、新グループウェアの導入等を実施してまいりました。
収益構造改革におきましては、よねや商事株式会社吸収合併による効率的な運営や、昨年度立ち上げたコスト削減委員会によるコスト削減への取組みを進めてまいりました。
更に、当社グループではグループ経営理念の下、食を通じ持続可能な社会を実現するために、『ヤマザワSDGs宣言』を表明し、持続可能で豊かな社会の実現に向けた経営を推進しております。環境活動への取組みといたしましては、脱炭素に向け、気候変動対策の一つである再生可能エネルギーを利用した太陽光パネルによる発電を新たに山形県内におきまして4店舗、宮城県内におきまして5店舗導入いたしました。また、働きやすい職場環境づくり実現のための健康経営の取組みが評価され、経済産業省と日本健康会議が共同で選定する「健康経営優良法人2023」(大規模法人部門)に認定されました。今後も、経営理念・グループビジョンに基づき、地域とのつながりを大切にし、持続可能で豊かな社会の実現に貢献してまいります。
設備投資といたしましては、株式会社ヤマザワにおきまして、2023年4月に「川西メディカルタウン店」(山形県東置賜郡川西町)、同年10月に「さくらんぼ東根店」(山形県東根市)を新規開店いたしました。両店ともにヤマザワの最新のフォーマットを導入し、お客様の毎日のお買物に満足していただけるよう、お買物しやすい売場づくりと、簡単・便利・保存性の高い商品の品揃えの充実を図りました。また、地域の伝統的な食文化を大切にし、地産地消の推進、地場野菜コーナー・地元加工食品の品揃えの充実、販売強化を実施し、地域のお客様にご満足いただけるようなお店づくりに取組みました。
既存店の活性化といたしましては、2023年7月に「松見町店」(山形県山形市)、同年9月に「茂庭店」(宮城県仙台市)、同年11月に「宮町店」(山形県山形市)、2024年1月に「上山店」(山形県上山市)、同年2月に「荒井店」(宮城県仙台市)の改装を実施いたしました。
以上によりまして店舗数が山形県内44店舗、宮城県内19店舗、秋田県内8店舗となり、スーパーマーケット事業の合計店舗数は71店舗となりました。
この結果、スーパーマーケット事業の売上高は889億75百万円(同2.8%増)となりました。
ドラッグストア事業におきましては、「地域の人々の『生活の質』の向上を実現する」を基本理念に、デジタルの推進と販売力の強化に取組むとともに、働きやすい職場環境の実現を推進し、全社一丸となって地域の人々の「生活の質」の向上の実現に向けて取組んでまいりました。
設備投資といたしましては、2023年11月に「調剤薬局富谷成田店」(宮城県富谷市)を開店いたしました。
この結果、ドラッグストア事業の売上高は129億7百万円(同0.1%増)となりました。
その他事業におきましては、惣菜及び日配商品を開発製造して当社グループへ納品しており、スーパーマーケット事業との連携を密にし、安全・安心で美味しいオリジナル商品の開発を行ってまいりました。
設備投資といたしましては、2023年11月に「サンコー食品 新惣菜工場デリカセンター」(山形県山形市、以下「新デリカセンター」)の稼働を開始いたしました。旧デリカセンターと比較して、延床面積は約1.44倍となり、店舗への惣菜の供給量は約1.4倍の数量を計画しております。新デリカセンターの稼働に伴い、商品開発力・生産能力の増強、店舗への供給量の拡大に加え、最新設備の導入と徹底した衛生管理による味・品質・鮮度の向上、そして働きやすい環境づくりを実現しております。
この結果、その他事業の売上高は8百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6億85百万円増加し、当連結会計年度末は56億13百万円(前連結会計年度比13.9%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は16億28百万円(前連結会計年度比3億3百万円減少)となりました。これは主に、減価償却費33億27百万円(同4億82百万円増加)、契約負債の増減額△13億45百万円(同21億92百万円の減少)によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は35億42百万円(前連結会計年度比35億85百万円の減少)となりました。これは主に、新店舗・設備改修に伴い有形固定資産の取得による支出が34億91百万円(同26億81百万円の減少)によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は25億99百万円(前連結会計年度比18億2百万円増加の減少)となりました。これは主に、短期借入金の純増減額6億円(同38億円の減少)、長期借入金の借入による収入31億30百万円(同21億30百万円の増加)によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は、スーパーマーケット事業及びドラッグストア事業を主な事業としており、当社グループにおける食品の製造は当社グループへの商品の納入となっておりますので、生産及び受注については記載しておりません
販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比増減(%) |
|
スーパーマーケット事業 |
88,975 |
2.8 |
|
ドラッグストア事業 |
12,907 |
0.1 |
|
報告セグメント計 |
101,882 |
2.4 |
|
その他事業 |
8 |
35.8 |
|
合計 |
101,891 |
2.4 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度の経営者による財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。
なお、記載事項につきましては、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。従いまして、将来に関する事項には不確実性を内在しておりますので、将来生じる実際の結果とは異なる可能性もあります。
① 財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は140億99百万円(前連結会計年度末129億96百万円)となり、前連結会計年度末と比べ11億3百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が6億80百万円増加したことや、商品及び製品が2億27百万円増加したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は440億86百万円(同412億62百万円)となり、前連結会計年度末と比べ28億23百万円増加しました。これは主に、建物及び構築物(純額)が24億85百万円増加したことによるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は203億86百万円(同209億24百万円)となり、前連結会計年度末と比べ5億37百万円減少しました。これは主に、契約負債が13億45百万円減少したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は89億39百万円(同46億97百万円)となり、前連結会計年度末と比べ42億41百万円増加しました。これは主に、長期借入金が24億50百万円増加したことや、リース負債が16億99百万円増加したことによるものです。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産合計は288億59百万円(同286億36百万円)となり、前連結会計年度末と比べ2億23百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加によるものです。自己資本比率は49.6%となりました。
② 経営成績の分析
(営業収益及び売上総利益)
売上高は1,018億91百万円となりました。
セグメント別の売上高の詳細については、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ③ 生産、受注及び販売の実績」をご参照ください。
また、売上総利益は281億40百万円、売上総利益率は27.6%と前連結会計年度と比較し0.1ポイント減となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は275億14百万円となりました。
販売費及び一般管理費を要約すると下記のとおりです。
|
区分 |
金額(百万円) |
前年同期比増減(%) |
|
販売費 |
1,270 |
△9.2 |
|
人件費 |
14,547 |
1.8 |
|
設備費 |
9,496 |
3.0 |
|
管理費 |
2,200 |
11.3 |
|
合計 |
27,514 |
2.3 |
販売費は12億70百万円となりました。これは、広告宣伝費等によるものです。
人件費は145億47百万円となりました。当社グループにおきましては、従業員数が1,288名、1日8時間換算による臨時従業員数が3,318名となっております。
設備費は94億96百万円となりました。これは光熱費、地代家賃、減価償却費、店舗管理費等によるものです。
(営業利益及び経常利益)
営業利益は6億25百万円、経常利益は6億77百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は4億51百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、採用している重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の見積りの判断が当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(固定資産の減損)
当社グループは、主としてスーパーマーケット事業を営んでおり、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、キャッシュ・フローを生み出す最小単位として店舗を基本単位とし、また、賃貸不動産及び遊休資産及び売却予定資産については物件単位毎にグルーピングしており、本社資産等については共用資産としております。
(退職給付費用及び退職給付債務)
退職給付費用及び債務は、割引率、死亡率、退職率等の数理計算上の前提条件に基づき算出しております。今後、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合には、将来の退職給付費用及び債務が変動する可能性があります。
(資産除去債務の計上)
当社グループは、主に店舗用に賃借した土地建物において、不動産賃借契約に基づき返還時に必要とされる原状回復義務等に備えるため、資産除去債務を計上しております。計上にあたっては、過去の実績を基に算定した原状回復費用の見込み額を現在価値に割り引いて算出しているため、今後、過去の実績と実際の原状回復費用が異なる場合や見積りに影響する新たな事実等が発生した場合には、資産除去債務の見積り額が変動する可能性があります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは運転資金及び店舗に係る設備投資によるものであります。その資金源泉は、営業活動によるキャッシュ・フロー及び借入金による資金調達によっております。
当連結会計年度では、新規出店・デリカセンターの新設を中心に63億83百万円の投資を行なっており、これらは銀行借入金及び自己資金で賄っております。
また、翌連結会計年度の資金需要については、引き続き店舗の活性化による設備投資を16億円予定しており、これらに必要な資金は自己資金及び借入金で賄う予定です。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
該当事項はありません。
該当事項はありません。