第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

 スローガン及び経営理念

 当社グループは、経営スローガン「快適で豊かな暮らしの創造」を掲げ、経営方針として「全ては、お客様の喜びと満足のために行動します。お客様視点での流通イノベーションを追求します。強い団結力で、チャレンジする集団を築きます。」を定めております。グループ全社員に共有し、企業経営の礎となっております。

 

(2) サステナブルに関する事項

 当社グループでは、アレンザグループSDGsビジョンとして「アレンザグループは、持続可能な社会の実現   に向けて、一人ひとりが未来を「想像」し、快適で豊かな暮らしを「創造」します。」を掲げており、社会から選ば れる会社として成長を続けるために、「地域社会の未来」「地球の未来」「多様性のある未来」に向けて事業活動を推進しております。また、アレンザグループSDGs重要課題として、「ライフライン」「地域社会貢献」「エコロジカル」「3R」「人財の多様性」の5つの重要課題について、グループ各社で取り組みを推進しております。

① 地域社会の未来を「想・造」する・・・重要課題「ライフライン」「地域社会貢献」

地震や豪雨災害において、当社グループは、生活必需品をお客様へ提供する地域社会の「ライフライン」としての役割を果たしてまいりました。

重要課題「ライフライン」としては、各団体との災害物資協定等を進めるとともに、防災用品の提案・啓蒙活動を推進し、リアル店舗としての強みとして「災害時の基盤整備を」推進しております。重要課題「地域社会貢献」としては、地域の教育施設や地域文化活動の支援を継続するとともに、各店舗等で各種教室・イベントの開催を図ることで地域社会のコミュニティとしての役割を担うとともに、若年層への教育の一環としても教育施設とのパートナーシップ協定の締結なども推進しております。

② 地球の未来を「想・造」する・・・重要課題「エコロジカル」「3R」

CO₂削減を推進し、中長期的には当社グループだけではなく、サプライチェーン上全体でのCO₂削減に取り組んでまいります。また、リデュース・リユース・リサイクルを推進し、廃棄物の削減に取り組んでおります。重要課題「エコロジカル」では、店舗屋根を有用活用した太陽光発電を推進するとともに、電気・燃料・水の使用量削減を図り、物流効率化や資源節約を推進しております。

重要課題「3R」では、主要事業であるホームセンターで、自転車や農機具などの修理サービスを強化するとともに、廃棄物の削減、リサイクル品の回収を行っております。また、環境に配慮した商品開発や提案などの取り組みを推進しております。

③ 多様性のある未来を「想・造」する・・・重要課題「人財の多様性」

性別、年齢や価値観、ライフスタイルなど人財と働き方の多様性を推進し、社会から「魅力ある会社」と認識していただける会社を目指し、取り組みを推進しております。

重要課題「人財の多様性」としては、多様な人財の活躍支援や福利厚生、社内外の研修制度の充実を図っております。働きやすく健康的に活躍できるよう、安心・安全な職場環境づくりとして女性活躍支援、高齢者活躍支援、定期的な健康診断、予防接種補助、各種資格取得・通信教育補助、育児休暇取得制度、障がい者雇用制度、及び社員登用制度等を導入し、推進しております。

 

なお、当社グループのSDGs推進につきましては、当社ウェブサイトで開示しております。

https://www.alleanza-hd.co.jp/sdgs/

 

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略等

当社グループは、2030年営業収益3,000億円の企業グループを目指してまいります。

コンプライアンスの徹底や内部統制機能の強化を図りつつ、中期成長戦略として、①商品力の向上、②店舗力の向上、③新規出店、④人財育成、⑤DX推進、⑥SDGs推進、⑦M&A戦略、以上の7つの重点課題に取り組み、経営体質の強化と企業価値の最大化に取組んでまいります。

2030年営業収益3,000億円を達成させるためには、新規出店のみだけでは達成できない数値目標であるため、新規事業への取り組みや、M&Aの推進の3つの柱で取り組みを推進してまいります。

 

(4) 優先的に対処すべき課題等

当社グループが主に事業展開するホームセンター業界は、物価高の影響を受けて総じて消費マインドが低下しており、消費者の節約志向が根強い状況の中で、自然災害・コロナ禍の反動減の影響も大きく、客数の減少が顕著であり、既存店の売上指数が前年を下回る状況が継続しております。その中で当社グループは「“Challenge3000”経営基盤の改革&強化」を経営スローガンに掲げ、グループの総合力を充実させ2030年営業収益3,000億円を実現すべく邁進してまいります。

2025年2月期につきましては、収益基盤を強化するとともに他社との差別化を図りながらグループ全体の成長を実現するために、以下の5つの改革と2つの開発を推進してまいります。

① MD改革

PB商品売上構成比20%を目標とし、PB商品売上比率の向上による荒利率の改善を図り、新たな収益モデル構築としてプロトタイプづくりを推進してまいります。そのために、棚割改革として、売れ筋商品のフェイス拡大により、補充作業の削減と売上高・荒利益高の拡大に取り組んでまいります。また、地域密着型のホームセンターとして、ナショナルチェーンにはできない圧倒的な売場づくりのために地域一番品種の育成をグループ各社で推進してまいります。

② DX改革

在庫削減10%以上、自動発注率80%以上を目標として、システムを活用した仕組みづくりを推進してまいります。欠品と長期滞留商品をシステムで抑制することで商品改廃のスピードを上げ在庫削減に取り組み、棚割、顧客データを活用し、データ分析システム構築を推進してまいります。

③ 業務改革

人時生産性の目標として5,000円を掲げ、店舗・本部での作業フローの仕組み見直しを推進してまいります。ITの活用によるペーパーレス化や仕組みによる効率化に取り組み、事務作業のデジタル化等に取り組んでまいります。

④ 物流改革

2024年の物流課題に対応するために、当社の商品部内に新たに物流課を新設しております。全国配送のロジスティックを構築し、グループでの課題解決に努めてまいります。また、流通を再編することで配送コストを削減し、利益の改善を推進してまいります。

⑤ マーケティング改革

広告宣伝費の圧縮を図るために、デジタルマーケティングを推進し、SNS販促の強化と、従来の紙媒体でのチラシを費用対効果を検証しながら削減してまいります。また、お客様との接点拡大として、親会社であるバローホールディングスグループが運営するルビットクレカの推進と、ロイヤルカスタマーであるポイント会員様向けの施策の取り組みを推進してまいります。さらに、POP改革として、売場へ二次元コードを活用したPOPを取り付けることで、商品の価値訴求等に努めてまいります。

⑥ 人財開発

次期経営人財育成として、戦略立案できる人財の育成に努めてまいります。また、グループ間での人事交流を推進するために、メンバーを選抜し研修を実施してまいります。さらに、店舗サービスの向上のためにスペシャリストの育成として、各種勉強会等の強化を図るとともに、多様な人財が活躍できる風土つくりとして、女性管理職比率を高めることや、男女賃金格差の是正等にも努めてまいります。

 

⑦ 業態開発

収益モデル作りとして荒利率35%以上のフォーマットを確立してまいります。そのために、地域密着型のホームセンター構築としてリージョナルチェーンとしての地域商材の取扱いの推進や、職人向けのプロショップやサイクル専門店等の専門業態の拡大、ローコストでの店舗運営の構築を推進してまいります。また、昨今の需要に対応するために、EC販売を拡大し、3年後グループ合計の売上高100億円を目指してまいります。

 

近年ペット業界では動物愛護法改正などにより生体の販売は厳しい状況が継続しております。当社グループでは、2030年ペット事業の売上高500億円を目指すため、当社グループのペットショップである「アミーゴ」「ペットフォレスト」「ジョーカー」の屋号はそのままに、それぞれにブランド力を重視しながら、さらなるシナジー効果を創出することを目的に、2024年9月1日にアミーゴを存続会社としてペット事業を統合いたします。広い商圏に対応可能な3つのフォーマットでペット業界ナンバー1を目指してまいります。ペット業界のリーディングカンパニーになるために、トリミングサービスや医療サービス、良質な生体の提供、接客サービス等の品質ナンバー1と、動物愛護・動物福祉の社会を創造していくためにコンプライアンスを厳守し、モラルの高い企業ナンバー1を目指して取り組みを推進してまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサスティナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

当社グループは、SDGsビジョン「アレンザグループは、持続可能な社会の実現に向けて、一人ひとりが未来を「想像」し、快適で豊かな暮らしを「想像」します。」を掲げており、生活必需品をお客様へ提供する地域社会のインフラとして、主要事業であるホームセンター事業、ペットショップ事業を通じて、地域社会・地球・多様性の3つの観点から課題を解決し、持続可能な社会の実現、持続的な成長及び中長期的な企業価値向上を目指しております。具体的な行動指針としましては、5つの重要課題「ライフライン」「地域社会貢献」「エコロジカル」「3R」「人財の多様性」に沿って、各種サスティナビリティの取り組みを推進しております。

(1) ガバナンス

当社グループでは、気候変動を経営課題としてとらえ、「地球」を持続可能なビジネス成長を支える3つのテーマのひとつに位置づけ、重要課題「エコロジカル」においてCO2排出削減の取り組みを進めております。

気候変動に関連する取り組みについては、2021年度より、グループ事業会社の推進メンバーにおいて構成されるプロジェクトチーム「SDGs推進委員会」を中心に活動を進め、「SDGs推進委員会」の活動状況をグループ経営会議に報告してまいりました。2022年3月より推進委員をグループ各社の管理部門長とし、グループ各社の事業計画に取組課題を掲げ、取り組む体制としております。

気候変動に関連する課題は、当社の総務部・経営戦略室で精査、議論の上、定期的に経営会議及び取締役会に報告し、レビュー・監督を受けてまいります。取締役会では、中期経営計画及び年度事業計画を様々なリスク・機会を踏まえ、定期的に審議・決定しており、気候変動に係るリスクについて、より明示的な評価、対応を進めてまいります。

 

 

(2) 戦略

当社グループは、気候変動を経営課題として認識するとともに、事業上のリスク、機会としてとらえ長期的かつ継続的な取り組みを実施しています。2022年度にTCFDが提言するフレームワークに沿って、複数のシナリオを用いて主要事業会社に影響を及ぼす可能性がある気候関連リスクと機会を評価しております。

シナリオ

仮定の世界

想定される世界観

2℃未満シナリオ

2100 年までの平均気温上昇が産業革命以前と比べて2℃未満に抑えられている世界

脱炭素社会への移行に伴う事業に影響を及ぼす(移行リスク)

・気候変動に関する規制が強化され炭素税等の法規制が導入される

・低炭素技術などの技術革新が進展する

・社会全体が脱炭素に向かい、企業の脱炭素への取組が評価される

4℃シナリオ

2100 年までの平均気温上昇が産業革命以前と比べて4℃上昇する世界

気象変動による物理的な被害が事業に及ぼす(物理リスク)

・気候変動に関する規制は導入されるものの限定的

・異常気象の激甚化が進み、自然災害が頻発

・気温上昇や水不足により、農作物の生育状況の変化、取水制限等が生じる

 

 

(3) 人財の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略

当社グループにおける、人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は以下のとおりであります。

(基本方針)

多様性の確保に向けた人財育成として、当社グループは、ジェンダーや年齢等の区別なく教育機会の均等を図りキャリア形成や能力開発を支援することを方針としております。そのための職場環境づくりとして育児・介護等と仕事の両立を支援するための勤務時間の短縮や休暇取得制度を導入しており、柔軟な働き方ができる環境整備を推進しております。

① 次世代リーダー育成塾

将来の経営を担う次世代リーダー(次期経営人財)を育成することを目的に開講しております。アレンザホールディングス及び各事業会社の部長クラス(事業会社の業務執行取締役を含む)を20名程度選抜し、外部コンサルティングも活用しながら全10回のカリキュラム(原則月1回開催)で集合研修を実施しております。

② 経営塾

正しい考え方と豊富な知識を持ち、社会貢献できる人づくりに向けて取り組んでおり、1997年から開講して今期で28期となります。浅倉会長からの直接講義により、1年間を通して全20回のカリキュラムを通して社会人・企業人としての心構えや社会観、人生観を学び、人としての基礎となる考え方を学びます。

③ 社内資格取得制度

お客様への安心の提供、社員の向上心、仕事へのモチベーションアップにつなげるため、公的資格への前段階として「植物」「DIY」「サイクル」において、独自の社内資格取得を推進しております。

④ 女性の活躍支援

新卒採用の正社員に占める女性労働者の割合30%以上、管理職に占める女性労働者の割合10%以上を目標に取り組んでおります。女性管理職増進においては、モデルコースを示し実施することで、管理職への準備段階を設けながら推進しております。

⑤ 働き方改革

・年間労働日数変更(公休日数の増加)

任意取得としておりましたリフレッシュ休暇(6日間)について、公休日数に取り込むことで全員が確実に休める制度へ改定しております。また、年次有給休暇を併用して連続5日間以上の休暇を推進しております。

・新入社員への年次有給休暇の特別付与

有給休暇付与を入社6カ月以上継続勤務としておりましたが、入社時3日へ改定することで休暇制度の充実を図っております。

・育児短時間勤務制度の変更

育児短時間制度を小学校4年生終了までとしておりましたが、小学校6年生終了までへ改定し、育児制度の充実を図っております。

・配偶者帯同転勤(異動)制度(新設)

社内配偶者を有する社員の帯同転勤(異動)をすることで、就労意欲向上、多様な価値観への対応、ワーク・ライフバランスの充実を図っております。

⑥ 障がい者雇用制度

支援学校と連携して学生の頃よりインターンシップを行い、理解を頂きながら、採用を推進しております。(障がい者雇用率につきましては、各社2.5%以上で雇用を行っております。)

 

⑦ 定年再雇用制度

社員の定年は満60歳としておりますが、定年退職者が引き続き勤務を希望した場合は、希望者全員を定年退職日の日から65歳まで再雇用することとしております。さらにその後、満75歳まで働くことができる制度として推進しております。

⑧ 社員登用制度

1年以上継続勤務し、その後正社員への転換を希望する場合は、面接・正社員登用試験・適性検査を実施し、合格した場合に転換することとしております。

 

(4) リスク管理

当社グループは、総務部が気候変動関連リスクを含めた全社的なリスクを「リスク管理規程」に従い、網羅的に把握し、グループ内に潜在するリスクについて影響度と発生可能性の2軸で重要度を評価しており、自然災害等のリスクについてはその脆弱性を評価しBCPへの備えを実施しています。 気候変動に関連する影響は当社グループのリスクとして認識しており、総務部を中心に問題を特定し検討した対策を実行してまいります。これらの取り組みは経営の課題であり、取締役会へ定期的に報告してまいります。

 

(5) 指標及び目標

当社グループは、アレンザグループSDGsビジョンの重点課題の一つに「エコロジカル」を掲げ、気候変動対策として長期的なサプライチェーン上での温室効果ガス排出量の削減目標を設定し、温室効果ガス(GHG)排出量の削減に取り組んでいます。

2030年チャレンジ目標

サプライチェーン上での温室効果ガス排出量25%削減

2050年チャレンジ目標

サプライチェーン上での温室効果ガス排出量ゼロ

 

 

(6) 人財の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標

当社グループでは、上記「(3)人財の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略」において記載した、人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は次のとおりであります。

指標

目標

実績(当連結会計年度)

女性管理職比率

2025年2月期 10.0%

2024年2月期 9.2%

 

(注) 「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得及び労働の男女の賃金の差異」に記載しております提出会社及び連結子会社を対象に算出したものであります。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 出店に関するリスク

当社グループは、積極的な店舗展開を推進しておりますが、経済的情勢の変動等により出店用地の確保に時間を要する場合や、競合各社の出店等のさまざまな偶発的要因により、当社グループの出店計画に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの店舗の出店に関しましては、「都市計画法」「大規模小売店舗立地法」等の法令又は条例等の規制により、住民や自治体との調整のため、出店に要する時間の長期化や出店コストの増加等により当初の計画通りに出店が出来ない場合、業績や財務状況に影響を受ける可能性があります。

(2) 市場環境に関するリスク

当社グループは、多種多様な商品を取り扱っており、同業他社はもちろんのこと他業態とも競合し、ますます競争が激しくなっております。競合各社の出店又はお客様の購買行動の変化等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 天候、気候変動による影響について

当社グループは、過去の季節変動要因の分析をもとに年間の販売促進計画を策定しておりますが、地球温暖化の影響等により予想とは異なる気象状況が発生する可能性がある中で、冷夏、暖冬、週末の天候不順等の気象要因による季節商品の需要低下等により販売促進計画を下回った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、気候変動に関わる課題をSDGsの重要なテーマとして認識し、気候変動の影響を軽減するため、事業活動全般における温室効果ガス排出量の把握と削減に取り組んでおります。気候変動による影響はすでに顕在化しており、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

気候変動によるリスクへの適切な対応および事業機会を特定するため、TCFD「気候関連財務情報開示タスクフォース」のフレームワークに沿った分析と対策を検討しております。

(4) その他の法的規制について

当社グループの事業においては、不当景品類及び不当表示防止法、環境リサイクル関連法規、等種々の法的規制を受けております。当社グループでは全方位的に法令遵守に取り組んでおりますが、今後規制が強化された場合には、体制整備のためのコスト負担増が見込まれ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループが運営する食品スーパーは、食品衛生法の規制を受けております。常に衛生管理・鮮度管理・温度管理等を徹底し万全の体制で臨んでおりますが、内部要因若しくは外部要因を問わず食品衛生管理上の事故等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 固定資産の減損等について

当社グループは、当連結会計年度におきまして固定資産の減損損失を8億8千3百万円計上しておりますが、今後減損の兆候が認められ、減損損失の認識をすべきであると判定された固定資産については、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することになり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

さらに、当社グループは、既存店舗活性化を図るため定期的にリニューアル等を行っておりますが、黒字化の見通しの立たない店舗については、退店を実施していく予定であります。退店に伴い店舗設備等の固定資産除却損の計上に加え、契約上保証金等の全部若しくは一部が返還されない可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは当連結会計年度末現在、15億8千1百万円ののれんを計上しております。当該のれんは将来の超過収益力を適切に反映したものと考えておりますが、事業環境や競合状況の変化その他の事由により期待する効果が得られない場合、減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(6) 金利変動について

当社グループは店舗の出店及び改装に伴い多額の資金を必要とするため、当連結会計年度末の有利子負債残高は、276億円(連結ベース)、有利子負債比率は31.3%(有利子負債残高/総資産)と高い水準となっております。当座貸越契約、シンジケートローン契約及びコミットメントライン等による資金調達の効率化・安定化を図っておりますが、今後の経済情勢・金融環境の変化・市中金利動向等によって、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

(7) 為替変動について

当社グループは、海外から商品の輸入を行っており、為替予約等により為替リスクの低減を行っております。

しかしながら、想定以上に為替変動が生じた場合又は原油市場の価格が変動した場合等には輸入商品の調達に支障をきたし、商品原価率の上昇やオペレーションコストの上昇等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります

(8) 個人情報について

当社グループでは、ポイントカードによるお客様サービスを行っており、個人情報を保有しております。個人情報については、個人情報保護に対する社会的要請を十分に認識し、「プライバシーポリシー」を制定し、「店舗マニュアル」において社内ルールを取り決め、全社を挙げて個人情報の保護に努めております。しかしながら、何らかの原因で個人情報の流出が発生した場合には、当社グループの社会的信用が失墜することで、業績に影響を与える可能性があります。

(9) M&Aについて

当社グループは、事業の拡大を図るために、M&Aを重要な経営戦略の一つとして考えております。M&Aを行う場合は、対象企業の財務内容や契約関係等について綿密なデューデリジェンスを行うことで、極力リスクを回避するように努めておりますが、買収後における偶発債務や未認識の債務が発生する可能性は否定できません。

また、M&Aによる事業展開につきましても、その後の経済状況や業界環境の変化等により、当社グループが当初想定したシナジーや事業拡大の成果が得られなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(10) 自然災害について

当社グループは、自然災害や突発的な事故または重篤な感染症が流行した場合には、当社グループの店舗、本社等のグループ拠点の事業活動に支障が生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、商品供給不足や仕入価格の高騰、特定商品の欠品による機会損失が発生し、売上高が減少することなどにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(11) 感染症について

当社グループは、公衆衛生上の遵守事項を徹底し、様々な感染拡大対策を講じて感染拡大の防止に努め、地域のライフラインとしての使命の達成に全力を挙げて取り組んでおります。

新型コロナウイルス感染症については、日本国内においては5類感染症への移行により法的な制限がなくなり、経済活動への影響が低減しましたが、今後、新型コロナウイルス感染症等の治療法が確立されていない感染症が流行するなどした結果、経済・社会活動の停滞や消費マインドの冷え込みによる長期的な景気悪化が生じる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 ① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2023年3月1日~2024年2月29日)におけるわが国経済は、政府による新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行の発表とともに各種行動制限が解除されたことで、人流も回復し経済活動の正常化への動きが見られました。しかしながら、為替や長期化するウクライナ情勢の影響で資源、エネルギー価格が高止まりし、電力をはじめとして物価高が継続するなど国内景気の見通しは依然として不透明な状況が継続しております。

当社グループが主に事業展開するホームセンター業界は、物価高の影響を受けて総じて消費マインドは低く、消費者の節約志向が根強い状況の中で当期はコロナ禍の反動減の影響も大きく、客数の減少が顕著であり既存店の売上指数が前年を下回る状況が継続しております。

このような状況下で、当社グループは「Challenge3000」営業収益3,000億円、経常利益率5%をグループ目標として掲げ、中期成長戦略として中核事業であるホームセンター事業を中心に、収益基盤を強化するため商品力の向上としてPB商品の開発に重点的に取組んでまいりました。また、店舗力の向上として各種専門店(ペット専門店、工具資材のプロショップ)の新規出店を推進し専門性を強化するとともに、収益力の高い既存店の全面改装、部門改装を順次実施し、植物・園芸、アウトドア、ペット、自転車などの専門カテゴリーの品揃えの拡充、農機具・工具等の修理サービスやペットしつけ教室の開催など、付加価値サービスを提供することでお客様の目的来店性を高め地域一番店づくりに注力してまいりました。

当連結会計年度における新規出店としましては、下記のとおり新規12店舗出店しております(退店3店舗)。これにより当連結会計年度末の店舗数は304店舗となりました(2023年11月1日付で株式会社ホームセンターバローが株式会社NSAKの株式を100%取得したことに伴い同社及びその子会社(株式会社ホームセンター・アント)を新たに連結子会社としたことにより株式会社ホームセンター・アントが運営する店舗5店舗増加しております。)。

 

ホームセンター

ペットショップ

その他専門店

出店地域

ダイユーエイト

1(1)

2(1)

3(2)

福島県、宮城県、岩手県

タイム

1

1

徳島県

ホームセンターバロー

1

1

愛知県

日敷

アミーゴ

6(1)

6(1)

徳島県、石川県、群馬県

山梨県、福井県、大阪府

ジョーカー

1

1

埼玉県

2(1)

7(1)

3(1)

12(3)

 

 

(注)1.( )は退店数であります。

2.その他専門店の新規出店は、職人向けプロショップであります。

 

これらの結果、当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態及び経営成績は以下の様になりました。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末と比較して58億2千4百万円増加し、883億1千8百万円となりました。

当連結会計年度末の負債は前連結会計年度末と比較して45億円増加し、573億4千2百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産は前連結会計年度末と比較して13億2千4百万円増加し、309億7千5百万円となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の連結営業収益は1,497億1千5百万円(前年同期比0.4%増)、連結営業利益は41億6百万円(前年同期比23.9%減)、連結経常利益は46億1千4百万円(前年同期比22.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は23億7千2百万円(前年同期比12.4%減)となりました。

 

 

 

セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

 

〔ダイユーエイト〕

ホームセンター事業は既存店ベースで、客数が前年同期比で5.1%減少し、客単価が前年同期比で1.2%増加したことにより既存店売上高は4.0%の減少となりました。

売上高における既存店ベースでの商品別販売動向につきましては、ホームセンターの主力部門である園芸、植物、農業資材は、期初の好天の影響で好調に推移したほか、期末直近2月度は暖冬の影響で平均気温が高かったこともあって除草関連、園芸用土、種まきポットなどが前年よりも早く売上伸長したことで前年同期比を上回る結果となりました。また、ペット関連用品についても通期を通して前年売上高を上回っております。一方、前年は2022年3月に福島県沖地震の被害があった影響により、コーキング剤やセメント・合板などの補修資材、工具などの特需があった反面、当期はその反動減の影響が大きく前年同期比で売上高が減少しております。また当期は夏場の猛暑日が続いた影響で屋外作業関連用品の販売不振、秋口から冬季にかけては暖冬の影響で石油暖房やファンヒーター、防寒作業用品などの季節商品、灯油の売上高が大きく前年売上高を下回る結果となった影響が大きく前年同期比で既存店売上高は減収という結果となりました。

EC部門につきましては、コロナ禍を経て主要な購買チャネルとしてユーザーの日常ライフスタイルに定着しており、EC取扱高も年々伸長の一途をたどっている中で、取扱い品目の増加、即日発送対応といった体制構築のコスト負担はあったものの、更なるユーザーサービスの向上に努めたこともあって前年同期比で売上高が伸長しております。

利益面につきましては、成長戦略「商品力の強化」として取組んでいるホームセンターのPB商品について、円安が常態化する為替相場の影響で海外開発商品の調達原価が上昇しているものの、取扱高が増加したこともあって商品荒利益率改善に寄与しておりますが、当期全体を通して相対的に日用品等の売上構成比が増加したこともあって利益率は横ばいの結果となっております。

コスト面につきましては、既存店改装による一時費用の発生のほか人件費の増加、キャッシュレス決済手数料、ECサイト販売手数料等のコスト負担増加の影響で販売費及び一般管理費が前年同期比で増加しております。

これらの結果、ダイユーエイトにおけるセグメント営業収益は454億4千1百万円(前年同期比2.4%減)、セグメント利益(営業利益)は9億8千1百万円(前年同期比40.6%減)となりました。

 

〔タイム〕

ホームセンター事業は既存店ベースで、客数が前年同期比で5.7%減少、客単価が前年同期比で3.1%増加したことにより既存店売上高は2.8%減少となりました。

売上高における既存店ベースでの商品別販売動向につきましては、通期で犬・猫フード、ペット用品等が販売政策及び値上の影響により好調に推移しております。タイムの主要な出店エリアである中四国エリアは当期5月末の梅雨入り以降、前年比で降水量が多かったことで雨具・長靴の作業衣料が好調であったほか、夏場は猛暑日が続いたことで日用品・家庭用品・インテリア部門の季節商品が好調に推移いたしました。一方で、春先の最需要期での天候不順や夏の異常気象により、植物・園芸用品・農業資材関連商品の売上が低迷したことや、冬季については暖冬の影響でインテリア・暖房家電・灯油等の季節商品の販売不振、日用品につきましても消費者の節約志向や異業種との販売競争が加速していることもあって前年を下回っており既存店売上高は減収という結果となりました。

そのような状況の中で、生活情報の発信力を高めることで更なる集客力の向上を図り、地域密着型ホームセンターへの取組みとしてアプリ会員特典の強化、デジタルサイネージ効果的運用、d払いキャンペーンを行っており、幅広い年齢層のお客様から支持されるサービスに取組んでまいりました。また、話題商品への取組、テーマ性のある売場づくりによる需要創造など、お客様に新たな発見をして頂ける提案を継続して実施しております。

コスト面につきましては、新店開設に伴う開店一時費用及び人件費の増加、既存店の改装費用の負担もありましたが、作業計画に合わせた人員配置を行うことで残業時間の削減、備品消耗品や水道光熱費の節約奨励を行うなど効率性を高めることでコスト圧縮に継続的に取組み、前年同期比で販売費及び一般管理費が減少しております。

これらの結果、タイムにおけるセグメント営業収益は162億9千2百万円(前年同期比0.0%減)、セグメント損失(営業損失)は5千3百万円(前年同期はセグメント損失1千5百万円)となりました。

 

 

〔ホームセンターバロー〕

ホームセンター事業は既存店ベースで、客数が前年同期比で5.5%減少、客単価が前年同期比で4.2%増加したことにより既存店売上高は1.5%の減少となりました。

売上高における既存店ベースでの商品別販売動向につきましては、当期は天候与件として春先の天候不順や夏の記録的暑さ、冬季は暖冬により園芸植物や季節商品の売上が低調に推移いたしました。また、巣ごもり需要の反動減や物価上昇に対する節約志向から買い控えなど厳しい状況となりましたが、修理サービス強化を打出したサイクルやバッテリー式を提案強化した農園芸機械の売上は前年同期比で伸長しております。また、PB商品の販売強化によりペット用品・日用消耗品の売上、利益率についても前年比で改善しております。プロの職人さんをターゲットとするプロショップ「プロサイト」は仕事需要において認知度も拡大し前年比で大きく売上高が伸長しております。7月に開店しました「プロサイト瀬戸店」はSNS販促の定期配信、店頭での会員募集、イベント実施により認知度を高める取組みを実施しております。

販売促進におきましては、紙チラシからSNS販売促進へのシフト拡大に取組んでまいりました。鮮度を重視して展開している切花や、地元産にこだわった年末しめ縄など特徴ある商品を打出しております。また、リアル店舗としてのイベント強化に取組んでおり、地元行政とタイアップした「防災イベント」では、消防車の展示や地震体験車の設置、防災食の食べ比べなどホームセンターならではの体験を重視し取組んでまいりました。

EC事業におきましては、商品の品揃えの充実と翌日配送などサービス強化に取組んだことが寄与して前年同期比で売上高が伸長しております。

ペット事業におきましては、コロナ禍以降、生体販売が低調でありますがトリミング・しつけサービス・ペット病院など付加価値サービス提案を年間通じて強化し、ペット事業全体の荒利益率を改善いたしました。

コスト面につきましては、キャッシュレス決済手数料負担が増加しておりますが、当連結会計年度を通して継続的に各種コスト削減に取組み計画内で運用しております。

これらの結果、ホームセンターバローにおけるセグメント営業収益は574億6千4百万円(前年同期比0.1%減)、セグメント利益(営業利益)は19億2千3百万円(前年同期比10.7%減)となりました。

 

〔アミーゴ〕

ペットワールドアミーゴは既存店ベースで、客数が前年同期比で5.5%減少、客単価が前年同期比で3.9%増加したことにより既存店売上高は1.9%減少となりました。

当連結会計年度における商品別販売動向につきましては、犬猫おやつ、専門店ならではのプレミアムフードやペットシーツなどの消耗品の物販について売上高は堅調に推移いたしました。また、トリミングやドッグトレーニングといったサービス部門についてもお客様からご支持いただいており、取扱い高が伸長しております。一方でコロナ禍における急激なペット需要がピークアウトしたことで、特に生体の販売数減少が顕著であったほか、ペットケージやサークルなどの関連用品の販売数も同様に前年同期比で減少しており当期全体を通して既存店売上高は減収という結果となっております。

当期はドミナントエリア拡大を図るべく初出店エリアとなる群馬県、山梨県、福井県に出店するなど合計6店舗開設しており、さらなるペット文化の振興・市場拡大の促進に取組んでまいりました。

コスト面につきましては、新店開設に伴う開店一時費用の負担があったほかキャッシュレス決済手数料の増加もあって前年同期比で販売費及び一般管理費が増加しております。

これらの結果、アミーゴにおけるセグメント営業収益は214億円(前年同期比4.0%増)、セグメント利益(営業利益)は12億4千4百万円(前年同期比18.1%減)となりました。

 

〔その他〕

セグメント営業収益は173億9千3百万円(前年同期比3.4%増)、セグメント利益(営業利益)は17億9千9百万円(前年同期比19.5%減)となりました。

 

 

 

 ② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は35億4千6百万円となり、前連結会計年度末と比較して1億9千7百万円の増加となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは39億2千5百万円の収入となりました。主な収入要因は、税金等調整前当期純利益及び減価償却費合計で68億1千5百万円であります。主な支出要因は、棚卸資産の増減額20億2千万円、利息の支払額9千3百万円、法人税等の支払額21億7千8百万円等であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは34億6千1百万円の支出となりました。主な収入要因は、貸付金の回収による収入2億1千2百万円、敷金及び保証金の回収による収入2億6千2百万円等であります。主な支出要因は、有形固定資産の取得による支出25億5百万円、無形固定資産の取得による支出4億8千3百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出5億1千8百万円等であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは2億6千5百万円の支出となりました。主な収入要因は、短期借入金の純増減額32億1千5百万円、長期借入れによる収入44億円であります。主な支出要因は、長期借入金の返済による支出58億9千万円、リース債務の返済による支出8億4千2百万円、配当金の支払額11億4千万円等であります。

 

(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2020年2月

2021年2月

2022年2月

2023年2月

2024年2月

自己資本比率

25.5

29.7

34.7

34.5

33.7

時価ベースの自己資本比率

29.4

46.9

38.1

36.0

36.5

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率

2.8

1.4

4.4

7.0

インタレスト・カバレッジ・
レシオ

53.1

107.9

63.2

41.9

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

3.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。

4.利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を利用しております。

5.2022年2月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。

 

 ③仕入及び販売の実績

a. 仕入実績

区分

金額(百万円)

前年同期比(%)

ダイユーエイト

30,526

98.0

タイム

11,080

100.3

ホームセンターバロー

38,974

99.3

アミーゴ

11,516

104.1

その他

10,614

106.4

合計

102,713

100.2

 

(注)1 ダイユーエイトの金額には、セグメント間の内部仕入高3,288百万円が含まれております。

   2 タイムの金額には、セグメント間の内部仕入高595百万円が含まれております。

   3 ホームセンターバローの金額には、セグメント間の内部仕入高1,007百万円が含まれております。

   4 アミーゴの金額には、セグメント間の内部仕入高15百万円が含まれております。

   5 その他の金額には、セグメント間の内部仕入高38百万円が含まれております。

 

 

b. 販売実績

区分

金額(百万円)

前年同期比(%)

ダイユーエイト

45,441

97.6

タイム

16,292

100.0

ホームセンターバロー

57,464

99.9

アミーゴ

21,400

104.0

その他

17,393

103.4

合計

157,991

100.1

 

(注)1 ダイユーエイトの金額には、セグメント間の内部売上高536百万円が含まれております。

   2 タイムの金額には、セグメント間の内部売上高193百万円が含まれております。

   3 ホームセンターバローの金額には、セグメント間の内部売上高22百万円が含まれております。

   4 その他の金額には、セグメント間の内部売上高7,523百万円が含まれております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 ① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、不確実性を伴うため、実際の結果はこれらとは異なる場合があります。この見積りにつきましては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っております。連結財務諸表の作成にあたる重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に記載しております。なお、連結財務諸表作成に当たり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。

 

(固定資産の減損処理)

固定資産の減損処理については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

(のれんの減損処理)

当社グループは、のれんについて、その効果の発現する期間を見積り、その期間で均等償却しております。また、その資産性について子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定した収益が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、当該連結会計年度においてのれんの減損処理を行う可能性があります。

 

 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態

当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末と比較して58億2千4百万円増加し、883億1千8百万円となりました。これは主に、棚卸資産27億6百万円、建物及び構築物15億9千5百万円およびリース資産10億9千万円の増加によるものであります。

負債は、短期借入金35億5千6百万円及びリース債務12億8千8百万円の増加により、前連結会計年度末に比べ45億円増加し、573億4千2百万円となりました。

また、非支配株主持分および新株予約権を除く純資産は前連結会計年度末に比べ13億5千2百万円増加し、297億9千万円となり、自己資本比率は33.7%となりました。

 

b.経営成績

(売上高及び営業利益)

売上高につきましては、第2「事業の状況」の4「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1)経営成績等の状況の概要に記載のとおりであります。

販売費及び一般管理費は、近年のエネルギー価格の高騰、新規出店費用および既存店の改装費用の発生等により前連結会計年度に比べ16億6千1百万円増加の498億3千4百万円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ12億8千7百万円減少の41億6百万円となりました。

 

(営業外損益及び経常利益)

営業外損益は、営業外収益が前連結会計年度に比べ1千1百万円減少し、6億7千2百万円、営業外費用は、前連結会計年度に比べ4百万円増加し、1億6千4百万円となりました。この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ13億2百万円減少し、46億1千4百万円となりました。

(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益)

特別損益は、特別利益が前連結会計年度に比べ1億1千7百万円減少し、3千5百万円、特別損失は、減損損失および災害による損失を計上し、前連結会計年度に比べ4千5百万円増加し、10億1千4百万円となりました。

この結果、税金等調整前当期純利益は36億3千5百万円となり、法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を調整した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ3億3千4百万円減少し、23億7千2百万円となりました。

 

c.キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの主な資金需要は、商品仕入に伴う決済資金、販売費及び一般管理費等の営業費用及び新規出店費用、既存店の改装費用等の設備投資によるものであり、営業活動によるキャッシュ・フローを財源とすることを基本とし、必要に応じて銀行借入により資金調達を行うこととしております。

また、当社は、事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、グループ内資金の活用を基本として、子会社の資金を含め当社グループ内の資金需要に備えるとともに、資金の短期流動性を確保するためコミットメントライン(シンジケート方式)60億円の融資限度枠を設定しております。

 

⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、事業の継続的な成長基盤を確立することを経営上の重要課題であると認識し、3年間の中期経営計画を策定しております。中期経営計画の策定にあたっては、今後の出店戦略、商品戦略、出店地域ごとの外部経営環境要因を考慮し、毎期更新を行っております。目標とする経営指標の当連結会計年度の実績は下記表のとおりであります。

当社グループは今後も、事業の継続的な成長基盤を盤石とすべく、人材の確保、既存事業の深耕、新規事業の開拓、グループ全体でのコストコントロールによるコスト削減を着実に遂行し、引き続き企業価値の向上に努めてまいります。

 

2024年2月期(目標)

2024年2月期(実績)

営業収益

154,000百万円

149,715百万円

経常利益

6,250百万円

4,614百万円

経常利益率

4.1%

3.1%

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。