独立監査人の監査報告書

 

 

 

2024年5月30日

株式会社オキサイド

 

 

取締役会 御中

 

 

 

太陽有限責任監査法人

 

 

東京事務所

 

 

 

指定有限責任社員

業務執行社員

 

公認会計士

岩﨑  剛  印

 

 

指定有限責任社員

業務執行社員

 

公認会計士

堤   康  印

 

監査意見

当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社オキサイドの2023年3月1日から2024年2月29日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。

当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社オキサイド及び連結子会社の2024年2月29日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

 

監査意見の根拠

当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

 

監査上の主要な検討事項

監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

 

Raicol Crystals Ltd.の株式取得に係る顧客関連資産の取得価額の算定、並びにのれん及び顧客関連資産の期末評価の妥当性

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由

監査上の対応

注記事項(企業結合等関係)に記載されているとおり、会社は、2023年3月1日(みなし取得日:2023年3月31日)にRaicol Crystals Ltd.(以下「R社」という。)の発行済株式の全てを取得し、同社を子会社化した。

当該企業結合において、会社は、外部の専門家により算定された株式価値を勘案してR社株式の取得価額を決定している。また、取得原価の配分においては、外部の専門家を利用して識別可能資産の評価額の算定を行っている。

その結果、当連結会計年度末の連結貸借対照表において、のれん1,641,346千円(連結総資産の8.5%)及び顧客関連資産1,140,346千円(連結総資産の5.9%)が計上されている。

また、会社は、取得時の事業計画と当期の実績に重要な乖離が見られたため、のれん及び顧客関連資産について減損の兆候があると判断し、減損損失の認識の判定を行ったが、割引前将来キャッシュ・フローの総額がその帳簿価額を上回っていたことから、減損損失を認識していない。

注記事項(重要な会計上の見積り)に記載されているとおり、顧客関連資産の取得価額の算定における主要な仮定は、会社が期末評価に用いたR社の事業計画における売上高の成長見通し、売上総利益率及び顧客減少率の予測並びに割引率である。また、のれん及び顧客関連資産の減損の検討における主要な仮定は、R社の事業計画における売上高の成長見通し及び売上総利益率の予測である。

のれん及び顧客関連資産の金額的重要性は高く、顧客関連資産の取得価額の算定、並びにのれん及び顧客関連資産の期末評価に関する会計上の見積りの主要な仮定は、将来の予測であり不確実性を伴うとともに、その予測には経営者の判断が介在している。

以上のことから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項と判断した。

当監査法人は、R社の株式取得に係る顧客関連資産の取得価額の算定、並びにのれん及び顧客関連資産の期末評価の妥当性の検討に当たり、主として以下の監査手続を実施した。

(1)内部統制の理解

・ 顧客関連資産の取得価額の算定、並びにのれん及び顧客関連資産の減損の兆候及び減損損失の認識の判定に係る内部統制のデザインを理解した。当該内部統制には、事業計画の見積りを検討するプロセスを含んでいる。

(2)顧客関連資産の取得価額の算定の妥当性

・ 会社のR社株式の取得目的を理解するため、経営者等とディスカッションを行うとともに、取締役会議事録、経営会議資料及び契約書等の関連証憑を閲覧した。

・ 顧客関連資産の取得価額の算定の基礎となる事業計画における主要な仮定(売上高の成長見通し及び売上総利益率の将来予測)の合理性を確かめるため、事業計画と取得後の実績を比較して、その趨勢に異常性がないか確かめた。また、顧客減少率の予測の合理性を確かめるため、会社の経営者等に質問を行うとともに過去の推移との比較分析を行った。

・ 当監査法人のネットワーク・ファームの評価の専門家を関与させ、会社が外部の専門家を利用して行った企業結合日時点の顧客関連資産の評価算定の方法及び割引率の妥当性を評価した。

(3)のれん及び顧客関連資産の期末評価の妥当性

・ のれん及び顧客関連資産の評価に影響を与える経営環境の状況を把握し、当該影響に関する会社の評価の妥当性を検討するため、取締役会議事録及び経営会議資料の閲覧を行うとともに、会社の経営者等に質問を行った。

・ 当連結会計年度末において、取得当初の事業計画と取得後の実績を比較分析し、会社が期末評価に用いたR社の事業計画における主要な仮定である売上高の成長見通し及び売上総利益率の予測に与える影響を検討した。

・ R社の事業計画における主要な仮定である売上高の成長見通し及び売上総利益率の予測の合理性を確かめるため、会社の経営者等と協議するとともに、将来の各事業年度の売上高の成長見通し及び売上高の製品別の構成比、売上総利益率の趨勢を分析し、大きな変動のある点について会社の担当者に質問した。

・ R社の事業計画の主要な仮定について、監査人独自の仮定を用いて一定のリスクを反映させた評価を行い、のれん及び顧客関連資産の期末評価の妥当性に与える影響を検討した。

 

 

 

半導体事業における一部の調達部材の不具合に伴う製品保証費用の網羅性及び製品保証引当金の妥当性

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由

監査上の対応

会社の半導体事業において、一部の調達部材に不具合が発生したため、当該部材を組み込んだ製品について無償修理のための製品保証費用が発生している。当該製品には、当連結会計年度内に修理が完了したものと未完了のものがある。その結果、当該無償修理に対する支出に備えるため、当連結会計年度末に負担すべき金額が製品保証引当金として40,414千円(連結総資産の0.2%)及び同額の製品保証引当金繰入額が計上されているほか、修理が完了して販売済みの製品に係る製品保証費用が売上原価に214,328千円計上されている。これら一連の費用の発生及び当該修理のために製品の出荷ができなかったこと等により、会社は当連結会計年度において、983,137千円の営業損失を計上している。

会社は、当該製品の販売先にヒアリングを行うことにより無償修理の必要な製品を把握している。このうち、すでに修理が完了した製品について、代替部材費等の実際に修理に要した金額を売上原価に計上するとともに、修理が未完了の製品については、過去の製造実績をもとに見積った製品1台当たりの修理に掛かる追加工数及び工数単価に基づいて製品保証引当金を算定している。

当該見積りは、来期の修理作業に関する予測であり不確実性が伴うとともに、経営者の判断が介在する。また、一連の事象に関して、事象が発生した当連結会計年度において、網羅的に製品保証に係る費用が計上されているかが重要である。

以上のことから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。

当監査法人は、半導体事業における一部の調達部材の不具合に伴う製品保証費用の網羅性及び製品保証引当金の妥当性の検討に当たり、主として以下の監査手続を実施した。

(1)企業及び企業環境の理解

・ 無償修理が必要となった経緯を理解するために、経営者等とディスカッションを行うとともに、取締役会議事録、経営会議資料等の関連資料を閲覧した。

(2)内部統制の評価

・ 売上原価に関する業務プロセスに係る内部統制のデザインを理解した。当該内部統制には、製造原価の網羅性に係る承認手続を含んでいる。

・ 製品保証引当金の見積りに係る内部統制のデザインを理解した。当該内部統制には、無償修理が必要な対象製品の特定に係るプロセス及び追加工数の見積りを検討するプロセスを含んでいる。

(3)無償修理が完了した製品に係る製品保証費用の網羅性

・ 売上データから無償修理の対象となった製品の売上取引を抽出するとともに、会社担当者への質問により会社が販売先顧客に対して行ったヒアリング内容を検討し、無償修理の対象となるべき製品が網羅的に把握されているかを確かめた。

(4)製品保証引当金の見積りの妥当性

・ 期末日に実地棚卸の立会を実施し、無償修理のために会社が保管している製品を全てカウントした。また、売上データから抽出した無償修理の対象となった製品のリストと照合するとともに無償修理の状況を会社担当者へ質問した。

・ 製品保証引当金の算定資料を閲覧するとともに、経理担当者に質問して、無償修理に必要な追加工数及び工数単価の算出過程を把握した。また、過去の実績工数及び工数単価と見積り工数及び工数単価との比較を行い、追加費用の見積りの合理性を評価した。

 

その他の記載内容

その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。

連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。

当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。

その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

 

連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任

経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。

監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

 

連結財務諸表監査における監査人の責任

監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。

監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。

・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。

・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。

・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。

・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。

・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。

監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。

監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。

 

利害関係

会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。

 

以 上

 

 (注)1.上記は監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。

2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。

 

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