当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは「人づくりこそ企業づくり 関わりあうすべての人たちと 夢と幸せのわかちあい」を経営理念として、品質を第一に商品を選択し、お客様にできる限り低価格で提供できるように努めてまいりました。今後も、その基本方針は不変です。
また、小売部門におきましては店舗規模及び地域特性を生かした品揃えとより一層の顧客サービスにより、「お客様に圧倒的に支持される店舗づくり」を第一として取組んでまいります。そして同時に、「楽しくなければ売場ではない」という考え方のもとに、お客様が「わくわく」される店舗づくりに取組んでまいります。
(2)中長期的な会社の経営戦略
中期経営計画の最終年度となる2025年2月期につきましては、売上高315,000百万円、経常利益19,000百万円の達成に向けて、下記の経営戦略を遂行してまいります。
①グループ経営基盤構築
・グループシナジーを最大限発揮できる体制を構築
・適切な権限委譲とグループガバナンスの設計
②事業戦略
・提供するサービス、商品の専門性追求
・「住・食」関連事業の更なる深耕
・外食事業では出店の拡大と新業態の開発
③財務戦略
・成長投資と財務健全性のバランス
・事業戦略と外部環境に合わせた最適な資金調達の選択
(3)経営環境
現在のわが国経済は、大きな変革期に位置していると考えております。当社グループの主力事業であるホームセンター業界について考察すると、人口減少や消費行動の変化が進み、市場規模が大きく伸びる環境にはないと判断されます。異業態を含めた競争は更に激化し、業界再編が進むことで、今後は業界の上位クラス企業群、あるいは異業態をも巻き込んで消費者に支持される企業だけが生き残っていく構図が予想されます。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの中長期的な成長を目指す主な事業として「小売事業」と「外食事業」となります。具体的な対策は次のとおりであります。
(小売事業)
①売上高伸長
「一店舗巨大主義」に基づき、すべての消費者のニーズにお応えする「住・食」関連専門店の集合体の強みを活かした5,000坪規模のホームセンターの出店に注力してまいります。2025年2月期はスーパービバホーム湘南平塚店(神奈川県平塚市)他2店舗の出店を計画しています。
②荒利益率改善
PB開発の専門部門の立ち上げにより、付加価値のある独自商品の開発を強化することで、PB構成比拡大を目指します。また、PB商品に限らず仕入・開発機能の統合を行うことで、継続的な荒利率改善を進めてまいります。
③販管費低減
物流拠点とシステムの再編により配送効率を上げ、スペースの有効活用することにより物流効率化を進めてまいります。
(外食事業)
①「かつや」の店舗強化
組織力強化により出店拡大を追求するとともに、お客様の利便性向上を目指した店舗のDX化を進めてまいります。また、圧倒的な商品力と魅力あるフェアメニュー開発に努めて、かつやスタンダードの更なるブラッシュアップを目指します。
②「新からやま」へのモデルチェンジ
グランドメニューの刷新や総菜の拡充、味の追求等、魅力あるメニュー開発と仕組みの再構築によって、新からやまへのモデルチェンジを進めてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(基本方針)
当社グループの中心であるホームセンター事業は地域社会におけるインフラ同等の役割であると認識し、事業活動を通じて①地域社会への貢献②持続可能な商品サービスの提供③エネルギー効率の最適化④社会的責任⑤人的資本の強化を重点課題とし事業活動が社会や環境に与える影響を最小化し、長期的な企業価値向上を目指します。
(1)ガバナンス
当社グループは、サステナビリティの基本方針の下、地域社会への貢献やエネルギー効率の最適化など課題として認識しております。体制として営業本部、開発本部、管理本部の3本部が主体となり、緊急性の高い課題については各本部の横断プロジェクトを設置し課題に取り組みます。
取締役会は、重要な課題について報告を受け進捗の管理監督、指導を行います。
(2)戦略及び具体的な取り組み
当社グループは、お客様への商品やサービスを提供し続けることが使命と考えております。環境・社会における課題の解決により持続可能な社会の実現のため、事業活動を通じて課題解決に努めてまいります。
①事業活動を通じた環境への取り組み
当社グループでは、温暖化ガスの削減や資源利用最小化による環境に配慮した取り組みを行っております。その活動から省エネによるCO2の削減のみならず、物流の効率化による排ガスの削減やリユースによる廃棄物の減少による取り組みを行っております。
また、ホームセンター店舗を地域の防災拠点と考え防災への備え及び地域社会への貢献として環境活動への協賛や奨学支援活動も行っております。
主な取り組み内容は、以下の通りです。
ⅰ.温暖化ガス排出削減及び資源利用
・店舗照明のLED化
・太陽光パネルの導入
・物流の効率化による排ガス削減及び廃プラスチックパレットの回収
・プロショップにおけるリユース販売及び延長保証サービスによる資源の廃棄削減
ⅱ.地域社会への貢献
・「地域の防災拠点」となる非常用発電設備及び非常用給水設を備えた店舗づくり
・店舗が所在する地域自治体との災害防止協定締結
・環境プロジェクト「チームエコ」への協賛、緑化活動及び清掃活動のイベントの開催
・奨学支援活動による優秀な人材の育成
②人的資本
当社グループは、新規出店等の業容拡大には、優れた人材の採用・育成が不可欠であると認識しております。キャリア形成を支援とする人材育成の研修制度を拡充し、仕事と育児の両立支援となる人事制度を設けることにより従業員の活躍できる環境を整えております。社内整備として従業員が活躍するため、以下の制度を設けております。
・育児時短勤務制度により小学校6年までの育児期間を短時間勤務の選択
・小学校就学の初期までの看護休暇
・正社員再雇用及び正社員登用制度による人材強化
(3)リスク管理
サステナナビリティの課題を含めた当社グループの事業へのリスク及びその管理の内容につきましては、後記「
(4)指標及び目標
当社グループは、温室効果ガス排出量の削減目標、達成時期などを具体的に定めておりませんが、今後検討してまいります。
人的投資については、上記「(2)戦略及び具体的な取り組み ②人的資本」において記載した方針について、管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率、及び労働者の男女の賃金の差異を指標として用いておりますが、現状での目標は定めておりません。
また、当社及び各連結子会社において担う事業領域が異なることや各社の雇用形態や人材育成方法も異なるため、今後グループとして検討してまいります。
なお、当社の実績は、「
当社グループでは、発生しうるリスクの未然防止及び発生したリスクの低減をするための管理体制を整備し、業務の円滑な運営に資することを目的としてリスク管理規定を制定しております。
リスク管理体制は、社長を管理責任者、管理本部長を統括責任者とし、管理本部においてグループ全体のリスクを総括的に管理することとしており、各部門で定期的にリスクの洗い出し及び評価を行い、その結果を基にリスク評価対応表を作成し管理本部に報告しております。
リスク評価対応表には、その重要性の程度及び発生可能性の程度、業績及び財務状況等に与える影響の程度の分析等を取りまとめており、管理本部長は重要と判断したものを経営政策会議又は取締役会に報告し、リスク情報の共有及び対応方針の検討を行っております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年5月31日)現在において、当社グループが判断したものであります。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見できないリスク又は重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。
(1)事業環境に関するリスク
①競合状況・経済状況について
当社グループの主力事業であるホームセンターについては、ほとんどの出店地域において、他社のホームセンターの他に「ドラッグストア」「ディスカウントストア」等競合関係にある店舗が多数存在しております。これらの競合他社が更に新規参入することや低価格戦略を打ち出してくることにより、競争は更に激化していくことが予想され、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、景気変動や人口減少等による消費の減少、EC市場拡大による店舗への来店頻度の減少などの経済状況の変化が、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、他社との差別化を図るため、新しい生活スタイルに対応した商品施策、地域特性重視の店舗づくり、新規サービスの拡大に取り組むとともに、専門店事業の深耕・開発に取り組み、既存店の活性化を進めてまいります。
②新規出店・増床について
当社グループは、小売事業において大型店舗を中心に出店を計画しておりますが、出店及び増床に際して、「大規模小売店舗立地法」「都市計画法」等のさまざまな法的規制等を受けております。法令規制の状況の把握に努めるとともに、出店計画段階より地域環境を考慮した店舗構造、運営方法を採用し、地域住民・自治体との調整を図りながら出店していくことを方針としておりますが、これらの法令の改正や各都道府県等が定めた規制の変更により計画どおりの新規出店ができない場合、開発期間が長期化した場合又は既存店の増床等が困難となった場合には、当社グループの事業展開及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、経済的情勢の変動等により出店用地の確保に時間を要する場合や、競合各社の出店等のさまざまな偶発的要因により、当社グループの出店計画に悪影響を及ぼす可能性があります。
③人材の確保について
当社グループは、新規出店等の業容拡大には、優れた人材の採用・育成が不可欠であると認識しております。スカウト活動や早期インターンシップによる優れた人材の早期確保、また、成果・能力主義を重視した人事制度の運用、能力向上に繋がる教育・研修制度の実施による人材の育成に努めております。しかしながら、少子高齢化、雇用情勢の変化等により、人材の採用・育成が計画通りに進捗せず事業運営に必要な人材が確保できない場合や、賃金相場の上昇や労働法令等の改正により人件費が増加した場合には、当社グループの事業展開及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
④天候要因について
ホームセンターでは季節性の高い商品(園芸・農業用品、冷暖房用品、除雪用品等)を多数取り扱っております。このような季節商品は冷夏や暖冬、長雨等の天候の変動が販売動向に大きく影響することから、想定外の天候不順が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、小売事業において「一店舗巨大主義+変化対応業」を店舗戦略としております。従来の商品だけでなく、ニーズの変化への対応と新たな需要の創造を重点方針とし、迅速な売場変更、商品変更に取り組んでまいります。
⑤感染症の流行について
当社グループの店舗周辺地域において、新型ウイルス等の感染症が大流行し、当社グループの販売活動や物流体制が阻害された場合、また、人的被害が拡大した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥自然災害について
当社グループは、国内の広域に店舗を展開しております。近年増加している局地的豪雨や大型台風、大規模地震等の自然災害が発生し、店舗に物理的損害があった場合、人的被害があった場合又は商品の物流・配送に支障が出た場合には、営業の縮小や停止により当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、有事の際、取締役及び各事業部長を委員とする緊急対策本部を設置し、被災状況の把握と対応の指示命令を行っております。また、火災保険等に加入し、自然災害による損失リスクに備えております。物流については、グループの物流拠点の共有化を進め、不測の事態に対応できる体制を整えてまいります。顧客、取引先、従業員等の人命尊重を最優先とした上で、ホームセンターは社会的インフラであるという考えの下、営業の継続または早期の営業再開に向けて対応してまいります。
(2)事業運営に関するリスク
①中期経営計画について
当社グループは、2021年度から2024年度に係る中期経営計画「LIFE」を策定し、「グループ経営基盤構築」・「事業戦略」・「財務戦略」を基本戦略としたグループシナジーの追求により事業拡大を進めてまいります。中期経営計画は、策定時に当社グループが入手している情報及び合理的と判断する一定の前提に基づき策定されておりますが、必要な情報を全て入手できるとは限らないこと等から、事業環境の変化やその他さまざまな要因により目標を修正する可能性や目標を達成できない可能性があります。
当社グループでは、事業環境のモニタリング、適切な執行体制及び的確な経営判断に努めることで、グループシナジーの最大化、中長期ビジョンの目指す数値目標の達成を図ってまいります。
②M&Aによる事業拡大について
当社グループは、事業の拡大を図るための手段として、M&Aを重要な経営戦略の一つとしてまいりました。対象企業については、当該企業の財務内容や契約関係等について綿密なデューデリジェンスを行うことによって、極力リスクを回避するよう努めておりますが、M&Aを行った後に、偶発債務の発生や未認識債務が判明した場合、又は当社グループが当初想定したシナジーや事業拡大の成果が得られなかった場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③固定資産の減損について
当社グループは、グループシナジーの最大限創出、専門店事業の深耕・開発に努め、既存店の活性化による集客力の向上、商品仕入・開発の統合による収益性向上に取り組んでまいりますが、経済状況や商圏環境の変化等の事由により店舗の収益性が悪化した場合や、保有資産の市場価格が著しく下落した場合等に、減損処理を行うことがあります。
また、当社グループは当連結会計年度末現在、17,308百万円ののれんを計上しております。当該のれんは将来の収益力を適切に反映したものと考えておりますが、同様な事由により期待する効果が得られない場合、減損処理を行うことがあり、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④店舗運営に係る法的規制について
当社グループの店舗運営においては、労働基準法や独占禁止法、個人情報保護法等の様々な法規制を受けております。店舗運営に影響を及ぼす法令の改正等が行われた場合や、当社グループによる法令違反が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが管理する個人情報の流出が発生した場合には、当社グループの社会的信用の低下、損害賠償義務の発生等の可能性があります。
当社グループでは、コンプライアンス意識向上のため、各種規程の制定、社内教育、社内通達の定期的な発信を行うとともに、関係官庁、顧問弁護士、社労士等に相談し、情報収集、法令違反の未然防止に努めております。個人情報保護に関しては、個人情報保護規程に基づき、各事業所ごとに管理責任者を定め厳重に管理しており、内部監査においては重要項目として監査を実施しております。
⑤商品調達、価格変動及び品質管理について
当社グループは、商品の調達において複数の仕入先を確保するよう努めておりますが、何らかの要因で重要な商品の調達が困難となった場合や、原材料等の価格変動や燃料価格等の上昇により仕入価格が上昇した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社はビバホームとのシナジー効果創出によりPB商品売上構成比率40%を目指しております。その多くは海外の取引先から調達しており、物流や相手先都合等の理由により商品の入手が困難となり適正在庫の維持ができなくなった場合や、為替変動等により仕入価格が上昇した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
さらに、PB商品の開発においては、製造委託先の製品について品質検査、適法検査等を行っておりますが、販売した商品に不具合等が発生した場合には、大規模な返品、製造物責任法に基づく損害賠償、信用失墜等により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥敷金及び保証金の回収について
当社グループは、出店にあたり土地所有者と賃貸借契約を締結し、敷金及び保証金の差入れを行っております。土地所有者である法人又は個人が破綻等の状況に陥り、店舗の継続的使用や債権回収が困難となった場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、締結している長期賃貸借契約のうち、当社グループの事情により中途解約する場合には、敷金及び保証金の一部又は全部を放棄する可能性があります。
⑦金利について
当社グループは、M&Aに係る資金等を金融機関からの借入金により調達しており、有利子負債への依存度が高い水準にあります。営業キャッシュ・フローとバランスのとれた設備投資を心掛け、有利子負債を抑制するように努めてまいりますが、将来の金利情勢の変動により金利が予想以上に上昇した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧システム障害について
当社グループは、様々な業務を基幹システムで処理しているため、人為的ミス、ネットワーク障害、コンピュータウイルス、大災害等の予期せぬ事態によりシステムに障害が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、システムの障害時に代替の業務運用を構築するため、主要システムのサーバーを大手ベンダーのデータセンターにアウトソーシングしております。
(3)外食事業に関するリスク
①食の安全について
当社グループが運営する各店舗は「食品衛生法」により規制を受けております。「食品衛生法」は、食品の安全性確保のため公衆衛生の見地から必要な規制その他の措置を講ずることにより、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、もって国民の健康の保護を図ることを目的とした法律であります。
飲食店を営業するにあたっては、食品衛生責任者を置き、厚生労働省令の定めるところにより都道府県知事の許可を受ける必要があります。当社グループにおきましては、自社での定期的な衛生点検に加え、専門業者による衛生検査や細菌検査等の店舗衛生点検を直営・FC全店に対し客観的な観点から実施しており、安全な商品を消費者に提供するための衛生管理を徹底しておりますが、万一、食中毒等の事故が起きた場合は、この法的規制により食品等の廃棄処分、一定期間の営業停止、営業の禁止、営業許可の取消しを命じられるというリスクがあり、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
②食材の調達について
当社グループは、豚肉、鶏肉、米、野菜等の食品を扱っているため、口蹄疫や豚コレラ、鳥インフルエンザ、BSE等の疫病の問題、又は天候不順などによる農作物の不作や残留農薬などの問題等により食材の調達に影響を受ける可能性があります。調達ルートを複数確保するよう努めておりますが、食材の安定的な確保に支障が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③FC展開について
当社グループは、FC加盟店(以下「加盟店」という。)による「かつや」、「からやま」及び「からあげ縁」店舗の出店を積極的に進めることを今後の事業拡大の基本方針としております。今後のFC店舗の増加を見据え、FC管理業務を行うFC本部体制の強化に努めておりますが、今後、FC本部体制の構築が事業拡大に伴って進展しない場合、又は加盟店の発掘、店舗物件の確保が想定どおり進捗せずFC店舗が計画どおり出店できない場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行により、コロナ禍前の正常な経済活動を取り戻しつつ景気が緩やかに回復に向かう一方で、ウクライナ情勢の長期化と円安基調、エネルギー価格・原材料価格の高止まり等、景気の先行きは依然として、不透明で厳しい状況が続いております。
このような環境下、当社グループの主力である「住・食」関連事業を深耕・発展させ、消費者の生活により近い形で網羅的な商品、サービスの提供に努めて参りました。
その結果、当社グループの当連結会計年度における売上高及び営業収入は324,921百万円(前年同期比0.7%減)、営業利益は16,113百万円(前年同期比14.8%減)、経常利益は16,594百万円(前年同期比13.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,125百万円(前年同期比5.6%減)となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
(小売事業)
ホームセンター部門の売上高及び営業収入は、今年度6月のホームセンタームサシ御経塚店及び前年度9月にオープンしましたスーパービバホーム八王子多摩美大前店、既存店で専門化に注力するペット部門及びリフォームサービスの伸長が寄与した一方、既存店におけるDIY関連及び家庭用品部門の苦戦もあり、244,210百万円(前年同期比2.6%減)となりました。
その他小売部門の売上高及び営業収入は9,652百万円(前年同期比3.3%減)となりました。
その結果、小売事業の売上高及び営業収入は253,862百万円(前年同期比2.7%減)、営業利益は5,977百万円(前年同期比41.9%減)となりました。
(卸売事業)
卸売事業の売上高及び営業収入は4,922百万円(前年同期比8.5%減)、営業利益は314百万円(前年同期比32.4%増)となりました。
(外食事業)
外食事業は、主力のとんかつ専門店「かつや」(国内)のFCを含む店舗数は22店舗純増の472店舗、「からやま」・「縁」(国内)のFCを含む店舗数は10店舗純減の161店舗となりました。店舗DX化の推進に加え、「かつや」(国内)で14回及び「からやま」・「縁」(国内)で11回のフェアメニューの実施により既存店の売上高前年比が好調に推移し、売上高及び営業収入は51,813百万円(前年同期比9.8%増)、営業利益は5,706百万円(前年同期比15.3%増)となりました。
(不動産事業)
不動産事業の売上高及び営業収入は13,359百万円(前年同期比3.0%増)、営業利益は3,932百万円(前年同期比15.2%増)となりました。
(その他)
その他にはフィットネス事業「JOYFIT」5店舗及び「FIT365」4店舗を含んでおります。新型コロナウイルス感染症5類移行もあり会員数が増加し、売上高及び営業収入は963百万円(前年同期比12.3%増)、営業利益は74百万円(前年同期比164.4%増)となりました。
財政状態については次のとおりであります。
(総資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比較して11,204百万円減少し、350,721百万円となりました。これは主に現金及び預金が5,504百万円、商品及び製品が1,077百万円減少したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比較して11,443百万円減少し、233,911百万円となりました。これは主にリース債務が4,757百万円、1年内償還予定の社債2,009百万円、電子記録債務2,702百万円減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比較して239百万円増加し、116,810百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益等により利益剰余金が7,495百万円、連結子会社の完全子会社化による株式交換等により資本剰余金が5,037百万円、当社株式の買取請求等により自己株式2,617百万円が増加し、前述の株式交換等により非支配株主持分が10,936百万円減少したことによるものです。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、18,313百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、16,794百万円(前連結会計年度は20,497百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益15,646百万円、減価償却費10,753百万円、法人税等の支払額6,323百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、6,951百万円(前連結会計年度は13,122百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出14,626百万円、有形固定資産の売却による収入8,146百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、15,366百万円(前連結会計年度は13,955百万円の使用)となりました。これは主に子会社の自己株式の取得による支出8,339百万円、自己株式の取得による支出2,619百万円、リース債務の返済による支出1,693百万円によるものです。
③仕入及び販売の実績
a.商品等仕入実績
当連結会計年度の商品等仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) |
構成比(%) |
前年同期比(%) |
|
小売事業(百万円) |
165,343 |
88.4 |
78.0 |
|
卸売事業(百万円) |
9,153 |
4.9 |
91.4 |
|
外食事業(百万円) |
18,976 |
10.1 |
108.7 |
|
不動産事業(百万円) |
2 |
0.0 |
122.9 |
|
その他(百万円) |
4 |
0.0 |
97.0 |
|
消去(百万円) |
△6,504 |
△3.4 |
- |
|
合計(百万円) |
186,974 |
100.0 |
80.1 |
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) |
構成比(%) |
前年同期比(%) |
|
小売事業(百万円) |
253,868 |
78.1 |
97.3 |
|
卸売事業(百万円) |
11,422 |
3.5 |
101.6 |
|
外食事業(百万円) |
51,813 |
15.9 |
109.8 |
|
不動産事業(百万円) |
15,138 |
4.7 |
104.6 |
|
その他(百万円) |
963 |
0.3 |
112.3 |
|
消去(百万円) |
△8,285 |
△2.5 |
- |
|
合計(百万円) |
324,921 |
100.0 |
99.3 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検証内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
当社グループの当連結会計年度における売上高及び営業収入は324,921百万円(前年比0.7%減)、営業利益は16,113百万円(前年比14.8%減)、経常利益は16,594百万円(前年比13.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,125百万円(前年比5.6%減)となりました。
以下、連結財務諸表に重要な影響を与えた要因について分析いたします。
ⅰ)売上高、営業収入
売上高310,697百万円(前年比0.9%減)、営業収入14,224百万円(前年比3.7%増)となりました。
「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
ⅱ)営業総利益、販売費及び一般管理費、営業利益
営業総利益は、129,718百万円(前年比1.3%減)となりました。円安の影響により前年に比べ売上総利益率が下回ったことが要因となっております。
販売費及び一般管理費については、113,605百万円(前年比1.0%増)となりました。外食事業の人件費と中心としたコスト増によるものであります。
営業利益につきましては、前年に比べ営業総利益が減少し、かつ販売費及び一般管理費の増加もあり、前期比14.8%減の16,113百万円となりました。
ⅲ)営業外損益、経常利益
営業外収益は、1,619百万円(前期比18.6%減)となりました。主な要因は前期に助成金収入を受け取っていたことによるものです。
営業外費用は、1,139百万円(前期比34%減)となりました。主な要因は前期にリース解約により発生したことによるものです。
以上の結果、経常利益は16,594百万円となりました。
ⅳ)特別損益、税金等調整前当期純利益、親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益は、4,258百万円(前期比425.8%増)となりました。主な要因は固定資産売却によるものです。
特別損失は、5,207百万円(前期比71%増)となりました。主な要因は減損損失によるものです。
その結果、特別損益は948百万円の損失(純額)となりました。
以上により、税金等調整前当期純利益は15,646百万円(前期比7.7%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益については9,125百万円(前期比5.6%減)となりました。
b.戦略的現状と見通し
当社グループは、主力のホームセンター部門において、変化対応型店舗戦略を推し進め、「住」関連の専門性を追求すると共に、全国規模の展開を目指して、確固たる事業基盤を構築すべく注力しております。
店舗規模及び地域特性を生かした品揃えとより一層の顧客サービスにより、「お客様に圧倒的に支持される店舗づくり」を第一として取組んでまいります。そして同時に、「楽しくなければ売場ではない」という考えのもとに、お客様が「わくわく」される店舗づくりに取組んでまいります。
c.資本の財源及び資金の流動性についての分析
ⅰ)キャッシュ・フローの状況
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
ⅱ)資金需要について
当連結会計年度においては、ホームセンター及び外食事業の新規出店等に16,925百万円の設備投資を行いました。
次期の当社グループの資金需要については、ホームセンター及び外食事業の新規出店・改装・開発を中心に19,400百万円の設備投資を予定しております。
なお、この設備資金につきましては主に自己資金及び借入金によって賄う予定であります。
③経営上の目標の達成状況
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な会社の経営戦略」に記載のとおり、連結売上高315,000百万円、経常利益19,000百万円の達成に向けて取組んでおります。
各指標の推移は次のとおりであります。
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第52期 (自 2020年2月21日 至 2021年2月20日) |
第53期 (自 2021年2月21日 至 2022年2月28日) |
第54期 (自 2022年2月21日 至 2023年2月28日) |
第55期 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) |
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売上高(百万円) |
178,575 |
357,190 |
313,487 |
310,697 |
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経常利益(百万円) |
16,956 |
23,281 |
19,176 |
16,594 |
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経常利益率(%) |
9.5 |
6.5 |
6.1 |
5.3 |
(株式交換契約)
当社は、2023年4月14日付の当社取締役会決議により、当社を株式交換完全親会社とし、アークランドサービスホールディングス株式会社(以下「アークランドSHD」といい、当社とアークランドSHDを総称して、以下「両社」といいます。)を株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」といいます。)を行うことを決定し、同日、両社の間で株式交換契約(以下「本株式交換契約」といいます。)を締結いたしました。
本株式交換は、2023年5月25日開催の当社の定時株主総会及び2023年6月22日開催のアークランドSHDの臨時株主総会の決議による本株式交換契約の承認を得た上で、2023年9月1日を効力発生日としてアークランドSHDの全株式を取得し、完全子会社化いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
(借入金の借換え)
当社は、2023年2月14日開催の取締役会において、株式会社三井住友銀行及び株式会社みずほ銀行をアレンジャーとする、シンジケートローンの組成による現行シンジケートローンの総額借換えを実施することにつき決議し、2023年3月10日付で契約を締結いたしました。
1.目的
当契約は、既存の借入金の借換えを行い、機動的かつ安定的な資金調達手段を導入することによる財務の健全性を確保し、より強固な財務基盤を構築することを目的としております。
2.契約の概要
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トランシェA |
トランシェB |
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契約締結日 |
2023年3月10日 |
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組成金額 |
48,250百万円 |
10,000百万円 |
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実行日 |
2023年3月15日 |
2023年9月29日 |
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最終弁済期日 |
2031年6月16日 |
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参加金融機関 |
株式会社三井住友銀行、株式会社みずほ銀行を含む複数金融機関 |
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担保 |
無担保 |
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3.財務制限条項
借換後のシンジケートローン契約には、財務制限条項が付されており、以下のいずれかの条項に抵触した場合、契約上のすべての債務について期限の利益を喪失する可能性があります。
①2023年2月期末日及びそれ以降の各事業年度末日並びに2023年8月第2四半期会計期間の末日及びそれ以降の第2四半期会計期間の末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額を、2022年2月期末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額以上かつ直近の事業年度末日又は第2四半期会計期間の末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額の80%に相当する金額以上に維持すること。
②2023年2月期末日及びそれ以降の各事業年度末日並びに2023年8月第2四半期会計期間の末日及びそれ以降の第2四半期会計期間の末日における借入人単体及び連結の損益計算書に記載される営業損益を損失としないこと。
③2024年2月期末日及びそれ以降の各連結会計年度末日におけるネット・レバレッジ・レシオ(α)(※)が以下の値を超えないこと。
2024年2月期:α≦6.5 2025年2月期:α≦6.2 2026年2月期:α≦5.9
2027年2月期:α≦5.6 2028年2月期:α≦5.3 2029年2月期:α≦5.0
2030年2月期:α≦4.7 2031年2月期:α≦4.4
(※)ネット・レバレッジ・レシオ=(合算有利子負債-合算現預金)/合算EBITDA
該当事項はありません。