第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

COVID-19の影響度合いが弱まり経済回復が進む中で、原材料・食材・エネルギー等の仕入価格の高騰・生産年齢人口の減少・スポットワーカーの増加など、原材料費・人件費・水道光熱費といった店舗運営コストの上昇が続いており、依然として厳しい経営環境が続いております。

2025年2月期におきましては、「時代・マーケット・現実に適応することでコロナから完全に脱却する」を社内目標に掲げ、以下の戦略・取り組みを推進することで経営課題を解決し、通期での黒字化を目指します。

 

(1) 「PPM戦略(Preparation Process Management)」の推進

2022年2月期に立ち上げた自社加工拠点「PPMセンター」は予定通り順調に稼働しております。外食ならではの圧倒的な商品力と、食品工場に匹敵する高い生産性を目指し、それぞれの業態、それぞれの商品において、緻密な調理工程管理を行い、このような状況下においても安定した商品提供とコスト管理が行える体制を構築し、利益の確保に努めてまいります。

 

(2) 「てけてけ」のリモデル店舗の開発及び既存ブランドの新商品開発

COVID-19やSNSの発達など近年の社会変化により、外食動機が変化し新たなニーズが生まれております。既存店のブランドコンセプトや想定利用シーンを見直し、メインブランド「てけてけ」のリモデル化や新商品開発を推し進め、既存店のトップラインの早期回復を図ります。

 

(3) 新業態開発及び新規出店の推進

てけてけ」「the 3rd Burger」に並ぶ事業化を目標に、2024年2月期にオープンした「海鮮丼新太郎」のブラッシュアップや、直営による新規出店に加えフランチャイズによる店舗展開を視野に入れた新たな飲食業態の開発を推し進めます。2025年2月期の新規出店数は2店舗を計画しております。

 

(4) 店舗QSCレベルの向上

人材採用・研修教育・各種マニュアルの強化・再整備を行い、全店舗において店舗QSCレベルの向上を推し進めてまいります。原材料費や光熱費などの物価高騰の影響を価格転嫁により吸収しつつ、サービスレベルを強化することでお客様の体験価値向上を図ります。

 

(5) 特定技能制度を活用した外国籍人材の活用

少子化・労働力不足等による人材不足の課題解決に向け、特定技能人材の受け入れを積極的に行うことで、労働集約型ビジネスの根幹である人材の確保・教育・研修を推進し、盤石な人員体制の構築を図ります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社は、当社のMission『「本当に美味しい料理」を世界中の人々に届けて、世界を良くしていく。』を追求することにより、サステナブルな社会の実現を目指します。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

社内取締役と部署長をメンバーとした各部との定例会議を毎週開催することにより、Missionの実現に向けたリスクの認識や対応方針の協議を行っております。そのうち重要なリスクや対応方針については、取締役会にて報告する体制を整えております。

 

(2)戦略

商品ごとに緻密な調理工程管理を行う「PPM戦略(Preparation Process Management)」をMission実現のための独自戦略として推し進め、理論原価と実原価の差分である「理論原価差異」を店舗責任者の評価制度に採用することで、本部・店舗の両面で効果的なフードロス削減の取り組みを推進しております。

また、すべての従業員が「一体感」をもってMission実現を目指すことを理想に掲げ、社名を「United&Collective」と名付けております。その実現に向け、性別・年齢・国籍・人種・学歴等を問わない評価制度や全社員を対象としたフレックス制度、アルバイト責任者制度など各種社内制度を導入しておりますが、更なる働きやすい環境を目指して新制度導入や見直しに取組んでまいります。

 

(3)リスク管理

定例会議等により認識したリスクや機会については、取締役会のみならず、毎月開催している全店会議及び年に4回開催している全社員会議において適宜共有し、迅速な意思決定と対応指示を行っております。

 

(4)指標及び目標

当社Mission『「本当に美味しい料理」を世界中の人々に届けて、世界を良くしていく。』を追求することによるサステナブルな社会の実現に向け、「戦略」の記載事項をはじめとする各種取組みを行っております。

なお、人材育成及び社内環境整備等に関する指標及び目標につきましては、現時点では「育児休暇取得率」、「外国人従業員人数」、「女性管理職比率」等を念頭に、目標とすべき指標等を検討中であります。

 

 

3 【事業等のリスク】

当社の事業展開その他に関して、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1) 当社の事業展開について
① 事業の内容について

当社は「てけてけ」「the 3rd Burger」「海鮮丼新太郎」の3業態80店舗(2024年2月29日現在)を一都三県と大阪府に展開しております。各業態ともに、市場ニーズや消費者嗜好の情報を収集しながら、常に業態の進化および新業態開発を継続して行っていく方針でありますが、国内景気の悪化・低迷等の外的要因や当社固有の問題等の発生により、店舗集客に大きな変化が生じた場合は、当社の財政状態または経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 食材の仕入・管理について

食材につきましては、「安全」「安心」をお客様に提供するために、より厳しい基準で管理体制を維持しておりますが、当社使用の食材において、安全性が疑われる問題等が生じた場合、また、当社の営業店舗等で安全性が疑われるような事象が発生した場合には、当社の財政状態または経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのほか、社会的環境の変化や法令の改正などにより、提供する食材の調達や加工に設備や作業等が必要になった場合には、コストの増加が発生し財政状態または経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 出店計画について

新規出店用物件の情報については、不動産仲介業者等に加え、当社既存店の管理会社、取引先銀行、取引先業者等からも情報入手を心がけておりますが、当社業態に合う物件取得は容易ではありません。売上・利益計画についても、取得物件において想定通りの店舗売上・収益を確保できない可能性があります。今後とも、新規出店計画達成に必要な物件の確保に努めてまいりますが、出店後に店舗周辺に多大な環境変化などが事態が発生した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 人材確保

店舗の安定した運営を継続して行うためには、パートタイマー・アルバイトを含め優秀な人材の確保が必要であります。当社の経営理念を理解し、賛同した人材確保を最重要課題として、正社員の採用においては新規学卒採用だけでなく、既存店舗に勤務しているパートタイマー・アルバイトからの社員登用や中途採用、特定技能制度の活用など、優秀な人材の獲得に取り組んでまいります。また人材教育に関しては、全店に設置された教育用タブレットを活用し、理念教育を重点的に行う事により当社の核となり得る人材を育成してまいります。しかしながら、人材の確保及び教育が追いつかない場合には、当社の財政状態または経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 賃貸借契約の管理

当社の本社及び店舗は全て建物を賃借しております。各賃貸借契約に対し保証金等を差し入れており、2024年2月29日現在、保証金等の差入残高は785,417千円で総資産に対し19.9%の比率となっております。

新規出店の際、与信調査については万全を期しておりますが、賃貸人側の財政状態が悪化した場合、保証金等が回収不能に陥ったり、賃借物件の継続賃借が困難になる恐れがあります。そうなった場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 経営者への依存に関するリスク

当社において、創業者である代表取締役坂井英也は、当社の経営方針の策定や経営戦略の決定、業態開発等、当社の業務執行において重要な役割を担っております。当社では、組織体制の充実や職務分掌及び職務権限規程に基づく権限の委譲など、特定の者に過度に依存しない組織体制への移行を進めており、依存度は相対的に低下するものと考えておりますが、そうした経営体制への移行過程において、何らかの理由により坂井の業務執行が困難となった場合には、当社の経営成績及び事業展開等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 法的規制について

① 食品衛生法

当社では、飲食事業の衛生管理の重要性に鑑み、仕入食材については物流センターにおける品質管理の徹底を図っているほか、配送においても温度管理等、品質維持を徹底しております。また、各店舗におきましても衛生面での定期的なチェックと改善指導等を実施し社内の規則に沿った衛生管理を徹底しておりますが、食中毒に関する事故が発生した場合や食品衛生法の規定に抵触するような事象が発生した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 食品リサイクル法

2001年5月に施行された「食品循環資源の再利用等の促進に関する法律」(食品リサイクル法)により年間100トン以上の食品廃棄物を排出する外食業者(食品関連事業者)は、食品廃棄物の発生量の抑制、減量及び再生利用を通じて、食品残渣物の削減を義務付けられております。当社は食品残渣物を削減するための取り組みを鋭意実施しておりますが、今後法的規制が強化された場合には、その対応のために、設備投資等に関連する新たな費用が発生し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 

 

③ 風営法

深夜0時以降も営業する店舗につきましては、深夜営業について「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」により規制を受けております。当社は、各店舗における届出等、当該法令に定める事項の厳守に努めておりますが、法令違反等が発生した場合には、一定期間の営業停止等が命ぜられ、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 製造物責任

当社は、「農林物資の規格化等に関する法律」(JAS法)、「製造物責任法」(PL法)等に基づく規制を受けており、これらの法令の遵守についても対策を講じておりますが、万が一これらの法令に違反した場合、商品の廃棄処分、回収処理などが必要となるおそれがあり、当社の財政状態または経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 出入国管理及び難民認定法

当社のアルバイト従業員のうち、6.9%(2024年2月29日現在)が外国人となっております。外国人の労働に関しては、「出入国管理及び難民認定法」により規制されており遵守しておりますが、法令や規制内容の変更が発生した場合には、一時的に人材不足により当社の財政状態または経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 有利子負債について

当社は、店舗造作費用及び差入保証金等の出店に係る資金を主に金融機関からの借入れにより調達しております。この結果、総資産に占める有利子負債(借入金)の割合が、2024年2月29日現在で82.5%と高い水準となっております。金融機関とは良好な関係を維持しており、現在のところ特に金利引上げの要請も受けておりませんが、有利子負債依存度が高い状態のまま金利が上昇した場合、当社の財政状態または経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(5) 減損損失について

当社は、キャッシュ・フローを生み出す最小単位として、主に店舗を基本単位としてグルーピングしております。外部環境の著しい変化等により、店舗収益が悪化し、店舗における営業活動から生ずる損益が継続してマイナスとなった場合、固定資産について減損損失を計上することとなり、当社の財政状態または経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(6) 自然災害の脅威について

当社は、首都圏に集中して店舗展開を行っているため、東京都心部を中心に大規模な災害(地震、台風、洪水、新型コロナウイルス感染拡大等)が発生した場合、来客数の著しい落ち込みや通常営業が困難となる恐れがあり、当社の財政状態または経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(7) COVID-19について

当社は、飲食店の経営が主要な事業となっておりますが、COVID-19の感染拡大に伴う政府・自治体による緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の適用により、時短営業や外出自粛要請などが発せられ今後の見通しが立たない場合、当社の財政状態または経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(8) 継続企業の前提に関する重要事象等について

当社は、前事業年度において、COVID-19の感染拡大を受け度重なる営業活動の自粛やアルコール提供の中止、時短営業等を行ったことで債務超過に陥っております。当該重要事象等を解消するため、当事業年度では「てけてけ」のリモデル店舗及び新業態・新商品の開発、既存業態の店舗QSC向上・管理体制強化によりトップラインの早期回復を図り、戦略的な退店を推し進め本社を縮小移転するなどで店舗固定費や本部管理コストを大幅に削減する取り組みを推進いたしました。この結果、通期の売上高5,980百万円・営業利益38百万の計画に対し、売上高6,168百万円・営業利益52百万円といずれも計画を上回る着地となったものの、当事業年度末においても債務超過が継続しております。

 これらの状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が発生しておりますが、当事業年度末の資金残高の状況及び今後の資金繰りを検討した結果、当面の事業活動の継続性に懸念はございません。加えて、当該重要事象等を解消するため、不採算店の撤退及び抜本的なコスト圧縮、資金調達及び資本政策の実施など対策を講じていることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 ① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、5類感染症への位置づけ変更等によるCOVID-19の影響度合いが弱まり、人流や訪日外客数が回復するなど経済回復が進みました。一方で、ウクライナ情勢の長期化に加えてイスラエル・ハマス紛争が勃発するなど世界経済の先行き不透明感が増す中、わが国経済においても円安進行・物価高騰・実質賃金減少・異常気象など依然として先行き不透明な状況が続いております。

外食産業におきましては、原材料・食材・エネルギー等の仕入価格の高騰・生産年齢人口の減少・スポットワーカーの増加など、原材料費・人件費・水道光熱費といった店舗運営コストの上昇が続いており、依然として厳しい経営環境が続いております。

このような環境の下、当社におきましては、当事業年度において通期での営業黒字達成に向け、緩やかな新規出店とトップラインの回復を図りつつ、前事業年度において決議した不採算店の撤退を行い、徹底したコスト管理でCOVID-19以前よりも筋肉質な経営を実現するための取り組みを行っております。「てけてけ」業態においては、2ヶ月に1度の頻度で期間限定メニューを改廃し、オウンドメディアによる集客施策の向上に加えグルメサイト等による販促施策を強化するなど、物価高騰による影響を価格転嫁のみに依存しないよう集客施策の取り組みを行ってまいりました。「the 3rd Burger」業態においては、高価格帯の期間限定商品やセルフレジのUI設計見直し等により、客数・客単価ともに前年比を上回り堅調に推移いたしました。また、1月末には新業態「海鮮丼新太郎」を飯田橋にオープンし、オープン以降当初計画を上回る売上で好調なスタートを切りました。当事業年度は「焼鳥酒場てけてけ渋谷本店」「海鮮丼新太郎」の2店舗の新規出店を行い、10店舗を退店したことで、当事業年度末における店舗数は80店舗(前年同期比8店舗減)となりました。

以上の結果、売上高は6,168,634千円(前年同期比15.3%増)となり、売上総利益は4,674,592千円(前年同期比18.2%増)、営業利益は52,917千円(前年同期は営業損失1,086,810千円)、経常利益は38,905千円(前年同期は経常損失888,808千円)、当期純損失は91,056千円(前年同期は当期純損失1,287,953千円)となりました。

なお、当社は飲食事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

当事業年度末の総資産は3,929,330千円となり、前事業年度末と比較して285,448千円の減少となりました。これは主に、流動資産が50,785千円増加した一方、有形固定資産が249,731千円、投資その他資産が94,747千円それぞれ減少したこと等によるものであります。

また、当事業年度末の負債総額は4,190,531千円となり、前事業年度末と比較して767,549千円の減少となりました。これは主に、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が684,673千円、資産除去債務が52,069千円それぞれ減少したこと等によるものであります。

当事業年度末の純資産は△261,201千円となり、前事業年度末と比較して482,101千円の増加となりました。これは主に、新株予約権の行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ278,080千円増加した一方、利益剰余金が当期純損失91,056千円の計上等により80,609千円減少したこと等によるものであります。

 

 ② キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は、前事業年度末と比較して49,588千円増加し、1,548,743千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度末における営業活動による資金の増加は159,905千円(前事業年度は172,216千円の減少)となりました。これは、税引前当期純損失119,030千円、減損損失130,731千円、減価償却費223,948千円の計上等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度末における投資活動による資金の増加は17,037千円(前事業年度は89,081千円の減少)となりました。これは、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出92,759千円があった一方、敷金及び保証金の回収による収入133,027千円があったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度末における財務活動による資金の減少は127,353千円(前事業年度は475,440千円の減少)となりました。これは、長期借入金の返済による支出684,673千円が、新株予約権行使による株式の発行による収入557,319千円を上回ったことによるものです。

 

  ③ 生産、受注及び販売の状況

  a 仕入実績

当社の事業は提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、「生産実績」に代えて、「仕入実績」を記載いたします。

 

事業部門の名称

当事業年度

(自 2023年3月1日

至 2024年2月29日)

前年同期比(%)

居酒屋業態(千円)

1,291,962

115.9

その他業態(千円)

203,961

70.2

合計(千円)

1,495,923

106.4

 

(注) 金額は、仕入価格の金額によっております。

 

  b 受注実績

当社は、一般消費者へ直接販売する飲食事業を行っておりますので、記載しておりません。

 

  c 販売実績

当事業年度における販売実績は次のとおりです。

 

事業部門の名称

当事業年度

(自 2023年3月1日

至 2024年2月29日)

前年同期比(%)

居酒屋業態(千円)

5,446,810

123.3

その他業態(千円)

721,824

77.5

合計(千円)

6,168,634

115.3

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社は過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っております。

なお、財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当事業年度の売上高は、COVID-19の影響度が弱まり経済回復が進んだことで6,168,634千円となり、前年同期比15.3%と前事業年度を大きく上回る結果となりました。

売上原価については、原材料費の高騰を価格転嫁により吸収し、前年同期に比べて全社に占める居酒屋業態の売上が高くなったことで、原価率が前年同期よりも1.9%下回ったことにより売上総利益は4,674,592千円となり、前年同期比18.2%となりました。

販売費及び一般管理費においては、不採算店舗の撤退や本社の縮小移転等によるコスト削減の取り組みにより4,621,675千円となり、前年同期比▲8.2%と前事業年度を下回る結果となりました。主な費用の内訳は、給料及び手当1,871,270千円、地代家賃1,044,843千円となっております。

これらの結果、営業利益は52,917千円(前年同期は営業損失1,086,810千円)と前年同期を大きく上回る結果となり、営業黒字に転じております。

経常利益においても38,905千円(前年同期は経常損失888,808千円)と黒字に転じております。

当期純利益においては、将来の回収可能性を慎重に検討した結果、減損損失130,731千円を特別損失に計上したことにより、当期純損失91,056千円(前年同期は当期純損失1,287,953千円)となりました。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社の資金需要は大きく分けて新規出店に係る有形固定資産の取得のための資金、商品仕入や人件費等の支払に係る資金であります。

これらの資金は主に自己資金及び借入金により調達しており、今後も同様の方針で賄う予定であります。また、現状資金が不足するような状況ではございませんが、事業計画に基づく新規出店による資金需要、経済環境等を熟慮した上で調達手段や調達規模を都度判断して参ります。

なお、キャッシュ・フローの状況についての分析は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

 フランチャイズ加盟契約

当社は、フランチャイズ加盟店との間で、以下のような加盟契約を締結しております。

 (1) 契約の内容

当社は、当社が開発・展開し統括する鶏料理居酒屋「てけてけ」の商標を使用して店舗を営業する資格ないし権利を加盟店に付与し、マニュアル等の印刷物、担当スーパーバイザーによる店舗運営・経営指導、運営システムの提供等を通じて加盟店の経営、店舗の営業を支援する。加盟店は、契約に定める事項、貸与ないし供与されたマニュアル並びに当社の指示を遵守して営業に従事し、その発展に邁進するものとし、契約に定める加盟金、ロイヤリティを支払う。

 

 (2) 契約期間

契約締結日を開始日として、満5年を経過した日を終了日とする。

 

 (3) 契約更新

契約期間満了の3ヶ月前までに両当事者のいずれからも解約の申し入れがない場合は、3年毎に自動的に更新される。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。