文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
〇経営者の認識について
リーマンショックにより2010年3月期の連結営業利益が49億円の赤字となり、急激に資金が減少し、雇用調整助成金を受給した経験を踏まえ、当社は「常に経済危機は起こる」ということを前提に、雇用を守り抜く為に、資金残高にも配慮しつつ、「自己資本の“質と量”の充実」を優先してきました。
現中期経営計画「M2CX」では、「2つのThe Coreを変革する」ということをテーマに取り組んでいます。お客さま・エンジニア2つのサービス提供先に対して、多彩なサービスバリュエーションを掛け合わせ、更なる付加価値を積極追求し、採用は品質を堅持しつつ「数の力量」を積極増強していきます。
そういった中で、自己資本の質と量を堅持し、効率的な経営を行った結果、当年度末における自己資本は470億円以上となり、「自己資本の“質と量”は概ね充実」していると認識しています。
(1)会社の経営の基本方針
<メイテックグループの経営理念>
『共生と繁栄』
<メイテックグループのコーポレート・スローガン>
『人と技術で次代を拓く』
<メイテックグループの「目指すべき姿」>
私たちメイテックグループは、全社員がつながりあい、エンジニア価値を起点として、5つの価値を持続的に向上させます
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<メイテックグループの本質を伝える呼称> |
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(2)経営環境
技術分野においては「デジタル化」が進むと共に、「AI」や「自動運転」などの技術革新が加速化し、当社の主要な顧客である大手製造業各社では、競合する企業が多様化・複雑化し、競争優位性を保つことが非常に厳しい環境にあります。又、人材不足解消の取り組みとしてDXによる仕事の自動化・無人化が進み、今後一部の設計・開発領域においては、AIが人間に代替される事が見込まれます。
また規模の大小や実績の長短、スタートアップ企業などにかかわらず、多くのお客様で共通するマテリアリティにおける技術革新が加速している状況下で、当社グループは、改めてお客様とエンジニアの2つの価値提供先に対するオリエンテッドを絶対的に追求し、社員、そしてお客様や社会に貢献するために、2つの「The Core」に対して「Transformation」を組み込んでいきます。
(3)経営戦略等
2023年度からの3年間の実行計画として「「MEITEC 2 Core Transformation」、「M2CX」を策定し、2023年4月1日からスタートしました。
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<中期経営計画の名称> |
<基本方針(1)> |
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<基本方針(2)> |
<2025年度のグループ連結の収益目標> |
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(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
「事実上の課題」
1)経営幹部の後継者育成
メイテックグループは「共生と繁栄」の経営理念に立脚し、全社員がつながりあい、エンジニア価値を起点として、5つの価値(エンジニア価値、社員価値、顧客価値、株主価値、社会価値)の持続的向上を図り、業容と規模の両面を拡大してきました。
外面的に、付加価値を提供する仕組みが同一の事業における規模の拡大と見られます。しかし、実際には、各傘下事業会社には固有のリスクプロファイルがあり、さまざまな利害関係が複雑に絡み合い、さらに難しくなっています。
メイテックグループが持続的に成長するためには、バリューチェーンの連携とリスクマネジメントを統合的・戦略的・機敏に実行する必要があります。したがって、経営幹部は、これらの事柄について広く深い洞察力を持つことが必要不可欠です。しかし、経営幹部の業務の中には、狭い範囲の知見に止まり、連携・統合の視点が乏しい場面を認知しています。そのため、強い危機感を持つとともに、経営幹部の後継者確保と候補者の育成が最も重要な課題と認識しています。
2)中核事業の業務変革
メイテックグループの中核事業はエンジニアリングソリューション事業です。その事業における将来の業績は、技術力の高いエンジニア社員数とその稼働率の多寡に懸かっています。そのため、受注営業、採用・増員、キャリアサポートの業務を統合的に管理して、環境変化に適応した変革を繰り返し、持続的成長を実現することが重要な課題です。
① 受注営業
エンジニアリングソリューション事業は、エンジニア社員のキャリアアップを支援する事業でもあります。受注量の確保は、稼働人員数の増加や稼働率の維持・向上だけでなく、業務領域の拡大や継続的な機会と場の提供など、エンジニア社員のキャリアアップの選択肢を拡げるためにも極めて重要です。したがって、平常時や危機的状況にかかわらず、安定的に十分な受注を確保するために、営業力の強化につながる営業システムの変革を継続することが重要な課題です。
② 採用・増員
特に「プロのエンジニア集団」のメイテックは、多くの優秀なエンジニア社員を確保することが成長力の源泉となります。そのため、業界のリーディングカンパニーとしての信頼性・安心感に基づく労働市場におけるブランドを確立することは、グループ採用力を継続的に高めていく上で極めて重要です。また、平時・危機時を問わず、市場環境の変化に応じて、グループ採用活動を遅滞なく迅速に修正することが不可欠であり、これも重要な課題です。
③ キャリアサポート
特にメイテックでは、「プロのエンジニア集団」として、品質の維持・向上を図るためには、エンジニア社員一人ひとりのキャリアアップをきめ細かにサポートすることが必要不可欠です。このサポートには、エンジニア社員自らが主体となるキャリアアップ支援の拡充と、会社主導のキャリアアップ支援の強化、の両立が重要な課題です。したがって、お客さまニーズに基づく技術進化と市場動向を正確に理解することの重要度が高まっていることを認識しています。
「財務上の課題」
資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応は以下の通りです
① 現状分析
エクイティ・スプレッドの水準を、長きにわたって強く意識してきました。
分析する主要指標は2つで、株主資本コスト(投資者の期待リターン)とROE(自己資本利益率)、補完する指標はPBR(株価純資産倍率)です。中でも、株主資本コストの算出で用いるベータ値の動向を最も強く意識してきました。
そして、資本収益性と市場評価はおおむね高い水準にあり、長期間維持できている、との自己評価に沿って、これまでの誠実な取り組みを継続することが適正、と判断しています。
なお、バランスシートの現預金水準に関して意見が対立することはあります。当社グループは、資本収益性と市場評価の水準、多様なステークホルダーの存在と特定業種の自己資本規制を参照した本質的な財務健全性の重要度、を説明しています。
② 計画策定・開示
長きにわたり中期計画で、ROEの定量目標を策定し、開示を続けています。
現在、中期経営計画〔2023~2025〕M2CXで、2025年度ROE目標は30%を掲げています。
また、財政規律の維持も考慮した利益配分の明確な方針を策定し、開示を続けています。
なお、2024年5月に、PBRを取り入れた配分方針へ改正しました。

③ 取り組みの実行
これまでの株主・投資家との対話では、ベータ値に対して非常に高い関心を示していました。
今後も、ベータ値への影響、従前と異なる変動を及ぼしかねない戦略の採択是非などを建設的に対話して、資本収益性と市場評価の維持向上に努めます。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)気候関連
当社グループは、サステナビリティと企業理念等に基づく既定の各種方針は同義と認識して、適切なマネジメントに努めています。したがって、当社グループが特定しているマテリアリティと既定の経営方針や戦略のほか事業等のリスクとも整合を図っています。
これまでも経営理念の「共生と繁栄」を大事にして、お客さまや社会の発展に取り組んできました。これからも目指してきたものを変えずに、社会の公器として、「人と技術」の中核サービスで高い付加価値を提供し、社会課題(SDGs、ESG)の解決に真摯に向き合い貢献していきます。
以上の考えから、当社グループは、SDGs17個の目標のうち、社会課題の解決に向けて取り組む重点目標5つのマテリアリティを特定しています。

多くのお客さまが、既に重大な気候関連リスクを含めた様々なリスクを認識して幅広くマテリアリティを掲げ、社会課題の解決に向けて積極的に取り組まれています。当社グループの技術職(エンジニア社員)は派遣という形態で、大手製造業等のお客さまの中で、お客さまの社員様と共に、前述の課題解決に資する設計開発業務に従事しています。そして、業務で取り扱う極めて秘匿性の高い技術情報等は、お客さまに全て帰属します。以上の業務実態を考慮し、当社グループは気候関連リスク等の課題解決に向けて、お客さまの開発業務を通じて、お客さまと共に協力して取り組む、との間接的な表現が適切と考えています。この考えや認識は、IFRSサステナビリティ開示基準等における重要性の判断に照らしても妥当であり、特定に至る過程も概ね適正と認識しています。
1)ガバナンス
前述の通り、サステナビリティと企業理念等に基づく既定の各種方針は同義と認識しているため、後述する「第4提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」に従って職務を執行する態勢を整備しています。なお、特定した5つのマテリアリティの中でも重要な技術革新や労働市場の動向について、取締役会で継続して適切に監視・管理できるよう、定期的に報告しています。引き続き、前述のマテリアリティ特定の過程における考え方、具体的には、各ステークホルダーとの関係を正しく理解し、健全な距離を維持しながら誠実に向き合う経営姿勢に対して、適切なリスク管理と収益機会の逸失を発生させないように、監督の強化を含む態勢整備に努めてまいります。
2)リスク管理
前述の通り、特定した5つのマテリアリティと既定の経営方針や戦略のほか事業等のリスクなどとも整合性を図っているため、後述する「3事業等のリスク」に沿って、リスクを適切に管理する態勢を整備しています。
(2)人権に関する事項
◇人権への負の影響を防止・軽減するための取り組みとして以下を実施しています
A.方針によるコミットメント
A-1 人権方針の制定
・ 2024年5月28日付でメイテックグループ人権方針を制定
詳細は当社ウエブサイトに掲載している「メイテックグループ人権方針」を参照下さい。
B.人権デュー・ディリジェンス/予防・是正措置
B-1 人権への負の影響の特定・分析・評価
1) 企業が尊重すべき主要な人権と人権に関するリスクの内容は、『今企業に求められる 「ビジネスと人権」への対応(概要版)〔法務省人権擁護局・公益財団法人人権教育 啓発推進センター、2021 年 3 月発刊〕』で、「企業が配慮すべき主要な人権及び企業活動に関連する人権に関するリスクのリストアップ」された25項目
2) リスク管理規程で規定する方法に準じて評価
3) 評価結果
レスポンシブル・ビジネス・アライアンスの行動規範バージョン 8.0(2024 年)・抜粋
・・採用した事業者の・・下請企業(人材派遣会社も含む)に適用される場合もある
① 当社グループの事業特性上、現時点で大きなリスクは少ない。
② 多くのエンジニア社員がお客さまの職場環境で技術業務に従事し、お客さまが規範を適切に運用。
③ 労働者派遣法を遵守することでリスクも低減。
④ テクノロジー・AI に関する人権問題は、ICT の急速な進化によりリスクが増大する可能性があるため、啓発活動を強化する必要がある。
⑤ 重大な損害を伴うリスクは低頻度、リスクの移転が可能な項目は少ない
B-2 予防・是正措置
B-2-1 教育・研修
・ 人権などの社内啓発等は、既定の社員コンプライアンス研修に含めて継続実施
B-2-2 社内環境/制度の整備
・ 人事ポリシー(採用、仕事、育成、評価・処遇に関する宣言)に基づく人事制度の適正な運用と進 化、労働組合との適時の協議・妥結、ハラスメント指針の進化
・ 特に障がい者雇用施設におけるバリアフリー設備ほか安全に配慮した環境整備
B-2-3 サプライチェーンの管理
・ 購買ポリシーの適正な運用
B-3 モニタリング・追跡調査
・ エンジニア社員の稼働時間(労働時間)のモニタリングと社外開示の継続
① 全社員向けコンプライアンス研修内アンケート調査、②顧客満足度アンケートを通じたエンジニア社員の業務品質を含む状況調査、などを継続実施
・ 安全衛生委員会や労使懇談会などで、労働組合との定期的な意見交換の継続
B-4 外部への情報公開
・ 有価証券報告書などで取り組みなどを定期に開示
C.救済措置、苦情処理の態勢整備
通称:労働者派遣法に基づく事業所内の窓口、メイテックグループ・ヘルプライン(内部通報制度)、(人事部内の)ハラスメント相談窓口、などの継続設置
(3)人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び
実績
1)戦略
当社グループは、後述する人事ポリシー等を明示的に制定する以前から、既に長期にわたって、実質的に『「生涯プロエンジニアⓇ」という働き方の確立を通じ「プロフェッショナルな労働市場」を創出』を掲げて、適時適切なリスクテイクに努めて収益機会を得ながら、業容を拡大してきました。
当社グループの中核会社であるメイテックにおいては、その文化である『自立と支え合い』を今後も磨きながら、エンジニアという仲間同士が認め合い支え合う「メイテックのDNA」とも言える文化も大切にしていきたい、と考えています。
これら方針等に沿った業務執行における品質の良し悪しが、短期~中期、そして、グループ経営の方針や戦略等に多大な影響を及ぼすものと認識したうえで、社内環境を含む各種態勢の整備に努めています。
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2011年9月制定のメイテック人事ポリシーは右記の通りです。 当社(およびメイテックフィルダーズ)の社員は、就業規則や賃金規程で、下記の2つに区分しています。
①技術職 (売上対応業務に従事する社員と定義しており、エンジニア社員や直接職と表すことがあります) ②事務職と管理職 (総じて、間接職と表すことがあります) |
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2003年9月制定のメイテックグループ社員行動憲章、2013年4月制定の当社の社員行動規範『プロの約束』は以下の通りです。
2)指標及び目標
当社グループは、前述の通り、サステナビリティや特定した5つのマテリアリティと企業理念等に基づく既定の各種方針は同義と認識し、既定の経営方針や戦略のほか事業等のリスクなどとも整合性を図っているため、前述の「
下記は、「第1企業の概況 5従業員の状況」の実績に関する補足です。
①技術職(エンジニア社員)
月末のエンジニア社員数と稼働率を、毎月、当社ウェブサイトで開示していますので、御覧ください。
エンジニア社員数は下記の通りですが、『「生涯プロエンジニアⓇ」という働き方の確立を通じ「プロフェッショナルな労働市場」を創出』を掲げて、適時適切なリスクテイクに努めて収益機会を得ながら、業容を拡大してきました。

《構成》
エンジニアの構成に関して、まず、技術分野の内訳は下記の通りで、グループの特徴として機械系と電気系のエンジニアが占める割合が高いです。
次に、年齢別ですが、生涯プロフェッショナルを目指すエンジニア集団として勤続年数が伸びています。60歳を超えてもなお、第一線の現役で活躍しているエンジニアが存在し、伸び続けています。メイテックは、年代別で著しい偏りが無いことも理解できると思います。一方、メイテックフィルダーズは、メイテックと比較して20~30歳台の割合が高くなっています。

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前述の通り、技術職(エンジニア社員)は男性社員の割合が非常に高いです。この最大の要因は大学生などの学生の男女割合と認識しています。右記の通り、学生における女性の割合は、工学系で15%台と最も低く、中でも機械系:6%台、電気系:9%台と著しく低位となっています。これが、当社グループのエンジニア社員の構成に対して、大きな影響を与えている、と認識しています。 |
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《技術職(エンジニア社員)の人事ポリシー》
◇お客さまが変わっても、求められる技術が変わっても、働き続けられ、成長し続けるエンジニア
技術職(エンジニア社員)に対して、上記の定義を明示したうえで、採用、仕事、育成、評価・処遇、の4つに関して宣言し、サービス提供を続けることで、業容の拡大を図っています。
《採用に関する宣言》
◇生涯プロフェッショナルを目指し、成長とキャリアアップが期待できる人を採用します。

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技術職(エンジニア社員)の採用実績や戦略・目標は図示の通りです。ハイエンドの設計開発業務を担うためには、品質の重視は必須です。昨今は特に、採用基準の保持に注力しています。
当社グループは、エンジニア社員が提供するサービスの品質を「技術力×人間力=総合力」と定義しています。
技術力は、専門的素養や実務経験を考慮しています。よって、年齢や性別などは一切問わない採用を継続しています。
人間力は、エンジニアという職に就き、生涯プロフェッショナルとして個々人で成長し続ける意欲を、最も重視しています。と同時に、設計開発業務はチームでプロジェクトを進めることが大半なので、協調性やフォロワーシップなども重視しています。
《仕事に関する宣言》
◇生涯プロフェッショナルとして成長し、キャリアアップするための機会と場を提供し続けます。
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左図は、お客さまの売上トップ10社で、5年前、1年前、直近、の3期間、を示しています。 ご存じの通り、技術の進化・変化は速く、当社技術職(エンジニア社員)が求められる技術も変わり続けており、業務を行うお客さまも変わりながら、働き続け、成長し続けることが重要となります。なお、一見すると、お客さまが変わっていないように見えますが、お客さまの取扱い製品等が大きく変化し続けていることは御存じの通りです。よって、エンジニア社員が同一のお客さまで業務に従事し続けている場合でも、全く異なる製品等の設計開発の業務に従事しています。これからも、エンジニア社員一人ひとりが、生涯プロフェッショナルとして成長し続ける意欲を持ち続け、自らキャリアアップの道を選択できるように、良質な設計開発業務〔仕事〕の就業機会〔機会と場〕を提供し続けていきます。
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《育成に関する宣言》
◇生涯プロフェッショナルを目指す一人ひとりの成長とキャリアアップを実現するためのアクティブな支援を行います。
育成に資する研修においても、前述の「自立と支え合い」を大切に取り組んでいます。
特に新卒で入社した技術職(エンジニア社員)には、「自立したエンジニアの育成」を狙い、一般的なビジネスマナーなどに加えて、お客さまからメイテックのエンジニアに対して求められている行動ができるように研修するとともに、お客さまの職場を想定した実務的な技術力を習得する研修を実施しています。メイテックのエンジニアとしての基本行動を発揮させるためには、現実に即した疑似体験は重要であることから、エンジニア社員の先輩である研修講師による、新入社員エンジニアのための研修を長きにわたって運営しています。
また、メイテックで約8千人、メイテックフィルダーズで約4千人の全国拠点に所属するエンジニア社員には、自ら学ぶための教材等をグループキャリアサポート部門から提供しています。また、各拠点単位などで主体的に勉強会が開催され、仲間同士で、技術力×人間力を高めていく支え合い活動も長きにわたって続けています。技術力を高める勉強会の一例としては、トレンド技術に関して高い知見を持つエンジニア社員が講師となり、技術分野の異なるエンジニア社員も交えて、互いのスキル向上等の研鑽に努めています。
《評価・処遇に関する宣言》
◇生涯プロフェッショナルとして、成長し続ける取り組みのプロセスと成果を評価し、その評価に相応しい処遇を行います。
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メイテックとメイテックフィルダーズの技術職(エンジニア社員)に関して、お客さまとの派遣契約等の1時間あたり単価の推移は、右図の通りです。 メイテックのエンジニア社員が、豊富な経験と高度な技術スキルが求められる設計開発業務で、継続的な業務経験とスキルを積み上げている結果として、お客さまとの契約における時間単価の上昇、そして、待遇の高まりが連動しています。 |
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エンジニア社員の処遇体系の概要は右図の通りですが、処遇においても、前述の「自立と支え合い」を織り込んだ制度を構築しています。 ①エンジニア社員の会社業績に対する貢献を賃金・処遇へ適切に反映して、モチベーションの向上を図るため、グレード格付けを設けています。なお、グレード格付けの昇格は、派遣契約単価の水準や研修受講などの付与ポイント等の要件を定めています。 ②個人業績と連動する部分は、個々人が自立して会社業績に貢献した利益を基に遇しています。 ③会社業績と連動する部分は、社員の支え合いの成果として、会社の営業利益を基に遇しています。 |
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②事務職・管理職
エンジニア社員に関する「技術力×人間力=総合力」の定義に対して、事務職・管理職(間接職)に関しては「専門能力×人間力=総合力」と定義しています。
《間接職の人事ポリシー》
◇仕事を取り巻く環境が変わっても、求められる期待役割が変わっても、働き続けられ、成長し続ける間接職
《採用に関する宣言》
技術職(エンジニア社員)と同様に「生涯プロフェッショナルを目指し、成長とキャリアアップが期待できる人を採用します」と掲げています。専門能力とは、一般的な業務の専門性のみならず、当社グループにおける各事業の知見も含めた広義と捉えています。
新社会人となる新卒採用から経営陣幹部層の中途(キャリア)採用まで、年齢や性別などは一切問わない採用を継続しています。
《仕事に関する宣言》
技術職(エンジニア社員)と同様に「生涯プロフェッショナルとして成長し、キャリアアップするための機会と場を提供し続けます」と掲げて、間接職社員の様々なキャリアアップ志向などを考慮し、会社都合の一方的な異動とならないように注意を払いながら、戦略遂行に必要な異動配置に努めています。
《育成に関する宣言》
技術職(エンジニア社員)と同様に「生涯プロフェッショナルを目指す一人ひとりの成長とキャリアアップを実現するためのアクティブな支援を行います」と掲げていますが、間接職の人数はエンジニア社員数と比較で著しく少数という事情もあり、育成面の課題を認識しています。
専門能力の育成に関して、営業の担当者には、エンジニア社員の協力も仰ぎながら様々な技術に関する研修等を行い、提案力の強化に努めています。本社等では求められる専門能力が多岐にわたる一方で、個々の専門業務の要員が少数のため、専門部署による自発的な専門領域の外部研修等に止まっています。
人間力の育成は、実質的に、新任管理職向け研修のみ体系化された状態です。転職市場の活況で個々人のキャリア志向も大きく変わっており、課題を把握しつつも、対策の遅延は否めないと認識しています。会社文化の伝承などを主眼においた一律的な手法で無く、別の手法等を見出しつつ投資効果も見極めて、対策の拡充に努めます。
《評価・処遇に関する宣言》
技術職(エンジニア社員)と同様に「生涯プロフェッショナルとして、成長し続ける取り組みのプロセスと成果を評価し、その評価に相応しい処遇を行います」と掲げています。間接職社員には、明確な役割を期待し、個々の社員が目標を達成するために支援し、その成果を適切に評価することで社員の成長を促し、より強力なチームを構築するために、期待役割等級制度を運用しています。
間接職社員の処遇体系は、等級ごとで個人評価を反映する部分、と、社員全体での支え合いの成果として会社の営業利益に連動する部分、で構成しています。
《女性活躍推進法に基づく行動計画》
下記の期間における目標を掲げて、女性管理職比率を引き上げるために、積極的な採用を続けるほか、仕事を通じた成長を促すための機会と場の提供を続けていきます。
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株式会社 メイテック |
株式会社 メイテックフィルダーズ |
株式会社 メイテックキャスト |
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行動 計画 の期間 |
2021年4月1日~ 2026年3月31日 |
2023年4月1日~ 2026年3月31日 |
2021年4月1日~ 2026年3月31日 |
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目標 |
① ② |
①2026年度末までに、女性正社員 の退職率を8.0%未満にする。 ②各部門で管理職を1名以上登用 する。(本社部門、事業部門) ③育児休業後の復帰率100%。 (育児支援制度の周知と復帰支援) |
①労働者に占める女性労働者の 割合を75%以上とする。 うち、正社員に占める女性労働者の割合を50%以上とする。 ②有給休暇取得率を80%以上と する。 うち、スタッフの取得率を82%以上、正社員の取得率を60%以上とする。 |
当社グループの営業活動その他に係るリスク要因について、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しております。ただし、当社グループは広範囲に渡る事業活動を行っている為、全てのリスクを網羅したものではなく、業績に影響を与えうるリスク要因はこれらに限定されるものではありません。
なお、本項における将来に関する事項については、当連結会計年度末において入手可能な情報に基づき、合理的であると当社が判断したものであります。
〇経営者の認識について
特に投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、資源価格等の急騰、緊迫する国際情勢、円安などによる企業業績の悪化です。但し、現時点では当社グループの事業活動において直接影響が出るような兆候は出ておらず、今後も稼働率が堅調に推移することを見込んでおり、業績の大幅な落ち込みは無いと想定しています。
(1)社会的な信用等の確立
企業が社会的な存在である以上、その企業活動は常に公の活動であり、その活動は広く社会に評価されることとなります。
しかしながら、コーポレート・ガバナンスに関する基本方針に背く行為、コンプライアンスの軽視や社会的倫理に反する行為等により、企業の社会的な信用等を失墜させた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、自身でも常にコンプライアンスを徹底していますが、お客さまにもエンジニア派遣に関するコンプライアンスへの正しい理解を促す為の啓蒙活動を続けております。
当社グループのメイテックキャストは、法令を遵守しているだけでなく、派遣社員と派遣先の双方に安心できるサービスを提供できているかどうかについて、「一定の基準を満たした」派遣事業者として、厚生労働省より「優良派遣事業者」の認定を受けております。
しかしながら、当社グループ自身のみならず、労働者派遣事業を営む他社において、コンプライアンスを軽視した社会的倫理に反する行為等により、労働者派遣の業界全体に対する誤った認識が蔓延し、社会的な信用が失墜した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2)多数のエンジニアの常時雇用
当社グループは、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下「労働者派遣法」)に基づき、2026年3月末目標14,200人を掲げ、多数のエンジニアを正社員として常時雇用し、常時1,200社以上の大手製造業の技術開発部門を中心に、エンジニアを派遣しています。
当社グループはエンジニア派遣業界のリーディングカンパニーとして、お客さまの様々なご要望にお応えする為に、優秀なエンジニアの確保と育成に取り組んでいる他、ベストマッチングシステム(個々のお客さまのニーズとエンジニアのマッチング精度を向上させるITシステム)による質的な需給バランスの迅速な最適化等にも注力しており、これらの果実としての「お客さまからの厚い信頼」と「エンジニア一人ひとりの高度な技術力」等を裏付けとして、高付加価値・高稼働率等が維持されているものと自負しています。
しかしながら、多数のエンジニアを正社員として常時雇用しているがゆえ、エンジニアの派遣者数や稼動人数割合の低下、稼働時間・稼働日数・派遣料単価の低下、等が発現した場合には原価率が上昇し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、上記の事象が発現するケースとして、国内のみならず海外も含めた経済情勢の変化等に伴い、主要な顧客である大手製造業の情勢が劇的に変化し、労働力に対する需要の減少あるいはコストプレッシャーの増大など、他律的な市場や経済環境に起因するものも挙げられます。また、社会的倫理に反する行為等による信用の失墜の他、エンジニアの育成等を怠り、要求される品質への対応が困難になる等、当社グループの業務執行に起因するものが挙げられます。
(3)人材の確保
「人と技術」でものづくりの核心を担うエンジニア集団である当社グループにおいては、エンジニアを中心とした優秀な人材の量的確保が事業収益に直結する重要な要素であります。当社グループでは、従前の新卒を中心とした人材確保から、環境変化を的確に捉えて、順次、中途採用の拡大を図ってきました。
しかしながら、他律的な採用競争の激化、あるいは当社グループの信用の失墜等により、優秀な人材の確保が困難となった場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4)顧客情報の管理
当社グループは、高度な技術力を有するエンジニアを多数派遣しており、それぞれのエンジニアがお客さまの機密情報に直接触れる機会が非常に多いのが実状です。設計・開発等の機密性の高い中核的なプロセスにおける業務遂行は、相互に強い信頼関係がなければ成り立ちません。
これら機密性の高い顧客情報の漏洩等は、顧客からの信用を損ないかねない重大なリスクと認識しており、グループ各社の社員行動規範等への明記、情報セキュリティ規範の制定等により、グループ社員への周知徹底を図り、情報セキュリティの強化に取り組んでおります。
しかしながら、機密情報の漏洩等、不測の事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5)個人情報の管理
当社グループは、人材ビジネスを中心としたアウトソーシング事業に携わる企業である為、大変多くの個人情報を取り扱っています。当社グループの事業の性格に鑑みると、運営上取り扱う個人情報等を適正に管理・保護し、適正に利用することが、社会的責任であると考えております。
グループ各社においてプライバシーマークを取得して体制を整備する等、個人情報の管理に関しては常に細心の注意を持って取り組んでおります。
しかしながら、不測にも保有する個人情報の漏洩事故等が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)許認可及び法的規制
事業会社であるグループ各社は、各社事業内容に応じて労働者派遣事業・有料職業紹介事業等の許可を厚生労働大臣から取得して事業を行っています。
しかしながら、不測にも当社グループが法定要件を欠くこととなり、派遣事業等の許認可を得られなくなった場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
労働者派遣法を始めとする関係諸法令は、情勢の変化等に伴い、継続的な見直しが行われています。
その結果、関係諸法令の改定内容に拠るものの、当社グループの事業に対して著しく不利な改定が行われた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7)会計制度・税制等の変更
予期せぬ会計制度や税制の新たな導入や変更などが行われた場合には、当社グループの業績や財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
また、税務申告における税務当局との見解の相違が生じた場合には、当社グループに予想外の税金納付義務が発生する可能性があります。
(8)経営計画
当社グループは、短期または中長期の経営計画を策定し、持続的な成長を目指し事業を展開しています。
しかしながら、経営計画については、策定時点における市場環境の見通しに基づくものであり、市場環境や経済情勢が想定を超えて劇的に変化した場合には、経営計画が達成されない可能性があります。
(9)自然災害・事故
地震等の自然災害や予期せぬ事故等により、当社グループあるいはお客さまの重要な設備が損壊する等の被害が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10)重要な訴訟等
当社グループは、事業の性質上、顧客の内部情報に接する機会が高いことから、業務遂行の過程で機密情報に関する紛争等が発生する可能性があり、また、当社グループは常時多数の労働者を雇用し、かつ、多数のエンジニアが顧客の構内にて業務に従事していることから、社内のみならず社外の労働者との間にも紛争等が発生する可能性があります。
また、M&A等の事業戦略の実施に伴い、各種紛争が発生する可能性もあり、これらの紛争が訴訟等に発展し、その帰趨によって風評被害や損害賠償義務等を発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(12ヶ月間:2023年4月1日~2024年3月31日)においては、新型コロナウイルス感染症の法的位置づけが5類に変更され、経済社会活動の正常化が進み、景気は緩やかに回復しているものの、緊迫した国際情勢、資源価格等の上昇など、 景気の先行きは不透明な状況で推移しました。
当社は、2023年10月1日付で持株会社体制へ移行し、株式会社メイテックグループホールディングスに商号変更しました。また、同日付でエンジニアリングソリューション事業を承継会社である株式会社メイテック(同日付で株式会社メイテック分割準備会社より商号変更)に承継しました。
当社グループの連結売上高9割超を占めるエンジニアリングソリューション事業を担うメイテック(MT)、メイテックフィルダーズ(MF)では、主要顧客である大手製造業各社が、次代を見据えた技術開発投資を進められたことから、受注が堅調に推移しました。また、中長期の成長を見据えた積極採用を継続した結果、2023年4月入社の新入社員824名(MT:459名、MF:365名)を含めて、2024年3月末のエンジニア社員数(MT・MFの合計)は12,253名(前年3月末比+347名、+2.9%)となりました。加えて、受注に応え、新入社員および既存社員の配属を促進した結果、稼働人員数の増加と稼働率の向上を両立しました。なお、時間外労働の減少等により、稼働時間は前年同期で若干低下しました。
その結果、連結売上高は、前年同期比79億7百万円(6.6%)増収の1,269億76百万円となりました。連結売上原価は、エンジニア社員の増員に伴う労務費増加等により、前年同期比63億81百万円(7.4%)増加の927億41百万円、連結販売費及び一般管理費は、採用関連費用の増加等により、前年同期比3億28百万円(2.0%)増加の165億73百万円となり、その結果、連結営業利益は、前年同期比11億97百万円(7.3%)増益の176億60百万円となりました。連結経常利益は、前年同期比11億26百万円(6.8%)増益の176億67百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比90百万円(0.7%)増益の123億43百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、2023年10月1日付の持株会社体制移行に伴い、当連結会計年度より、セグメント区分を従来の「エンジニアリングソリューション事業」及び「エンジニア紹介事業」の2区分から、「エンジニアリングソリューション事業」、「エンジニア紹介事業」及び「その他」の3区分に変更しております。
エンジニアリングソリューション事業
エンジニアリングソリューション事業、特に中核事業のエンジニア派遣事業においては、稼働人員数の増加と稼働率の向上を背景に、売上高は、前年同期比81億54百万円(6.9%)増収の1,256億10百万円となりました。営業利益は、前年同期比12億23百万円(7.7%)増益の171億39百万円となりました。
稼働率(全体)については、MTは97.7%(前年同期97.2%)、MFは95.5%(前年同期93.3%)と前年同期で増加しました。稼働時間については、MTは8.33h/day(前年同期8.38h/day)、MFは8.21h/day(前年同期8.26h/day)と前年同期で若干減少しました。
エンジニア紹介事業
エンジニアに特化した職業紹介事業を行っている株式会社メイテックネクストにおいては、紹介決定数の減少により、売上高は、前年同期比2億82百万円(16.8%)減収の13億98百万円、営業利益は前年同期比88百万円(16.1%)減益の4億58百万円となりました。
その他
当社のグループ運営に関する事業においては、売上高は、25億26百万円、営業利益は22億10百万円となりました。
資産の状況
当連結会計年度末(2024年3月31日)の資産合計は、前連結会計年度末(2023年3月31日)比で61億85百万円増加し、907億61百万円となりました。これは、流動資産が前連結会計年度末比で52億82百万円増加した事が要因です。
なお、流動資産の増加は未収消費税等の増加などが主因です。
負債の状況
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末比で52億7百万円増加し、430億64百万円となりました。これは、流動負債が前連結会計年度末比で49億66百万円増加し、固定負債が前連結会計年度末比で2億40百万円増加した事が要因です。
なお、流動負債の増加は賞与引当金や未払法人税等、未払消費税等の増加などが主因であり、固定負債の増加は退職給付に係る負債の増加などが主因です。
純資産の状況
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末比で9億77百万円増加し、476億96百万円となりました。これは、当期の経営成績の結果による親会社株主に帰属する当期純利益の獲得に、配当金の支払及び自己株式の取得の影響が相殺された事などが主因です。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末比17億16百万円増加の527億44百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、前連結会計年度比18億59百万円増加の146億67百万円となりました。
得られた資金の主な内訳は、税金等調整前当期純利益などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、前連結会計年度比6億18百万円増加の10億64百万円となりました。
使用した資金の主な内訳は、長期前払費用の取得による支出7億88百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、前連結会計年度比8億46百万円増加の118億86百万円となりました。
使用した資金の主な内訳は、自己株式の取得による支出35億円と配当金の支払額83億85百万円です。
③生産、受注及び販売の実績
生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
エンジニアリングソリューション事業(百万円) |
92,741 |
7.38 |
|
エンジニア紹介事業(百万円) |
- |
- |
|
合計(百万円) |
92,741 |
7.38 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 その他事業については、生産活動を行っておりません。
受注実績
当社の事業については、事業の形態から受注金額と販売金額がほぼ同等となるため記載を省略しております。
販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
エンジニアリングソリューション事業(百万円) |
125,607 |
6.94 |
|
エンジニア紹介事業(百万円) |
1,369 |
△15.62 |
|
合計(百万円) |
126,976 |
6.64 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 その他事業については、販売活動を行っておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
〇経営者の視点による認識
資金残高にも配慮しつつ、「自己資本の“質と量”の充実」を優先してきました。結果、当年度末における自己資本は470億円以上となり、「自己資本の“質と量”は概ね充実」していると認識しています。
営業活動により安定的に資金収入を得る一方、大型の設備投資を実施せず、かつ、「利益配分に関する基本方針」に即して総還元性向は100%以内とした結果、当連結会計年度末の現預金は必要運転資金である連結売上高の3カ月以上の520億円以上となっております。
①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態
資産合計が907億円と前期比61億円増加となっておりますが、増加の主因は、未収消費税の前期比24億円の増加です。
なお、現預金は事業運営上の必要運転資金(連結売上高の月商3か月分)以上の527億円であり、問題ありません。
2017年度からの中期経営計画の利益配分計画での「エンジニア社員数の増加に伴い自己資本の充実を図り、最終年度2020年3月末の自己資本を400億円に積み増す」「3か年総還元性向は80%程度とする」という方針から、2020年度からの中期経営計画では「自己資本の“質と量”」は概ね充実していると判断し、「総還元性向を100%以内」としています。その結果、純資産は前期比9億円増加の476億円となりました。
2)経営成績
エンジニアリングソリューション事業の売上高・原価の概要は以下の通りです。
当社グループの根幹事業であるエンジニアリングソリューション事業は、稼働率と対価を維持・向上しながら、エンジニア社員数の増員することが成長の鍵となっています。
当社グループ子会社の企業努力でコントロール可能な指標として、「稼働率」「エンジニア社員数」「対価」を重要な指標として管理し、稼働率の維持・向上を図るための「受注営業」、エンジニア社員数の増員のための「採用」、エンジニアのアウトプットの維持・向上を図るための「キャリアサポート」を強化していくことが重要だと考えています。
また「稼働時間」はお客さま先の業務指示の結果の為、当社側でコントロール不可能ではありますが、0.1時間の変動で売上高が約1%変動することから、業績影響の大きい指標の一つと認識しています。
上記要因に基づいた当社グループの主力であるエンジニアリングソリューション事業を構成する当社子会社のメイテック及びメイテックフィルダーズの経営成績に関する分析は以下のとおりです。
メイテックは、エンジニア社員数の前期比2.2%増加と稼働率の前期比0.5%改善に伴う稼働人員数の増加等により、前期比5.8%の増収となりました。
上記売上高の増収が、エンジニア社員の増員に伴う労務費等原価の増加と採用経費等の販管費増加を吸収し、営業利益は前期比4.8%の増益となりました。尚、当期純利益が前期比0.5%の減益となっている要因は、税負担の軽減効果が消滅したためです。
メイテックフィルダーズは、積極採用に伴うエンジニア社員数の前期比4.3%の増加と稼働率の前期比+2.2%改善に伴う稼働人員数の増加等により、前期比10.5%の増収となりました。
上記売上高の増収が、エンジニア社員の増員に伴う労務費等原価の増加と採用経費等の販管費増加を吸収し、営業利益は前期比22.3%の増益となりました。
なお、2024年3月期の各社別の損益、「稼働率」「エンジニア社員数」「稼働時間」等の指標の実績につきましては、当社ウエブサイトに掲載している「2024年3月期決算説明資料」を参照下さい。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
営業活動により146億円超の資金収入を得た一方で、①投資活動による支出は10億円であったこと、②現時点で多額の支出を伴う投資活動を予定していないこと、③資金残高は売上対比の量的水準や流動性と安全性を重視した質的担保を保持していること、を勘案し、現時点で資金を調達する計画はありません。
株主・投資家との対話を踏まえ、財務活動による支出は高い水準が続いていますが、「利益配分に関する基本方針」に即して総還元性向を100%以内とした結果、2024年3月末の自己資本の水準は476億円となり、現時点で新たに資本を調達する計画はありません。
配当政策については、第4提出会社の状況 3配当政策をご確認下さい。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(4)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断する為の客観的な指標等の達成・進捗状況
当社グループの2023年度からの3年間の実行計画「メイテックグループ中期経営計画(M2CX)」の目標の達成状況は以下のとおりです。

(注)表示単位未満を四捨五入で記載しております。
メイテックは体制移行前の上半期までの実績と10月1日移行の新メイテックの実績を合算した実態ベースで記載しています。
会社分割による持株会社体制への移行に伴う吸収分割契約の締結
当社は、2023年5月11日開催の取締役会決議に基づき、当社の完全子会社として新たに設立した株式会社メイテック分割準備会社(2023年10月1日付で株式会社メイテックに商号変更、以下「分割準備会社」といいます。)との間で吸収分割契約を締結いたしました。また、2023年6月22日に開催の当社定時株主総会での承認を経て、2023年10月1日付で当社の事業を分割準備会社に承継いたしました。これに伴い、当社は2023年10月1日付で「株式会社メイテックグループホールディングス」に商号変更し、持株会社体制へ移行いたしました。
詳細は「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
特記すべき事項はありません。