当行グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
(経営の基本方針)
当行は、経営理念「地域の夢、お客様の夢をかなえる創造的なベストバンク」のもと、地域のリーディングバンクとして、「地域・お客様のお役に立つ」ことを基本方針として掲げております。
また、長期ビジョンを「No.1の課題解決力で持続的に成長する広域地方銀行」と定め、地域・お客様の課題解決に貢献することで、地域・お客様とともに持続的に成長する姿を目指しております。
経営理念、長期ビジョンの実現を目指すうえで、役職員一人ひとりがとるべき行動の判断軸、判断の拠り所となる価値観として「誠実」「情熱」「成長」「創造」「チームごうぎん」を定めております。
<価値観 GOGIN Five Values>
「誠実」:すべては信頼関係から始まる。常に誠実かつ真摯に行動する。
「情熱」:地域やお客様への熱い想いが私たちの原動力。金融領域のみならず、環境問題、社会貢献活動など幅広い分野に対して常に情熱を持って取り組む。
「成長」:私たちは地域やお客様と共に成長したい。プロフェッショナルとして知見・スキルを高め続け、地域やお客様のために貢献する。
「創造」:山陰が私たちの源流。その中で生まれたDNAをつなぎ、お客様に最高のサービスを提供するため、知恵を絞り、挑戦を繰り返すことで変革し続ける。
「チームごうぎん」:ごうぎんグループの力を結集する。風通しのよい組織風土のもと、多様性を尊重し、すべてのステークホルダーの期待に応えていく。
経営理念、長期ビジョン、価値観からなる経営理念体系を経営の基本方針とし、当行の有する経営資源を最大限活用してお客様や地域の課題解決に取り組むことで、お客様や地域社会、株主の皆様、役職員など、全てのステークホルダーに価値を提供するとともに、持続可能な地域社会の実現を目指します。
(経営環境)
当行を取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染症の5類引き下げ以降、国内外の人の往来や地域行事の復活など、活発な経済活動が見られるようになりました。3月には、日経平均株価が34年ぶりに最高値を更新し、4万円に達しました。一方で、ウクライナ情勢に加え、中東地域においても対立が激化し、先行きは依然として不透明な状況です。
金融面では、円安や物価高騰が継続しましたが、経済活動の活発化や企業の賃上げ動向を背景に、日本銀行は3月にマイナス金利政策を解除し、17年ぶりに金利引き上げを決定しました。加えて近年では、急速なデジタル化の進展やキャッシュレスニーズの高まりを受け、フィンテック事業者やキャッシュレス事業者など異業種との競合や、サイバー攻撃への対応、人口減少、少子高齢化、気候変動対応など金融面以外でも銀行を取り巻く環境は厳しさを増しております。
(対処すべき課題)
当行の経営環境は、先行きが見通せない不確実な環境が続くものと予想される中、当行が優先して対処すべき課題であるマテリアリティを「ステークホルダーの視点からの重要度」と「経営(当行)の視点からの優先度」の観点から、以下の7項目に整理しました。
<マテリアリティ>
1 地域活性化への貢献
2 人生100年時代のQOL向上をサポート
3 環境保全・気候変動への対応
4 DXの推進・質の高い金融サービスの提供
5 人権の尊重
6 働き方改革・ダイバーシティ&インクルージョンの推進
7 企業価値向上・コーポレートガバナンス強化
(中長期的な経営戦略)
2024年度から2026年度を計画期間とする新中期経営計画では、マテリアリティの解決に貢献するための基本戦略として、「課題解決による成長戦略」「DX戦略」「構造改革・人的資本戦略」「株主価値向上戦略」の4つを掲げております。この基本戦略に取り組むことによりマテリアリティの解決を進め、サステナビリティ経営の実践、社会的インパクトの創出を目指してまいります。

1 課題解決による成長戦略
法人コンサルティング分野では、2015年からのコンサル力強化に向けた取り組みにより構築した「全員コンサル」を営業エリア全域に面的展開し、お客様の課題解決に取り組み、企業の付加価値向上に貢献します。また、コンサル強化や体制構築による効率化により、採算性をこれまで以上に意識した持続可能な成長戦略に転換します。
個人コンサルティング分野では、野村證券株式会社との間で締結した業務提携(Nアライアンス)により、銀行と証券の強みを生かした新たなビジネスモデルを確立し、お客様の資産全体を踏まえ、リスク許容度やライフプランに沿ったポートフォリオを提案する「全資産アプローチ」という質の高いサービスを提供することができるようになりました。両社の強みを最大限に発揮しコンサル力を高めることで、お客様一人ひとりの豊かな未来形成に貢献します。個人ローンは、山陽・関西での営業基盤を拡大してきております。デジタル化を推進し、お客様の課題・ニーズに合った商品・サービスをスピーディーに提供することで、さらなる成長を実現します。
加えて、当行グループの専門的知見・ノウハウを活用し、スタートアップ企業への支援を強化するなど地域・お客様の持続的成長に貢献します。
2 DX戦略
前中期経営計画(2021年度~2023年度)では、経営のすべての領域でDXを推進し、この分野における遅れを取り戻すことができました。新中期経営計画では、アプリや法人ポータルの機能を強化することで利便性を向上させ、「地域プラットフォームの構築」に向けた取り組みを推進します。また、10年後に『デジタルな銀行』に変革することを目指し、非対面チャネルでの事業領域拡張やAIとITを組織に組み込むことによる生産性向上など、最新のテクノロジーを幅広い分野で導入していきます。
3 構造改革・人的資本戦略
人材が最も重要な資産かつ最大の強みであると考え、新卒・経験者採用の強化や、戦略と連動した能力開発を業務ごとに行い専門人材の育成を加速するなど、人的資本の最大化を図ります。また、店頭事務の改革や店舗ネットワーク再編などの構造改革により人材を捻出し、さらなる成長が見込まれる法人コンサルやデジタル分野などの戦略分野に人員を増強します。
また、個々人が能力を最大限発揮できるウェルビーイングな職場環境を実現するため、「高いエンゲージメントの実現」「心身の健康の実現」「ダイバーシティ&インクルージョンの実現」を目指して取り組みます。
4 株主価値向上戦略
新中期経営計画の各種施策を実現することでROE向上に取り組みます。また配当性向を40%に引き上げ「株主還元の充実」に取り組むとともに、「健全性の維持」「積極的な成長投資」をバランスよく実現し、企業価値の最大化を図ります。
(目標とする経営指標)
すべてのステークホルダーに貢献することを目指し、新中期経営計画の目標指標は「財務指標」「人的資本指標」「社会的インパクト指標」で構成し、最終年度の目標を以下のとおり設定しております。

※1:株主資本ベース ※2:親会社株主に帰属する当期純利益 ※3:㈱リンクアンドモチベーション「モチベーションクラウド」活用。「AA」は上位から2段階目のレーティング。金融業界平均「BB」 ※4:支店長・部長など管理監督者 ※5:支店長代理、本部副調査役などの役職者
当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティ課題全般
当行グループでは、持続可能な地域社会の実現を目指し、従来からリレーションシップバンキング、地方創生、CSRなど広範に取り組んでまいりました。2019年5月には「サステナビリティ宣言」を表明し、持続可能な地域社会と当行グループの持続的な成長は一体であるとの考えのもと、サステナビリティ課題を経営の重要課題として認識し、サステナビリティ課題解決と中長期的な企業価値の向上の両立を目指して取り組みを進めています。
① ガバナンス
リスクや機会を含めたサステナビリティに関する課題への取り組み方針等について協議・審議し、円滑に実行・推進していくため、代表取締役を委員長とする経営会議メンバーで構成される「サステナビリティ委員会」を設置し、取締役会に報告・監督を受ける体制を構築しています。
また、当行グループ全体の活動を企画・推進するため、経営企画部内にサステナビリティ推進室を設置するとともに、本部各部からなるSDGs/ESG推進ワーキンググループを設置し、組織横断的な取組推進を図っています。
加えて、グループ内での取組強化を図るため、グループ会社で構成されるグループサステナビリティ連絡会を定期的に開催し、方針の共有、グループ全体の一体となった取り組みを図っています。
《サステナビリティ推進体制》

《2023年度のサステナビリティ委員会での主な協議・報告事項》
当該事業年度においてサステナビリティ委員会を10回開催しています。審議テーマは以下のとおりです。
② 戦略
《マテリアリティの特定と見直し》
当行グループでは、国際的なガイドライン等 (国連グローバル・コンパクト、GRIスタンダード等)が示すサステナビリティ課題や外部環境・社会構造の変化を踏まえ、リスクと機会を把握し、課題先進地域における社会性と経済合理性のバランスをはかりながら、前中期経営計画を策定時に初めて取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を特定しました。その後の外部環境等の変化を踏まえ、新中期経営計画を策定するにあたり、「ステークホルダーの視点からの重要度」と「経営(当行)の視点からの優先度」の観点から評価し、サステナビリティ委員会や取締役会における複数回にわたる議論を経て、マテリアリティの見直し(再整理)を行いました。
今後は見直し後のマテリアリティ(下表)に対し、方針・戦略を策定し取り組みを進めてまいります。
マテリアリティについては、急激な変化を続ける外部環境を踏まえ、サステナビリティ委員会や取締役会における議論を通じ今後も適宜見直しを図ってまいります。
《見直し後のマテリアリティ》
《マテリアリティの特定プロセス》
マテリアリティの特定及び見直しは、次のStep1~3のプロセスで行っております。Step1では、政府や国際的なガイドラインが示す課題、国や地域の課題から、マテリアリティ対象項目を抽出し、それらのマテリアリティ対象項目を類似課題毎に集約・整理することで、24項目に集約しました。Step2では、「ステークホルダー(社会)の視点からの重要度」と「経営(当行)の視点からの優先度」の2軸での評価に、当行グループの事業活動による関与・貢献度の評価を加え、マッピングし、最重要課題を洗い出しました。Step3では、Step1、2で抽出・特定した項目について、サステナビリティ委員会及び取締役会で議論を重ね、マテリアリティを決定しました。

《当行グループのマテリアリティマップ》

③ リスク管理
当行グループでは、サステナビリティ課題を含む事業上のリスク管理を経営の安定性・健全性を維持するための最重要課題として位置付け、取締役会を頂点とするリスク管理態勢を構築しています。当行が認識しているリスクの詳細は、第2「事業の状況」3「事業等のリスク」に記載しています。特にサステナビリティ課題の重要テーマの一つである気候変動に関するリスク管理については、「(2) 気候変動への対応 ③リスク管理」に記載しています。
《リスク管理体制図》

④ 指標と目標
サステナビリティに関する重要課題について指標と目標を設定しています。主要な指標と目標については、「(2)気候変動への対応 ④指標と目標」、「(3)人的資本 ②指標と目標」及び「(5)サイバーセキュリティへの対応 ④指標と目標」を参照ください。
(2) 気候変動への対応
近年、世界的に異常気象や大規模な自然災害による被害が甚大化する中、気候変動対応は世界共通の課題となっており、お客様や当行グループにとって事業環境や経営そのものに大きな影響を及ぼす要素になりつつあります。
こうした状況を踏まえ、当行グループでは気候変動への対応を重要な経営課題の一つとして位置付け、ガバナンス体制を強化するとともに、気候変動の事業への影響分析や機会・リスクへの適切な対応への取り組みを進めています。
当行グループでは、2021年4月にTCFD提言に賛同し、同年よりホームページ、統合報告書及びサステナビリティレポートにて、TCFD提言を踏まえた情報を開示しています。2022年度からは移行リスクや物理的リスクにおけるシナリオ分析を実施し、2050年までの影響額の推計値(最大値)を公表しております。今後もリスク管理及び情報開示の高度化に取り組んでまいります。
① ガバナンス
気候変動に対するガバナンスは、サステナビリティ課題全般のガバナンスに組み込まれています。詳細については「(1)サステナビリティ課題全般 ①ガバナンス」を参照ください。
② 戦略
当行グループでは2019年5月に「サステナビリティ宣言」を制定し、持続可能な地域社会の実現に向け、気候変動対応を含む環境保全への対応を重点的に取り組む事項として定めています。気候変動対応を重要な経営課題の一つとして位置付け、機会及びリスクの両面から取り組みを進めています。地域金融機関として商品・サービスの提供を通じ、地域やお客様の気候変動対応を支援するとともに、当行グループの事業活動に伴う環境負荷低減の取り組みを推進してまいります。また、気候変動に関連するリスクについて、気候変動に伴う自然災害や異常気象の増加等によってもたらされる物理的な被害に伴うリスク(物理的リスク)と、気候関連の規制強化や脱炭素に向けた技術革新への対応といった脱炭素社会への移行に伴うリスク(移行リスク)を認識しています。
A 機会
(A) サステナブルファイナンス・コンサルティングの取り組み
再生可能エネルギー事業等にかかるグリーンファイナンスや脱炭素に向けた移行を促進するトランジションファイナンス、気候変動に対応する事業者を支援するコンサルティングへの取り組みは、当行グループのビジネス機会になると認識しています。
(B) 再生可能エネルギー発電事業への参入
地域における再生可能エネルギーの供給量不足や脱炭素経営への転換の遅れ等の課題を認識する中、これらの課題解決に貢献するため、2022年7月に当行100%出資による再生可能エネルギー発電事業を営む子会社「ごうぎんエナジー株式会社」を設立しました。同社では再生可能エネルギーの供給量増加と地産地消の推進を担い、地域脱炭素・カーボンニュートラルの早期実現と再生可能エネルギー利用拡大による地元企業の競争力強化等を通じ、地域と企業の成長戦略につなげていきます。2023年度の同社のPPA(※1)事業に関する取組実績は以下のとおりです。
《取組実績》
※1 PPA:Power Purchase Agreement の略。電力販売の意味で、第三者所有モデルとも呼ばれる。電力需要家が所有する建物や土地にPPA事業者が発電設備を設置し、その設備から発生する電力を電力需要家が購入し自家消費用電力として使用するスキーム。
B リスク
(A) 物理的リスク
気候変動による自然災害等の発生により、資産や事業活動に影響を受ける投融資先に対する信用リスクの増大や、当行グループの営業店舗等の損壊によるオペレーショナル・リスクを想定しています。
《物理的リスクの例》
(B) 移行リスク
気候関連の規制強化や脱炭素化に向けた技術革新の進展等により、事業活動に影響を受ける投融資先に対する信用リスクの増大等を想定しています。
《移行リスクの例》
C シナリオ分析
気候変動が将来にわたって当行のポートフォリオに与える影響を把握するために、物理的リスクと移行リスクのそれぞれについて、2022年度よりシナリオ分析を実施しています。分析にあたっては、気候変動に関するさまざまな状況を想定し、計画の柔軟性や戦略のレジリエンスを高めるべく、1.5℃のシナリオを含む複数のシナリオを用いて分析しています。
2023年度は、前年度実施した分析におけるリスク事象に加え、次に記載するリスク事象を追加しました。物理的リスクにおいては、与信先の事業停止等(売上減少)による財務悪化リスクを、移行リスクにおいては、リスクの高いセクターとして「電力」「石油」「ガス」を選定し、炭素関連資産の座礁リスクや化石/非化石燃料の価格・需要の変化等による影響を分析しています。2023年度に分析を行った結果は以下のとおりです。
(A) 物理的リスク
(B) 移行リスク
D 炭素関連資産(貸出金残高)の状況
当行の2024年3月末における貸出金残高に占める炭素関連資産の割合は以下のとおりです。
*再生可能エネルギー事業への貸出金は除く
*TCFD提言、日本標準産業分類及び当行の業種コード等を用いて分類
エネルギー:石油及びガス、石炭、電力ユーティリティ
運輸:航空貨物、旅客空輸、海上輸送、鉄道輸送、トラックサービス、自動車及び部品
素材・建築物:金属・鉱業、化学、建築資材、資本財、不動産管理・開発
農業・食料・林産物:飲料、農業、加工食品・加工肉、製紙・林業製品
③ リスク管理
気候変動を含む環境への取り組みを経営の重要課題の一つとして認識し、気候変動への対応方針を含む「サステナビリティ宣言を踏まえた投融資方針」を策定しています。
気候変動に起因する物理的リスクや移行リスクが、中長期にわたり当行グループの事業内容・戦略・財務内容に影響を与えることを認識しています。当行グループでは、リスク管理を経営の安定性・健全性を維持するための最重要課題として位置付け、取締役会を頂点とするリスク管理態勢を構築していますが、今後、気候関連リスクについても、統合的リスク管理のプロセスへの組み入れを検討してまいります。
④ 指標と目標
当行グループでは、地域のサステナビリティやカーボンニュートラルの実現に向け、以下の指標と目標を設定し、取り組みを進めています。
A 温室効果ガス排出削減
当行グループでは、温室効果ガス排出削減の取り組みを進めるため、前中期経営計画において2023年度を目標年度とした温室効果ガス排出量削減目標や2030年度及び2050年度のカーボンニュートラル中長期目標を設定しています。
《指標と目標・実績(連結)》
《温室効果ガス排出量の推移(連結)》 (単位:t-CO2)
*Scope3の算定にあたっては、環境省、経済産業省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドラインVer.2.5」、「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベースVer.3.3」を使用しております。
当行グループの温室効果ガス排出量推移は上記のとおりです。2023年度は排出量削減の取り組みとして、主要拠点である本店ビル及び鳥取営業本部ビルで使用する全ての電力を再生可能エネルギー由来の電力へ切り替えました。その他の取り組みとして、新築移転した店舗のZEB化(※4)をはじめ、LED照明の導入や空調設備の更新等、環境に配慮した事業活動に取り組んでいます。
※1 2023年度の算出結果については、2024年9月に当行ホームページにおいて公表予定の「サステナビリティレポート2024」をご参照ください。(https://www.gogin.co.jp/ir/disclosure/sustainabilityreport2024/)
※2 カテゴリ8~12及び14は業務上該当ありません。
※3 カテゴリ13について、ごうぎんリース㈱は集計対象外としております。
※4 ZEB:Net Zero Energy Buildingの略で、快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギー収支をゼロにすることを目指した建物。
《Scope3カテゴリ15の試算》
カテゴリ15(投融資を通じた間接的な温室効果ガス排出量)は、金融機関におけるScope3の大部分を占めるため、PCAFスタンダード(※1)の計測手法を参考に、当行の事業性融資及び上場株式・社債について2022年度に初めて試算しました。2022年度の試算結果は以下のとおりであります。今後、試算結果をお取引先の脱炭素化の促進に活用していくことを検討してまいります。
また、2023年度の試算結果は、2024年9月に当行ホームページにおいて公表予定の「サステナビリティレポート2024」をご参照ください。(https://www.gogin.co.jp/ir/disclosure/sustainabilityreport2024/)
●2022年度の試算結果 (単位:千t-CO2)
・業種:TCFD提言における炭素関連資産(4セクター13業種)及びその他
・排出量:投融資先の排出量(※2)×投融資先における当行の投融資割合
・基準日:投融資残高:2023年3月末
融資先財務データ:2023年3月末時点で当行が保有する最新データ
・データクオリティスコア:3.69
・カバー率:88.0%
※1 PCAF(Partnership for Carbon Accounting Financials):投融資ポートフォリオの温室効果ガス排出量を計測・ 開示するための国際的なイニシアチブ。
※2 データが取得できない先は、PCAFデータベースから引用した地域・セクター別の売上あたり排出係数を使用(トップダウン分析)。開示・公表している一部の先については、公表値を使用(ボトムアップ分析)。
B サステナブルファイナンス実行目標
地域の環境課題・社会課題解決に向けて、2021年度から2030年度までの10年間におけるサステナブルファイナンスの新規実行累計額を中長期目標として設定しています。
《指標と目標・実績》
《サステナブルファイナンスの定義》
サステナブルファイナンスは、各種国際原則や政府の指針・ガイドラインに適合するファイナンスやそれらの原則・指針・ガイドラインに示されている対象事業・資金使途の例示等に合致する環境課題・社会課題の解決に資する投融資、お客様のESGやSDGsへの取り組みを支援または促進する投融資を対象範囲としています。
(3) 生物多様性保全・自然資本への対応
当行グループでは、生物多様性保全や自然資本への対応を気候変動と並ぶ重要な課題と認識しています。自然資本は、水、大気、土壌、海洋、動植物などから構成され、当行グループも、自社の事業活動を通じて自然資本に依存し、影響を与えるだけでなく、投融資を通じて、お取引先やそのサプライチェーンの活動とつながりを持っています。そのため、金融機関は、お客さまの自然資本への依存や影響を把握し、リスクを適切に管理する必要があることに加え、自然資本関連の金融商品やサービス、自社の取り組みによるビジネス機会の獲得にもつなげることができます。
そうした重要性を鑑み、当行は生物多様性保全・自然資本対応に積極的に取り組み、持続可能な地域社会の実現に貢献することを目的に、2024年1月にTNFD※採用者(TNFD Adopter)として登録するとともに、TNFDに関連する情報の共有や枠組みの策定をサポートする組織であるTNFDフォーラムに参画しました。
今後、TNFDの提言に基づく取り組みを段階的に進め、進捗状況について開示していきます。
※ TNFD:Taskforce on Nature-related Financial Disclosures の略。自然関連の財務情報を開示する枠組みの開発・提供を目指す国際イニシアチブ。
(4) 人的資本
当行は「地域の夢、お客様の夢をかなえる創造的なベストバンク」を経営理念に掲げ、地域・お客様の課題解決を通じて、地域やお客様とともに持続的な発展・成長の実現を目指しております。
経営理念の実現を支える最大の柱は人材であり、中期経営計画において、新卒・経験者採用の強化、専門人材の育成加速、個々人が能力を最大限発揮できる職場環境の整備を経営上の重要課題であると認識しております。
経営戦略と連動した人材戦略の実践を通じて、長期ビジョンの実現、更に経営理念の実現に向け、人的資本への取り組みを強化してまいります。

① 戦略
当行グループでは、人材戦略や人材育成方針及び社内環境整備方針をサステナビリティに関する重要事項の一つとして捉え、経営執行会議・サステナビリティ委員会、取締役会等での審議を経て決議しています。
イ 人材育成方針
A 全体方針
経営理念の実現に向け、長期ビジョンで掲げている「No.1の課題解決力で持続的に成長する広域地方銀行」を実現するため、社内外で通用する高い専門性を有す人材の育成に取り組みます。そのために、質の高い成長機会を提供するなど、人材へ積極的に投資を行い、従業員一人ひとりの自律的なキャリア形成をサポートします。
B 取組方針
(A) 多様な人材の確保・戦力化
新卒採用におけるコース別採用の活用やリファラル採用・キャリアリターン制度など経験者採用チャネルの拡充・多様化、高度プロフェッショナル運用(市場価値や成果に応じた個別決定の報酬制度)の活用などにより、性別・年齢・国籍を問わず、多様な人材を積極的に採用しています。
(B) 体系化した育成カリキュラムに基づく育成
コンサル及びデジタル分野の専門人材育成に向けた当行独自の認定制度を導入し、体系的かつ計画的に専門性の向上に取り組むことにより、専門人材育成の加速を図っています。
〔業務分野、レベル毎の人物像〕

(C) 質の高い成長機会の拡充
一人ひとりの成長を加速させるためには、実践の場である「良質な育成機会」を増やすことが重要との考えのもと、融資部や山陽・関西ブロック店舗への法人営業担当者短期派遣研修、実践型研修など、実践力を学ぶ機会を拡充しています。また、行内外の専門人材との交流を通じた成長機会を提供しています。
(D) 自律的なキャリア形成をサポート
・個々人の能力の可視化を通じて、一人ひとりのレベルに沿った効果的かつ効率的なOJT、研修、自己啓発に取り組むことができる体制整備を進めています。
・一人ひとりのキャリアプランに沿った配置や自律的な学びの機会の提供など従業員一人ひとりの主体的なキャリア形成をサポートすることにより、モチベーションの維持・向上に取り組んでいます。
〔参考指標〕
※キャリアアップ手当(自己研鑽を後押しすることを目的として2023年7月に新設)、行内研修・セミナー・勉強会、eラーニングにかかる費用、行外研修参加費用、自己啓発奨励金、研修にかかる旅費、研修受講時の人件費、内部研修講師の人件費、研修出向者の人件費を含んでおります。
ロ 社内環境整備方針
A 全体方針
当行グループは、従業員一人ひとりが能力を最大限発揮できるウェルビーイングな職場環境を実現します。
・高いエンゲージメントの実現
従業員と一体となり双方の成長に貢献し合う関係を構築することにより、従業員一人ひとりの働きがいを創出し、高いエンゲージメントの実現を図ります。
・ダイバーシティー&インクルージョンの実現
性別や年齢、障がいの有無等にとらわれず、従業員一人ひとりの価値観や適性を尊重し、かつ従業員が柔軟で働きやすい職場環境を実現します。
・心身の健康の実現
全ての従業員が安心して働き続けることができるよう、心身両面での健康サポートを行います。
B 取組方針
(A) 高いエンゲージメントの実現
2022年度より、当行グループ全従業員に対し「従業員エンゲージメントサーベイ」を実施し、組織のエンゲージメント状況の可視化に取り組んでいます。当社グループ及び職場単位の強みや課題を明確にしたうえで、会社と各職場が一体となって、より良い職場の実現に向けた改善活動に取り組み、グループ一丸となってエンゲージメント向上を図っています。

〔参考:離職率推移〕
特に若年層の離職率は低水準を維持しています。今後もエンゲージメント向上への取り組みなどを通じて、本水準の維持・低下を目指します。
(B) ダイバーシティー&インクルージョン
多様な人材一人ひとりのライフステージに応じた柔軟な働き方の実現、ワーク・ライフ・バランスの充実を図り、働きやすく長く活躍できる職場環境作りに取り組みます。
<推進体制>
女性活躍の先進企業を目指し、従業員発案により2022年11月に「女性活躍推進チーム」を立ち上げました。公募メンバー32名が、女性の採用・育成・登用に関する優先的アクションを協議し、2023年9月に経営に提言しました。
ダイバーシティ&インクルージョン推進に向けた現状分析、課題抽出、課題に対する各種施策展開をさらに進めるべく、2024年4月に人事部内にダイバーシティ推進グループを新設しました。
<女性活躍推進>
a.女性管理職比率の向上
所属長への登用など、性別に関係なく能力に応じた登用などにより、女性管理職比率は年々向上しております。2023年度は、地域企業と女性活躍推進について情報交換を行う「異業種交流会」への参加やワークライフバランスセミナー開催などにより、女性のキャリアに対する意識改革に取り組みました。今後も多様なキャリアパスやロールモデルを提示・共有するなど、女性が管理職にチャレンジできる環境・風土の整備に取り組みます。
《職位別の女性比率(連結)》
※1…部長、支店長、出張所長、プラザ長等
※2…女性活躍推進法の規定に基づき算出。労働基準法上の「管理監督者」及び同等の権限を有する者(部店長等の所属長、副部店長、グループ長、次長など)
※3…女性活躍推進法の規定に基づき算出。「係長」及び同等の権限を有する者(支店長代理、本部副調査役などの役職者)
b.男女間の賃金差異の改善
・同一労働における男女間賃金格差はございません。
ただし、正規労働者については、主に平均年齢及び勤続年数(年齢)の差異、管理職比率の差異、転居を伴う転勤を許容する者に支給するフリー手当(定例給与の10%相当額)受給者割合などが男女間の賃金差異に影響しています。〔参考指標1に記載〕
加えて、全労働者の賃金格差については、非正規労働者のうち女性の占める割合が8割超であるなど雇用形態別人員割合の差異などが影響しています。〔参考指標2に記載〕
・キャリア形成サポートなど女性活躍促進に向けた各種施策の効果が、平均勤続年数の長期化や女性管理職比率の高まり、転居を伴う転勤を許容する割合の増加などに表れており、結果として男女間賃金格差は縮小推移しています。
・今後も、2024年4月に人事部内に新設しました「ダイバーシティ推進グループ」を中心とした施策立案・実施を通じて家庭と仕事の両立をサポートするなど、長く能力発揮できる職場環境作りに取り組むことにより、男女間の賃金差異の改善に取り組みます。
《男女間の賃金差異(連結)》
〔参考指標1〕 ※正社員のみ。
男女別の平均年齢・勤続年数(連結)
男女別の管理職比率(連結)
男女別のフリー手当受給者割合(単体)
(注)1 転居を伴う転勤を許容する者に支給する手当を受給している者の割合 (定例給与の10%相当額)。なお、支給しているのは当行のみ。
〔参考指標2〕
雇用形態別人員割合(連結) ※年間の平均人員にて算出。
c.男性労働者の育児休業等取得率の向上
育児や家事等の役割分担に対する固定概念を払拭し、一層の女性活躍を後押しするため、男性労働者の育児休業取得を促進しております。育児休業を子が3歳の誕生日の前日まで取得できる制度を設けるなど、取得しやすい環境の整備に取り組んでいます。
引続き、男女ともに安心して仕事と育児・子育てが両立できる環境整備や取得しやすい職場風土の醸成に取り組むことにより、取得率向上及び取得日数の長期化を図ります。
《男性の育児休業等取得率(連結)》
<多様な人材の活躍>
・性別・年齢・国籍を問わず、柔軟な採用に努めており、リファラル採用制度やキャリアリターン制度などの採用チャネルを拡充し、積極的に経験者採用を実施しています。1級建築士や弁護士、情報処理安全確保支援士など金融業務に限らず幅広い人材を採用しています。また、2022年4月に市場価値や成果に応じた個別決定の報酬制度(高度プロフェッショナル運用)を導入し、プロフェッショナルな人材確保にも努めています。
・当社は、障がいのある方が専門的に就労する事業所を島根(2007年開設)、鳥取(2017年開設)の2か所で運営しており、計35名(2023年度末現在)が在籍しています。それぞれの能力を活かし、絵画制作を通じて創出される経済価値を地域の障がい者就労支援事業へ間接的に還流させる取り組みや、ITスキルを駆使した事務サポートや業務効率化など幅広く活躍しています。今後も、地域で障がい者の自立を支援する取り組みを継続する中、障がい者雇用比率の向上を目指します。
・同性パートナーの行職員に対し、法律上の配偶者と同等の福利厚生や規程を適用する「パートナーシップ制度」を導入するなど、従業員一人ひとりの価値観を尊重し、働きやすい職場づくりにも取り組んでいます。
<ワーク・ライフ・バランスの充実>
・柔軟な働き方を実現し、従業員一人ひとりのワーク・ライフ・バランスを充実させることで、働きやすさの向上を目指しています。
・休暇制度を拡充し、一人ひとりのニーズに沿って有給休暇を取得できる企業風土の醸成に取り組んでいます。
・従業員が安心して働き、当行で長く活躍できるよう、育児休業や介護休業に関する制度の充実を図り、家庭と仕事の両立をサポートしています。
※1…法定労働時間(1日8時間)を超えて労働した時間を基に算出しています。
(C) 心身の健康の実現
・2018年9月に「健康経営宣言」を策定し、頭取を健康づくりの責任者としてグループ一体となり従業員一人ひとりの心と身体の健康の保持・増進を図っています。
・2023年度には、当行行職員の健康課題に即した生活習慣改善のために、運動・食事・睡眠等を管理できる健康増進アプリを導入し、アプリを活用した社内ウォーキングイベントを開催しました。また、毎月22 日を「禁煙の日」とし受動喫煙防止対策を強化しました。加えて、 メンタルヘルスケア動画視聴や各種健康セミナーを実施するなど、ヘルスリテラシー向上や健康への関心を高める仕組みづくりを行っています。
・経済産業省及び日本健康会議が実施する「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)ホワイト500」に6年連続認定されました。また、グループ会社7社も「健康経営優良法人(中小規模法人部門)」の認定を受けました。
・従業員のファイナンシャル・ウェルネス向上を支援するため、2022年度は従業員持株会の奨励金を引上げました(※)。2023年度は、従業員持株会の対象企業にグループ会社各社を追加しました。また、全従業員を対象とした金融教育研修(全5回、237名参加)、当行役員による金融教育勉強会(動画視聴2,385名)、ライフプランセミナー(銀行主催、組合主催計107名参加)、確定拠出年金勉強会(78名参加)など金融教育強化に取り組んでおります。なお、確定拠出年金については、対象者の約8割が自己資金を上乗せして積み立てるマッチング拠出を活用しています。2023年4月には新商品を導入するなど、商品の拡充にも継続的に取り組んでいます。今後も確定拠出年金の商品の拡充や金融教育の拡充など従業員の経済的な安定を支援する取り組みを継続的に行います。
(※)毎月の拠出額1口(1,000円)につき支給する奨励金の額を80円から100円に増額。
② 指標と目標
人材育成方針、社内環境整備方針に沿ったそれぞれの指標・目標は以下のとおりです。
<人材育成方針>
当行では、社内外で通用する専門性を有す人材の育成のため独自の認定制度を導入し、体系的かつ計画的に専門性向上に取り組み、業務ごとの戦略と連動した人材育成を行っております。
能力開発体系における認定者数(※1) (※2)
※1…2023年度の認定者数は2024年3月末基準の認定者数を記載(上位認定のみカウント、業務従事者のみカウント)
※2…各認定分野及びレベルの詳細については、第2「事業の状況」、2「サステナビリティに関する考え方及び取組」(4)人的資本 ①戦略 イ人材育成方針 B 取組方針 (B) 体系化した育成カリキュラムに基づく育成に記載
※3…デジタル人材は「DX企画人材」「データ利活用人材」「デジタル実務人材」の合計
<社内環境整備方針>
※1…株式会社リンクアンドモチベーション「モチベーションクラウド」によるエンゲージメントサーベイの結果を示しております(全11段階に分かれており、現行「A」は、「AAA」「AA」に次ぐ上位から3段階目のレーティングであり、金融業界平均「BB」、従業員1,000名以上企業の平均「B」よりも高い水準)。
※2…女性活躍推進法の規定に基づき算出。労働基準法上の「管理監督者」及び同等の権限を有する者(部店長等の所属長、副部店長、グループ長、次長など)
※3…女性活躍推進法の規定に基づき算出。「係長」及び同等の権限を有する者(支店長代理、本部副調査役などの役職者)
(5) サイバーセキュリティへの対応
当行グループは、サイバー攻撃の高度化・巧妙化を踏まえ、サイバー攻撃の未然防止と発生時の迅速な復旧対応について、経営の重要課題の一つとして位置づけ、サイバーセキュリティ対策に取り組んでいます。
① ガバナンス
当行グループが直面する様々なサイバー攻撃の脅威に対し、関連部署で組織された「ごうぎんCSIRT(コンピュータ・セキュリティ・インシデント・レスポンス・チーム)」を設置し、サイバーセキュリティ管理態勢の整備・強化に取り組んでいます。
また、サイバーセキュリティ管理態勢については、サイバーセキュリティ管理に関するベストプラクティスや他金融機関の整備状況を参考に自己評価を行い、結果と改善策は、経営陣に報告・協議しています。
《体制図》

② 戦略
お客様に安心・安全な金融サービスを提供するため、サイバーセキュリティ管理態勢の強化に取り組んでいます。具体的には、ごうぎんCSIRTにおいて下記の活動を実施することを通じて、サイバーセキュリティの強化を図ります。
・サイバーセキュリティ関連規程・マニュアルの整備
・サイバーセキュリティに対する技術的対策の企画・立案・実施
・インターネットシステム/クラウドサービスのサイバーリスク評価及び改善要請
・最新の攻撃手口や脆弱性情報の収集と予防措置
・サイバー攻撃対策の稼働状況及び監視状況の確認・チェック
・サイバー攻撃対応に関する教育の企画・立案・実施
③ リスク管理
A サイバーインシデント発生時の対応
「サイバー攻撃対応マニュアル」に基づき、ごうぎんCSIRTが連携して対応体制を構築し、影響調査、被害特定、被害拡大防止、お客様対応及び対外広報等が迅速に行えるよう定期的に訓練等を実施し、実効性の向上を図っています。
B システムリスク(サイバーリスク)の評価
システムを導入する際に、システムリスク評価を実施し、セキュリティ対策の実施状況を確認するとともに、対策を講ずるべき重要なリスクが残存していないか洗い出し、必要に応じて追加対策を要請しています。また、システム稼働後も、定期的にシステムリスク評価を実施し、セキュリティ対策の実施状況をモニタリングしています。
《システムリスク評価の流れ》
④ 指標と目標
サイバーセキュリティの強化に向け、下記の指標と目標を設定しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 営業戦略等が奏功しないリスク
当行は、収益力強化のために様々な営業戦略等を実施しておりますが、国内外の経済環境悪化、他業種との競争激化あるいは顧客ニーズとの乖離等により、これらの戦略が奏功しないリスクがあります。このような場合、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行は中期経営計画に基づき、取締役会のほか、経営執行会議や執行役員会議等を機動的に開催し、多面的に検討を行ったうえで営業戦略を策定しております。また、採用した営業戦略の進捗について評価・分析を行い、必要に応じ戦略を修正・変更するなど、機動的な運営ができる態勢としております。
② 特定地域の経済動向の影響を受けるリスク
当行は、山陰両県を主たる営業基盤として営業活動を行っております。したがって、当行の預金残高や貸出金残高のほか、手数料収益や与信費用などの増減が山陰両県の経済情勢に大きく影響を受け、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行は、少子高齢化が進む課題先進地域の地域金融機関として、積極的に地域の課題解決を図り、地域、お客様とともに成長する、先行モデルづくりにチャレンジしております。当行は従来より広域地方銀行を目指し、山陽地区や、兵庫県・大阪府へ広域展開を図ってまいりました。積極的に経営資源を投入し、地域的なリスク分散も図っております。当事業年度末日における地域別の貸出金割合は、山陰両県の37.4%に対し、広島・岡山19.7%、兵庫・大阪23.7%、東京19.0%となっております。
③ 感染症の流行に関するリスク
新型コロナウイルス感染症が再流行する場合や、新型インフルエンザその他の感染症が流行した場合、当行の営業活動に支障を来たすことによる手数料等収益の減少や、経済活動が低下し、お取引先の財政状態及び経営成績が悪化することによる与信費用の増加など、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、一部の店舗等において業務の継続が困難になる可能性もあります。
④ 風評リスク
各種リスクの顕在化、不祥事件の発生、あるいは風説の流布などによって当行の風評が悪化した場合、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行は、健全性を維持し、安定的な利益を計上するとともに、積極的な情報開示を行うことで、風評リスクの発生防止に努めております。
⑤ 信用リスク
信用リスクとは、お取引先の財務内容の悪化等により、貸出金などの利息や元本の回収が困難になり、損失を被るリスクであります。お取引先を取り巻く環境の変化等によっては、当行の不良債権及び与信費用が増加し、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
貸出金残高の増強戦略下においては、対象となる資産が増加するため、信用リスクは増加する傾向にあります。信用リスクに対しては資本配賦を行い、モニタリングすることで、経営体力(自己資本)の範囲内にリスク量をバランスさせております。信用リスクの管理は、「内部格付制度」をベースとして、「個別案件の厳正な審査・管理(ミクロの信用リスク管理)」と、「信用リスクの計量化によるポートフォリオの管理と適切な運営(マクロの信用リスク管理)」及び「厳正な自己査定とそれに伴う適切な償却・引当の実施」を基本としております。また、定期的にローンレビューや信用リスク管理委員会、ALM委員会を開催し、信用リスク管理に関する協議等を行っております。
⑥ 市場リスク
市場リスクとは、金利、株価、為替などの市況の変動によって、当行が保有している金融資産・負債の価値が変動し損失を被るリスクであります。
当行は、日本国債等への投資に加え、外国証券や多様な投資信託への投資を戦略的に実施するなど、有価証券運用に係るリスクテイクの多様化を図っております。そのため、国内外の経済・金融市場の動向によっては、保有する有価証券の価格下落による減損または評価損が発生し、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行は、市場リスクに対し資本配賦を行い、モニタリングすることで、経営体力(自己資本)の範囲内にリスク量をバランスさせております。市場リスクについては、VaRの水準や評価損益額、感応度などについて日次で把握・管理を行っているほか、ALM委員会を開催し、VaRの水準や評価損益額、感応度などを報告し、リスク量の把握、適切なリスクコントロールの手段の協議・決定を行っております。
⑦ 流動性リスク
流動性リスクとは、予期せぬ資金の流出等により、決済に必要な資金調達に支障を来たす、あるいは通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされる等のリスクであります。
深刻な金融システム不安の発生、あるいは当行財務内容の大幅な悪化などにより、当行の資金調達力が著しく低下するような場合には、資金調達費用が大幅に増加し、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行では、流動性リスクについて、日々資金ギャップ限度額による管理を行っております。また、月次ベースで資金繰りの予想・実績を作成し、計画との差異を検証しております。さらに、緊急時に備えて組織体制や対応策などをまとめたコンティンジェンシープランを策定しております。なお、当行では国債等流動化可能債券やその他流動性の高い資産を保有しており、流動性リスクに対して万全の態勢を整備しております。
⑧ オペレーショナル・リスク
(オペレーショナル・リスクの概要)
オペレーショナル・リスクとは、「銀行の業務の過程、役職員等(当行及び関係会社の役職員で派遣社員を含む、(以下、「役職員等」という。))の活動、もしくはシステムが不適切であること、または外生的事象により損失が発生するリスク」と定義し、以下のリスクを認識しております。
A 事務リスク
事務リスクとは、事務管理体制の不備、役職員が正確な事務を怠ること、あるいは事故・不正等を引き起こすこと等によって損失を被るリスクであります。
預金、融資、為替などの銀行業務における各種の事務を適時適切に処理しなかった場合、保有している顧客情報や経営情報の漏えい、紛失等が発生した場合、あるいは役職員による事故・不正等が発生した場合等には、お客様にご迷惑をおかけしたり、損害賠償責任を負ったりすること等により、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
B システムリスク
システムリスクとは、コンピュータシステムの停止や誤作動、システムの不備、またはコンピュータが不正に使用されること等により損失を被るリスクであります。
ATMや営業店端末、当行ホームページ等に障害が発生した場合には、預金払出や振込業務の停止、社会的信用の失墜などによって、お客さまにご迷惑をおかけするとともに、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(A) サイバー攻撃に関するリスク
当行グループでは、顧客の利便性向上により競争優位を確立するため、また抜本的な業務の見直しにより生産性を飛躍的に向上させるため、DXの推進に取り組んでおります。近年のサイバー攻撃の巧妙化・深刻化等を踏まえ、行内外で発生している事案について、情報を収集し、サイバーセキュリティには十分に配慮した態勢となるよう努めておりますが、それでもなお、サイバー攻撃を受けた場合には、サービス停止、データ改ざん、情報漏えい、不正送金等が発生し、お客様にご迷惑をおかけしたり、損害賠償責任を負ったりすること等により、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
C イベントリスク
自然災害やテロリズム等の外生的要因等により、当行の有形資産が毀損し損失を被ったり、事業活動に支障が生じたりすることで、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
D 人的リスク
役職員等の処遇、役職員等の健康及び職場の安全環境に関する問題や、差別行為に起因した賠償責任等により、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
E コンプライアンス・リスク
コンプライアンス(役職員が業務遂行にあたって、健全な良識ある社会人として確固たる倫理観のもとで、法令、社会的規範、倫理綱領、経営理念、内部規程等を遵守すること及びステークホルダーの信頼に応えること)に違反した結果として、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(オペレーショナル・リスクの管理体制)
当行は、業務の健全性・適切性の観点から、オペレーショナル・リスクの総合的な管理態勢を整備・構築し、「オペレーショナル・リスク管理規程」に基づき、オペレーショナル・リスクの特定、評価、モニタリング、コントロール及び削減を図っております。
具体的には、取締役会で承認されたオペレーショナル・リスク管理態勢をもとに、オペレーショナル・リスク管理担当執行役員をはじめとする経営陣の関与のもと、オペレーショナル・リスク統括部署と各オペレーショナル・リスク主管部署による管理を行っております。
当行はオペレーショナル・リスク管理委員会を設置し、オペレーショナル・リスク管理各部門が共有すべき重要な事項を把握し、具体的な対応策の策定や部門間の調整等オペレーショナル・リスク管理に関する事項の協議・検討を行っております。オペレーショナル・リスクの管理上重要なものについては、経営執行会議において協議・決定を行います。オペレーショナル・リスクの管理状況については、取締役会に報告しております。
また、サイバーセキュリティ対策を整備するため、「ごうぎんCSIRT(Computer Security Incident Response Teamの略で、情報システムセキュリティに関する事件・事故に対処する組織内チーム)」を設置し、行内外で発生しているサイバーセキュリティに関する事案に対処しております。情報システムセキュリティに関する当行の現状と今後の対応を協議し、オペレーショナル・リスク管理委員会に報告する態勢を整備しております。
⑨ 規制リスク
当行は、現時点の規制(法律、規則、政策、実務慣行、解釈など)に従って業務を遂行しておりますが、将来におけるこれらの規制の変更並びにそれに伴って発生する事態により、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 気候変動に関するリスク
異常気象による洪水など自然災害の激甚化、あるいは災害の発生頻度の増加による取引先の事業停滞や当行担保物件の毀損、当行グループの営業店舗等の損壊などが発生した場合に、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、脱炭素社会への移行に伴う規制強化や技術革新の進展等が取引先の事業や業績に及ぼす影響により、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、関連する内容について、第2「事業の状況」2「サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。
以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(財政状態の分析)
連結ベースの預金等(譲渡性預金含む)は、公金部門で減少した一方で、個人・法人・金融機関各部門において増加したことにより、期中5,834億円増加し、期末残高は6兆2,307億円となりました。
連結ベースの貸出金は、法人向け貸出が山陽、関西及び東京エリアで増加したほか、住宅ローンなどの個人向け貸出が、山陰地区に加え、山陽、関西エリアでも増加したことなどから、期中4,213億円増加し、期末残高は4兆7,442億円となりました。
連結ベースの有価証券は、国内外の金利上昇を受け、ポートフォリオの入替売買を実施したことなどにより、期中37億円減少し、期末残高は1兆5,587億円となりました。
連結ベースの純資産は、その他有価証券評価差額金などが減少した一方で利益剰余金などが増加したことにより期中118億円増加し、期末残高は3,250億円となりました。
① 主要勘定の状況(連結) (単位:百万円)
② 金融再生法開示債権及びリスク管理債権の状況
(連結) (単位:百万円)
(単体) (単位:百万円)
③ 有価証券の評価損益(連結) (単位:百万円)
(注) 「その他有価証券」については、時価評価しておりますので、上記の表上は、連結貸借対照表計上額と取得原価との差額を記載しております。
(経営成績の分析)
当期の経営成績について、資金利益は、貸出残高の増加により貸出金利息が増加したことなどから前期比で増加しました。役務取引等利益は、コンサルティング部門の収益(預り資産関連手数料や法人ソリューション手数料)が増加したことなどから前期比で増加しました。これら増加要因の一方で、海外金利の上昇に伴う外貨調達コストの増加からその他業務利益は前期比で減少したほか、不良債権処理費用なども増加しました。
この結果、当連結会計年度の経常利益は前期比30億5百万円増加の247億27百万円となりました。このほか、固定資産の減損損失などを特別損失に計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比13億37百万円増加の168億円となりました。
(注) 連結粗利益=(資金運用収益-資金調達費用)+(役務取引等収益-役務取引等費用)+(その他業務収益-その他業務費用)
セグメントごとの業績につきましては、「銀行業」で経常収益が前期比54億78百万円増加の1,018億21百万円、セグメント利益は前期比19億38百万円増加の229億55百万円となりました。また、「リース業」では、経常収益が前期比6億4百万円増加の163億48百万円、セグメント利益は前期比11百万円減少の6億35百万円となり、クレジットカード業務等を行う「その他」では、経常収益が前期比27億79百万円増加の42億93百万円、セグメント利益は前期比23億63百万円増加の25億9百万円となりました。
(キャッシュ・フローの状況の分析並びに資本の財源及び資金の流動性)
連結ベースの営業活動によるキャッシュ・フローは預金等の増加などによる収入が貸出金の増加などによる支出を上回ったことから634億円の収入(前期比3,200億円増加)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは有価証券の取得などによる支出が有価証券の売却や償還などによる収入を下回ったことから、83億円の収入(前期比3,013億円減少)となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは配当金の支払いや自己株式の取得などにより64億円の支出(前期比5億円増加)となり、その結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前期比653億円増加の8,849億円となりました。
当行グループは、銀行業務を中心とする事業を行っております。したがって、当行グループの資金調達は主に預金等(預金及び譲渡性預金)及び市場性資金調達等によっており、資金運用は主に貸出金及び有価証券等によっております。
当行グループは、預金等を中心とした安定的な資金調達基盤を整備し、営業活動や設備投資等に十分に対応できる手元資金を確保しているほか、流動性の高い資産を保有するなど、流動性リスクに対し万全の態勢を整備しております。
このため、当行グループは、今後予定している資金運用や設備投資等に必要な資金は、手元資金及び営業活動上の資金調達手段にて対応する予定であります。
(重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定等)
当行グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成しておりますが、取引等の内容によっては、当行グループが合理的と判断する仮定や見積りを必要とするものがあります。これらの仮定や見積りは、過去の実績や現在の状況等を勘案し決定しており、将来における不確実性を有しております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定等のうち、重要なものは第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」(1)「連結財務諸表」「注記事項」(重要な会計上の見積り)に記載しております。
(参考)
当連結会計年度の資金運用収支は、国内業務部門559億72百万円、国際業務部門135億97百万円となり、合計で695億70百万円と前期比79億3百万円の増加となりました。役務取引等収支は、国内業務部門121億76百万円、国際業務部門4億22百万円となり、合計で125億98百万円と前期比18億98百万円の増加となりました。また、その他業務収支は、国内業務部門13億96百万円、国際業務部門△175億32百万円となり、合計で△161億36百万円と前期比19億22百万円の減少となりました。
(注) 1 「国内業務部門」とは、当行国内店及び国内に本店を有する連結子会社(以下「国内連結子会社」という。)の円建取引であります。また、「国際業務部門」とは、当行国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 連結会社間の取引相殺後の計数を記載しております。
3 資金調達費用は金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度:国内業務部門0百万円、国際業務部門―百万円、当連結会計年度:国内業務部門1百万円、国際業務部門―百万円)を控除して表示しております。
4 資金運用収益及び資金調達費用の合計欄の上段の計数は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。
当連結会計年度の資金運用勘定平均残高は、国内業務部門7兆245億85百万円、国際業務部門5,250億97百万円となり、両部門間の資金貸借の平均残高相殺後の合計で7兆1,384億28百万円と前期比3,663億1百万円の増加となりました。また、資金運用利回りは、国内業務部門0.82%、国際業務部門3.49%となり、合計では1.06%と前期比0.08ポイントの上昇となりました。
資金調達勘定の平均残高は、国内業務部門6兆9,921億86百万円、国際業務部門5,269億9百万円となり、両部門間の資金貸借の平均残高相殺後の合計で7兆1,078億41百万円と前期比2,321億55百万円の増加となりました。また、資金調達利回りは、国内業務部門0.02%、国際業務部門0.90%となり、合計では0.09%と前期比0.02ポイントの上昇となりました。
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、一部の国内連結子会社については月末毎の残高ないし半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 「国内業務部門」とは、当行国内店及び国内連結子会社の円建取引であります。
3 連結会社間の債権・債務及び取引相殺後の計数を記載しております。
4 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度331,344百万円 当連結会計年度218,707百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度4,999百万円 当連結会計年度4,999百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円 当連結会計年度1百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
5 ( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
(注) 1 「国際業務部門」とは、当行国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等を含めております。
2 資金調達勘定は、金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度―百万円 当連結会計年度―百万円)及び利息(前連結会計年度―百万円 当連結会計年度―百万円)を控除して表示しております。
3 ( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、一部の国内連結子会社については月末毎の残高ないし半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 連結会社間の債権・債務及び取引相殺後の計数を記載しております。
3 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度331,344百万円 当連結会計年度218,707百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度4,999百万円 当連結会計年度4,999百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円 当連結会計年度1百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
4 国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息は、相殺して記載しております。
当連結会計年度の役務取引等収益は、国内業務部門167億60百万円、国際業務部門5億1百万円となり、合計で172億62百万円と前期比21億89百万円の増加となりました。また、役務取引等費用は、国内業務部門45億84百万円、国際業務部門79百万円となり、合計で46億63百万円と前期比2億91百万円の増加となりました。
(注) 1 「国内業務部門」とは、当行国内店及び国内連結子会社の円建取引であります。また、「国際業務部門」とは、当行国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 連結会社間の取引相殺後の計数を記載しております。
(注) 1 「国内業務部門」とは、当行国内店及び国内連結子会社の円建取引であります。また、「国際業務部門」とは、当行国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 連結会社間の債権・債務相殺後の計数を記載しております。
3 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
4 定期性預金=定期預金+定期積金
(注) 1 「国内」とは当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。
2 「海外」とは海外店及び海外連結子会社であります。なお、当行は海外店及び海外連結子会社を保有しておりません。
3 連結会社間の債権・債務相殺後の計数を記載しております。
日本公認会計士協会銀行等監査特別委員会報告第4号に規定する特定海外債権引当勘定の計上が必要となる国の外国政府等(外国政府、中央銀行、政府関係機関又は国営企業及びこれらの所在する国の民間企業等)に対する債権残高はありません。
(注) 1 「国内業務部門」とは、当行国内店及び国内連結子会社の円建取引であります。また、「国際業務部門」とは、当行国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 連結会社間の債権・債務相殺後の計数を記載しております。
3 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては、基礎的内部格付手法を採用しております。また、オペレーショナル・リスク相当額に係る額の算出においては、標準的計測手法を採用しております。
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3 要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
該当事項はありません。
該当事項はありません。