第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1) 経営方針並びに経営戦略等

「企業風土の変革」「中核分野の拡充」「事業推進力の強化」「プロフェッショナル人材の育成」「効率性向上によるコスト最適化」「サステナビリティ経営の推進」「株主利益の維持・向上」の7つを中期経営方針として、企業風土の変革とともに、当社の強みとなる事業の成長と収益力の向上を図り、企業価値の拡大に取り組んでおります。

 

中期経営方針

 

 

① 企業風土の変革

企業理念、経営指針の浸透を図り、実践していくことで企業文化・風土を変革する。

② 中核分野の拡充

「情報サービス市場の変化への的確な対応」を基本として、アウトソーシング事業の拡大を継続推進するとともに、付加価値の高いDX関連ビジネスの拡大やIT技術の進化に応じた新しい事業を開拓し、当社の強み・得意分野の強化を図る。

③ 事業推進力の強化

顧客ニーズの迅速な把握と提案力の向上を図り、顧客の期待を超える付加価値の高いサービスを提供する。プロジェクトマネージャーと担当営業の連携や拠点間連携等、組織力を生かした営業力を強化することで事業の拡大を図る。

④ プロフェッショナル人材の育成

当社にとって重要な資産である優秀な人材の確保と技術力向上に向け、効果的な採用活動を行うとともに、ジョブローテーションによるキャリアアップを活性化することで、高度技術者の育成やマネジメント能力、折衝力を備えたコアリーダーの育成を行い、当社の中枢を担っていく人材の強化を図る。

⑤ 効率性向上によるコスト最適化

業務の効率化、適正な工数管理等による案件毎の採算性向上と販管費の削減を徹底することで、コスト最適化を追求し、収益力の強化を図る。

⑥ サステナビリティ経営の推進

持続可能な社会の実現と地球環境の保全に真摯に取り組み、すべてのステークホルダーから信頼され、必要とされる企業を目指す。内部統制システムの適正運用をはじめ、コンプライアンスの徹底を図るとともに、健康経営の推進や環境への取り組み等も積極的に行い、モラルの高い健全な企業体質を維持・向上する。

⑦ 株主利益の維持・向上

業容、業績の拡大とともに、継続的に企業価値を向上させることで株主利益の維持・拡大を図る。また、IR活動の強化およびコーポレート・ガバナンスの質的向上を図り、市場での認知度、評価の向上を目指す。

 

(2) 目標とする経営指標

当社は、健全かつ堅実な経営を第一義としつつ、成長性と収益性の向上を図るとともに、企業価値の向上による株主利益の増大を目指しております。

経営指標としては、売上高及び営業利益の前年比、配当性向を重視しております。

 

(3) 経営環境並びに事業上の対処すべき課題

国内景気全般は、大手企業を中心とした旺盛な投資意欲が引き続き見込まれるなど緩やかな景気回復が期待できるものの、物価上昇の長期化や地政学的リスクの多様化等の懸念により、先行きは不透明な状況にあります。

情報サービス産業においては、DX推進に向けた先進的分野や従来型のシステム刷新など、企業等の活発なIT投資が見込まれ、当社を取り巻く事業分野におきましても、これらの需要への的確な対応が求められる環境にあります。

このような状況の下、当社はこれまで以上に顧客との綿密なコミュニケーションを図り、迅速な提案活動を行います。また、クラウド、RPA等の新技術分野の案件需要に対応した開発・構築・運用管理業務に注力いたします。

 

中期的には優秀な人材の確保・育成と技術力の向上が重要な課題となります。引き続き効果的な採用活動を行うとともに、ジョブローテーションによるキャリアアップを活性化するなど、高度技術者の育成やマネジメント能力、折衝力を備えたコアリーダーの育成を行ない、当社の中枢を担っていく人材の強化を図ります。

事業展開においては、アウトソーシング事業の拡大と上流工程への移行による高付加価値化を進めてまいります。また、DX推進に向けたITサービスの支援を強化するとともに、IT技術の進化に応じた新規ビジネスの創出に取り組み、より一層の業容拡大を図ってまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) サステナビリティ基本方針

当社は、「生き生きとした人づくりに基づき、創意工夫とたゆまぬサービス改善により情報社会の健全な発展に貢献します。」との企業理念のもと、AISビジョン体系の実践をとおして、持続可能な社会の実現と地球環境の保全に真摯に取り組み、すべてのステークホルダーから信頼され、必要とされる企業を目指しております。

 

①事業活動を通して、社会・環境問題へ真摯に取り組みます。

②お客様・ビジネスパートナーとの相互の信頼と透明で公正な関係を築きます。

③個人の人権、多様な価値観を尊重するとともに、働きがいのある職場環境を実現します。

④経営情報を適時・適切に開示し、経営の透明性を高めます。

⑤法令や社会規範を遵守し、公正、誠実な企業活動を実現します。

 

(2) ガバナンスとリスク管理

当社は、「リスク管理規程」に基づき、業務執行部門が個別のリスク・機会を識別し、評価のうえ管理しております。その内容は、年に1度取締役会に報告しております。また、取締役会は、サステナビリティ全般に関するリスク及び機会の監督に対する責任と権限を有しており、サステナビリティに関する重要課題の特定、対応方針及び実行計画等は、取締役会及び経営会議において、審議、決定を行っております。

 

(3) 戦略及び目標

当社では、経営指針のひとつとして「人材こそ源泉」を掲げ、事業活動の基本は人であるとの考えのもと、優秀な人材の確保と技術力向上にむけ、効果的な採用活動とプロフェッショナル人材の育成に取組んでおります。

 

社員ひとり一人がプロの技術者として成長し、高い品質でお客様に貢献できるよう、各年次、職位、業務ごとに求められる能力・専門知識の習得を目的とした研修制度をはじめ、e-ラーニングの導入により、自律的なキャリア構築を支援しております。また、ITスキル以外にも、業務に応用できる会計、経営、語学などの知識の習得も推奨し、トレンドニーズに合わせた社員の育成に努めております。なお、自己啓発により資格を取得した場合は、取得奨励金支給基準に基づき、奨励金を支給しております。

 

性別や年齢などに関係なく様々な人材が活躍できる環境や仕組みを整備し、多様な人材が意欲を持って活躍する活力ある組織の構築を推進していくとともに、優秀な人材を確保するため、新卒を対象とした定期採用に加え、即戦力として期待できるキャリア採用も積極的に行っております。

 

具体的には以下のような取り組みを実施しております。

① プロフェッショナル人材の育成

当社認定資格制度(認定した各種資格に対し、受験費用・奨励金を支給する制度)の対象範囲、奨励金の金額を定期的に見直し、ITスキル及びITスキル以外の業務関連資格の取得を推奨・促進しております。また、当社認定資格の中でも、取得難易度の高い技術資格について、取得率の向上を目指し、学習教材の提供や社内講習・外部講習の受講について支援を拡充してまいります。

 

② 多様な人材の活躍促進

イ.定年再雇用者の経験を活かした働きやすい職場環境の整備を進めております。

ロ.障がい者の特性に応じた職場の環境整備を行い、雇用を促進しております。

ハ.女性活躍推進法・次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画を実現してまいります。

ニ.健康経営への投資を行い、従業員が働きやすい環境を整備してまいります。経済産業省「健康経営優良法人認定」の取得を目指しております。

 

 

③ 優秀な人材の確保

即戦力となる優秀な人材確保のため、キャリア採用への投資を強化し、引き続き積極的な採用活動を行ってまいります。

 

上記②ハ・ニにおいて記載した女性活躍・健康経営に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標(2025年3月31日までの達成目標)及び実績は次のとおりとなります。

指 標

目 標

実績(当事業年度)

女性活躍推進法、次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画の実行

 

女性社員比率

()

15

17.5

女性採用比率

()

20

29.4

有給休暇取得率

()

70

77.7

健康経営への投資

 

健康経営に関する認定取得

 

経済産業省「健康経営
優良法人認定」取得

ストレスチェック受診率

()

90

78.0

健康診断(社員)受診率

()

100

100

健康診断(配偶者)受診率

()

50

37.0

 

 

3 【事業等のリスク】

当社の経営成績、財政状況等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。なお、記載のリスクについては、リスクの全てを網羅しているものではありません。また、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 外部環境の変化に対するリスク

当社が属する情報サービス産業は、ユーザーである個々の企業等の情報化投資に係る予算統制の影響を受けることから、経済情勢の変化等により事業環境が悪化した場合、経営成績に影響を与える可能性があります。

当業界では「顧客ニーズの多様化」「クラウド化の進展」「IoT、AIの活用」等の環境変化により、技術レベルの高度化、複雑化とともに、顧客ニーズに対する付加価値の高いサービスの提供が求められており、ますます競争が激化しております。また、情報サービス産業は比較的参入障壁が低く、価格競争が生じやすい業界となっていることから、従来型の技術やサービスでは価格の低下に拍車がかかり、当社の経営成績に影響を与える可能性が考えられます。

 

(2) 法的規制に関わるリスク

当社は、一括アウトソーシング事業のほかに常用雇用型の技術者派遣事業を展開しており、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」による規制を受けております。同法をはじめとする関係諸法令は継続的に見直しが行われており、当社の事業に対して著しく不利となる改正が行われた場合は、経営成績に影響を与える可能性があります。なお、当社は従業員を無期雇用(正社員)としており、当該事業に対する影響は軽微なものと判断しております。また、当社ではリスク軽減のため、アウトソーシングによる請負化を進めております。

 

(3) システム運用に関わるリスク

大規模なシステム運用管理業務において、システム運用ミスによるシステムダウンが起きれば、損害賠償を請求される可能性があります。当社では、日常的なチーム活動(小集団活動)の推進や「ノーミス・情報セキュリティ強化月間」を設ける等、社員の技術力・意識の向上を図り、リスクの回避に努めております。

 

 

(4) システム開発に関わるリスク

当業界の開発需要は一括請負契約による受託案件が多く、受注時の見積以上の作業工数増大等により赤字が計上される場合があります。また、納品の遅延や最終的に納品できなかった場合には、損害賠償責任が発生する可能性があります。当社が受注するシステム開発は比較的小型案件が多く、業績に大きな影響を及ぼす赤字プロジェクトの発生リスクは少ないと考えております。

 

(5) 特定の取引先へ依存するリスク

当社の取引先は、官公庁、自動車、電気機器、金融等特定の産業分野にかたよらない上場企業を中心とした優良企業であります。主要取引先への売上割合は、最大で22%程度となっており、特定の取引先への依存度による事業リスクは限定的と考えております。

 

(6) 情報漏洩に関わるリスク

当社は、業務を遂行するうえで個人情報を含む顧客の機密情報を取扱う場合があり、厳格な対応が求められております。当社では、情報セキュリティ基本方針を定めるとともに、機密情報が厳正に保護、管理されるよう、定期的な強化月間や勉強会を実施するなど、実効性のある施策を講じております。

また、全社的に個人情報マネジメントシステムを確立して個人情報の取扱いを厳格に管理しており、個人情報の管理体制が十分に整っている企業に与えられるプライバシーマークを取得しております。しかしながら、万一、機密情報の外部への漏洩が生じた場合、損害賠償を請求される可能性があり、当社の信用の失墜を招くことにより、経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

(7) 人的資源に関わるリスク

当社の成長と業績は人材に大きく依存しており、高度技術者の採用・育成が重要となります。情報サービス産業では人材の獲得競争が激しく、優秀な人材の確保は恒常的な課題となっております。人材の採用・育成または既存社員の流出を防止できない場合は、当社の成長と業績に大きく影響する可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化が進む中で、企業収益の改善とともに雇用・所得情勢は底堅く、個人消費も持ち直すなど、緩やかな景気回復が継続しました。なお、先行きにつきましては、大手企業を中心とした投資意欲が旺盛であるほか、インバウンド需要回復などの前向きな動きはあるものの、物価上昇の長期化や地政学的リスクの多様化等の懸念により、依然として不透明な状況にあります。

情報サービス産業におきましては、IoT、AIを活用したITサービスの進展、クラウドサービスやセキュリティ対策、RPA等のDX推進をはじめ、従来型のシステム刷新など、企業等の事業拡大や競争力強化に向けた戦略的なIT投資は活発化しております。

このような情勢の下、当社では顧客との綿密なコミュニケーションを図り、提案活動の継続強化に注力するとともに、新規案件の獲得や既存案件の追加受注、契約料金の改善に努めたことで売上が伸長しました。とりわけ、自動車関連や移動体通信等の分野における受注拡大が大きく貢献しました。また、技術者を確保するための採用強化や技術者への教育投資及び賃金改善等も積極的に取り組みました。

これらの結果、当事業年度の経営成績は、売上高14,786百万円(前期比6.7%増)、営業利益1,427百万円(前期比8.8%増)、経常利益1,456百万円(前期比8.3%増)、当期純利益1,071百万円(前期比17.4%増)となりました。

 

部門別の概況は、次のとおりであります。

 

(ネットワークサービス)

アウトソーシング案件の取引拡大を図るとともに、顧客への提案活動を強化し、案件の早期受注に注力した結果、売上高は12,313百万円(前期比7.6%増)となりました。

 

(システム開発)

顧客のDX推進に関わる案件や業務系アプリケーション等の案件獲得に努めた結果、売上高は2,166百万円(前期比4.7%増)となりました。

 

 

(システム運用)

汎用系の運用やオペレーション業務は、市場の縮小とともに価格下落が継続していることから、汎用系技術からネットワーク系技術への移行に継続して取り組んだ結果、売上高は306百万円(前期比12.1%減)となりました。

 

② 資産及び負債・純資産
イ.資産

当事業年度末における流動資産は、前事業年度末より1,052百万円増加し、10,117百万円となりました。これは主に、現金及び預金1,043百万円、売掛金203百万円の増加と、有価証券201百万円の減少によるものであります。固定資産は、前事業年度末より14百万円減少し、3,814百万円となりました。これは主に、保険積立金117百万円、前払年金費用82百万円の増加と、投資有価証券195百万円、繰延税金資産15百万円の減少によるものであります。

この結果、資産総額は、前事業年度末より1,037百万円増加し、13,932百万円となりました。

 

ロ.負債

当事業年度末における流動負債は、前事業年度末より234百万円増加し、2,838百万円となりました。これは主に、未払金175百万円、未払費用25百万円、賞与引当金101百万円、その他に含まれる未払消費税等28百万円の増加と、短期借入金50百万円、未払法人税等52百万円の減少によるものであります。固定負債は、前事業年度末より5百万円増加し、127百万円となりました。これは、役員退職慰労引当金5百万円の増加によるものであります。

この結果、負債総額は、前事業年度末より240百万円増加し、2,965百万円となりました。

 

ハ.純資産

当事業年度末における純資産は、前事業年度末より797百万円増加し、10,966百万円となりました。これは主に、当期純利益1,071百万円の計上による増加と、配当金345百万円の支払いに伴う減少によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末より1,043百万円増加し、6,279百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

イ.営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果増加した資金は1,066百万円(前事業年度は587百万円の増加)となりました。これは主に、税引前当期純利益1,456百万円、売上債権の増加203百万円、法人税等の支払額454百万円によるものであります。

 

ロ.投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果増加した資金は372百万円(前事業年度は47百万円の増加)となりました。これは主に、投資有価証券取得による支出599百万円、有価証券の償還による収入1,100百万円、保険積立金の積立による支出117百万円によるものであります。

 

ハ.財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果減少した資金は395百万円(前事業年度は343百万円の減少)となりました。これは主に、配当金の支払額345百万円によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績

当事業年度の生産実績を部門別に示すと、次のとおりであります。

部門別

生産高(千円)

前期比(%)

ネットワークサービス

12,312,322

107.6

システム開発

2,166,003

104.7

システム運用

306,836

87.9

合計

14,785,161

106.7

 

 

 

ロ.受注実績

当事業年度の受注実績を部門別に示すと、次のとおりであります。

部門別

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

ネットワークサービス

12,320,912

107.8

42,544

121.3

システム開発

2,166,003

104.7

システム運用

306,836

87.9

合計

14,793,751

106.8

42,544

121.3

 

 

ハ.販売実績

当事業年度の販売実績を部門別に示すと、次のとおりであります。

部門別

販売高(千円)

前期比(%)

ネットワークサービス

12,313,451

107.6

システム開発

2,166,003

104.7

システム運用

306,836

87.9

合計

14,786,290

106.7

 

(注) 最近2事業年度の主な取引先の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

当事業年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社トヨタシステムズ

2,980,002

21.5

3,349,045

22.6

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に関する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。また、この財務諸表作成における見積りにつきましては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で行われている部分があります。これらの見積りにつきましては、継続して検証し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。

 

② 当事業年度の経営成績の分析
イ.売上高

当事業年度の売上高は、顧客との綿密なコミュニケーションを図るとともに提案活動の継続強化に努め、新規案件の獲得や既存案件の追加受注に注力した結果、14,786百万円(前期比6.7%増)となりました。

部門別では、ネットワークサービス部門12,313百万円(前期比7.6%増)、システム開発部門2,166百万円(前期比4.7%増)、システム運用部門306百万円(前期比12.1%減)となりました。

 

ロ.売上原価

当事業年度の売上原価は、前事業年度に比べ683百万円増加11,575百万円(前期比6.3%増)となりました。これは主に、技術者の増員や賃金改善等による労務費とビジネスパートナー活用推進に伴う外注費の増加によるものであります。なお、売上高に対する比率は0.3ポイント減少の78.3%となりました。

 

ハ.販売費及び一般管理費

当事業年度の販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ126百万円増加1,782百万円(前期比7.6%増)となりました。これは主に、間接部門労務費と賞与引当金繰入額の増加によるものであります。なお、売上高に対する比率は0.2ポイント増加の12.1%となりました。

 

 

ニ.営業利益

上記の結果、営業利益は前事業年度に比べ115百万円増加1,427百万円(前期比8.8%増)となりました。

 

ホ.経常利益

当事業年度の経常利益は、前事業年度に比べ111百万円増加1,456百万円(前期比8.3%増)となりました。これは主に、営業利益の増加によるものであります。

 

ヘ.当期純利益

当事業年度の当期純利益は、経常利益の増加及び賃上げ促進税制税額控除等により、前事業年度に比べ158百万円増加1,071百万円(前期比17.4%増)となりました。

なお、1株当たり当期純利益は、前事業年度に比べ20円42銭増加137円82銭となり、1株当たり年間配当金は、前事業年度に比べ13円増額の56円といたしました。この結果、配当性向は40.6%となりました。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性

① キャッシュ・フロー

当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。なお、当社のキャッシュ・フロー関連指標の推移は下記のとおりであります。

 

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

自己資本比率(%)

77.9

78.2

78.9

78.9

78.7

時価ベースの自己資本比率(%)

72.3

83.1

76.1

71.0

78.6

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

0.3

0.3

0.3

0.4

0.2

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

368.4

524.7

438.4

327.9

655.6

 

※ 自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

1.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により計算しております。

2.有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

また、利払いについてはキャッシュ・フロー計算書の利息額を使用しております。

 

② 資本政策

当社は、イベントリスクによって経済や市場が混乱し、当社事業においても多大な影響が生じた場合でも、ステークホルダーに影響を及ぼさないだけの手元現預金を保有し、それを超える部分については企業価値向上に資する経営資源の配分に努めます。

事業への資源配分については、既存事業のさらなる強化・成長に資する投資を最優先としながら、将来のキャッシュ・フロー成長を支える無形資産(人材・DX推進)への資源配分を継続的に実施します。

株主還元については、経営における最重要課題の一つと考えており配当性向を重視し、増配を目標に継続的に実施していきます。

 

③ 財務政策

当社は、事業運営上必要な流動性を安定的に確保することを基本方針としており、運転資金及び設備資金は、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。

当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は6,279百万円、短期借入金の残高は210百万円であります。

また、重要な資本的支出の予定はありません。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。