当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社および当社グループは、「私たちは文化事業を通じて、国際社会に貢献します」という企業理念のもとに、学術専門書、日本語学習書などの各種和書出版物、および日本製の良質な文具・雑貨を広く世界の大学等の教育機関、小売店舗、ネットショップ等に輸出供給しております。また、輸入事業においては、国内の書店、大学生協、ネット事業者を対象に海外の優良出版物・語学書の輸入販売、また、ホームセンター、量販店向けには雑貨・出版物を販売する等、わが国の貿易産業界に於いても、教育・文化を中心とした取扱商品は、その優位性を保持しており、今後とも事業拡大に向けた取引先との連携をより深めて参ります。
(2)経営戦略等
当社および当社グループは、上記経営の基本方針に基づき、市場の変化に敏速に対応できる事業体制を構築します。中・長期的には、経済のグローバル化が進む中で生じる貿易摩擦や、地域・国ごとに異なった制度・政策への対応、気候変動や感染症、テロ・紛争等が我が国の経済に及ぼす影響は拡大すると思われます。また、少子高齢化や人口減少に加えて都市部への人口集中といった構造的問題や、ネットワーク社会の浸透による生活様式の変化が消費行動への変化をもたらしております。そのような経営環境下にあっても、当社および当社グループは、利益率の高い雑貨等の取扱いによる収益を確保できる高効率経営体質を確立するとともに、ネットワーク社会の到来によるデジタル化が進んでいく構造的変化に対応し、その機能づくりを実施し、文化事業として次世代に誇れる国際社会貢献企業としての当社の特徴を生かした成長を図ってまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社および当社グループは、収益力の向上を最優先に考えており、株主利益の増大を図ってまいります。長期の目標としては、売上高150億円、売上高経常利益率3%以上を安定的に確保できる経営基盤の確立を掲げております。
(4)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社および当社グループは、国内外の昨今における紙媒体(書籍・雑誌)の需要減に加え、国内音楽市場の縮小に伴う大型新譜の減少による音楽CD販売苦戦など、刻々と変化し続ける市場需要と新たな分野に対応する事業展開が今後の課題になっております。厳しい環境下ではございますが、従来の輸出入事業で培った専門性と国内外の販路、そして当社グループの貴重な経営資源である海外子会社(連結子会社3社及び非連結子会社1社)とは、「クールジャパン戦略」「海外販路開拓支援事業」等とリンクし、ネットワークを活かした総合戦略を推し進めてまいります。また、小学校英語教育の必修化による英語教育需要の高まりに対応した英語テキスト販売、およびオンライン英会話学校へのデジタル教材提供、並びに東南アジアからの留学生の増加に応じた日本語テキスト販売、クロスマーチャンダイジング対応を強化した書籍・雑貨の融合商品供給など、当社独自のユニークな提案を行うことにより拡大販売に努めて参ります。
新型コロナウイルス感染症の影響については、依然として先行きが不透明であり、当社グループにおいての影響も不透明でありますが、当社グループの経営成績に与える影響については迅速かつ適切に情報収集を行い、適切に判断してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)基本的な考え方
当社は行動規範において地域社会との共生として、「私達は地域の発展と快適で安全な生活に資する活動に協力するなど、地域社会との共生を目指します。」を掲げております。経営理念である「私たちは文化事業を通じて、国際社会に貢献します」に則った事業の推進により豊かな文化を育むことで、社会の発展に貢献することを社命として取り組んでおります。
(2)ガバナンス
当社取締役会は、ステークホルダーと良好な関係を築き、グループ企業価値を長期安定的に向上させていくためには、コンプライアンス体制、リスク管理体制、企業としての社会的責任の認識、そして適切な内部統制システムの維持・強化が重要であると認識しており、これを踏まえ環境、社会、統治問題への積極的かつ能動的な対応を行い、社会的責任を果たすことで、持続可能な社会の形成に貢献してまいります。
詳細は、「
(3)戦略
当社は、サステナビリティについて以下の通り取り組んでおります。
当社の洋書事業では、国内大学向けの英語テキスト販売や、国内留学生向けに日本語テキストの販売を行っており、出版物・雑貨輸出事業においては、日本語教材の輸出販売を行う等、質の高い教育を幅広く広める取組みを行っております。加えて、本社ビル建替えによる移転では、同一地域内の移転をしたことでエネルギー消費の抑制や、移転先でLED照明を使用するといった環境負荷軽減の取り組みをはじめ、本社移転に伴って物流機能を流山に集約し、事務所についてはフリーアドレス等の制度を導入のうえ3フロアを1フロアにまとめ、効率性を高めた就労環境を整える等、エネルギー問題にも取り組んでおります。また、知的財産への投資として、1942年創業以来培ってきました貿易業務を軸とした国内外の多くの取引先との関係を維持することで、文化の懸け橋として社会に貢献するよう努めております。人的資本への投資としては、在宅勤務制度や時差出勤の導入等、次のように従業員が働きやすい環境づくりにも配慮しております。
当社は、人材の多様性が経営や事業に変革を生み、会社の持続的な成長を確保する上で強みとなるという認識のもと、多様性確保に向けた取り組みを行ってまいります。当社が行っている主な活動は以下のとおりです。
(1)婚姻・育児・介護等の環境に合わせた柔軟な働き方
① 育児休業制度および介護休業制度
② 在宅勤務制度および短時間勤務制度
(2)多様な経験や価値観を成長の原資とする登用制度
契約社員および社員登用制度
(3)成長を継続するための自己啓発制度
① 自己啓発支援制度
② 社内研修制度(新入社員研修、OJT、管理職候補者研修)
③ 社外研修制度
④ 通信教育制度の斡旋
(4)リスク管理
当社は、気候変動や多様性におけるリスクや機会について、輸出入を行っている企業であることから、事業部ごとに異なる特性に対応するべくリスク管理を行っております。
詳細は、「
(5)指標及び目標
世界的に原材料及び人件費が高騰する中、当社は輸出入を手掛ける物流企業として、輸送燃料を抑制するために発注回数の適正化や、綿密な発注計画をもとに航空便に加え、フェリー便、船便等を活用した輸送手段の最適化を常に図っており、物流機能を集約したJPT流山を基盤に、国内のみならず海外子会社とも連携のうえ在庫管理を徹底しております。当社グループの成長に海外子会社は欠かすことができないことから、事業セグメントに「海外子会社事業」を加えて、子会社が所在する現地で監査を行う等、管理体制を明確にしたうえで、日本から往査対応による出張回数を減らし、平時はオンラインで連絡を取る対応を行うといった取り組みがサステナビリティに資すると考えております。本社による管理を継続し、「
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)外国為替相場の変動リスクについて
当社グループの事業、業績および財務状況は、外国為替相場の変動によって影響を受けます。このため為替変動が当社グループの外貨建取引及び当該取引から発生する売掛金等の資産および買掛金等の負債の日本円換算額に悪影響を与える可能性があり、当社グループの事業および財務状況に影響を受ける可能性があります。当社グループは外国為替リスクを回避するため、必要に応じて為替予約等のヘッジ手段を講じるなど、リスクの低減に努めております。
(2)電子化のリスクについて
音楽ソフトや出版物の電子化が進んだ場合、既存の商品の販売が減少し、当社グループの事業および財務状況に影響を受ける可能性があります。輸出入事業で培った専門性と国内外の販路に海外子会社を加えた当社グループのネットワークを活かした総合戦略を推進してまいります。また、オンライン事業の拡大推進に努めてまいります。
(3)子会社の業績によるリスクについて
当社の100%子会社であるアメリカのJPT AMERICA, INC.、HAKUBUNDO, INC.、およびイギリスのJPT EUROPE LTD.はそれぞれの国において日本の出版物、音響ソフトおよび一般雑貨等のディストリビューターを経営しておりますが、現地の政情不安と政治経済状況等により、業績不振となり、当社グループの事業および財務状況に影響を受ける可能性があります。当社グループは各国の政治経済等の情報収集に努め、情勢の変化に応じた事業の見直しを図っております。
(4)輸送手段に関するリスクについて
現在当社グループの業務に使用されている輸出入の手段は、民間会社等の運送サービスが不可欠であり、テロ事件、紛争または戦争、伝染病などの国際情勢の変化や自然災害により輸送障害が発生した場合には、当社グループの事業および財務状況に影響を受ける可能性があります。海上輸送・航空輸送ともに複数の輸送会社と契約いたしており、不測の事態に備えております。
(5)情報管理におけるリスクについて
個人情報の保護については、社内規程の制定や従業員への教育等により対策を徹底しておりますが、大規模な自然災害や突発的な事故によって関連する設備の損等、またはコンピュータウイルス等により、情報漏洩が生じ、ステークホルダーへの損害賠償等が発生した場合、当社グループの事業および財務状況に影響を受ける可能性があります。当社グループは社内通信システムのセキュリティ強化に努めるとともに、本社以外に九州営業所へデータのバックアップサーバを設置し、不測の事態に備えております。
(6)法的規制におけるリスクについて
近年、知的財産権の保護の高まりにより、各種権利等の侵害を理由とする訴訟が提訴されております。万が一、訴訟が提訴された場合は、事業運営に制約を受けることが想定され、当社グループの事業および財務状況に影響を受ける可能性があります。本社内にリスク管理委員会を設置し、関係法令等の情報収集と共有を進め、法令遵守に努めております。
(7)少子化におけるリスクについて
少子化にともない、大学を始めとする各種の学校では学生数の減少が深刻な問題となっております。今後も減少傾向が継続した場合、当社グループの事業である教科書等の売上が減少し、当社グループの事業および財務状況に影響を受ける可能性があります。商材の拡充を推進し、幅広い年齢層への事業展開を図ってまいります。
(8)感染症等によるリスクについて
新型コロナウィルス等の感染症の大流行や大規模な自然災害が発生した場合には、本社や物流倉庫の機能に障害が生じ、当社グループの事業および財務状況に影響を受ける可能性があります。本社機能においては、在宅によるリモートワークの勤務体制を構築し、物流倉庫においては、複数の拠点を設け、不測の事態に対しても事業運営が滞ることのなきよう備えております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、日経平均株価が最高値を更新したものの、消費者物価の上昇に歯止めがかからず、個人消費の持ち直しに足踏みがみられるなど、景気の回復基調は緩やかな状況であります。また、国内では能登半島地震、海外では中国経済の先行き懸念、ウクライナ情勢、中東をめぐる情勢など、経済に与える影響を留意すべき要因が数多くあり、本格的な景気の回復にはしばらく時間を要するものと思われます。
当社グループにおける出版物・雑貨等の輸出事業は、大学図書館向け出版物が堅調に推移したものの、信用不安により出荷停止している販売先の影響が大きいことに加え、音楽ソフト、日本語学習書、玩具類の受注も振るわず減収となりました。また、洋書・メディアの輸入事業は、英語学習書が堅調に推移、日本語学習書は好調でありましたが、販売先の政策変更により売上消失したところが大きく、好調を維持してきたK-POPも第4四半期に失速し、減収となりました。加えて、海外子会社は、玩具類及び日本語学習書の受注減退が続いておりますが、文具類に関しては新規仕入先の拡大、新規販売先の開拓が進んだことから増収となりました。
利益面では、昨年採算の悪い商品群に対して値上げを実施した効果が未一巡であること、原価率の悪い売上が減少したこと、価格競争の緩和などにより原価率は改善したものの減収の影響が大きく、売上総利益は8百万円の増益となりました。一方で、経費に関しては、減少した要素もあったものの、給与・賞与の引き上げ、新規開拓を目的とした海外出張、展示会への出展費用の増加等の要因により1千4百万円の増加となった結果、営業利益は減益となりました。
営業外損益に大きく影響を与える為替につきましては、前連結会計年度が2千9百万円の為替差益であったのに対し、当連結会計年度は2千9百万円の為替差益となり、ほぼ同額の水準となりました。
特別利益では、継続保有の必要がないと判断した投資有価証券を売却したことにより8百万円の投資有価証券売却益を計上いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高85億5千4百万円(前連結会計年度比21.6%減)、営業利益4億2千5百万円(前連結会計年度比1.3%減)、経常利益4億4千8百万円(前連結会計年度比2.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3億1千4百万円(前連結会計年度比26.8%増)となりました。
当連結会計年度のセグメントの業績は以下のとおりであります。
(出版物・雑貨輸出事業)
大学図書館からの受注は堅調に推移いたしました。主要商材である音楽ソフトはアナログレコードの受注が好調、オリジナルアナログレコード製作や新規開拓にも注力しているものの、信用不安により出荷停止している販売先の影響が大きく、音楽ソフトとしては低調でありました。文具類につきましても、メーカーとのタイアップによる施策は成果を上げておりますが、結果として海外子会社との直接取引が増加、当事業セグメントとしての売上増にはつながっておりません。また、日本語学習書の海賊版の影響も払拭しきれず、減収となりました。
利益面では、昨年度実施した値上げの効果が未一巡であることから原価率は改善、経費についても人員の圧縮を図りましたが、減収の影響が大きく、新規開拓を目的とした海外出張も増加、営業利益は減益となりました。
その結果、当部門の売上高は18億1千7百万円(前連結会計年度比18.0%減)、営業利益は1億5千9百万円(前連結会計年度比7.5%減)となりました。
(洋書事業)
最繁忙期に当たる新学期の大学向け英語学習書の受注は堅調に推移いたしました。また、日本語学習書販売は中国本土からの留学生が戻ってきておりませんが、他国からの留学生増により好調に推移、オンライン英会話の生徒数は着実に増加しております。ただ、ネット事業者向けの受注が大きく落ち込んだ影響が大きく、英語塾、法人からの受注が不調、国際交流基金への入札案件も少額、代理店を務める学術雑誌の売上も落ち込み続けていることから、減収となりました。
利益面では、業務の効率化による人件費の圧縮、特に内製化比率の拡大による業務委託費用の圧縮で成果があがり減収ではありましたが、営業利益は増益となりました。
その結果、当部門の売上高は29億7千9百万円(前連結会計年度比10.3%減)、営業利益は8千4百万円(前連結会計年度比1.2%増)となりました。
(メディア事業)
代理店商品の受注は極めて好調に推移、オリジナル商品も一定の成果を得ました。しかし、主要商材であるK-POPにつきましては、第3四半期連結累計期間までは好調であったものの、第4四半期連結会計期間に入り大物新譜の発売が少なく失速いたしました。洋楽の新譜発売の減少にも歯止めがかからず、ネット事業向けや小規模の地方店舗は苦戦、音響関連商品も低迷が続いている中、販売先の政策変更による売上消失の影響が大きく、減収となりました。
利益面では、為替動向を勘案した原価の維持、価格競争の鎮静化、消失した売上は原価率が高かったこと等の要因より原価率が大きく改善、業務効率化による経費減も若干行えましたが、減収の影響が大きく、営業利益は減益となりました。
その結果、当部門の売上高は23億2千8百万円(前連結会計年度比42.5%減)、営業利益は1億5千3百万円(前連結会計年度比5.5%減)となりました。
(海外子会社事業)
文具類に関しては、本社との協業により新規取り扱いのメーカー数が増加しており、米国本土を中心として新規顧客の開拓も進むと同時に既存顧客からの受注も堅調に推移したことから大きく増収となりました。対して、日本語学習書販売は海賊版の影響を払拭しきれず低調、玩具類はハワイのマウイ島での火災以降、ハワイでの観光需要が振るわずその影響を受けて受注減、昨年8月にハワイのパールリッジ店を閉店したことによる小売店売上消失の影響が未一巡等のマイナス要因もありましたが、文具の増収効果が大きく、増収となりました。
利益面では、原価率は前年並みを維持、経費は給与・賞与引き上げ及び営業力強化を目的とした人員増により人件費増、販売促進を目的とした展示会出展費用増など、経費増加が大きかったものの、増収効果に加え円安効果もあり営業利益は増加いたしました。
その結果、当部門の売上高は14億2千8百万円(前連結会計年度比10.4%増)、営業利益は1億2千9百万円(前連結会計年度比32.9%増)となりました。
(不動産賃貸事業)
本社でのテナント事業は、賃貸マンション建設に向け建物解体を完了し、建設に着手した状態にあり、売上はありません。
なお、前連結会計年度の当部門の売上高は3千万円、営業利益は4百万円でありました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は5億4千6百万円増加し、14億7千8百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は5億7千8百万円(前連結会計年度は3千2百万円の資金の減少)となりました。
これは主に税金等調整前当期純利益を4億5千7百万円計上したことに加え売上債権が6億3千9百万円、棚卸資産が4千3百万円それぞれ減少し、仕入債務が3億7千5百万円、未払金が2億1千9百万円それぞれ減少したこと及び法人税等の支払7千7百万円を支出したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は3億5千3百万円(前連結会計年度は6千8百万円の資金の減少)となりました。
これは主に投資有価証券の売却による収入1千9百万円があった一方、有形固定資産の取得に3億6千8百万円支出したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は3億7百万円(前連結会計年度は1億8千2百万円の資金の増加)となりました。
これは主に長期借入による収入が4億7千万円(純増)あった一方、短期借入金の返済が1億円(純減)、リース債務の返済が4千2百万円、配当金の支払に2千万円それぞれ支出したことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
(a)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
出版物・雑貨輸出事業 |
1,817,146 |
82.04 |
|
洋書事業 |
2,979,914 |
89.65 |
|
メディア事業 |
2,328,263 |
57.54 |
|
不動産賃貸事業 |
- |
- |
|
海外子会社事業 |
1,428,913 |
110.44 |
|
合計 |
8,554,238 |
78.41 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりで
あります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
アマゾン・ドット・コム インターナショナル セールス インク |
2,531,775 |
23.21 |
870,558 |
10.18 |
|
丸善雄松堂株式会社 |
1,111,002 |
10.18 |
1,076,363 |
12.58 |
(b)受注実績
当社グループは取次を主体とした営業を行っており、顧客が不特定多数であり、かつ注文から販売に至るまでの日数も短期間であるため、記載を省略しております。
(c)仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
出版物・雑貨輸出事業 |
1,897,977 |
85.14 |
|
洋書事業 |
2,441,308 |
87.28 |
|
メディア事業 |
1,869,505 |
51.65 |
|
海外子会社事業 |
908,971 |
117.12 |
|
合計 |
7,117,763 |
75.55 |
(注)金額は仕入価格によっておりセグメント間の内部振替前の数値によっております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1億3千2百万円増加し73億2千6百万円となりました。
これは主に流動資産で現金及び預金が5億4千6百万円、固定資産で建設仮勘定が3億5千4百万円増加した一方、売掛金が6億2千9百万円減少したことが要因です。
(負債)
当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1億9千6百万円減少し、48億6千2百万円となりました。
これは主に流動負債で買掛金が3億6千4百万円、未払金が2億1千4百万円、短期借入金が1億4千万円減少した一方、長期借入金が5億1千万円増加したことが要因です。資金の安定化を図るため借入金が増加しております。
(純資産)
当連結会計年度の純資産合計は24億6千3百万円となり前連結会計年度末に比べ3億2千9百万円増加しております。
親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が3億1千4百万円増加した一方、配当金の支払いにより利益剰余金が2千万円減少しております。
以上の結果、自己資本比率は33.6%(前連結会計年度末は29.7%)となり3.9ポイント増加しております。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は85億5千4百万円(前連結会計年度比21.6%減)となり、前連結会計年度と比べ23億5千4百万円減少いたしました。セグメント別の売上高については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は19億6千3百万円(前連結会計年度比0.4%増)となり、前連結会計年度と比べ8百万円増加いたしました。売上総利益率は前連結会計年度と比べ5.1ポイント増加し、23.0%となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は4億2千5百万円(前連結会計年度比1.3%減)となり、前連結会計年度と比べ5百万円減少いたしました。営業利益率については販売費及び一般管理費が前連結会計年度と比べ1千4百万円増加しましたが、前連結会計年度と比べ1.0ポイント増加し、5.0%となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は4億4千8百万円(前連結会計年度比2.3%減)となり、前連結会計年度と比べ1千万円減少いたしました。営業外収益は3千6百万円(前連結会計年度比6.6%減)となり、前連結会計年度と比べ2百万円減少いたしました。営業外費用は1千3百万円(前連結会計年度比20.8%増)となり、前連結会計年度と比べ2百万円増加いたしました。
(税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は4億5千7百万円(前連結会計年度比25.3%増)となり、前連結会計年度と比べ9千2百万円増加いたしました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は3億1千4百万円(前連結会計年度比26.8%増)となり、前連結会計年度と比べ6千6百万円増加いたしました。法人税等は1億4千2百万円(前連結会計年度比22.3%増)となり、2千5百万円増加いたしました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資産の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金需要については、事業活動に必要な仕入・人件費・外注費、受注のための販促費・運営管理費等が主な内容であリます。
今後も新規事業開発・商材開発等に投資を継続し、市場環境や受注動向を踏まえ、有効かつ適正な投資活動を進めて参ります。
資金の源泉は、営業活動によるキャッシュ・フローにより資金を調達することを主としております。取引銀行とは当座貸越契約を締結しており、一時的な不測の事態への資金確保については十分であると認識しております。投資活動にかかる資金は内部資金および借入金により調達しております。
当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は16億7千4百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は14億7千8百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたっては、財政状態、経営成績に影響を与える見積り予測を使用することが必要であります。当社グループは、過去の実績値や最新の入手可能な信頼のおける情報に基づき、見積り・予測を行っております。しかしながら、これらの見積り・予測は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
新型コロナウイルス感染症の影響については、一定期間続く仮定を前提条件として当社グループが把握している情報に基づいて会計上の見積りを算出しておりますが、収束時期等により、財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす場合には、経営者の判断のもと合理的に会計上見積りの再評価を行います。
特記する事項はありません。
特記する事項はありません。