当社は、ヘルスケア総合企業を目指して、お客様に満足度の高い商品及びサービスを提供することにより、中長期的には更なる収益力の向上を図る観点から、次の事項を重点施策として取り組む必要があると判断しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
少子高齢化社会、ライフスタイルの変化による生活習慣病患者の急増などから、医療費の増加は続いており、現在の社会保険システムの維持は危機的な状況にあります。
そのような社会的背景の中で、当社はこうした社会状況を変革したいという理念のもと、健康増進の推進を図るためには、第一に「食事コントロール」、それでも困難な時に「医療」を行うのが望ましいという考え方を『一食二医』という当社の造語により提唱し、今後も『一食二医』社会を実現すべく事業に取り組んでまいります。
従前の中期経営計画「Will 2022」で掲げていた当社の各事業における戦略方針(事業構造の転換、大型契約の獲得推進、自社の強みを活かした新事業の創出)に基づいて事業活動を行った結果、当初計画と実績の乖離が大きくなったため、当社の今後の収益拡大に向けた新たな戦略方針を立案し、中期経営計画を策定するための検討を進めております。新たな中期経営計画が策定でき次第、公表する予定であります。
当社は、MFD事業において展開する健康食宅配サービス『ミールタイム』が生活習慣病で食事療法を必要とする方を主要顧客とする一方で、CID事業において展開する旬の国産食材を使用して自社製造している冷凍食宅配サービス『旬をすぐに』は若年層の働き盛り世代を中心に、食材の良さやタイムパフォーマンスを重視する方を主要顧客として想定しております。今後は、MFD事業及びCID事業の双方が、当社の成長戦略の中心となってまいります。
また、マーケティング事業においては、食品メーカー等への提案及びコミュニケーションに関して、WEB会議システムを積極的に活用することで、顧客との接点の拡大・関係強化を図ってまいります。
(2) 経営環境
当社が属する食事宅配市場は、共働き世帯の増加やライフスタイルの多様化、女性の社会進出、食料品の購入や飲食に不便を感じる高齢者を中心とする買物弱者の増加といった社会的背景や、新型コロナウイルスの感染拡大による生活様式の変化に伴って、宅配や冷凍食品への需要が増加しているため堅調に推移しております。
当社が主な顧客としている生活習慣病患者は年々増加傾向にあり、また、少子高齢化が進むことにより65歳以上の高齢者のみの世帯が増加するなど市場の成長が見込める経営環境となっております。そのため、食事宅配市場を今後の更なる成長が見込める有望市場と捉えて、新規参入する企業が増加しており、引き続き競争の激化が進んでおります。また、食品業界におきましては、食の安心・安全に対する消費者の関心が一層高まる中、企業の管理体制の徹底が求められております。
このような環境の中、当社では「一人でも多くのお客様に健康で楽しい食生活を提案し、豊かな未来社会に貢献します」という企業理念を念頭に、当社の強みである管理栄養士・栄養士によるきめ細かい栄養相談を活かして、お客様にとって価値の高い商品及びサービスを提供し、品質向上に努めております。
(3) 対処すべき課題
① 定期購入顧客数の拡大
当社は、MFD事業において、お客様の健康状態の改善、特に血液検査の数値を改善していただくことを目指しており、そのためには当社の健康食を継続的にご利用いただくことが効果的であると考えております。ご注文の電話に必ず栄養士が対応し、お客様一人ひとりの身体に合った商品を当社の栄養士が選んでお届けしており、さらには栄養士が直接電話でのカウンセリングも随時受け付けている点で競合他社との差別化を図っております。電話による注文受付とは別に、お客様に手間なく当社の商品を継続購入していただくことで健康改善につなげられるよう、定期購入サービスを提供しております。
また、当社は、CID事業において、旬の国産食材を使用した冷凍食品を製造・販売しており、お客様の購入履歴や評価に基づき、お客様の嗜好に合った製品をAIが自動的に選び、お届けする定期購入サービスを提供しております。定期購入を利用するお客様を増加させること及び離脱率を低下させることで、当社商品・製品の購入数の増加が見込まれます。定期購入により、当社の売上・利益が増加し、業績にも大きく影響いたします。当社は、従来どおり定期購入顧客数の拡大を目指しております。
② 紹介ネットワークの拡大・深耕
当社は、MFD事業において、紹介ネットワークを通じて健康食通販カタログ『ミールタイム』を配布しており、お客様を獲得するための主たる手段となっております。紹介ネットワークにおいて、いかに当社のカタログを患者様に配布いただくかによって、当社の新規顧客数が大きく左右され、業績にも大きく影響いたします。当社は、従来どおり紹介ネットワークを拡大していくとともに、各紹介ネットワークにおいてカタログを配布いただくような働きかけを強化してまいります。
③ 顧客層の拡大
当社は、売上の大半を占めるMFD事業において、健康改善したい方を主要な顧客ターゲットとしているため、顧客層は必然的に健康状態に疑義がある方が多いと推測される高齢のお客様に偏っているのが現状であります。
会社規模を拡大していくには、現状手薄となっている若年層のお客様を取り込んでいく必要があると考えております。また、健康状態に疑義がある方のみでなく、疾病予防の観点から、健康な方もお客様として取り込んでいく必要があると考えております。今後、MFD事業及びCID事業において、これらに対する施策に取り組み、更なる収益獲得機会の拡大を図ってまいります。
④ 商品・製品開発の充実
当社は、MFD事業において、糖尿病・脂質異常症・高血圧・痛風・メタボの方に向けた「ヘルシー食」「ヘルシー食多め」、腎臓病・糖尿病性腎症・透析の方に向けた「低たんぱく食」、不足しがちな栄養素(たんぱく質及び特定栄養素)を補給したい方に向けた「パワーアップ食」、咀嚼・嚥下が困難な方に向けた「やわらか食」を大きな分類として、商品『ミールタイム』を販売しております。また、CID事業において、国産食材を使用して自社工場で製造している製品『旬をすぐに』を販売しております。
しかしながら、商品・製品分類によっては品揃えが充実していないこと、商品・製品に使用されている食材の多様性・美味しさについて改善の余地があることなど、商品・製品の価値を向上すべき点は少なくありません。これらを改善していくことで、今後もお客様の満足につながる商品・製品の開発に取り組んでまいります。
⑤ コスト削減
当社は、過去に商品販売価格の大幅値下げを行うなど、価格面でも顧客満足の向上に努めており、今後もこの方針で取り組んでいくものと考えております。それに対応すべく、当社は、コスト削減を徹底することとしており、具体的には、CID事業における当社独自の食材調達ネットワークである共栄会を活用した原材料仕入れの低価格化、各事業における委託先企業との価格交渉、外部委託業務の内製化、一般経費の削減等を検討しております。
⑥ 人材の確保及び教育体制の強化
人材の確保は、売上や顧客数、紹介ネットワーク数の増加、業務効率化の推進等の、業績向上の大きな要因となっております。採用した人材は、技術、知識を十分に兼ね備えた人材として教育できる体制を整えており、能力の向上を目的とした社内研修、外部からの講師を招いての講演会も積極的に行っております。今後も当社の業容の拡大に合わせた教育体制をさらに発展させてまいります。さらに、従業員のスキルにあったカリキュラムを構築し、全従業員がさらにステップアップできる教育体制を強化してまいります。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、本文の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) サステナビリティに関する考え方
様々な社会課題が顕在化し、ステークホルダーの価値観が多様化するなど、ESG(環境・社会・ガバナンス)を重視した経営や経済価値と社会価値を共に生み出すサステナビリティ経営が求められている中で、当社は、持続的な社会を実現することに責任をもって取り組んでいくべきものと考えております。
当社は、事業を通じて社会課題の解決に寄与することを目指しており、当社の持続的な成長に伴って、社会も同様に持続的に発展していくことをサステナビリティと捉えております。それを実現するためには、顧客、取引先、従業員、株主はもとより、環境や社会との関係性も重要であると考え、サステナビリティを重視した経営を実践しております。
当社は、企業理念に掲げているビジョン「一人でも多くのお客様に健康で楽しい食生活を提案し、豊かな未来社会に貢献します」にあるとおり、当社が提供するサービスを通じて世の中の人々を健康にし、健康な人々が増えることで社会全体が豊かになることを目指しております。当社が提供する健康食宅配サービス『ミールタイム』は、管理栄養士・栄養士の免許を保有する当社の従業員が、食と栄養に関する専門知識を活かして、顧客の食事制限や血液検査結果、身体の状態をカウンセリングしながら、顧客に合った商品・サービスを提案しております。当社が高品質な商品・サービスを提供するためには、人的資本が最重要であり、人的資本の増加が財務資本を増大させ、ひいては社会関係資本の増大に繋がることで、サステナビリティを実践してまいります。
(2) 具体的な取組
① ガバナンス
当社は、企業理念に基づき、公正で透明性の高い経営に取り組むことを基本的な考えとしております。その実現のため、顧客、取引先、従業員、株主、地域社会等のステークホルダーと良好な関係を築き、長期的視野の中で企業価値の向上を目指すべく経営活動を推進しております。
取締役会を経営の基本方針や重要課題並びに法令で定められた重要事項を決定するための最高意思決定機関と位置づけ、原則月1回開催しております。また、業務執行に関する監視、コンプライアンスや社内規程の遵守状況、業務活動の適正性かつ有効性を監査するため、監査役が取締役会に出席することで議事内容や手続き等につき逐次確認しております。
さらに、内部監査人を置き、内部監査を実施し、監査結果を定期的に社長及び取締役会に報告しております。
② 戦略
当社にとって人的資本が最重要であり、人的資本の増大が財務資本や社会関係資本の増大に繋がってまいります。そのため、人的資本への投資を行うことで、持続的に人的資本やその他の資本を増強することを目指して戦略を設計しております。
当社は、紹介ネットワークとの信頼関係を構築し、顧客からの食事・栄養相談に適切に対応するためには、食と栄養の専門家である管理栄養士・栄養士の免許を保有する従業員を確保し、育成することが重要であると考えており、紹介ネットワークの管理栄養士・栄養士との接点を増やし、顧客からの食事・栄養相談に適切に対応することに繋がっております。
当社は、従業員の採用・維持・健康・育成が適切に実現・機能しないリスク及び機会に対処するため、食や栄養に関する情報を社会に発信し、社会からの認知度を高めるとともに、従業員の健康のために喫煙を認めないことを推進しております。
③ リスク管理
当社は、経営に関する様々なリスクを審議するため、リスク・コンプライアンス委員会及びその事務局の人事総務部において、主要なリスクの状況を定期的にモニタリング、評価・分析し、必要な指示、監督を行うとともに、その内容を定期的に取締役会に報告する体制を整えております。
また、当社は、リスク・コンプライアンス委員会及びその事務局の人事総務部において、識別されたリスク及び機会を評価・管理するとともに、採用・研修を担当する人事総務部が、従業員の採用・維持・健康・育成に関して、リスク・コンプライアンス委員会で報告・検討された内容に従って適切に対応しております。
④ 指標及び目標
当社は、管理栄養士・栄養士の免許を保有する従業員数の増加、離職率の低下、平均勤続年数の延伸、紹介ネットワーク数の増加を目標とすることで、当社の商品・サービスの品質を向上させることができるため、長期的な視点で豊かな未来社会の実現に繋がると考えております。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため実際の結果と異なる可能性があるとともに、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1) 食品の安全性について
当社は、主力事業である健康食宅配サービス『ミールタイム』において、エネルギーや塩分、たんぱく質等をコントロールした食品を販売しております。また、CID事業において、旬の国産食材を仕入れて当社の工場で製造した食品を販売しております。消費者の「食」の安全に対する意識が極めて高くなっている中で、当社商品及び製品の製造におきましても「食品衛生法」等を遵守した衛生管理・品質管理・賞味期限管理等を徹底し、食中毒の発生防止に取り組んでおります。
しかしながら、生産者や流通過程等による異物混入や虚偽表示等の事故・事件が発生した場合には、お客様の食品一般に対する不信感や当社商品及び製品に対する信頼・信用の毀損により、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 個人情報管理について
当社は、お客様の個人情報を多数保有しております。当社では、個人情報に関する法律をはじめとする法令諸規則を遵守すべく、個人情報の取り扱いに際し、「個人情報保護規程」を制定し、遵守することで個人情報を適正に保護管理するための社内体制を構築しております。また、プライバシーマークの認証を取得・更新し、情報漏洩の防止及び情報管理体制の強化に努めております。
しかしながら、個人情報の漏洩や不正使用等の事態が生じた場合には、当社のイメージ悪化、金銭的な補償の発生等により、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 会員数について
当社の主たるサービスである健康食宅配サービス『ミールタイム』の売上は、売上高(2024年3月期)の78.0%を占めており、『ミールタイム』の累計会員数は2024年3月末で299千名となっております。また、食事宅配サービス『旬をすぐに』の売上は、売上高(2024年3月期)の4.0%を占めており、『旬をすぐに』の累計会員数は2024年3月末で44千名となっております。『ミールタイム』及び『旬をすぐに』の会員数は、当社の売上高に大きな影響があることから、当社では新規会員の獲得活動に注力するほか、顧客満足度の向上を通じたリピート率の向上にも努めております。
しかしながら、『ミールタイム』及び『旬をすぐに』の会員数拡大に関する施策が計画どおり進捗しなかった場合、あるいは顧客満足度の低下に伴いリピート率が減少するなどした場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(4) 紹介ネットワーク数について
健康食宅配サービス『ミールタイム』は、主として紹介ネットワークからのカタログ配布により会員を獲得しております。紹介ネットワーク拡大に関する施策が計画どおり進捗しない場合、紹介ネットワークからお客様へのカタログ配布がなされない場合、あるいは当社ブランドイメージの低下に伴う紹介ネットワークの解約が増加するなどした場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(5) 競合について
健康志向の高い現在において、健康食の宅配会社が多く存在しており、新規参入企業も増加しております。その中で当社は、MFD事業において、健康になりたい方に向けてエネルギーや塩分、たんぱく質等をコントロールした食品を販売するとともに、社員のうち多数を占めている管理栄養士・栄養士による電話での栄養相談を受けて健康改善をサポートするという独自性を打ち出すことで、当社商品の販売拡大、ひいては企業価値の増大に努めております。
また、共働き世帯の増加やライフスタイルの多様化、女性の社会進出などの社会的背景から、近年では宅配需要が増加しており、食事宅配会社が多く存在し、新規参入企業も増加しております。その中で当社は、CID事業において、当社独自の仕組みを活用して旬の国産食材を安価に仕入れて食品を製造・販売することで、当社製品の販売拡大、ひいては企業価値の増大に努めております。
しかしながら、商品及び製品の品質面・価格面等における競争上の優位性が確保されない場合には、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 法的規制について
当社は、事業の遂行にあたって、食品安全基本法、食品衛生法、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)、健康増進法、食品表示法、特定商取引に関する法律(特定商取引法)、特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(特定電子メール法)、個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)等の法的規制の適用を受けております。
当社は、役職員に対するコンプライアンスの周知徹底や教育の実施等、これらの法令の遵守に努めておりますが、将来的に当社が規制を受けている法令の変更や新たな法令の施行等があった場合には、当社の事業活動が制限される可能性があります。
また、当社では、関係機関に自主的に働きかけ、関連法令等の遵守についての指導を受けることによって、社内における管理体制を構築しております。
しかしながら、当社健康食通販カタログ『ミールタイム』における掲載記事や広告、食事宅配サービス『旬をすぐに』における掲載内容について適正性に疑義が生じるような事態が発生した場合や、そのような報道がなされた場合には、当社に対する信用力が低下し、当社の事業展開及び業績に影響を与える可能性があります。
(7) 特定人物への依存について
当社の代表取締役である阿部公祐は、経営ビジョン・方針の提示やそれに基づいた事業戦略の策定をはじめ、中期経営計画の立案及び推進、新規事業の立案及び推進の中心的な役割を担っております。
当社は事業拡大に応じて、代表取締役に過度に依存しない経営体制を構築すべく権限の委譲等を進めておりますが、何らかの理由により代表取締役の業務継続が困難となった場合には、当社の事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 小規模組織について
当社は本書提出日現在、役員7名(取締役4名、監査役3名)、従業員53名と小規模な組織であり、業務執行体制もこれに応じたものとなっております。当社は今後の急速な事業拡大に応じて、従業員の育成、人員の採用を行うとともに業務執行体制の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 人材の確保及び育成について
当社は、上記のとおり現時点においては小規模組織でありますが、今後の事業拡大により受注の獲得機会が増加した場合、受注規模に応じた営業人員の確保が必要となります。また、工場の稼働に伴って、商品製造に係る人員や新体制の構築・維持に係る管理部門の人員の確保が必要となります。当社は今後の事業拡大に応じて必要な人材の確保と育成に努めていく方針でありますが、必要な人員の確保が計画どおり進まなかった場合又は人員の流出が生じた場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じる可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 大規模災害等の及ぼす影響について
当社の本社及び工場がある首都圏において大規模地震や大型台風などの自然災害が発生し、本社機能及び生産機能が麻痺した場合、当社の事業の継続が困難な状況に陥る可能性があります。また、自然災害以外の理由によっても、大規模停電や断水などの社会インフラの停止が発生した場合のほか、当社従業員に新型コロナウイルス等の感染症の感染が拡大した場合、当社の業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11) システム障害について
当社がインターネットを通じて運営している健康食通販サイト『ミールタイム』及び食事通販サイト『旬をすぐに』は、食事宅配事業の重要な役割を担っており、また、当社工場において製品を自動倉庫で管理しており、事業の安定的な運用のためのシステム強化及びセキュリティ対策を行っております。
しかしながら、地震、火災などの自然災害、事故、停電など予期せぬ事態の発生によって、当社設備又はネットワークに障害が発生した場合には、当社の営業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、当社もしくはインターネット・サービス・プロバイダーのサーバーが何らかの原因によって作動不能となる、あるいは外部からの不正な手段によるサーバーへの侵入などの犯罪や過誤によるネットワーク障害が発生するなどの可能性があります。これらの障害が発生した場合には、当社に直接的損害が生じるほか、当社に対する訴訟や損害賠償請求が生じるなど、当社の事業及び業績並びに企業としての社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 過剰在庫について
当社では、MFD事業において、在庫切れによる販売機会ロスの回避や一括仕入による原価率の低減を図るために、過去の販売実績や需要予測に基づいて商品の仕入を行い、在庫として保有しております。また、CID事業においても同様に、過去の販売実績や需要予測、共栄会からの入札状況に基づいて原材料や包装・梱包資材の仕入を行い、それらを使用して製品を製造し、在庫として保有しております。実際の受注が需要予測等を下回った場合には、当社に過剰在庫が発生して商品評価損や製品評価損を計上することとなり、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 仕入価格・製造コストの高騰について
当社では、MFD事業において製造委託先から商品の仕入を行っており、CID事業において当社工場で製品の製造を行っております。製造委託先及び当社工場での商品及び製品の製造時に使用される原材料は、天候不順による農作物の不作等により原材料費が上昇する可能性があります。また、わが国の人口減少や昨今の労働力不足により、商品及び製品の製造に従事する人員の確保に要する労働費が上昇する可能性があります。さらに、原油価格の上昇等により、石油製品である包装材料や弁当容器類の価格上昇が生じる可能性があります。これらの理由により、商品及び製品の仕入価格・製造コストが高騰した場合、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 製造委託先への依存について
当社で販売している商品『ミールタイム』は、主に製造委託先1社(トオカツフーズ株式会社)からの仕入に依存しており、当社の商品仕入高に占める割合は2024年3月期で64.5%となっております。これまで同様、同社を含む各取引先との良好な関係を維持・継続していくとともに、複数の製造委託先との取引開始に向けて新規開拓を進めていく方針であります。同社との取引基本契約は、6ヶ月前の事前告知の上解除することが可能となっているほか、以下のような事由を即時解除事由として定めております。
・いずれかの当事者が、差押、会社の整理もしくは再生・更生手続の開始、もしくは破産の申立等を行った場合、及び契約に違反した場合
・監督官庁から営業の停止、または営業免許もしくは営業登録の取消処分を受けた場合
・資産・信用状態が悪化し、またはその恐れがあると認められる相当の事由がある場合
提出日現在において当社との間で、当該契約に定められている契約解除条項に該当する事実はありません。
しかしながら、製造委託先の経営方針の変更あるいは何らかの事情により、製造委託先が当社商品の製造を継続することが困難となった場合、委託先の選定・変更に伴う一時的な製造の中断など、当社の業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(15) 保管・配送委託先への依存について
当社は、MFD事業において、商品の受入・検品・保管・仕分・梱包・発送を倉庫業者1社(湘南東洋株式会社)に、お客様へのお届けを宅配事業者1社(ヤマト運輸株式会社)に委託しております。また、CID事業において、お客様へのお届けを主に宅配事業者1社(ヤマト運輸株式会社)に委託しております。
委託先の操業停止の事象によりそれらの業務ができなくなった場合、代替する事業者を選定するまでの間、当社商品及び製品の出荷が困難となる可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(16) 電力供給について
当社は、冷凍商品を取り扱っているため、商品及び製品の製造後、出荷されるまでの間、冷凍倉庫に保管する体制をとっております。予想を超える電力不足により電力供給が滞った場合、商品及び製品の保全が困難となる可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(17) 新規事業について
当社は、ヘルスケア総合企業を目指しており、今後も積極的に新たなビジネスを開拓していく方針であります。
しかしながら、事業が確立するまでには当初想定した以上の時間を要する場合があり、事業推進や投資回収が当初計画どおりに進まない可能性があります。
(18) 配当政策について
当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題と認識しており、経営成績及び財政状態、将来の成長に向けた投資のための内部留保等を勘案し、利益還元政策を決定していく所存であります。
しかし、事業環境の急激な変化により、経営成績及び財政状態次第では安定的な配当を行うことができなくなる可能性があります。
(19) 新株発行による資金調達について
当社は成長意欲を有しており、将来の急速な事業規模の拡大に伴い、増資を中心とした資金調達を機動的に実施していく可能性があります。その場合には、発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
(20) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社は、当社取締役及び従業員の業績向上へのインセンティブを高めることを狙いとして、ストック・オプション制度を採用しております。本書提出日現在においては未行使の新株予約権はありませんが、会社法の規定に基づき、株主総会または取締役会の承認を受け、当社取締役及び従業員に対して新株予約権を付与することができます。当社の発行済株式総数は6,470,100株であり、今後新株予約権の付与・権利が行使された場合は、新たに株式が発行され、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。
(21) 資金調達に係る財務制限条項について
当社は、工場建設費用として資金の借入を行っており、本契約には一定の財務制限条項が付されております。当該条項に抵触した場合には、期限の利益を喪失し、一括返済を求められる等、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(22) 金利変動について
当社は、工場建設資金を金融機関からの借入金により調達しており、有利子負債への依存度が高い水準にあります。今後も有利子負債の抑制に努めてまいりますが、変動金利による借入を行っているため、経済情勢の変化に伴い急激に金利が上昇した場合には、多額の支払利息を計上することとなり、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(23) 固定資産の減損について
当社は、CID事業において工場設備等の固定資産を多く保有しております。CID事業が安定的な収益を生み出すよう今後も業績改善に努めてまいりますが、将来キャッシュ・フローの状況や固定資産の時価が著しく下落した場合には、減損会計の適用により多額の減損損失を計上することとなり、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(24) 継続企業の前提に関する重要事象等
当社は、CID事業の損益分岐点売上高の未達及び将来の販売見通しに基づいた事業年度末時点での販売不能見込みを製品評価損として織り込んだことにより、前事業年度以前に多額の営業損失及び経常損失を計上しておりました。
その結果、営業利益及び経常利益を計上した当事業年度においても、長期借入金に係る財務制限条項の一部に抵触しており、当該財務制限条項に該当した場合には期限の利益を喪失することとなります。
このため、当社は、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
当社は、当該状況を解消すべく、取引金融機関と定期的に意見交換を行うことで良好な関係を構築しております。また、前事業年度において埼玉工場の土地及び建物に対して同金融機関を第一順位とする根抵当権を設定しており、同金融機関との協議を通じて上記の期限の利益の喪失に係る権利行使をしないことについての同意を得ております。
さらに、これらの対応策に加えて、当事業年度末から12ヶ月間の資金繰りについても検討いたしました。MFD事業及びCID事業の販売数量について、保守的な仮定を採用した場合の売上予測を基礎として作成した資金繰り計画を考慮した結果、当事業年度末の翌日から12ヶ月間の資金繰りに関して重要な懸念はないと判断しております。
したがって、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、政府の物価高対策や新型コロナウイルスの感染収束を受けて、インバウンド需要の増加やコロナ禍で蓄積された貯蓄を原資にした個人消費の増加基調が続いている一方、資源価格の上昇に伴うエネルギー・食料品の価格上昇を背景とした消費者の節約志向の高まりや購買力低下、人手不足による賃金上昇の価格転嫁に伴う物価の上昇により、個人消費の回復が遅れるおそれもあり、先行きは依然として不透明な状態が続いております。
当社が属する食事宅配市場は、共働き世帯の増加やライフスタイルの多様化、女性の社会進出、食料品の購入や飲食に不便を感じる高齢者を中心とする買物弱者の増加といった社会的背景や、新型コロナウイルスの感染拡大による生活様式の変化に伴って、宅配や冷凍食品への需要が増加しているため堅調に推移しております。
当社が主な顧客としている生活習慣病患者は年々増加傾向にあり、また、少子高齢化が進むことにより65歳以上の高齢者のみの世帯が増加するなど市場の成長が見込める経営環境となっております。そのため、食事宅配市場を今後の更なる成長が見込める有望市場と捉えて、新規参入する企業が増加しており、引き続き競争の激化が進んでおります。また、食品業界におきましては、食の安心・安全に対する消費者の関心が一層高まる中、企業の管理体制の徹底が求められております。
このような環境の中、当社では「一人でも多くのお客様に健康で楽しい食生活を提案し、豊かな未来社会に貢献します」という企業理念を念頭に、当社の強みである管理栄養士・栄養士によるきめ細かい栄養相談を活かして、お客様にとって価値の高い商品及びサービスを提供し、品質向上に努めてまいりました。
この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
イ.財政状態
当事業年度における財政状態は、総資産は4,629,318千円(前事業年度末比306,521千円減)となりました。負債は4,223,745千円(前事業年度末比362,438千円減)となりました。純資産は405,573千円(前事業年度末比55,917千円増)となりました。
ロ.経営成績
当事業年度における経営成績は、売上高は2,646,721千円(前期比5.8%減)、営業利益は58,710千円(前期は営業損失285,016千円)、経常利益は55,900千円(前期は経常損失284,039千円)、当期純利益は66,334千円(前期は当期純損失284,288千円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
MFD事業
当セグメントにおきましては、季節ごとの商品入れ替えや、当社の管理栄養士・栄養士による食事相談サポート付き「私のおせち」の販売、紹介ネットワークの管理栄養士・栄養士に向けた「ミールタイム栄養士スキルアップセミナー」の実施、健康食宅配サービス『ミールタイム』の通販サイトのリニューアルに加え、2024年4月にブランド開始20周年を迎えるにあたり記念価格として各種商品の値下げを2024年3月に実施し、認知度の向上及び新規顧客の獲得に努めました。
また、医療機関への営業活動を本社・大阪支社・神奈川支社の3拠点体制で実施し、紹介ネットワークの拡大と深耕を通じて新規顧客の獲得に努めるとともに、当社の管理栄養士・栄養士が顧客の疾病、制限数値、嗜好に合わせて食事を選び定期購入できるサービス「栄養士おまかせ定期便」への積極的な移行を中心として販売に注力しました。
しかしながら、医療機関を中心とした紹介ネットワークからの新規顧客が減少したことによる売上高の減少、新卒・中途社員の採用に伴う人件費の増加、資源価格の上昇に伴うカタログ制作費用の増加等により、前期比で収益が悪化しました。
この結果、MFD事業における売上高は2,064,998千円(前期比8.5%減)、セグメント利益(営業利益)は324,659千円(同32.4%減)となりました。
CID事業
当セグメントにおきましては、高品質・高価格の製品ラインナップを充実させるとともに、前年度より実施しているJAとのコラボレーションによるメニューに加え、新たに株式会社NTTアグリテクノロジー(NTT東日本グループ)との協業を開始し、同社から仕入れた野菜を使用したメニューの発売やプロモーションを実施することにより、新規顧客の獲得及び販売数の拡大に努めました。また、セグメント間取引として、MFD事業におけるミールタイム商品の一部を製造し、販売数の拡大に努めました。
依然として損益分岐点に達していないものの、各種プロモーションやセグメント間取引により前期の販売数を上回ったことから、前期比で収益が改善しました。
この結果、CID事業における売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は245,162千円(前期比73.1%増)、セグメント損失(営業損失)は323,366千円(前期は営業損失758,057千円)となりました。
マーケティング事業
当セグメントにおきましては、健康食通販カタログ『ミールタイム』及び『ミールタイム ファーマ』の2誌による広告枠の販売、また、紹介ネットワークを活用した業務受託において複数の案件を獲得しました。
この結果、マーケティング事業における売上高は475,325千円(前期比15.2%増)、セグメント利益(営業利益)は342,299千円(同17.9%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物の残高は期首残高より194,246千円減少し、781,536千円(前期比19.9%減)となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは71,343千円の収入(前期比62.3%減)となりました。この主な要因は、税引前当期純利益が67,864千円、減価償却費が241,219千円、売上債権の増加額が72,184千円、棚卸資産の増加額が75,921千円、仕入債務の増加額が4,588千円、未払金の減少額が124,592千円、未収消費税等の減少額が11,460千円、未払消費税等の増加額が23,267千円となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは3,091千円の収入(前期は694千円の支出)となりました。この要因は、有形固定資産の売却による収入が91千円、敷金及び保証金の回収による収入が3,000千円となったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは268,680千円の支出(前期比3.9%減)となりました。この主な要因は、長期借入金の返済による支出が270,360千円、ストック・オプションの行使による収入が1,688千円となったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前期比(%) |
|
CID事業 |
494,642 |
△14.7 |
(注)金額は、製造原価によっております。
ロ.仕入実績
当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
仕入高(千円) |
前期比(%) |
|
MFD事業 |
1,010,406 |
13.5 |
|
マーケティング事業 |
87,854 |
15.5 |
|
合計 |
1,098,260 |
13.6 |
(注)金額は、仕入価格によっております。
ハ.受注実績
当社は、受注から販売までの期間が短期間のため、記載を省略しております。
ニ.販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前期比(%) |
|
MFD事業 |
2,064,998 |
△8.5 |
|
CID事業 |
245,162 |
73.1 |
|
マーケティング事業 |
475,325 |
15.2 |
|
計 |
2,785,486 |
△0.9 |
|
調整額 |
△138,765 |
- |
|
合計 |
2,646,721 |
△5.8 |
(注)1.総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
2.CID事業の販売高はセグメント間の内部売上高を含んでおります。
3.調整額により、事業間の内部売上高を消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。財務諸表の作成に当たり、資産及び負債または損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。また、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の当事業年度の経営成績は、売上高が2,646,721千円(前期比5.8%減)、売上総利益が1,299,610千円(前期比8.6%増)となりました。当社では、下記の3点が減収・増益の要因であると認識しております。
イ.当社の売上高全体の7割を占めるMFD事業において、当社の紹介ネットワークである医療機関からの新規顧客の流入が低調に推移し、定期購入サービスへの移行が当初の想定を下回った。また、MFD事業のチャネル別売上比率の約6割を占める定期購入サービスの利用会員数が前期末から減少した。さらに、原材料等の価格高騰等を背景に、仕入原価が高騰した。
ロ.CID事業の損益分岐点の未達及び翌事業年度の販売見通しに基づいた当事業年度末時点での販売不能見込みを製品評価損として織り込んだことにより、多額の売上原価が発生したものの、内部取引としてMFD事業で販売するミールタイムを製造したことや、水道光熱費等の削減により売上原価が改善した。
ハ.マーケティング事業において、紹介ネットワークを活用した業務受託の案件獲得に向けた提案営業に注力した結果、過去最高売上を達成した。
販売費及び一般管理費は、前事業年度に実施したTVCMの放映を実施しなかったこと等による広告宣伝費の削減、売上が減少したことによる運賃等の変動費が減少したこと等により、1,240,900千円(前期比16.2%減)となり、営業利益は58,710千円(前期は営業損失285,016千円)となりました。
営業外収益は41,836千円(前期比15.0%減)となりました。主な内訳は、受取手数料807千円、受取奨励金39,966千円、雑収入1,063千円であります。また、営業外費用は、44,645千円(前期比7.4%減)となりました。主な内訳は、支払利息44,644千円、雑損失1千円であります。その結果、経常利益は55,900千円(前期は経常損失284,039千円)となりました。
特別利益は12,105千円(前期比882.1%増)となりました。内訳は、新株予約権戻入益12,105千円であります。
税引前当期純利益は67,864千円(前期は税引前当期純損失282,806千円)、法人税、住民税及び事業税など法人税等合計が1,530千円となり、当期純利益は66,334千円(前期は当期純損失284,288千円)となりました。
当事業年度末の財政状態は、主に固定資産の減少(前事業年度末比244,403千円減)があったことなどから、総資産が4,629,318千円(前事業年度末比306,521千円減)となりました。
当事業年度末の流動資産は1,372,278千円(前事業年度末比62,117千円減)となりました。これは主に、現金及び預金の減少194,246千円、前払費用の減少4,157千円、仕掛品の減少1,254千円、未収消費税等を含むその他の流動資産の減少11,768千円があった一方、売掛金の増加72,184千円、商品及び製品の増加76,190千円、原材料及び貯蔵品の増加985千円によるものであります。
当事業年度末の固定資産は3,257,040千円(前事業年度末比244,403千円減)となりました。これは主に、減価償却累計額の増加226,111千円によるものであります。
当事業年度末の流動負債は502,460千円(前事業年度末比92,085千円減)となりました。これは主に、未払金の減少124,601千円、未払費用の減少2,146千円があった一方、買掛金の増加4,588千円、未払消費税等を含むその他の流動負債の増加23,703千円、未払法人税等の増加4,502千円によるものであります。
当事業年度末の固定負債は3,721,284千円(前事業年度末比270,352千円減)となりました。これは主に、長期借入金の減少270,360千円によるものであります。
当事業年度末の純資産は405,573千円(前事業年度末比55,917千円増)となりました。これは主に、当期純利益の計上による利益剰余金の増加66,334千円、新株予約権の行使による資本金・資本準備金の増加1,688千円、新株予約権の減少12,105千円によるものであります。
当事業年度のキャッシュ・フローの状況とそれらの原因については「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、食品の安全性への信頼を揺るがす事故・事件の発生等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は、定期的な第三者機関による品質・安全性の検査の実施等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応していく所存であります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響について、MFD事業においては、当社の紹介ネットワークである医療機関における外来患者の減少に伴い、医療機関からの新規顧客の流入が低調に推移しており、定期購入サービスの利用会員数も減少傾向にあるため、業績は悪化傾向にあります。WEBによるコミュニケーションを検討するなど、業績回復に向けて継続的に商品・サービスの見直しを検討してまいります。CID事業及びマーケティング事業においては、特段大きな影響を受けておらず、業績への影響は軽微であると見込んでおります。
当社の資本の財源及び資金の流動性は次のとおりであります。
当社の運転資金需要のうち主なものは、商品及び原材料の仕入、運賃、広告宣伝費、保管料、人件費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
当社は、2019年3月期から2021年3月期にかけて埼玉工場に係る設備投資を実行しており、自己資金及び金融機関からの借入等による資金調達を行いました。翌事業年度においては、重要な設備投資等を予定していないため、事業運営上必要な自己資金の安定的な確保に努めてまいります。
なお、当事業年度末における有利子負債の残高は3,986,150千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は781,536千円となっております。
当社は、下記のとおり、契約を締結しております。
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相手先の名称 |
契約の名称 |
契約内容 |
契約期間 |
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トオカツフーズ株式会社 |
商品取引契約書 |
商品の製造業務 |
2023年8月10日から 2024年8月9日まで (1年間の自動更新) |
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株式会社アサヒウェルネスフーズ |
取引基本契約書兼製造委託契約書 |
商品の製造業務 |
2024年3月9日から 2025年3月8日まで (1年間の自動更新) |
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株式会社みずほ銀行 |
金銭消費貸借契約証書 |
資金の借入 |
2020年6月15日から 2038年12月28日まで |
特記すべき事項はありません。