第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当行グループ(当行及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当行グループは、主に福島県を地盤とする地域金融機関として「地域を見つめ、地域とともに」「お客さまの満足のために」「新しい感覚と柔軟な発想をもって」を企業理念とし、様々な施策に取り組んでまいりました。東日本大震災から13年が経過し、福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想の進展や、福島国際研究教育機構(F-REI)が創設されるなど、福島の創造的復興が期待されている環境下、2024年4月より当行グループが果たすべき役割・使命を明確化すべく、新たな経営理念体系を制定しております。東日本大震災からの復興への決意として制定したコーポレートメッセージ「すべてを地域のために」をパーパスとし、「サステナビリティ宣言」における5つのマテリアリティ(重要課題)に取り組むことをミッションと定め、目指すべきビジョンである「地域社会に貢献する会社へ~金融サービスの枠を超えて~」を実現するための役職員が共有する行動指針・価値観としてバリューズを制定しました。

新たな経営理念体系の下、全役職員が心ひとつに進んでまいります。

<新たな経営理念体系図>


 

(2) 前中期経営計画の総括

当行は、2021年4月から2024年3月までの3年間を計画期間とする第17次中期経営計画「とうほう「輝(かがやき)」プラン」における3つの基本方針に基づき、各種施策に積極的に取り組みました。

基本方針Ⅰ.地域・お客さまが輝く(地域・お客さまへの恩返し)

当行グループでは、金融仲介機能の発揮のみならず、お客さまが抱える様々な課題やニーズにお応えするコンサルティングサービスの深化と探索に取り組みました。既存コンサルティング業務の深化としては、東邦コンサルティングパートナーズ設立による事業承継・M&A支援業務の拡充やとうほう地域総合研究所による伴走型経営コンサルティング業務を開始しました。また、新たなコンサルティング業務の探索として、経営計画や人事制度の策定、補助金申請支援を開始するなどコンサルティングサービスの拡大に努めました。

②基本方針Ⅱ.従業員が輝く(成長と活力)

当行は、2022年10月、多様な働き方が可能となる人事制度改革を実施しました。従業員の処遇改善では賃上げや初任給の引上げ等に取り組むとともに、銀行として評価・期待する「行動特性」や「思考」を具体的に明示することで評価基準を明確化した「コンピテンシー評価」や部下が上司を評価する「360度評価」を導入しました。また、キャリア採用の強化では、リファラル採用の制度化やアルムナイネットワークの構築に取り組みました。新たな人事制度のもと、行員の自律・成長・挑戦を支援するとともに、多様な人財の獲得に注力しました。

③基本方針Ⅲ.当行が輝く(持続可能な経営体質)

当行は、サステナビリティ経営、デジタル化、アライアンス戦略の促進等に取り組みました。サステナビリティ経営への取り組みとしては、当行のCO2排出量の削減目標について見直しを行い、新たに「2040年度カーボンニュートラル」を設定しました。

当行は、デジタル化を見据えたアライアンス強化による高度な金融サービスの提供に向けて、地銀10行による広域かつ大規模な連携である「TSUBASAアライアンス」に加盟しており、2024年1月にTSUBASA基幹系システム共同化への移行を完了しました。

 

また、当行、とうほう証券株式会社並びに野村證券株式会社は、金融商品仲介業務における包括的業務提携に関し、三社間で基本合意書を締結しました。地域の資産所得増加や人生100年時代の充実した備えに貢献し、地域のお客さまの豊かな未来の創造に向けて、提携の最終合意に向けた協議を進めております。

④目標とした経営指標

第17次中期経営計画『とうほう「輝(かがやき)」プラン』のもと、以下の指標を目標として掲げ、各種施策に取り組み、中期経営計画最終年度となる今年度は下記の実績となりました。

目標経営指標

2023年度目標

2023年度実績

連結コア業務純益

100億円以上

93億円

連結自己資本当期純利益率(ROE)

2.8%以上

2.64%

連結コア業務粗利益経費率(OHR)

78%

78.9%

 


(3) 経営環境

①国内経済

2023年度の国内経済は、企業収益や雇用情勢の改善もみられ、緩やかに回復したものの、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが景気を下押しするリスクとなっています。また、物価上昇、ウクライナや中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があり、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

②福島県内経済

当行の主要な営業基盤である福島県の経済は、個人消費では外食や旅行等のサービス消費が徐々に回復しているほか、設備投資が緩やかに持ち直すなど、全体としては緩やかに持ち直しの動きが続いております。

③金融環境

長期金利の指標となる10年国債利回りは、金融緩和政策の修正観測が高まるなか一時0.9%を超えて上昇しましたが、マイナス金利解除後も継続が見込まれる緩和的な金融環境から年度末には0.7%付近まで低下しました。為替相場は日米金利差の拡大を受けて年度末に1ドル151円台となるなど大幅に円安が進行しました。株式相場は好調な企業収益などを背景として、日経平均株価が史上最高値を更新し、年度末には4万円台まで上昇しました。

 

(4) 対処すべき課題

①マテリアリティ(重要課題)

当行は、新たな経営理念体系における「ミッション」として「サステナビリティ宣言」を掲げ、5つのマテリアリティ(重要課題)を定めております。

① 地域経済・社会の活性化 ② 少子高齢化への対応 ③ DXの推進

④ 多様な人財の躍動      ⑤ 脱炭素・ネイチャーポジティブ

 

 

長期経営計画「TX PLAN 2030 」

新たな経営理念を実現するための計画として、2024年4月から2030年3月までの6年間を計画期間とする長期経営計画「TX PLAN 2030 (TOHO TRANSFORMATION(X) PLAN 2030)」を新たに策定しました。前中期経営計画期間で取り組んできた「変革」(2021年度~2023年度)をさらに進め、当行が「進化」(2024年度~2026年度)を果たし、地域・お客さまと新たな価値を「共創」(2027年度~2030年度)していくという決意を3つの「X」に込めました。TX PLAN 2030では「お客さま1社1社の事業価値向上」と「お客さま一人ひとりのゆたかな暮らしづくり」をゴールに掲げながら、「地域・お客さまとの価値共創」と「当行グループの成長戦略」を実現してまいります。

 


 

(a)基本方針Ⅰ.お客さまとの価値共創

地域経済の持続的成長を達成する10TARGETSを展開し、地域の皆さまの企業価値・資産価値を高め、経済を循環させることで地域・お客さまとの価値共創を実現してまいります。サステナブルファイナンスの拡大を通じて持続可能な地域社会を支え、総合コンサルティングにより産業創出・育成を行い、付加価値の高いサービスを提供することで、お客さまのゆたかな暮らしづくりへ貢献してまいります。

(b)基本方針Ⅱ.当行グループの成長戦略

当行グループの企業価値向上を図るための成長投資・人的資本投資に積極的に取り組むとともに、営業体制変革によるコンサルティング力の強化、BPRによる重点分野への人員再配置、アライアンスへの取り組み強化によって、当行が掲げる3つの成長ドライバを加速させ、グループ全体での収益を拡大してまいります。

 

<長期経営計画の全体像>


 

<主要計数計画>

 

2023年度実績

2026年度計画

2029年度計画

連結コア業務純益

93億円

115億円

185億円

連結当期純利益

52億円

60億円

110億円

連結ROE

2.64%

3.0%

5.0%

連結コアOHR

78.9%

77.0%

67.0%

 

2023年度にTSUBASA基幹系システム共同化への移行が完了したことに伴う、一定期間における償却負担と2024年度以降の成長投資による経費増加を見込むものの、新たな営業体制構築等の投資効果が顕在化することで、2027年度以降、収益性が向上し当期純利益が伸長する計画です。引き続き、当行は総合的な金融サービスの提供により、地域のお客さまへのご支援を最優先課題として地域社会の持続的な発展に貢献してまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。

(1) ガバナンス

当行グループは、経営理念体系(経営理念・サステナビリティ宣言・長期ビジョン・行動指針・価値観)のもと、法令等遵守の徹底、健全な業務運営の確保及び揺るぎない信頼性の確立を図っております。

こうした中、持続可能な地域社会の実現に向けて、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)に関するサステナビリティの推進に取り組むことで、社会・経済価値の好循環創出に加え、地域のお客さまや株主の皆さまなど幅広いステークホルダーからの期待に応えられるよう、中長期的な企業価値の向上に努めております。具体的には、気候変動をはじめとする環境問題、地域間格差や人口減少などの社会課題、その前提となる人的資本・多様性に関する取り組みが重要であると考えております。

そうした考えに基づき、当行グループは、2019年度に「ESGへの取り組み方針」を制定、「とうほうSDGs宣言」を公表するとともに、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同いたしました。

2023年度には、組織的取り組みのさらなる促進を目的として、経済産業省「GX(グリーントランスフォーメーション)リーグ」、福島県「ふくしまゼロカーボン宣言事業」に参加するとともに、お取引先の脱炭素取り組みの支援に関する知見習得・蓄積を目的として、環境省の「令和5年度金融機関向けポートフォリオ・カーボン分析支援事業」に参画しました。「令和5年度金融機関向けポートフォリオ・カーボン分析支援事業」においては、お取引先のCO2排出量の推計やお取引先とのエンゲージメント(建設的な対話)を前提とした行内体制の検証、課題整理等を実施しております。本事業で得られた知見をもとに、2024年度において、お取引先の脱炭素取り組みの支援を本格的に開始するとともに、2024年度に福島県が実施する「ふくしま企業脱炭素化支援体制構築事業」にも、当行は、地域金融機関として連携・協力してまいります。

2024年4月、当行グループでは、新たな経営理念体系をスタートし、「とうほうSDGs宣言」についても「サステナビリティ宣言」へ改訂し、経営理念の実現のためのミッションとして5つのマテリアリティ(重要課題)に取り組むことを宣言しました。

当行では、取締役会設置委員会(経営陣の積極的な関与のもとで特に重要な経営課題の審議を行う委員会)のひとつとして、「サステナビリティ推進委員会」(委員長:頭取)を設置し、本委員会において、全行的なサステナビリティの取り組みに関する「サステナビリティ推進計画」について審議し、その取り組み状況については、半期ごとに同委員会で進捗管理を行っております。なお、サステナビリティ推進委員会の審議結果については、取締役会へ報告しております。

また、2023年3月、環境問題への対応やお客さまの脱炭素化支援といったこれまでの取り組みをさらに加速する観点から、当行グループ全体のサステナビリティの取り組みに関する統括部署として総合企画部内に「サステナビリティ戦略推進課」を新設いたしました。「サステナビリティ戦略推進課」が主体となり、主に次の事項について、本部横断的な取り組みをさらに促進するとともに、取り組み内容の見直し・高度化を進めています。

① サステナビリティ推進の企画

② サステナビリティ関連リスク・機会の分析

③ 当行グループの二酸化炭素(以下「CO2」)排出量の削減

④ お客さまの脱炭素化支援

⑤ サステナブルファイナンスの推進

⑥ 地域のカーボンニュートラル、持続的発展への貢献

 

 

 

<ESGへの取り組み方針>

当行グループは、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて、環境問題、人権問題などの社会的課題への対応や、当該問題に取り組むうえでのガバナンス体制の構築を進めていきます。

「サステナビリティ宣言」に基づき、TSUBASAアライアンスにより結集された知見も活用しながら、地域の社会・環境課題に取り組んでいきます。

1.環境問題への取り組み(Environment)

資源の効率的な利用や廃棄物の削減を実践するとともに、環境保全に寄与する金融サービスを提供するなど、環境問題に積極的に取り組みます。

2.質の高い金融サービスの提供(Social)

経済活動を支えるインフラとしての機能はもとより、創意と工夫を活かし、お客さまのニーズに応えるとともに、市民生活や企業活動に脅威を与えるテロ、サイバー攻撃、自然災害等に備え、業務継続確保などお客さまの利益の適切な保護にも十分配慮した質の高い金融サービスを通じて、内外の経済・社会の発展に貢献します。

3.社会参画と発展への貢献(Social)

銀行が社会の中においてこそ存続・発展し得る存在であることを自覚し、社会とともに歩む「良き企業市民」として、積極的に社会に参画し、その発展に貢献します。

4.人権の尊重(Social)

すべての人々の人権を尊重します。

5.働き方の改革、従業員の職場環境の充実(Social)

従業員の多様性、人格、個性を尊重する働き方を実現するとともに、健康と安全に配慮した働きやすい職場環境を確保します。

6.社会とのコミュニケーション(Governance)

経営等の情報を積極的、効果的かつ公正に開示し、銀行を取り巻く幅広いステークホルダーとの建設的な対話を通して、自らの企業価値の向上を図るとともに、社会からの理解と信頼を確保できるよう、広く社会とのコミュニケーションを図ります。

 

 

<サステナビリティ宣言>

当行グループは、国連において採択されたSDGs(持続可能な開発目標)を踏まえ、「サステナビリティ宣言」として5つのマテリアリティを掲げ、地域の持続的な成長の実現に向けて取り組んでいきます。

〇地域経済・社会の活性化

〇少子高齢化への対応

〇DXの促進

〇多様な人財の躍動

〇脱炭素・ネイチャーポジティブ

 

 

<サステナビリティガバナンス体制図>


 

<2023年度サステナビリティ推進委員会の開催内容>

4月

・経済産業省「GXリーグ」への参画

5月

・有価証券報告書における「サステナビリティに関する考え方および取組」の情報開示内容

・脱炭素に関する自治体との取り組み

7月

・福島県「ゼロカーボン宣言事業」への参加

・環境省「金融機関向けポートフォリオ・カーボン分析支援事業」への参加と事業内容の報告

10月

・当行のカーボンニュートラルへ向けた取り組みの促進(2040年度カーボンニュートラル目標の設定・具体的取り組み内容)

・2023年度サステナビリティ推進計画の上期取り組み状況と下期の取り組み方針

12月

・環境省「金融機関向けポートフォリオ・カーボン分析支援事業」の進捗状況

・次期経営計画の重点施策「脱炭素促進支援」の内容

2月

サステナブルファイナンスの取り組み拡大および目標再設定(商品の追加・改訂)

3月

・サステナビリティ推進計画にかかる2023年度取組み結果及び2024年度計画の内容報告

 

 

 

(2) 戦略

当行グループにおける気候変動関連等、人的資本・多様性等に関する方針は、次のとおりであります。

A.気候変動関連等

当行グループでは社会・環境課題の解決に資する取り組みを一層推進し、地域社会の持続的成長に貢献していくことを目的として「サステナビリティ宣言」を制定し、気候変動等を含む「脱炭素」を重要な経営課題として位置づけ、機会及びリスクの両面から取り組みを進めております。

(※)当行においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、下記指標は、当行単体の計数を記載しております。

<機会>

再生可能エネルギー事業に関連したプロジェクトファイナンスのアレンジや融資等を通じて、低炭素社会への移行をファイナンスの側面からサポートしております。

<リスク>

気候変動に関するリスクについては、物理的リスクと移行リスクを認識しております。物理的リスクは気候変動によってもたらされる当行のお取引先の事業活動への影響及び業況の変化等による信用リスクの増大等や、営業店舗の損壊等によるオペレーショナルリスクを想定しております。移行リスクは気候関連の規制強化等への対応といった低炭素社会への移行の影響を受ける投融資先に対する信用リスクの増大等を想定しております。

 

<炭素関連資産>

「炭素関連資産エクスポージャーの集中度合」を計測した結果、当行の与信残高に占める炭素関連資産(注)の割合は15.4%となっております。

(注)日銀業種分類をベースに、「エネルギー」「運輸」「素材・建築物」「農業・食料・林産品」の4セクターを対象業種として選定のうえ計測しております。

 

<シナリオ分析>

気候変動リスクが与信ポートフォリオに及ぼす影響を把握することを目的に一定の前提のもとシナリオ分析を実施しております。今後においては、投融資先のCO2排出量(Scope3カテゴリ15)の算定結果を踏まえ、移行リスクの分析対象セクターの拡大等、引き続きシナリオ分析の向上等に取り組んでまいります。

物理的リスク

IPCCのRCP8.5シナリオ(4℃シナリオ)のもとで、気候変動に起因する自然災害の大宗を占め、日本での発生確率の高い水害(河川洪水)による被災を想定し、ハザードマップを活用して、担保不動産の価値毀損額及び浸水によるお客さまの業務停滞日数から、2050年までの信用コストへの影響額を試算いたしました。分析の結果、2050年までの信用コスト増加額は20億円程度です。

移行リスク

CO排出量の大きい電力セクターの企業を対象に、IEAの持続可能な開発シナリオ(2℃未満シナリオ)のもとで、再生可能エネルギーへの追加設備投資費用の増加に起因する2040年までの与信コスト増加額を試算いたしました。分析の結果、与信コストへの影響は限定的と考えております。

 

 

 

B.人的資本・多様性等

 (a)人材育成方針

当行グループでは、人材の「材」は「財」であるという認識のもと、人材は最も重要な経営資本であると認識しております。

「地域社会の持続的成長なくして自らの将来を描くことはできない」ということを全役職員で確認し、長期ビジョンとして「地域社会に貢献する会社へ~金融サービスの枠を超えて~」を掲げ、地域社会にさらに貢献できる存在へ進化すべく全力で取り組んでおります。

地域・お客さまの期待にお応えするためには幅広い分野でのコンサルティングサービスの高度化が必要と考えており、従業員の「自律的なキャリア形成」と「コンサルティング営業力強化」に向けて、「OJT」・「OFF-JT」・「自己啓発」の三本柱で人材育成に取り組んでおります。

新たな長期経営計画「TX PLAN 2030」では「地域・お客さまとの価値共創」と「当行グループの成長戦略」を2つの基本方針とし、地域・お客さまとともにサステナブルな地域社会を目指していく考えであり、専門スキルをもち高い意欲と自律性を兼ね備えた人材の育成を行います。多様性を認め合う組織をつくるとともに生産性の向上を図り地域社会に貢献する会社へと進化してまいります。

 

<人事戦略の全体像>

 


 

 

<人的資本投資>

当行グループでは、人的資本への投資を継続的に行っております。2023年度は従業員の処遇改善として賃上げや初任給の引上げに取り組み、2022年10月に実施した人事制度改革による対応と合わせて平均4.5%程度の賃上げを実施いたしました。当行はダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの観点から、女性の管理職登用や専門人材の中途採用を積極的に進めており、2023年度末の女性役席者比率は24.0%となりました。また、専門的なスキルをもった人材を確保するため、キャリア採用を強化し、リファラル採用の制度化やアルムナイネットワークの構築に取り組みました。

人事戦略は当行グループの成長戦略を支える土台であり、「人材育成」「DE&I」「人材流動化への対応」「Well-being」の4つの戦略を実行することにより、従業員一人ひとりが成長を実感でき、地域社会・お客さまへ更なる付加価値を提供することのできる人材を創出してまいります。

 

 


 

 

<人材育成の重点的取り組み>

当行は「自律的なキャリア形成」と「コンサルティング営業力強化」を人材育成の基本方針に据え、一人ひとりが自らの成長に向け自律的にチャレンジできる人材育成施策に取り組んでいます。当行のパーパスである「すべてを地域のために」に共感する人材を増やし、地域・お客さまの成長を担う人材の育成を行っています。また、経営戦略を着実に実行できる人材を継続的に創出していくことを目的に諸施策を展開しています。

長期ビジョン「地域社会に貢献する会社へ」を実現するためには、従業員一人ひとりが主体的に考え、行動や挑戦を通してお客さまが期待する高度かつ専門的なスキルを獲得することが重要であり、地域やお客さまが求める知識やスキルを習得するために各自が自律主体的にチャレンジできるような人材育成施策を「とうほうユニバーシティ」内で継続しています。

また、OJTサポートとマインド醸成に向けて部店内OJT・1on1ミーティングの取り組みに加え、新入行員から部店長までの各階層別研修により各階層に合わせたヒューマンスキル(コミュニケーション、リーダーシップ、フォロワーシップ、マネジメント等)向上、行内外の研修や専門スキル習得のための外部トレーニーへの派遣等によりコンサルティングスキル強化や経営層・中間管理職のマネジメント力強化、自己啓発促進のための「ホームラーニング(eラーニング)」等により高度な金融知識を有する人材(プロフェッショナル人材)の育成に向けた取り組みを行っております。2023年度は従来の施策に加え、新たな動画コンテンツ「e-JINZAI」を導入し、学びの機会を拡充いたしました。

 

(b)社内環境整備方針

金融業界には大きな変革が求められており、当行グループにおいても多様な人材を確保することにより変化に対応し、中長期的な企業価値の向上を図ることが重要であると認識しております。当行グループは経営理念として「すべてを地域のために」を掲げており、従業員一人ひとりが地域貢献に向け多様な能力を最大限発揮するため、ダイバーシティ推進の取り組みを強化し、職場環境の整備を進めております。

 

<社内環境整備の主な取り組み>

項目

内容

企業風土変革

(自立型組織への変革)

 

 

「共創」をキーワードに、自立型組織への企業風土変革に取り組んでおります。具体的には、「話してみよう、やってみよう」を合言葉に、対話と強調の連鎖による自立型組織への変革を推進しており、次のような取り組みを実施しています。

・経営戦略タスクフォース

施策の実効性向上、本部・営業店の一体感醸成を目的に、重点戦略策定プロセスにおいて、本タスクフォースでの議論を通じて若手行員の意見をボトムアップにより経営に提案・反映させています。

・新たなActionコンテスト

「収益力の強化」「業務の効率化」等に関する幅広い意見の施策への反映、ボトムアップ型の組織風土のさらなる醸成を目的に、従業員が誰でも気軽に提言できる本制度を運営しています。

女性の活躍

女性活躍推進法に基づき、女性役席者比率と女性平均勤続年数の目標を設定し、女性登用に積極的な対応を行っているほか、従業員の意見を幅広く収集・反映させ、人事制度の見直しや職場環境整備を実施しております。

育休取得の推奨

対象となる全ての職員(男女とも)に育児休業の取得を推進しております。また、育児休業のほか、孫の育児に利用できる「イクまご休暇」の利用も促進しております。

ベテラン・シニアの活躍

 

高齢化社会が進展するなか、60歳以降の人材においてもこれまでの豊富な経験と知識を活かし、引き続き活躍できる機会を広げております。活躍機会の拡大とともに処遇の改善も行っております。

チャレンジドの活躍 

障がい者の雇用促進、就労支援に積極的に取り組んでおります。2012年3月に設立した特例子会社「株式会社とうほうスマイル」では、ハンディキャップのある社員が高いスキルで活躍しております。

人員の採用・維持

事業活動の源泉は人であり、新卒・キャリア・パートタイマーとも安定的に採用し人員維持につとめております。採用は性別や人種等の別にかかわらず、個人のキャリアやスキルと適材適所の観点から行っております。

再雇用制度の拡充

業務経験者の再就業の機会を拡大するため、再雇用制度として「カムバック制度」を導入し、再雇用を促進しております。

エンゲージメントの向上

銀行のパーパスに共感し、職場の仲間がモチベーション高く相互に信頼できる職場を創出すべく2023年度より若手行員を中心としたエンゲージメントサーベイを導入しています。

 

完全フレックスタイム制

従業員自身が日々の始業・終業時刻を決定し勤務時間を効率的に配分しながら働くことができる制度を導入しております。

キャリアサポート休職制度

 

職員がキャリアを継続しながら、そのチャレンジ意欲やライフイベントに対応できる環境を整備するため、キャリアサポート休職制度を導入しております。

とうほうホームラーニング

(eラーニング)

業務知識の習得や自己啓発をサポートするため、eラーニングにより自主的・自律的に学ぶことができる環境を整備しております。スムーズな復職に向け、病気や産育休など長期の休業中でも視聴可能としております。

とうほう・みんなの

キッズらんど設置

従業員の復職支援・継続就業支援を目的とした事業所内保育施設「とうほう・みんなのキッズらんど」を県内3ヵ所に開設しております。

テレワーク

生産性向上や仕事と家庭の両立支援、ペーパーレス化を実現させるため、テレワークを導入しております。

サテライトオフィス

働き方の多様化や危機発生時への対応として郡山サテライトオフィスを設置しております。

ファイナンシャル・ウェルネスの向上

従業員の中長期的な資産形成に向けて、従業員持株会への加入、企業型確定拠出年金制度の利用等を促進しております。また、従業員のライフプラン設計支援を目的として、総合退職金(退職一時金・企業年金)制度や従業員貸付制度など福利厚生制度をテーマとしたライフプランセミナーを定期的に開催しています。

健康経営

事業活動の源泉は人であり、そのベースは当行グループで働く人の健康であると考えており健康経営を推進しております。人事担当役員をトップとする「健康経営プロジェクト」を組織し、人事部、健康保険組合に加えて従業員組合もプロジェクトの一員となり、労使一体となって健康増進に努めております。

 

 

(3) リスク管理

当行グループにおいて、気候変動に関する物理的リスクや移行リスクを認識し、信用リスク管理やオペレーショナルリスク管理等の統合的リスク管理態勢の枠組みで対応しております。

また、「サステナビリティ宣言」に基づき、環境や社会等におけるポジティブ・インパクト(注1)の拡大とネガティブ・インパクト(注2)の軽減・回避に努め、ふるさと福島をはじめとした地域社会の持続可能な発展に貢献する投融資を促進していくため、「とうほうサステナブル投融資方針」を定めています。なお、本方針については、外部環境の変化や運用結果等を踏まえ、今後も、見直し・高度化を図ってまいります。

(注1)主に経済・社会・環境に好影響を及ぼす企業活動。

(注2)主に経済・社会・環境に害悪を及ぼす懸念のある企業活動。

 

<とうほうサステナブル投融資方針>

1.ポジティブ・インパクトの拡大に資する投融資への取り組み方針

   持続可能な社会を構築し、子どもたちの明るい未来を創出していくため、環境や社会にポジティブな影響を与える取り組みや、地域社会の持続可能性向上に資する取組みを積極的に支援してまいります。

   以下に例示する投融資については、特に積極的に取り組んでまいります。

(1)東日本大震災や原子力発電所事故の影響を乗り越え、ふるさと福島の経済や産業の活性化に貢献する取り組み。

(2)更なる少子高齢化や人口減少を見据え、子育て世代や高齢者の安心・安全な生活や地域コミュニティの活性化に資する取り組み。

(3)全国3位の広さと浜通り・中通り・会津地方と地域によって異なる多様性を誇る、福島県の豊かな自然環境や生物多様性、水資源の保全、サーキュラーエコノミー実現につながる取り組み。

(4)カーボンニュートラル実現に向けた、再生可能エネルギーの導入や、脱炭素社会への移行(トランジション)を促進する取り組み。

(5)デジタルトランスフォーメーションによる生産性向上や人的資本投資、ダイバーシティの促進に資する取り組み。

2.ネガティブ・インパクトを包含する可能性のある投融資への取り組み方針

ネガティブ・インパクトを軽減・回避するため、セクター横断的な取り組み方針及び特定セクターに対する取り組み方針を次の通り定めます。

(1)セクター横断的な取り組み方針

  A.尾瀬をはじめとしたラムサール条約指定湿地、ユネスコ指定世界遺産、ワシントン条約の規制対象種のように、自然環境保護や生物多様性確保の観点から国際的に保護・保全が求められている人類の財産に害悪を及ぼす事業への投融資は行いません。

  B.児童労働、強制労働、人身取引などの人権侵害への直接的または間接的な関与が認められる事業への投融資は行いません。

(2)特定セクターに対する取り組み方針

  A.二酸化炭素排出による気候変動への影響を勘案し、パリ協定の長期目標等に沿って、原則、新規建設する石炭火力発電所向けの投融資は行いません

  B.クラスター弾、核兵器、対人地雷、生物化学兵器等の非人道的な兵器を製造している事業者に対する投融資は行いません。

  C.農林畜産・水産物等を生産・調達する事業者に対しては、森林破壊や自然生態系の転換を引き起こしていないこと、及び先住民や地域社会、労働者の人権に配慮した、持続可能な森林経営・土地・水資源・水産資源利用を求めます。違法伐採を含めて持続可能な森林管理・土地利用に配慮していない事業者、及びIUU漁業(注3)に関わる事業者への投融資は行いません。なお、当該事業への投融資を検討する際には、国際認証取得状況、環境への配慮、地域住民とのトラブルの有無等に十分留意のうえ判断します。

(注3)違法(Illegal)・無報告(Unreported)・無規制(Unregulated)

3.本方針に関するガバナンス等

(1)当行では、外部環境の変化や本方針の運用結果等を踏まえ、認識すべきリスクや対象となるセクターの適切性・十分性について、経営会議等で随時レビューし、本方針の見直しや運営の高度化を図ります。

(2)役員及び従業員が環境・社会的課題に対する理解を深めるための啓発・研修に努めます。

(3)株主、投融資先のお客さま、地域住民等、多様なステークホルダーの皆さまとのエンゲージメントを重視し、当行の取り組みがステークホルダーの皆さまからの期待・目線に沿うものとなるよう努めます。

農林畜産・水産物等を生産・調達する事業者に対し、ポジティブな国際認証を行う機関の例

・持続可能なパーム油のための円卓会議 RSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil)

・森林管理協議会 FSC(Forest Stewardship Council)

・海洋管理協議会 MSC(Marine Stewardship Council)

・水産養殖管理協議会 ASC(Aquaculture Stewardship Council)

(上記は一例を示したものであり、当行が国際認証の網羅性・十分性を保証するものではありません)

 

 

 

 

 

(4) 指標及び目標

A.気候変動関連等

当行グループでは、上記「(2)戦略」において記載した気候変動に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は次のとおりであります。

(※)当行においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、下記指標は、当行単体の計数を記載しております。

 

(a)当行のCO2排出量

当行のエネルギー使用に伴って発生するCO2排出量(Scope1、2)について、以下の削減目標を設定し、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを進めています。2023年度のCO2排出量は、2013年度比△40.2%、前年度対比△653t-CO2の削減となりました。

今後も、引き続き、再生可能エネルギー電力の利用拡大や、環境配慮型店舗の導入、営業車両のHV・EV化等を検討のうえ、CO2排出量削減に向けて取り組んでまいります。

 

CO2排出量の削減目標(Scope1、2)

・2040年度までのカーボンニュートラルの実現

・2030年度までのCO2排出量削減割合△60%(2013年度対比)の達成

 

 

(CO排出量推移)                             [単位:t-CO2]

 

2013年度

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

Scope1

1,736

1,516

1,515

1,382

1,352

1,247

Scope2

10,361

7,819

7,556

6,658

6,527

5,979

合 計

12,097

9,335

9,071

8,040

7,879

7,226

削減実績

(2013年度比)

△22.8%

△25.0%

△33.5%

△34.8%

△40.2%

 

 

また、当行では、CO2排出量Scope1、Scope2の算定に加え、Scope3の算定に取り組んでおります。Scope3カテゴリ15(投融資)については、2023年度分より算定を開始しました。

                                       [単位:t-CO2] 

 

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

Scope3

カテゴリ6(出張)

380

369

364

360

カテゴリ7(通勤)

341

326

324

312

カテゴリ15(投融資)

6,980,359

 

 

[計測手法]

計測にあたっては、環境省・経済産業省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン (ver.2.6)」および環境省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出量等のための排出原単位データベース(Ver.3.4)を用いています。

 

(b)投融資先のCO2排出量(Scope3カテゴリ15)の算定>

金融機関のCO2排出量においては、投融資を通じた間接的な排出(Scope3カテゴリ15)が大きな割合を占めるため、この算定、モニタリング、削減への取り組みを進めることが重要となります。当行では、PCAFスタンダードの計測手法を参考に、国内法人向け貸出を対象としてCO2排出量を算定しています。

                                         [単位:t-CO2]

セクター

CO2排出量

セクター

CO2排出量

電力ユーティリティ

1,719,413

自動車及び部品

104,540

資本財

914,289

不動産管理・開発

50,526

建設資材

859,797

鉄道輸送

23,621

金属・鉱業

652,635

飲料

20,477

化学

463,863

農業

19,673

製紙・林業製品

262,938

海上輸送

16,515

トラックサービス

181,379

航空貨物

2,810

石油及びガス

169,168

旅客空輸

1,149

加工食品・加工肉

156,746

その他

1,360,812

合  計

6,980,359

 

 

今後、CO2排出量算定範囲の拡大やデータクオリティの向上に向けて取り組んでまいります。

また、今回の算定結果については、国際的な基準の明確化や推計の高度化等により、今後、大きく変動する可能性があります。

 

(c)サステナブルファイナンス

持続可能な社会の実現に向け、脱炭素社会への移行や新たな産業・社会構造への転換を促すため、日銀気候変動対応オペ対象の投融資や環境分野に関連する当行独自の投融資などサステナブルファイナンスについて、2021年度から2030年度までの10年間で1兆円実行・組成する目標を設定、取り組んでまいりました。実績の推移は次のとおりです。 

〔環境分野サステナブルファイナンス推移〕                     (単位:億円)

 

2021年度

2022年度

2023年度

環境分野サステナブルファイナンス実行/組成額累計

1,574

2,512

3,479

 

うち、再生可能エネルギー関連

1,341

1,728

2,207

 

2024年3月、地域間格差や人口減少など社会課題への取組みの重要性に鑑み、地域の環境・社会両分野の課題解決への貢献を目的として、2024年度からのサステナブルファイナンスの対象を従来の環境分野から社会分野にまで拡大するとともに、サステナブルファイナンス目標についても1兆円から1.5兆円(環境分野1.2兆円、社会分野0.3兆円)に拡大することといたしました。

〔対象となる投融資例〕

環境分野

グリーンローン/ボンド、環境関連私募債、再生可能エネルギーに関する投融資、省エネ住宅関連ローン、など環境に配慮した投融資

社会分野

ソーシャルローン/ボンド、持続可能な地域社会の実現に貢献する投融資、など社会課題に対応した投融資

 

 

 

 

B.人的資本・多様性等

当行グループでは、上記「(2)戦略」において記載した人的資本・多様性等に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標および実績は次のとおりです。今後、指標・目標については、内容の拡充を進めてまいります。

(※)当行においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、下記指標は、当行単体の計数を記載しております。

<指標及び目標>

指標

 実績 

(前連結

会計年度末

 実績 
(当連結

会計年度末)

  目標

(2029年度末)

人材育成

行員1人当たり研修費(注1)

6.7万円

6.3万円

8万円台

行外研修・外部トレーニー派遣者数

30

33

150

中小企業診断士資格保有者数

18

18

60

FP1級保有者数

44

45

100

FP2級保有者数

920

983

1,300

DE&I

女性役席者比率(注2)

23.3

24.0

30以上

女性総合職の平均勤続年数(注3)

14.6

14.9

17以上

男性育休取得率(注4)

100

82.9

100

男性育休取得日数(注5)

2.6

3.4

10日以上

障がい者雇用率(注6)

2.56

2.75

2.7%以上

人材流動化への対応

新卒採用者数

83

77

90

中途採用者数

11

22

20

新卒採用後3年以内の離職率

10.6

34.7

20%以内

Well-Being

ストレスチェック受検率(注7)

93.9

97.0

100

高ストレス者割合(注7)

11.2

11.8

10.0%以内

健康診断受診率

99.6

99.8

100

 

(注1)行員1人当たり研修費は年間研修費を年度末行員数で除して算出しております。研修費には外部トレーニー人件費、研修所運営諸経費、行外研修参加費、外部講師費、研修参加旅費等が含まれます

(注2)女性役席者比率は全役席者に占める女性役席者の割合であり、女性管理職となり得る層の充実及び女性従業員全体のキャリア形成を目的に目標を設定しております。

(注3)女性総合職のキャリアアップと就業継続を目的に目標を設定しております。

(注4)「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

(注5)男性の早期育児参画は重要であるとの認識を持ち、ワーク・ライフ・バランス促進の観点からも、男性従業員の育児休業取得推進を継続し目標を設定しております

(注6)「障がい者の雇用の促進等に関する法律」に基づき、各年度3月1日付で算出した値であります。

(注7)当行が外部委託して実施しているストレスチェックの集計に基づき算出した指標であります。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当行グループ(当行及び連結子会社。以下、本項目においては「当行」と総称。)が判断したものであります。

当行の財政状態、経営成績等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクのうち、特に重要なリスクは、(1)信用リスク及び(2)市場リスクであります。

当行は、当該リスクについて、統計的手法であるVaR(バリューアットリスク)を用いて、ある確率(信頼区間99.9%)のもと一定期間(例えば1年間)に被る可能性のある最大損失額(リスク量)を算出し把握しております。

また、これらのリスクが顕在化した場合、当行の業績・業務運営に重大な影響を及ぼす可能性があるため、業務の継続性を確保する観点から、リスク量が自己資本の範囲内に収まるよう資本配賦制度(リスク量に対する資本の割り当て)を用いた業務運営を行い、経営戦略と一体となったリスク管理を実践しております。

なお、当行のリスク管理体制等については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。

 

 (1) 信用リスク

当行では、貸出金等の資産内容について厳格な基準のもとに自己査定を行い、その結果を反映させた不良債権額を開示し、貸出先の債務者区分や担保の価値等に基づき適切な引当金を繰り入れしております。

しかし、わが国の経済情勢、特に当行が主たる営業地域としている福島県の経済情勢が貸出先の業況等に悪影響を及ぼし、債務者区分の下方遷移や、担保価値の下落、または予期せぬ事由の発生により、当行の不良債権及び与信関係費用は増加するおそれがあり、その結果、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、原子力発電所事故が貸出先の業績に悪影響を及ぼす可能性は低減しているものの、廃炉作業に伴う処理水の海洋放出による風評被害等により、貸出先の業績に悪影響を及ぼし、当行の不良債権及び与信関係費用は増加するおそれがあり、その結果、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 市場リスク

 ①株価下落リスク

当行は、市場性のある株式を保有しておりますが、株価が下落した場合には、保有株式に減損または評価損が発生し、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 ②金利リスク

当行は、国債など市場性のある債券を保有しておりますが、今後、長期金利が上昇し、債券価格が下落した場合には、保有債券に評価損が発生し、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

  ③為替リスク

当行が保有する有価証券の一部は、為替レートの変動の影響を受けます。例えば、為替相場が円高に変動した場合、為替ヘッジを行っていない有価証券の価値に悪影響を及ぼし、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 流動性リスク

当行では、資金調達や運用状況の分析を日々行い、流動性管理に万全を期しておりますが、市場環境が大きく変化した場合や、万一、当行の信用状況が悪化した場合に、必要な資金が確保できなくなるリスクや、資金の確保に通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされ損失を被るリスクがあります。

また、市場の混乱等による市場取引の中止や、通常より著しく不利な価格での取引を余儀なくされることで損失を被るリスクがあります。

 

 

(4) システムリスク(サイバーセキュリティリスクを含む)

当行が業務上使用しているコンピューターシステムにおいては、障害発生防止に万全を期しておりますが、システムの停止や誤作動、コンピュータの不正使用、サイバー攻撃等が発生した場合には、当行の業績並びに業務遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 事務リスク

当行では、事務リスク回避のため事務管理体制の強化に取り組んでおりますが、故意または過失等により大きな賠償に繋がるような事務事故が発生した場合、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 情報資産に係わるリスク

当行では、顧客情報や経営情報などの管理には万全を期しておりますが、それらの漏洩、紛失、改ざん、不正使用などが発生した場合、当行の社会的信用の失墜などによって、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 法務リスク(コンプライアンス)

当行では、コンプライアンス態勢の整備・強化に努めておりますが、当行の役職員による法令等違反が発生したり、当行に対する訴訟等が提訴された場合、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 自己資本比率に係わるリスク

当行は、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第19号)の国内基準が適用され、同告示に基づき算出される連結自己資本比率及び単体自己資本比率を4%以上に維持する必要があります。当行の自己資本比率が要求される水準を下回った場合には、金融庁長官から、業務の全部または一部の停止等を含む様々な命令を受けることとなります。

当行の自己資本比率は以下のような要因により影響を受ける可能性があります。

・株式を含む有価証券ポートフォリオ価値の下落

・不良債権増加に伴う与信関係費用の増加

・自己資本比率の基準及び算定方法の変更

・本項記載のその他の不利益な展開

 

(9) 固定資産の減損等に係わるリスク

当行は、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しておりますが、経済情勢や不動産価格の変動等によって保有している固定資産の価格が大幅に下落した場合などに新たな減損を実施する可能性があります。これら固定資産の減損等に係わるリスクが顕在化した場合、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 繰延税金資産に係わるリスク

現時点におけるわが国の会計基準に基づき、一定の条件の下で、将来における税金負担額の軽減効果として繰延税金資産を貸借対照表に計上することが認められております。当行の将来の課税所得の予測に基づいて繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断される場合は、当行の繰延税金資産は減額され、その結果、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 退職給付債務に係わるリスク

年金資産の運用利回りが低下した場合や、割引率等数理計算上で設定される前提に変更があった場合等には、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 格付低下のリスク

格付機関により当行の格付が引き下げられた場合、当行は市場取引において、不利な条件での取引を余儀なくされたり、または一定の取引を行うことができなくなるおそれがあります。

 

 

(13) 風評リスク

市場やお客さまの間において、事実と異なる情報や風評等が発生した場合、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 規制変動リスク

当行は、現時点の規制(法律、規則、政策、実務慣行、解釈等を含む)に従って業務を遂行しております。将来、これらの規制の変更並びにそれらによって発生する事態が、当行の業績並びに業務遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) 災害等のリスク

当行の役職員並びに保有する本店、事務センター、営業店等の施設及びお取引先が、地震等の自然災害の発生、停電等の社会インフラ障害及び犯罪等の外的要因を受けることにより、当行の業績並びに業務遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)感染症の流行に関するリスク

新型コロナウイルス等の感染症の流行によって、国内外の経済活動が停滞し、貸出先の経営状況が大幅に変動する場合や、当行役職員の感染者発生等により事業活動の停止を余儀なくされる場合には、当行の業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(17) 金融犯罪に関するリスク

キャッシュ・カードの偽造・盗難や振り込め詐欺等の金融犯罪による被害を未然に防止するため、セキュリティ強化に向けた取り組みを行っております。また、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策を経営の重要課題と位置付け、リスクベース・アプローチに基づく適切な管理体制の構築に取り組んでおります。

しかしながら、高度化する金融犯罪の発生により、その対策費用や被害に遭われたお客さまに対する補償等により、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(18) 競争

金融制度の規制緩和進展に伴い、業態を超えた競争が激化しており、当行がこうした競争的な事業環境において競争優位を得られない場合には、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(19) 気候変動に関するリスク

気候変動によってもたらされる水害など自然災害の発生による当行のお取引先の事業活動への影響及び業況の変化や、当行担保不動産の価値毀損等が、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、低炭素社会への移行に伴う気候関連の規制強化等への対応が、お取引先の事業活動や業況に及ぼす影響により、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

  (業績等の概要)

2023年度の国内経済は、企業収益や雇用情勢の改善もみられ、緩やかに回復したものの、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが景気を下押しするリスクとなっています。また、物価上昇、ウクライナや中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があり、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

当行の主要な営業基盤である福島県内の経済は、個人消費では外食や旅行等のサービス消費が徐々に回復しているほか、設備投資が緩やかに持ち直すなど、全体としては緩やかに持ち直しの動きが続いております。

長期金利の指標となる10年国債利回りは、金融緩和政策の修正観測が高まるなか一時0.9%を超えて上昇しましたが、マイナス金利解除後も継続が見込まれる緩和的な金融環境から年度末には0.7%付近まで低下しました。為替相場は日米金利差の拡大を受けて年度末に1ドル151円台となるなど大幅に円安が進行しました。株式相場は好調な企業収益などを背景として、日経平均株価が史上最高値を更新し、年度末には4万円台まで上昇しました。このような金融経済環境のなか、当行は長期ビジョン「地域社会に貢献する会社へ~金融サービスの枠を超えて~」の実現に向け、2021年4月から2024年3月までの3年間を計画期間とする第17次中期経営計画「とうほう「輝(かがやき)」プラン」における3つの基本方針に基づき、最終年度の目標達成に向けて各種施策に積極的に取り組みました。

 

① 財政状態

総資産残高は、6兆7,585億円で前連結会計年度末比1,454億円の増加となりました。

資産項目の主要な勘定残高は、現金預け金が1兆7,955億円(前連結会計年度末比1,906億円の減少)、有価証券が8,782億円(前連結会計年度末比3,148億円の増加)、貸出金が3兆9,220億円(前連結会計年度末比140億円の増加)であります。

負債の部合計は、6兆5,523億円で前連結会計年度末比1,302億円の増加となりました。

負債項目の主要な勘定残高は、預金が5兆8,245億円(前連結会計年度末比552億円の増加)、譲渡性預金が4,683億円(前連結会計年度末比480億円の増加)であります。

純資産の部合計は、2,061億円で前連結会計年度末比151億円の増加となりました。

これは、株主資本が利益の積み上げにより34億円増加する一方で、その他有価証券評価差額金の増加を主な要因としてその他の包括利益累計額が116億円増加したことによるものでございます。

なお、当連結会計年度末の国内基準による連結自己資本比率は、貸出金等のリスクアセットの減少により、前年度末比0.47%上昇し9.83%となりました。

 

 

② 経営成績

当連結会計年度の経営成績は、次のとおりとなりました。

経常収益は、事業性貸出の残高増加による貸出金利息の増加、円建有価証券の積上げ・利回り上昇による有価証券利息配当金の増加により、前年度比2億81百万円増加し589億84百万円となりました

経常費用は、有価証券ポートフォリオ再構築のため前年度は回復の見込めない投資信託等の解約損を計上しましたが、その影響がなくなったことに加え、一般貸倒引当金の予想損失率低下に伴う与信関係費用の減少により、前年度比13億40百万円減少し506億63百万円となりました。

この結果、経常利益は、前年度比16億22百万円増加の83億21百万円となりました。

また、親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の増加に伴い前年度比7億59百万円増加し52億52百万円となりました。

 

   セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

○ 銀行業

経常収益は、事業性貸出の残高増加による貸出金利息の増加、円建有価証券の積上げ・利回り上昇による有価証券利息配当金の増加により、前年度比1億79百万円増加し504億73百万円となりました。また、セグメント利益は、前年度に計上した回復の見込めない投資信託等に係る解約損の影響がなくなったことに加え、一般貸倒引当金の予想損失率低下に伴う与信関係費用の減少により、前年度比17億97百万円増加し79億2百万円となりました。

○ 証券業

経常収益は、良好なマーケット環境等に伴う売上高の増加により、前年度比1億36百万円増加し8億65百万円となりました。また、セグメント利益は、経常収益の増加に伴い赤字額が前年度比1億9百万円減少し△1億32百万円となりました。

○ リース業

経常収益は、売上高の増加により、前年度比42百万円増加し75億65百万円となりました。また、セグメント利益は、与信関係費用の増加などにより前年度比1億20百万円減少し5億41百万円となりました。

○ 信用保証業

経常収益は、売上高の増加により、前年度比9百万円増加し18億26百万円となりました。また、セグメント利益は、与信関係費用の増加などにより前年度比41百万円減少し16億4百万円となりました。

○ その他

経常収益は、グループ会社の業務収益増加などにより、前年度比54百万円増加し29億13百万円となりました。また、セグメント利益は、与信関係費用の増加および経費の増加などにより前年度比38百万円減少し9億26百万円となりました。

 

③ キャッシュ・フロー

当連結会計年度の連結キャッシュ・フローにつきましては、次のとおりとなりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、預金純増減の増加等により1,142億円の収入超過となりました。前連結会計年度との比較では、借用金の純増減の増加を主因として収入が8,741億円増加しました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却・償還による収入を有価証券の取得による支出が上回ったこと等から3,028億円の支出超過となりました。前連結会計年度との比較では、有価証券の取得による支出の増加等により支出が2,531億円増加しました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払による支出等により17億円の支出超過となり、前連結会計年度との比較では、支出が1億円減少しました。

この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前年度末比1,902億円減少し1兆7,946億円となりました。

 

④ 生産、受注及び販売の状況

   銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。

 

(参考)

(1) 国内・国際業務部門別収支 

資金運用収支は、国内業務部門で329億72百万円、国際業務部門で8億75百万円、合計では前連結会計年度比16億48百万円増加し338億47百万円となりました。また、役務取引等収支は、国内業務部門で95億17百万円、国際業務部門で17百万円、合計では前連結会計年度比5億50百万円増加し95億34百万円、その他業務収支は、国内業務部門で15億68百万円、国際業務部門で△3億47百万円、合計では前連結会計年度比10億43百万円増加し12億21百万円となりました。

以上の各収支を合計した連結業務粗利益は、国内業務部門で440億58百万円、国際業務部門で5億45百万円、合計では前連結会計年度比32億42百万円増加し446億3百万円となりました。

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

資金運用収支

前連結会計年度

30,905

1,293

32,199

当連結会計年度

32,972

875

33,847

うち資金運用収益

前連結会計年度

31,105

1,728

1

32,832

当連結会計年度

33,122

935

1

34,056

うち資金調達費用

前連結会計年度

199

435

1

633

当連結会計年度

150

59

1

208

信託報酬

前連結会計年度

0

0

当連結会計年度

0

0

役務取引等収支

前連結会計年度

8,968

15

8,984

当連結会計年度

9,517

17

9,534

うち役務取引等収益

前連結会計年度

14,095

47

14,142

当連結会計年度

14,800

46

14,846

うち役務取引等費用

前連結会計年度

5,126

31

5,158

当連結会計年度

5,282

29

5,311

その他業務収支

前連結会計年度

973

△795

177

当連結会計年度

1,568

△347

1,221

うちその他業務収益

前連結会計年度

8,767

7

8,774

当連結会計年度

8,593

1

8,594

うちその他業務費用

前連結会計年度

7,793

803

8,597

当連結会計年度

7,024

349

7,373

 

(注) 1 国内業務部門とは当行及び連結子会社の円建取引であり、国際業務部門は当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。

2 資金調達費用は金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)を控除して表示しております。

3 資金運用収益及び資金調達費用の合計欄の上段の計数は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。

 

 

(2) 国内・国際業務部門別資金運用/調達の状況 

資金運用勘定平均残高は、国内業務部門が5兆7,263億92百万円、国際業務部門が351億14百万円となり、相殺消去を行った合計で5兆7,348億13百万円となりました。また、利回りは、国内業務部門が0.57%、国際業務部門が2.66%となり、相殺消去を行った合計で0.59%となりました。

一方、資金調達勘定平均残高は、国内業務部門が6兆5,679億9百万円、国際業務部門が327億98百万円となり、相殺消去を行った合計で6兆5,740億13百万円となりました。また、利回りは、国内業務部門が0.00%、国際業務部門が0.18%となり、相殺消去を行った合計で0.00%となりました。

 

① 国内業務部門

 

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

(16,590)

5,725,736

(1)

31,105

0.54

当連結会計年度

(26,693)

5,726,392

(1)

33,122

0.57

うち貸出金

前連結会計年度

3,807,597

25,918

0.68

当連結会計年度

3,886,548

26,620

0.68

うち商品有価証券

前連結会計年度

102

0

0.05

当連結会計年度

41

0

0.21

うち有価証券

前連結会計年度

519,679

2,363

0.45

当連結会計年度

685,500

3,825

0.55

うちコールローン及び
買入手形

前連結会計年度

150,802

48

0.03

当連結会計年度

96,461

62

0.06

うち預け金

前連結会計年度

1,205,877

2,773

0.23

当連結会計年度

1,005,892

2,611

0.25

資金調達勘定

前連結会計年度

6,540,104

199

0.00

当連結会計年度

6,567,909

150

0.00

うち預金

前連結会計年度

5,558,213

179

0.00

当連結会計年度

5,635,352

166

0.00

うち譲渡性預金

前連結会計年度

532,544

37

0.00

当連結会計年度

540,107

37

0.00

うちコールマネー及び
売渡手形

前連結会計年度

78,794

△23

△0.03

当連結会計年度

170,144

△63

△0.03

うち債券貸借取引受入担保金

前連結会計年度

当連結会計年度

37,786

3

0.01

うち借用金

前連結会計年度

367,910

7

0.00

当連結会計年度

178,234

7

0.00

 

(注) 1 国内業務部門とは、当行及び連結子会社の円建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。

2 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社については、各連結会計年度の期首と期末の残高に基づく平均残高を利用しております。

3 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高(前連結会計年度888,398百万円、当連結会計年度915,759百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度8,300百万円、当連結会計年度8,350百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)を、それぞれ控除して表示しております。

4 ( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。

 

 

② 国際業務部門

 

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

38,923

1,728

4.44

当連結会計年度

35,114

935

2.66

うち貸出金

前連結会計年度

30

0

1.13

当連結会計年度

8

0

1.10

うち商品有価証券

前連結会計年度

当連結会計年度

うち有価証券

前連結会計年度

36,791

1,724

4.68

当連結会計年度

33,294

926

2.78

うちコールローン及び
買入手形

前連結会計年度

当連結会計年度

うち預け金

前連結会計年度

363

0

0.26

当連結会計年度

336

0

0.23

資金調達勘定

前連結会計年度

(16,590)

37,282

(1)

435

1.16

当連結会計年度

(26,693)

32,798

(1)

59

0.18

うち預金

前連結会計年度

7,541

22

0.30

当連結会計年度

5,892

58

0.98

うち譲渡性預金

前連結会計年度

当連結会計年度

うちコールマネー及び
売渡手形

前連結会計年度

当連結会計年度

うち債券貸借取引受入担保金

前連結会計年度

12,947

411

3.17

当連結会計年度

うち借用金

前連結会計年度

当連結会計年度

 

(注) 1 国際業務部門とは当行の外貨建取引であります。なお、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。

2 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社については、各連結会計年度の期首と期末の残高に基づく平均残高を利用しております。

3 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高(前連結会計年度17百万円、当連結会計年度13百万円)を控除して表示しております。

4 ( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。

5 国際業務部門の国内店外貨建取引の平均残高は、主として日次カレント方式(当日のTT仲値を当日の全ての取引に適用する方式)により算出しております。

 

 

③ 合計

 

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

5,748,069

32,832

0.57

当連結会計年度

5,734,813

34,056

0.59

うち貸出金

前連結会計年度

3,807,628

25,918

0.68

当連結会計年度

3,886,557

26,620

0.68

うち商品有価証券

前連結会計年度

102

0

0.05

当連結会計年度

41

0

0.21

うち有価証券

前連結会計年度

556,470

4,088

0.73

当連結会計年度

718,795

4,751

0.66

うちコールローン及び
買入手形

前連結会計年度

150,802

48

0.03

当連結会計年度

96,461

62

0.06

うち預け金

前連結会計年度

1,206,241

2,774

0.23

当連結会計年度

1,006,229

2,612

0.25

資金調達勘定

前連結会計年度

6,560,796

633

0.00

当連結会計年度

6,574,013

208

0.00

うち預金

前連結会計年度

5,565,755

201

0.00

当連結会計年度

5,641,245

224

0.00

うち譲渡性預金

前連結会計年度

532,544

37

0.00

当連結会計年度

540,107

37

0.00

うちコールマネー及び
売渡手形

前連結会計年度

78,794

△23

△0.03

当連結会計年度

170,144

△63

△0.03

うち債券貸借取引受入担保金

前連結会計年度

12,947

411

3.17

当連結会計年度

37,786

3

0.01

うち借用金

前連結会計年度

367,910

7

0.00

当連結会計年度

178,234

7

0.00

 

(注) 1 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高(前連結会計年度888,415百万円、当連結会計年度915,773百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度8,300百万円、当連結会計年度8,350百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)を、それぞれ控除して表示しております。

2 国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息は、相殺して記載しております。

 

 

(3) 国内・国際業務部門別役務取引の状況 

役務取引等収益は、国内業務部門が148億円、国際業務部門が46百万円となり、合計で148億46百万円となりました。

役務取引等費用は、国内業務部門が52億82百万円、国際業務部門が29百万円となり、合計で53億11百万円となりました。

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

役務取引等収益

前連結会計年度

14,095

47

14,142

当連結会計年度

14,800

46

14,846

うち預金・貸出業務

前連結会計年度

2,270

2,270

当連結会計年度

2,510

2,510

うち為替業務

前連結会計年度

3,295

46

3,342

当連結会計年度

3,248

45

3,294

うち証券関連業務

前連結会計年度

631

631

当連結会計年度

949

949

うち代理業務

前連結会計年度

257

257

当連結会計年度

248

248

うち保護預り・
貸金庫業務

前連結会計年度

96

96

当連結会計年度

90

90

うち保証業務

前連結会計年度

1,094

0

1,095

当連結会計年度

1,088

0

1,089

うち投資信託の
窓口販売業務

前連結会計年度

811

811

当連結会計年度

905

905

うち保険関連業務

前連結会計年度

1,243

1,243

当連結会計年度

1,304

1,304

役務取引等費用

前連結会計年度

5,126

31

5,158

当連結会計年度

5,282

29

5,311

うち為替業務

前連結会計年度

227

26

253

当連結会計年度

208

29

237

 

(注) 国際業務部門には、当行の外国為替業務等に関する収益、費用を計上しております。

 

 

(4) 国内・国際業務部門別預金残高の状況

○ 預金の種類別残高(末残) 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

預金合計

前連結会計年度

5,762,588

6,733

5,769,321

当連結会計年度

5,819,714

4,855

5,824,570

うち流動性預金

前連結会計年度

4,595,883

4,595,883

当連結会計年度

4,730,229

4,730,229

うち定期性預金

前連結会計年度

1,115,038

1,115,038

当連結会計年度

1,063,074

1,063,074

うちその他

前連結会計年度

51,666

6,733

58,399

当連結会計年度

26,411

4,855

31,267

譲渡性預金

前連結会計年度

420,317

420,317

当連結会計年度

468,365

468,365

総合計

前連結会計年度

6,182,905

6,733

6,189,638

当連結会計年度

6,288,079

4,855

6,292,935

 

(注) 1 国内業務部門とは、当行及び連結子会社の円建取引であり、国際業務部門は当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。

2 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金

3 定期性預金=定期預金+定期積金

 

(5) 業種別貸出状況及び外国政府等向け債権残高

 ① 業種別貸出状況(末残・構成比) 

業種別

前連結会計年度

当連結会計年度

金 額(百万円)

構成比(%)

金 額(百万円)

構成比(%)

国内
(除く特別国際金融取引勘定分)

3,908,036

100.00

3,922,052

100.00

製造業

245,881

6.29

251,249

6.41

農業、林業

6,110

0.16

5,295

0.13

漁業

1,689

0.04

1,400

0.04

鉱業、採石業、砂利採取業

2,824

0.07

2,834

0.07

建設業

91,657

2.35

88,597

2.26

電気・ガス・熱供給・水道業

248,697

6.36

249,139

6.35

情報通信業

11,191

0.29

11,373

0.29

運輸業、郵便業

68,506

1.75

70,804

1.81

卸売業、小売業

189,210

4.84

186,438

4.75

金融業、保険業

116,652

2.99

142,534

3.63

不動産業、物品賃貸業

409,694

10.48

423,084

10.79

地方公共団体

797,191

20.40

814,403

20.76

個人

816,865

20.90

843,920

21.52

その他

901,862

23.08

830,977

21.19

特別国際金融取引勘定分

政府等

金融機関

その他

合計

3,908,036

――――

3,922,052

――――

 

(注) 勘定系システムの移行に伴い、2023年度より、個人事業主向けの個人ローンについては「各業種」から「個人」に変更しております。

 

 

② 外国政府等向け債権残高(国別)

 該当事項はありません。

(6) 国内業務部門・国際業務部門別有価証券の状況

 ○ 有価証券残高(末残)

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

国債

前連結会計年度

114,508

114,508

当連結会計年度

371,262

371,262

地方債

前連結会計年度

145,766

145,766

当連結会計年度

172,750

172,750

社債

前連結会計年度

137,975

137,975

当連結会計年度

138,996

138,996

株式

前連結会計年度

31,097

31,097

当連結会計年度

44,625

44,625

その他の証券

前連結会計年度

107,350

26,730

134,081

当連結会計年度

113,965

36,646

150,612

合計

前連結会計年度

536,698

26,730

563,428

当連結会計年度

841,599

36,646

878,246

 

(注) 1 国内業務部門とは当行及び連結子会社の円建取引であり、国際業務部門は当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。

2 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。

 

(7) 「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づく信託業務の状況

 「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は提出会社1社です。

 

①信託財産の運用/受入状況(信託財産残高表/連結)

資産

科目

前連結会計年度
(2023年3月31日)

当連結会計年度
(2024年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

銀行勘定貸

5,895

100.00

6,010

100.00

合計

5,895

100.00

6,010

100.00

 

 

負債

科目

前連結会計年度
(2023年3月31日)

当連結会計年度
(2024年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

金銭信託

5,895

100.00

6,010

100.00

合計

5,895

100.00

6,010

100.00

 

(注) 共同信託他社管理財産 前連結会計年度末 -百万円 当連結会計年度末 -百万円

 

 

②元本補填契約のある信託の運用/受入状況(末残)

科目

前連結会計年度
(2023年3月31日)

当連結会計年度
(2024年3月31日)

金銭信託

(百万円)

貸付信託

(百万円)

合計

(百万円)

金銭信託

(百万円)

貸付信託

(百万円)

合計

(百万円)

銀行勘定貸

5,895

5,895

6,010

6,010

資産計

5,895

5,895

6,010

6,010

元本

5,895

5,895

6,010

6,010

 負債計

5,895

5,895

6,010

6,010

 

 

 

 (自己資本比率等の状況)

(参考)

自己資本比率は、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。

なお、2024年3月より、信用リスク・アセットの算出においては基礎的内部格付手法を採用し、バーゼルⅢ最終化を適用しております。

 

連結自己資本比率(国内基準)        (単位:億円、%)

 

2024年3月31日

1.連結自己資本比率(2/3)

9.83

2.連結における自己資本の額

1,827

3.リスク・アセットの額

18,592

4.連結総所要自己資本額

743

 

 

単体自己資本比率(国内基準)        (単位:億円、%)

 

2024年3月31日

1.単体自己資本比率(2/3)

9.35

2.単体における自己資本の額

1,720

3.リスク・アセットの額

18,395

4.単体総所要自己資本額

735

 

 

(資産の査定)

(参考)

資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。

 

1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権

破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。

 

2 危険債権

危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。

 

3 要管理債権

要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。

 

4 正常債権

正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。

 

 

資産の査定の額(単体)

 

債権の区分

2023年3月31日

2024年3月31日

金額(億円)

金額(億円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

184

175

危険債権

252

292

要管理債権

57

40

正常債権

39,350

39,405

 

 

 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当行グループ(当行及び連結子会社)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当行グループが判断したものであります。

 

 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 (財政状態)

当連結会計年度の譲渡性預金を含む総預金の期中平均残高は、個人、法人預金を中心に前連結会計年度末比734億円増加(増加率1.20%)し、6兆1,717億円となりました。

これは、多様なニーズにお応えする商品の提供に努め、お客さまの信頼を得た結果であります。

運用の要である貸出金の期中平均残高は、前連結会計年度末比1,993億円増加(増加率5.23%)し、4兆70億円となりました。

これは、お客さまのニーズに幅広く積極的にお応えしたことが主な要因であります。

また、有価証券の期中平均残高は、前連結会計年度末比1,827億円増加(増加率32.84%)し、7,392億円となりました。

これは、金融市場の変動に耐えうる安定的な収益確保のため、有価証券のポートフォリオ再構築に取り組んだ結果であります。

 

(単位:百万円)

主要勘定の

期中平均残高

前連結会計年度

(A)

当連結会計年度

(B)

増減

(B-A)

総預金

6,098,299

6,171,703

73,406

 

預金

5,565,755

5,655,257

89,502

 

譲渡性預金

532,544

516,446

△16,098

貸出金

3,807,628

4,007,001

199,372

有価証券

556,470

739,222

182,751

 

(※)平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社については、各連結会計年度の期首と期末の残高に基づく平均残高を利用しております。

 

なお、当連結会計年度末における連結ベースのリスク管理債権残高は、前連結会計年度末比13億円増加し515億円、総貸出金残高に占める比率は、前連結会計年度末比0.03ポイント上昇の1.28%となっております。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

残高

総貸出金に

占める比率

残高

総貸出金に

占める比率

残高

比率

リスク管理債権残高合計

50,185

1.25%

51,513

1.28%

1,327

0.03%

 

破綻更生債権及び

これらに準ずる債権

19,141

0.47%

18,227

0.45%

△913

△0.02%

 

危険債権

25,293

0.63%

29,245

0.73%

3,952

0.09%

 

三月以上延滞債権

1,076

0.02%

140

0.00%

△936

△0.02%

 

貸出条件緩和債権

4,674

0.11%

3,899

0.09%

△775

△0.01%

正常債権

3,945,582

98.74%

3,954,195

98.71%

8,613

△0.03%

総与信

3,995,767

――――

4,005,708

――――

9,941

――――

 

 

(経営成績)

(a) 連結業務粗利益[資金利益+役務取引等利益+その他業務利益]

連結業務粗利益は、資金利益及び役務取引等利益の増加により、前連結会計年度比32億42百万円増加の446億3百万円となりました。

資金利益は、貸出金利息の増加などにより、前連結会計年度比16億48百万円増加の338億47百万円となりました。

役務取引等利益は、役務取引等収益の増加などにより、前連結会計年度比5億50百万円増加の95億34百万円となりました。

その他業務利益は、その他業務費用の減少を主な要因として前連結会計年度比10億43百万円増加の12億21百万円となりました。

(単位:百万円)

連結業務粗利益の内訳

前連結会計年度

(A)

当連結会計年度

(B)

増減

(B-A)

連結業務粗利益

 

41,361

44,603

3,242

 

資金利益

 

32,199

33,847

1,648

 

 

資金運用収益

 

32,832

34,056

1,224

 

 

 

うち貸出金利息

 

25,918

26,620

702

 

 

 

うち有価証券利息配当金

 

4,088

4,751

663

 

 

資金調達費用

(△)

634

209

△424

 

 

 

うち預金等利息

(△)

239

262

△23

 

 

金銭の信託運用見合費用

 

0

0

△0

 

役務取引等利益

 

8,984

9,534

550

 

 

役務取引等収益

 

14,142

14,846

703

 

 

役務取引等費用

(△)

5,158

5,311

153

 

その他業務利益

 

177

1,221

1,043

 

 

その他業務収益

 

8,774

8,594

△180

 

 

 

うち国債等債券売却益

 

166

262

95

 

 

その他業務費用

(△)

8,597

7,373

△1,223

 

 

 

うち国債等債券売却損

(△)

458

20

△437

 

 

 

うち国債等債券償却

(△)

32

△32

 

(※)連結業務粗利益=資金利益(資金運用収益-資金調達費用+金銭の信託運用見合費用)+役務取引等利益(役務取引等収益-役務取引等費用)+その他業務利益(その他業務収益-その他業務費用)

 

(b) 連結実質業務純益[連結業務粗利益-営業経費(臨時費用処分を除く)]

営業経費(臨時費用処理分を除く)は、前連結会計年度比26億41百万円増加の350億6百万円となりました。

これは、基幹系システム移行関連費用の増加によるものであります。

その結果、連結実質業務純益は、営業経費(臨時費用処理分を除く)の増加の一方で、資金利益及び役務取引等利益の増加などにより、前連結会計年度比6億円増加の95億97百万円となりました。

 

(単位:百万円)

連結実質業務純益の内訳

前連結会計年度

(A)

当連結会計年度

(B)

増減

(B-A)

連結業務粗利益    

 

41,361

44,603

3,242

営業経費(臨時費用処理分を除く)

(△)

32,365

35,006

2,641

連結実質業務純益

 

8,996

9,597

600

 

 

(c) 経常利益〔連結実質業務純益-その他経常費用中一般貸倒引当金繰入額+その他経常損益(不良債権処理額・株式等関係損益等)〕

当連結会計年度のその他経常損益は、前年度に計上した回復の見込めない投資信託等の解約損の影響がなくなりましたが、不良債権処理額の増加により、前連結会計年度比1億19百万円減少の△28億88百万円となりました。一方で、一般貸倒引当金繰入額は予想損失率の低下により、前連結会計年度比11億41百万円減少の△16億12百万円となりました。

その結果、経常利益は、前連結会計年度比16億22百万円増加の83億21百万円となりました。

 

(単位:百万円)

連結経常利益の内訳

前連結会計年度

(A)

当連結会計年度

(B)

増減

(B-A)

連結実質業務純益  

 

8,996

9,597

600

その他経常費用中

一般貸倒引当金繰入額

(△)

△471

△1,612

△1,141

その他経常損益

 

△2,768

△2,888

△119

 うち不良債権処理額

(△)

2,842

3,687

844

 うち償却債権取立益

 

0

17

16

 うち株式等関係損益

 

△138

184

322

経常利益

 

6,699

8,321

1,622

 

(※)1 不良債権処理額=貸出金償却+貸倒引当金繰入額(その他経常費用中一般貸倒引当金繰入額を除く)+その他債権売却損等

 2 株式等関係損益=株式等売却益-株式等売却損-株式等償却

 

   <参考>

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(A)

当連結会計年度

(B)

増減

(B-A)

与信関係費用

(△)

2,370

2,057

△313

 

(※)与信関係費用=その他経常費用中一般貸倒引当金繰入額+不良債権処理額-償却債権取立益

 

(d) 親会社株主に帰属する当期純利益〔経常利益+特別損益-法人税等合計-非支配株主に帰属する当期純利益〕

特別損益は、固定資産処分損益が前連結会計年度と比較して減少したことなどにより、前連結会計年度比6億90百万円減少の△3億26百万円となりました。

法人税等合計は、前連結会計年度比1億72百万円増加の27億42百万円となりました。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比7億59百万円増加し52億52百万円となりました。

 

(単位:百万円)

親会社株主に帰属する

当期純利益の内訳

前連結会計年度

(A)

当連結会計年度

(B)

増減

(B-A)

経常利益

 

6,699

8,321

1,622

特別損益

 

363

△326

△690

 うち固定資産処分損益

 

483

123

△359

 うち減損損失

(△)

155

485

330

うちその他の特別利益

 

36

36

0

税金等調整前当期純利益

 

7,063

7,995

931

法人税等合計

(△)

2,570

2,742

172

非支配株主に帰属する当期純利益

(△)

親会社株主に帰属する当期純利益

 

4,493

5,252

759

 

(※)1 税金等調整前当期純利益=経常利益+特別損益(特別利益-特別損失)

2 親会社株主に帰属する当期純利益=税金等調整前当期純利益-法人税等合計-非支配株主に帰属する当期純利益

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、次のとおりとなりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、預金純増減の増加等により1,142億円の収入超過となりました。前連結会計年度との比較では、借用金の純増減の増加を主因として収入が8,741億円増加しました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却・償還による収入を有価証券の取得による支出が上回ったこと等から3,028億円の支出超過となりました。前連結会計年度との比較では、有価証券の取得による支出の増加等により支出が2,531億円増加しました。

財務活動によるキャッシュ・フローは配当金の支払による支出等により17億円の支出超過となり、前連結会計年度との比較では、支出が1億円増加しました。

この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前年度末比1,902億円減少し、1兆7,946億円となりました。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度(A)

当連結会計年度(B)

増減(B-A)

営業活動によるキャッシュ・フロー

△759,846

114,278

874,124

投資活動によるキャッシュ・フロー

△49,661

△302,831

△253,170

財務活動によるキャッシュ・フロー

△1,903

△1,732

171

現金及び現金同等物の期末残高

1,984,960

1,794,675

△190,285

 

 

③資本的支出の財源及び資金の流動性

 当面の設備投資、成長分野への投資並びに株主還元等は自己資金で対応する予定であります。

 また、当社グループは正確な資金繰りの把握及び資金繰りの安定に努めるとともに、適切なリスク管理体制の構築を図っております。貸出金や有価証券の運用については、お客さまからの預金を中心として調達するとともに、必要に応じてコールマネー等により資金調達を行っております。

 なお、資金の流動性の状況等については日次管理を行っており、定期的にALM委員会に報告しております。

 

 

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループが連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

貸倒引当金

(1)当連結会計年度に係る連結財務諸表に計上した額

 

前連結会計年度
(2023年3月31日)

当連結会計年度
(2024年3月31日)

 貸倒引当金

26,482

百万円

24,914

百万円

 

(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する理解に資する情報

①算出方法

貸倒引当金の算出方法は、「4.会計方針に関する事項」「(5)貸倒引当金の計上基準」に記載しております。

②主要な仮定

主要な仮定は、「債務者区分の判定における各債務者の将来の業績見通し」であります。「債務者区分の判定における各債務者の将来の業績見通し」は、債務者の実態的な財務内容、資金繰り、業種・業界等の特性を踏まえた事業の継続性、経営改善計画等の合理性・実現可能性、金融機関等の支援状況等を踏まえ、各債務者の収益獲得能力を個別に評価し、設定しております。

③翌連結会計年度に係る連結財務諸表に及ぼす影響

各債務者の業績変化等により、当初の見積りに用いた仮定が変化した場合は、翌連結会計年度に係る連結財務諸表における貸倒引当金に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。