下記の文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「常に技術の向上を目指し、お客様に美と夢と満足を提供する」を社是として定めております。ジュエリーやアクセサリー等の企画・開発並びに原材料の買い付け、製造、販売までの各過程における技術力を教育研修等により向上させ、お客様に美と夢と満足を提供してまいります。
(2)経営環境及び対処すべき課題
今後の経済情勢につきましては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されます。しかしながら、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっており、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
宝飾品業界におきましても、お客様による多様な選別化が進み、企業間の競争は更に激化することが予想されます。
このような経済情勢のもと、当社は、品質、デザイン及びコンセプトにこだわった新商品を企画・開発し品揃えを一層充実させるとともに、ホスピタリティ溢れる店舗運営の実践に取り組み、お客様に喜んでいただける店舗づくりに努めてまいる所存であります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、お客様に美と夢と満足を提供することにより、会社の持続的な成長を果たし、中長期的な企業価値の向上を達成することを経営の目標としております。経営指標としては、収益力を示す営業利益及び営業キャッシュ・フローを重視し、これらの拡大を目指しております。
当社の目標は、ジュエリーの製造、販売という仕事を通じて、「お客様に美と夢と満足を提供する」ことです。この目標に関連の深い「職場」「社内教育」「女性活躍」「環境対策」「奨学生支援」を重要課題(マテリアリティ)であると考え、重点的に取り組んでいます。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)ガバナンス及びリスク管理
(ガバナンス)
サステナビリティ全般に関するガバナンスの強化は社会の要請であり、当社としても重要視しております。当社は、代表取締役社長を責任者として、サステナビリティの取り組みを推進しています。
今後、さらなる体制構築を進めるとともに、全社的な取り組みをより一層強化してまいります。
(リスク管理)
サステナビリティに関する重要課題の決定、さらには重要課題の監督等のため、サステナビリティ関連のリスクと対応策について検討を行ってまいります。リスクと対応策については取締役会にて必要に応じて確認を行い、重要課題及びその目標や進捗状況を見直すなど適切に対応してまいります。
(2)重要課題
① 「職場」について
「職場」については、「働きやすい環境の整備」を心掛けています。
従業員の働き方や人材の多様性を踏まえた柔軟な労働環境を整備し、所定時間以外の労働時間の削減、福利厚生の充実及び有給休暇の取得促進など、ワーク・ライフ・バランスの実現を目指します。
また、社内での法令等の順守はもちろんのこと、何らかの問題が生じた場合には、所定の部署や外部の弁護士に報告・相談できる制度を設けることで自由に意見を交換しあえる「風通しのよい」環境を整備・維持します。
② 「社内教育」について
「社内教育」については、教育研修制度の整備を心掛けています。
具体的には、新入社員研修や在籍年数に合わせた研修、新任店長を対象とした研修等を行い、必要な知識・技能を学ぶ場を提供します。またオンラインの技術も利用して、教育研修をいっそう充実させます。
③ 「女性活躍の推進」について
「女性活躍の推進」については、社員の8割以上が女性であることを踏まえ、女性が店長や本社の管理職として活躍できる環境を整備しています。
たとえば、すでに結婚により苗字を変更する際に、職場では旧姓を名乗れるようにしています。また、男性社員も含め、育児休暇や介護休暇をいっそう取りやすくします。さらに、社員の子供が小学校3年の始期に達するまで勤務時間を短縮することができます。
④ 「環境対策」について
「環境対策」としては、エネルギー使用の合理化、貴金属等のリサイクル、環境に配慮した包装の推進に取り組んでいます。
具体的には、いわゆる「省エネ法」に基づいて燃料、熱、電気の消費量を計画的に削減しつづけています。
また、金やプラチナ、パラジウム、銀などの貴金属については、精錬業者と連携してリサイクルに努めています。
さらに、包装資材についてはプラスチック製のテープの代わりに木材パルプを原料とするセロテープを使うなど、プラスチックの使用量を減らしています。
手提げ袋については、管理された森林から作られた、環境に配慮された紙を使用しています。
また、お客様のジュエリーをお好みのデザインに作り変えるリフォームは、お客様の意識の変化もあり、徐々に増えている傾向にあります。
⑤ 「奨学生支援」について
「奨学生支援」については、公益財団法人ツツミ奨学財団(注)を通じて、経済的理由により修学が困難な大学生に奨学金を給付(返済不要)しています。
(注)公益財団法人ツツミ奨学財団は、2024年6月14日に公益財団法人堤征二記念奨学財団に名称変更しております。
(3)目標及び進捗状況
① 女性活躍推進に関する目標と進捗状況
1) 目標
・本社部門の管理職における女性比率を10%まで高める。
2) 進捗状況
・本社部門の管理職に占める女性割合 15.7%(2024年3月末日現在)
② 外国人活躍推進に関する目標と進捗状況
1) 目標
・多様化する消費者ニーズに対応できるように、全従業員における外国籍比率を1%まで高める。
2) 進捗状況
・全従業員に占める外国籍の従業員割合 0.2%(2024年3月末日現在)
③ 中途採用者活躍推進に関する目標と進捗状況
1) 目標
・本社部門の管理職における中途採用者比率を10%まで高める。
2) 進捗状況
・本社部門の管理職に占める中途採用者割合 13.7%(2024年3月末日現在)
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)原材料価格の変動について
当社の扱うジュエリーやアクセサリー等の主原材料である金、プラチナ等の貴金属や宝石は国際市況製品であるため、その流通価格や為替相場の変動が当社の業績に影響を与える可能性があります。その期間や影響度合いは、変動の期間や幅に左右されます。このリスクに対応するため、適正な数量の在庫を維持するとともに原材料価格の変動に対応したジュエリーやアクセサリー等の企画・開発に努める所存であります。
(2)店舗展開について
当社は賃貸借契約にてショッピングセンターへ出店しているため、ショッピングセンターの経営環境の変化によっては、当社の売掛債権や営業保証金並びに敷金などの未返還等が当社の業績に一時的に相当程度の影響を与える可能性があります。このリスクに対応するため、市場調査等により慎重な店舗展開を進める所存であります。
(3)個人情報の管理について
当社は接客の向上を目的として個人情報を保有しているため、何らかの要因により個人情報が漏洩した場合には法律的・社会的な責任が生じ、当社の業績に影響を与える可能性があります。その期間や影響度合いは、漏洩の態様に左右されます。このリスクに対応するため、社員への教育研修やシステムの構築などにより個人情報の管理体制を維持・強化する所存であります。
(4)人材確保について
当社の扱うジュエリーやアクセサリー等の企画・開発並びに原材料の買い付け、製造、販売には、優秀な社員が必要なため、人材の確保や教育研修が不十分な場合には業務の遂行に支障が生じ、当社の業績に影響を与える可能性があります。その期間や影響度合いは、人材の確保や教育研修が不十分な期間や程度に左右されます。このリスクに対応するため、人材の確保・教育には常に相当の投資をする所存であります。
(5)災害等について
当社の店舗や本社所在地を含む地域において、大地震や台風等の災害あるいは新型コロナウイルスのような感染症の拡大など予期せぬ事象等が発生した場合には正常な販売活動の停止、店舗・施設の物理的損害の発生等により、当社の業績に影響を与える可能性があります。その期間や影響度合いは、予期せぬ事象の期間や態様に左右されます。このリスクに対応するため、災害に関しては対応マニュアルにより発生に備え、予期せぬ事象等については保険により備えるほか、代表取締役社長を責任者として臨機応変に対応する所存であります。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の分類移行に伴い社会経済活動の正常化が一段と進み、雇用・所得環境が改善するなど緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の緊迫化、中国の景気後退懸念などもあり、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
宝飾品業界におきましても、こうした景況を反映し、企業を取り巻く環境は引き続き厳しい状況でありました。
このような経済情勢のもと、当社は、原材料の買い付けから、製造・販売に至るすべてを一貫して行う「バーティカル インテグレーション システム」の利点を活かし、多種多様なお客様のニーズにお応えできる商品の開発を行うとともに、既存店舗の活性化策として計11店舗のリニューアルを実施するなど営業力の強化に努めてまいりました。
その結果、売上高は19,907百万円(前期比9.9%増)となりました。利益面につきましては、営業利益が1,671百万円(前期比14.0%増)、経常利益が1,738百万円(前期比15.4%増)、当期純利益は1,155百万円(前期比27.1%増)となりました。
主要品目の販売実績は、ネックレス・ブレスレットは9,742百万円(前期比16.4%増)、指輪は6,080百万円(前期比0.3%増)、小物は4,221百万円 (前期比9.5%増)であります。
なお、当社の事業内容は、宝飾品の製造とその販売であり、区分すべき事業セグメントが存在しないため、セグメントごとの業績の状況の記載を省略しております。
② 財政状態の分析
当事業年度末の総資産は、69,075百万円となり、前事業年度末と比較して731百万円増加しております。これは主に、現金及び預金が1,964百万円減少したものの、商品及び製品が1,379百万円、原材料及び貯蔵品が518百万円、売掛金が421百万円、仕掛品が208百万円増加したことによるものです。
負債の部は、2,163百万円となり、前事業年度末と比較して354百万円増加しております。これは主に、未払金が209百万円増加したことによるものです。
純資産の部は、66,911百万円となり、前事業年度末と比較して377百万円増加しております。これは主に、利益剰余金が374百万円増加したことによるものです。利益剰余金の増加は、配当金の支払に伴い減少したものの、当期純利益の計上に伴い増加したことによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動及び投資活動並びに財務活動によりそれぞれ968百万円、214百万円、781百万円の資金を使用したことにより、前事業年度末に比べ1,964百万円減少し、36,538百万円となりました。
また、当事業年度における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動により使用した資金は968百万円(前年同期は643百万円の資金の獲得)となりました。
これは主に、前年同期において、税引前当期純利益を1,444百万円計上し、売上債権の増加85百万円、棚卸資産の増加361百万円があったことに対し、当事業年度において、税引前当期純利益を1,716百万円計上し、売上債権の増加427百万円、棚卸資産の増加2,106百万円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動により使用した資金は214百万円となり、前年同期と比べ322百万円の減少となりました。
これは主に、前年同期と比べ有形固定資産の取得による支出が348百万円減少し、有形固定資産の売却による収入が97百万円、無形固定資産の取得による支出が78百万円それぞれ増加したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動により使用した資金は781百万円となり、前年同期と比べ312百万円の増加となりました。
これは主に、前年同期と比べ配当金の支払額が312百万円増加したことによるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社の事業内容は、宝飾品の製造とその販売であり、区分すべき事業セグメントが存在しないため、製品の種類別に生産実績及び販売実績を記載しております。
1) 生産実績
|
区分 |
当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
ネックレス・ブレスレット(百万円) |
6,410 |
145.8 |
|
指輪 (百万円) |
2,710 |
129.3 |
|
小物 (百万円) |
2,223 |
119.7 |
|
その他 (百万円) |
― |
― |
|
合計(百万円) |
11,345 |
135.9 |
(注) 金額は製造原価によっております。
2) 受注実績
当社は、見込み生産を行っており、受注生産は行っておりません。
3) 販売実績
|
区分 |
当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%)
|
|
ネックレス・ブレスレット(百万円) |
9,742 |
116.4 |
|
指輪 (百万円) |
6,080 |
100.3 |
|
小物 (百万円) |
4,221 |
109.5 |
|
その他 (百万円) |
26 |
― |
|
売上控除等 (百万円) |
△163 |
102.0 |
|
合計(百万円) |
19,907 |
109.9 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は、消費者ニーズの変化に対応した新商品の開発に継続的に取り組んでおり、ハウスブランド「Pure Planets」「Blessed Rain」の新作シリーズ等を適時投入しております。
また、新作ジュエリー等の認知度向上のため、ホームページ等でのスタイリング動画の公開や、雑誌やSNSツールを活用したプロモーションにも注力してまいりました。
店舗につきましては、既存店11店舗のリニューアル及び4店舗の退店を実施いたしました。その結果、当事業年度末現在の店舗数は157店舗となり前事業年度末現在と比較して4店舗減少しております。地方別の店舗数については、東北地方が7店舗、関東地方が97店舗、中部地方が15店舗、近畿地方が19店舗、中国地方が4店舗、四国地方が4店舗、九州地方が11店舗となっております。
なお、当社の事業内容は、宝飾品の製造とその販売であり、区分すべき事業セグメントが存在しないため、セグメントごとの業績の状況の記載を省略しております。
1) 当事業年度の経営成績等
(イ) 売上高
売上高は、19,907百万円となり前事業年度と比較して1,787百万円増加しております。
これは主に、ネックレス・ブレスレットが1,376百万円、小物が367百万円増加したことによるものです。それぞれの増加は、主に店舗への来店客数並びに販売数量が増加したことによるものです。
(ロ) 売上原価
売上原価は、9,933百万円となり前事業年度と比較して1,367百万円増加しております。
これは主に、販売数量が増加したことによるものです。
(ハ) 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、8,302百万円となり前事業年度と比較して214百万円増加しております。
これは主に、販売諸費・手数料が119百万円増加したことによるものです。
(ニ) 営業外損益
営業外損益におきましては、営業外収益111百万円は、前事業年度と比較して29百万円増加しております。営業外費用43百万円は、前事業年度と比較して3百万円増加しております。
(ホ) 特別損益
特別損益におきましては、特別利益23百万円は、前事業年度と比較して23百万円増加しております。特別損失46百万円は、前事業年度と比較して16百万円減少しております。
2) 経営成績に重要な影響を与える要因
当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、経済情勢、消費者ニーズの変化、他社との競合、法的規制等、様々なリスク要因があると認識しております。
そのため、当該リスクを分散・低減すべく、市場動向に留意しつつ、内部管理体制の強化等、適切に対応していく所存であります。
なお、経営成績に重要な影響を与える要因のうち、投資者の判断に重大な影響を与える可能性のある事項については、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載しております。
3) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、お客様に美と夢と満足を提供することにより、会社の持続的な成長を果たし、中長期的な企業価値の向上を達成することを経営の目標としております。経営指標としては、収益力を示す営業利益及び営業キャッシュ・フローを重視し、これらの拡大を目指しております。
なお、当事業年度の営業利益につきましては1,671百万円となり、前事業年度と比較して205百万円増加しております。
営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、営業活動により使用した資金は968百万円(前年同期は643百万円の資金の獲得)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社は、健全で安定した財務体質の形成に努めております。
必要な運転資金及び設備投資資金を全額自己資金で賄っており、自己資金の範囲内で安全かつ安定的な資金運用が可能と認識しております。なお、次期の設備投資等の総額は932百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社は、品質向上及びコストダウンのための不断の技術改善/研究開発、及び多様なお客様のニーズを的確に商品に反映し商品価値のある新製品の開発を進めております。
当事業年度は以下の研究課題に取り組んでおります。
(1) お客様にとって魅力のあるデザインの追求及び製品の開発。
(2) 冶金技術、鋳造技術の更なる研究開発を通し、低コストで安定した品質の製品の製造技術の確立。
(3) 総合的な技術開発の結果を基に、より繊細な石留技術の開発。
(4) コンピューターを使った自動デザイン製作及び自動ワックス成型化により、市場からのニーズに応えた迅速な新製品の製造を可能とする技術の確立。
なお、当事業年度における研究開発費の総額は、
当社の事業内容は宝飾品の製造とその販売であり、区分すべき事業セグメントが存在しないため、セグメントごとの研究開発活動の記載を省略しております。