文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社は、持株会社である当社と国内外の連結子会社により構成されるグループ経営を展開しており、証券ビジネスをコアとする資産運用サービスの提供を通じて持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
当社では、2023年4月に迎えた創業100周年を越えてお客さまから信頼され成長を続けられる体制を確立するための改革の実現に向け、2020年4月から2023年3月までの3年間を対象期間とした中期経営計画において、「お客さま本位のサービス提供」、「シェアードバリューの創出」、「デジタライゼーションへの取り組み」を基本方針に据え、企業価値の向上に努めました。
計画最終年度となった当連結会計年度は、引き続きグループ証券各社においてお客さま体験価値(CX)戦略に取り組み、中核の岡三証券株式会社ではお客さまとの接点拡充に向けた店舗戦略も推進しました。グループ戦略としては、効率的かつ機動的なグループ運営を目的として子会社6社を完全子会社化したほか、資産運用ビジネスの基盤拡大を図るため、SBIグループとの間で岡三アセットマネジメント株式会社を合弁会社化しました。さらに、証券基幹システムを自社運用から業界標準的なシステムをサービス利用する形態へ変更し、経営資源の戦略領域への重点的な配分やデジタル化促進に向けた体制を構築するなど、グループの枠にとらわれない成長戦略を推進しました。
また、次の100年も持続的な成長を実現するための経営基盤の確立に向け、2023年4月から2028年3月までを対象期間とする5カ年の新中期経営計画を策定しました。創業以来の経営哲学である「お客さま大事」を礎に、金融のプロフェッショナルとして「お客さまの人生に貢献する」証券グループへとさらなる発展を目指してまいります。
私達は今、歴史的な構造転換に伴う不確実性が極めて高い混乱期に直面しています。グローバル化を前提に近年まで続いてきた緩やかな景気拡大、低インフレの環境が大きく揺らぎ、金融市場のボラティリティが拡大しています。当社グループを取り巻く経営環境においても、わが国の人口減少、少子高齢化に加え、金融規制、制度の見直しや手数料の引下げ競争、デジタル化の進展など、構造変化のうねりが押し寄せてきており、適切な対応が求められる局面を迎えています。
一方、長期的な視点に立てば、インフレ環境への転換や政策の後押しにより、リスク資産への資金流入が増加することが想定され、証券業界の成長機会、果たすべき役割は増大すると考えています。証券業界においては、縮小均衡による効率化を志向する動きもありますが、資産運用ニーズ拡大の受け皿としての当社グループの地位を確固たるものにすべく、他社とは一線を画し、戦略領域への経営資源の集中投資により独自の成長戦略を実行していく方針です。
当社グループは2023年4月に創業100周年を迎えましたが、次の100年も成長を続ける経営基盤の確立に向け、2027年度までの5ヵ年を対象とする新中期経営計画を策定いたしました。資産全体を捉えたトータルコンサルティングを通じてお客さまのメイン金融機関となるビジネスモデルを目指してまいります。何よりも「人」を大切にし、成長戦略の基本方針として「One to Oneマーケティングの強化」、「プラットフォームの高度化」、「コーポレートブランディングの進化」を掲げ、その実現性を高めるために全領域でデジタル化を推進いたします。自前主義にこだわらず、ビジネスパートナーとの連携を強化することで改革を加速させ、お客さまに「付加価値」の高いサービスを提供してまいります。
1923年の創業以来の経営哲学である「お客さま大事」を礎に、金融のプロフェッショナルとしてコンサルティングサービスの高度化を図り、「お客さまの人生に貢献する」証券グループへとさらなる発展を目指します。また、「サステナビリティは、経営そのものである」との考えの下、本業を通じて社会の持続的な成長に貢献する取り組みをより一層強化し、社会とともに発展する企業であるよう努めてまいります。
当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に取り組み、特に重要な経営指標として、連結ROE(株主資本利益率)8%の達成を目標として掲げております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
サステナビリティの重要な議案、個別施策に関する議案についてはサステナビリティ推進室あるいは担当部門から報告を受けた経営会議にて討議・決議をおこない、取締役会は適宜、報告を受け、審議・監督する体制を執っております。
また、リスク管理では、全社的なリスク管理は「3 事業等のリスク」のとおり実施しておりますが、サステナビリティに係るリスクに関しても、既存のリスク管理の枠組みによる体制の構築に努めております。
(2)重要なサステナビリティ項目
当社グループの重要なサステナビリティ項目は以下のとおりであります。
・気候変動対応
・人的資本対応
それぞれの項目に係る当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
①気候変動対応
<ガバナンス>
気候変動に関する重要な事項や取り組みは、サステナビリティ推進室から経営会議に報告し、討議・決議した上で、取締役会は適宜、審議・監督する体制を執っています。
<戦略>
a.マテリアリティとの関係
当社グループは2021年10月にマテリアリティ(重要課題)を策定・公表しました。ビジネス領域のひとつとして“社会づくり”(気候変動への対応を含むサステナブルな社会の実現)を掲げており、サステナブルファイナンスやESGファンドの取扱い、サステナブル投資に関する情報発信等を通じて社会課題の解決と地域貢献を推進しています。
b.シナリオ分析
以上のような課題認識のもと、気候変動関連のリスクと機会を把握するためシナリオ分析を実施しています。気候変動に係る幅広い将来像に備えるため「4℃シナリオ」(気候変動の対策が進まない)と、「1.5/2℃シナリオ」(脱炭素に向けた変革が進展する)の2つのパターンを想定し、それぞれのパターンにおいて考慮すべきリスクや機会を設定し、事業インパクトを算出しています。
選択したシナリオにおける気候変動のインパクトの考え方は以下のとおりです。
1.5/2℃シナリオ:気候変動の抑制に向けた市場の変化、規制強化の中で、移行リスクの影響が比較的大きい
4℃シナリオ:洪水等自然災害による物理的リスクの影響が比較的大きい
シナリオ分析においては、国際エネルギー機関(IEA)のシナリオや気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク(NGFS)のシナリオを活用しています。
(i)リスク・機会に係る定性分析
上記のシナリオにおける定性分析として、それぞれのパターンにおいて発生が想定される気候変動による移行リスク及び物理的リスクを設定し、当社グループの戦略・ビジネスにとっての重要度が比較的高いと考えられるリスクを特定し、それぞれ想定される影響やその発生時期、ビジネスへの影響度を分析いたしました。
表1 想定される当社グループへの影響
※発生時期は短期:現在~3年、中期:3~10年、長期:10~30年を想定
当社グループにおける影響の大きな事象として、移行リスクでは、低炭素社会への移行に伴い重大な影響を受けるお客さまとのビジネス機会減少、気候変動リスクへの対応が不十分とみなされた場合の評判悪化による調達コスト増加・ビジネス機会減少などを想定しています。物理的リスクでは、自然災害による当社施設や事業インフラの損壊による各種コストの発生、お客さまが自然災害により重大な影響を受けることによる当社グループのビジネス減少などを想定しています。
なお、物理的リスクへの対応として、自然災害の発生等に備えて、「業務継続計画(BCP)の策定」及び「危機対策本部の設置」によるリスク管理体制を構築しています。
一方、当社グループにとっての事業機会として、表2を想定しています。
表2 当社グループにとっての事業機会
今後、当社グループでは、これらの機会を捉えるための対応として多様な金融サービスの提供を強化していきます。
(ii)リスク・機会に係る定量分析
定性分析に加え、上記のシナリオに基づく定量分析を実施し、2030年における財務インパクトを試算しました。
移行リスクについては、炭素税導入に係るコスト増や評判低下による調達コストへの影響のほか、当社グループの証券ビジネスの委託手数料への影響等を分析しています。物理的リスクについては、急性リスクである営業拠点の洪水被害による営業停止や当社施設の損傷や市場イベント等の影響を分析しています。なお、洪水被害は主要な拠点である国内拠点を想定したものとしています。
移行リスクでは、脱炭素・サステナブルファイナンスへの取り組みを継続することで、関連ビジネスを拡大し気候変動対策に対する当社のレピュテーションを保つことが重要であること、物理的リスクでは、異常気象による洪水等の直接的な影響に加え、市場を介した間接的な影響もあるため、気候災害の市場イベント時にも耐えうるリスク管理の必要性が認識されました。
試算の結果、いずれのシナリオでも気候変動関連のリスクと機会に対して適切な対策ができない場合は収益が圧迫される一方で、適切な対応をとることや機会を享受することができれば、当社グループの財務に与える影響は限定的となることが分かりました。
<リスク管理>
気候変動に関するリスクは自然災害・環境、経済環境やファイナンスなどの経営環境にも影響を及ぼすと考えています。既存のリスクに複雑に影響することから、当社グループの保有するリスクの特性に応じたリスクコントロールを行うべきと考え、既存のリスク管理カテゴリーに統合した体制を整備しています。
<指標及び目標>
GHGプロトコルと整合した環境省・経済産業省の基本ガイドラインに従って温室効果ガス(GHG)排出量を算出しています。事業活動を通じたエネルギー消費とGHGの排出削減に向け、引き続き対策を講じていきます。
GHG排出量(単位:t-CO2)
対象範囲:株式会社岡三証券グループ、岡三証券株式会社
当社グループは、気候変動関連のリスク・機会を経営の重要課題のひとつと捉え、今後も、TCFD提言に基づく情報開示のさらなる充実を図り、サステナブルな社会の実現に貢献するための取り組みを進めていきます。
②人的資本対応
<戦略>
当社グループでは、性別、年齢、信条、宗教、国籍、人種、障がいの有無等の多様性を受容し、あらゆる人材が個性と能力を発揮でき、個人が有する属性によって不平等が生じないよう、人材の採用や評価・処遇等の諸制度を適切に運用してまいります。今後も会社の持続的な成長を促進するため、これまでのキャリアで培われたさまざまなバックグラウンドを礎とした多様性を尊重しながら優秀な人材を獲得し、当社グループの中核を担う人材として積極的に指導的立場へ登用する施策を進めてまいります。
このような考え方のもと、男女ともに活躍できる環境・組織風土の醸成を目的として、各種人事制度・研修制度の拡充や新たな施策推進に向け取り組んでおります。当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。
(人材育成方針)
当社グループの社員がお客さまに高い付加価値を提供し続けるためには、証券のプロフェッショナルとしての高度な知識と専門性、高い倫理観が不可欠という考え方のもと、「多様な個性が輝き、躍動する」人材の育成に取り組んでおります。従業員一人ひとりの能力を向上させるため、中核子会社である岡三証券を中心に多彩な教育・研修プログラムを導入し、人材育成に力を入れております。
(ⅰ)階層別研修プログラム
・新入社員や第二新卒採用社員に対しては、証券ビジネスプロフェッショナルとしての基礎を築くため、集合研修(座学)及び営業店での営業研修を実施しております。
・店部長、管理職、主任等、各階層に必要な知識・役割認識・マネジメント力向上を目的とした集合研修を定期的に実施しております。
(ⅱ)マネージャー層へのマネジメント力向上施策
・各マネージャーに自身の行動を振り返る機会を与え、職場の部下や同僚からのフィードバックを通じてマネジメント行動を向上・改善することを目的とした「マネージャー行動診断」を毎年役職層別に実施しております。
(ⅲ)自律的な成長を促す育成支援施策
・金融プロフェッショナル育成のための社内研修制度「岡三・キャリア・アカデミー」において、金融専門知識だけでなく、社会的使命・役割を意識した主体的かつ能動的な思考・行動のとれる人材の育成を進めております。
・社員が時間を有効活用しながら自律的に学習する仕組みとして「岡三Web ラーニング・ライブラリ」(研修用ポータルサイト)を導入し、金融・マネジメント・ダイバーシティ・コミュニケーション・ハラスメント・マインド・資格取得・マナー等、100種類以上の講座から選択が可能な学習環境を提供しております。
(社内環境整備方針)
当社グループで働く社員が高いモチベーションを持ちパフォーマンスを最大限に発揮し続け、多様なキャリアパスや働き方の実現ができるよう、さらなる環境整備を進めております。当社のマテリアリティ(重要課題)「人材」(人材育成、労働環境整備)における取組方針「社員が輝く職場づくりのために」を全社的に推進する体制の確立を目的として「ダイバーシティ推進プロジェクトグループ」を設置し、多様性確保・働き方改革の実現に向け必要な取組み・課題解決を推進し、KPIの達成と多様な社員が活躍する社内環境のさらなる整備を図る体制を構築いたしました。また、多様な人材が活力と成長を生むとの考えのもと、社員それぞれの能力や適性に応じて強みを発揮できるような施策や、柔軟な働き方を可能とする勤務体系の導入などを実施しております。
なお、具体的には以下の環境を整備しております。
(ⅰ)多様な社員の活躍・育成支援を推進する施策
・女性活躍推進
女性のライフステージとキャリアパターンに合わせた多様な働き方を推進するため、小学校就学前の子を持つ支店営業社員を対象として、仕事と育児を両立し、安心して働き続けることができる職務を限定した「WLB(Work Life Balance)育児コース」を導入しております。また、育児支援制度のさらなる充実を目的として、小学校6年生までの子を養育する社員まで育児短時間勤務制度等の対象を拡充する等、各種制度の充実に取り組んでおります。
・高齢者雇用の取組み
当社では定年退職者の豊かな経験や能力を積極的に活用するため、定年後も継続して勤務可能とする「継続雇用制度」を導入しております。
(ⅱ)自律的な自己成長・キャリア形成を促す施策
・社内人材公募制度
社員自らの意思で希望する業務にチャレンジできる機会を提供するために、社内人材公募制度(Okasan Career Challenge)を導入しております。
・総合職転換制度
入社後、一定期間を経たのち、転勤を伴わないエリア総合職から総合職へ転換できる制度を導入し、キャリアの幅を広げる機会を提供しております。
・再入社支援制度
学業や新たなフィールドへのチャレンジ等のキャリアアップや、結婚・育児・介護・配偶者の転勤といったライフステージの変化等を理由に退職された方に対して、これまで培ってきた知識・スキル・多様な経験を活かし、改めて当社でチャレンジしたい方を対象とした再入社支援制度(Okasan Seagull Club)を導入しております。
(ⅲ)社員の健康保持・増進を実現するための支援施策
当社グループでは、従業員の健康の保持・増進を目的として、常駐の保健師による健康管理体制を構築しております。全社員の健康診断の結果をもとに保健師が健康管理者・産業医と連携し、月に一度フォローが必要な社員の洗い出しを行い、専門的見地からのアドバイス、受診後のアフターフォローに力を入れております。
(ⅳ)従業員の経済的な安定を支援する取り組み
当社グループでは、従業員の経済的な安定を支援する取り組みについても推進しており、中長期的な資産形成に資するよう、確定拠出年金制度及びマッチング拠出、各種積立投資並びに貯蓄制度等を整備しております。
<指標及び目標>
当社グループでは、上記「戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
(注)中核子会社である岡三証券の数値
証券業界を取り巻く環境は目まぐるしく変化していくなか、証券ビジネスを中核事業とする当社グループは環境の変化に対応するための戦略を実行する必要があります。そのため、リスク管理の果たす役割はますます重要となってきております。
このような環境下、当社グループではリスクアペタイトフレームワークの枠組みを構築し、当社グループが直面している経営環境及び経営方針に従った事業計画を実行する上で生じるリスクを識別、管理することが重要であると考えています。
そのため、グループの事業特性を考慮し、管理すべきリスクとしてリスクカテゴリを定めています。その上で、リスクカテゴリ内の各リスクを識別し、リスクを定量化した上で、事業計画達成のために進んで受け入れるべきリスクの種類と総量をリスクアペタイトとして表現し、定量化されたリスクがリスクアペタイトの範囲に収まるように管理を実施しております。なお、管理すべきリスクの種類及び管理方針は毎年見直しを行い、経営環境、事業戦略等の変化に応じて見直しを実施しています。
一方で、リスクのコントロールが困難であり、当社の業務遂行への影響度が大きいと思われる事案に対しては、別途、業務継続計画を定めて対応することとしております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであることから、実際の結果と異なる可能性があります。また、当該記載事項については、必ずしもリスク要因に該当しない場合もありますが、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性等を考慮し記載しております。
政治、経済環境、業界構造、競合企業、法規制、資本調達、株主構成、自然災害、テクノロジーの革新等の外部経営環境の変化によって当社グループが損失を被る可能性があります。
当社グループの主要事業であります金融商品取引業は、日本国内のみならず世界各地の市況動向や経済動向により投資需要が変化し、顧客からの受入手数料、トレーディング損益等が大幅に変動しやすいという特性があり、これら国内外の金融商品市況の動向や金融商品取引所における取引の繁閑が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは対面営業を主力とする専業証券として、長年に亘り地域密着した営業活動により競争優位を築いてまいりましたが、近年の証券業界においては、同業他社に加えて銀行等の競合、異業種やフィンテック系スタートアップからの参入、及び業界再編などにより、今後も激しい競争環境が続くことが予想されます。このような状況下、当社グループの競争力の優位性が維持できない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、その業務の種類に応じて、法令・諸規則の規制を受けております。岡三証券株式会社を始め国内で金融商品取引業を営む証券子会社等は、金融商品取引法の規制を受けるほか、各金融商品取引所、日本証券業協会等の自主規制機関による諸規則等の規制を受けます。また、海外の子会社については、現地法上の規制を受けます。
当社グループが受ける法令・諸規則の規制から引き起こされるリスクを網羅的に把握するとともに、管理の適正性をモニタリングすることによって、リスクを適正に管理できるよう、「統合リスク管理規程」に基づく体制整備を行っております。
しかし、将来において、法的規制が強化されたり、現在予期し得ない法的規制等が設けられる可能性があり、関連法令を遵守できなかった場合、規制、命令により業務改善や業務停止の処分を受けるなど、事業活動が制限され当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、2023年3月に新中期経営計画を発表し、「金融のプロフェッショナルとしてお客さまの人生に貢献する」ことを存在意義として掲げ、「One to One マーケティングの強化」「プラットフォームの高度化」「コーポレートブランディングの進化」を基本方針に据えました。また、成長戦略の実現性を高めるために、全領域にて“デジタル化”を推進しています。
将来これらの施策が計画通りに進行しない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
事務処理のプロセスが正常に機能しないこと、役職員の行動が不適切であること、又は災害・犯罪等の外部的事象の発生により、当社グループに対する損害賠償請求や信用力の低下等のリスクを網羅的に把握するとともに、管理の適正性をモニタリングすることによって、リスクを適正に管理できるよう、「統合リスク管理規程」に基づく体制整備を行っています。
しかし全ての事象に対応することは不可能であるため当社の想定を超える不測の事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主要な事業であります金融商品取引業においては、事業の特性上、業務執行に必要となる大量の資金を機動的かつ安定的に調達する必要があります。財政状態の悪化、資産の流動性悪化、信用格付低下等の要因により短期金融市場・資本市場等からの資金調達が困難となる、あるいは資金調達コストが上昇するなど流動性リスクの顕在化に迅速に対応するため、ストレステストを実施することで、相場急変時の影響をモニタリングしております。
しかし、予想を超えた量の資金流出や急激な信用格付低下といった当社の想定を超える不測の事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの業務執行に際しては、コンピュータ・システムの利用は不可欠なものとなっております。そのため、インターネット取引や当社グループが業務上使用しているコンピュータ・システムや回線が品質不良、外部からの不正アクセス、災害や停電等の諸要因によって引き起こされるリスクを網羅的に把握するとともに、管理の適正性をモニタリングすることによって、リスクを適正に管理できるよう、「統合リスク管理規程」に基づく体制整備を行っております。
コンピュータ・システムの不正利用等による顧客及び役職員の個人情報、経営情報等の機密情報の漏洩等、引き起こすリスクを網羅的に把握するとともに、管理の適正性をモニタリングすることによって、リスクを適正に管理できるよう、「統合リスク管理規程」に基づく体制整備を行っております。
顧客情報の流出や個人情報の漏洩等が生じた場合、損害賠償の請求や、監督官庁から行政処分を受ける可能性があるほか、当社グループの社会的信用が毀損され顧客の流出につながり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループに対する噂、悪評、信用不安情報や誤解、誤認、誇大解釈等が、マスコミ、その他社会一般等に広がることにより、当社の評価、評判が低下し、当社の業績に悪影響が生じる等の損失を被る可能性があります。
自然災害の発生や病原性感染症の拡大等に備えて、「業務継続計画(BCP)の策定」及び「危機対策本部の設置」によるリスク管理体制を構築しておりますが、当社の想定を超える不測の事態が発生する場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
従業員の「就業規則」等の諸規則違反、職場の安全衛生環境の問題及び労務慣行の問題に起因して当社が損失を被る可能性並びに役職員の不法行為により使用者責任を問われ、当社が損失を被る可能性があります。
法令等や各種取引上の契約等において、法令遵守違反や契約違反その他これらに伴う罰則の適用や損害賠償等の発生により、当社が損失を被る可能性があります。これらの経営法務リスクについてはグループ各社が個別に管理しており、リスクを網羅的に把握するとともに、管理の適正性をモニタリングすることによって、リスクを適正に管理できるよう、「統合リスク管理規程」に基づく体制整備を行っております。
当連結会計年度末現在において当社グループの事業に重要な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来、重要な訴訟等が提起された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、自己の計算において株式・債券・為替等及びそれらの派生商品などの金融資産を保有しておりますが、急激な市況変動・金利変動等によりこれらの金融資産の価値が変動した場合、取引先が決済を含む債務不履行に陥り保有する有価証券の発行体の信用状況が著しく悪化した場合、加えて、市場の混乱等により市場において取引が出来なかったり、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより当社グループが損失を被る場合等、元本の毀損や利払いの遅延等による損失に対応するため、リスク相当額の限度額を定め、日々モニタリングしています。
しかし、予想を超えた急激な市況変動・金利変動といった当社の想定を超える不測の事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響からの経済活動正常化に伴い、資源価格上昇と供給制約の影響を受けつつも、回復の動きとなりました。一方で海外経済は、金融引き締めやウクライナ情勢などを背景に減速の動きが見られました。このようななか、輸出や鉱工業生産は、海外需要減速の影響を受けつつも、供給制約の緩和により回復が進みました。設備投資は堅調な企業収益等を背景に底堅い動きが見られたほか、個人消費もWithコロナの進展で回復基調を維持しました。また、資源高を起因とした幅広い品目の価格上昇により、全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数)の前年同月比は1月に1981年以来の4.2%まで上昇しました。
株式市場においては、米国の金融政策の方向性に大きく影響を受ける形で、日経平均株価は一進一退の推移となりました。4月に27,600円台で始まった日経平均株価は、中国の都市封鎖による先行き不透明感や、米連邦準備制度理事会(FRB)の性急な金融引き締めを嫌気した場面が見られたものの、7月末まで25,000~28,000円台のレンジで推移しました。8月には、一時的に米インフレ懸念が和らいだことなどを受けて約7ヵ月半ぶりとなる29,000円台を回復しましたが、FRBの長期的な金融引き締め姿勢や資源価格の高騰による欧州の景気後退懸念を受け、10月初旬にかけて再び一時25,000円台まで下落しました。その後、年末にかけて再び一進一退で推移した後、1月以降は、FRBの利上げ停止を巡る観測が高まるなか、中国の製造業景況感の大幅改善などを好感して上昇基調を強めていたものの、米欧発の金融システム不安が台頭したことで、日経平均株価は28,041円48銭で当年度の取引を終えました。
為替市場では、日銀の金融緩和姿勢の維持による内外金利差の拡大から円売り圧力が強まり、10月にドル円相場は1990年以来となる1ドル=150円台まで円安ドル高が進行しました。その後、米国においてインフレ率の頭打ちの兆しが見られたことや、FRBの利上げペース鈍化観測が浮上したことから、ドル円相場は反転しました。さらに、日銀が12月にイールドカーブ・コントロールの見直しを決定し、内外金利差が縮小したことを受け、ドル円相場は1ドル=120円台後半をつけました。その後は、米国経済の底堅さを示す経済指標が相次ぎ、米長期金利が上昇したことを受けて円安ドル高が進行したものの、年度末にかけて米欧の金融不安などからリスクオフの流れが強まり、1ドル=133円台で当年度の取引を終えました。
このような状況のもと、当社グループでは中期経営計画の基本方針に基づき、さまざまな施策を推進しました。効率的かつ機動的なグループ運営を行うことを目的として子会社6社を完全子会社化したほか、グループの枠を超えた成長戦略として資産運用ビジネスの基盤拡大を図るため、SBIグループとの間で岡三アセットマネジメント株式会社を合弁会社化しました。さらに、証券基幹システムを業界標準的な共同利用型システムへと変更し、経営資源を戦略領域へ重点的に配分する体制構築が進展しました。中核子会社の岡三証券株式会社では、引き続きCX(お客さま体験価値)向上に取り組み、お客さまとの接点拡充のための店舗戦略を推進したほか、岡三オンライン証券カンパニーにおいて丸三証券からインターネット取引口座「マルサントレード」の事業を譲り受け、営業基盤の強化を図りました。
また、サステナブルな社会の実現に向けて、TCFD提言に基づく分析・開示を含む気候変動への対応、ダイバーシティ推進のほか、ファイナンスを通じた社会課題解決への貢献や金融教育の推進など、証券ビジネスを通じたサステナビリティの取り組みを強化しました。
当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べ594億90百万円増加し8,760億57百万円、負債合計は前連結会計年度末に比べ637億12百万円増加し6,904億18百万円、純資産合計は前連結会計年度末に比べ42億21百万円減少し1,856億38百万円となりました。
当連結会計年度における当社グループの営業収益は665億51百万円(前年度比10.0%減)、純営業収益は649億2百万円(同10.8%減)となりました。販売費・一般管理費は659億36百万円(同2.5%減)となり、経常利益は4億21百万円(同93.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5億29百万円(同94.7%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
証券ビジネスの営業収益は611億73百万円(前年度比8.6%減)、セグメント損失は8億69百万円(前年度は55億10百万円の利益)となりました。
アセットマネジメントビジネスの営業収益は70億89百万円(前年度比25.9%減)、セグメント利益は72百万円(同79.9%減)となりました。
サポートビジネスの営業収益は142億93百万円(前年度比5.6%増)、セグメント利益は11億28百万円(同151.0%増)となりました。
上記のセグメント別営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高が含まれており、セグメント利益は連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ42億48百万円増加し、840億37百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、13億59百万円となりました。これは主に、トレーディング商品の増減337億1百万円、受入保証金の増減57億81百万円、有価証券担保貸付金及び有価証券担保借入金の増減49億2百万円、税金等調整前当期純利益30億34百万円による資金の獲得と、信用取引資産及び信用取引負債の増減242億14百万円、預り金の増減95億54百万円による資金の使用の差し引きによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は、16億67百万円となりました。これは主に、事業譲受による収入50億84百万円、有価証券の売却による収入25億円による資金の獲得と、無形固定資産取得の支出74億90百万円による資金の使用の差し引きによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、165億84百万円となりました。これは主に、短期借入金の純増減117億43百万円、連結子会社の増資による収入99億65百万円による資金の獲得と、配当金の支払額29億66百万円、自己株式の取得による支出25億円による資金の使用の差し引きによるものであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ594億90百万円増加し8,760億57百万円となりました。これは主に、信用取引資産が273億35百万円、トレーディング商品が126億77百万円、投資有価証券が63億37百万円、ソフトウエアが55億39百万円増加した一方、約定見返勘定が86億65百万円減少したことによるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ637億12百万円増加し6,904億18百万円となりました。これは主に、約定見返勘定が243億14百万円、短期借入金が143億84百万円、トレーディング商品が133億98百万円、有価証券担保借入金が111億92百万円増加したことによるものであります。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ42億21百万円減少し1,856億38百万円となりました。これは主に、資本剰余金が134億24百万円増加した一方、非支配株主持分が93億29百万円減少したことによるものです。
(トレーディング業務の概要)
当連結会計年度の年度末日時点のトレーディング商品の残高は以下のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループの営業収益は665億51百万円(前年度比10.0%減)、純営業収益は649億2百万円(同10.8%減)となりました。販売費・一般管理費は659億36百万円(同2.5%減)となり、経常利益は4億21百万円(同93.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5億29百万円(同94.7%減)となりました。
なお第3四半期連結会計期間に岡三アセットマネジメント株式会社を連結の範囲から除外し、持分法適用の範囲に含めております。
受入手数料
受入手数料の合計は411億19百万円(前年度比11.8%減)となりました。主な内訳は次のとおりです。
委託手数料
当連結会計年度における東証の1日平均売買高(内国普通株式)は17億20百万株(前年度比1.6%増)、売買代金は3兆4,998億円(同2.5%増)となりましたが、国内外の市況が不安定ななか、個人のお客さまにおける国内外株式の売買が減少しました。
これらの結果、株式委託手数料は155億33百万円(同15.5%減)となりました。また、債券委託手数料は0百万円(同48.4%減)、その他の委託手数料は6億29百万円(同8.0%増)となり、委託手数料の合計は161億63百万円(同14.8%減)となりました。
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
当連結会計年度における株式の引受けは、前年度に新規公開株式の主幹事案件が集中した反動から、主に新規公開株式の引受金額が減少しました。また、債券の引受けは、地方債や事業債、財投機関債等の主幹事を務めたものの、起債環境の悪化により発行額が減少した影響を受け、引受金額も減少しました。
これらの結果、株式の手数料は3億2百万円(前年度比56.9%減)、債券の手数料は3億12百万円(同22.7%減)となり、株式・債券を合わせた引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料の合計は6億15百万円(同44.4%減)となりました。
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料につきましては、投資信託関連収益がその大半を占めています。
当連結会計年度における公募投資信託の販売額は、前年度比で減少しました。年度前半は医療関連株式に投資するファンドや債券型ファンドの販売額が増加し、後半は高い配当利回りの期待できる株式や新興国株式に投資するファンドが販売を牽引したものの、世界的な金利上昇に伴う景気後退懸念などから販売額は伸び悩みました。
これらの結果、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は107億9百万円(前年度比2.7%減)となりました。また、その他の受入手数料については、主に投資信託の信託報酬等により136億31百万円(同12.2%減)となりました。
トレーディング損益
株券等トレーディング損益は主に米国株式を中心とした外国株式の国内店頭取引、債券等トレーディング損益は外国債券の顧客向け取扱いに伴う収益がその大半を占めています。
当連結会計年度においては、外国株式は不安定な米国株式市況等を背景に、個人のお客さまにおける国内店頭取引の売買が前年度比で減少しました。また、法人向けの外国債券販売が増加した一方で、金利変動に伴う影響等により国内債券に係る損益は減少しました。
これらの結果、株券等トレーディング損益は131億86百万円(前年度比10.0%減)、債券等トレーディング損益は84億61百万円(同11.5%減)となり、その他のトレーディング損益2億99百万円の利益(前年度は26百万円の損失)を含めたトレーディング損益の合計は219億47百万円(前年度比9.3%減)となりました。
金融収支
金融収益は24億53百万円(前年度比12.6%増)、金融費用は16億49百万円(同39.7%増)となり、差引の金融収支は8億4百万円(同19.5%減)となりました。
その他の営業収益
金融商品取引業及び同付随業務に係るもの以外の営業収益は、10億30百万円(前年度比5.3%増)となりました。
販売費・一般管理費
販売費・一般管理費は、取引関係費や人件費の減少等により、659億36百万円(前年度比2.5%減)となりました。
営業外損益及び特別損益
営業外収益は受取配当金の計上等により16億87百万円、営業外費用は2億31百万円となりました。また、特別利益は持分変動利益の計上等により30億89百万円、特別損失は4億76百万円となりました。
当社グループのコア事業であります証券ビジネスの営業収益は、株式、債券、金利、為替等の市況環境変動の影響を受けるため、当社グループの経営成績は連結会計年度毎に大きく変動する傾向にあります。
このため、当社といたしましては、グループ企業それぞれの事業の強みを全体で共有・活用し、多様化する資産運用ニーズに迅速かつ的確に対応できる体制の確立を目指すことにより、安定した成長を実現できる経営体質の構築に努めております。
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に取り組み、特に重要な経営指標として、連結ROE(株主資本利益率)8%の達成を目標として掲げております。当連結会計年度におけるROEは、営業収益の減少等により、親会社株主に帰属する当期純利益が前年度比で減少したことから、0.3%(前年度比5.7ポイント低下)となりました。
当社グループでは、中長期的な企業価値向上への取り組みを続けてまいります。
証券ビジネス
国内外株式に係るトレーディング損益や委託手数料が減少したことにより、当連結会計年度における証券ビジネスの営業収益は611億73百万円(前年度比8.6%減)、セグメント損失は8億69百万円(前年度は55億10百万円の利益)となりました。
アセットマネジメントビジネス
アセットマネジメントビジネスにおいては、岡三アセットマネジメント株式会社を第3四半期連結会計期間に連結の範囲から除外し、持分法適用の範囲に含める変更を行ったこと等に伴い、当連結会計年度におけるアセットマネジメントビジネスの営業収益は70億89百万円(前年度比25.9%減)、セグメント利益は72百万円(同79.9%減)となりました。
サポートビジネス
当連結会計年度におけるサポートビジネスの営業収益は142億93百万円(前年度比5.6%増)、セグメント利益は11億28百万円(同151.0%増)となりました。
上記のセグメント別営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高が含まれており、セグメント利益は連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資本の流動性につきましては、次のとおりです。
当社グループのコア事業であります証券ビジネスの資金需要の主なものは、信用取引買付代金の顧客への貸付及びトレーディングのロングポジションであり、逆に資金調達の主なものは金融機関借入、コールマネー、信用取引売却代金の顧客からの借入及びトレーディングのショートポジションであります。これらは、市況環境の変動の影響を受け、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与えることとなります。なお、岡三証券株式会社では、安定的かつ機動的な財務運営のため、株式会社みずほ銀行をアレンジャーとしたコミットメントラインを総額210億円として更新いたしました。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(1)子会社の完全子会社化
当社は、2022年5月26日開催の取締役会決議に基づき、連結子会社の岡三にいがた証券株式会社、三晃証券株式会社、三縁証券株式会社、岡三アセットマネジメント株式会社、岡三ビジネスサービス株式会社、岡三興業株式会社につきまして、株式交換及び株式の現物配当の方法による完全子会社化を実施しました。
(2)連結子会社(岡三アセットマネジメント株式会社)の合弁会社化及び当該連結子会社の異動
当社は、SBIホールディングス株式会社の完全子会社であるSBIファイナンシャルサービシーズ株式会社との間で、2022年9月30日、岡三アセットマネジメント株式会社(以下「岡三アセットマネジメント」)の合弁会社化について合意し、契約を締結いたしました。当該契約に基づき、2022年11月30日付で岡三アセットマネジメントが実施した第三者割当増資に伴い、当社の持分比率が低下したことにより同社を連結の範囲から除外し、持分法適用関連会社へ異動しております。
詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の「注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。