第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
回次
|
第65期
|
第66期
|
第67期
|
第68期
|
第69期
|
決算年月
|
2020年3月
|
2021年3月
|
2022年3月
|
2023年3月
|
2024年3月
|
売上高
|
(千円)
|
12,674,215
|
14,587,326
|
18,821,949
|
18,605,517
|
18,024,732
|
経常利益又は経常損失(△)
|
(千円)
|
603,404
|
△135,486
|
1,317,111
|
915,030
|
1,415,607
|
親会社株主に帰属する 当期純利益
|
(千円)
|
608,068
|
750,570
|
47,093
|
645,425
|
786,581
|
包括利益
|
(千円)
|
538,350
|
842,641
|
290,913
|
784,003
|
1,074,310
|
純資産額
|
(千円)
|
18,201,690
|
20,682,481
|
20,571,385
|
20,977,758
|
21,299,253
|
総資産額
|
(千円)
|
21,590,585
|
28,191,493
|
26,712,330
|
25,581,815
|
25,943,702
|
1株当たり純資産額
|
(円)
|
263.07
|
289.59
|
288.09
|
293.12
|
301.70
|
1株当たり当期純利益
|
(円)
|
8.79
|
10.69
|
0.66
|
9.03
|
11.01
|
潜在株式調整後 1株当たり当期純利益
|
(円)
|
-
|
10.57
|
-
|
-
|
-
|
自己資本比率
|
(%)
|
84.3
|
73.3
|
77.0
|
82.0
|
82.1
|
自己資本利益率
|
(%)
|
3.3
|
3.9
|
0.2
|
3.1
|
3.7
|
株価収益率
|
(倍)
|
81.11
|
82.55
|
529.59
|
37.67
|
43.22
|
営業活動による キャッシュ・フロー
|
(千円)
|
2,099,291
|
87,254
|
289,629
|
2,407,966
|
2,632,043
|
投資活動による キャッシュ・フロー
|
(千円)
|
△3,052,465
|
△4,399,449
|
△2,277,475
|
△1,170,349
|
△541,012
|
財務活動による キャッシュ・フロー
|
(千円)
|
△269,118
|
3,212,542
|
△1,553,530
|
△718,336
|
△1,465,908
|
現金及び現金同等物の 期末残高
|
(千円)
|
8,201,564
|
7,197,536
|
3,718,869
|
4,081,986
|
4,825,750
|
従業員数 (外、平均臨時 雇用者数)
|
(人)
|
700
|
747
|
769
|
788
|
755
|
(227)
|
(377)
|
(560)
|
(380)
|
(320)
|
(注) 1.第65期、第67期、第68期及び第69期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.従業員数は就業人員であり、臨時従業者数及び派遣労働者数は、1年間の平均人員を( )外数で記載しております。
3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第67期の期首から適用しており、第67期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(2) 提出会社の経営指標等
回次
|
第65期
|
第66期
|
第67期
|
第68期
|
第69期
|
決算年月
|
2020年3月
|
2021年3月
|
2022年3月
|
2023年3月
|
2024年3月
|
売上高
|
(千円)
|
10,047,415
|
10,999,628
|
14,389,232
|
13,217,460
|
12,733,981
|
経常利益
|
(千円)
|
305,559
|
79,647
|
1,199,845
|
255,639
|
797,015
|
当期純利益
|
(千円)
|
236,416
|
636,531
|
236,240
|
200,626
|
490,892
|
資本金
|
(千円)
|
5,434,127
|
6,448,593
|
6,473,936
|
6,499,584
|
6,571,382
|
発行済株式総数
|
(株)
|
69,190,000
|
71,335,172
|
71,405,570
|
71,567,384
|
71,319,799
|
純資産額
|
(千円)
|
15,680,399
|
17,937,322
|
17,789,310
|
17,612,307
|
17,350,383
|
総資産額
|
(千円)
|
18,470,434
|
23,258,148
|
21,781,427
|
20,544,665
|
20,412,725
|
1株当たり純資産額
|
(円)
|
226.63
|
251.11
|
249.13
|
246.10
|
245.76
|
1株当たり配当額 (うち1株当たり 中間配当額)
|
(円)
|
6.00
|
6.00
|
6.00
|
6.00
|
6.00
|
(3.00)
|
(3.00)
|
(3.00)
|
(3.00)
|
(3.00)
|
1株当たり当期純利益
|
(円)
|
3.42
|
9.06
|
3.31
|
2.81
|
6.87
|
潜在株式調整後 1株当たり当期純利益
|
(円)
|
-
|
8.96
|
-
|
-
|
-
|
自己資本比率
|
(%)
|
84.9
|
77.0
|
81.7
|
85.7
|
85.0
|
自己資本利益率
|
(%)
|
1.5
|
3.8
|
1.3
|
1.1
|
2.8
|
株価収益率
|
(倍)
|
208.48
|
97.33
|
105.47
|
121.21
|
69.25
|
配当性向
|
(%)
|
175.6
|
66.2
|
181.3
|
213.9
|
87.3
|
従業員数 (外、平均臨時 雇用者数)
|
(人)
|
158
|
190
|
168
|
166
|
163
|
(63)
|
(123)
|
(81)
|
(68)
|
(68)
|
株主総利回り (比較指標:配当込みTOPIX)
|
(%) (%)
|
102
|
126
|
52
|
51
|
72
|
(90)
|
(129)
|
(131)
|
(139)
|
(196)
|
最高株価
|
(円)
|
1,044
|
1,324
|
906
|
578
|
488
|
最低株価
|
(円)
|
497
|
675
|
306
|
292
|
288
|
(注) 1.第65期、第67期、第68期及び第69期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.従業員数は就業人員であり、臨時従業者数及び派遣労働者数は、1年間の平均人員を( )外数で記載しております。
3.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
4.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第67期の期首から適用しており、第67期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
2 【沿革】
年 月
|
沿 革
|
1956年4月
|
フィルタの製造販売会社として東京都大田区東蒲田に山信工業株式会社を資本金500千円で設立
|
1966年9月
|
東京都大田区大森南に本社工場を開設、本社を移転
|
1972年10月
|
フィルタ需要拡大のため東京都大田区大森南に第二工場を開設
|
1975年5月
|
佐賀県三養基郡上峰村(現佐賀県三養基郡上峰町)に佐賀工場を開設
|
1977年2月
|
佐賀工場にてフィルタエレメントの本格生産開始
|
1978年2月
|
佐賀工場にてガラス繊維「ろ材」の本格生産開始
|
1981年8月
|
ワイエスケー工業株式会社がフィルタの製造販売を目的として資本金5,000千円で設立される
|
1984年10月
|
東京都品川区東大井にR&Dラボラトリを設立
|
1984年11月
|
プロセス用フィルタの製造販売を開始
|
1989年4月
|
コスト・生産性等の観点から最適な生産地域で生産を行うため、フィリピン・セブ島に現地法人 YAMASHIN CEBU FILTER MANUFACTURING CORP.を設立
|
1991年12月
|
本社を東京都大田区大森南から神奈川県横浜市神奈川区西神奈川に移転
|
1992年4月
|
ワイエスケー工業株式会社と合併、資本金が130,000千円に増加
|
1995年7月
|
東京都大田区本社工場、第二工場を佐賀工場に移管、R&Dラボラトリを旧本社工場に移管
|
1995年7月
|
北米市場の拡販を目的として、アメリカ・シカゴに現地法人YAMASHIN AMERICA INC.を設立
|
1996年4月
|
欧州市場の拡販を目的として、オランダ・ロッテルダムに現地法人YAMASHIN EUROPE B.V.を設立
|
2001年2月
|
東南アジア市場の拡販を目的として、タイ・アユタヤに現地法人YAMASHIN THAI LIMITED を設立
|
2001年9月
|
ISO9001認証取得
|
2002年4月
|
タイ・アユタヤにプロセス用フィルタ製造工場完成、生産開始
|
2003年4月
|
ISO14001認証取得
|
2005年10月
|
社名を山信工業株式会社からヤマシンフィルタ株式会社に変更
|
2007年5月
|
YAMASHIN THAI LIMITED の新工場をタイ・アユタヤに建設
|
2007年5月
|
中国市場の拡販を目的として、中国・上海に現地法人YAMASHIN FILTER SHANGHAI INC.を設立
|
2007年6月
|
R&Dラボラトリを佐賀工場に移管
|
2007年12月
|
本社を神奈川県横浜市神奈川区西神奈川から神奈川県横浜市中区桜木町に移転
|
2010年9月
|
拡大を続ける中国市場のニーズに対応するため、中国・蘇州に現地法人YAMASHIN FILTER(SIP)RESEARCH & DEVELOPMENT CENTER INC.を設立
|
2010年11月
|
YAMASHIN THAI LIMITED の営業事務所をタイ・バンコクに開設
|
2010年12月
|
欧州市場の更なる販路の拡販を目的として、ベルギー・ブラッセルに現地法人YAMASHIN EUROPE BRUSSELS BVBAを設立
|
2011年3月
|
YAMASHIN EUROPE BRUSSELS BVBAがYAMASHIN EUROPE B.V.を吸収合併
|
2011年10月
|
横浜開発センタを神奈川県横浜市磯子区杉田に開設、佐賀工場のR&Dラボラトリを横浜開発センタに移管
|
2012年6月
|
業務の効率化、商流の見直し等を図るため、佐賀県三養基郡上峰町に新設分割によりYSK株式会社設立
|
2012年12月
|
YAMASHIN THAI LIMITED の工場を閉鎖、販売会社へと事業転換、本社をタイ・アユタヤからバンコクへ移設
|
2013年2月
|
YAMASHIN FILTER(SIP)RESEARCH & DEVELOPMENT CENTER INC.をYAMASHIN FILTER(SIP) TECHNOLOGY INC.へ商号変更
|
2014年10月
|
東京証券取引所市場第二部に株式を上場
|
2016年3月
|
東京証券取引所市場第二部から同市場第一部銘柄に指定
|
2017年4月
|
YSK株式会社のプロセスフィルタ製造事業を当社が事業譲受け
|
2017年12月
|
横須賀メディアラボを神奈川県横須賀市浦郷町に開設
|
2018年12月
|
YAMASHIN FILTER SHANGHAI INC.を清算
|
2019年2月
|
神奈川県横須賀市光の丘に新研究開発拠点の建設用土地を取得
|
年 月
|
沿 革
|
2019年8月
|
株式会社アクシーを完全子会社化
|
2020年3月
|
YSK株式会社を清算
|
2020年11月
|
ベトナム・ヴィンフック省に現地法人 YAMASHIN VIETNAM CO., LTDを設立
|
2021年10月
|
佐賀県三養基郡上峰町に新工場を竣工
|
2022年1月
|
研究開発拠点集約のため、神奈川県横須賀市光の丘に横須賀イノベーションセンタを設立
|
2022年4月
|
東京証券取引所プライム市場へ移行
|
2023年1月
|
現地法改正のため、YAMASHIN EUROPE BRUSSELSの法人形態をBVBAからBVへ変更
|
3 【事業の内容】
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社と連結子会社7社により構成されており、建機用フィルタ製品及びエアフィルタ製品を主たる事業としております。
当社グループは、経営理念として、「仕濾過事」(ろかじにつかふる)を掲げ、フィルタビジネスを通じて社会貢献するという意思のもと、フィルタビジネスを通じた新規事業ポートフォリオの確立に取り組んでおり、本業である建機用フィルタ事業に加え、2019年10月1日よりエアフィルタ事業を第2の事業ポートフォリオとして追加いたしました。
当社グループの各セグメントの関連は、次のとおりであります。
建機用フィルタ事業
建設機械向け油圧フィルタ(以下、建機用フィルタ)、産業機械向け油圧フィルタ(以下、産業用フィルタ)、プロセス用フィルタの開発・製造・販売を行っております。
エアフィルタ事業
エアフィルタの開発・製造・販売を行っております。
当社グループについて
(1) 当社グループの概要
当社グループは、創業以来、一貫してフィルタの専門メーカとして実績を重ねてきました。当社グループは、フィルタのキーパーツである「ろ材」の主な材料であるガラス繊維や不織布及びフィルタの構成部品に使用される金属加工品や樹脂加工品等の仕入を行い、建機用フィルタ、産業用フィルタ、プロセス用フィルタ、エアフィルタを製造・販売しております。
当社グループは、各フィルタの「ろ材」の開発及び製品設計から製造をグループ内で一貫して行い、建設機械、産業機械等の業界向けに販売を行っております。当社グループの特徴は、「ろ材」を内製化することで、顧客が要望する様々な仕様に対応した「ろ材」及び「ろ材構造」を独自に開発し、最適な製品を顧客へ供給できることであります。特に主力品目である建機用フィルタでは、油圧ショベルが国産化された同時期からフィルタ製品の開発、生産を手掛けており、搭載される回路の知識や長年に亘るノウハウは競合他社との差別化に貢献しております。
また、近年において、現在の主要な材料であるガラス繊維と比較し、その耐久性や濾過効果において優位性が高く、かつ環境負荷の低減に貢献する次世代の「ろ材」として、ナノファイバーの量産化技術の確立に成功しました。このナノファイバーを使用したフィルタ製品は、建機用フィルタ事業及びエアフィルタ事業における新たな主力製品として期待されており、主要な取引先への供給が開始されております。
更には、このナノファイバーにより量産される「ろ材」を、建機用フィルタ製品やエアフィルタ製品のみならず、様々な事業分野へ産業資材として活用することにより、第3の事業ポートフォリオとして、新たな事業の確立を実現し、当社グループ全体の企業価値の向上を図ってまいります。
(2) 当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置づけ
品目
|
事業内容及び関係会社との位置づけ
|
建機用フィルタ
|
当社、YAMASHIN CEBU FILTER MANUFACTURING CORP.及びYAMASHIN VIETNAM CO., LTDにおいて製造を行っております。 製品販売は、国内は当社が行っており、海外は主として各連結子会社が行っております。連結子会社の販売担当地域は次のとおりであります。 YAMASHIN AMERICA INC.・・・・・・・当社製品の米国向け販売 YAMASHIN EUROPE BRUSSELS BV・・・ 当社製品の欧州向け販売 YAMASHIN THAI LIMITED・・・・・・・当社製品の東南アジア・インド向け販売 また、YAMASHIN FILTER(SIP)TECHNOLOGY INC.においては、主に建機用フィルタの設計開発業務、製品評価試験業務及び当社製品の中国向け販売を行っております。
|
産業用フィルタ
|
当社、YAMASHIN CEBU FILTER MANUFACTURING CORP.及びYAMASHIN VIETNAM CO., LTDにおいて製造を行っております。国内の販売は当社が行っており、海外の販売は、建機用フィルタと同様であります。
|
プロセス用フィルタ
|
当社及びYAMASHIN CEBU FILTER MANUFACTURING CORP.において製造を行っております。国内の販売は当社が行っており、海外の販売は、建機用フィルタと同様であります。
|
エアフィルタ
|
株式会社アクシーにおいて製造を行っております。国内の販売は株式会社アクシー及びその代理店が行っております。
|
(3) 取扱製品について
当社グループの取り扱う主要な製品の内容は次のとおりであります。
・建機用フィルタ分野
建機用フィルタとは、建設機械の駆動に不可欠である油圧回路の作動油をはじめ、燃料のディーゼル・オイル、エンジン駆動に必要な潤滑油のろ過に用いられるフィルタのことであり、あらゆる建設機械に搭載されております。
当社グループの主力分野である建機用フィルタ製品は、建設機械の高性能化に伴い、機械回路のあらゆる部分で採用が拡大されてまいりました。特に油圧回路は機械駆動に大きな役割を担っているため、フィルタによる回路環境の整備は不可欠であり、多数のフィルタが建設機械には搭載されております。
品目
|
製品名
|
主な特徴・用途
|
建機用フィルタ
|
作 動 油 用 フ ィ ル タ
|
リターンフィルタ
|
作動油がオイルタンクに戻る前に、細かい不純物を除去する目的で装備されるフィルタであります(交換用のカートリッジを特にフィルタエレメントと呼称します)。 油圧ショベル及びその他建設機械、一般油圧システムに使用されております。
|
サクション ストレーナ
|
オイルタンク内の比較的大きな不純物を除去する目的で、サクションポート(オイルタンクの吸いこみ口)に直接装着されております。油圧ショベル及びその他建設機械、一般油圧システムに使用されております。
|
ラインフィルタ
|
油圧回路に用いられるフィルタで、圧力のかかる箇所に設置されるフィルタであります。油圧ショベル及びその他建設機械、一般油圧システムに使用されております。
|
エアブリーザ
|
建設機械のオイルタンク内への外気に含まれる不純物の侵入の防止、油圧システム稼働中のオイルタンク内の圧力の保持、オイルタンク内のオイル清浄度の維持といった多目的なフィルタであります。油圧ショベル及びその他建設機械に使用されております。
|
リリーフバルブ
|
作動油の温度が高い時にはオイルクーラーを通し、温度が低い時(差圧がかかる時)にはオイルクーラーを通さずにオイルタンクへ向けて作動油を流すという振り分けを行うバルブとして使用されております。中大型油圧ショベル、ミニ油圧ショベルにおいて使用されております。
|
ナイロン ストレーナ
|
各種オイルタンクの給油口に装着し、給油の際、オイルタンク内への汚染物資の侵入を防ぎます。油圧ショベル及びその他建設機械に使用されております。
|
トランスミッション用 フィルタ
|
ブルドーザー、ホイールローダー等のトランスミッション機構を持つ建設機械に設置されるフィルタであります。 高粘度の潤滑油に混入したギアなどの摩擦にて発生した金属粉などの不純物のろ過に使用されております。
|
燃料用フィルタ
|
建設機械のディーゼル燃料に含まれる不純物、水分の除去に使用されております。
|
エンジンオイル用 フィルタ
|
ディーゼルエンジンに用いられるエンジンオイル内の細かい不純物のろ過を行っております。
|
・産業用フィルタ分野
産業用フィルタとは、様々な業界に応用されている油圧ユニットの作動油や潤滑油のろ過に用いられるフィルタのことであり、工作機械、冷凍用圧縮機、農業機械、船舶、鉄道車両、航空機やヘリコプター等の産業機械に使用されております。
当社グループの産業用フィルタ製品は、油圧ユニットを搭載する機械分野全般で使用されております。そのため、取引先の業種も様々であり、求められる性能や機能も異なります。主な販売先は、工作機械メーカや圧縮機メーカ、農業機械メーカなどであります。
品目
|
製品名
|
主な特徴・用途
|
産業用フィルタ
|
ラインフィルタ
|
工作機械、プレス機、搬送油圧ユニットの油圧回路などにおいて、作動油等のろ過に使用されます。
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・プロセス用フィルタ分野
プロセス用フィルタとは、顧客製品の製造工程で行われるろ過・分離に必要なフィルタのことであり、電子部品、精密部品、液晶ディスプレイや食品等の業界に使用されております。
当社グループのプロセス用フィルタ製品は、建機用、産業用と比較して、より細かいろ過を求められる分野へ提供されております。具体的な用途は、電子部品の精密洗浄やコンデンサ・フィルム関連のナノレベルの分級(対象物の分離工程)等であります。
品目
|
製品名
|
主な特徴・用途
|
プロセス用 フィルタ
|
糸巻フィルタ
|
半導体業界、化学業界、食品業界において、精密なろ過を行う前に大きな物質をろ過する際に使用されております。
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不織布フィルタ
|
半導体業界、化学業界、食品業界において、精密洗浄用フィルタに使用されております。
|
メンブレンフィルタ
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半導体業界、化学業界、食品業界において、精密洗浄用フィルタにおいて、ろ過の最終工程で使用されております。
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・エアフィルタ分野
エアフィルタとは、空気中からごみ、塵埃などの除去に用いられるフィルタのことであり、ビル・建物をはじめ、食品や薬品などの製造工場、電力配電盤や鉄道車両など特殊な用途に至るまで幅広い分野に使用されております。
当社グループのエアフィルタ製品は、多様化する顧客の要求に応えるため、比較的大きな粒子を除去するために用いられるプレフィルタから半導体製造工場や病院(手術室)など高い清浄度が求められる空間で用いられるHEPAフィルタ、異物混入が許されない食品工場で用いられる防虫フィルタなど幅広い製品をラインナップしております。
品目
|
製品名
|
主な特徴・用途
|
エアフィルタ
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プレフィルタ
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空気中の比較的大きな塵埃(5μm以上)を除去し、次段フィルタの寿命を伸ばす目的で外気取入口などに装着されております。 ビル・建物、各種工場、各種環境機器などあらゆる場面に使用されております。
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中高性能フィルタ
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空気中の塵埃(5μm以下)を除去し、中程度の清浄空気を得る目的で設置されているフィルタであります。 一般的なビルでよく見かける天吊りのパッケージ型空調機などに搭載されております。
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HEPAフィルタ
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0.3μmの大きさの粒子を99.97%以上除去する、超高効率のフィルタであります。 半導体工場、病院にあるクリンルームや空気清浄機などに使用されております。
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オイルミスト フィルタ
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金属加工工場など室内に立ち込めるオイルミストを除去する目的で使用されております。 厨房機器への搭載、フライヤーを使用する環境で使用されております。
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防虫フィルタ
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建物への虫の侵入を防ぐ目的で使用されています。 食品業界だけでなく、一般家庭への空調システムにも使用されております。
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脱臭フィルタ
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空気中の臭いやガス成分を除去する目的で設置されております。 美術館・博物館、動物病院や畜産業界などに使用されております。
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ケーシング
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各種フィルタを設置・搭載する目的の取付枠であります。
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[事業系統図]
4 【関係会社の状況】
名称
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住所
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資本金
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主要な事業の 内容
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議決権の 所有割合又は 被所有割合(%)
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関係内容
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(連結子会社)
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YAMASHIN AMERICA INC. (注)1.2
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米国 シカゴ
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2,000 千米ドル
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当社製品の販売
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100
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当社製品の販売 役員の兼任(1名)あり
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YAMASHIN EUROPE BRUSSELS BV
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ベルギー ブラッセル
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163 千ユーロ
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当社製品の販売
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100
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当社製品の販売 役員の兼任(1名)あり
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YAMASHIN CEBU FILTER MANUFACTURING CORP. (注)1.4
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フィリピン セブ
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1,098,331 千円
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当社製品・半製品の製造
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100
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当社製品・半製品の製造 原材料の支給
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YAMASHIN THAI LIMITED
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タイ バンコク
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110,000 千バーツ
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当社製品の販売
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100
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当社製品の販売 役員の兼任(1名)あり
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YAMASHIN FILTER(SIP) TECHNOLOGY INC.
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中国 蘇州
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10,000 千人民元
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当社製品の研究・開発及び販売
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100
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当社製品の研究・開発及び販売 役員の兼任(1名)あり
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株式会社アクシー (注)3
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大阪府 大阪市住之江区
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50,000千円
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エアフィルタ製品の製造、販売
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100
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当社製品の製造 原材料の支給 資金の援助、債務保証 役員の兼任(1名)あり
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YAMASHIN VIETNAM CO., LTD (注)1.5
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ベトナム ハノイ
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74,861,117 千ドン
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当社製品・半製品の製造
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100
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当社製品の製造 原材料の支給 資金の援助
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(注) 1.特定子会社に該当します。
2.YAMASHIN AMERICA INC.については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等 (1) 売上高 3,648,058千円
(2) 経常利益 310,223千円
(3) 当期純利益 153,254千円
(4) 純資産額 1,329,677千円
(5) 総資産額 1,967,728千円
3.株式会社アクシーについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等 (1) 売上高 2,644,294千円
(2) 経常利益 87,598千円
(3) 当期純利益 69,893千円
(4) 純資産額 3,469,058千円
(5) 総資産額 5,174,039千円
4.YAMASHIN CEBU FILTER MANUFACTURING CORP.の販売取引の100%が親会社ヤマシンフィルタ株式会社向けであり、主要取引が日本円で決済されるため、日本円で財務諸表を作成しております。
5.YAMASHIN VIETNAM CO., LTDの販売取引の100%が親会社ヤマシンフィルタ株式会社向けであり、主要取引が日本円で決済されるため、日本円で財務諸表を作成しております。
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2024年3月31日現在
セグメントの名称
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従業員数(人)
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建機用フィルタ事業
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661
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(270)
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エアフィルタ事業
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94
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(50)
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合計
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755
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(320)
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(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時従業者数及び派遣労働者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
(2) 提出会社の状況
2024年3月31日現在
従業員数(人)
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平均年齢(歳)
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平均勤続年数(年)
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平均年間給与(千円)
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163
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(68)
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40.0
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9.0
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6,797
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2024年3月31日現在
セグメントの名称
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従業員数(人)
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建機用フィルタ事業
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163
|
(68)
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合計
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163
|
(68)
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(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時従業者数及び派遣労働者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
(3) 労働組合の状況
当社グループの労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
(4)多様性に関する状況
2024年3月31日現在
提出会社及び 国内連結子会社
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女性比率(%)
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女性管理職 比率(%)
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男性育児休業取得率(%)
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男女間賃金差異(%)
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全労働者
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正規雇用 労働者
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パート・ 有期労働者
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提出会社
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32.5
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5.9
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100
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77.0
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75.3
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80.5
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株式会社アクシー
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39.7
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-
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0
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70.6
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71.9
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90.8
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(注) 1.女性比率は非正規スタッフを含む全従業員を対象としております。
2.女性管理職比率及び男女間賃金比率は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
3.男性育児休業取得率は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。