文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、事業を通じて実現したい姿として以下の経営理念を掲げており、更なる価値の創造に挑戦し続けてまいります。
① 国民生活の充実と食文化の繁栄に貢献する
当社は、食品の生産・販売事業を通じ、まいたけをはじめとした健康に良い高品質な食品を社会に提供し、国民生活の充実と食文化の繁栄に貢献することを基本理念としております。
② 地域社会、株主への貢献と役員、社員の豊かさを実現する
当社は、役員・社員全員の不断の努力を通じて、企業力を高め、地域社会の発展に貢献し、株主に報いるとともに、自らの豊かさを実現いたします。
③ 企業倫理を尊重する
当社は、企業活動に際し、常に基本理念を踏まえ行動し、法の遵守はもとより、全てに高い倫理性を求め、これを尊重いたします。
(2) 中長期的な経営戦略等
当社グループは、事業を取り巻く環境の変化が、2021年11月に策定いたしました中期経営計画の基本戦略の推進に大きな影響を与えていることを踏まえ、中期経営計画の更新が必要であるとの判断に至りました。これにより、2023年12月19日付にて中期経営計画(2024年3月期~2028年3月期)を策定、公表いたしました。
なお、当社は、2024年6月26日開催の第7期定時株主総会にて、商号の変更及び定款の一部変更について承認をいただきました。新商号は、ユキグニファクトリー株式会社(英文商号:YUKIGUNI FACTORY CO., LTD.)とし、2025年4月1日を商号変更予定日としております。当社は、今までも、そしてこれからも、自然からの恩恵であるきのこの可能性を、雪国で磨いた技術や探求心により最大限引き出し魅力的な製品を開発することで、持続的な成長へとつなげてまいります。
〈中期経営計画の基本方針〉
これまで掲げてきた中長期ビジョンである「プレミアムきのこ総合メーカーとしてグローバルに展開し成長する」は変更せず、事業環境変化に対し適切に対応するため「高収益を実現する収益基盤の再構築」、「海外新規拠点の統合と更なる事業展開」を中期経営計画の更新方針として戦略の見直しを図りました。これにより、今回の中期経営計画においては以下の3つの基本方針のもと事業展開を行い、目標達成のため取り組んでまいります。
A.国内きのこ市場:既存のプレミアム事業の強化と新たな事業創出
・既成のプレミアムポジショニングを強化し他産地との差別化を進め、消費者の品質志向ニーズを着実に捉え、国内事業の更なる強化を図る
・他産地にないプレミアムアイテムの販売を強化し、更に生きのこ事業以外の新規事業も本格的に着手する
B. ビジネスプロセス: 聖域無き全プロセスの合理化
・全社横断的なBPRによって事業プロセスの改善を行い、コスト削減を実現
・新規投資による省人化と省エネの推進
C. グローバル展開:新たに取得した海外企業のPMI(経営統合)と他のターゲットの探索
・当社のノウハウを生かして、取得した海外企業の更なる業績拡大を目指す
・国内の事業強化の進展や地政学的リスクを考慮し、追加買収の可能性を追求
・オーガニック戦略は、アジアに加え欧米地域での自社製品販売も検討
〈定量目標(連結ベース)〉
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項目 |
2028年3月期(計画) |
条件が整った場合の アップサイド計画 ※1 |
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売上収益 |
420億円超 |
600億円超 |
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海外売上収益比率 |
6~7%前後 |
30%前後 |
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コアEBITDAマージン ※2 |
18%前後 |
18%前後 |
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投下資本利益率(ROIC) |
10%前後 |
- |
※1 国内の事業強化進展状況や地政学的リスクを考慮し、前提条件が整えば、主に海外事業進展・拡大を目指す計画をアップサイド計画としております。
※2 コアEBITDAマージン:コアEBITDA ÷ 売上収益
コアEBITDA:IFRSの営業利益からIAS第41号「農業」適用による影響額、その他の収益及び費用、一時的な収益及び費用を除外したものに減価償却費及び償却費を加算したもの
なお、各施策の詳細につきましては、2023年12月19日付にて公表いたしました「中期経営計画(2024年3月期~2028年3月期)説明資料」をご覧ください。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、安定的な増収・増益と企業価値向上を目指す観点から、当社グループの業績を評価するために有用な財務指標として、コア営業利益、コアEBITDA、コアEBITDAマージンを採用しております。
(4) 経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く環境は、国内においては少子高齢化に伴う人口減少等により、食品市場全体は縮小傾向にあり、国内労働人口の減少による労働力確保が困難になるなど、社会構造的な要因による課題を抱えております。また、原油高騰等による原材料費、エネルギー関連コストの高止まりや、国際情勢の悪化により国内外経済が不安定になるなど、企業活動への継続的な影響が想定され、引き続き動向への注視が必要であります。更に、世界的な気候変動による環境変化は、今後の消費活動や調達活動に大きな影響を与えるリスクを有しており、持続的な成長を維持するために注視すべき事項は複雑化かつ増加しております。
このような環境の中、当社は、急激な事業環境の変化に的確に対応し、国内での事業基盤を更に強化しつつ、中長期はグローバル展開を推進することでプレミアムきのこ総合メーカーとして成長し続けることを目指して2023年12月に中期経営計画を更新いたしました。本中期経営計画の詳細は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 中長期的な経営戦略等」に記載のとおりであり、以下の点を今後の事業展開における対処すべき課題と認識し、解決に向けて重点的に取り組んでまいります。
① 高収益を実現する事業基盤の再構築
当社は、まいたけ、エリンギ・ぶなしめじにて長年培ってきた当社の生産技術・ノウハウ、販売力を、本しめじ、はたけしめじ、マッシュルームにも活かし、プレミアムきのこ総合メーカーとしての基盤確立に努めております。日用品等の物価上昇が続き、消費者の節約志向の継続、選別消費の傾向から、当社は、プレミアム戦略を軸とした着実な成長を図る必要があります。ベース事業である国内きのこ市場については更なる高収益化に向けアイテム構成を見直しつつ、利便性を加えた新設計の商品も拡充し、顧客満足度と収益性の向上を両立いたします。また、プレミアムイメージに更に磨きをかけるべく、CM・デジタル・パッケージを連動した、高級感のある立体的なプロモーションを継続展開するなど他産地との差別化を図ってまいります。そのほか、当社がこれまで築き上げてきた当社独自の広範囲かつ強固な直接取引を引き続き活用してまいります。また、既存事業だけにとらわれることなく、さらにニッチ・プレミアム事業の拡大として国内生産のマッシュルーム等希少性の高いアイテムの拡充、加えて、きのこ原料を使用する代替肉と組み合わせた新規事業領域の拡大などを進めてまいります。これら戦略の確実な実行は、企業価値向上には必須であると考えております。
② コスト削減のための企業活動全般にまたがる効率化の推進
燃料価格、電気料金の高騰や円安といった原価上昇要因の緩和が見通せない中、全社横断的なBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)によって、事業プロセスの改善を行い、コストの上昇を売上収益の上昇が上回る事業構造の構築を進めております。本取り組みは生産部門や営業部門といったセクショナリズムの中では最大限の効果を発揮することができないため、既存プロセスや慣例等にとらわれず、DXの活用も検討しつつ全社横断的に聖域なき全プロセスの合理化に取り組んでまいります。
③ 海外新規拠点の統合と更なる事業展開
世界的な健康意識の高まりを受け、海外のきのこ生産量は安定成長が見込まれております。海外きのこ市場における生産・販売の自社基盤の構築及びきのこ栽培及び周辺領域での事業機会の獲得は、当社グループの持続的成長のため重要となります。オーガニック戦略としては北米、欧州、アジアをターゲットとし、国内で培った独自のチャネルモデルで販売開拓のスピードを加速しつつアライアンスも検討してまいります。加えて、海外の他社チャネルの活用も検討してまいります。インオーガニック戦略としては、まずは2023年12月に株式を取得しましたオランダ企業に対し着実なPMIを実施し、国境を越えて優れた技術や製品を共有し、グループ全体の競争力を強化してまいります。そのほか、戦略展開に応じて追加買収の可能性も探索してまいります。
また、当社グループの持続的な成長と社会課題の解決に向けて取り組むべき重要なテーマ(マテリアリティ)として7つを特定し、それぞれに施策の方向性と目標を定め、取り組みを進めております。マテリアリティを含むサステナビリティ活動の詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりであります。
このほか、当社グループは、金融機関を貸付人とする借入契約を締結し多額の借入れを行っており、2024年3月末における有利子負債比率((借入金+1年内返済予定の長期借入金+リース負債)÷資本合計)は161.6%であります。当社グループでは、金利上昇によるリスクを軽減するため、既存の借入金の借入条件を見直し、借換えを行いました。引き続き、有利子負債の圧縮と自己資本比率の向上により財務基盤を強化し、企業経営の健全化に努めてまいります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
[サステナビリティ方針]
自然の恵みを活かし育てる企業である私たちは、ステークホルダーの皆様とともに、持続的な成長と実り豊かな自然との共生をめざして、自然と人と社会の豊かさを追求していきます。
[マテリアリティ]
当社グループは、持続的な成長と社会課題の解決に向けて取り組むべき重要なテーマとして、7つのマテリアリティを特定いたしました。それぞれのマテリアリティに施策の方向性と目標を定め、取り組みの進捗を管理してまいります。また、特定したマテリアリティ及びその目標は、当社グループを取り巻く環境に合わせて、定期的に見直しを行う予定であります。
■環境
・持続可能な原材料等調達と水資源の活用
・気候変動への対応
■社会
・安全・安心・高品質なきのこの提供を通じた健康的な社会の実現
・地域社会との共生
・きのこを起点とした新たな価値創出
・人的資本への投資と人権の尊重
■ガバナンス
・公正・透明・健全な事業活動
[サステナビリティに関する主な取り組み]
■環境への取り組み
・気候変動への対応(TCFD提言に沿った情報開示)
・持続可能な原材料調達
・持続可能な水資源の活用
・生物多様性の保全
・廃棄物削減と環境汚染防止
■社会への取り組み
・安全・安心・高品質なきのこの提供
・商品の提供を通じた健康的な社会の実現
・きのこを起点とした新たな価値創出
・生きがいのある職場づくり
・人的資本への投資
・労働安全衛生の推進
・DE&Iの推進
・人権の尊重
・地域社会との共生
■コーポレート・ガバナンスの取り組み
・コーポレート・ガバナンス
・コンプライアンス
・リスクマネジメント
・サプライチェーンマネジメント
(1) ガバナンス
当社は、サステナビリティへの対応を経営上の重要な課題であると捉え、当社グループにおけるサステナビリティの方針、グループ全体の持続的な成長及び社会課題の解決に向けた取り組みに関する重要な事項について審議し、取締役会に報告や提言を行う組織として、サステナビリティ推進委員会を設置しております。
同委員会は、代表取締役社長を委員長とし、その他常勤取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び執行役員で構成され、原則半期に1回開催しております。同委員会では、気候変動をはじめとする社会課題が事業に与えるリスク・機会の評価、サプライチェーンを含めた温室効果ガス排出量の削減等の目標設定及び施策の検討、進捗状況のモニタリングなども行います。なお、同委員会には、常勤の監査等委員がオブザーバーとして出席するとともに、必要に応じて委員長の指名によりグループ会社社長等が参加しております。
また、取締役会では、サステナビリティ推進委員会から定期的に活動状況の報告を受け、気候変動をはじめとするサステナビリティへの対応の基本方針などの重要事項を審議しております。
(2) 戦略
① 気候変動への対応
地球温暖化に伴う気候変動は、異常気象や自然災害を引き起こす可能性があり、国際社会が一体となって取り組むべき課題であります。2015年に開催された第21回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)ではパリ協定が採択され、世界共通の長期目標として「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力を追求する」ことが掲げられました。
また、気候変動は、原油価格や原材料価格の高騰など、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性も少なくありません。気候変動への対応は、世界全体と、当社グループの持続可能性にとって重要な課題であると認識しております。
そのため、当社グループは、「2050年度に温室効果ガス排出量ネット・ゼロ」「2030年度までに2020年度比、排出量原単位(生産量ベース)で約35%削減」を目標に掲げたほか、マテリアリティに「気候変動への対応」を定め、調達から生産、物流、流通に至るバリューチェーン全体にわたる「気候変動の緩和(温室効果ガス削減)」に取り組んでおります。エネルギー変換効率の高い代替エネルギーの活用や、きのこ製品の包装形態や包装資材変更によるプラスチック使用量の低減、地元からの原材料調達による物流CO2の削減など、環境負荷低減のための取り組みを進めております。
また、「気候変動への適応」に向け、マテリアリティに「持続可能な原材料等調達と水資源の活用」を定め、森林整備活動「雪国まいたけの森づくり」などの取り組みを進めてまいります。
さらに、2021年11月には、気候変動によってもたらされる企業の財務的影響について適切な情報開示を求める「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言」への賛同を表明いたしました。気候変動によるリスク・機会の洗い出しや重要度の評価、1.5℃シナリオや4℃シナリオに基づいた財務インパクトの試算などを行っております。TCFD提言への賛同を機に、より一層脱炭素社会の実現に向けた取り組みを加速させるとともに、TCFD提言に沿った情報開示を強化してまいります。
現時点で想定される重要度の高いリスク・機会については、次のとおりであります。
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分類 |
事象 |
想定される 事業への影響 |
発現時期 (注) 2 |
重要度 |
対応策 |
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移行 リスク |
政策 |
炭素税の導入 |
生産・物流などの事業活動に伴うCO2排出量に対する炭素税負担の増加 |
短期 中長期 |
大 |
・生産プロセスの効率化による生産コスト削減 ・再生可能エネルギー導入による将来的な炭素税負担の回避 ・生産設備へのLNGの導入、バイオマスボイラーの導入による将来的な炭素税負担の軽減 ・配送方法の見直しによる輸送効率の向上 ・栽培に使用した後の菌床(注)1をボイラー燃料としてリユース |
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機会 |
製品とサービス |
低炭素・脱炭素に貢献し得る商品・サービスの開発・拡大 |
動物性食品から植物性食品への代替が進み、きのこを用いた新たな商材の創出機会が増加 |
短期 中長期 |
大 |
きのこの特性を活かした代替プロテインを新たな製品として生み出すための研究開発 |
(注) 1.菌床とは、木材を粉砕してつくられるオガ粉に、水やふすま(小麦粒の外皮や胚芽)などの栄養剤を混ぜ合わせたきのこ栽培の土台であります。
2.リスク・機会を特定した2020年度を基準年とし、短期は2024年度、中期は2027年度、長期は2030年度を示しております。なお、リスク・機会項目及び重要度の判定等については、当社グループを取り巻く外部環境の変化に応じて、適宜見直しを行っております。
② 重要な人材登用による多様性の確保について
当社は、中期経営計画の基本方針である「国内での事業基盤の強化推進、及びグローバル展開するプレミアムきのこ総合メーカーへの進化」を実現するため、人材アジェンダ(注)に基づく人材の確保、人材育成体系及び安全・安心な働ける環境づくりを積極的に取り組み、多様な人材の活躍機会の創出に努めてまいります。
(注) 当社の人材アジェンダ
ⅰ.新たな価値創造を推進できる人材
ⅱ.事業拡大を支えるインフラ、種苗、育成等の各分野での専門人材
ⅲ.グローバル展開を担えるスキルと意欲の高い多様な人材
ⅳ.イノベーション創出を牽引するプロジェクトマネージャー
ⅴ.ビジネスモデル変化に対応したFA・デジタル・サステナブル分野に対する人材
③ 多様性の確保に向けた人材育成方針、社内環境整備方針について
[人材育成方針]
当社の社是にある「良品で社会に貢献」を実践するためには、安全・安心なモノづくりへの誠実な姿勢と、より高い品質や新たな価値を共創するための挑戦意欲が欠かせません。当社は、従業員の「自律」や「挑戦」を尊重し、スキル向上の機会を提供するとともに、中期経営計画を推進することのできる専門性の高い人材の育成・登用を積極的に行ってまいります。また、異なる価値観を尊重し、新たな価値の創造を促すために、女性活躍の推進や次世代人材の育成などを推進し、事業の持続可能性向上に取り組んでまいります。
[社内環境整備方針]
当社の社是にある「生き甲斐のある職場」を目指すためには、明るく前向きに働く喜びをともに感じられる人間関係づくりや、健康で心豊かに生活できる職場環境づくりが欠かせません。当社は、従業員のエンゲージメント向上や健康増進が、従業員の幸せと高い生産性を生み出すための大切な要素であると認識しております。多様で多才な従業員が活躍できる、より安全・安心な職場環境を目指し、継続的に取り組んでまいります。
(3) リスク管理
当社は、当社グループを取り巻くサステナビリティに係るリスク及び機会について、サステナビリティ推進委員会で検討しております。同委員会の委員長である代表取締役社長が、気候変動をはじめとする社会課題に係るリスクに対する経営判断の最終責任を負うとともに、委員会で協議・決議された結果を取締役会に報告しております。取締役会は、サステナビリティ推進委員会からの報告を受け、当社グループのサステナビリティへの対応方針及び実行計画等についての監督を行っております。
[気候変動への対応に関わるリスク管理]
地球温暖化に伴う気候変動は、集中豪雨や台風の増加、異常気象による洪水・土砂災害や酷暑、異常な暖冬や冷夏など、植生物の環境に様々な被害を引き起こす可能性があります。当社グループにおいても、世界規模での気候変動により、原油価格の高騰による原材料価格の上昇や、消費者の消費志向の変化など、事業や財務に影響を及ぼす可能性があります。
こうした考えのもと、当社では2030年を対象年としたシナリオ分析を行いました。シナリオ分析にあたっては、脱炭素社会への移行が進行する1.5℃シナリオと、現状を上回る温暖化対策がとられず温暖化が進行する4℃シナリオの2つを検討いたしました。検討にあたっては、IEAが発行する「World Energy Outlook」の各シナリオ、IPCCが採用するSSP(共有社会経済経路)シナリオ、及びRCP(代表的濃度経路)シナリオ、日本政府等が発行した各種の将来予測や計画を参照いたしました。
(4) 指標及び目標
[持続可能な原材料等調達と水資源の活用]
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項目 |
範囲 |
実績(2023年度) |
目標(2030年度) |
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水関連規制の違反件数 |
単体 |
0件 |
0件 |
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環境関連の罰金額 |
単体 |
0円 |
0円 |
[気候変動への対応]
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項目 |
範囲 |
実績(2022年度) |
目標 |
|
温室効果ガス排出量 (スコープ1+2+3) |
連結 |
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2030年度:排出量原単位(生産量ベース)として基準年比35%の削減 2050年度:温室効果ガス排出量ネット・ゼロ |
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排出量原単位(生産量ベース) |
連結 |
2.77 t-CO2/t |
2025年度:2.71 t-CO2/t 2030年度:1.92 t-CO2/t |
[地域社会との共生]
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項目 |
範囲 |
実績(2023年度) |
目標(2030年度) |
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行政の推進する機構への参画 |
単体 |
1件 |
2件以上 |
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地域イベントへの協賛 |
単体 |
17件 |
14件以上 |
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地元学校の校外学習の定期的 (年1回以上)な受け入れ |
単体 |
6回 |
年1回以上 |
[人的資本への投資と人権の尊重]
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項目 |
範囲 |
実績(2023年度) |
目標 |
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単体 |
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単体 |
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2024年度:法定雇用率以上 |
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単体 |
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単体 |
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単体 |
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連結 |
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単体 |
管理職以上 |
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単体 |
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(注) 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」に基づく算定方法では、年度を跨いで取得した育児休業は、年度を跨ぐ前後の年をカウント対象とするものの、実際に取得したとカウントするのは年度を跨いだ後の年のみとしていますが、本統計においては年度を跨ぐ前の年度も実際に取得したものとしてカウントしております。
[ガバナンス]
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項目 |
範囲 |
実績(2023年度) |
目標(2030年度) |
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重大なコンプライアンス違反件数 |
単体 |
0件 |
0件 |
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コンプライアンス教育の実施状況 (受講率) |
単体 |
100% |
100% |
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営及び事業に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、次のとおりであります。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の抑制と回避に取り組んでおります。
しかしながら、当社グループの取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合には、当社グループの信用、業績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、以下の内容は、当社グループに係る全てのリスクを網羅したものではありません。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 国内事業活動について
① 経済状況
当社グループの事業活動は、現在、その大部分が日本国内市場にて行われております。したがって、日本国内における人口減少等による構造的な課題、景気の後退に伴う需要の減少、消費動向の変動等は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 食の安全
当社グループでは、製品の安全性を保証するため、「重金属検査」「農薬検査」「放射能検査」「衛生検査」を実施する等高度な検査体制を構築し、食品会社の存立基盤となる「安全・安心」を確保するために、万全の体制で臨んでおります。また、異物混入を防御するとともに、異常が無いことを証明できる体制づくりを行っております。
しかしながら、当社グループにおいても、偶発的な事由によるものを含めて、異物混入や誤表示等、消費者に健康被害を及ぼす製品事故が発生するほか、社会全般にわたる重大な品質問題等、当社グループの取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 気候、天候条件による需要動向
当社グループの主要製品であるきのこの需要には、季節変動(9月~12月が最需要期、1月~3月が需要期、4月~8月が非需要期)があります。この季節変動に加え、きのこの需要は、一般野菜市場の影響を受けることから、一般野菜の需給に大きく影響を及ぼす気候・天候条件を起因とした影響を受けることがあります。野菜市況が長期にわたって低価格で推移する等、その影響が大きい場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 自然災害
当社グループは、国内の複数地域に合計20拠点(本社2ヶ所、営業拠点7ヶ所、生産拠点・研究開発センター11ヶ所)を有し、海外ではオランダに生産拠点1ヶ所を有しております。地震や風水害等の大規模な自然災害が発生し、生産設備の破損、物流機能の麻痺等、当社グループの危機管理対策の想定範囲を超えた被害が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 調達リスク
当社グループの生産工程において、原材料、包装資材、機械装置、燃料等を使用しておりますが、需給動向や気候変動に伴う市場相場と、国際的な情勢変化や景気変動に伴う為替相場等による価格上昇リスクと安定調達リスクがあります。
当社グループでは、新規開拓や代替品の提案などのほか、複数社購買等によりリスクの発生やコスト上昇の抑制に努めておりますが、当社グループの想定範囲を超えた状況が発生した場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 主要製品への依存について
当社グループの主要製品はまいたけ、エリンギ、ぶなしめじで、売上収益の55.2%をまいたけが占めております。当社グループでは、これら製品の緊密な生販連携に加え、生産技術の革新、機能性研究の推進によりマーケット需要の創造や当社の市場シェア拡大を図っておりますが、これら製品、特にまいたけの需要が大幅に縮小した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 業績の季節変動について
当社グループの主要製品であるきのこの季節性より、春から夏にかけては需要が低調に推移することから単価は安く、秋から冬にかけては需要が拡大することから単価も上昇するという傾向にあります。したがって、通常の市場動向であれば、当社グループの売上収益は、需要が拡大する第3四半期から第4四半期にかけて増加する傾向があります。そのため、特定の四半期業績のみによって通期の業績見通しを判断することは困難であります。
なお、2024年3月期の当社グループの四半期業績の推移は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
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(会計期間) |
2024年3月期 第1四半期 |
2024年3月期 第2四半期 |
2024年3月期 第3四半期 |
2024年3月期 第4四半期 |
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売上収益 |
6,578 |
6,878 |
10,852 |
9,133 |
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営業利益 |
△315 |
1,385 |
2,544 |
△802 |
(4) 他社との競合について
当社グループは、主力製品であるきのこ類の緊密な生販連携に加え、生産技術の革新、機能性研究の推進によりマーケット需要の創造や市場シェア拡大を図っております。しかしながら、消費者のニーズの変化や業界のコスト構造の変化等により、当社グループが属する市場の規模が想定したほど拡大しない、当社グループの市場シェアが低下する、他社の増産等業界競争の激化に伴う価格下落圧力が生じる場合等は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 人材の確保について
当社グループは、今後更なる業容拡大を図る上で、優秀な人材の確保と育成が重要課題であり、同時に不足している労働力をパート・アルバイト労働者、外国人材の活用で補うことが不可欠であると認識しております。
昨今の労働力の減少による人材確保競争の激化、物価の高騰を背景に強まる賃上げ圧力の増大、各種労働関連法の改定による処遇格差の縮小等に起因した労務費コストの増加、社内人材の育成の遅れによる外部への流出、及び採用自体が困難になった場合は、当社グループの事業活動に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は多くの外国人技能実習生を雇用しており、今後の技能実習制度の廃止や新たな制度への移行の検討が進められている中、今後の動向を注視し、適切な人材の確保に努めていくことが必要となってきております。
(6) 情報セキュリティについて
当社グループでは、事業全般にわたって情報システムを活用していることから、情報セキュリティ事故の発生抑制のための様々な対策を講じ、情報セキュリティの強化を図っております。
しかしながら、コンピュータウィルスの感染やサイバー攻撃、不正アクセス等によって、情報セキュリティ事故が発生した場合には、当社グループの事業停滞のほか、社会的信用やブランド価値の毀損による経済的損失等により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 減損会計について
当社グループは、多額ののれんを計上しているとともに、事業用資産としての様々な有形・無形の固定資産を所有しております。
当社グループののれんは、旧商号BCJ-22が旧雪国まいたけ②を2015年4月に子会社化、旧雪国まいたけ④が有限会社三蔵農林(2023年4月1日付にて当社に吸収合併)を2019年10月に子会社化、Yukiguni Maitake Netherlands Holdings B.V.がOakfield Champignons B.V.及びOakfield Onroerend Goed B.V.を子会社化した際に発生し、2024年3月末時点ののれんの金額は5,881百万円で、資産合計額に占める割合15.5%となっております。
当社グループの連結財務諸表はIFRSを採用しておりますので、のれんは非償却性資産であり毎期の定期的な償却は発生しませんが、今後、これらの資産に係る事業収益性が低下した場合等には減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。のれんの減損に係るリスクを低減するため、事業の収益力強化に努めております。
なお、のれんは、個別財務諸表上においては20年の償却期間で償却されており、2024年3月31日現在の残高は、19,679百万円となっております。
(8) 多額の借入金及び金利の変動について
当社グループは、金融機関を貸付人とする借入契約を締結し多額の借入れを行っており、2024年3月末における有利子負債比率((借入金+1年内返済予定の長期借入金+リース負債)÷資本合計)は161.6%であります。当社グループでは、金利上昇によるリスクを軽減するため、固定金利による金銭消費貸借契約を締結しております。
なお、当社グループの借入金の一部には財務制限条項が付されており、これに抵触する場合、貸付人の請求があれば当該契約上の期限の利益を失うため、ただちに債務の返済をするための資金の確保が必要となります。
財務制限条項の主な内容は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 18.借入金」に記載しております。
(9) 株式会社神明ホールディングスとの関係について
① 資本関係、人的関係等
当社は、株式会社神明ホールディングスから出資を受け入れております。当連結会計年度末現在において、株式会社神明ホールディングスは当社発行済株式総数の50.04%を保有しており、当社は株式会社神明ホールディングスの連結子会社であります。また、当社の取締役である藤尾益雄を株式会社神明ホールディングスから招聘しているほか、出向者を2名受け入れております。また、当社は、株式会社神明ホールディングスのグループ会社に対して当社製品の販売を行っております。
② 株式会社神明ホールディングスのグループ経営管理
株式会社神明ホールディングスのグループ経営管理に関して、当社が同社の事前承認を必要とする事項はありません。
また、同社から当社に対する役職員の派遣や各種取引に関しては、少数株主保護の観点で問題がなく、かつ、必然性及び経済合理性が認められる範囲において、各社の経営判断のもとに実施されております。当社の側でも、同社のグループ経営管理に関して、当社の経営の独立性が阻害されることがないよう、独立役員を確保するとともに、独立役員が過半数を占める任意の指名・報酬委員会を設置する等の措置を講じております。
また、当社では、少数株主保護の観点よりコーポレートガバナンス・コードに準じ、2021年12月より新たに独立社外取締役にて構成される特別委員会を設置し、支配株主である同社との重要な取引・行為についての審議・検討及び継続取引について妥当性確認を実施し、取締役会に対し答申を行っております。そのほか、同社グループとの各種取引について、「関連当事者取引管理規程」に基づいて、当社の取締役会の決議を経て実施することとしており、既存の取引についても取締役会での決議を経て、実施しております。
③ 神明ホールディングスグループにおける当社の位置付け
神明ホールディングスグループは、米の卸売事業を基軸として、「川上から川下までの食のバリューチェーン」構築を目指しており、その上で、米の卸売事業の周辺事業に止まらず、食品製造業への進出も同社の成長戦略の一つとして位置付けております。当社グループは、当該成長戦略の一翼を担っております。
また、現在、神明ホールディングスグループには、当社グループ以外に、きのこの製造販売やそれに類似する事業を営む企業が存在しないため、当社グループとその他の神明ホールディングスグループ企業との間で事業の競合は発生しておりません。
当社グループとその他の神明ホールディングスグループ企業との間には、当社が従来まいたけの消費量の少なかった西日本等で販売拡大に取り組む場合等での神明ホールディングスグループのネットワークの活用や、米ときのこを組み合わせた商品開発と小売店・外食チェーンでの展開、広域量販店を中心とした両社の商品のクロスセル推進等の形でシナジーが見込まれ、当社及び株式会社神明ホールディングスは、両社の協働を通じて、それぞれにおいて企業価値向上を図ることができる関係にあると考えております。
④ 今後の関係
当社グループは今後も神明ホールディングスグループとの取引拡大に向けて株式会社神明ホールディングスと協業を継続していく方針であります(なお、神明ホールディングスグループとの取引は、他のクライアント企業と同様の取引条件で行っており、今後も同様の方針であります。)。当社といたしましては、株式会社神明ホールディングスの関係について重大な変化は生じないものと認識しておりますが、将来において、何らかの要因により株式会社神明ホールディングスが経営方針や営業戦略(当社株式の保有方針も含む。)を変更した場合、当社株式の流動性及び株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。また、株式会社神明ホールディングスが過半数の当社株式を保有しており、当社の役員の選解任等の当社の株主総会決議の結果に重要な影響を及ぼす可能性があります。
このように、株式会社神明ホールディングスは、当社について他の一般株主と異なる利害関係を有しており、一般株主が期待する議決権の行使その他の行為を行わない可能性があります。
(10) 中期経営計画について
当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 中長期的な経営戦略等」に記載のとおり、2023年12月に「中期経営計画(2024年3月期~2028年3月期)」を公表しております。
本中期経営計画は過去・現状を踏まえての現時点での想定に基づいて作成されておりますが、今後における国内外の経済動向、地政学的リスク、消費者のニーズの変化、取引先の方針変更、テクノロジーの革新等により、かかる想定通りとならない、あるいは想定していない事象の発生等により、本中期経営計画における目標を達成できない可能性があります。
(11) 気候変動について
地球温暖化に伴う世界規模での気候変動は、集中豪雨や台風の増加、洪水や土砂崩れによる被害の甚大化や、酷暑や暖冬によって様々な被害が引き起こされる可能性があります。当社グループにおいては、原油価格の高騰等による原材料価格の値上げに伴うコスト増加や、消費者志向の変化に伴う販売影響などにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
これに対し当社は、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明するとともに、サステナビリティ推進委員会を設置し、サステナビリティ方針の策定や温室効果ガス(以下「GHG」という。)サプライチェーン排出量の削減に向けた取り組みや、気候変動に関する事業や財務への影響について議論を進め、想定されるリスク及び機会を整理し、シナリオ分析と財務インパクト評価を実施するなど、環境にも配慮した事業経営を行っております。今後は、2050年度での当社グループのGHG排出量ネット・ゼロを目指し、再生可能エネルギーの導入検討やプラスチック使用量の低減、森林整備・保全活動等を引き続き実施し、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでまいります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における国内経済は、新型コロナウイルス感染症の感染法上の位置付けが変更され、経済活動の正常化が進みました。一方、緊迫する国際情勢やエネルギー価格の高騰、円安による調達価格の上昇、人材不足による労務費の増加を背景とした各種コスト高はやや落ち着きが見られるものの、引き続き企業活動においては楽観視できない状況が続いております。
このような経済環境の中、当社グループは、2023年12月5日付にて公表いたしました「海外事業会社の買収に関するお知らせ」のとおり、当社の子会社であるYukiguni Maitake Netherlands Holdings B.V.(2023年10月設立)を通じて、オランダを拠点とするマッシュルームの製造販売を手がけているほか、オランダ及び周辺国でエキゾチック・マッシュルームについても精力的に事業を展開しているOakfield Champignons B.V.(以下「OC社」という。)及びOakfield Onroerend Goed B.V.(2023年12月4日(現地時間)付で、Yukiguni Maitake Netherlands Real Estate B.V.に商号変更)の株式を取得し、当社グループ傘下に収めました。OC社の主な事業はマッシュルームの製造販売となりますが、オランダ及び周辺国ではエキゾチック・マッシュルームのトッププレーヤーの一角であり、また、当社と同様に幅広い直接販売ネットワークを活用し営業活動を行っております。このような特徴から、当社グループとの親和性は高くグループ全体の成長に貢献するものと見込んでおります。
また、当社グループは、事業を取り巻く環境の変化が、2021年11月に策定いたしました中期経営計画の基本戦略の推進に大きな影響を与えていることを踏まえ、中期経営計画の更新が必要であるとの判断に至りました。これにより、2023年12月19日付にて中期経営計画(2024年3月期~2028年3月期)を策定、公表いたしました。中期経営計画の主な内容は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 中長期的な経営戦略等」に記載しております。当社グループは、新たな中期経営計画のもと、急激な事業環境の変化に的確に対応し、国内での事業基盤を更に強化しつつ、引き続きグローバル展開を推進し、安全・安心な製品を提供することを通じて消費者の健康に寄与し、健やかな社会の実現に貢献すべく事業展開を図ってまいります。
なお、当連結会計年度におきましては、販売単価の引き上げやコスト低減活動、作業効率改善等に全社一丸となって取り組み、前連結会計年度に対し増収増益となりました。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、次のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末(2024年3月31日時点)の資産合計は、38,004百万円(前連結会計年度末に比べ4,699百万円増)となりました。流動資産は、10,615百万円(同3,434百万円増)となりました。これは主に、現金及び現金同等物が1,737百万円、営業債権及びその他の債権が1,304百万円増加したこと等によるものであります。非流動資産は、27,389百万円(同1,264百万円増)となりました。これは主に、のれん及び無形資産が676百万円、有形固定資産が457百万円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の負債合計は、26,484百万円(同3,588百万円増)となりました。流動負債は、9,278百万円(同2,685百万円増)となりました。これは主に、営業債務及びその他の債務が1,693百万円、従業員給付に係る負債が455百万円増加したこと等によるものであります。非流動負債は、17,205百万円(同903百万円増)となりました。これは主に、既存借入金のリファイナンスを目的として、金融機関からの資金調達及び期限前返済の実施、その他約定返済を実施し、その差額により借入金が786百万円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の資本合計は、11,520百万円(同1,111百万円増)となりました。これは主に、親会社の所有者に帰属する当期利益1,358百万円の計上及び剰余金の配当279百万円の支払いを実施したことにより利益剰余金が1,071百万円増加したこと等によるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度の収益は47,476百万円(前連結会計年度比12.5%増)、このうち、売上収益は33,443百万円(同7.8%増)となりました。うち茸事業の売上収益は33,133百万円(同8.1%増)となりました。顧客ニーズに合った適切な商品構成・提案により、前連結会計年度を上回る単価水準を実現いたしました。また、秋と冬の2回に分けてTVコマーシャルを行い、プレミアム感を打ち出すイメージ戦略の強化、ファストフード店やコンビニエンスストア等、外食中食を通してまいたけのおいしさや新たな食べ方の訴求など、積極的な営業活動を展開したことに加え、きのこ全般の市場供給量が落ち着いた状況が継続し市場取引価格は前連結会計年度より高い水準で推移いたしました。また、円安や原油価格高騰の影響は、原材料価格の押し上げ要因となり、労働環境の変化による労務費の上昇をもたらしましたが、原材料や包装資材の調達最適化や生産効率向上に向けた取り組みを実施し原価低減に努めました。これらにより、売上原価は35,860百万円(同13.2%増)、売上総利益は11,615百万円(同10.5%増)となりました。販売費及び一般管理費は、海外事業会社の株式取得に係る費用や販売促進費などが増加し、8,839百万円(同7.0%増)となりました。
また、当社が業績を評価する上で有用な指標であるとしているコア営業利益は2,580百万円(同0.7%増)、コアEBITDAは4,802百万円(同3.0%増)と、いずれも前連結会計年度をやや上回る結果となりました。(「コア営業利益」等の定義については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (参考情報)」を参照ください。)
なお、当社では、IFRS農業会計(IAS第41号)の適用に伴い、きのこ製品で構成される生物資産を売却費用控除後の公正価値で測定しており、当該公正価値の変動による利益又は損失が、連結損益計算書の「公正価値変動による利得」に含まれております。当連結会計年度においては、IAS第41号「農業」の適用に関する公正価値変動による利得が、収益に14,033百万円、売上原価に13,569百万円、それぞれ含まれております。
当連結会計年度における事業セグメント別の売上収益の状況は、次のとおりであります。
〔茸事業〕
(ⅰ) まいたけ
当社こだわりの製法である長期熟成・大株栽培ならではのまいたけ「極」の魅力を、より広く消費者の皆様に知っていただくために関東・関西エリアを中心にテレビCMの放映、CMと連動した店頭企画提案等を実施し、プレミアムきのことしての認知度向上に注力するとともに、当社の強みである豊富な商品ラインアップを活かした販売施策に取り組んでまいりました。これにより、前年同期に比べ販売量は減少いたしましたが、販売単価は好調に推移いたしました。この結果、まいたけ事業の売上収益は、18,461百万円(前年同期比3.0%増)となりました。
(ⅱ) エリンギ
安定した生産品質により供給量を維持し、定番の各種量目トレー製品や利便性の高い大量目スライス製品等、多様な商品提案を実施しております。これにより、前年同期に比べ販売量と販売単価はいずれも好調に推移いたしました。この結果、エリンギ事業の売上収益は、3,589百万円(同14.8%増)となりました。
(ⅲ) ぶなしめじ
青果市況と市場の動向を注視しながら、需給バランスに応じて量目の異なる製品の販売構成を柔軟に切り替え、安定した供給を実施しております。これにより、前年同期に比べ販売量と販売単価はいずれも好調に推移いたしました。この結果、ぶなしめじ事業の売上収益は、6,842百万円(同12.2%増)となりました。
(ⅳ) その他の茸
マッシュルームは、安定供給及び品質向上に取り組みましたが、販売量は前年同期に比べ低調に推移いたしました。本しめじも、前年同期に比べ販売量が低調に推移いたしました。また、海外事業会社にて扱うマッシュルーム、エキゾチック・マッシュルームの売上収益が、本セグメントの売上収益に含まれております。この結果、その他の茸事業の売上収益は、4,239百万円(同21.0%増)となりました。
〔その他〕
その他の売上収益は、主に健康食品の販売及び瑞穂農林株式会社が取り扱う培地活性剤によるものであります。当連結会計年度においては、健康食品の販売量、培地活性剤の製造及び販売量がいずれも減少いたしました。この結果、その他の売上収益は、309百万円(同15.6%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ1,737百万円増加し、2,797百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(ⅰ) 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果獲得した資金は、5,322百万円(前期は3,101百万円の獲得)となりました。これは主に、税引前利益2,240百万円や減価償却費及び償却費2,232百万円並びに営業債務及びその他の債務の増加額1,224百万円等の計上があった一方、営業債権及びその他の債権の増加額1,019百万円、法人所得税の支払い691百万円があったこと等によるものであります。
(ⅱ) 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は、3,361百万円(前期は2,996百万円の使用)となりました。これは主に、生産設備の増強・更新等に伴う有形固定資産の取得による支出2,476百万円、子会社株式の取得による支出868百万円があったこと等によるものであります。
(ⅲ) 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は、227百万円(前期は2,767百万円の使用)となりました。これは主に、2024年9月に返済期日が到来する借入金の返済資金に充当するため17,000百万円の借入を実施したこと等により、長期借入金の借入による収入が18,323百万円あった一方、当借入により16,447百万円の期日前返済及びその他約定返済を実施し、長期借入金の返済による支出18,064百万円があったこと等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自2023年4月1日 至2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
茸事業 |
41,908 |
7.7 |
|
その他 |
- |
- |
|
合計 |
41,908 |
7.7 |
(注) 1.生産実績は、販売価格にて算定しております。
2.上記生産実績は国内における茸事業を算定しております。海外事業会社における茸事業については、当連結会計年度の期中株式取得であったこともあり、算出しておりません。
3.その他セグメントは生産活動によらない事業を含むため記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループは主に見込み生産を行っており、当連結会計年度における受注実績の重要性が乏しいため記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自2023年4月1日 至2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
茸事業 |
まいたけ |
18,461 |
3.0 |
|
エリンギ |
3,589 |
14.8 |
|
|
ぶなしめじ |
6,842 |
12.2 |
|
|
その他の茸 |
4,239 |
21.0 |
|
|
その他 |
309 |
△15.6 |
|
|
合計 |
33,443 |
7.8 |
|
(注) 1.茸事業の「その他の茸」の主な内訳は、マッシュルーム、本しめじ、はたけしめじとなります。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績については、連結売上収益10%以上に該当する販売先がないため、その記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ⅰ) 資産
資産につきましては、当連結会計年度末38,004百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,699百万円増加いたしました。これは主に、現金及び現金同等物及び営業債権及びその他の債権の増加により、流動資産が3,434百万円増加いたしました。また、のれん及び無形資産及び有形固定資産が増加したこと等により、非流動資産が1,264百万円増加したことによるものであります。
(ⅱ) 負債
負債につきましては、当連結会計年度末26,484百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,588百万円増加いたしました。これは主に、営業債務及びその他の債務及び従業員給付に係る負債が増加したこと等により、流動負債が2,685百万円増加し、リファイナンスに係る金融機関からの資金調達及び期限前返済の実施、約定返済を実施し、その差額により借入金が増加したこと等により、非流動負債が903百万円増加したことによるものであります。また、結果として当連結会計年度末時点のレバレッジ・レシオ(連結総有利子負債/直前12カ月のコアEBITDA)は3.8倍となっております。
(ⅲ) 資本
資本につきましては、当連結会計年度末11,520百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,111百万円増加いたしました。これは主に、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上及び剰余金の配当の支払いを実施したことにより利益剰余金が1,071百万円増加したこと等によるものであります。
経営成績の分析につきましては、前記「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」を参照ください。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、前記「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」を参照ください。
資本の財源及び資金の流動性に関する情報につきましては、当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当社グループの主な資金の源泉は、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金となります。
設備投資等の長期資金需要は、自己資金又は金融機関からの長期借入金等により賄い、運転資金等の短期資金需要は、主に自己資金にて賄っており、必要に応じて金融機関からの短期借入金にて調達しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、決算日における財政状態、報告期間における経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える見積り・予測を必要としております。当社グループは、過去の実績や状況を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき、継続してこの見積り・予測の評価を実施しております。なお、重要な会計上の見積りとした項目は「生物資産の測定」、「非金融資産の減損」及び「確定給付債務の測定」であり、見積りの詳細及び当該見積りに用いた仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4) 見積り及び判断の利用」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」に記載のとおりであります。
これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
(参考情報)
当社グループは、経営成績の推移を把握するために、以下の算式により算定されたコア営業利益、コアEBITDA及びコアEBITDAマージンを、重要な経営指標として位置づけております。
コア営業利益、コアEBITDA及びコアEBITDAマージンは、次のとおりであります。
なお、中期経営計画における定量目標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な経営戦略等」に記載しております。
(単位:百万円)
|
回次 |
国際会計基準 |
|
|
第6期 |
第7期 |
|
|
決算年月 |
2023年3月 |
2024年3月 |
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営業利益 |
2,191 |
2,811 |
|
(調整額) |
|
|
|
- IAS第41号「農業」適用による影響額 (注) 4 |
305 |
△404 |
|
- その他の収益及び費用 (注) 5 |
66 |
△35 |
|
- 一時的な収益及び費用 (注) 6 |
- |
208 |
|
調整額小計 |
371 |
△231 |
|
コア営業利益 (注) 1、7 |
2,562 |
2,580 |
|
(調整額) + 減価償却費及び償却費 |
2,100 |
2,222 |
|
コアEBITDA (注) 2、7 |
4,663 |
4,802 |
|
コアEBITDAマージン(%) (注) 3、7 |
15.0 |
14.4 |
(注) 1.コア営業利益=営業利益 - IAS第41号「農業」適用による影響額 - その他の収益及び費用 - 一時的な収益及び費用
2.コアEBITDA=コア営業利益 + 減価償却費及び償却費
3.コアEBITDAマージン=コアEBITDA ÷ 売上収益
4.IAS第41号「農業」適用による影響額とは、IAS第41号「農業」を適用し、きのこの生産工程である仕込みから収穫時までのきのこを生物資産として、売却費用控除後の公正価値で測定するものであり、当該公正価値の変動による利得及び損失を影響額としております。
5.その他の収益及び費用とは、主に減損損失、固定資産除却損等となります。
6.一時的な収益及び費用とは、通常の営業活動では発生しない一過性の収益及び費用となります。2023年3月期においては、一時的な収益及び費用の発生はありません。2024年3月期においては、2023年12月4日付にて実施いたしました海外事業会社の株式取得に関する費用を一時的な費用としております。
7.コア営業利益、コアEBITDA及びコアEBITDAマージンは国際会計基準により規定された指標ではなく、投資家が当社グループの業績を評価する上で、当社グループが有用であると考える財務指標であります。当該財務指標は、非経常的損益項目及び競合他社に対する当社グループの業績を適切に示さない項目の影響を除外しております。なお、コア営業利益、コアEBITDA及びコアEBITDAマージンは、国際会計基準に準拠して表示された他の指標の代替的指標として考慮されるべきではありません。当社グループにおけるコア営業利益、コアEBITDA及びコアEBITDAマージンは、同業他社の同指標あるいは類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、その結果、有用性が低下する可能性があります。
(1) 種菌売買契約書
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契約会社名 |
相手方の名称 |
契約品目 |
契約締結日 |
契約内容 |
契約期間 |
|
株式会社 雪国まいたけ (当社) |
株式会社 キノックス |
ぶなしめじ種菌 |
2015年8月1日 |
ぶなしめじ種菌に関する取引 条件、試験使用条件の取り決め |
2023年8月1日~2024年7月31日 (自動更新) |
|
株式会社 雪国まいたけ (当社) |
株式会社 キノックス |
エリンギ種菌 |
2017年5月31日 |
販売者がキノックスである エリンギ原種菌(KX-EG071) 売買契約 |
2023年5月31日~2024年5月30日 (自動更新) |
(注) 上記については、ロイヤリティとして売上高の一定率を支払っております。
(2) 株式会社みずほ銀行等との借入契約
当社は2017年8月25日付で、株式会社みずほ銀行をエージェントとする金銭消費貸借契約を締結し、2018年10月26日及び2020年1月28日に当該金銭消費貸借契約の変更を行っております。
2018年10月26日及び2020年1月28日付の変更を含む、当該金銭消費貸借契約の主な契約内容は、次のとおりであります。
なお、本借入契約につきましては、2024年3月29日に全額返済しております。
① 契約の相手先
株式会社みずほ銀行、株式会社第四銀行(現 株式会社第四北越銀行)、株式会社あおぞら銀行、株式会社三井住友銀行、株式会社りそな銀行、新潟県信用農業協同組合連合会、株式会社三菱東京UFJ銀行(現 株式会社三菱UFJ銀行)、株式会社大光銀行、株式会社東邦銀行、株式会社新生銀行(現 株式会社SBI新生銀行)、みずほ信託銀行株式会社
② 借入枠
コミットメントライン借入枠 1,500百万円
設備投資ファシリティ 3,000百万円
③ 返済期限
タームローンA:2018年4月末日より6ヶ月毎に返済(最終返済日2024年9月30日)
タームローンB:最終返済日(2024年9月30日)に返済
コミットメントライン借入枠:実行時1週間~6ヶ月で返済
設備投資ファシリティ:2024年9月30日に返済
(注) タームローンBは、2020年12月30日に3,500百万円の期限前返済を行いました。
④ 金利
TIBOR(東京銀行間取引金利)プラススプレッド
⑤ 主な借入人の義務
イ、財務制限条項を遵守すること
ロ、借入人の決算書の定期的な報告を行うこと
ハ、本契約において許諾される場合を除き、本契約上の債務以外を担保するために新たな担保提供をしない。
(3) 借入契約
当社は、既存借入金のリファイナンスを目的として、金融機関17社と総額17,000百万円の金銭消費貸借契約を締結し、2024年3月29日付で借入れを行いました。
なお、本借入契約の一部には財務制限条項が付されております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1) 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 18.借入金」を参照ください。
当社の研究開発の大きな柱の一つは、「食品としてのきのこ」の可能性を追求することであります。食味や食感に優れ、健康維持や増進に役立つ成分を多く含む等、消費者が求める、おいしくて健康に良いきのこ及びそれらを原料とした健康食品をお届けするために、新品種や栽培技術の開発及び機能性研究に取り組んでおります。
当連結会計年度における研究開発費の総額は
(1) 生産技術開発
当連結会計年度における茸事業に関する生産技術開発の研究開発費は253百万円となっており、主な内容及び成果は、次のとおりであります。
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研究開発課題 |
内容及び成果 |
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マイタケ生産技術の開発 |
各キノコについて、高効率・高安定な生産方法を研究開発中 |
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マイタケ菌株の開発 |
各キノコについて、高品質で生産性に優れる新品種を開発中 |
上記のほか、原材料保管から包装まで、更なる省人化を図るため、生産工程・包装工程の自動化を軸にした効率化ラインの構築に取り組んでおります。各工程の自動化を推進し、生産性の向上、収益性の更なる改善を引き続き目指してまいります。
(2) 機能性研究
当連結会計年度におけるその他の事業に関する機能性研究の研究開発費は84百万円となっており、主な内容及び成果は、次のとおりであります。
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研究開発課題 |
内容及び成果 |
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キノコがもつ健康効果の研究 |
キノコの健康機能に着目し、複数の機関と共同研究を推進中 |
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キノコに含まれる機能性成分の量産化 |
キノコ特有の機能性成分に関し、安価な生産方法を開発中 |
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新規事業に関する研究 |
キノコの特徴を活かした加工食品や素材の研究開発を推進中 |