第一部 【企業情報】

第1 【企業の概況】

(はじめに)

 当社(実質的な事業運営主体)は、1983年7月21日にまいたけ等の生産販売を行う会社として設立された株式会社雪国まいたけ(以下、当該法人を「旧雪国まいたけ①」という。)を前身としております。旧雪国まいたけ①の事業を承継した旧雪国まいたけ②(下記(1)に定義いたします。以下同様であります。)は、きのこ製品の大規模工場での量産体制を確立し、市場への高品質なきのこ製品の安定供給を実現してきたことで、業績を伸ばしてきました。しかしながら、中長期的に当社が持続的な企業価値向上を実現させていくためには、当社の資本を再構成して非上場化し、また機動的かつ柔軟な意思決定を可能とする安定した新しい経営体制を構築する必要があると考え、Bain Capital Private Equity, LP及びそのグループ(以下「ベインキャピタルグループ」という。)による当社株式の公開買付けが実施され、2015年6月16日には東京証券取引所市場第二部の上場を廃止いたしました。

 その後、株式会社BCJ-27(現在の当社)は、2020年4月1日付で、旧雪国まいたけ②の事業を承継した旧雪国まいたけ④(下記(3)に定義いたします。以下同様であります。)を吸収合併し、同日に株式会社雪国まいたけに商号変更し、現在に至っております。

 旧雪国まいたけ①の設立から現在に至るまでの沿革は、以下のとおりであります。

 なお、現在の当社が営む茸事業の実質的な運営主体は、下記(1)乃至(4)のとおり、旧雪国まいたけ①、旧雪国まいたけ②、旧雪国まいたけ③(下記(2)に定義いたします。以下同様であります。)及び旧雪国まいたけ④を経て、現在は当社となっております。そのため、本書においては、特段の記載がある場合又は文脈上明らかに異なる場合を除き、「当社」及び「当社グループ」とは、それぞれ、その時々におけるまいたけ等の生産販売の運営主体である上記の各法人、及び上記の各法人並びにその子会社及び関連会社を指しております。

 

(1) 旧雪国まいたけ①の設立

 1983年7月21日に設立された旧雪国まいたけ①は、わが国におけるきのこの事業の成長可能性に着目し、きのこ製品の大規模工場での量産体制を確立し、市場への高品質なきのこ製品の安定供給を実現するために、まいたけ等の生産販売を開始いたしました。

 旧雪国まいたけ①は、株式の額面金額を500円に変更することを目的として、1991年7月16日付で、株式会社雪国まいたけ(1972年10月19日に設立された司興業株式会社が、1991年1月10日に「株式会社雪国まいたけ」に商号変更された会社。以下、当該法人を「旧雪国まいたけ②」という。)に吸収合併され、旧雪国まいたけ②は、1994年3月11日に、新潟証券取引所の地域産業育成部に上場するに至りました。

 旧雪国まいたけ②の株式上場の推移は、次のとおりであります。

1994年3月 新潟証券取引所地域産業育成部に上場

2000年3月 新潟証券取引所と東京証券取引所の合併に伴い東京証券取引所市場第二部に指定

2015年6月 東京証券取引所市場第二部上場廃止

 

(2) ベインキャピタルグループによる旧雪国まいたけ②株式の公開買付け実施及び同社の吸収合併

 当社は、主力のまいたけを中心に、エリンギ、ぶなしめじ、その他のきのこ製品を含めた市場においても確固たる地位を築き上げてきました。しかしながら、国内人口が減少傾向にシフトし、国内きのこ消費量が頭打ちとなる中で、抜本的な成長戦略の見直し、及びその実行が不可欠となりました。また、2013年10月~11月にかけて公表された不適切な会計処理の発覚を端緒として、安定的なガバナンス体制の構築が急務とされておりました。

 そのような中、中長期的に当社が持続的な企業価値向上を実現させていくためには、当社の資本を再構成して非上場化し、また機動的かつ柔軟な意思決定を可能とする安定した新しい経営体制を構築する必要があると考え、旧雪国まいたけ②はベインキャピタルグループと協議した結果、ベインキャピタルグループが旧雪国まいたけ②の株式の公開買付け(以下「本公開買付け」という。)を行うことを決定しました。

 本公開買付けは、ベインキャピタルグループが、2015年2月4日に株式会社BCJ-21(Bain Capital Private Equity, LPが投資助言を行うファンドが間接的にその株式を保有する株式会社。以下、当該法人を「旧雪国まいたけホールディングス①」という。)及びその100%子会社である株式会社BCJ-22を設立し、株式会社BCJ-22が旧雪国まいたけ②の株式を取得する方法により、2015年4月6日まで実施されました。

 本公開買付けの終了後、株式会社BCJ-22は2015年6月19日に、旧雪国まいたけ②を完全子会社化いたしました。また、旧雪国まいたけ②は、2015年6月16日に東京証券取引所市場第二部への上場が廃止となりました。

 その後、株式会社BCJ-22は、2015年10月1日に旧雪国まいたけ②を吸収合併し、同日に、「株式会社雪国まいたけ」に商号変更しております(以下、当該法人を「旧雪国まいたけ③」という。)。

 

(3) BCJ-28による旧雪国まいたけホールディングス①及び旧雪国まいたけ③の吸収合併

 ベインキャピタルグループは、2017年7月14日に株式会社BCJ-27(Bain Capital Private Equity, LPが投資助言を行うファンドが間接的にその株式を保有する株式会社。以下、当該法人を「旧雪国まいたけホールディングス②」という。)及びその100%子会社である株式会社BCJ-28を設立いたしました。その後、株式会社神明ホールディングスが資本参加を行い、旧雪国まいたけホールディングス②の株式の49%を取得いたしました。

 株式会社BCJ-28は、旧雪国まいたけホールディングス①の完全親会社であるBain Capital Snow Hong Kong Limited より、旧雪国まいたけホールディングス①の株式の全部を取得し、同社を完全子会社化しました。

 その後、株式会社BCJ-28は、2018年1月1日に旧雪国まいたけホールディングス①及びその完全子会社である旧雪国まいたけ③を吸収合併し、同日に、「株式会社雪国まいたけ」に商号変更いたしました(以下、当該法人を「旧雪国まいたけ④」という。)。

 

(4) 現在の当社による旧雪国まいたけ④の吸収合併

 上記(3)に記載しております旧雪国まいたけホールディングス②は、2020年4月1日に旧雪国まいたけ④を吸収合併し、同日に「株式会社雪国まいたけ」に商号変更いたしました(現在の当社)。

 

 以上の当社の事業運営主体の変遷を図示いたしますと、次のとおりであります。

 

0101010_001.png

 

0101010_002.png

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

回次

国際会計基準

第3期

第4期

第5期

第6期

第7期

決算年月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

収益

(百万円)

50,759

51,380

47,081

42,204

47,476

税引前利益

(百万円)

6,646

7,125

4,564

1,794

2,240

親会社の所有者に帰属する当期利益

(百万円)

4,346

4,744

2,989

1,181

1,358

親会社の所有者に帰属する

当期包括利益

(百万円)

4,272

4,859

2,963

1,124

1,362

親会社の所有者に帰属する持分

(百万円)

4,899

9,233

10,471

10,409

11,454

資産合計

(百万円)

35,199

35,644

36,096

33,304

38,004

1株当たり親会社所有者

帰属持分

(円)

122.96

231.34

262.65

261.08

287.19

基本的1株当たり当期利益

(円)

109.07

119.03

74.92

29.63

34.06

希薄化後1株当たり

当期利益

(円)

108.98

119.00

74.90

29.62

34.05

親会社所有者帰属持分比率

(%)

13.9

25.9

29.0

31.3

30.1

親会社所有者帰属持分

当期利益率

(%)

120.6

67.1

30.3

11.3

12.4

株価収益率

(倍)

-

16.6

15.2

33.8

30.7

営業活動による

キャッシュ・フロー

(百万円)

4,891

8,204

5,606

3,101

5,322

投資活動による

キャッシュ・フロー

(百万円)

1,994

3,689

2,554

2,996

3,361

財務活動による

キャッシュ・フロー

(百万円)

5,053

5,198

3,107

2,767

227

現金及び現金同等物の

期末残高

(百万円)

4,461

3,777

3,723

1,060

2,797

従業員数

(人)

1,166

1,105

1,094

1,079

1,054

(外、平均臨時雇用者数)

(1,291)

(1,321)

(1,197)

(1,252)

(1,472)

(注) 1.上記指標は、国際会計基準(以下「IFRS」という。)により作成しております。

2.第3期の株価収益率については、当社株式は非上場であったため記載しておりません。

3.当社は、2020年7月14日開催の取締役会決議により、2020年7月30日付で普通株式1株につき100株の割合で株式分割を行っております。1株当たり親会社所有者帰属持分、基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益につきましては、第3期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、当該株式分割後の発行済株式数により算定しております。

4.臨時雇用者数は1日8時間換算による年間平均人数であります。

 

(2) 提出会社の経営指標等

 提出会社の経営指標の推移は、次のとおりであります。

回次

第3期

第4期

第5期

第6期

第7期

決算年月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

売上高

(百万円)

-

32,013

30,357

29,515

32,403

経常利益(△は損失)

(百万円)

16

5,618

3,722

1,017

646

当期純利益(△は損失)

(百万円)

17

8,911

1,953

146

190

資本金

(百万円)

100

119

100

100

100

発行済株式総数

(株)

398,500

39,910,700

39,910,700

39,910,700

39,910,700

純資産額

(百万円)

17,556

25,953

26,172

25,131

25,055

総資産額

(百万円)

17,568

51,822

51,190

47,239

50,223

1株当たり純資産額

(円)

440.56

650.29

656.38

630.13

628.04

1株当たり配当額

(円)

4,230.00

42.00

30.00

20.00

11.00

(うち1株当たり中間配当額)

(-)

(14.00)

(14.00)

(14.00)

(1.00)

1株当たり当期純利益

(△は損失)

(円)

0.43

223.60

48.96

3.68

4.77

潜在株式調整後

1株当たり当期純利益

(円)

-

223.54

48.94

3.68

4.77

自己資本比率

(%)

99.9

50.1

51.1

53.2

49.9

自己資本利益率

(%)

-

41.0

7.5

0.6

0.8

株価収益率

(倍)

-

8.8

23.3

272.1

219.6

配当性向

(%)

-

18.8

61.3

543.2

230.7

従業員数

(人)

-

1,016

1,005

997

1,024

(外、平均臨時雇用者数)

(-)

(988)

(929)

(974)

(1,292)

株主総利回り

(%)

-

-

59.4

53.3

56.2

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

(-)

(-)

(102.0)

(107.9)

(152.5)

最高株価

(円)

-

2,173

1,997

1,223

1,173

最低株価

(円)

-

1,600

1,092

814

867

(注) 1.当社は、2020年4月1日を効力発生日として旧雪国まいたけホールディングス②(2018年1月29日に株式会社BCJ-27から商号変更)が旧雪国まいたけ④を吸収合併した上で商号変更したものであります。旧雪国まいたけホールディングス②は、Bain Capital Private Equity, LPが投資助言を行うファンドが間接的にその株式を保有する目的にて設立された会社であるため、第3期の売上高及び従業員数の記載はありません。

2.第3期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、1株当たり当期純損失であり、また、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であったため、期中平均株価が把握できませんので記載しておりません。

3.第3期の自己資本利益率については、当期純損失のため記載しておりません。

4.第3期の株価収益率については、当社株式は非上場であったため、記載しておりません。

5.配当性向について、第3期は当期純損失のため記載しておりません。

6.当社は、2020年7月30日付で普通株式1株につき100株の割合で株式分割を行っております。1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益又は当期純損失につきましては、第3期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、当該株式分割後の発行済株式数により算定しております。なお、第3期の1株当たり配当額については、当該株式分割前の実際の配当金の額を記載しております。

7.2020年9月17日付をもって東京証券取引所市場第一部に株式を上場いたしましたので、第3期及び第4期の株主総利回り及び比較指標については記載しておりません。第5期から第7期の株主総利回り及び比較指標については、第4期の末日における株価及び株価指数を基準として算定しております。

 

8.最高株価及び最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所プライム市場におけるものであり、それ以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであります。なお、2020年9月17日付をもって同取引所に株式を上場いたしましたので、それ以前の株価については記載しておりません。

9.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第5期の期首から適用しており、第5期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

(参考情報)

 「はじめに」に記載のとおり、旧雪国まいたけ③は2015年10月1日に旧雪国まいたけ②を吸収合併しており、2018年1月1日に旧雪国まいたけ④が旧雪国まいたけ③を吸収合併しております(実質上の存続会社は旧雪国まいたけ③であります。)。また、2020年4月1日に旧雪国まいたけホールディングス②(株式会社BCJ-27から商号変更)が旧雪国まいたけ④を吸収合併し(実質上の存続会社は旧雪国まいたけ④であります。)、同日に「株式会社雪国まいたけ」に商号変更して現在の当社になっております。参考として、日本基準に基づいて作成された2020年3月期に係る旧雪国まいたけ④の主要な経営指標等の推移は、次のとおりであります。

回次

日本基準

旧雪国まいたけ④

第3期

決算年月

2020年3月

売上高

(百万円)

32,889

経常利益

(百万円)

5,031

当期純利益

(百万円)

2,716

資本金

(百万円)

100

発行済株式総数

 普通株式

 

(株)

 

384,898

純資産額

(百万円)

23,563

総資産額

(百万円)

53,806

1株当たり純資産額

(円)

61,219.09

1株当たり配当額

(円)

-

(うち1株当たり中間配当額)

(-)

1株当たり当期純利益

(円)

7,058.11

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

-

自己資本比率

(%)

43.8

自己資本利益率

(%)

12.2

株価収益率

(倍)

-

配当性向

(%)

-

従業員数

(人)

1,022

(外、平均臨時雇用者数)

(1,077)

(注) 1.売上高には、消費税等は含まれておりません。

2.旧雪国まいたけ④第3期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。

3.1株当たり配当額及び配当性向については、旧雪国まいたけ④第3期は、配当を実施していないため記載しておりません。

4.株価収益率については、当社株式は非上場であったため、記載しておりません。

5.上記の財務諸表については、「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算定した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。

6.臨時雇用者数は1日8時間換算による年間平均人数であります。

 

2 【沿革】

 「はじめに」に記載のとおり、当社は、2017年7月に設立され、その後、2020年4月に旧雪国まいたけ①の流れを汲む旧雪国まいたけ④を吸収合併し事業を承継しております。

 以下では、旧雪国まいたけ①の設立から、当社による旧雪国まいたけ④の吸収合併を経た現在に至る沿革を記載しております。

1983年7月

株式会社雪国まいたけ(旧雪国まいたけ①)を設立し、五十沢工場新設により、まいたけの生産販売を開始

1986年6月

本社新築により、新潟県南魚沼市余川89番地に移転

1986年10月

第1バイオセンターを南魚沼市水尾新田に新設し、まいたけの生産を開始

1987年3月

東京営業所を開設

1988年1月

納豆工場を本社隣接地に新設し、納豆の製造販売を開始

1988年10月

子会社 株式会社雪国商事を設立し、当社の各センターで使用する重油等の仕入れ及び一般消費者へガソリン等の販売を開始

1989年9月

第2バイオセンターを南魚沼市浦佐に新設し、まいたけの生産を開始

1990年4月

大平もやし店の営業権を譲り受け、もやしの生産販売を開始

1991年7月

株式額面を変更(1株額面50,000円を500円へ)するため、株式会社雪国まいたけ(旧雪国まいたけ②)が旧雪国まいたけ①を吸収合併

1991年8月

子会社 有限会社今町興産を設立し、培地副原料の製造を開始

1992年4月

大阪営業所を開設

1992年8月

新本社及び本社パッケージセンターを新築移転

1994年3月

当社株式を新潟証券取引所の地域産業育成部へ上場

1994年9月

第3バイオセンターを南魚沼市新堀新田に新設し、まいたけの生産を開始

1995年9月

五泉バイオセンターを五泉市中川新字郷屋原に新設し、まいたけの生産を開始

1996年3月

加工品販売事業部(現・加工食品部)を開設

1996年5月

まいたけ水煮の自社生産による販売を開始

1996年11月

子会社 株式会社ゼネラルバイオフーズを設立し、もやしの生産部門を子会社化

1997年2月

名古屋営業所を開設

1997年4月

まいたけエキスを凝縮した健康維持食品「MDフラクション」の製造販売を開始

1998年3月

株式会社トータクを株式取得により子会社とし、加工食品の製造販売に進出

1999年7月

仙台営業所を開設

2000年3月

新潟証券取引所と東京証券取引所の合併に伴い東京証券取引所市場第二部に上場

2000年10月

子会社 ユキグニマイタケコーポレーションオブアメリカを設立し、海外事業に進出

2001年9月

子会社 株式会社平成興業を設立し、生コンクリートの製造販売を開始

2002年3月

五泉バイオセンターでぶなしめじの生産を開始

2002年5月

第4バイオセンターを南魚沼市津久野に新設し、エリンギの生産を開始

2002年6月

1単元の株式数を1,000株から100株へ変更

2003年3月

子会社 ユキグニマイタケマニュファクチャリングコーポレーションオブアメリカを設立

2003年4月

子会社 青島東冷食品有限公司を設立し、水産加工食品の製造を開始

2003年5月

広島営業所を開設

2004年6月

第5バイオセンターを南魚沼市山崎新田に新設し、ぶなしめじの生産を開始

2004年9月

子会社 株式会社平成興業が子会社株式会社ゼネラルバイオフーズを吸収合併し、同時に子会社株式会社雪国バイオフーズに商号を変更

2005年2月

子会社 上海雪国高榕生物技術有限公司を設立し、えのき茸の生産を開始

2009年11月

「雪国やさい革命」シリーズのカット野菜の製造販売を開始

2010年11月

子会社 上海雪国高榕生物技術有限公司の出資持分を譲渡

2010年12月

関連会社 長春雪国高榕生物技術有限公司の出資持分70%を取得

2011年1月

滋賀パッケージセンターを滋賀県蒲生郡竜王町に新設し、もやし・カット野菜の生産及び出荷を開始

2011年12月

子会社 長春雪国高榕生物技術有限公司の出資持分を100%取得

2012年2月

子会社 長春雪国高榕生物技術有限公司の社名を雪国舞茸(長春)生物技術有限公司に変更

2014年11月

子会社 青島東冷食品有限公司の株式を青島大水食品有限公司へ譲渡

2015年2月

北海道営業所を開設

2015年6月

株式会社BCJ-22の完全子会社となり、東京証券取引所第二部における上場を廃止

2015年10月

株式会社BCJ-22を存続会社として同社と合併し、株式会社雪国まいたけに商号変更(旧雪国まいたけ③)

2016年8月

株式会社雪国バイオフーズの株式を株式会社サラダコスモへ譲渡

2017年4月

子会社 雪国舞茸(長春)生物技術有限公司の株式を譲渡

2017年7月

株式会社BCJ-27を設立

2018年1月

 

2018年1月

株式会社BCJ-28を存続会社として同社と合併し、株式会社雪国まいたけに商号変更(旧雪国まいたけ④)

株式会社BCJ-27が株式会社雪国まいたけホールディングスに商号変更(旧雪国まいたけホールディングス②)

2018年4月

株式会社雪国商事及び株式会社今町興産を吸収合併

2018年4月

株式会社雪国まいたけ西日本より、九州及び沖縄県における当社製品の販売事業を譲り受け、販売を開始

2018年9月

滋賀パッケージセンターにまいたけ包装課を新設し、まいたけの包装を開始

2019年1月

株式会社トータクを吸収合併

2019年3月

タカラバイオ株式会社から同社の保有する瑞穂農林株式会社(本しめじ及びはたけしめじの生産販売)及び株式会社きのこセンター金武(ぶなしめじの生産販売)の全株式を取得し、子会社化

2019年3月

子会社 ユキグニマイタケコーポレーションオブアメリカ及びユキグニマイタケマニュファクチャリングコーポレーションオブアメリカの株式を譲渡

2019年10月

有限会社三蔵農林(マッシュルームの生産販売)(2020年3月2日付にて株式会社三蔵農林へ商号変更)の全株式を取得し、子会社化

2020年2月

カット野菜及び納豆の製造出荷を終了

2020年4月

株式会社雪国まいたけホールディングス(旧株式会社BCJ-27、旧雪国まいたけホールディングス②)を存続会社として同社と合併し、株式会社雪国まいたけに商号変更(現在の当社)

2020年9月

東京証券取引所市場第一部に株式を上場

2022年3月

子会社 株式会社きのこセンター金武を解散

2022年4月

東京証券取引所市場再編に伴いプライム市場へ移行

2022年6月

東京本社(東京都中央区)を開設

2022年6月

監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行

2023年4月

子会社 株式会社三蔵農林を吸収合併し、岡山バイオセンターとして稼働開始

2023年10月

100%出資海外子会社として、Yukiguni Maitake Netherlands Holdings B.V.を設立

2023年12月

海外子会社 Yukiguni Maitake Netherlands Holdings B.V.は、オランダきのこ事業会社であるOakfield Champignons B.V.及びOakfield Onroerend Goed B.V.(同日付でYukiguni Maitake Netherlands Real Estate B.V.に商号変更)の株式100%を取得し子会社化

2023年12月

海外子会社 Yukiguni Maitake Netherlands Holdings B.V.の当社100%保有株式のうち20%を、被買収会社の取締役等に譲渡

 

3 【事業の内容】

 当社グループ(当社及び当社の子会社)は、当社と海外事業会社を含む子会社4社で構成され、きのこ類(まいたけ、エリンギ、ぶなしめじ、マッシュルーム、本しめじ、はたけしめじ等)及びきのこ加工食品の生産及び販売(以下「茸事業」という。)を主たる事業としております。

 当社では、まいたけの人工栽培に成功した後、まいたけの工業生産による安定的な生産・供給体制及び品質管理体制並びに小売事業者への直接販売を中心とした流通ルートの整備を図るとともに、そのノウハウをエリンギ・ぶなしめじの商品化に活かし、「きのこ総合企業」としての体制を確立してまいりました。

 各事業の特徴等は、次のとおりであります。

セグメントの名称

担当会社

事業等の特徴及び取り組み状況

茸事業

まいたけ

当社

まいたけは、自社開発の「極」ブランドが市場、小売、消費者から高い評価をいただいております。当社の調査によれば、「雪国まいたけ 極」は、旨味成分が従来品と比べて多く、濃厚で旨味・風味があり、バランスのとれたすっきりとした味わいと、従来品と比べて強い歯ごたえや弾力性を有するまいたけとなっております。

 また、高品質で安定生産できる新・白まいたけの自社菌の開発、量産化に成功し、「雪国まいたけ極 白」を販売しております。「雪国まいたけ極 白」は、「雪国まいたけ 極」のおいしさを引き継いだだけではなく、高級感あふれる見た目の美しさや煮汁が濁らない使いやすさなどが多方面から好評を博しております。

エリンギ

当社

エリンギは、品質改善による安定供給を維持し、食感が良い茎部分を太く、カサを小さく栽培することで「より食べやすく、よりおいしい」エリンギを目指しております。太くしっかりしたエリンギは、調理時の切り方のバリエーションも増えるため、レシピ紹介等を通じ新たな食べ方提案を実施しております。

ぶなしめじ

当社

ぶなしめじは、顧客ポートフォリオ(アイテム構成)を見直し、販売単価の向上を目指しております。また、包装形態の見直しを図り、トレーの材質や厚さを変更することでトレーの軽量を図る等、生産コスト低減にも取り組んでおります。

マッシュルーム

当社

マッシュルームは、ホワイトマッシュルームやブラウンマッシュルームを展開しており、他きのこと比べて用途に季節を問わず幅広い世代より好評をいただいております。

本しめじ

瑞穂農林株式会社

本しめじは、高級料亭等だけでしかなかなか食べることのできなかった「幻のきのこ」とも呼ばれております。松茸同様に難しいとされていた栽培に成功し、「大黒本しめじ」と呼ばれる、見た目の美しさと旨味成分を兼ね備えた本しめじを生産しております。

はたけしめじ

瑞穂農林株式会社

はたけしめじは、きのこ特有の苦味がなく、お子様にもおすすめのきのこであり、また、低カロリーで、食物繊維に加えビタミンやミネラルも含まれているヘルシー食材であります。現在、「雪国大粒丹波しめじ」として、更なる認知度向上を図っております。

海外事業

Oakfield Champignons B.V.

2023年12月4日付(現地時間)にて、当社は、オランダを拠点とするOakfield Champignons B.V.(以下「OC社」という。)等の株式を取得し、当社グループ傘下に収めました。OC社の主な事業はマッシュルームの製造販売となりますが、オランダ及び周辺国ではエキゾチック・マッシュルーム(日本で呼称されるマッシュルーム以外のきのこの総称)のトッププレーヤーの一角であり、また、当社と同様に幅広い直接販売ネットワークを活用し営業活動を行っております。

その他

当社

瑞穂農林株式会社

当社グループでは、その他の事業として、健康食品の製造(外部委託)及び販売、物産館の運営、並びに瑞穂農林株式会社にて培地活性剤の販売を行っております。

(注) 2023年4月1日付で、当社を吸収合併存続会社、株式会社三蔵農林を吸収合併消滅会社とする吸収合併を行っております。

 

 

[事業系統図]

 当連結会計年度末現在における子会社を含めた事業の系統図は、次のとおりとなります。

 

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(当社グループの生産の特徴)

 当社グループでは、独自に開発した工業生産手法により、きのこ(まいたけ、エリンギ、ぶなしめじ、本しめじ、はたけしめじ、マッシュルーム)を生産しております。主なきのこの生産工程と各工程における当社グループの手法の特徴については、次のとおりであります。こうした独自の生産手法により、当社は安定した生産能力、収穫、そして品質を実現しております。

 

(1) 培地合成

 オガ粉と栄養添加物を独自の割合で配合して栽培の土台となる培地を作成し、高温・高圧で殺菌いたします。当社グループでは、独自レシピで培地を配合し、農薬や化学肥料は一切使用しておりません。

(2) 植菌

 クリーンルーム管理(無菌状態に管理)した植菌室で培地に種菌を接種いたします。

 まいたけの生産に関しては、2015年8月に従来菌に比べて環境変化への耐性が強い新菌を導入し、歩留まり向上と生産の安定化を実現しております。特に、この独自に開発した新菌から収穫されるまいたけ「極」は、後述の培養・育成過程での工夫等を通じて、弾力性が高く歯ごたえをもたらす「茎」の部分が大きく、食べ応えがあるとともに、旨みと風味のバランスが良い等の特徴を有しており、高品質なまいたけの生産の実現につながっております。加えて、植菌作業の自動化にも取り組んでおります。

(3) 培養・育成

 光、温度、湿度等の環境を制御した培養室、発生室の中で、それぞれ菌糸(菌類の栄養体を構成する糸状の細胞列)、子実体(菌類の菌糸が密に集合してできた胞子形成を行う、塊状のもの。大形のものが「きのこ」と呼ばれる。)の生長を促しております。

 特にまいたけでは、広大な培養室及び発生室において、天然まいたけが繁殖する深山の気候を再現した独自のデータに基づく科学的な環境管理によって、光、温度、湿度等を適切に制御し、大量生産を実現しております。培養室及び発生室の広さはそれぞれ約1,350㎡であり、業界で最大の規模と考えております。また、当社のまいたけに関しては、培地を袋に入れて培養・育成を行う手法である袋栽培を採用し、生産工程の改善を続けてきたことにより、1株の大きさが約900グラムと大型化することに成功しており、これによって、後述の包装工程において、需給に応じた多様な容量の包装と商品展開を行うことが可能になっております。

 なお、当社では、地熱利用の空調や廃棄物を熱源とするボイラー等を活用することにより、生産工程におけるユーティリティコストの低減も実現しております。

(4) 収穫・包装

 収穫時期を厳しくチェックし、厳格な社内基準に適合したきのこだけを収穫し、販売用に包装いたします。当社グループでは、FA化(ファクトリーオートメーション)を進めており、ぶなしめじ及びエリンギに関しては、収穫・包装を含むほとんどの工程において自動化を実現しております。また、まいたけについても、包装工程を中心に生産の自動化を推進しております。

 また、当社グループのまいたけは、前述のとおり、袋栽培で1株の大きさが大きいため、1株販売、500グラムから50グラムまで自由な量目設定が可能であり、当社グループでは、市況や顧客ニーズに応じた柔軟なアイテム展開を行っております。その結果、価格相場に応じた柔軟なアイテム提案によりキログラム単価の最大化を可能にしております。

 

(まいたけの特徴)

 人口の多い団塊世代の全員が2025年にはいわゆる後期高齢者となるなど、少子高齢化の波は確実に強くなってきております。人口減少によってあらゆる商品の需要減少が予想されるため、様々な業界が警鐘を鳴らしており、国内食品業界全体の縮小は避けられない事態となっております。

 しかしながら、当社の主力製品であるまいたけは、食物繊維等の栄養素が摂取できる食材として、栄養成分の健康促進効果等もメディアで適宜紹介されております。健康意識の高いアクティブシニアからの支持が強いまいたけは、少子高齢化の中でも需要は相当程度高まっていくと見込んでおります。また、コロナ禍を経て、食生活を通じた健康維持についての関心も高まっていると想定しております。加えて、当社が販売しております白まいたけ「雪国まいたけ極 白」は、その見た目の美しさから、洋食メニューにおいて見栄えもよく、若年層の興味・関心を引き付ける効果的アイテムだと考えております。

 当社では、創業来長年にわたって高品質・高生産性のきのこ製品の研究開発に取り組んでまいりました。特に、まいたけについては、その充実した栄養成分や健康促進効果等に関して、研究成果の学会発表を行っております。

 当社の研究成果等によれば、まいたけには、食物繊維、α-グルカン、β-グルカン、ビタミンD、キチン、n-ヘキサン等の栄養成分が含まれております。

 

4 【関係会社の状況】

名称

住所

資本金

(百万円)

主要な

事業の内容

議決権の

所有割合又は被所有割合

(%)

関係内容

(親会社)

 

 

 

 

 

株式会社神明ホールディングス

兵庫県神戸市

中央区

100

持株会社

被所有 50.08

役員の兼任 1名

親会社からの人員出向

(連結子会社)

 

 

 

 

 

瑞穂農林株式会社 (注)2

京都府船井郡

京丹波町

10

茸事業

49.0

製品の仕入

当社からの人員出向

Yukiguni Maitake

Netherlands Holdings B.V. (注)3、4

オランダ王国

リンブルフ州

EUR100.00

経営管理

80.0

当社からの人員出向

Oakfield Champignons B.V.

(注)3

オランダ王国

リンブルフ州

EUR1.00

茸事業

100.0

(80.0)

 

Yukiguni Maitake Netherlands Real Estate B.V.

(注)3、5

オランダ王国

リンブルフ州

EUR1.00

不動産管理

100.0

(80.0)

 

(注) 1.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。

2.持分は100分の50以下でありますが、実質的に支配しているため子会社としたものであります。

3.当社グループは、Yukiguni Maitake Netherlands Holdings B.V.を通じて、Oakfield Champignons B.V.及びOakfield Onroerend Goed B.V.(2023年12月4日(現地時間)付で、Yukiguni Maitake Netherlands Real Estate B.V.に商号変更)の株式を取得し、当社グループ傘下に収めました。

4.Yukiguni Maitake Netherlands Holdings B.V.は、Oakfield Champignons B.V.及びYukiguni Maitake Netherlands Real Estate B.V.の株式取得を目的とした特別目的会社として2023年10月に設立され、現在は同両社の経営管理を主要な事業としております。

5.Yukiguni Maitake Netherlands Real Estate B.V.は、Oakfield Champignons B.V.事業に使用される設備の賃貸及び管理を実施しております。

6.2023年4月1日付で、当社を吸収合併存続会社、株式会社三蔵農林を吸収合併消滅会社とする吸収合併を行っております。

7.役員の兼任については、有価証券報告書提出日現在の人数にて記載しております。

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

茸事業

979

1,453

その他

7

5

全社(共通)

68

14

合計

1,054

1,472

(注) 1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む。)は、1日8時間換算による年間平均人員を( )内に外数で記載しております。

2.全社(共通)として記載している従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

 

2024年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

1,024

1,292

41.5

12.3

4,043,872

 

セグメントの名称

従業員数(人)

茸事業

949

1,273

その他

7

5

全社(共通)

68

14

合計

1,024

1,292

(注) 1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む。)は、1日8時間換算による年間平均人員を( )内に外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.全社(共通)として記載している従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

 

(3) 労働組合の状況

 当社の労働組合には、UAゼンセン雪国まいたけ労働組合があります。労使関係は良好であり、特記する事項はありません。なお、子会社について、労働組合は結成しておりませんが、労使関係は良好に推移しております。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の

割合(%)

(注)1

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1、3

全労働者

うち

正規雇用

労働者

うち

正規雇用

管理職

うち

正規雇用

監督職

うち

正規雇用

一般職

うち

パート・

有期労働者

6.8

100.0

65.7

77.9

85.4

90.9

95.1

76.0

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算定したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71号の4第1号における育児休業等の取得割合を算定したものであります。

3.労働者の男女の賃金の差異は、外国人技能実習生、特定技能、外国人インターシップを除いております。

 

② 連結子会社

当事業年度

名称

管理職に

占める女性労働者の

割合(%)

(注)1

男性労働者の育児休業

取得率(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1

全労働者

うち

正規雇用

労働者

うち

正規雇用

管理職

うち

正規雇用

監督職

うち

正規雇用

一般職

うち

パート・

有期労働者

瑞穂農林

株式会社

33.3

-

83.2

86.7

86.2

82.6

102.6

92.9

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算定したものであります。

2.当事業年度の男性労働者育児休業取得対象者はおりませんでした。

3.上記以外の連結子会社については「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表項目に該当しない、若しくは公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。