当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、投資・金融サービス業(金融商品取引、商品先物取引)、生活・環境事業(生命保険、損害保険の募集、広告用電設資材卸売業、LED照明等の販売事業)、スポーツ施設提供業(ゴルフ場関連事業)、不動産業(不動産賃貸業、宅地建物取引業)、インターネット広告業(SEO対策、サイト制作、コンサルティング業務)を事業領域としております。各事業部門ともにお客様の視線に立った公正・公平で誠実な経営を心がけてまいります。また、社会の責任ある一員として、順法精神と倫理観を大切にし、価値ある商品・サービスを提供することにより、すべてのステークホルダーの皆様とともに、豊かな社会の実現に寄与してまいります。
(2)経営戦略等
当社グループでは、不採算事業で将来性の見込めない部門からは早期に撤退を進め、事業再編・組織再編やM&Aなど機動的な再編を行い、安定した収益源の確保に向けて積極的な経営戦略に取り組んでまいります。
また、セグメントごとに新たな収益チャネルを模索しながら、経営資源の適切な配分に努め、安定した経営体制の確立に取り組んでまいります。
(3)経営環境
国内経済につきましては、長引くウクライナ情勢の影響、資源高による企業業績の圧迫や物価高騰による消費者マインドの低下などが、経済活動を抑制し停滞させるリスクとして懸念されます。その影響で、さらなる株価、為替、資源等の価格変動リスクが混在し、経営環境は見通しが立ちにくい状況で推移していくことが予想されます。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの主たる事業である投資・金融サービス業は、商品市況、株式市況、為替相場等の変動に大きな影響を受ける傾向にあり、先行き不透明な事業環境のなかで今後の見通しを判断することが困難となっております。このような不確定要因が混在している業種の特異性から、経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等はありませんが、安定的な収益源の確保と継続的な営業利益の拡大が当社グループの最優先事項であります。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは、安定的な収益源の確保と継続的な営業利益の拡大のため、経営資源を最適に配分し、グループ事業の拡大と再編に努めてまいります。
なお、セグメントごとの対処すべき課題は、次のとおりであります。
《投資・金融サービス業》
当社グループの営業総利益のうち、投資・金融サービス業による営業収益への依存度が最も高くなっていることから、当該事業の拡大が最優先課題となっております。同部門においては、即戦力人材の採用により営業組織を拡大し、ウェブサイト活用による社会的認知度の向上や、イベント・展示会への積極的な参加等を通じて顧客基盤の拡大を図るとともに、外部研修などによる社員の金融リテラシー向上により、顧客満足度の向上を図ってまいります。また、新規サービスのリリースにより収益チャネルを多様化し、積極的なプロモーションを通じて顧客層の拡大と収益の増加を目指してまいります。
《生活・環境事業》
保険募集業務では、各所属員が各取扱保険商品の特徴を的確に把握し、変化する顧客ニーズに対応した提案力の向上を図るとともに、保険周辺知識、隣接業界等に関する情報や付帯サービスの提供ができる対応力の強化と既契約に対する保全活動の品質向上を図り、顧客基盤の拡大と安定化に取り組んでまいります。広告用電設資材卸売業においては、引き続き、顧客ニーズに合った商品をツールにした提案型営業を推進し、新たな需要拡大に注力してまいります。LED照明機器を中心とした販売事業においては、ウクライナ情勢等世界情勢の不安に加えて円安による資源等の価格高騰、半導体をはじめとした電子部品等の供給不足など、依然として先行き不透明な状況が続いております。一方、昨年開催された水銀に関する水俣条約第5回締約国会議(COP5)で一般照明用蛍光ランプの製造と輸出入が2027年末までに禁止されることが合意され、代替需要としてLED照明機器が見込まれております。以前からLED照明の快適性及び電力経費の節減効果の評価は高く、今後、脱炭素社会に向けたCO₂の削減効果を目的としたLED照明機器への導入ニーズはより一層の高まりが期待できます。今後も大規模工場・倉庫・病院・商業施設に向けてLED照明機器への置換え提案を推進し、売上及び収益の拡大に注力してまいります。
《スポーツ施設提供業》
ゴルフ場事業では、猛暑などの気候変動に対応するため、営業時間の柔軟化やプレースタイルの多様化など、顧客ニーズに応じたサービスや快適なプレー環境を提供することで、来場者数の確保に繋げてまいります。
《不動産業》
不動産業において、既設の賃貸物件については、設備等の経年劣化具合を考慮しながら、計画的な設備更新や修繕を行うことで、物件の長期維持管理に努め、継続的かつ安定的な収益源の確保に繋げてまいります。また、短期で効率的な資金回転を目指す販売事業と中長期で安定的な賃料収入を確保する運用事業の両事業を推進し、堅固な事業基盤を確立するとともに、いかなる経済環境下においても持続的かつ安定した収益が維持できるよう取り組んでまいります。
《インターネット広告業》
インターネット広告業では、市場環境の変化や広範な顧客ニーズに対応しながら、既存サービスの拡充と新たな収益チャネルの多様化により、顧客基盤の拡大と収益の向上に繋げてまいります。
これらの既存事業以外にも、継続的に安定した収益が期待できる事業分野に関しましては新規参入を含めて検討してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社は、次に掲げる事項を経営理念としております。
・お客様第一を旨とします
私たちは、人と人とのつながり、お客様とのつながりを大切にし、常にお客様の視線に立った行動を心掛けてまいります。
・誠実な経営を歩みます
私たちは、遵法精神と倫理観を大切にし、公正・公平で誠実な経営を歩んでまいります。そして、お客様をはじめ当社に係る全てのステークホルダーの方々のご期待にお応えしてまいります。
・豊かな社会の実現に寄与します
私たちは、私たちが行う投資・金融サービスや営業活動を通じて、より豊かな社会を実現する使命を担っています。私たちに今できること、やらなければならないことを考え、行動してまいります。
これらの経営理念にも通じる、気候変動などの地球環境問題への配慮、人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な処遇、取引、自然災害等への危機管理など、サステナビリティを巡る課題への対応は、リスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題であると認識し、中長期的な企業価値の向上の観点から、これらの課題に積極的・能動的に取り組んでまいります。
取締役会はサステナビリティ全般に関するリスク及び機会の監督に対する責任と権限を有しております。常務会、コンプライアンス委員会等で協議された内容の報告を受け当社グループのサステナビリティのリスク及び機会への対応等を監視しております。
(2)戦略
当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。
人材育成方針
当社グループの主たる事業である投資・金融サービス業においては、入社時における新入社員研修、コンプライアンス研修を実施し、営業社員には必須である外務員研修を行っております。また、金融リテラシーの向上のためFP資格の取得を奨励しております。また、役職に応じた階層別研修も実施しております。
社内環境整備方針
従業員一人ひとりが働きがいを持って能力を十分に発揮できる仕組みづくりと、安心して働き続けることができる働きやすい職場環境、時間や場所にとらわれない働き方ができる環境の整備に努めてまいります。具体的には、リモートワークへの対応として、コロナ禍を契機に、リモートワークが可能な社員に対しては、組織と個人の生産性を維持・向上させるべく、コミュニケーションツールのデジタル化等を行っております。
(3)リスク管理
当社グループにおいて、全社的なリスク管理は、内部監査室において行っておりますが、サステナビリティに係るリスクの識別、優先的に対応すべきリスクの絞り込みについては業務部門と詳細な検討を行い、共有しております。優先的に対応すべきリスクの絞り込みについては、当社グループに与える財務的影響、当社グループの活動が環境・社会に与える影響、発生可能性を踏まえて行われます。
(4)指標及び目標
当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した内容に係る目標については、投資・金融サービス業においては関連する目標のデータ管理とともに具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載は困難であります。このため次の目標は当社グループの主たる事業である投資・金融サービス業のものを記載しております。
目標
女性が活躍できる職場であることについての求職者にむけた積極広報、男性労働者中心であった職場への女性労働者の配置拡大と、それによる多様な職務経験の付与等により、営業職の女性労働者の採用を2人以上増員することを目標としておりましたが、計画期間中に達成しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資の判断をする上で、重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から以下に記載するとおりであります。
当社グループはこれらのリスク発生要因を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 市況による影響について
当社グループの営業総利益のうち商品先物取引における受取手数料が約17%を占めております。当該取引は相場商品を取引の対象としていることから、受取手数料は国内外の金融市場の動向や経済情勢の影響を受けやすい傾向にあり、結果、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。また、これらの要因により長期間にわたって商品市場における売買高の低迷や減少が続いた場合には、当社グループの収益に影響を及ぼす可能性があります。
なお、金融商品取引(くりっく365及びくりっく株365)の受取手数料は、当社グループの営業総利益の約45%を占めております。当該取引におきましても、為替市場や株式市場の市況動向の影響を受ける傾向があります。
(2) 法的規制及び改定等による新たな規制の導入について
当社グループの主事業である商品先物取引は、商品先物取引法、同施行令、同施行規則などの関連法令、日本商品先物取引協会が定めた自主規制ルールなどの適用を受けております。また、これらの他に消費者契約法や個人情報保護法などの適用を受けております。金融商品取引(くりっく365及びくりっく株365)は、金融商品取引法を中心とした法令・諸規則の適用を受けております。なお、財務の健全性を測る指標の一つとして純資産額規制比率(商品先物取引法)、自己資本規制比率(金融商品取引法)の制度があり、それぞれに規制比率を120%以上維持することが義務付けられております。
これらの適用法令に抵触した場合には、許認可及び登録の取消し、業務停止などの行政処分等が行われることがあり、そのような場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 個人情報について
当社グループは、業務遂行上の必要性から多くの個人情報をコンピュータシステムなどによって取扱っております。当社グループは、個人情報の管理について、個人情報保護管理責任者を設置し、個人情報保護規程や社内システム管理規程等を設けるとともにコンピュータシステムのセキュリティー強化にも努めており、また役職員への啓蒙活動を行い、当該情報の管理に万全を期しております。
しかしながら、万が一、外部からの不正アクセスなど何らかの方法により個人情報が漏洩した場合には、当社グループはその責任を問われると同時に社会的な信用を失う怖れがあり業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) コンピュータシステムについて
当社グループは、お客様からのホームトレードシステムや金融商品取引(くりっく365及びくりっく株365)ツールによる売買注文の受付、商品取引所への売買注文の発注をはじめ、多くの業務でコンピュータシステムを利用しております。当社グループは、費用対効果を考慮しつつ、システム投資を行い安定稼動に努めておりますが、回線障害、機器の誤作動、プログラムの不備、不正アクセス、自然災害などによりシステムに障害が発生した場合、当社グループの業務に支障が生じ、その規模によっては、業績に重大な影響を受ける可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスが5類に変更されて以降、社会・経済活動の回復が進むなかで雇用・所得環境も改善されるなど、一部に景気の停滞が見られるものの緩やかな回復傾向で推移しました。一方で、ウクライナ紛争の長期化や中東情勢の混乱など国際情勢の不安定化による地政学的リスクの高まりに加え、建設業・物流業を中心とした国内産業における人手不足問題が引き起こす経済活動への制約の強まりが、わが国の景気下振れのリスクとなっており、先行きは不透明な環境が続くと見込まれます。
当社グループの主たる事業である投資・金融サービス業において、国内の商品市場のうち金は、欧米の金融不安などからリスクオフによる安全資産としての人気が根強く、さらにイスラエルとハマスの武力衝突により中東情勢の緊迫化が一気に高まったことで、12月4日には一時10,028円(期先)まで急騰し、10,000円の大台を初めて突破しました。その後は調整安で一時値を崩しましたが、世界的な地政学的リスクの長期化懸念や対ドル円相場の円安進行に加え、金の供給不安により需給バランスが需要過多になったことで、金価格が再度10,000円を超えてくると、期末にかけても依然上昇基調が続き、11,000円に迫る勢いで上昇しました。
国内の株式市場において、前半は、日本株に対し海外投資家による継続的な買いが入ったことや円安進行の恩恵を受け、日経平均株価は上昇基調となり、5月17日に30,000円を超えてからは、上値は1990年3月以来の高値を視野に入れながら、下値は30,000円を一度も割ることなく推移しました。2024年に入ると、欧米の好調な企業決算を背景に半導体関連などのハイテク株を中心に上昇しました。また円安が進行したことも重なり、日経平均株価は、2月22日に1989年12月29日に付けた史上最高値を更新する39,098円68銭で引けました。その後、為替市場が一時約34年ぶりの円安水準になると、日経平均株価はさらに上昇し、3月22日には41,087円75銭を付けるなど歴史的な急騰劇を演じました。
生活・環境事業において、生保は、少子高齢化による人口減や、世界的なインフレや金利上昇による不安定なマーケットの影響で厳しい収益環境となりました。一方で損保は、近年の世界的な異常気象による自然災害の多発や社会活動の活発化に伴う交通事故の増加が保険金の支払いを増加させ、業績の足かせとなりました。広告用電設資材卸売業においては、経済活動の正常化に向けた動きが進み、広告関連の設備投資需要も増加傾向となりました。また、LED照明販売事業では、資源高の影響を受け電気料金が高止まりしているなか節電意識が高まり、LED照明機器の需要は堅調に推移しました。
スポーツ施設提供業において、ゴルフ業界は、コロナ禍では比較的感染リスクの少ないスポーツとして注目を集めた娯楽でしたが、5月に行動制限が解除されると、さまざまな娯楽が選択できるようになったことから一部ゴルフ離れに繋がりました。しかし、継続的にゴルフコースでラウンドする層は一定数定着しており、また天候に左右されることなく身近な都市部でゴルフが楽しめるインドアゴルフの需要も伸びました。
不動産業において、ビジネスホテルは、4月29日に水際対策が終了したことに伴い、インバウンド需要が急回復した影響で、稼働率、客単価ともに急上昇しました。賃貸用マンションは、都心ではワンルームマンションの需要の冷え込みが続いているものの、ファミリー向けマンションの需要は好調に推移しました。
インターネット広告業においては、広告プラットフォームが分散期に入るなか、限られた広告予算を有効かつ効率的に活用できるリテールメディアに注目が集まり、従来のマスメディアやデジタルメディアなどに大きな変化をもたらす要因となりました。
このような事業環境のもと、投資・金融サービス業は、中途営業社員の継続採用や積極的なイベント出展、電話営業等を通じて新規営業を強化した結果、預かり資産や口座件数がほぼ計画通りに増加し、また、CXやFXを中心に相場変動の大きい主力商品の取引が拡大したことで、年間を通じて好調な業績を維持することができました。その結果、金融商品取引の受取手数料は1,391百万円(前連結会計年度比5.3%増)、商品先物取引の受取手数料は535百万円(同14.1%増)となったため、投資・金融サービス業の受取手数料は1,927百万円(同7.6%増)となりました。
生活・環境事業において、保険事業のうち生保は、通達改正による厳しい営業環境が続くなか、保障を主たる目的とした変額保険の法人・個人提案に注力し、大口法人契約を獲得することなどにより業績を伸展させることができました。しかし、損保については、既存顧客の更改率の維持に努めたものの、保険会社の火災保険に関する引受規制の影響により、新規法人契約の獲得が厳しくなったことで契約が伸びず、全体では計画を若干下回る業績となりました。その結果、募集手数料は305百万円(同7.4%増)となりました。また、広告用電設資材卸売業では、売上高414百万円(同0.7%増)となり、LED照明等の販売事業の売上206百万円(同7.2%増)などを加えた、生活・環境事業の営業収益は925百万円(同4.2%増)となりました。
スポーツ施設提供業において、当社が所有するゴルフ場(ゴールデンクロスカントリークラブ)では、記録的猛暑の影響を受けた8月は、来場者数、売上ともに大きく落としましたが、例年集客に苦戦する第4四半期は、暖冬の影響や天候にも恵まれたため、来場者数は前年同期比で増加し、売上も好調に推移しました。また、テレビ撮影やSNSなどを通じてゴルフ場が紹介されると、その反響は大きく、来場者数の増加に繋がりました。その結果、売上高は474百万円(同3.4%増)となりました。
不動産業において、不動産賃貸では、当社グループが所有する賃貸用マンションは、物件の設備更新や維持管理に注力し、入居率の向上を目指しました。ビジネスホテルにおいては、水際対策が終了した後は、コロナ禍の反動や円安の進行がインバウンド需要の急回復に繋がり、稼働率や宿泊単価は高水準で推移しました。また、不動産売買では、一部販売活動が長期化している物件があるものの、その他大半の販売用不動産の売却が順調に進み、市場環境などにより一部物件は計画を超える価格で販売することができました。仕入れにつきましては、リフォーム費用も含めた価格の高騰という厳しい環境のなか、仕入ルートの拡大を図りながら、慎重に物件を選別して購入を進めてまいりました。その結果、売上高は751百万円(同23.1%増)となりました。
インターネット広告業においては、動画広告需要の高まりやデジタルプロモーション市場の拡大など好調な事業環境が続くなか、アフィリエイト広告の運用代行やテレビコマーシャルの受注が好調となり、業績の向上に繋がりました。その結果、売上高は361百万円(同13.3%増)となりました。
これらの結果、営業収益は4,486百万円(同9.1%増)、営業総利益は3,073百万円(同9.8%増)となりました。
一方、営業費用は2,768百万円(同5.6%増)と増加しましたが、営業利益は305百万円(同71.2%増)、経常利益は365百万円(同54.5%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は370百万円(同85.1%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりです。
a 投資・金融サービス業
当連結会計年度の投資・金融サービス業の営業収益は1,974百万円(前連結会計年度比7.4%増)、セグメント利益は285百万円(同4.0%減)となりました。
当連結会計年度における投資・金融サービス業の営業収益は、次のとおりであります。
イ 受取手数料
|
区分 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
||
|
金融商品取引 |
|
|
||
|
|
取引所株価指数証拠金取引 |
1,029,338 |
2.2 |
|
|
|
取引所為替証拠金取引 |
362,483 |
15.2 |
|
|
金融商品取引計 |
1,391,821 |
5.3 |
||
|
商品先物取引 |
|
|
||
|
|
現物先物取引 |
|
|
|
|
|
貴金属市場 |
502,242 |
16.7 |
|
|
|
農産物市場 |
849 |
△60.5 |
|
|
|
ゴム市場 |
346 |
△44.8 |
|
|
|
エネルギー市場 |
- |
- |
|
|
|
小計 |
503,438 |
16.3 |
|
|
|
現金決済取引 |
|
|
|
|
|
貴金属市場 |
28,132 |
△14.8 |
|
|
|
エネルギー市場 |
3,793 |
15.5 |
|
|
|
小計 |
31,926 |
△12.1 |
|
|
商品先物取引計 |
535,364 |
14.1 |
||
|
合計 |
1,927,186 |
7.6 |
||
ロ その他
|
区分 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
その他 |
46,955 |
1.1 |
|
合計 |
46,955 |
1.1 |
当社グループの金融商品取引及び商品先物取引の売買高に関して当連結会計年度中の状況は、次のとおりであります。
ハ 金融商品取引の売買高の状況
|
区分 |
委託(枚) |
前年同期比(%) |
|
取引所株価指数証拠金取引 |
1,555,060 |
△20.8 |
|
取引所為替証拠金取引 |
458,346 |
9.6 |
|
小計 |
2,013,406 |
△15.5 |
ニ 商品先物取引の売買高の状況
|
市場名 |
委託(枚) |
前年同期比(%) |
|
現物先物取引 |
|
|
|
貴金属市場 |
90,889 |
22.1 |
|
農産物市場 |
792 |
△68.6 |
|
ゴム市場 |
429 |
△67.5 |
|
エネルギー市場 |
- |
- |
|
小計 |
92,110 |
17.7 |
|
現金決済取引 |
|
|
|
貴金属市場 |
46,716 |
△9.2 |
|
エネルギー市場 |
2,002 |
7.0 |
|
小計 |
48,718 |
△8.6 |
|
合計 |
140,828 |
7.0 |
(注)1.主な商品別の委託売買高とその総委託売買高に対する割合は、次のとおりです。
|
前連結会計年度 自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 |
当連結会計年度 自 2023年4月1日 至 2024年3月31日 |
||||||
|
取引所名 |
銘柄名 |
委託売買高 (枚) |
割合(%) |
取引所名 |
銘柄名 |
委託売買高 (枚) |
割合(%) |
|
㈱大阪取引所 |
金 |
58,259 |
44.3 |
㈱大阪取引所 |
金 |
69,768 |
49.5 |
|
金限日 |
24,692 |
18.8 |
白金 |
20,833 |
14.8 |
||
|
金ミニ |
17,274 |
13.1 |
金ミニ |
20,511 |
14.6 |
||
|
白金 |
15,514 |
11.8 |
金限日 |
18,822 |
13.4 |
||
|
白金ミニ |
7,924 |
6.0 |
白金ミニ |
4,291 |
3.0 |
||
2.商品先物取引における取引単位の最低単位を枚と呼び、例えば金は1枚1kg、白金は1枚500gというように1枚当たりの数量は商品ごとに異なります。
当社グループの金融商品取引及び商品先物取引に関する売買高のうち、当連結会計年度末において反対売買により決済されていない建玉の状況は、次のとおりであります。
ホ 金融商品取引の未決済建玉の状況
|
区分 |
委託(枚) |
前年同期比(%) |
|
取引所株価指数証拠金取引 |
53,459 |
1.1 |
|
取引所為替証拠金取引 |
76,040 |
134.2 |
|
小計 |
129,499 |
51.7 |
へ 商品先物取引の未決済建玉の状況
|
市場名 |
委託(枚) |
前年同期比(%) |
|
現物先物取引 |
|
|
|
貴金属市場 |
1,702 |
△5.8 |
|
農産物市場 |
39 |
△85.8 |
|
ゴム市場 |
37 |
270.0 |
|
エネルギー市場 |
- |
- |
|
小計 |
1,778 |
△15.0 |
|
現金決済取引 |
|
|
|
貴金属市場 |
2,958 |
△24.1 |
|
エネルギー市場 |
73 |
△9.9 |
|
小計 |
3,031 |
△23.8 |
|
合計 |
4,809 |
△20.7 |
b 生活・環境事業
当連結会計年度の生活・環境事業の営業収益は925百万円(前連結会計年度比4.2%増)、セグメント利益は56百万円(前連結会計年度は41百万円のセグメント損失)となりました。
|
区分 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
生命保険・損害保険事業 |
305,009 |
7.4 |
|
広告用電設資材卸売業 |
414,424 |
0.7 |
|
LED照明等の販売事業 |
206,365 |
7.2 |
|
合計 |
925,799 |
4.2 |
c スポーツ施設提供業
当連結会計年度のスポーツ施設提供業の営業収益は474百万円(前連結会計年度比3.4%増)、セグメント利益は43百万円(同70.7%増)となりました。
d 不動産業
当連結会計年度の不動産業の営業収益は751百万円(前連結会計年度比23.1%増)、セグメント利益は250百万円(同4.3%増)となりました。
|
区分 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
不動産賃貸料収入 |
253,235 |
3.0 |
|
不動産販売収入 |
497,823 |
36.7 |
|
合計 |
751,058 |
23.1 |
e インターネット広告業
当連結会計年度のインターネット広告業の営業収益は361百万円(前連結会計年度比13.3%増)、46百万円(同131.5%増)となりました。
財政状態については次のとおりです。
当連結会計年度の総資産は18,470百万円、純資産は9,522百万円、自己資本比率は51.6%、1株当たり純資産額は764.8円となっております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースのキャッシュ・フローは、営業活動による収入240百万円(前連結会計年度は270百万円の収入)、投資活動による支出342百万円(前連結会計年度は250百万円の支出)及び財務活動による収入36百万円(前連結会計年度は71百万円の支出)でありました。この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は1,698百万円(前連結会計年度末比65百万円減)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得た資金は、240百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益390百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、342百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出275百万円の計上等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、36百万円となりました。これは主に、短期借入による収入100百万円及び配当金の支払額43百万円の計上によるものであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、当社グループは、過去の実績及び判断により合理的と考えられる数値に基づいて評価及び見積りを行っております。ただし、見積りによる不確実性のため異なる結果となる可能性があり、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は次のとおりであります。
(営業収益)
営業収益は、受取手数料2,232百万円(前年同期比156百万円増)、売上高2,207百万円(前年同期比215百万円増)、その他の営業収益46百万円(前年同期比0百万円増)となりました。当社グループの中核事業である投資・金融サービスにおいて金融商品取引の受取手数料は1,391百万円(前年同期比69百万円増)、商品先物取引の受取手数料は535百万円(前年同期比66百万円増)と増加しました。売上高は、生活・環境事業925百万円、スポーツ施設提供業474百万円、不動産業751百万円、インターネット広告業361百万円であります。
(営業費用)
厳しい経営環境が続いている状況をふまえて事業経費の見直しを進めておりますが、営業費用は2,768百万円(前年同期比146百万円増)となりました。主な営業費用の内訳は、人件費が1,779百万円(前年同期比68百万円増)、電算機費が182百万円(前年同期比26百万円増)、取引所関係費が62百万円(前年同期比1百万円増)、広告宣伝費が47百万円(前年同期比18百万円増)であります。
(営業損益)
投資・金融サービス業における大幅な増収により営業利益は305百万円(前年同期比127百万円増)となりました。
(経常損益)
経常利益は365百万円(前年同月比128百万円増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
親会社株主に帰属する当期純利益は370百万円(前年同期比170百万円増)となりました。
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前連結会計年度 自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 |
当連結会計年度 自 2023年4月1日 至 2024年3月31日 |
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区分 |
金額(百万円) |
営業収益に占める割合(%) |
金額(百万円) |
営業収益に占める割合(%) |
|
営業収益 |
4,113 |
100.0 |
4,486 |
100.0 |
|
内訳 受取手数料 |
2,075 |
50.4 |
2,232 |
49.8 |
|
売上高 |
1,992 |
48.4 |
2,207 |
49.2 |
|
その他の営業収益 |
46 |
1.1 |
46 |
1.0 |
|
売上原価 |
1,313 |
31.9 |
1,412 |
31.5 |
|
営業費用 |
2,621 |
63.7 |
2,768 |
61.7 |
|
営業利益 |
178 |
4.3 |
305 |
6.8 |
|
経常利益 |
236 |
5.8 |
365 |
8.1 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
200 |
4.9 |
370 |
8.3 |
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」の項目をご参照ください。
(資産、負債及び純資産の状況)
当連結会計年度末の総資産額は、前期末と比べ1,508百万円増加し18,470百万円となりました。これは主に、差入保証金の増加1,348百万円及び投資有価証券の増加578百万円によるものであります。
負債総額は、前期末と比べ858百万円増加し8,947百万円となりました。これは主に、受入保証金の増加610百万円によるものであります。
純資産額は、親会社株主に帰属する当期純利益370百万円及びその他有価証券評価差額金の増加323百万円により、9,522百万円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については次のとおりであります。
(キャッシュ・フロー)
当社グループの資金状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」の項目をご参照ください。
(契約債務)
2024年3月31日現在、該当事項はありません。
(財務政策)
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または金融機関からの借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、賃貸不動産に係る設備投資などの長期資金は、変動金利の長期借入金で調達しております。
2024年3月31日現在、長期借入金の残高はありません。また、当事業年度末において、取引銀行1行との間で合計400,000千円の当座貸越契約を締結しております(借入未実行残高300,000千円)。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(投資・金融サービス業)
営業収益は、金融商品取引の受取手数料1,391百万円(前連結会計年度比5.3%増)、商品先物取引の受取手数料535百万円(同14.1%増)、その他の営業収益と合わせて1,974百万円(同7.4%増)となりました。
セグメント損益は、営業費用105百万円の増加で285百万円の利益(同4.0%減)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度に比べ841百万円増加し9,812百万円となりました。
(生活・環境事業)
売上高は、37百万円増の925百万円(同4.2%増)となりました。
セグメント損益は、営業収益の増加37百万円により56百万円の利益(前連結会計年度は41百万円の損失)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度に比べ219百万円増加し1,623百万円となりました。
(スポーツ施設提供業)
売上高は、15百万円増の474百万円(前連結会計年度比3.4%増)となりました。
セグメント損益は、営業収益の増加15百万円により43百万円の利益(同70.7%増)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度に比べ19百万円増加し1,033百万円となりました。
(不動産業)
売上高は、140百万円増の751百万円(同23.1%増)となりました。
セグメント損益は、250百万円の利益(同4.3%増)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度に比べ359百万円増加し5,827百万円となりました。
(インターネット広告業)
売上高は、大口顧客の増加等により42百万円増の361百万円(同13.3%増)となりました。
セグメント損益は、営業総利益の増加60百万円により46百万円の利益(同131.5%増)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度に比べ70百万円増加し258百万円となりました。
該当事項はありません。
該当事項はありません。