当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は「社会貢献」「自己実現」「願望実現」を経営の基本理念とし、次の7項目の実現を目指し、企業活動を行っております。
1.ニーズの多様化に対応した業容拡大を図ります。
2.環境変化対応の新規事業開発に取り組むとともに、トータルカーライフのアドバイザーとして、社会生活基盤の向上に寄与できる企業を目指します。
3.業務用の食材を低価格で提供することで地域社会に貢献できる企業を目指します。
4.業容拡大の中で社員の自己実現のための機会を積極的に創ります。
5.利益志向重視の事業運営により財務基盤の強化を図ります。
6.投資効率を高めキャッシュ・フロー志向重視の事業運営を推進します。
7.経済・社会環境の変化に対応できる効率的、フレキシブルな組織体制の確立と、人材確保と育成を図ります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは経常利益及び当期純利益重視の経営を推進してまいります。目標とする経営指標につきましては、連結経常利益率 5.5%以上、ROE(自己資本利益率)25.0%以上を経営上の目標数値としております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社は、経営の基本方針で記載のとおり、グループ事業を通じて社会に貢献することを目指しております。
そのために、車関連事業では、車関連用品販売に加え、自動車保険、整備・車検・板金・塗装・洗車等のサービスの提供を通じ一層の顧客満足の向上を図り、トータルカーライフサポートを目指してまいります。さらに、中古車の買取・販売、新車の販売のほか販売後のフォローを重視し生涯顧客として満足していただけるサービスの充実に努めてまいります。
業務スーパー事業では、業務用食材を小売販売する「業務スーパー」は、各地域の市場動向を勘案した店舗展開と同時に精肉や青果物、他の生活に密着した付帯メニューの拡充を通じて顧客満足及び付加価値の向上を図ってまいります。
精肉事業では、精肉の加工・販売を中心に、地域のお客様「安全・安心」な食材を提供し、食を通じて地域のお客様の健康な暮らしと食生活を支える事業を目指してまいります。
さらに、当社は、アグリ事業を中長期的に発展させていく事業として位置づけております。アグリ事業では、「めぐみの郷」を通じ、新鮮、安心、安全を実現した農産物直売所の運営、店舗展開、ライセンス展開を進めております。地元農家との協力体制を構築すると共に、店舗の拡大、プライベート商品の開発を進め、新しい市場を創造してまいります。
また、海外での事業推進につきましては、今後の国際情勢を注視しながら、東南アジア諸国での事業展開に取り組んでまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
国内経済におきましては、新型コロナウイルス感染症が「5類感染症」へ移行したことに伴い、社会・経済活動の正常化が進み、景気に緩やかな回復がみられたものの、円安の進行やエネルギー価格の高騰などに伴う物価上昇により、依然として先行き不透明な状況が続いております。小売業界におきましては、電気料金や原材料価格などの高騰に加え、物流経費・人件費等のコストも増加するとともに、生活必需品等の値上げにより消費者の節約志向が高まるなど、厳しい経営環境が続いております。
このような状況のなか、当社グループは、グループの成長を持続するために以下の項目を重点課題として取組み、増収増益に向けた基盤づくりを強化してまいります。
収益向上への取組み
当社グループは、これまでも事業戦略の見直しや市場の急激な変化への対応に努め、強固な経営基盤づくりを目指し、まい進してまいりました。創業50周年にあたる2025年に向けて、今後も確実に収益をあげ成長を続けるために、タイムリーで適切な新規出店、従業員一人ひとりの働き方への意識改革による労働時間の短縮を含めた生産性の向上、また引き続き徹底的な経費削減等の諸施策を実行することなどにより、グループ全体のコストを見直し、収益性の向上に努めてまいります。
人材育成への取組み
当社グループの基盤は、販売事業にあります。単に物を売るだけでなく専門知識や情報を提供すること、的確な商品説明やカウンセリング、商品活用を提案すること、アフターケアを確実に行うことなどにより、お客様に満足を与え続けられる人材を育て、ファンづくり、生涯顧客づくりに取り組んでまいります。
組織継続への取組み
当社グループは、グループ内において「幹部養成塾」や「NC養成塾」を開講し、次世代を担う若手社員や幹部社員の育成に取り組んでおります。さらにグループの社長・役員を対象とした「創業者塾」を開講し、経営のノウハウや役員としての心構えを教育することで、組織の将来を担う経営者の育成に努めております。
市場開拓への取組み
当社グループは、車(四輪・二輪)関連事業、業務スーパー事業、精肉事業を中心に、アグリ事業をはじめとしたその他事業にも積極的に取り組んでおります。これらグループでのシナジーが期待できる業種・業態に対しては、今後も積極的にM&Aや資本提携・業務提携等の手法を用いてグループ全体の業容拡大を目指してまいります。
アジア市場への取組み
日本国内の需要が縮小傾向にあるなか、当社グループは、東南アジア諸国に現地法人を設立し、グローバル化を推進してまいりました。日本国内外での事業展開において得られた経験を生かし、今後の国際情勢を注視しながら海外での展開をすすめてまいります。
これらの課題に対処するにあたり、コーポレート・ガバナンスの充実やコンプライアンス体制の強化、リスク管理などの取組みを通じ、社会からの信頼と共感を得られるよう努めてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
a.気候変動への対応(TCFD提言に基づく情報開示)
当社グループは、サステナビリティに関する社会の期待や要請に応えるためには、各事業の強みを生かし持続可能な社会へ貢献することが、当社グループの長期的な成長につながると考えESG課題の解決に向けた取り組みを推進しています。その要素の1つである気候変動課題について、TCFDの提言に基づいた分析を実施したため情報を開示致します。
(1)ガバナンス
当社グループでは、代表取締役社長を委員長とした「リスク管理委員会 」で気候変動課題について審議、検討しています 。当委員会は、月1回の頻度で開催され、各社から報告される気候変動関連リスク及び機会について審議、検討を行い、さらにその中で重要と判断された事項については取締役会へと報告されます。取締役会では、最終的な対応方針などを決定し、リスク管理委員会を通して各社へ対応を指示することでグループ全体の経営戦略に反映しています。 実際に電気使用量の削減に向けてモニタリングシステムの導入や、エコ運転の啓蒙活動として営業車へのGPS端末設置など意識づけに当たっての施策検討などを実施しています。
(2)リスク管理
当社グループでは、リスク管理委員会を中心として気候変動リスクを含む重大なリスク発生を未然に防ぎ、また万一重大なリスクが発生した場合、事業への影響を最小限にとどめるように努めています。リスク管理委員会は月1回開催され、各社より挙げられた気候関連課題と、その他の全社的なリスクを統合し、当社グループの業績への影響とステークホルダーの期待の2軸をもとに相対的に評価することで重要リスクを特定しています。
特定した重要リスクについては取締役会へと報告され、最終的な対応方針などが決定されます。 その対応方針を受け、リスク管理委員会では各社への指示並びに対応の進捗状況のモニタリングが行われます。
(3)戦略
当社グループでは気候変動によるリスクと機会の特定及び評価を行うためにシナリオ分析しました。2023年3月より実施したシナリオ分析では、脱炭素へ移行する2℃未満シナリオと現状のまま地球温暖化が進行する4℃シナリオを想定し、2030年の将来世界について分析を行いました。
各シナリオの詳細
リスク機会一覧
[時間軸定義] 短期:0~3年 中期:~2030年 長期:~2050年
大:1億円以上の影響を想定 中:5千万円以上~1億円未満の影響を想定 小:5千万円未満の影響を想定 ‐:影響はないと想定 〇:定性的な評価で影響があると想定 △:定性的な評価で影響は小さいと想定
① 2℃未満シナリオの分析結果
当社グループは車関連事業や業務スーパー事業などをグローバルに 500店舗以上を展開しており、操業のために排出しているGHG(対象範囲は国内拠点)は2022年度でScope1が 1,326.3 tCO2、Scope2が 34,731.8 tCO2、使用電力量は 91,340,733.0 kWhと多くのエネルギーを使用しています。今後の脱炭素社会の実現に向けた炭素税の導入と再エネ比率の高まりに伴う電力価格の高騰により、事業活動に伴う操業コストの増加を大きなリスクとして想定しています。一方、市場の動向としてEV車への買い替え需要が期待されるため、EV車関連製品の売上増を機会として想定しています。
② 4℃シナリオの分析結果
当社グループが保有する拠点をハザードマップで調査(2023年8月時点)したところ、約 20%の拠点が洪水の最大浸水深である 300cm以上と予測されました。特に愛知県内の拠点は激甚的な被害予想が集中しています。今後、洪水や高潮をはじめとした異常気象がさらに頻発し激甚化が進み、大きな影響が各拠点に及んだ場合、保有する資産の被害や営業停止による損失を大きなリスクとして想定します。一方で、降雨パターンの変化により降雨量が増加した場合、車関連事業においての雨対策関連製品の需要の増加を重要な機会として想定しています。
③ リスク低減及び機会獲得に向けての対応
2℃未満シナリオへ適応するため、店舗のLED化や太陽光パネルの導入を促進し、Scope1,2を削減することでリスク低減に努めています。機会獲得に向け、EV車に対する従業員の知識定着や整備経験の蓄積などに向け社内整備を進めています。
また、4℃シナリオへ適応するため、各店舗において災害対策備品を常備するなどのBCP対策を徹底する他、ガソリンスタンドに自社発電を備え、災害時の避難場所として使用できるように整備しています。また、カーコーティングやガラス撥水用品など雨対策関連製品の販売拡大に努めています。
(4)指標と目標
当社グループでは、気候変動によるリスクと機会を管理するための指標を温室効果ガス(GHG)としており、2030年度に2022年度比50%の削減を目指しています。2022年度のGHG排出量はScope1で
※単位はtCO2
※対象範囲は国内拠点
b.人的資本・多様性に関する考え方及び取組
(1)戦略
当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備方針は、以下のとおりとなります。
① 人材の多様性の確保
当社グループは、グループ長期ビジョンにあるアジア・アセアン地域への事業展開実現のため、外国人留学生採用を継続しており、勤務環境整備のため、人材育成チームの中に外国籍社員のサポートを行うスタッフの選任や、長期帰省可能な休暇制度の導入などを進めております。
また、プロフェッショナル人材の採用を進め、特に社内弁護士は専門分野での活躍に加え、グループのコンプライアンス推進役の役割を担っております。
高年齢人材の活用に関してはすでに 65歳定年制を導入しておりますが、定年退職人材の採用を推進し、高度な知識・経験・ネットワークを活用していきます。また、一般事務等の幅広い分野にも、年齢に関係なく従事できるような風土を整えてまいります。
② 人材の獲得・育成について
人材の店舗運営力を基盤とする企業集団として成長を続けてきた当社グループでは、人材獲得の戦略として、若年層だけでなくシニア・ベテラン・外国籍などの多様な人材の獲得を推進しております。
次に、人材育成の戦略としては、計数管理能力養成がテーマの「幹部養成塾」、コンプライアンス体制強化がテーマの「NC養成塾」、創業者が持ち続けた事業へのあくなき情熱とチャレンジ精神、スピード経営の継承がテーマの「創業者塾」という各「塾」を基幹とする階層別研修制度により、グループの持続的発展における最大の原動力となるハイレベルの運営ノウハウを持つ基幹人材を育成してまいります。
加えて、下記の施策実施により従業員エンゲージメントを高め、少子高齢化の進行下においても、グループの持続的成長を実現してまいります。
③ 社内環境の整備
当社グループでは、若年層・シニアベテラン・外国籍などの多様な人材への従業員エンゲージメント向上につながる環境の整備を行います。
具体的な施策としては、
1)グループ全社を対象としたストレスチェックの実施・運用
2)健康増進手当の導入
等を実施し、メンタル・フィジカル両面からのヘルスサポート体制を強化しています。
また、シニア・ベテラン人材の活躍機会創出に関して、
1)定年後も安心して働ける制度を導入しシニア人材にとって働きやすい環境の整備
2)サポーター職制度導入による若年層管理職へのサポートとシニア・ベテラン人材のノウハウ継承
3)若年層従業員へのシニア人材によるフォローアップ・インタビュー(入社3年目まで)
等を推進しています。
続いて、外国籍人材の活躍機会創出に関しては、
1)人材サポートチームによる定着フォロー(生活面も含む)
2)シニア人材によるフォローアップ・インタビューの重点的実施
3)一時帰国休暇制度の導入
4)日本語能力資格手当の導入
等を行い、多言語スキルへの評価を明確化するとともに、ライフステージの変化に伴う一時帰国などにも柔軟に適応できる働きやすい制度構築など、幅広いサポート体制を整えています。
さらに、働きやすい環境の整備については、
1)育児休暇取得の推進(男性従業員)
2)子育て世代へのテレワーク勤務の導入
3)関西地区でG‐7ブルーレッズ神戸(男子軟式野球)、首都圏でG‐7ブルーレッズ横浜(女子ソフトボール)の設立・活動サポート
等を実施しています。
なお、上記の制度導入に関して、当社グループに属する会社すべてでは実施していないものもあります。
(2)指標及び目標
当社グループでは、前述の(1)戦略で取り上げた人材の育成等に関する方針を策定し取り組んでいます。そして、具体的指標及び目標は下記のとおりとなります。
なお、当社グループでは、次の指標に関する目標及び実績は連結グループにおける国内拠点について記載しております。
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指 標 |
2022年度 実績 |
2023年度 実績 |
目標年度 |
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22.2% |
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77.8% |
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3.7% |
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96.3% |
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43.8% |
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8.1% |
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18.9% |
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有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1.フランチャイズ契約について
当社グループは、車関連事業、業務スーパー事業、精肉事業及びその他事業を営んでおります。車関連事業、業務スーパー事業におけるフランチャイズ本部との契約概要は、以下のとおりであります。
① 車関連事業
連結子会社株式会社G‐7・オート・サービスは、株式会社オートバックスセブン(以下「FC本部」という)とオートバックスフランチャイズチェン契約を締結し、同社が運営するフランチャイズチェンのフランチャイジーとして、自動車用品・部品の小売販売を行っております。当該契約における新規出店の取り扱いについては、出店地域の制限は無いものの、新規出店する場合FC本部に出店の承認を申請しFC本部が地域特性及び採算性等を勘案し、出店の是非を決定することとされております。
(a) 契約の要旨
オートバックスチェンの加盟店は、契約に定められた店舗所在地において、「オートバックス○○店」等という店名を用いて自動車部品・用品及び関連する商品の販売及びサービスの提供を行います。FC本部は安定的に商品を供給するとともに、店舗運営に必要な事業システム及びノウハウを提供します。
(b) 契約期間
契約締結の日から5年間とし、双方のいずれかより期間満了の6カ月前までに文書により更新しない旨の意思表示が無い場合は、自動的に3年間継続更新されるものとし、その後も同様の方法で自動的に3年毎に継続更新されます。また、契約の期間中でも双方のいずれかより6カ月前の予告をすることにより、契約を自由に解除することが出来ます。
(c) 契約の解除
当該フランチャイズ契約については、契約の解除項目を規定しております。
当該フランチャイズ契約の継続に支障を来す要因は、現時点では発生しておりません。また、当該要因が発生した場合は、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
② 業務スーパー事業
連結子会社株式会社G‐7スーパーマートは、株式会社神戸物産(以下「FC本部」という)とフランチャイズ契約を締結し、「業務スーパー」の店舗名で食品・雑貨の小売販売を行っております。当該契約における新規出店の取り扱いについては、消費者最優先の理念に基づき、競争原理を排除しないため、一部の地域において他社店舗との間に競合が生じる可能性があります。
(a) 契約の要旨
株式会社G‐7スーパーマートは、当該フランチャイズ契約に基づいて、業務スーパーの新規開店、店舗の建設及び改装、販売商品及び資材の仕入、販売促進及びその他店舗運営に関する指導援助を受けます。また、業務スーパーの新規オープン前には、業務スーパー・システムの知識習得のための教育・研修を行います。開店後は、FC本部のスーパーバイザーが指導援助を行います。
(b) 契約期間
契約の締結日から成立し、契約終了日は、契約店舗の開店日から5年経過した日までとし、双方のいずれかより期間満了の3ヵ月前までに文書にて更新しない旨の通知が無く、「更新合意書」に双方合意のうえ、1年間更新されるものとし、以降の契約更新も同様であります。立地条件の変化等により契約店舗の継続が不可能となった場合等、事業を継続することが双方にとって不利益であると判断される場合は、有効期間であっても「解約合意書」を締結のうえ、本契約を解約することができます。
(c) 契約の解除
当該フランチャイズ契約については、契約の解除項目を規定しております。
当該フランチャイズ契約の継続に支障を来す要因は、現時点では発生しておりません。また、当該要因が発生した場合は、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
2.業績推移について
(1) 最近の業績について
当社グループの主要事業である車関連事業は、当社の本社所在地である兵庫県において集中的な出店政策を推し進めた結果、2024年3月期末現在、当該事業におけるオートバックス店舗 72店舗のうち、35店が兵庫県に立地しており、既に同県においては、一定の市場シェアを有していることにより、今後においては更なるシェアの拡大を図ることは困難な状況にあります。また、兵庫県以外の地域においても、自動車用品市場が急成長することは見込めず、当該事業の売上高の伸びは鈍化する傾向にあります。
そのため、当該事業については、同業他社をM&Aすること等により事業拡大を図る方針であります。
(2) 業界動向及び競合等について
当社グループが主要事業としている自動車用品業界は、成熟した市場であることに加えて、長期にわたる個人消費の低迷、同業他社との競合等の影響により、厳しい環境にあります。
そのため、当社グループの業績は、市場動向、一般経済情勢及び競合等に影響を受ける可能性があります。
また、当社グループの業務スーパー事業及び精肉事業については、各地域の市場動向を勘案した出店により業績向上を図る方針でありますが、今後において同業他社との競合等により、来店客数の減少、売上単価の低下等の影響によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
3.業績の季節的変動について
当社グループの主要事業である車関連事業において、冬用タイヤ、チェーン等の冬用商品の売上高が下期に増加することにより、当社グループ全体でも営業利益及び経常利益が下期に増加する傾向があります。こうした冬用商品の販売動向は、地球温暖化進行等により、今後において当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
4.有利子負債の依存度について
当社グループは、運転資金及び継続的な設備投資を行うにあたり、長期、短期借入金等による資金調達により賄っており、当社グループの総資産額に占める有利子負債の割合は、当連結会計年度末 14.9%(前連結会計年度末16.3%)であります。現時点においては、多額の設備投資を見込んでおらず、手許資金の範囲内で設備投資を行っていく方針でありますが、今後の金融情勢の変化による調達金利が変動した場合、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
5.減損損失について
当社グループの資産の時価が著しく下落した場合や事業の収益性が悪化した場合には、減損会計の適用によ
り、固定資産について減損損失が発生し、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
6. 東南アジア市場への進出について
当社グループは、マレーシアで車関連事業を行うための現地法人を設立し、オートバックス店舗及びバイクワールド店舗をオープンいたしました。今後も自動車関連や食品スーパー関連等の店舗を展開するために、東南アジア各国へ進出を加速させる計画でありますが、これら海外市場進出には、宗教や文化の相違に起因する人材の採用及び確保の困難さ、予期しない法律及び規制等の変更、内国資本企業の保護に起因する外国資本企業に対する許認可の困難性等の事態が発生し、東南アジア市場への進出に関して、当初予測を超える費用の増加や進出時期の遅延が発生した場合、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
7.自然災害及び事故等について
当社グループの主要事業は、関西・中部・関東地区での「車関連事業」、「業務スーパー事業」等の小売販売事業であります。地震や台風による風水害等の自然災害及び火災や停電等の予期せぬ事故等による場合、または、計画的な電力供給の停止による場合など、店舗の営業活動が相当期間阻害されたときには、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が「5類感染症」へ移行したことに伴い、社会・経済活動の正常化が進み、景気に緩やかな回復がみられたものの、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の緊迫による地政学リスクの高まりに加え、世界的な金融引き締めに伴う影響や中国経済の成長鈍化など海外経済の下振れリスクもあり、依然として先行き不透明な状況が続いております。小売業界におきましては、円安の進行や原材料・エネルギー価格の高騰に伴う物価上昇が続き、商品・サービスの値上げが行われるなか、消費者の節約志向が高まるとともに、原材料・物流経費・人件費等のコストも軒並み増加するなど、厳しい経営環境が続いております。
このような経営環境のなかで、当社グループは、人間尊重を経営基盤とし、顧客第一主義、現地現場主義によって顧客・株主・社員・地域社会等のステークホルダーの満足度向上に向けた経営を実践してまいりました。また、当社のグループ方針である「『儲ける力』に更に磨きをかける」を経営テーマに、人づくり、組織づくりの再構築を図ると共に、売上から利益重視の経営に努め、収益力の拡大に取組みました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は 192,992百万円(前連結会計年度比 9.1%増)、営業利益は 6,920百万円(同 6.4%増)、経常利益は 7,318百万円(同 7.4%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は 5,175百万円(同 35.3%増)の増収増益となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
車関連事業につきましては、お客様のトータルカーライフを支えるべく、タイヤやメンテナンス商品の拡販、車検整備・車販売に取り組みました。また、円安の進行を背景に海外向けの中古車販売が好調でした。一方、暖冬の影響により冬用タイヤなどの冬季用品の販売が伸び悩み、これに伴うタイヤ取付工賃を中心としたサービス販売も減少しました。また、バイクワールド事業の既存店舗売上が減少したこともあり、利益面では前年度を下回りました。新規出店につきましては、「バイクワールド」をマレーシアに2店舗、「シャトレーゼ」を近畿圏に1店舗オープンしたことにより、当連結会計年度末における「バイクワールド」の店舗数は 20店舗、「シャトレーゼ」の店舗数は2店舗となりました。これにより、売上高は 43,386百万円(前連結会計年度比 6.3%増)となり、経常利益は 1,598百万円(同 28.0%減)となりました。
業務スーパー事業につきましては、食料品や日用品が相次いで値上がりするなか、安心・安全な商品がお客様に支持され販売は堅調に推移しました。新規出店による増収効果に加え、メディアやSNSで業務スーパー商品が紹介されたこと等により認知度向上に繋がり、売上及び利益面ともに前年度を上回りました。新規出店につきましては、「業務スーパー」を北海道に1店舗、首都圏に3店舗、中部圏に4店舗、九州圏に1店舗オープンしたことにより、当連結会計年度末における「業務スーパー」の店舗数は 191店舗となりました。これにより、売上高は 106,310百万円(前連結会計年度比 11.8%増)となり、経常利益は 4,835百万円(同 24.7%増)となりました。
精肉事業につきましては、原材料価格の上昇や円安による輸入原材料の上昇が続くなか、販売単価や品揃えを見直したこと、また、新規出店の増収効果等により、売上及び利益面ともに前年度を上回りました。新規出店につきましては、「お肉のてらばやし」を北海道に1店舗、首都圏に3店舗、中部圏に4店舗、近畿圏に1店舗、九州圏に3店舗オープンしたことにより、当連結会計年度末における「お肉のてらばやし」の店舗数は 174店舗となりました。これにより、売上高は 21,174百万円(前連結会計年度比 7.2%増)となり、経常利益は 398百万円(同 24.6%増)となりました。
その他事業につきましては、ミニスーパー事業「リコス」及び農産物直売所「めぐみの郷」が、前年度におきまして不採算店舗を整理したことや、コロナ禍で業績が伸び悩んでいた健康関連事業「Curves」の回復等により、売上及び利益面ともに前年度を上回りました。これにより、売上高は 22,122百万円(前連結会計年度比 4.1%増)となり、経常利益は 185百万円(前連結会計年度は経常損失8百万円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ 1,450百万円増加し、当連結会計年度末の資金は 17,133百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は 7,392百万円(前期は 3,959百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が 7,123百万円、減価償却費が 2,505百万円、減損損失が 310百万円あったこと等による資金の増加と、法人税等の支払額が 2,239百万円あったこと等による資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は 4,002百万円(前期は 3,308百万円の減少)となりました。これは主に、業務スーパー店舗等を新規出店したこと等による有形固定資産の取得による支出が 3,877百万円あったこと等による資金の減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は 1,944百万円(前期は 1,996百万円の減少)となりました。これは主に、長期借入れによる収入が 1,300百万円あったことによる資金の増加と、配当金の支払額が 1,719百万円、長期借入金の返済による支出が 1,493百万円あったこと等による資金の減少によるものであります。
③ 商品仕入及び販売の実績
a. 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
車関連事業(百万円) |
29,118 |
110.4 |
|
業務スーパー事業(百万円) |
86,898 |
111.1 |
|
精肉事業(百万円) |
14,617 |
104.7 |
|
報告セグメント計(百万円) |
130,634 |
110.2 |
|
その他(百万円) |
16,569 |
105.7 |
|
合計(百万円) |
147,203 |
109.7 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
b. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
車関連事業(百万円) |
43,386 |
106.3 |
|
業務スーパー事業(百万円) |
106,310 |
111.8 |
|
精肉事業(百万円) |
21,174 |
107.2 |
|
報告セグメント計(百万円) |
170,870 |
109.8 |
|
その他(百万円) |
22,122 |
104.1 |
|
合計(百万円) |
192,992 |
109.1 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における資産の残高は、 61,872百万円となり、前連結会計年度末に比べ 4,669百万円増加しました。
その主な要因は、流動資産が 3,101百万円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債の残高は、 31,898百万円となり、前連結会計年度末に比べ 1,454百万円増加しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、 29,973百万円となり、前連結会計年度末に比べ 3,215百万円増加しました。
その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益が 5,175百万円、配当金の支払が 1,718百万円あったこと等によるものであります。
② 経営成績の分析
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ 16,070百万円増加の 192,992百万円(前連結会計年度比 9.1%増)となりました。その主な原因は、車関連事業における「オートバックス」、業務スーパー事業における「業務スーパー」店舗の売上が堅調に推移したこと等によるものであります。営業利益は、前連結会計年度に比べ 6.4%増加の 6,920百万円、経常利益は、前連結会計年度に比べ 7.4%増加の 7,318百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度に比べ 35.3%増加の 5,175百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金の源泉は、自己資金と営業活動によるキャッシュ・フローであり、主要な資金需要は、通常の運転資金のほか、店舗の新規出店及び改装等に伴う設備投資資金などであり、当連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローで賄っております。
⑤ 目標とする経営指標数値についての達成状況について
当社グループは、経常利益及び当期純利益重視の経営を推進し、連結経常利益率 5.5%以上、ROE 25.0%以上を経営上の目標数値としております。なお、当連結会計年度における当社グループの連結経常利益率は、前連結会計年度に比べ 0.1ポイント減少し 3.8%となり、ROE(自己資本利益率)は、前連結会計年度に比べ 3.4ポイント増加し 18.3%となりました。
引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。
目標とする経営指標の推移
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2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
2024年3月期 |
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連結売上高(百万円) |
163,556 |
168,525 |
176,922 |
192,992 |
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連結経常利益(百万円) |
7,306 |
7,877 |
6,813 |
7,318 |
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連結経常利益率(%) |
4.5 |
4.7 |
3.9 |
3.8 |
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ROE(%) |
22.5 |
23.0 |
14.9 |
18.3 |
⑥ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
(1)オートバックスフランチャイズチェン契約
当社の連結子会社である株式会社G‐7・オート・サービスは、株式会社オートバックスセブン(以下「FC本部」という。)とフランチャイズ契約を締結し、同社が運営するオートバックスチェンのフランチャイジーとして、自動車用品等の小売業を行っております。
オートバックスチェン・システムにおいては、オートバックスチェン店舗の出店の都度、FC本部とフランチャイジーとの間でフランチャイズ契約(以下「オートバックスチェン契約」という。)を締結する必要があります。この制度の下では、新規出店の都度FC本部に出店の承認を申請し、許諾を得る必要があります。このチェン・システムにおいてはテリトリー制のような一定の商圏における出店の自由、またその独占の保証はなく、出店地域の制限はありません。FC本部に加盟申請がなされた場合、各店舗の開設申請地について、地域特性及び採算性等を勘案し、出店の是非を決定することとされております。
オートバックスチェン契約の概要は、以下のとおりであります。
(a) 契約の要旨
オートバックスチェンの加盟店は、契約に定められた店舗所在地において、「オートバックス○○店」等という店名を用いて自動車部品・用品及び関連する商品の販売及びサービスの提供を行います。FC本部は安定的に商品を供給するとともに、店舗運営に必要な事業システム及びノウハウを提供します。
(b) 契約期間
契約締結の日から5年間とし、双方のいずれかより期間満了の6カ月前までに文書により更新しない旨の意思表示が無い場合は、自動的に3年間継続更新されるものとし、その後も同様の方法で自動的に3年毎に継続更新されます。また、契約の期間中でも双方のいずれかより6カ月前の予告をすることにより、契約を自由に解除することが出来ます。
(c) 対価
契約締結時に際して、加盟店はFC本部に対して一定額を加盟金として支払うほか、一定額を加盟保証金として預託します。また、加盟店は売上高の一定比率をロイヤリティとして毎月FC本部に支払います。
(2) 業務スーパーフランチャイズ契約
当社の連結子会社である株式会社G‐7スーパーマートは、2002年4月25日に株式会社神戸物産(以下「FC本部」という。)とフランチャイズ契約を締結し「業務スーパー」店舗を展開しております。
「業務スーパー」は主に一般消費者及び業者への食材等の小売業を行っております。
当該フランチャイズ契約に従って、FC本部が定めた店舗名称・商標・サービスマークを使用することができます。消費者最優先の理念に基づき、適正な競争原理を排除しないため、契約店舗が存在する地域において、排他的かつ独立的営業をなす権利(テリトリー権)を付与されるものではありません。
(a) 契約の要旨
株式会社G‐7スーパーマートは、当該フランチャイズ契約に基づいて、業務スーパーの新規開店、店舗の建設及び改装、販売商品及び資材の仕入、販売促進及びその他店舗運営に関する指導援助を受けます。また、業務スーパーの新規オープン前には、業務スーパー・システムの知識習得のための教育・研修を行います。開店後は、FC本部のスーパーバイザーが指導援助を行います。
(b) 契約期間
契約の締結日から成立し、契約終了日は、契約店舗の開店日から5年経過した日までとし、双方のいずれかより期間満了の3ヵ月前までに文書にて更新しない旨の通知が無く、「更新合意書」に双方合意のうえ、1年間更新されるものとし、以降の契約更新も同様であります。立地条件の変化等により契約店舗の継続が不可能となった場合等、事業を継続することが双方にとって不利益であると判断される場合は、有効期間であっても「解約合意書」を締結のうえ、本契約を解約することができます。
(c) 対価
契約締結に際して、契約店舗はFC本部に対して一定の保証金を預託する他、FC本部よりの仕入高の一定比率をロイヤリティとして支払います。
(3) 株式取得による企業結合
当社は、2024年5月13日開催の取締役会において、株式会社エルアイイーエイチ(以下「エルアイイーエイチ」といいます。)が所有する株式会社ボン・サンテの全株式を取得し、子会社化することについて決議し、エルアイイーエイチとの間で株式譲渡契約を2024年5月14日付で締結いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。