当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループでは、私たちが創業より大切にしてきた価値観や事業活動の基礎となる考え方を表すものとして、以下の「創業の精神」「経営理念」を定めております。また、これからどのような姿を目指すのかを明確にするため、「長期ビジョン」を掲げております。
|
創業の精神 |
|
「信為萬事本(信を万事の本と為す)」 |
|
「信義は全てのものごとの基本である」と捉え、消費者の皆様・お取引先の皆様との 「信用」と「信頼」を第一に考え、事業に取り組む。 |
|
経営理念 |
|
「夢のある未来」「豊かな社会」の実現に貢献する |
|
当社の事業を通じ、すべてのステークホルダーにとって 「夢のある未来」「豊かな社会」となるよう尽力する。 |
|
長期ビジョン |
|
「アジアのコンシューマーファイナンスカンパニーとしてトップブランドを確立する」 |
当社グループは、コンシューマーファイナンスを通じて、人々の生活が豊かになるよう、グループの役職員が一体となり、これからも真摯に事業へ取り組んでまいります。
(2)中長期的な会社の経営戦略
2022年度よりスタートしました第14次中期3カ年経営計画「MOVE 70」では、当社グループの持続的成長と企業価値の向上を目指し、長期ビジョンである「アジアのコンシューマーファイナンスカンパニーとしてトップブランドを確立する」の実現に向け、経営体質のさらなる強化を図ってまいります。そして、中期経営計画「MOVE 70」では、「強みを活かした国内事業の収益基盤拡充」 「将来の成長をけん引する海外事業の収益基盤確立」「国内・海外の成長を加速する経営基盤の強化」「ESG経営の推進」という4つの「3年後のあるべき姿」を掲げ、これらの実現に向けた戦略の着実な実行により、さらなる成長拡大を図ってまいります。
(3)目標とする経営指標
2022年度を初年度とする中期3カ年経営計画「MOVE 70」で掲げた目標(2022年4月公表)は、次のとおりであります。
(億円)
|
連結目標 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
|
営業収益 |
1,670 |
1,755 |
1,845 |
|
経常利益 |
290 |
325 |
365 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
195 |
220 |
245 |
|
ROE(%) |
10.6 |
10.9 |
11.3 |
(億円)
|
単体目標 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
|
営業収益 |
1,405 |
1,450 |
1,495 |
|
経常利益 |
260 |
275 |
300 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
180 |
190 |
205 |
なお、2023年度及び2024年度目標は次のとおり見直しを行っております。
(億円)
|
連結 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
|
|
実績 |
目標 |
実績 |
目標 |
|
|
営業収益 |
1,735 |
1,805 |
1,847 |
1,930 |
|
経常利益 |
317 |
335 |
330 |
280 |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
216 |
230 |
237 |
195 |
(億円)
|
単体 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
|
|
実績 |
目標 |
実績 |
目標 |
|
|
営業収益 |
1,434 |
1,495 |
1,551 |
1,590 |
|
経常利益 |
269 |
295 |
323 |
255 |
|
当期純利益 |
187 |
210 |
237 |
180 |
(4)優先的に対処すべき課題
2022年度よりスタートしました中期3カ年経営計画「MOVE 70」では、当社グループの持続的成長と企業価値の向上を目指し、長期ビジョンである「アジアのコンシューマーファイナンスカンパニーとしてトップブランドを確立する」の実現に向け、経営体質のさらなる強化を図ってまいります。
当社グループにおける対処すべき課題は次のとおりです。
(当社グループにおける優先的に対処すべき課題)
①国内事業
・環境変化に応じた収益構造の改革
・デジタル技術を活用した業務プロセスの改善と生産性向上によるコスト削減の実現
②海外事業
・営業エリアの拡大や取扱商品の拡充による競争力の強化と収益力の向上
・債権管理体制の強化や与信精度向上による未収債権の抑制
③グループ全般
・お客様や加盟店のニーズに応じた商品・サービスの拡充と全社的なDXの進展
・金融環境や事業環境に適応した戦略立案とリスク低減への取り組み強化
・成長戦略の立案と実行(成長領域への戦略的なM&A等)
・マテリアリティを通じた環境・社会課題への取り組み強化
環境変化や想定される機会・リスクを的確に捉え、これらの諸課題に対処すべく、中期経営計画では4つの「3年後のあるべき姿」を掲げ、その実現に向けた戦略の実行と各種施策への取り組みに注力しております。
(4つの3年後のあるべき姿と戦略)
① 強みを活かした国内事業の収益基盤拡充
・クレジット事業では、金利環境に応じた施策の実行と住宅分野における変動金利商品の導入により、適正な収益を確保します。
・カード・ペイメント事業では、お客様や加盟店のニーズに沿った施策の実行により、決済ビジネスの収益拡大を図ります。
・ファイナンス事業では、これまで培ってきた取引基盤を活かし、保証残高のさらなる積み上げによる収益拡大を図ります。
② 将来の成長をけん引する海外事業の収益基盤確立
・海外事業は、各国に適した事業ポートフォリオマネジメントを推進するとともに、債権管理体制の強化による未収債権の抑制とコスト削減により、安定した収益基盤を確立します。
・リスク低減に向けた内部統制の強化と、当社各部門の知見を活用したさらなる相互連携により、グループ経営管理体制を強化してまいります。
③ 国内・海外の成長を加速する経営基盤の強化
・戦略的パートナーである三菱UFJフィナンシャル・グループとの国内及び海外事業の協業によるシナジー創出に向けた取り組みの推進を図ります。
・DX戦略ではペーパーレス化やストックレス化のさらなる推進によるコスト削減を図るとともに、デジタル技術活用によるお客様や加盟店のニーズに寄り添った新商品・新サービスの開発を推進します。
・財務健全性・収益性・資本効率のバランスを意識したグループベースでのリスクマネジメントの実行により、経営基盤の強化を図ります。
④ ESG経営の推進
・ファイナンスサービスを通じた脱炭素化への貢献や、気候変動へのグループ全体での取り組みなど環境保全に向けた推進を強化してまいります。
・人事制度の改定や人権方針の策定等により、当社グループの多様性や人権の尊重に向けた取り組みを強化してまいります。
・複雑化するサイバー攻撃への対策をはじめとした情報セキュリティの高度化により、安心・安全で利便性の高いサービスの提供を継続してまいります。
(5) 統合リスクマネジメント(ERM)への取り組み
①ERMの全体像について
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るべく、リスクマネジメントを経営上の最重要課題と位置づけ、グループベースでのリスクマネジメントの高度化に取り組んでおります。主要なリスクとして信用リスク、金利リスク、オペレーショナルリスクを定量化し、収益・リスク・資本のバランスをコントロールすることで財務の健全性の確保、リスク対比の収益性及び資本効率の向上を目指しております。
2023年4月、ERMを推進するリスクマネジメントの統括部署としてリスク統括部を設置しました。従来のリスクマネジメントは、オペレーショナルリスクを中心とした定性的評価とリスクの低減を主眼に置いた守りのリスクマネジメントでしたが、当社グループを取り巻く社内外のリスク環境の変化を受け、リスクアペタイトなどリスクの定量化を通じ、適切にリスクテイクしていく攻めのリスクマネジメントの体制を整備しました。リスク管理の健全性を担保した当社グループのリスクマネジメントの一元管理を行い、リスクの定量化による自己資本の充実度検証に加え、事業ポートフォリオマネジメントの高度化を目指しております。
(収益、リスク、資本の統合的管理イメージ)
(財務健全性の確保)
信用リスク、金利リスク、オペレーショナルリスクを定量化し、そのリスク量を自己資本と対比することで自己資本の充実度を検証、モニタリングしております。
自己資本に対してリスク量の変動に備えたリスクバッファを確保したうえで、リスクキャパシティ(許容する最大リスク量)を設定し、リスクキャパシティとリスクアペタイト(進んで引き受けようとするリスクの種類と量)との差を剰余資本とし、成長投資や株主還元など、企業価値向上に向けた戦略的な意思決定に活かしております。
2024年3月末時点の計測したリスク量は、リスクキャパシティの範囲内に収まっており、現在の事業戦略を遂行する上で充分な財務健全性が確保されております。
②資本政策の方向性について
財務の健全性確保とさらなる成長への原資となる内部留保の充実を図りながら、利益水準に見合う安定・継続的な配当を実施いたします。中期3カ年経営計画「MOVE 70」における連結配当性向につきましては、30%を目安として安定的な利益還元を行うことを目標に掲げておりましたが、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の一環で、2023年11月に連結配当性向の目標を35%へと引き上げております。
③事業ポートフォリオマネジメントについて
当社グループは、取るべきリスクをとり、リスクに見合う収益を確保するため、事業のリスク資産に対する収益性と成長性を軸とした評価及び資源配分を検討、実行していく事業ポートフォリオマネジメントに取り組んでおります。また、事業ポートフォリオに関する基本方針を制定し、国内及び海外事業セグメントに基づき、クレジット、カード・ペイメント、ファイナンス、海外の4つを主軸とした事業ポートフォリオ戦略を立案、実行しております。さらに、既存事業の成長を促すリソース投入に加え、新事業やM&A等の戦略的投資に際し、適切な成長性や収益性の把握、リスク管理を行うことを目的に投資検討委員会を設置しました。こうした取り組みにより各事業の成長性と資本効率及びリスク対比収益性と成長戦略等を総合的に勘案して評価、モニタリングを行い、グループにおける位置づけや事業運営方針について定期的に経営会議で検討し、取締役会で監督することで適切なリスクテイクを行ってまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティに関する考え方
当社グループでは、持続可能な社会の実現に向けて、事業を通じて顕在化する環境・社会課題の解決に貢献することが重要であると考えており、サステナビリティに関する基本的な考え方を「サステナビリティ基本方針」として定めております。この方針に基づき、積極的にサステナビリティへの取り組みを行ってまいります。
(サステナビリティ基本方針)
ジャックスグループは、『「夢のある未来」「豊かな社会」の実現に貢献する』という経営理念のもと、ステークホルダーの信用・信頼を得ながら、事業活動を通じて社会課題の解決に貢献することで持続的な社会の実現と企業価値向上を目指してまいります。
(2)サステナビリティに関する取組の状況
①ガバナンス
サステナビリティへの取り組みは、当社グループの経営において重要課題であると認識しており、サステナビリティ推進室を設置しております。また、サステナビリティ推進リーダーに経営企画担当役員を任命し、事業活動や経営戦略との一体化を図っております。そして定期的に取締役会及び経営会議にサステナビリティに関する取り組みを報告しております。取締役会及び経営会議ではその内容を審議し、監督機能を担っております。
②戦略
当社グループは、2022年度を初年度とする中期3カ年経営計画「MOVE 70」において、4つの「3年後のあるべき姿」を掲げ、その一つに「ESG経営の推進」を挙げております。また、当社グループの持続的成長と事業活動を通じた環境・社会課題の解決を図るべく、5つのマテリアリティを特定し、それらに沿った取り組みを推進しております。なお、特定したマテリアリティ及び取り組みについては、後記④指標及び目標に記載のとおりであります。
③リスク管理
当社グループは、リスクマネジメントの強化を優先課題として捉え、グループを取り巻く重大なリスクを網羅的に把握しております。また、リスクの定量化による管理とリスクマネジメント体制の整備を行うべく「リスクマネジメント基本規程」を制定し、「リスク管理委員会」を設置しております。同委員会では、サステナビリティに係るリスク状況についても、傘下の各委員会や各リスク所管部署で管理されるリスク状況を一元的に管理・審議を行い、取締役会及び経営会議に報告・具申を行います。
④指標及び目標
特定した5つのマテリアリティの指標と目標は次のとおりであります。
なお、マテリアリティの中には、環境や社会に及ぼす影響度についての定量的な測定が困難なものも含まれます。
※評価 〇:順調に進捗 △:進捗するも一部課題あり ×:課題あり
(評価は、KPI目標達成状況のほか、取り組み状況を含めて評価しております。)
|
マテリアリティ |
主な取り組み |
指標 |
2023年度 |
2024年度 |
|
|
実績 |
評価 |
目標(注)2 |
|||
|
安心・安全で利便性の高いサービス提供 |
お客様、加盟店からの信頼に応えるサービス |
応答率 |
88.3% |
〇 |
90% |
|
審査受付自動化率 |
69.3% |
〇 |
82% |
||
|
情報セキュリティの高度化 |
PCIDSS認定取得 |
Ver.3.2準拠 |
〇 |
Ver.4.0準拠 |
|
|
カード不正検知率 |
66.2% |
〇 |
70% |
||
|
地域社会・生活を支えるインフラとしてのファイナンスサービスの提供 |
リフォームローン取扱高 |
1,405億円 |
〇 |
1,416億円 |
|
|
教育ローン取扱高 |
205億円 |
〇 |
192億円 |
||
|
メディカルローン取扱高 |
349億円 |
〇 |
276億円 |
||
|
海外事業取扱高 |
857億円 |
△ |
1,031億円 |
||
|
投資用マンションローン保証残高 |
27,419億円 |
〇 |
30,000億円 |
||
|
キャッシュレス化の推進 |
カード・ペイメント事業取扱高 |
28,503億円 |
〇 |
29,627億円 |
|
|
環境の保全 |
環境負荷軽減への対応 |
コピー用紙購入量 (2021年度比) |
△12.8% |
〇 |
△3% |
|
カード明細書Web化比率 |
47.8% |
〇 |
50% |
||
|
社用車エコカー比率 |
35.2% |
〇 |
54% |
||
|
エネルギー削減量 (2019年度比) |
(注)1 |
|
△13% |
||
|
気候変動への対応 |
CO2排出量削減率 (2019年度比) |
(注)1 |
|
△18% |
|
|
マテリアリティ |
主な取り組み |
指標 |
2023年度 |
2024年度 |
|
|
実績 |
評価 |
目標(注)2 |
|||
|
脱炭素社会実現への貢献 |
ファイナンスサービスを通じた脱炭素化の推進 |
太陽光ローン 取扱高 |
594億円 |
〇 |
331億円 |
|
蓄電池ローン 取扱高 |
500億円 |
〇 |
321億円 |
||
|
EVローン取扱高 |
367億円 |
〇 |
400億円 |
||
|
ESGファイナンスを活用した 資金調達 |
240億円 |
〇 |
300億円 |
||
|
多様性と人権の尊重 |
ダイバーシティ&インクルージョンの推進 |
課長職以上・課長職に次ぐ階層で部下を持つ女性社員割合 |
36.0% |
〇 |
35% |
|
デジタル人材認定人数 |
219名 |
〇 |
400名 |
||
|
人権の尊重 |
ビジネスと人権に関する指導原則に沿った体制整備 |
方針制定 |
〇 |
- |
|
|
健康経営の推進 |
平均超過勤務時間(月間) |
12.2時間 |
〇 |
12時間未満 |
|
|
社会貢献活動の実践 |
寄付金額 |
3,188万円 |
〇 |
3,000万円 |
|
|
ガバナンスの高度化 |
リスクマネジメントの強化 |
マネジメントサイクルの適確な運用 |
- |
〇 |
- |
|
AML管理態勢整備 |
- |
〇 |
- |
||
|
コンプライアンスの継続 |
教育、研修の継続実施 |
- |
〇 |
- |
|
(注)1. 2023年度実績は、算定完了後、当社ホームページ等で公表いたします。
2. 2024年度目標は、2022年度に策定した目標値となります。
(3)気候変動に関する取組の状況
当社グループでは、環境課題のなかでも、とりわけ気候変動については、お客様や加盟店などの取引先及び事業活動への深刻な影響を与える重要な課題の一つとして認識しており、2023年にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明いたしました。
今後も気候変動による事業への影響分析やリスクへの取り組みと透明性の高い情報開示を行ってまいります。
①ガバナンス
取締役会及び経営会議の構成員でもある経営企画担当役員を当社グループのサステナビリティ推進リーダーとし、事業活動や経営戦略との一体化を図っております。経営企画担当役員は、気候変動が事業活動に与える影響分析やその結果、リスクへの取り組み、設定した目標に対する進捗状況等を取締役会及び経営会議へ報告しております。また、気候変動問題に関する重要事項については、取締役会及び経営会議で審議し、監督機能を担っております。
②戦略
当社グループでは、将来の気候変動が当社事業に与える影響を検討するため、シナリオ分析に取り組んでおります。シナリオ分析にあたっては、「1.5℃シナリオ」を含む複数の気候変動シナリオを想定し、リスクと機会の両面から、気候変動に伴う中長期的な社会環境及び当社グループにおける事業環境の変化について分析しております。
(リスク)
気候変動に関する政策・規制強化に伴うエネルギー調達費用の上昇や、自然災害発生によるファイナンス商品の担保価値毀損等は、当社の業績に影響を与える可能性があります。
|
リスクの種類 |
リスクの概要 |
|
|
移行リスク |
政策及び規制 |
カーボンプライシング進行によりエネルギー価格が高騰、エネルギー調達費用が増加 |
|
移行リスク |
市場 |
脱炭素関連商品への不対応や対応遅延により取扱い機会が減少 |
|
移行リスク |
評判 |
気候変動問題への取り組み不足により当社の評判が悪化し、取引機会の喪失や人材採用難、資金調達費用が増加 |
|
物理リスク |
急性 |
自然災害により当社ファイナンス商品の担保価値が毀損、与信関連費用が増加 |
|
物理リスク |
急性 |
自然災害により自社・加盟店・提携店等において業務が中断、対策・復旧費用が増加 |
(機会)
機会として、脱炭素関連・環境配慮型商品の取扱い機会拡大が見込まれます。
|
機会の種類 |
機会の概要 |
|
製品及びサービス |
脱炭素関連設備・機材、環境配慮型商品の取扱い機会拡大 |
|
評判 |
積極的な気候変動問題への対応により当社の評判が向上、採用優位性確保、資金調達費用が低下 |
③リスク管理
当社グループは、気候変動リスクが当社経営全般に影響を及ぼしうる重要なリスクであり、気候変動リスクが顕在化した場合、信用リスク、オペレーショナルリスクなどを中心に、当社グループにおける各リスク・カテゴリーに波及する可能性があるものと認識しております。
これらの認識のもと、当社グループで設置する「リスク管理委員会」では、気候変動に関する事項についても、一元的に管理・審議を行い、取締役会及び経営会議に報告・具申を行います。
④指標及び目標
当社グループは、温室効果ガス(以降、「GHG」という。)排出量の削減をサステナビリティにおける最重要課題の一つとして認識し、中長期の削減目標を設定、排出量の削減に積極的に取り組んでおります。
(ジャックスグループのGHG排出量)
(単位:tCO2)
|
対象 |
CO2排出量実績 |
||||
|
2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
増減率(%) 2019年度比 |
|
|
Scope1 |
|
|
|
|
4.5 |
|
Scope2 |
|
|
|
|
△15.8 |
|
Scope1、2計 |
|
|
|
|
△11.3 |
|
Scope3 |
|
|
|
|
△29.2 |
(注) 2021年度よりCO2排出量の算定方法における区分変更を行いました。当該算定方法の変更は、過年度分も遡及適用し、2019年度と2020年度は変更後のCO2排出量となっております。
Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出
Scope2:他社から供給された電力、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
Scope3:Scope1、Scope2以外の間接排出
(当社グループの中長期GHG排出削減に向けた取り組み)
当社グループでは、GHG排出量削減目標を設定し、2019年度を基準年として2030年度までにScope1、2を50%削減、Scope3を30%削減し、2050年度までにはScope1、2、3ネットゼロを目指した削減に取り組んでまいります。
(4)人的資本に関する取り組み
当社グループは、従業員一人ひとりの成長が会社の成長の源泉であるとの認識のもと、長期ビジョン「アジアのコンシューマーファイナンスカンパニーとしてトップブランドを確立する」の実現に向けて、多様な個性やスキルを持つ人材の採用・登用や育成に取り組んでおります。また、こうした様々な価値観や考え方を持つ人材がビジョンを共有し、個々のスキルやポテンシャルを最大限に発揮できる制度構築や働きやすい環境づくりを行っております。
中期3カ年経営計画「MOVE 70」においては、自律性と多様性を備えた集団・組織として、さらなる成長を遂げるため「働きがい」「成長実感」「連帯感」の向上をテーマとした従業員への取り組みを実施しております。
①戦略
(多様性の発揮)
変化が激しく不透明な市場環境に適応するため、様々なバックグラウンドを持つ人材の採用・登用を積極的に行いつつ、それぞれの個性やスキルを最大限に引き出すための環境整備や教育に取り組んでまいります。
(健康経営の推進)
従業員一人ひとりが心身ともに健康な状態で、安心して活き活きと働き続けることが重要かつ会社の成長につながるものと考え、仕事と生活を両立できる働き方や働きやすい職場環境の実現に取り組んでまいります。
(変革人材の育成)
会社の持続的な成長を実現するため、既存のビジネスや固定概念の枠を超えて、多角的な視点からビジネスモデルを再構築し、価値創造をリードする変革人材の育成に取り組んでまいります。
(エンゲージメントの向上)
エンゲージメントの状態を把握し、「働きがい」や「自己成長」を実感できるための組織開発や人事制度構築に取り組むことによって、従業員と会社が互いに選び合い、高め合う環境づくりに取り組んでまいります。
②指標及び目標
|
|
|
2022年度実績 |
2023年度実績 |
|
|
|
多様性 |
(注1) |
13.3% |
|
|
|
|
(注2) |
全労働者 |
56.9% |
|
|
|
|
うち正規雇用 労働者 |
54.6% |
55.5% |
57% |
||
|
うちパート・有期労働者 |
70.6% |
75.3% |
76% |
||
|
健康経営 |
(注3) |
84.6% |
|
|
|
|
|
79.3% |
|
|
||
|
|
98.2% |
|
|
||
|
人材育成 |
|
- |
|
|
|
|
エンゲージメント |
(注4) |
3.1 |
|
|
|
(注)1.各年度の4月1日時点における課長職以上の女性割合となります。
2.男性の賃金(平均)に対する女性の賃金(平均)の割合となります。
(現時点においては、当社の管理職には男性が多いこと、パート社員には女性が多いこと等により男女間賃金格差が大きくなっていると認識しております。また、女性の管理職登用など、当社における女性活躍推進の取り組みは途上段階にあると認識しており、格差是正に向けた取り組みを積極的に実施してまいります。)
3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
4.全従業員を対象として実施しているエンゲージメント関連の4つの設問(4点満点)の平均点となります。
5.連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)リスクマネジメントの全体像
①リスクマネジメントの体制
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るべく、リスクマネジメントを経営上の最重要課題と位置づけ、「リスクマネジメント基本規程」に基づき統合リスクマネジメント(ERM:Enterprise Risk Management)を推進することにより、リスクマネジメントの高度化に取り組んでおります。当社グループを取り巻くリスクを網羅的に把握し、定量、定性双方の視点からの評価を行い、事前に対策を講じることによって損失の回避又は低減を図るとともに、リスク許容度の範囲内で適切なリスクテイクを行うことを基本方針としております。
当社は、代表取締役社長(COO)が委員長を務める会議体として、リスク管理委員会及び投資検討委員会を設置しております。リスク管理委員会は、適正な加盟店管理、顧客与信等に関わる信用リスクを統合的に管理する信用リスク管理委員会、金利リスクや流動性リスクを管理するALM運営委員会及び適正な業務執行やインシデントを管理するオペレーショナルリスク管理委員会から報告を受け、グループに影響を及ぼす重要なリスクの抽出と評価、見直し、対策の決定に加え、リスクテイクの適正な水準及び範囲等について検討、討議し、またその履行状況等をモニタリングしております。
投資検討委員会は、当社グループが更なる成長を目指すために必要な新事業や新商品等の戦略的な投資の意思決定に際し、適切な成長性や収益性の把握及びリスク評価を行っております。各委員会で検討、討議した内容は、必要に応じて経営会議及び取締役会へ報告し、ERMの実効性の確保を図っております。攻めと守りの体制により経営陣は、各種リスク状況を把握したうえで意思決定を行っております。
(リスクマネジメント体制図)
当社グループでは、「3つの防衛線」の考え方に基づいたリスク管理体制を構築しております。第1線は、リスクオーナーとしてリスク管理の運用に責任を持ちます。第2線は、第1線が行うリスク管理プロセスのモニタリング、監督を行い、リスクを一元管理しております。第3線は、内部監査部門として業務及び内部統制に加え、リスク管理プロセスの有効性を監査しております。内部監査により抽出されたリスク情報等は、リスク統括部(第2線)に連携され、第1線のリスク管理プロセスの改善に反映しております。
(3つの防衛線)
②リスクマネジメントのプロセス
社内外の経営環境の変化に伴い、当社グループを取り巻くリスクは多様化、複雑化しております。様々な環境の変化に応じてリスク管理を適宜見直し、新たなリスクにも対応していくため、以下に掲げるプロセスに従ってリスクマネジメント業務を実践しております。
当社グループでは、毎年、リスクアセスメントによりリスクカテゴリ毎に想定しうるリスクを漏れなく抽出し、リスク事象の影響度・発生頻度に応じた重要性の分析、評価を行うとともに、対応策を策定・実行しております。
リスクアセスメントにより抽出されたリスクは全社的な観点からリスク評価を行い、優先的に対策を講じるべき重要なリスクをリスクマップとして可視化しております。特に重要度が高いと認識したリスクに対しては、リスク対策とその進捗、成果をPDCAで管理することでリスクの低減、維持を図っております。
各リスクへの対応状況は、インシデント管理やモニタリングを行い、必要に応じて改善策の検討を行います。
なお、これら一連のリスクマネジメントのプロセス、対応状況は、定期的にリスク管理委員会へ報告、討議され、必要に応じて経営会議及び取締役会へ報告しております。
(2)主要なリスクの詳細
当社グループは、管理すべきリスクを「経営戦略に関わるリスク」(経営上の戦略的な意思決定に関わるリスク)と「業務執行に関わるリスク」(日常的な業務運営に関わるリスク)に分類し、統合的に管理しております。またリスクアセスメントを基に重要リスクをリスクマップとして可視化し、重要度に応じたリスク対策を実施しております。
(リスクカテゴリ一覧)
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経営戦略に関わるリスク |
業務執行に関わるリスク |
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①事業戦略に関わるリスク |
⑨災害・疫病リスク |
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②経済・競争環境に関わるリスク |
⑩サイバーセキュリティリスク |
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③カントリーリスク |
⑪システムリスク |
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④法令・規制に関わるリスク |
⑫情報関連リスク |
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⑤気候変動リスク |
⑬事務リスク |
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⑥信用リスク |
⑭コンプライアンスリスク |
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⑦市場関連リスク |
⑮人的リスク |
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⑧人権リスク(注) |
⑯評判リスク |
(注)2024年3月にリスクとして認識したものであります。
(2023年度リスクマップ)
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影 響 度 |
(3)悪影響が極めて甚大 |
①事業戦略に関わるリ スク ⑦流動性リスク(*) ⑨災害・疫病リスク ⑫個人情報の漏洩・紛 失リスク(*) ⑯評判リスク |
⑦調達金利上昇リスク(*) ⑩サイバーセキュリテ ィリスク |
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(2)悪影響が大きい |
③カントリーリスク ④法令・規制に関わる リスク |
②経済・競争環境に関 わるリスク ⑥貸倒引当金の増加リ スク(*) ⑥加盟店・取引先の不 正・経営破綻リスク (*) ⑦為替変動リスク(*) ⑭コンプライアンスリ スク ⑮人的リスク |
⑪システムリスク |
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(1)悪影響が一定程度有 |
⑤気候変動リスク |
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⑬業務遂行上のミス・ 対応不足(*) |
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(1)まれに発生 |
(2)しばしば発生 |
(3)頻繁に発生 |
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発生頻度 |
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(注)1.各リスクカテゴリでは、様々なリスクを抽出しております。(*)の項目は、リスクカテゴ
リで抽出した主なリスクを記載しております。
2.リスクマップは2023年8月時点において認識したものになります。
(経営戦略に関わるリスク)
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①事業戦略に関わるリスク |
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リスク内容 影響 |
当社グループは、消費者信用業を主とする当社と関係会社7社で構成されており、長期ビジョンとして「アジアのコンシューマーファイナンスカンパニーとしてトップブランドを確立する」を掲げております。2022年度を初年度とする中期3カ年経営計画「MOVE 70」では、長期ビジョンの実現に向けて様々な新商品・サービスの開発、新事業、設備投資等を検討、実行しておりますが、事業環境が激変し、想定外のリスクに晒された場合、当社グループの業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループの事業における連単比率は、当社の占める割合が極めて高いものとなっておりますが、関係会社に関連する事業上のリスクが大きく顕在化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応 |
各事業戦略の実行においては、リスク・リターンを意識した事業の収益性と成長性を軸とした評価、資源配分を検討、実行していく事業ポートフォリオマネジメントに取り組んでおります。その中で規律をもった経営判断を行っていくため、「投資検討委員会」による新事業、新商品等に係る収益性や成長性、関連リスクに対する評価を行う体制を整備しております。「投資検討委員会」の評価を経て実行された新規投資は、一定期間経営会議でモニタリングをすることで、継続的な検証を行います。 また、各事業戦略の阻害要因として、本項に示す各種リスクを重大リスクとして捉え、対策を実施することにより、リスクの低減等を図ってまいります。 |
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②経済・競争環境に関わるリスク |
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リスク内容 影響
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(経済環境の悪化・不確実性の増大) 当社グループは、経営理念『「夢のある未来」「豊かな社会」の実現に貢献する』ことを掲げ、クレジット事業、カード・ペイメント事業、ファイナンス事業を通じて消費者向け金融サービスを展開しておりますが、個人消費の動向が当社グループの業績に大きく影響します。 今後、世界経済の低迷や物価・金利の上昇等の影響を受けて個人消費が減退することにより、当社グループの業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。 (競争環境の激化・悪化) 当社グループを取り巻く消費者信用の競争環境は、同業他社のみならず、異業種・フィンテック企業の参入等、目まぐるしく変化しております。 同業他社等との競争激化による収益性の低下やDXの推進による新サービスの開発・提供の遅れ、業務効率の向上が図れないことにより、市場での競争力が低下し、当社グループの業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応
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こうした経済環境や競争環境の変化を踏まえ、商品・サービスの継続的な改善及び投資の継続、Web化・自動化による品質と生産性の向上等、中期3カ年経営計画「MOVE 70」に掲げた様々な戦略や施策を実行しております。 |
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③カントリーリスク |
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リスク内容 影響 |
当社グループは、ベトナム、インドネシア、フィリピン、カンボジアの4カ国において事業を展開しております。 各関係会社では、所在国における戦争、暴動、テロリズムの発生等地政学リスクの影響を含め、政治、経済、文化、宗教、慣習、その他様々な予期し得ないカントリーリスクが存在しております。 これらの事象が発生した場合には、当社グループの業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応 |
事業を展開する国の政治情勢や規制が当社グループの事業へ与える影響について情報収集するとともに、常に現地と情報交換や情報共有を行いながら、駐在員、従業員の安全確保に努め、状況に応じた支援を行ってまいります。 |
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④法令・規制に関わるリスク |
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リスク内容 影響 |
当社グループは、「割賦販売法」をはじめとする法令・規制等の適用を受けております。 法令・規制等が制定・改正された場合、業務運営や商品・サービス等に影響を及ぼすほか、法令・規制等の制定・改正に対処する費用が増大する可能性があります。また、法令・規制等を遵守できなかった場合には、行政処分や罰則、業務上の制限を受ける可能性があります。 |
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対応 |
法令・規制等を遵守して業務を遂行するとともに、適時、法令・規制等の制定、改正動向等の把握に努め、法令遵守体制の強化について継続して取り組んでまいります。 |
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⑤気候変動リスク |
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リスク内容 影響 |
当社グループは、気候変動リスクが当社の経営全般に影響を及ぼす可能性がある重要なリスクであり気候変動リスクが顕在化した場合、信用リスク等を中心に当社グループにおける各リスクに波及する可能性があるものと認識しております。 |
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対応 |
リスク管理体制の整備を進めるとともに、リスクを的確に捉え、気候変動シナリオを適宜見直すことにより、適切に対応するよう取り組んでおります。 「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) 気候変動への取組」に記載のとおりであります。 |
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⑥信用リスク |
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リスク内容 影響 |
当社グループは、主に消費者信用業を展開していることから、業績や財務内容に直接的に影響を及ぼす信用リスクを適切に管理することは極めて重要です。信用リスクが業績や財務内容に影響を与える主な事象は、以下のとおりです。 (貸倒引当金増加リスク) 総債権の増加に伴って一定割合で発生する延滞の増加に加え、与信精度や審査担当者における与信スキルの低下、不正申込の増加などによる延滞発生の増加により貸倒引当金を積み増す可能性があります。また、景気の動向、個人破産申立の増加、加盟店の経営状況悪化による倒産や加盟店不正行為、不動産市況の変化等により、貸倒引当金を積み増す場合には、業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。 (加盟店リスク) 加盟店の経営悪化や破綻により、当該加盟店で当社をご利用いただいたお客様に対する継続的役務提供の停止や商品未納等が発生する可能性があり、これらの問題が発生した場合、加盟店管理体制が不適切であるとしてお客様より訴訟を受ける可能性があります。 |
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対応 |
信用リスクを全社的に管理するため、信用管理担当役員が委員長を務め、営業、審査、債権管理部門等が構成員となる信用リスク管理委員会を月1回開催し、部門横断的に延滞動向及び加盟店管理状況等を分析、モニタリングし、対策を協議する体制を整備しております。上記に挙げた主なリスクへの対応は、以下のとおりです。 (貸倒引当金増加リスク) 営業部門は、審査、債権管理部門より延滞発生動向等の共有を受け、適切な加盟店管理に反映させ、審査部門では、延滞発生動向等を定期的に検証し、自動与信システムに適宜反映させることで与信精度の維持・向上を図るとともに、不正申込を遅滞なく排除する対策を打つことにより延滞発生を抑制するなど、良質債権の確保に努めております。債権管理部門においては、債権回収業務の効率化を図るシステム導入等により初期延滞債権の回収強化に取り組み、延滞期間の長期化に伴う貸倒引当金増加の抑制に努めております。 なお、利息返還請求(いわゆる過払金返還請求)については、従前より利息制限法以下の融資利率としているため、業績に与える影響は今後も軽微であると考えております。 (加盟店リスク) 個別信用購入あっせんにおいては加盟店リスクを数値化させた「加盟店リスクモデル」の継続的見直しにより、経営破綻の兆候を事前に察知することでリスクの低減を図っております。包括信用購入あっせんにおいては、EC加盟店に対し違法販売物等を監視するサイトモニタリングの実施等、適正管理に努めております。 また、各部門において従業員における業務スキルや専門性の向上を図るため、継続的な研修や関連分野の資格取得を促進するなど人材育成にも取り組み、適正な顧客与信及び加盟店管理を維持する環境を整備しております。 |
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⑦市場関連リスク |
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リスク内容 影響 |
当社グループは、消費者信用業の性質上、多くの資金調達を必要とすることから、業績や財務内容に直接的に影響を及ぼす調達金利の上昇リスク等を適切に管理することは極めて重要です。調達金利の上昇リスク等、業績や財務内容に影響を与える主な事象は、以下のとおりです。 (調達金利の上昇リスク) 調達金利上昇に伴い金融費用が増加しますが、営業債権や貸付金等の新規取扱いにおいて調達金利上昇分を反映させた手数料や貸付利率等の取引条件見直しに時間を要する場合、業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループの業績が悪化した場合、格付や信用力が低下し、現行より高い金利水準での資金調達を余儀なくされ、業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。 加えて、各国金融当局の金融政策変更や地政学リスクによる市場金利上昇等の影響を受け、当社グループの調達金利が上昇する場合、業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。 (流動性リスク) 当社グループは、銀行等金融機関からの借入金、金融市場から社債、コマーシャル・ペーパー、債権流動化により資金調達を行っております。市場の状況や当社グループの財務内容の悪化等により、必要な資金の確保が困難となる、又は資金の確保に通常より著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより、事業活動や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (投資有価証券等の価格下落リスク) 当社グループは、2024年3月末日現在で296億14百万円の投資有価証券(上場・非上場株式等)及び230億17百万円の有形固定資産(土地・建物等)を保有しておりますが、市場価格の下落や投資先の価値の毀損により評価損を計上する可能性があります。 (為替変動リスク) 当社グループの海外関係会社の財務諸表は、現地通貨で作成されているため、為替相場の大幅な変動が生じた場合、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。 また、海外関係会社の資金調達の一部は、現地通貨以外の通貨で行っております。 |
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対応 |
(調達金利の上昇リスク) ALM(資産及び負債の総合管理)を実施し、定期的に開催されるALM運営委員会で金利変動に影響を及ぼす金融情勢や資産と負債の状況のモニタリング・分析を行い、リスクの把握と適切な対応について提言を行います。資産の期間や金利感応度に応じた資金調達や金融商品等のヘッジ取引を用いることで調達金利の上昇リスクの低減を行うよう努めております。 なお、当社は2024年3月末日現在、株式会社格付投資情報センター(R&I)から長期債A+、コマーシャル・ペーパーa-1、株式会社日本格付研究所(JCR)から長期債A+、コマーシャル・ペーパーJ-1の格付を取得しております。 (流動性リスク) 定期的に開催されるALM運営委員会でALM(資産及び負債の総合管理)におけるリスクのモニタリング・分析を実施し、リスクの把握と適切な対応について提言を行います。特に金融市場からの資金調達は、金融環境の影響を受けやすいため、リスクへの備えとして調達手法の多様化、流動性補完枠の設定や手元流動性の管理を行うことで、流動性リスクの軽減に努めております。 (投資有価証券等の価格下落リスク) 投資有価証券については、定期的に保有目的及び効果等、保有の合理性について検証を行い、保有に適さないと判断した場合は、速やかに売却等の処分を行っております。 株式の保有状況につきましては、「第4 提出会社の状況、4 コーポレート・ガバナンスの状況等、(5)株式の保有状況」に記載のとおりであります。 (為替変動リスク) 海外関係会社の資金調達の一部は、現地通貨以外の通貨で行っておりますが、運用にあたっては、金融商品等のヘッジ取引を用いることで為替変動リスクの低減に努めております。 |
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⑧人権リスク |
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リスク内容 影響 |
近年、企業活動はグローバル化が進展し、さまざまなステークホルダーの人権に負の影響を与えるケースが見受けられます。2011年には、国連が「ビジネスと人権に関する指導原則」を策定し、あらゆる国家及び企業は人権を尊重した対応が求められています。 当社グループにおいては、国内外の従業員、加盟店、取引先及び業務委託先等がサプライチェーン上の関係者となります。当社グループの事業活動の結果、これら関係者の人権に対して負の影響を生じさせ、これに適切に対処ができなかった場合、当社グループの評判の悪化や人材の流出等により業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応 |
人権課題の多様化により、企業活動における人権尊重の重要性が高まっていることを踏まえ、新たに「ジャックスグループ人権方針」を制定しました。本方針に基づき、人権デューデリジェンスを実施し、事業活動に関わる関係者の人権に対する負の影響を特定し、対処してまいります。 また、人権に負の影響が生じた、又は生じるおそれのある方がアクセスできる相談窓口を設け、救済に向けた取り組みを実施します。さらに、人権に関する取り組みは、経営レベルでの議論や継続的なモニタリングを行い、必要に応じた改善を図るとともに、取締役会に報告を行います。 |
(業務執行に関わるリスク)
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⑨災害・疫病リスク |
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リスク内容 影響 |
当社グループは、大規模な自然災害等が発生し、物的資産や人的資産が損害を被った場合、結果的に事業の維持・継続が困難な状況に陥り、当社グループの業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応 |
地震や大規模な災害、事故等の突発的な事態に備えて、「災害対応マニュアル」の整備、「緊急対策協議会運営規程」「事業継続計画(BCP)」の策定等、危機管理体制の構築に努めることに加え、従業員の安全確認や現地の状況把握が速やかに行えるよう専用の通信システムを導入し、被害の最小化に努めております。また、甚大な被害が想定される首都直下型地震等に対応するため、近畿エリアを中心に業務代替可能な体制を構築し、業務継続の実効性を確保するため、定期的に訓練を実施しております。 |
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⑩サイバーセキュリティリスク |
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リスク内容 影響 |
当社グループの主要な事業は、コンピュータシステムや通信ネットワークを使用し、大量かつ多岐にわたる情報処理を実施しております。また、インターネットを活用したお客様や加盟店へのサービス提供に係るシステムが増加している一方、システムに対するサイバー攻撃手法は、日々高度化・巧妙化しております。さらに、サイバーセキュリティリスクは、より一層深刻化していることから、安心・安全なサービスを滞りなく提供するためには、サイバー攻撃に対するセキュリティ対策を行うことが極めて重要です。 当社グループのコンピュータシステムは、外部からのサイバー攻撃及びその他の不正アクセスやウイルス感染等により、情報の流出やシステムの機能停止、誤作動が生じる可能性があります。この場合、業務の停止・混乱やそれに伴う損害賠償等の発生により、当社グループの社会的信用の毀損を招き、事業、業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応 |
サイバーセキュリティ対策として、ファイヤーウォールやIPS、WAF等の導入や外部からの不正なアタックの常時監視、定期的な脆弱性診断や侵入テストによる脆弱性チェック、外部組織(JPCERT/CC:Japan Computer Emergency Response Team / Coordination Center 等)からのセキュリティ情報の収集・調査・対応等を実施しており、日々巧妙かつ変化する攻撃に対してセキュリティ強化を図っております。 また、経営主導でサイバー攻撃に対するセキュリティ強化をより一層推進するため、サイバーセキュリティ専門組織を設置しました。加えて、サイバーインシデントに対応するためにCSIRT(シーサート:Computer Security Incident Response Team)を組織し、被害拡大防止に向けた適切な対応等を実施する態勢を整備しております。 さらに役職員の情報セキュリティ意識向上を目的とした定期的な教育、標的型攻撃メール等に対する訓練を実施するとともに、万一の被害に備えて影響を最小限にとどめる対策を講じております。 |
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⑪システムリスク |
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リスク内容 影響 |
当社グループの主要な事業は、コンピュータシステムや通信ネットワークを使用し、大量かつ多岐にわたる情報処理を実施しているため、システムの安定稼働は極めて重要です。 万一、自然災害、サイバーインシデント、コンピュータウイルス感染、停電、機器等の故障や不具合等により、コンピュータシステムや通信ネットワークに重大な障害が発生した場合、業務が停止する可能性があり、お客様や加盟店へのサービスに重大な影響を与えるとともに、当社グループの事業、業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。また、コンピュータシステムには、お客様や加盟店のデータを保有しているため、データの流出、改ざん、破壊が発生した場合、当社グループの信用力の低下を招き、事業、業績や財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応 |
不測の事態に備え、情報処理センターは耐震構造化されており、電源系統の二重化や自家発電装置の整備、システムやネットワークの冗長化により可用性を維持しております。また、24時間365日のシステム常時監視や定期的なデータバックアップ実施、システム及びデータへのアクセス厳格化等の対策を講じており、日々システムの安定稼働、セキュリティ維持向上のための活動を継続して実施しております。 |
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⑫情報関連リスク |
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リスク内容 影響 |
当社グループは、事業の性質上、大量の個人情報を取得・保有・利用しております。個人情報の取扱いは厳格に行っておりますが、万一、当社グループ又は業務委託先等から個人情報の漏えいや紛失、毀損又は不正利用等が発生した場合、当社グループの信用力の低下、損害賠償発生により、業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。また、個人情報取扱事業者として法令に違反した場合、罰則や勧告、命令等の行政処分を受ける可能性があります。 また、営業スタイルの変化に伴う社外への情報端末の持ち出し機会の増加等、情報を取り扱う環境の変化が加速していることにより、情報漏えいリスクが高まっております。 |
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対応 |
個人情報保護を経営上の重要課題の一つと認識し、「個人情報保護基本規程」「個人情報保護管理規程」等に基づき適正な取扱い及び安全管理等の維持に努めております。具体的には、代表取締役社長(COO)が委員長を務める個人情報保護委員会を半期に1回開催し、リスクベースに応じた委託先管理も含めた個人情報保護マネジメントの計画や進捗について経営陣へ諮り、適正な管理・監督を実施しております。また、当社及び国内関係会社3社は、一般財団法人日本情報経済社会推進協会より、個人情報の保護レベルを評価するプライバシーマークの認証を取得し、実効性の確保に努めておりま す。さらに、情報端末の持ち出しに対するセキュリティ対策の強化としてVPN接続や静脈認証、情報出力制限等の対策に加え、従業員への教育を継続的に実施する等、情報セキュリティリスクの低減を図っております。 |
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⑬事務リスク |
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リスク内容 影響 |
当社グループは、業務遂行に際して多種大量な事務処理を行っております。誤指示や誤対応、業務効率の向上が図れないことによる処理の大幅な遅延等、適正な事務処理を怠ったことで、個人情報漏えいやお客様への誤請求、加盟店への誤精算及び精算遅延等の事故や不正が発生した場合、その内容や規模によってはお客様からの信用や加盟店の事業に影響を与え、損害賠償責任や信用力の低下を招き、当社グループの業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応 |
各部署が基本ルールに則して事務処理を行うとともに、規程・マニュアル等の継続的な見直しを行い、業務のシステム化・RPA化により人的作業の抑制を図り、各部署及び業務委託先に対する臨店やモニタリング等による不正や不備を検知できる体制を整備することで、事務処理の精度向上や事故・不正の防止、正確性・効率性の向上を図っております。 |
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⑭コンプライアンスリスク |
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リスク内容 影響 |
当社グループは、法令により監督官庁に登録又は許可が必要な事業(貸金業、包括・個別信用購入あっせん業及びクレジットカード番号等取扱契約締結業、資金決済業、債権管理回収業等)を行っております。 当社グループの事業は、割賦販売法・特定商取引法・貸金業法・資金決済法・犯罪収益移転防止法等の関連法令等の適用を受けるため、関連法令等を遵守した業務運営を確保しなければなりません。万一、関連法令等に抵触する行為があった場合には、監督官庁から法令に基づく処分(業務改善命令、業務の一部又は全部の停止命令、登録の取消等)を受け、業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応 |
法令遵守体制の確立、維持、継続のための部門として、事業ごとに内部管理部門を定めて、所管する業務の規程及びマニュアルの策定、整備を行うとともに、それらに則り業務が適正に運営されているかを検証しております。問題が明らかになった場合には、改善策の策定を行い、又は規程等を改定し、周知徹底を図っております。 役員を対象とした研修を1年に1回以上開催するとともに、当社グループの全役職員を対象として継続的に教育を実施し、コンプライアンス意識の向上を図っております。 当社グループのコンプライアンス体制推進の中核となるべきコンプライアンス委員会を、代表取締役社長(COO)が委員長を務めて定期的に開催し、法令及び社内規程に重大な違反又はその懸念がある事象について協議し、組織的な対応を行う体制を整備しております。 |
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⑮人的リスク |
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リスク内容 影響 |
当社グループは、多岐に渡る業務を行っていることから、有能な人材を継続的に確保し、育成していくことが必要不可欠ですが、万一、当社グループにおいて有能な人材の確保及び雇用の維持が困難になった場合には、当社グループの業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応 |
従業員一人ひとりの成長が会社の成長の源泉であるとの認識のもと、多様な人材の採用・育成に重点的に取り組むとともに、個々のスキルが最大限に発揮されるよう人事制度の構築や働きやすい環境づくりに取り組んでおります。主な取り組みは、以下のとおりです。 (エンゲージメント向上) 継続的なエンゲージメントサーベイの実施結果を踏まえて、会社と従業員が双方の成長に貢献しあえる関係構築に取り組んでおります。 (健康経営推進) 従業員の健康保持・増進に戦略的に取り組み、仕事と生活を両立できる働き方と職場環境の実現を目指しております。 (女性活躍推進) 持続的な発展やイノベーションのために、管理職に占める女性社員割合の目標を定め、教育及び積極的な登用を行うなど女性活躍を推進しております。 |
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⑯評判リスク |
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リスク内容 影響 |
当社グループの評判は、お客様、加盟店及び投資家等、社会との関係を維持するうえで極めて重要です。社会的責任への懸念が生じる取引や法令等違反、従業員の不正行為、システム障害等を防止できなかった場合、又はこれらに適切に対処することができなかった場合には、当社グループは、現在又は将来のお客様、加盟店及び投資家等を失うこととなり、当社グループの業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応 |
これらの被害を低減するため、全役職員を対象とした教育を継続的に実施するとともに、不測の事態に備え、日頃より当社グループに対する情報のモニタリングを実施する等、対応体制の整備に努めております。 |
なお、これらの「事業等のリスク」は、本有価証券報告書の提出日現在において、当社グループで把握している情報に基づいて、事業上リスクとなる可能性があると考えられる主要な事項を記載しております。しかしながら、リスクの全てを網羅しているものではなく、将来の経済情勢や業界を取り巻く環境の変化等、様々な不確定要因により新たなリスクが発生する可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の分類が5類に移行され、企業収益や雇用情勢に改善の動きが見られるなど、景気は緩やかに回復の兆しが見られました。一方で、原材料価格の高騰やロシアによるウクライナ侵攻の長期化、世界的な金融引き締めによる経済活動の減速など、先行きは未だ不透明な状況が続いています。
このような中、中期3カ年経営計画「MOVE 70」の2年目となる当社グループでは、4つの「3年後のあるべき姿」の実現に向けて、経営体質の強化を図ってきました。
・強みを活かした国内事業の収益基盤拡充
・将来の成長をけん引する海外事業の収益基盤確立
・国内・海外の成長を加速する経営基盤の強化
・ESG経営の推進
当連結会計年度の経営成績は、国内事業において各事業戦略に基づいた施策を実行し、取扱高の拡大に努めてきました。また、クレジット事業では市場環境の変化に対応するため、一部の加盟店で利上げを行うなど、収益基盤の強化に取り組んできました。海外事業では、ベトナム経済の景気低迷による影響を受け、非常に厳しい事業展開となりました。一方、インドネシア、フィリピン、カンボジアにおいては徐々に市場が回復し、営業エリアの拡大や加盟店開拓に注力してまいりました。
この結果、連結取扱高は5兆8,538億33百万円(前年同期比3.8%増)となりました。
連結営業収益は、取扱高の増加に加え、割賦利益繰延残高と信用保証残高の積み上げにより1,847億82百万円(前年同期比6.5%増)となりました。
連結営業費用は、取扱高の増加に伴い金融費用や貸倒関連費用が増加し、1,516億55百万円(前年同期比6.9%増)となりました。
以上の結果、連結経常利益は330億60百万円(前年同期比4.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は237億70百万円(前年同期比9.8%増)となりました。
セグメント別営業実績は、以下のとおりであります。
「国内事業」
(クレジット事業)
ショッピングクレジットは、注力分野のメディカルが好調に推移し、さらにハウスメーカーを中心とした住宅関連商品や二輪の取扱高が増加しました。一方、一部の加盟店で利上げを行った影響により高級腕時計等の取扱いに減速感が強まり、年度後半は厳しい状況で推移しました。また、ジャックス・ペイメント・ソリューションズ株式会社の後払い決済サービス終了の影響により、取扱高及び営業収益が減少しました。
オートローンは、半導体不足の解消による新車販売の回復を受け、各インポーターの販売戦略と連動した効果的なファイナンス施策を実行し、堅調に推移しました。また、大手中古車販売店での取扱高が大幅に減少したものの、地場の中古車販売店への施策を強化し、取扱高及び営業収益が増加しました。
この結果、当事業の取扱高が横ばいとなりましたが、営業収益は増加しました。
(カード・ペイメント事業)
カードショッピングは、大型提携先の提携カードの利用が好調に推移し、さらに観光産業の回復や物価高の影響によるカードの利用単価が上昇したことにも後押しされ、取扱高及び営業収益が増加しました。
カードキャッシングは、資金需要の拡大に伴い取扱高が増加しましたが、キャッシング残高の反転には至らず、営業収益は減少しました。
家賃保証は、新規提携先による請求件数の拡大と主要提携先を中心とした安定的な取引により、取扱高及び営業収益が増加しました。
集金代行は、新規提携先の拡大に加え、不動産管理会社やスポーツクラブ関連の請求件数が増加したことにより、取扱高及び営業収益が増加しました。
この結果、当事業の取扱高及び営業収益が増加しました。
(ファイナンス事業)
投資用マンション向け住宅ローン保証は、提携金融機関と連携した施策を継続的に実行し、取扱高及び営業収益が増加しました。
銀行個人ローン保証は、半導体不足で低迷していた新車販売の回復を受け、株式会社三菱UFJ銀行をはじめとした提携金融機関でマイカーローンが好調に推移し、取扱高及び営業収益が増加しました。
この結果、当事業の取扱高及び営業収益が増加しました。
(その他の事業)
その他の事業は、事業資金融資の需要拡大により取扱高及び営業収益が増加しました。
また、リースは2023年4月に三菱オートリース株式会社と資本業務提携を行い、双方が持つノウハウを共有しながら個人向けオートリースの拡大に取り組み、取扱高及び営業収益が増加しました。
この結果、当事業の取扱高及び営業収益が増加しました。
以上の結果、国内事業におけるセグメント取扱高は5兆7,645億88百万円(前年同期比3.8%増)、セグメント営業収益は1,588億2百万円(前年同期比5.1%増)、セグメント利益は333億48百万円(前年同期比12.9%増)となりました。
「海外事業」
(クレジット事業)
ベトナムでは、国内経済の減速により主力商品である二輪や四輪の販売台数が低迷し、さらに競合他社の攻勢も加わり取扱高が減少しました。営業収益は、営業債権残高の積み上げにより増加しました。
インドネシアでは、与信基準を引き締めリスクコントロールの強化を図ったことでオートローンの取扱高が減少しましたが、二輪加盟店の拡大を図り取扱高及び営業収益が増加しました。
フィリピンやカンボジアでは、支店開設による営業エリアの拡大や営業部門の人員強化により、取扱高及び営業収益が増加しました。
この結果、当事業の取扱高及び営業収益が増加しました。
(カード・ペイメント事業)
ベトナムで展開するカード事業は、未稼働会員の整理を継続的に行ったことでカード会員数が減少しました。一方、カードの利用限度額を引き上げ、会員の活性化を図ってきました。
この結果、当事業の取扱高及び営業収益が増加しました。
(その他の事業)
ベトナムで展開する個人向け無担保ローンは、未収債権を抑制するため、新規の申込受付を規制したことで取扱高が減少しましたが、債権残高の積み上げにより営業収益は増加しました。
インドネシアで展開するリースは、市場の回復を受け取扱高が増加しましたが、リース残高の減少により営業収益は減少しました。
この結果、当事業の取扱高及び営業収益が増加しました。
以上の結果、海外事業におけるセグメント取扱高は892億45百万円(前年同期比4.3%増)、セグメント営業収益は260億16百万円(前年同期比15.9%増)となりましたが、金融費用及び貸倒関連費用の増加により、セグメント利益は1億92百万円(前年同期比91.1%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ252億52百万円増加し、1,874億91百万円となりました。
各事業活動におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は980億24百万円(前連結会計年度は2,140億円の使用)となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益343億84百万円であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加額1,368億19百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は62億58百万円(前連結会計年度は81億61百万円の使用)となりました。
収入の主な内訳は、投資有価証券の売却による収入22億99百万円であり、支出の主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出86億69百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は1,290億21百万円(前連結会計年度は2,460億60百万円の獲得)となりました。
収入の主な内訳は、債権流動化借入れによる収入3,643億23百万円、長期借入れによる収入2,679億84百万円であり、支出の主な内訳は、債権流動化借入金の返済による支出2,704億29百万円、長期借入金の返済による支出1,739億98百万円、社債の償還による支出611億98百万円であります。
③ 営業実績
当社グループにおけるセグメント別営業実績は、次頁のとおりであります。
連結セグメント別取扱高
|
セグメントの 名称 |
(内訳) |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比 (%) |
||
|
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
|||
|
国内 |
クレジット |
1,644,150 |
29.6 |
1,644,358 |
28.5 |
0.0 |
|
カード・ペイメント |
2,799,212 |
50.4 |
2,867,575 |
49.7 |
2.4 |
|
|
ファイナンス |
639,935 |
11.5 |
742,046 |
12.9 |
16.0 |
|
|
その他 |
472,501 |
8.5 |
510,607 |
8.9 |
8.1 |
|
|
国内計 |
5,555,800 |
100.0 |
5,764,588 |
100.0 |
3.8 |
|
|
海外 |
クレジット |
73,985 |
86.4 |
75,729 |
84.8 |
2.4 |
|
カード・ペイメント |
943 |
1.1 |
1,397 |
1.6 |
48.2 |
|
|
その他 |
10,664 |
12.5 |
12,118 |
13.6 |
13.6 |
|
|
海外計 |
85,592 |
100.0 |
89,245 |
100.0 |
4.3 |
|
|
合計 |
5,641,393 |
- |
5,853,833 |
- |
3.8 |
|
連結セグメント別営業収益
|
セグメントの 名称 |
(内訳) |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比 (%) |
||
|
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
|||
|
国内 |
クレジット |
62,047 |
41.1 |
63,348 |
39.9 |
2.1 |
|
カード・ペイメント |
42,846 |
28.4 |
43,183 |
27.2 |
0.8 |
|
|
ファイナンス |
32,350 |
21.4 |
35,430 |
22.3 |
9.5 |
|
|
その他 |
13,159 |
8.7 |
13,505 |
8.5 |
2.6 |
|
|
事業収益計 |
150,403 |
99.6 |
155,469 |
97.9 |
3.4 |
|
|
金融収益 |
658 |
0.4 |
3,332 |
2.1 |
406.5 |
|
|
国内計 |
151,061 |
100.0 |
158,802 |
100.0 |
5.1 |
|
|
海外 |
クレジット |
16,009 |
71.3 |
18,859 |
72.5 |
17.8 |
|
カード・ペイメント |
202 |
0.9 |
248 |
0.9 |
22.7 |
|
|
その他 |
6,206 |
27.7 |
6,728 |
25.9 |
8.4 |
|
|
事業収益計 |
22,418 |
99.9 |
25,836 |
99.3 |
15.2 |
|
|
金融収益 |
26 |
0.1 |
179 |
0.7 |
570.9 |
|
|
海外計 |
22,445 |
100.0 |
26,016 |
100.0 |
15.9 |
|
|
国内・海外事業収益計 |
172,822 |
99.6 |
181,305 |
98.1 |
4.9 |
|
|
国内・海外金融収益計 |
684 |
0.4 |
3,512 |
1.9 |
412.9 |
|
|
合計 |
173,507 |
100.0 |
184,818 |
100.0 |
6.5 |
|
(注)セグメント間の内部営業収益又は振替高は記載しておりません。
(参考)当社取扱高
|
(内訳) |
前事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比 (%) |
||
|
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
||
|
クレジット |
1,606,791 |
29.7 |
1,690,626 |
29.4 |
5.2 |
|
カード・ペイメント |
2,747,515 |
50.7 |
2,857,615 |
49.7 |
4.0 |
|
ファイナンス |
639,935 |
11.8 |
742,046 |
12.9 |
16.0 |
|
その他 |
420,162 |
7.8 |
456,541 |
8.0 |
8.7 |
|
合計 |
5,414,405 |
100.0 |
5,746,830 |
100.0 |
6.1 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析
当連結会計年度における経営成績については、ウクライナ情勢、米国の金融政策等の影響による物価上昇や金融環境の変化がありましたが、コロナ禍からの社会・経済活動の正常化が進み、国内事業は総じて堅調に推移することができました。クレジット事業では、住宅関連商品の取扱いが底堅く推移したことに加え、メディカル分野への効果的な施策により取扱高の拡大を図ることができました。オートローンでは、インポーター及び輸入車ディーラーとのパートナーシップを軸に販売戦略に沿った施策を実行し、取扱高が大幅に増加しました。カード・ペイメント事業では、商品・サービスの拡充による提携先のカード会員数の拡大を図り、コロナ禍からの消費回復を受けたことで、取扱高が増加しました。ファイナンス事業では、提携先との強固な関係を背景とした施策の実行により、取扱高が増加しました。この結果、国内事業の営業収益は1,588億2百万円(前年同期比5.1%増)となりました。
海外事業については、国内経済の低迷による影響を受けたベトナムの取扱高が減少しましたが、インドネシアとフィリピンでは二輪や四輪市場の回復、販売店への営業体制強化により取扱高が増加しました。この結果、海外事業の取扱高は拡大、営業収益は260億16百万円(前年同期比15.9%増)となりました。
費用面では、国内・海外ともに取扱高拡大に伴う総債権残高の増加により、貸倒関連費用や金融費用等が増加しました。
以上の結果、連結経常利益は330億60百万円(前年同期比4.1%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は237億70百万円(前年同期比9.8%増)となり過去最高益を更新しました。
ロ.財政状態
連結貸借対照表の概要
|
|
2023年3月期末 (百万円) |
2024年3月期末 (百万円) |
増減 (百万円) |
増減率 (%) |
|
流動資産 |
3,485,306 |
3,678,758 |
193,451 |
5.6 |
|
固定資産 |
90,425 |
98,836 |
8,411 |
9.3 |
|
資産計 |
3,575,732 |
3,777,595 |
201,863 |
5.6 |
|
流動負債 |
1,852,135 |
1,930,855 |
78,719 |
4.3 |
|
固定負債 |
1,512,990 |
1,608,299 |
95,309 |
6.3 |
|
負債計 |
3,365,126 |
3,539,155 |
174,029 |
5.2 |
|
(内、有利子負債) |
(2,751,237) |
(2,893,030) |
(141,792) |
(5.2) |
|
純資産 |
210,605 |
238,440 |
27,834 |
13.2 |
|
(内、自己資本) |
(204,040) |
(230,422) |
(26,382) |
(12.9) |
(注)上表の(内、有利子負債)には、リース債務は含めておりません。
(流動資産)
当連結会計年度の流動資産は、前連結会計年度に比べ1,934億51百万円増加し、3兆6,787億58百万円となりました。
これは、割賦売掛金、現金及び預金の増加等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度の固定資産は、前連結会計年度に比べ84億11百万円増加し、988億36百万円となりました。
これは、投資有価証券の増加等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度の流動負債は、前連結会計年度に比べ787億19百万円増加し、1兆9,308億55百万円となりました。
これは、1年内返済予定の長期借入金等有利子負債、支払手形及び買掛金、割賦利益繰延の増加等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度の固定負債は、前連結会計年度に比べ953億9百万円増加し、1兆6,082億99百万円となりました。
これは、債権流動化借入金等有利子負債の増加等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度の純資産は、前連結会計年度に比べ278億34百万円増加し、2,384億40百万円となりました。
これは、利益剰余金、その他有価証券評価差額金、非株主支配持分、退職給付に係る調整額の増加等によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
イ.キャッシュ・フローの状況
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
ロ.資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、当社グループのクレジット事業、カード・ペイメント事業における取扱いに伴う提携先への立替金やお客様への融資業務及び各事業についての一般管理費等があります。また、設備資金需要としては、情報処理のための基幹システムに対する無形固定資産投資等があります。
ハ.財務政策
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、メインバンクを中心とした金融機関からの借入、社債、コマーシャル・ペーパーの発行、債権流動化により幅広く資金調達を行っております。資金調達については、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入先・社債等の償還時期等を考慮の上、調達規模、調達手段について資金計画を作成し、状況を適宜判断して実施しています。
当社グループの主要な事業資産である割賦売掛金の回収期間に応じて、有利子負債の調達を行っており、当期末の有利子負債残高は、2兆8,930億30百万円となりました。
また、資金調達コストの増加抑制に努める一方、過度の金利変動リスクに晒されないよう、資金調達の7割程度を固定金利で調達しております。
当社グループは、本報告書提出時点において、株式会社格付投資情報センター(R&I)から長期債はA+、コマーシャル・ペーパーはa-1、株式会社日本格付研究所(JCR)から長期債はA+、コマーシャル・ペーパーはJ-1の格付けを取得しております。また、国内金融機関において合計1,300億円のコミットメントラインを設定しており、流動性の補完にも対応が可能となっております。
海外子会社につきましては、運転資金、設備資金ともに現地銀行、邦銀現地法人、親子ローン等より調達を行っております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(3)特定金融会社等の開示に関する内閣府令(平成11年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく貸付金の状況
当社の貸付金の状況は次のとおりであります。
① 貸付金の種別残高内訳
|
2024年3月31日現在 |
|
貸付種別 |
件数(件) |
構成割合(%) |
残高(百万円) |
構成割合(%) |
平均約定金利 (%) |
|
消費者向 |
|
|
|
|
|
|
無担保(住宅向を除く) |
169,234 |
98.24 |
41,659 |
15.52 |
16.43 |
|
有担保(住宅向を除く) |
2,227 |
1.29 |
39,626 |
14.76 |
1.69 |
|
住宅向 |
- |
- |
- |
- |
- |
|
計 |
171,461 |
99.53 |
81,286 |
30.28 |
8.82 |
|
事業者向 |
|
|
|
|
|
|
計 |
807 |
0.47 |
187,210 |
69.72 |
1.17 |
|
合計 |
172,268 |
100.00 |
268,496 |
100.00 |
3.28 |
② 資金調達内訳
|
2024年3月31日現在 |
|
借入先等 |
残高(百万円) |
平均調達金利(%) |
|
|
金融機関等からの借入 |
2,137,688 |
0.58 |
|
|
その他 |
662,500 |
0.23 |
|
|
|
社債・CP |
662,500 |
0.23 |
|
合計 |
2,800,188 |
0.50 |
|
|
自己資本 |
244,496 |
- |
|
|
|
資本金・出資額 |
16,138 |
- |
(注)1.「自己資本」は、資産の合計額より負債の合計額並びに配当金の予定額を控除し、引当金(特別法上の引当金を含む)の合計額を加えた額を記載しております。
2.「平均調達金利」は、当事業年度末の借入金残高に対する加重平均利率を記載しております。
③ 業種別貸付金残高内訳
|
2024年3月31日現在 |
|
業種別 |
先数(件) |
構成割合(%) |
残高(百万円) |
構成割合(%) |
|
製造業 |
- |
- |
- |
- |
|
建設業 |
- |
- |
- |
- |
|
電気・ガス・熱供給・水道業 |
- |
- |
- |
- |
|
運輸・通信業 |
- |
- |
- |
- |
|
卸売・小売業、飲食店 |
18 |
0.01 |
1,367 |
0.51 |
|
金融・保険業 |
3 |
0.00 |
161,300 |
60.08 |
|
不動産業 |
39 |
0.03 |
24,391 |
9.08 |
|
サービス業 |
- |
- |
- |
- |
|
個人 |
164,545 |
99.96 |
81,286 |
30.27 |
|
その他 |
1 |
0.00 |
150 |
0.06 |
|
合計 |
164,606 |
100.00 |
268,496 |
100.00 |
④ 担保別貸付金残高内訳
|
2024年3月31日現在 |
|
受入担保の種類 |
残高(百万円) |
構成割合(%) |
|
|
有価証券 |
- |
- |
|
|
|
うち株式 |
- |
- |
|
債権 |
- |
- |
|
|
|
うち預金 |
- |
- |
|
商品 |
1,367 |
0.51 |
|
|
不動産 |
64,018 |
23.84 |
|
|
財団 |
- |
- |
|
|
その他 |
- |
- |
|
|
計 |
65,386 |
24.35 |
|
|
保証 |
- |
- |
|
|
無担保 |
203,110 |
75.65 |
|
|
合計 |
268,496 |
100.00 |
|
⑤ 期間別貸付金残高内訳
|
2024年3月31日現在 |
|
期間別 |
件数(件) |
構成割合(%) |
残高(百万円) |
構成割合(%) |
|
1年以下 |
151,003 |
87.66 |
64,971 |
24.20 |
|
1年超 5年以下 |
11,163 |
6.48 |
164,416 |
61.24 |
|
5年超 10年以下 |
8,192 |
4.75 |
2,354 |
0.88 |
|
10年超 15年以下 |
52 |
0.03 |
119 |
0.04 |
|
15年超 20年以下 |
16 |
0.01 |
43 |
0.01 |
|
20年超 25年以下 |
32 |
0.02 |
295 |
0.11 |
|
25年超 |
1,810 |
1.05 |
36,294 |
13.52 |
|
合計 |
172,268 |
100.00 |
268,496 |
100.00 |
|
一件当たり平均期間 |
|
|
1.81年 |
|
(注)期間は、約定期間によっております。
①当社は、2023年2月2日開催の取締役会で当社の連結子会社ジャックスリース株式会社と三菱オートリース株式会社との間で資本業務提携を行うことについて決議し、ジャックスリース株式会社は、2023年4月3日に三菱オートリース株式会社が引受先となる第三者割当増資を行いました。
②当社は、2024年3月1日を効力発生日として、当社100%子会社であるジャックス・ペイメント・ソリューションズ株式会社を吸収合併し、その権利義務全部を承継いたしました。
特記事項はありません。