当社グループは、品質の向上に努め安定供給の責を果し、お客様の満足が得られる品質の確保と納期を遵守して製品の品質向上を目指します。なお、経営の基本方針としては次のとおりであります。
当社グループは有機溶剤のブレンド(シンナー)を専門とするメーカーとして、ここ数年来高いシェアを維持し続けております。
製品である混合溶剤は、塗料の他、インキの希釈剤や洗浄液として使用されるものであり、各種溶剤の配合により製造されております。
1952年(昭和27年)創業以来、有機溶剤専業メーカーとして歩み続け、同時にその用途開発にも注力。塗料業界、印刷業界、自動車業界、化学工業界、医薬品業界など幅広い産業分野でご活用いただき、高い信頼をいただいております。
製品数は約32,000種類、出荷数量は約132,300t/年と圧倒的な実績を誇っています。これは、お客様の用途に対応して品質追求とカスタマイズを積み重ね、多品種少量生産を基軸とした生産システムを構築しております。
・システム化された受注生産によりスピーディーな生産・出荷体制を確立しております。
・全国に約1,000社の販売代理店をもち、業界随一の規模を誇っております。
・完全コンピュータ化による、統轄的なコントロールシステムを構築しております。
当社グループが手がける製品は、ラッカーシンナー類、合成樹脂塗料用シンナー類、洗浄用シンナー類、印刷用溶剤類、特殊シンナー類、単一溶剤類、塗料・その他となります。
このうち単一溶剤類が最も受注額が多く約5割を占め、それに印刷用溶剤類、特殊シンナー類が続いております。
近年、塗料希釈剤、洗浄剤、剥離剤などは、塗料及び素材の多様化、環境対応性、性能、安全性、リサイクル性などの多岐多様な要望が求められております。
当社グループではお客様のご要望に応えられる製品を個別に研究開発、製造(オーダーメイド)し、現在では約32,000種類の膨大な製品情報をデータベース管理し、石油缶1缶からでも、受注生産・即納できる体制を整えております。
OEM(相手先商標製造)による製品供給も行っております。
すぐれた製品づくりを最優先させ、販売はすべて代理店に任せる販売スタイルをとっております。
その方針は業界随一を誇る、全国にきめ細かな販売ネットワークを構築し、現在全国に約1,000社の販売代理店網を形成しております。これら広範な代理店組織は単に製品の供給を行うだけでなく、お客様のニーズを的確に把握し、その情報をフィードバックし当社グループの製品やサービス活動に反映していくという、大切な役割も担っております。
石油資源から得られる化学製品の効率的な利用を目指すとともに環境にやさしい技術と製品を開発し、それらをお客様に積極的に提供することで、地球環境の保全に努め、社会へ貢献していきます。
ユーザーに選ばれるメーカーとして発展していくためには、リサイクルへの取り組み姿勢が現在ひとつの大きなカギとなっています。
自動車メーカーとの契約で納品している溶剤の8割程度、及びその他のユーザーより使用済み溶剤の回収を行い、リサイクルシステムにおいてリサイクル品(再生溶剤)を原料として使用しております。
また、ドラム容器は一部、1tIBCコンテナはリサイクルを行っております。
原油・ナフサの市況によって会社の業績が大きく影響されますが、既存分野での新規需要の獲得、剥離剤やエタノール関連製品、さらには新しい溶剤のマーケットの開拓など販売活動に全力を傾注するとともに、生産、物流面の合理化を押し進め業績の振れを緩和させます。また、環境と生産性を重視して越谷、兵庫工場に設備投資を計画的に実施します。
今後の見通しといたしましては、長期化するウクライナ情勢や緊迫化する中東情勢による資源価格の高騰や為替変動、中国・台湾問題など、当社グループを取り巻く経営環境は引き続き厳しい状況で推移するものと思われます。
当社グループは、以下に掲げる項目を重点的な経営課題として売上拡大と収益性の向上に取り組んでまいります。
新製品の拡販に注力するとともに、新規需要先の開拓に努めてまいります。
鉱構造物の造膜型塩分低減剤「ソルトリッパーFM」やグリセリンを小分け及び希釈化するグリセリン事業、さらに剥離剤等の新規事業につきましては、今まで培ってきたノウハウと企業財産を基盤に新たなフィールドへの進出を目指していきます。
企業の競争力の源泉はヒトにあるとの認識の下、国家資格等の取得、セミナー等に積極的に参加し、社員一人一人の能力を伸ばしていきます。
経営資源の効率的な活用、販売費及び一般管理費の抑制に努め、設備投資については営業キャッシュ・フローの範囲内にて行うようにキャッシュ・フローの管理を徹底し、財務体質の強化を図ってまいります。
当社グループは、収益力の向上と財務体質の強化を経営目標の中心として重視しております。収益機会の増加とともに生産、物流面の合理化を推進して、売上高及び経常利益をさらに高めてまいりたいと考えております。
経常利益の水準としては、売上高経常利益率5.0%程度を目指しております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、代表取締役社長が議長を務めるサステナビリティ委員会を設置しました。
サステナビリティ委員会には、代表取締役社長、常務取締役、取締役、執行役員、営業本部、製造本部、資材部、総務部、経営企画室、常勤監査役が構成メンバーとして参加しています。
当委員会は、機動力をもって気候関連課題を含むサステナビリティ全体のリスク管理、戦略の推進に対し責任を負っています。
気候変動課題への対応について、経営会議及び代表取締役社長が委員長を務めるサステナビリティ委員会において、適宜、議題として取り上げ、気候変動に関するコミットメントの進捗確認や、リスク・機会の識別・評価に関して、全社内役員による議論を行うこととしております。また、グループ経営会議及びサステナビリティ委員会で決議された基本方針、施策の結果は、取締役会に報告を行うこととしております。

事業戦略の妥当性や、2030年に向けた成長戦略の検討に向けて、1.5℃シナリオ、4℃シナリオの2つの気候変動シナリオに基づき、移行リスク、物理リスク、機会を抽出しました。
4℃シナリオでは、2030年時点ではリスク・機会ともに大きく顕在化しない可能性はあるものの、台風や洪水などの災害発生によるサプライチェーンへの影響がリスク要因になると捉えています。
当社グループではいずれのリスクにおいても事業活動に関連のあるものとして評価対象とし、リスク軽減にむけて検討を進めています。
シナリオ分析結果(1.5℃シナリオ)
シナリオ分析結果(4℃シナリオ)
また、当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は次のとおりです。
<人材育成方針>
「社員の多様性と人権を尊重するとともに、個人の力を最大限に生かせるように、一人一人が又はグループで課題を謙虚に学び、考え、評価し、迅速に改善できる人材を育成します」という人材に関わる当社グループの企業行動指針に則り、継続的な事業の成長・成功を実現するため、社員自らが会社に貢献するために何を行うべきかを自分で考えて行動できる人材、すなわち「自律型人材」の育成に努め、多様な人材がモチベーション高く働けることを目指します。
・入社時教育
社会人への意識改革、ビジネスマナーや職種に必要な基本スキルの習得、企業ルールや社風の理解を目的とします。
・職場教育(OJT)
職場での実務を通じた教育を計画的に行い、担当業務の範囲を広げながら多様化を図ることを目的とします。
・職場外教育(Off-JT)
社外講師による中堅社員研修、管理職研修、ハラスメント研修など、職場でのOJTを補完するために、知識やスキルを体系的に身につけることを目的とします。
<社内環境整備方針>
当社グループは、安全な職場環境づくりに取り組み、社員の心身の健康を守るとともに、人権を尊重し、差別のない健全な職場環境の確保に取り組んでいきます。
当社グループは、気候変動に係るリスクの識別・評価・確定について、サステナビリティ委員会にて検討・実施しています。
リスクの識別については、経営企画室が事務局を務めるグループ全体のリスク管理とも連携をしています。
原則年1回所管部門が見直しを行い、サステナビリティに係るリスク及び機会に関する情報を収集し、サステナビリティ委員会は、評価を影響の大中小で判別しています。
評価したリスクの中で重要なものについては、サステナビリティ委員会より取締役会に報告されます。
当社グループでは、これまでも省エネルギー活動を積極的に行い、各工場のLED化、社用車の削減や、水素車・ハイブリット車の導入を推進してまいりました。また、自動車メーカーとの契約で納品している溶剤の8割程度及びその他のユーザーより使用済み溶剤の回収を行い、当社グループのリサイクルシステムにおいてリサイクル品(再生溶剤)を原料として使用し、さらに容器もリサイクルしております。今後、製造設備の省エネ機器への切り替えに積極的に取り組み、グループ全体の温室効果ガス(Scope1及びScope2)の削減を進めてまいります。目標値は、今後の動向を踏まえて検討してまいります。
(単位:t-CO2)
Scope1 : 事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、ガソリン等)
Scope2 : 他社から供給された電気の使用に伴う間接排出
また、当社グループでは上記「(2) 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
※ 連結子会社については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定による公表義務の対象ではないため数値に含んでおりません。
当社グループは、「大伸化学グループリスク管理方針」を定め、経営的な観点からリスクの見直し対応ができる仕組みを整備するとともに、内部監査機能として内部統制担当部門である経営企画室が計画的にリスク内容の検証も合わせて行っております。当連結会計年度におきましては、経営企画室が現時点において発生する可能性のあるリスク項目を再度見直し、各部門のモニタリング結果を踏まえて、経営会議において審議し、リスク項目の見直し及びリスクに対する対応を決定しております。
個々のリスクにつきましては、有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの化学品事業は、主原料が石油化学製品であるため、中東地域等の地政学リスクや海外経済の動向により、原材料の調達価格が影響を受けることになります。
また、石油化学メーカーが原料にバイオマスナフサを使用する傾向にあり、調達に影響を受けることも予想されます。
原油価格や為替に異常な変動が生じた場合に、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
当該リスクの対応として、主要な原材料はリスク管理の観点からもできる限り複数の取引先から購入を行っており、安定調達に取り組んでおります。
当社グループの化学品事業は、有機溶剤等の各種化学物質を取り扱っております。消防法、毒劇法、その他の環境関連の法令改正にともなう規制強化等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの対応として、法令順守の徹底を図るとともに、工業会や行政機関のセミナー等に積極的に参加し、日頃から注力して法改正に対応しております。
また、当社グループの運送業務においては、貨物自動車運送事業法、消防法、毒劇法等の各種法令の規制の適用を受けており、法令違反等が発生し許認可の停止又は取り消し等が生じた場合には、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの対応として、常に最新の情報取得を行っており、変更事項に対して早急に対応できる体制の確立に尽力しております。
当社グループは、大規模な地震、大型台風等の自然災害により製造設備が被災し生産活動が停止した場合や、疫病等の発生により従業員が出勤停止となり工場の操業停止や運送業務が滞った場合には、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの対応として、生産拠点を東日本に越谷工場、西日本に兵庫工場と二ヵ所に分散配置し補完機能をもたせております。また、基幹システムに関しても、越谷工場にメインサーバー、兵庫工場にバックアップサーバーを配置し、災害・事故等のリスク分散を行っております。
(4) 気候変動対応について
当該リスクの対応については、2 「サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。
(5) 事故等について
当社グループは、火災、爆発、漏洩等の事故が発生した場合や、製造ラインの停止を伴う労災事故が発生した場合には、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの対応として、製造設備に対する保守点検・計画的な検査修繕を行うとともに、自衛消防隊による防災訓練を定期的に行い、防火管理体制を整えております。また、重大事故の再発防止の観点から、安全環境に関する機能を統括する部門である安全環境室を新設するとともに、工場内の事故発生の危険度の高い不適合箇所の改善を行い、構内パトロール、安全教育を定期的に実施し、保安事故発生のリスクの低減を図っております。
更に当社グループの運送業務において、当社グループの過失に起因する重大事故が発生した場合には、得意先の信頼及び社会的信用の低下、事業許認可の取り消し等の行政処分、被害者からの損害賠償請求等を受けた場合には、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの対応として、事故防止活動の一環として、安全管理、運行管理の徹底を図るための研修や、全車両にデジタルタコグラフ、ドライブレコーダーを装着し、基本的な速度・時間・距離の情報の他、急加速や急減速、アイドリングストップ情報なども取得することで運転の評価、ヒヤリハット情報の共有を行い、交通事故ゼロを目指した教育に努めています。
(6) 品質問題
当社グループは、製品について品質の向上に努め安定供給の責を果たし、品質の確保と納期を遵守しておりますが、予期せぬ事情により製造物責任につながるような大きな品質問題が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの対応として、お客様の満足を得るために、信頼性の高い生産管理、高度な品質管理体制の確立に総力を挙げて行います。
当社グループは、不良債権の発生防止に努めておりますが、取引先の倒産により貸倒損失が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの対応として、当社グループは取引先の信用度合による与信限度枠を設定し、与信管理支援システムを導入しております。また、日頃の営業活動においても、与信情報の収集に努力しております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行したことにより行動制限が緩和され、個人消費やインバウンド需要の増加などにより経済活動の正常化が進み、緩やかな回復基調が見られるものの、長期化するウクライナ情勢や緊迫化する中東情勢による資源価格の高騰、急激な円安進行など、景気の先行きは依然として不透明な状態が続いております。
当社グループが主として関連する塗料業界におきましては、こうした経済環境のもと、生産、出荷数量は、ともに前年並みの水準となりました。
このような情勢のもとで当社グループは、有機溶剤専業メーカーとして新規ユーザーの開拓を中心に販売拡大を図りましたが、製品については、生産数量132,497トンで前年同期比1.4%減、出荷数量132,326トンで前年同期比1.5%減となりました。
当連結会計年度の業績といたしましては、売上高は印刷用溶剤類の出荷数量の減少や、上半期において国内の原油・ナフサ市況が前年に比べて低水準で推移したことにより販売単価が下落したため、324億61百万円で前年同期比5.6%減となりました。
主な品目別の売上高は、ラッカーシンナー類が7億16百万円で前年同期比5.9%増、合成樹脂塗料用シンナー類が5億84百万円で前年同期比6.6%増、洗浄用シンナー類が21億65百万円で前年同期比4.7%増、印刷用溶剤類が59億15百万円で前年同期比10.6%減、特殊シンナー類が34億71百万円で前年同期比1.3%増、単一溶剤類が126億28百万円で前年同期比8.6%減、塗料・その他が22億円で前年同期比0.6%増、単一溶剤を中心とした商品が47億49百万円で前年同期比5.7%減、その他収入29百万円で前年同期比82.1%増となりました。
利益面につきましては、効率的な原材料購入の推進及び新規需要の開拓に努めましたが、円安等による一部の主要原材料価格の高騰や運送費の上昇等があり、その結果、営業利益は前年同期比34.1%減の8億25百万円、経常利益は前年同期比28.1%減の9億39百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比34.4%減の6億27百万円と、いずれも減益となりました。
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、241億32百万円(前連結会計年度末比2億60百万円減)となりました。これは主に、売掛金の増加(同3億50百万円増)、投資有価証券の増加(同1億24百万円増)等があったものの、現金及び預金の減少(同8億44百万円減)等があったことによるものであります。
(負債)
負債総額は、81億10百万円(前連結会計年度末比8億40百万円減)となりました。これは主に、買掛金の減少(同3億1百万円減)、未払法人税等の減少(同1億51百万円減)、未払消費税等の減少(同1億45百万円減)等があったことによるものであります。
(純資産)
純資産は、160億22百万円(前連結会計年度末比5億80百万円増)となりました。これは主に、利益剰余金の増加(同4億44百万円増)等があったことによるものであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年同期に比べて8億44百万円減少し、41億7百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果使用した資金は、1億85百万円(前年同期は17億98百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上9億36百万円、減価償却費4億7百万円等があったものの、売上債権の増加4億34百万円、仕入債務の減少3億12百万円、未払債務の減少1億85百万円、法人税等の支払額4億26百万円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、4億38百万円(前年同期は4億14百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4億95百万円、保険積立金の積立による支出1億71百万円があったものの、保険積立金の解約による収入2億20百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、2億20百万円(前年同期は2億63百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額1億83百万円等があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、化学品事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
なお、セグメントについての詳細は、「第5 経理の状況 (セグメント情報等)」をご覧ください。
当連結会計年度における生産実績については、単一セグメントのため品目別に記載しております。
(注) 金額は販売価格で表示しております。
当連結会計年度における受注実績については、単一セグメントのため品目別に記載しております。
(注) 金額は販売価格で表示しております。
当連結会計年度における販売実績については、単一セグメントのため品目別に記載しております。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(注) 上記の相手先東洋インキ㈱には、東洋インキFPP㈱、トーヨーケム㈱等の販売高を含んでおります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当連結会計年度の業績といたしましては、売上高は印刷用溶剤類の出荷数量の減少や、上半期において国内の原油・ナフサ市況が前年に比べて低水準で推移したことにより販売単価が下落したため、324億61百万円となりました。
売上原価は、円安等による一部の主要原材料価格の高騰等により、281億86百万円となりました。販売費及び一般管理費は、運送費の上昇や役員退職慰労金の増加等により、34億49百万円となりました。
上記の結果、営業利益は8億25百万円となりました。
営業外損益は、1億14百万円のプラスとなりました。受取利息及び配当金から、支払利息、手形売却損を差し引いた金融収支は、20百万円のプラスとなっております。
上記の結果、経常利益は9億39百万円となりました。
特別損益は、3百万円のマイナスとなりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は、9億36百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、6億27百万円となっております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、出荷数量は経済活動の影響を受け、販売単価は原料市況に影響を受けます。利益面につきましては、中東の地政学リスクによる原油価格の変動、為替変動、運送費の上昇等、更には海外景気に起因する需給関係により影響を受けます。
目標とする経営指標として、売上高経常利益率2.8%となり、期初目標とした売上高経常利益率3.7%を下回る結果となりました。引き続き、目標数値の達成を目指します。
② 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金は、主に製品製造に使用する原材料の調達及び販売商品の購入に費やされており、その他人件費、販売のための運賃等、製造経費や販売費及び一般管理費に計上される費目に対しても同様に費消されております。
さらに、設備投資資金は、生産力増強を目的とした生産設備の新規取得、それらを管理するシステムの整備等に支出されております。
これらの必要資金は、利益の計上、減価償却費等により生み出される内部資金により賄うことを基本としておりますが、必要に応じて金融機関からの資金調達にて対応しております。
当連結会計年度においては、越谷工場及び兵庫工場のシンナー製造設備等に対して4億円の設備投資を実施いたしました。
資金繰り等については、予定されている資金支出に対して十分に余裕をもって手許現預金を確保しながら、資金的にも安定した経営に努めております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、41億7百万円となりました。キャッシュ・フローの分析につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」のとおりでありますが、キャッシュ・フロー関連指標のトレンドを示しますと下記のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
2 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
3 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
4 2024年3月期は、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスであるため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオを記載しておりません。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
売上債権等の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、必要な貸倒引当金を計上しております。顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合には、追加の引当が必要となる可能性があります。
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループのうち、当社は確定給付制度を採用しております。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、昇給率等の様々な計算基礎があります。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
d 固定資産の減損
固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループがある場合には、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しています。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において減損損失が発生する可能性があります。
技術供与契約
台湾の大勤化成股分有限公司に対してシンナー製造に関する技術供与を行う契約を1996年4月1日に締結しております。
当連結会計年度の研究開発活動は、顧客に信頼される『製品』を開発することに加え、既製品の研究改良(品質・安全・性能・環境)を行っております。特に環境対策や作業者に対する安全性、危険性をテーマに溶剤の見地から、改善・開発、及び溶剤のリサイクル化等において努力しております。
当連結会計年度において支出した研究開発費の総額は、
(1) 現在、様々な洗浄剤がありますが、その目的・用途に合わせ、最善の製品を提案・提供すると共にリサイクル化を推進し、資源である有機溶剤の有効活用によるCO2排出抑制を視野に、開発に取り組んでおります。
昨今の、世界情勢による石油製品の供給難や価格高騰の対策として、再生可能エネルギーを基原料とした溶剤の採用を進めるとともに、今までのブレンドノウハウを駆使し、その時々の状況で最適なものをリアルタイムで発信していくことで、顧客維持に努めております。
(2) 大気汚染防止法やPRTR法(特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律)に鑑み、環境汚染影響のより少ない環境にやさしい製品を開発するとともに、有害物の大気中への排出を少なくする使用方法の選定や処理設備の検証を行い、お客様に提案できるよう活動を進めております。
特に、昨今の自動車業界では、環境規制の厳正化により水性塗料化が再加速し、それに伴って水性洗浄剤においてもVOCフリー・低減化の要望が多く寄せられ、それらの対応を進めております。
さらに土木分野にも視野を広め、有害粉じん対策における構造物用塗膜剥離剤の開発を発端として、それに関連する鋼構造物の補修・点検分野での製品開発を進めております。
(3) より高度な品質を確保するための設備の検証や生産技術の確立、また有機溶剤の枠にとらわれない事業分野展開の助けとして、生産設備の開発を進めております。
また、越谷工場での樹脂溶解関連における実務的な生産技術の確立、及び高効率生産設備開発に取り組んでおります。