第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社はグループとして、以下の会社理念及び経営方針を定めています。

 

〔会社理念〕

「ゴルフ・ドゥ ブランドを通して、世界の人々に夢と感動と心の満足を提供する」

〔経営方針〕

一、社員の幸福が経営の土台である

一、年輪経営による永続企業を目指す

 

(2)経営戦略等

当社グループは、ゴルフリユース専門店「ゴルフドゥ!」の直営店及び同フランチャイズチェーン本部の運営に加えて、「ゴルフドゥ!オンラインショップ」の運営を事業の柱としており、当連結会計年度におけるセグメントは、直営事業、フランチャイズ事業、営業販売事業及びアパレル事業の4事業で構成されております。

① 直営事業

実店舗では、「ゴルフドゥ!」、「ゴルフドゥ!NEXT」の直営店を運営しており、顧客の利便性と競合他社との差別化を図るため、郊外のロードサイドに大型店の出店を基本とし、多様な立地条件や顧客のニーズにも柔軟に対応しております。2024年3月31日現在の店舗数(子会社が運営するフランチャイズ店を含む)は、茨城県、栃木県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、兵庫県、山口県、福岡県、佐賀県、熊本県及び大分県に全25店舗あり、今後も関東地方や九州地方を中心に出店を進めてまいります。また、2023年にはクラブフィッティングを融合させたゴルフスクール「ゴルフドゥ!STUDIO レッスン&フィッティング」を開始しており、ECや仮想空間では真似ができない、実店舗ならではの楽しさを提供しております。

ECでは、小売り市場においてECの重要性が一層増すにつれて、当社グループにおいても「ゴルフドゥ!オンラインショップ」、「ゴルフウェアユーズド」の重要性が急速に増すとともに、期待度も一層高まっております。また、2023年にはECモールに「ゴルフ ドゥ 中古クラブ楽天市場店」、「メルカリShops ゴルフドゥ!」を出店しており、規模の拡大を図るとともにEC戦略を加速しております。

② フランチャイズ事業

「ゴルフドゥ!」フランチャイズ店への店舗運営指導、フランチャイズ店運営企業による多店舗化の推進及び新規フランチャイズ加盟開拓を行っております。2024年3月31日現在の店舗数は、北海道から沖縄県まで全47店舗(当社子会社の運営店舗を含む)あり、新規フランチャイズ加盟開拓は大阪府を始め「ゴルフドゥ!」未出店地域を重点的に行っております。

③ 営業販売事業

当社並びに連結子会社のスクエアツウ・ジャパン株式会社及びThe Golf Exchange,Inc.が担っており、事業の中心であるゴルフ用品の卸売りにおいては、米国直輸入品の取扱いで差別化を図るとともに、得意先様のニーズにきめ細かく対応し、機動的な営業活動を行っております。

④ アパレル事業

株式会社ワールドフランチャイズシステムズが本部運営を行う「シューラルー」のフランチャイズ店を1店舗運営しております。今後の出店については、社会情勢や市場動向に応じて進めてまいります。

 

(3)経営環境

 当連結会計年度におけるわが国経済は、価格転嫁の進展、旺盛な訪日外国人消費、好調な輸出などを背景として、大企業を中心に賃上げの機運が高まり、賃金と物価の連鎖的な上昇によるインフレが緩やかに進行しつつあります。しかしながら、物価高により停滞する個人消費や、中小企業を中心に深刻化する人手不足が経済成長にブレーキをかけかねない状況にもあります。海外においては、中東などの地政学的な緊張、不動産不況による中国経済の停滞、米国の早期利下げ観測後退など、依然として先行きに対する不透明感が残っております。

  ① リユース市場

リユース市場においては、アウトドア(レジャー、スポーツ)など一部のカテゴリーにおいてコロナ禍による特需の反動が見られたものの、物価上昇に対する生活防衛消費、ブランド品などへの訪日外国人消費、輸出など、内外の両需要に支えられ、また、サステナビリティ意識の高まりや市場の成長を受けて、企業価値の向上や新たな顧客層の開拓を求めて製造小売業などの参入が相次いでおり、市場規模は拡大の一途をたどっているものと推測されます。

 

 ② ゴルフ用品市場

ゴルフ用品市場においては、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴って他のレジャー関連に支出が向けられたことに加えて、新品クラブの価格上昇と需供バランスの悪化により、秋までは盛り上がりに欠けた状況が続きました。12月になると暖冬を背景に新製品の発売で市場に活気が戻り、1月以降もその傾向が続きました。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループが対処すべき課題は以下のとおりであります。

① 事業上の対処すべき課題

a.成長戦略

リユース市場においては、リユースへのニーズが底堅いことに加えて、サステナビリティへの取り組みが求められるにつれ、循環経済の一環として参入する企業の増加が続き、市場規模は拡大が続くものと思われます。

ゴルフ用品市場においては、市場内競争に加えて他レジャー市場との競争が続くものの、コロナ禍ほどではないにしろゴルフ人気は安定して推移し、市場規模に大きな変化は起こらないものと思われます。

当社グループにおいては、引き続き「EC戦略の強化」と「『ゴルフドゥ!』店舗の収益構造改革」に取り組んでまいります。「EC戦略の強化」では、新機能の開発に長い時間を費やしておりました「ゴルフドゥ!オンラインショップ」が7月上旬までにリニューアルオープン予定であり、さらにはリニューアル後も様々な機能を追加してまいります。加えてリアル店舗とECサイトの融合であるオムニチャネル化については、その第一歩として2024年2月に「ゴルフドゥ!公式アプリ」のリリースとポイントプログラムの一新を実施しましたが、引き続き着実に開発を進め、2024年度内の完成を目指してまいります。「『ゴルフドゥ!』店舗の収益構造改革」では、自社運営のゴルフスクール「ゴルフドゥ!STUDIO レッスン&フィッティング」に注力し、サービス面における収益化の完成形として物販とサービスを強固につなげた新たなスタイルの構築を進めてまいります。また、今まで以上に人材育成に力を入れ、接客における感動の提供が決して珍しいものではなくなることを目指してまいります。

b.事業別の対処すべき課題

直営事業においては、「ゴルフドゥ!」店舗の客数の増加、買取り強化による品揃えの拡充、商品回転率の向上による粗利益率の向上に努めるとともに、人員不足解消に向けた採用の強化及び離職の抑制にも取り組んでまいります。

フランチャイズ事業においては、本部機能の強化とともに同店舗の在庫拡充の支援に努め、加えて加盟店開拓の強化にも取り組んでまいります。

営業販売事業においては、卸し先の拡大に努めることに加えて、米国子会社による米国内向け小売りの強化にも取り組んでまいります。

アパレル事業においては、「シューラルー」の商品回転率の向上、客単価の向上に加えて人材育成に取り組んでまいります。

c.コンプライアンス及びリスク管理体制の対処すべき課題

法令遵守及び企業の社会的責任を積極的かつ十分に果すため、コンプライアンス体制の充実及び強化に努めてまいります。また、当社グループを取り巻く事業環境の変化と事業規模の拡大に伴い、従来には想定していなかったリスクの発生に備えるとともに、これらリスクの発生を未然に防ぐために内部管理体制の強化を進めてまいります。なお、当社グループは、金融商品取引法による内部統制報告制度に従い内部統制の充実を図っており、内部監査機能の強化と併せ監査法人や顧問弁護士など社外専門家との連携を一層密にし、その連携強化に努めてまいります。

 

② 財務上の対処すべき課題

一般的に中古品は、メーカーや卸から仕入れる新品商材とは異なり、流通量が限定されるため仕入量の調節が難しく、過剰な商品在庫やゴルフ用品市場の閑散期である冬季などは、現預金が著しく減少する場合があります。また、「ゴルフドゥ!」直営店の出店や「ゴルフドゥ!オンラインショップ」のシステム開発費用は、主に利益の内部留保と金融機関からの借入れで賄う方針ですが、資金調達が計画通りに進まない場合は、出店やシステム開発の計画を見直す可能性があります。なお、資金の使途には十分な検討を重ね、主幹部門に加えて経営管理部門においても、常に把握とコントロールを行っておりますが、現預金の減少が著しい場合は、追加で資金調達を行う可能性があります。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

   当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益であります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

  当社グループは使用人数(パートタイマーを除く。)が約130名と人員が厚い訳では無いことから、部門や部署は極力簡素化していることもあり、サステナビリティを専門とする機関を組織体制に設けておりませんが、サステナビリティに関するリスク及び機会の監視、管理におけるガバナンスの過程、統制及び手続きについては、リスク管理委員会で対応しております。リスク管理委員会は、代表取締役社長を委員長として、代表取締役会長、常勤監査等委員である取締役、各本部長及び内部監査部門で構成され、四半期に一度の定期開催に加えて必要に応じて臨時に開催しております。また、気候変動や人的資本に関してもサステナビリティと同様にリスク管理委員会で適宜対応しております。なお、各リスクに対しては、迅速で適切な対応を図ることができるように、部門長が各部門のリスク発生の可能性に関する情報を速やかに報告する体制を整えており、リスク管理委員会ではリスクを包括的に把握して適切に分類し、管理を行っております。なお、リスクが顕在化した場合は緊急対策会議を招集し、対応策について協議することとしており、必要に応じて取り組み状況等を取締役会へ報告し、経営会議と情報の共有を図っております。

 

(2)戦略

 当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。

 

 当社グループは、経営方針のひとつに「年輪経営による永続企業を目指す」を謳っております。年輪経営とは、急成長を戒め、木が成長するように着実に堅実に大きくなる経営を行うことであり、その結果として、時代を超えた永遠に続く企業を目指すことを表しております。また、そのために最も大事なことは、人材の育つ風土をつくることであり、人材こそが永続企業の基盤になるという想いを持ち続けております。

 ① 人材の育成に関する方針

  当社グループにおいて「人」は成長を支える大事な財産であり、人材を「人財」と表し人材の育成・教育を行っております。また、「中期経営計画 Challenge 2026」の強化対策のひとつにも「人財開発・育成」を謳っており、人的資本への投資を行っております。人材の育成・教育については、社内の人材育成機関である「ゴルフ・ドゥ カレッジ」が担っており、自主的・自律的な人材の形成と、質の高い教育の提供を目指しております。加えて「ゴルフ・ドゥ カレッジ」では、「ゴルフドゥ!」店舗の業務やゴルフに関する基礎知識から専門知識までを幅広く学ぶことができ、ゴルフ未経験者の新入社員でも3年にわたる研修を終えると、4年目には副店長となれるカリキュラムが組まれております。

 

 ② 社内環境整備に関する方針

  当社グループにおいては、性別、年齢及び学歴等を問わない採用、就業に努めており、人材の多様性の確保に 取り組んでおります。採用では、新卒採用の他に通年での中途採用を行っていることに加え、ゴルフショップでは依然として少数傾向にある女性の採用にも積極的に取り組んでおります。パートタイムにおいては、シニア世代の採用にも積極的に取り組んでおり、これまでのゴルフの経験やスキルを店舗業務に活かしていただいております。就業では、それぞれが持つ個性や能力を十分に発揮できるよう適材適所を念頭に置いて人員配置に努めるとともに、働き方の多様性を確保するために副業を認めており、社内では得られない経験やスキルを獲得することを期待し前向きにとらえております。さらには、入社4年目以上の店舗勤務社員を対象として「働き方アンケート」を毎年実施しており、将来におけるキャリアの方向性や職場環境の改善の参考に取り入れるとともに、店舗においてハラスメント研修を実施し、女性が働きやすい職場作りにも積極的に取り組んでおります。

  また、年に2回春と秋に、当社の代表取締役社長が国内の全社員一人一人と面談を行い、社員からの率直な意見や希望に耳を傾ける機会を設けており、風通しの良い社内環境整備に努めております。

  なお、内部通報制度としては、監査等委員である取締役、社外取締役及び経営管理本部長を窓口とした「ヘルプライン」を設けることに加え、「へルプライン」より身近で気軽に相談ができるような担当者を窓口とした「社内ホットライン」を設けており、従業員が働きやすい環境づくりに努めております。

 

 

 

 

 

 

(3)リスク管理

 当社グループでは、サステナビリティに関するリスク及び機会の識別、評価及び管理については、リスク管理委員会で対応しており、リスク情報を常に最新の管理状態に保つため、四半期に一度の定期開催に加えて臨時開催時に情報内容の見直しを行っております。また、気候変動や人的資本に関することについても同様であり、各リスクが顕在化した場合は緊急対策会議を招集し、対応策を協議することとしており、必要に応じて取り組み状況等を取締役会へ報告し、経営会議と情報の共有を図っております。

 なお、気候変動に関するリスクについては「第2 事業の状況 3 事業等のリスク(2)外部環境の影響について ②気候など自然に関する環境」、人的資本に関するリスクについては「同(11)人事について ①採用及び離職、②育成、③引き継ぎ」をそれぞれご参照ください。

 

(4)指標及び目標

 当社グループでは、(2)戦略において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

指標

目標

実績(当連結会計年度)

管理職に占める女性の割合

2030年3月期まで15.0

男性労働者の育児休業取得率

2026年3月期まで30.0

50.0

労働者の男女の賃金の差異

2026年3月期まで50.0

45.2

労働者の男女の賃金の差異

(管理職を除く)

2026年3月期まで58.0

52.2

労働者の男女の賃金の差異

(管理職を除く正規雇用労働者)

2026年3月期まで95.0

76.0

非正規雇用者における65歳以上の比率

2026年3月期まで35.0

26.6

新入社員研修時間(新卒1年目)

2026年3月期まで400時間

380時間

既存社員研修時間(副店長研修など)

2026年3月期まで70時間

60時間

プライバシーマーク研修受講率

100を継続

100

(注)1.各指標に関する目標及び実績には、米国の連結子会社であるThe Golf Exchange,Inc.は含まれておりません。

   2.管理職に占める女性の割合及び労働者の男女の賃金の差異は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

   3.男性労働者の育児休業取得率は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

   4. 当社及び連結子会社における管理職に占める女性の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異の実績は、「第1 企業の概況 5 従業員の状況(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 ①提出会社、②連結子会社」をご参照ください。

5.新入社員研修時間は一人当たりの年間合計であります。

6.既存社員研修時間は様々の研修の年間合計であり、既存社員一人当たりの時間ではありません。

 

 現在、当社グループにおいて女性の管理職はおりませんが、人事評価は個人の能力に基づいて行っており、男女の性別を問わず人事の処遇を行っております。また、新卒者を中心に勤続年数が長いほど上位等級を有する者が多くなる傾向にあることに加えて、管理職の対象となる前に離職する傾向が女性は男性より強く、男女間の平均勤続年数の違いが労働者の男女の賃金の差異に強く影響しており、等級や手当が同一であれば労働者の男女間に賃金の差異はありません。なお、女性の離職防止に向けて、職場環境の整備に一層努めてまいります。

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)当社グループの事業における市場について

① リユース市場

リユース市場は、リユースへのニーズが底堅いことに加えて、サステナビリティへの取り組みが求められるにつれ、循環経済の一環として参入する企業の増加が続き、市場規模は拡大が続くものと思われますが、同時に競争が急激に過熱した場合は、当社グループの業績にも影響を及ぼす可能性があります。

② ゴルフ用品市場

ゴルフ用品市場は、市場内競争に加えて他レジャー市場との競争が続くものの、コロナ禍ほどではないにしろゴルフ人気は安定して推移し、短期的には市場規模に大きな変化は起こらないものと思われますが、競争が急激に過熱した場合は、当社グループの業績にも影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)外部環境の影響について

① ゴルフに関する環境

当社グループの取り扱い商材の中心であるゴルフ用品は嗜好品であり、外部環境の影響を受けやすいという特徴があります。また、プロゴルフツアーの盛況度、ヒット商品の有無、流行及びゴルフ競技に関するルール改正などは、いずれも消費者の購買行動に与える影響度が大きく、当社グループは常にゴルフに関する各種動向の把握に努めております。しかしながら、ゴルフに関する環境が急激な変化に見舞われる場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 気候など自然に関する環境

近年、甚大な自然災害が幾度となく発生しており、今後も猛暑、台風、豪雨及び地震などによる自然災害が発生する可能性があります。屋外スポーツであるゴルフ関連市場における気候変動の位置付けは年々重要度が増しており、自然災害の発生によりゴルフのステークホルダー並びに当社グループの従業員及び店舗などが被害を被った場合、温暖化の進行によりゴルフ関連市場がその状況に適応できない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 感染症に関する環境

新型コロナウイルスやインフルエンザに代表される感染症は今後も流行が懸念され、感染症の流行により以下などの状況となる場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

・国又は自治体による休業要請などに伴う営業自粛又は時短営業により、通常通りの店舗営業が困難な場合

・緊急事態宣言発出などによる広域の外出自粛により、店舗の来店客数が減少する場合

・サプライチェーンが正常に稼働せず、メーカーなどからの商品供給が滞る場合

・店舗においてお客様と接触を控えることにより、通常通りの接客が困難な場合

・当社グループ内で集団感染が発生し、通常通りの営業活動が困難な場合

なお、新たに感染症が流行した場合は、今般の新型コロナウイルス感染症への対応をベースとして取り組んでまいります。

④ 人口に関する環境

日本は少子高齢化が進み、近年の人口は減少局面を迎えております。今後、日本の人口減少に伴ってゴルフ人口も減少し、ゴルフ関連市場が縮小する場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)中古ゴルフクラブについて

① 買取り

「ゴルフドゥ!」の主力商品である中古ゴルフクラブは、新品商材と異なり店舗などにおける買取りが仕入れに相当し、流通量が限られるため仕入量の調整が難しく、かつ如何に良質な商材を確保できるかが重要な要素となっております。中古ゴルフクラブの在庫不足に対しては、直営店とフランチャイズ店をネットワークでつなぐ在庫共有システム「まっすぐネット」を活用し対応を図っておりますが、中古市場における流通量不足に伴って、買取相場の高騰及び商品原価の上昇となった場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 新品ゴルフクラブと中古ゴルフクラブの関連性

中古ゴルフクラブの販売価格は、新品ゴルフクラブの販売価格の影響を受けやすく、新品ゴルフクラブの値下げに伴う中古ゴルフクラブの相場下落により販売時の粗利益率が低下する場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 中古ゴルフクラブの在庫状況

当社グループは、「ゴルフドゥ!」の直営店を展開するうえで「豊富な品揃え」を差別化戦略の柱としておりますが、中古ゴルフクラブの在庫確保が計画通りに進まず出店計画や販売計画を見直す場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)「ゴルフドゥ!」フランチャイズチェーンについて

① 「ゴルフドゥ!」フランチャイズシステム

「ゴルフドゥ!」フランチャイズシステムは、フランチャイズチェーン本部である当社とフランチャイズ加盟店が対等なパートナーシップと信頼関係に基づき共存共栄を図るため、それぞれの役割を担うものであります。当社は、フランチャイズ加盟店に対し直営店の運営で得たノウハウや商品を提供することと併せ、フランチャイズ加盟店の問題点を共有かつ解決に導くコンサルティングを行い、「ゴルフドゥ!」チェーンの発展に努めております。しかしながら、どちらか一方にでも不祥事などが発生し、「ゴルフドゥ!」チェーンのブランドイメージが毀損する場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、フランチャイズ加盟契約は、当社又はフランチャイズ加盟店のどちらかによる事前告知がない限り自動更新され、フランチャイズ加盟店からの申し出に基づく契約期間中の解除は、当社とフランチャイズ加盟店の合意により認められます。なお、立て続けにフランチャイズ加盟店が契約解除に至った場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 「ゴルフドゥ!」フランチャイズ加盟店の出店

「ゴルフドゥ!」フランチャイズ加盟店の出店は、事前の綿密な市場及び物件調査ののち、当社の経営会議を経て出店場所と開店日が最終的に決定されます。しかしながら、フランチャイズ加盟企業(者)を含む外部環境の急変などにより計画通りに出店が進まない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)店舗の出店及び出店費用について

当社グループは、2024年3月31日現在で「ゴルフドゥ!」直営店(「ゴルフドゥ!NEXT」、子会社が運営するフランチャイズ店を含む)を25店舗(茨城県1店舗、栃木県1店舗、埼玉県6店舗、千葉県3店舗、東京都5店舗、神奈川県1店舗、兵庫県1店舗、山口県1店舗、福岡県2店舗、佐賀県1店舗、熊本県2店舗、大分県1店舗)及び「シューラルー」のフランチャイズ店を1店舗(栃木県)運営しており、出店の方針は「ゴルフドゥ!」は郊外のロードサイドに大型店舗、「ゴルフドゥ!NEXT」は「ゴルフドゥ!」を上回る大型店舗、「シューラルー」はショッピングモール内としております。出店に際しては、綿密な調査による優良物件の確保を目指しておりますが、立地、賃料及び面積など全ての条件を満たす物件は限られ、出店計画の遅れや想定外となる費用などが発生する場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、出店費用は、主に利益の内部留保と金融機関からの融資で賄う方針ですが、計画通りの資金調達が困難で出店計画が変更となる場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)敷金及び保証金について

当社グループの本社、営業所、物流センター及び直営店などの不動産物件は、建設協力金方式を含む賃借が基本となっております。賃貸借契約に際しては、賃貸人に敷金及び保証金を差し入れており、直営店など不動産物件の賃借の増加に伴い、敷金及び保証金の残高は増加する可能性があります。なお、当敷金及び保証金は期間満了などによる賃貸借契約解消時に、各物件の契約に従い返還されることになっておりますが、当社グループに起因しない賃貸人側の諸事情により、その一部又は全額が回収できなくなる場合や、契約満了前の当社グループの都合による中途解約によって違約金の支払が必要となる場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)法的規制について

① 古物営業法

当社グループは、中古ゴルフクラブなどの古物を取り扱うにあたり、「古物営業法」を遵守しております。古物である中古のゴルフクラブやウェアの買取り及び販売を行う際には、主たる営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会の許可を得ることが義務付けられており(同法第5条)、当社グループの「ゴルフドゥ!」直営店並びに「ゴルフドゥ!オンラインショップ」などのECサイト及びECモール店舗は、埼玉県で古物商の営業許可を取得しております。また、米国のThe Golf Exchange,Inc.は、カリフォルニア州の「Secondhand Dealer License」を取得しております。

 

免許

監督官庁

番号

古物商許可証

株式会社ゴルフ・ドゥ

埼玉県公安委員会

 

スクエアツウ・ジャパン株式会社

埼玉県公安委員会

 

第431010007249号

 

 

第431060030268号

 

なお、「古物営業法」では、買い取った品が盗品であると判明した場合、1年以内であればこれを無償で被害者に回復することとされており(同法第20条)、被害者に当該品を返還する場合は損失が発生いたします。また、同法に違反し古物商許可の取り消しや営業停止などの処分及び罰則を科される場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 中小小売商業振興法 / 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)

当社グループは、「ゴルフドゥ!」のフランチャイズチェーン展開を行うにあたり、「中小小売商業振興法」及び「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)」を遵守しておりますが、同法に違反し営業停止などの処分及び罰則を科される場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、フランチャイズ加盟店とより強固な信頼関係の構築に努めておりますが、フランチャイズ加盟店からフランチャイズ契約に関する訴訟が提起された場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 特定商取引に関する法律

当社グループは、自社ECサイトである「ゴルフドゥ!オンラインショップ」及び「ゴルフウェアユーズド」並びにECモールに出店する「GOLF J-WINGS」、「ゴルフ ドゥ 中古クラブ楽天市場店」及び「メルカリShops ゴルフドゥ!」を運営するにあたり、「特定商取引に関する法律」を遵守しておりますが、同法に違反して営業停止などの処分及び罰則を科される場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)個人情報保護について

当社グループは、各種小売り業を運営するにあたり、「個人情報保護法」を遵守しております。中古ゴルフクラブなどの古物を買取る際には、「古物営業法」により売主の住所、氏名、職業及び年齢が記載された文書の交付を受けることとされており(同法第15条)、これらの個人情報は帳簿などに記載又は電磁的方法により記録し管理しております。また、「ゴルフドゥ!」並びに「ゴルフドゥ!オンラインショップ」などのECサイト及びECモール店舗において、当該会員の住所、氏名、生年月日、性別、電話番号及びメールアドレスなどを取得して販売促進などに利用しており、当該会員の個人情報も帳簿などに記載又は電磁的方法により記録し管理しております。なお、当社は一般財団法人日本情報経済社会推進協会が付与する「プライバシーマーク(Pマーク)」を2007年に取得しており、個人情報を適切に管理及び運用する体制を整備し、加えて当社グループの従業員に対し「個人情報保護」に関する教育を定期的に実施しております。しかしながら、不測の事態によって個人情報が外部へ流出し、当社グループの信用低下や損害賠償請求などの状況となる場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があり、さらには当社グループのみならず、フランチャイズ加盟店や個人情報の取り扱い委託先で、外部流出などの事故が発生した場合においても、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)不正利用防止について

自社ECサイトである「ゴルフドゥ!オンラインショップ」並びにECモールに出店する「GOLF J-WINGS」、「ゴルフ ドゥ 中古クラブ楽天市場店」及び「メルカリShops ゴルフドゥ!」のクレジットカード決済において、クレジットカード情報の盗用などによる不正利用(利用者成り済まし)による被害を受ける場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、発生の可能性は低いと考えますが、クレジットカード会社など外部における原因により当社グループが被害を受ける場合においても、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループ内での不正については、不測の事態に備え十分な不正防止対策を構築しており、極めて発生の可能性は低いと考えます。しかしながら、当社グループ内で不正が発生し当社グループの財務などの状況が悪化した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)子会社の業績について

スクエアツウ・ジャパン株式会社と米国にあるThe Golf Exchange,Inc.は、ゴルフ用品の卸売りを主な事業目的としており、米国商品を中心に取り扱っております。しかしながら、米国における経済をはじめとする社会情勢や社会環境の変化、主要な仕入取引先及び販売取引先の業績や体制などの変化、為替相場の急激で大きな変動が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)人事について

① 採用及び離職

当社グループは、「ゴルフドゥ!」店舗を始めとし、各事業運営の維持、発展にあたり、採用を最重要課題と捉えており、積極的な採用活動を行っております。しかしながら、小売り業における採用は新卒、中途を問わず熾烈な争奪戦が繰り広げられており、目標とする採用数に達しない場合、求める水準の人材を採用できない場合及び転職などにより離職が相次いだ場合は、「ゴルフドゥ!」店舗を中心として事業運営に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 育成

ゴルフショップに対する顧客の要求水準は年々高まっており、当社グループは顧客の要求水準を満たすため、独自の人材育成プランを導入しております。しかしながら、顧客の要求水準を満たすサービスなどを提供しうる人材の育成が進まない場合は、「ゴルフドゥ!」店舗の運営に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 引き継ぎ

企業の成長には次世代へバトンをつなぐことが欠かせません。しかしながら、質、数を問わず人材難により、知識、技術、ノウハウなどを次世代に引き継ぐことが進まない場合は、営業部門、管理部門を問わず事業運営に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)為替相場の変動について

当社及びスクエアツウ・ジャパン株式会社は、米国にあるThe Golf Exchange,Inc.から商品を輸入しているため、特に米ドル/円の為替相場に急激で大きな変動が生じた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

  (13)市場金利の変動について

   当社は、金融機関からの融資により資金を調達しているため、市場金利の変動に伴って貸出金利に大きな変動が生じた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、価格転嫁の進展、旺盛な訪日外国人消費、好調な輸出などを背景として、大企業を中心に賃上げの機運が高まり、賃金と物価の連鎖的な上昇によるインフレが緩やかに進行しつつあります。しかしながら、物価高により停滞する個人消費や、中小企業を中心に深刻化する人手不足が経済成長にブレーキをかけかねない状況にもあります。海外においては、中東などの地政学的な緊張、不動産不況による中国経済の停滞、米国の早期利下げ観測後退など、依然として先行きに対する不透明感が残っております。

リユース市場においては、アウトドア(レジャー、スポーツ)など一部のカテゴリーにおいてコロナ禍による特需の反動が見られたものの、物価上昇に対する生活防衛消費、ブランド品などへの訪日外国人消費、輸出など、内外の両需要に支えられ、また、サステナビリティ意識の高まりや市場の成長を受けて、企業価値の向上や新たな顧客層の開拓を求めて製造小売業などの参入が相次いでおり、市場規模は拡大の一途をたどっているものと推測されます。

ゴルフ用品市場においては、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴って他のレジャー関連に支出が向けられたことに加えて、新品クラブの価格上昇と需給バランスの悪化により、秋までは盛り上がりに欠けた状況が続きました。12月になると暖冬を背景に新製品の発売で市場に活気が戻り、1月以降もその傾向が続きました。なお、株式会社矢野経済研究所「YPSゴルフデータ」によりますと、2024年1月~3月の新品クラブ及びボールなど用品類のカテゴリー合計前年同月比(販売数量ベース・金額ベース)は、1月103.6%・98.9%、2月103.0%・114.5%、3月99.1%・94.0%で、年度合計(2023年4月~2024年3月)の前年比は、100.0%・99.6%となっております。例年にも増して新製品の発売に左右されたように思われます。

ゴルフ場及び練習場においては、経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」によりますと、2023年度(2023年4月~2024年3月)の利用者数前年度比は、ゴルフ場が97.9%、練習場が92.9%となりました。ゴルフ場は7月、9月、12月、1月が前年同月を上回ったものの、年度合計は前年度を下回ったようです。練習場は前年同月を上回った月が12月と2月のみで、2022年度から2年連続で前年度を下回ったようです。

このような経営環境のなか、当社グループにおいては、「EC戦略の強化」と「『ゴルフドゥ!』店舗の収益構造改革」に取り組んでまいりました。「EC戦略の強化」では、第一弾として9月に「ゴルフ ドゥ 中古クラブ楽天市場店」をグランドオープン、第二弾として12月に「メルカリShops」に「ゴルフドゥ!」直営店出店とECにおけるフィールドの拡大を進めました。加えて2月には、オムニチャネル化を見据えた完全新作アプリ「ゴルフドゥ!公式アプリ」のリリースと、ポイントプログラムを一新するとともに「ゴルフドゥ!」全店でポイントを共通化いたしました。「『ゴルフドゥ!』店舗の収益構造改革」では、9月に自社運営のゴルフスクール「ゴルフドゥ!STUDIO レッスン&フィッティング」をスタートし、収益力の向上を図るため、本格的にサービス需要の取り込みを進めております。また、既存の「ゴルフドゥ!」3店舗(宇都宮鶴田店、グローボ蘇我店、川越店)を前期に立ち上げた新業態「ゴルフドゥ!NEXT」に転換し、業績拡大を図っております。なお、「ゴルフドゥ!NEXTグローボ蘇我店」と「ゴルフドゥ!NEXT川越店」は、「ゴルフドゥ!STUDIO レッスン&フィッティング」を併設しております。費用面については、前連結会計年度と比較し大きく上回っているものとして、広告宣伝費、人件費及び貸倒引当金繰入額があげられます。広告宣伝費は「EC戦略の強化」に関するもので、人件費はパートタイマーの時給改定と不足する社員に代わる採用増加によるものです。貸倒引当金繰入額については、2023年8月10日に開示した「貸倒引当金繰入額の計上に関するお知らせ」のとおり、当社から「ゴルフドゥ!」フランチャイズ店を運営する企業への売掛債権及び貸付債権に対して引き続き計上となったものです。

直営事業においては、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴った市場環境の変化や夏場の猛暑に加えて、新品クラブ需要に対する供給のバランスが崩れたことにより、「ゴルフドゥ!」直営店は5月中旬から11月まで厳しい状況が続きました。しかしながら、12月以降は新製品の発売により新品クラブ販売を起点に下取りの増加、在庫の増加と品揃えの充実、中古クラブ販売の増加という流れが続き、加えて暖冬の好影響もあり、店頭販売は好調に推移いたしました。さらには、自社サイトの「ゴルフドゥ!オンラインショップ」に加えて、「ゴルフ ドゥ 中古クラブ楽天市場店」、「メルカリShops」のEC系3サイト体制が、店舗業績を押し上げております。なお、当連結会計年度の同店の売上高前年増減率(当社子会社の運営店舗を含まず)は、全店ベースで1.6%増、既存店ベースで1.3%増となりました。

フランチャイズ事業においては、ゴルフ人気の落ち着きもあり、「ゴルフドゥ!」フランチャイズ店の新規加盟開拓は1年を通して苦戦を強いられるとともに店舗数の減少もあり、ロイヤリティの減収が進みました。なお、新製品動向、EC系販売、暖冬などによる店舗を取り巻く環境は同直営店と大差なく、12月以降の業績は堅調に推移いたしました。しかしながら、同直営店と比べて在庫量が少ない店舗が多いため、販売先行により販売が増すほどに在庫状況も厳しさが増すというジレンマ的な状況が見え隠れしており、安定した在庫の確保が急務となっております。なお、当連結会計年度の同店の売上高前年増減率(当社子会社の運営店舗を含む)は、全店ベースで5.5%減、既存店ベースで3.4%減となりました。

 

当連結会計年度における「ゴルフドゥ!」のオープンは新規が1店舗、移転が1店舗であり、2024年3月31日現在の「ゴルフドゥ!」は、直営24店舗、フランチャイズ47店舗(当社子会社の運営店舗を含む)、合計71店舗、チェーン合計の売上高前年増減率は、全店ベースで2.3%減、既存店ベースで1.2%減となりました。

営業販売事業においては、米国のインフレや円安による輸入品のコスト高の状況に大きな変化はないものの、新製品の発売などにより卸売りの12月~3月は売上高、営業利益ともに前年同期を上回りましたが、国内ECモールに出店する「GOLF J-WINGS」は、不安定な在庫状況に大きな改善が見られず、1年を通して苦戦が続きました。米国子会社は、業績の回復を図るべく米国内向け小売りへの注力を一層進めております。

アパレル事業においては、第3四半期連結累計期間までの売上高は前年同期を上回っていたものの、暖冬の影響により防寒衣料の動きが鈍いことに加えて、春物衣料の納品が遅延傾向にあることから、販売におけるプロパー品(値下げ前または値下げ対象外の品)の比率が低迷したため、当連結会計年度の売上高、営業利益は前年実績を下回りました。しかしながら、黒字は維持いたしました。

以上の結果、当連結会計年度の経営成績は売上高57億73百万円(前連結会計年度売上高は60億58百万円)、営業損失1百万円(前連結会計年度営業利益は84百万円)、経常損失37百万円(前連結会計年度経常利益は89百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失51百万円(前連結会計年度親会社株主に帰属する当期純利益は41百万円)となりました。

 

当連結会計年度におけるセグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

(直営事業)

当連結会計年度における直営事業の売上高は43億36百万円(前連結会計年度売上高は42億72百万円)、セグメント利益は2億72百万円(前連結会計年度セグメント利益は2億82百万円)となりました。

(フランチャイズ事業)

当連結会計年度におけるフランチャイズ事業の売上高は4億64百万円(前連結会計年度売上高は6億22百万円)、セグメント利益は39百万円(前連結会計年度セグメント利益は1億10百万円)となりました。

(営業販売事業)

当連結会計年度における営業販売事業の売上高は10億49百万円(前連結会計年度売上高は12億25百万円)、セグメント利益は11百万円(前連結会計年度セグメント損失は10百万円)となりました。

(アパレル事業)

当連結会計年度におけるアパレル事業の売上高は52百万円(前連結会計年度売上高は52百万円)、セグメント利益は0百万円(前連結会計年度セグメント利益は2百万円)となりました。

 

当連結会計年度末における財政状態は、次のとおりであります。

(資産)

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ82百万円の増加となり、33億73百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ65百万円の増加となり、25億67百万円となりました。これは主に現金及び預金が15百万円、売掛金が43百万円、未収還付法人税等が15百万円増加したことによるものです。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ16百万円の増加となり、8億5百万円となりました。これは主に有形固定資産が11百万円、無形固定資産が34百万円、貸倒引当金が33百万円増加したことによるものです。

(負債)

当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ1億24百万円の増加となり、25億71百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べ89百万円の増加となり、16億69百万円となりました。これは主に買掛金が20百万円、短期借入金が70百万円増加したことによるものです。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ34百万円の増加となり、9億2百万円となりました。これは主に長期借入金が43百万円増加したことによるものです。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ42百万円の減少となり、8億1百万円となりました。これは主に利益剰余金が76百万円減少したことによるものです。

この結果、自己資本比率は22.9%(前連結会計年度末は24.7%)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による収入、投資活動による支出及び財務活動による収入の結果、6億71百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費、貸倒引当金の増加、法人税等の支払等により、39百万円の収入となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出、無形固定資産の取得による支出等により、1億21百万円の支出となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増減額、長期借入れによる収入、長期借入金の返済による支出等により、83百万円の収入となりました。

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

該当事項はありません。

b.受注実績

該当事項はありません。

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

直営事業        (千円)

4,336,502

101.5

フランチャイズ事業   (千円)

450,519

73.9

営業販売事業      (千円)

934,250

83.2

アパレル事業      (千円)

52,046

99.5

合計    (千円)

5,773,318

95.3

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりです。

当社グループの当連結会計年度の財政状態は、総資産33億73百万円(前連結会計年度末比82百万円増)、流動資産25億67百万円(同65百万円増)、固定資産8億5百万円(同16百万円増)。負債25億71百万円(同1億24百万円増)、流動負債16億69百万円(同89百万円増)、固定負債9億2百万円(同34百万円増)。純資産8億1百万円(同42百万円減)。この結果、自己資本比率は22.9%(前連結会計年度末は24.7%)となりました。

当連結会計年度は、資産は現金及び預金が15百万円、売掛金が43百万円、未収還付法人税等が15百万円増加、有形固定資産が11百万円、無形固定資産が34百万円、貸倒引当金が33百万円増加、負債は買掛金が20百万円、短期借入金70百万円、長期借入金が43百万円増加となりました。貸倒引当金の増加は、当社から「ゴルフドゥ! 」フランチャイズ店を運営する企業への売掛債権及び貸付債権について、当該企業の経営状況及び財務状況を慎重に検討した結果、回収見込みが不確定であることを保守的に評価し、当該債権に対する貸倒引当金繰入額(営業外費用)37百万円を計上したことによるものです。

当社グループの当連結会計年度の経営成績は売上高57億73百万円(前連結会計年度売上高は60億58百万円)、営業損失1百万円(前連結会計年度営業利益は84百万円)、経常損失37百万円(前連結会計年度経常利益は89百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失51百万円(前連結会計年度親会社株主に帰属する当期純利益は41百万円)となりました。

当連結会計年度は、「EC戦略の強化」のためシステム開発、他社ECモールへの出店や宣伝活動の強化、「『ゴルフドゥ!』店舗の収益構造改革」のため直営店舗設備の新設や入替えなどを積極的に行っております。また、「ゴルフドゥ!」フランチャイズ店運営企業への売掛債権及び貸付債権について、当該企業の経営状況及び財務状況を慎重に検討した結果、回収見込みが不確定であることを保守的に評価し、当該債権に対する貸倒引当金繰入額(営業外費用)37百万円を計上しております。

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、39百万円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、1億21百万円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、83百万円の収入となりました。

当連結会計年度は、「ゴルフドゥ!オンラインショップ」リニューアルがメインとなる「EC戦略の強化」のためシステム開発への投資活動、さらに、「『ゴルフドゥ!』店舗の収益構造改革」を図るため、直営店舗設備の新設や入替えなどの投資活動を行っております。

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等、注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に、重要な会計上の見積りについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等、注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

④ セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

(直営事業)

直営事業においては、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴った市場環境の変化や夏場の猛暑に加えて、新品クラブ需要に対する供給のバランスが崩れたことにより、「ゴルフドゥ!」直営店は5月中旬から11月まで厳しい状況が続きました。しかしながら、12月以降は新製品の発売により新品クラブ販売を起点に下取りの増加、在庫の増加と品揃えの充実、中古クラブ販売の増加という流れが続き、加えて暖冬の好影響もあり、店頭販売は好調に推移いたしました。さらには、自社サイトの「ゴルフドゥ!オンラインショップ」に加えて、「ゴルフ ドゥ 中古クラブ楽天市場店」、「メルカリShops ゴルフドゥ!」のEC系3サイト体制が、店舗業績を押し上げております。この結果、当連結会計年度における直営事業の売上高は43億36百万円(前連結会計年度売上高は42億72百万円)、セグメント利益は2億72百万円(前連結会計年度セグメント利益は2億82百万円)となりました。

(フランチャイズ事業)

フランチャイズ事業においては、ゴルフ人気の落ち着きもあり、「ゴルフドゥ!」フランチャイズ店の新規加盟開拓は1年を通して苦戦を強いられるとともに店舗数の減少もあり、ロイヤリティの減収が進みました。なお、新製品動向、EC系販売、暖冬などによる店舗を取り巻く環境は同直営店と大差なく、12月以降の業績は堅調に推移いたしました。しかしながら、同直営店と比べて在庫量が少ない店舗が多いため、販売先行により販売が増すほどに在庫状況も厳しさが増すというジレンマ的な状況が見え隠れしており、安定した在庫の確保が急務となっております。この結果、当連結会計年度におけるフランチャイズ事業の売上高は4億64百万円(前連結会計年度売上高は6億22百万円)、セグメント利益は39百万円(前連結会計年度セグメント利益は1億10百万円)となりました。

(営業販売事業)

営業販売事業においては、米国のインフレや円安による輸入品のコスト高の状況に大きな変化はないものの、新製品の発売などにより卸売りの12月~3月は売上高、営業利益ともに前年同期を上回りましたが、国内ECモールに出店する「GOLF J-WINGS」は、不安定な在庫状況に大きな改善が見られず、1年を通して苦戦が続きました。米国子会社は、業績の回復を図るべく米国内向け小売りへの注力を一層進めております。この結果、当連結会計年度における営業販売事業の売上高は10億49百万円(前連結会計年度売上高は12億25百万円)、セグメント利益は11百万円(前連結会計年度セグメント損失は10百万円)となりました。

(アパレル事業)

アパレル事業においては、第3四半期連結累計期間までの売上高は前年同期を上回っていたものの、暖冬の影響により防寒衣料の動きが鈍いことに加えて、春物衣料の納品が遅延傾向にあることから、販売におけるプロパー品(値下げ前または値下げ対象外の品)の比率が低迷したため、当連結会計年度の売上高、営業利益は前年実績を下回りました。しかしながら、黒字は維持いたしました。この結果、当連結会計年度におけるアパレル事業の売上高は52百万円(前連結会計年度売上高は52百万円)、セグメント利益は0百万円(前連結会計年度セグメント利益は2百万円)となりました。

 

5【経営上の重要な契約等】

(フランチャイズ契約)

(1)フランチャイズ加盟契約

当社は、ゴルフリユースショップ「ゴルフドゥ!」のフランチャイズ展開を行なうために、フランチャイズ加盟店とフランチャイズ加盟契約を締結しております。

フランチャイズ加盟契約の主な内容は、次のとおりであります。

①契約の目的

当社は、加盟店に対して当社商標等の使用を許諾し、ゴルフリユースショップ「ゴルフドゥ!」店舗経営のためのノウハウを提供する。フランチャイズ加盟店は契約時に当社に対して加盟金・保証金を支払い、毎月、ロイヤリティー・広告宣伝費等を支払う。

②加盟金その他金銭に関する事項

加盟金

・・・

5,000千円、3,000千円、1,000千円(店舗規模及びタイプ別による)

保証金

・・・

1,000千円

ロイヤリティー

・・・

月間売上高に一定比率を乗じた金額

共通宣伝費

・・・

毎月定額

③商標等に関する事項

使用を許諾された商標類は、「ゴルフドゥ!」店舗の事業以外の目的に使用してはならない。

使用許諾された商標類を使用した物品及び車両を第三者に譲渡、贈与、貸与する場合は、その商標の全てを抹消しなければならない。

④契約期間に関する事項

契約期間:開業日から5年間

契約更新:契約期間が満了する6ヶ月前までに、甲乙いずれからも書面による特段の意思表示がない場合、5年間自動的に更新されるものとし、以降も同様とする。

更新に際しては、フランチャイズ加盟店は当社に対し、更新料として加盟金の一定比率の金額を支払う。

⑤契約解除に関する事項

当社は、フランチャイズ加盟店が契約内容に違反した場合、又はフランチャイズ加盟店に法的倒産手続が開始された場合等にフランチャイズ加盟契約を解除することができる。

 

(2)エリアフランチャイズ加盟基本契約

当社は、フランチャイズ加盟契約を締結し、「ゴルフドゥ!」店舗を複数経営しているフランチャイズ加盟店で一定の基準を満たしている場合、そのフランチャイズ加盟店との間で、特定の地域において優先的に出店できる権利を付与するためのエリアフランチャイズ加盟基本契約を締結しております。

エリアフランチャイズ加盟基本契約の主な内容は、次のとおりであります。

①契約の目的

フランチャイズ加盟契約を締結し、「ゴルフドゥ!」店舗を複数経営しているフランチャイズ加盟店で一定の基準を満たしている場合、そのフランチャイズ加盟店に対し、特定の地域において優先的に出店できる権利を付与するための契約

②権利金その他金銭に関する事項

権利金

・・・

定めた特定の地域(契約エリア)の範囲や人口密度などにより、当社が決定した金額

加盟金

・・・

1店舗500千円

保証金

・・・

1店舗500千円

ロイヤリティー

・・・

「フランチャイズ加盟契約」に定められた金額に一定の率を減額した金額

共通宣伝費

・・・

毎月定額

③商標等に関する事項

「フランチャイズ加盟契約」と同様とする。

④契約期間に関する事項

契約期間:契約締結日から10年間、但し満期日において有効な個別契約が存続している場合には、当該個別契約の満了日まで。

契約更新:契約期間が満了する6ヶ月前までに、甲乙いずれからも書面による特段の意思表示がない場合、5年間自動的に更新されるものとし、以降も同様とする。

更新に際しては、フランチャイズ加盟店は当社に対し、更新料として1店舗あたり加盟金の20%の金額を支払う。

 

⑤契約解除に関する事項

当社は、エリアフランチャイズ加盟店が契約内容に違反した場合、又はエリアフランチャイズ加盟店に法的倒産手続が開始された場合等にエリアフランチャイズ加盟基本契約を解除することができる。

⑥エリアフランチャイズ契約先

会社名

契約年月

対象エリア

株式会社ティーバイティースポーツ

2004年6月

愛知県

株式会社COCOアドバンス

2005年3月

長崎県

GLAD株式会社

2005年8月

北海道

株式会社シンク

2005年10月

2007年12月

2010年5月

四国全域

岡山県

広島県

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。