当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは経営理念「人々の健康と豊かな生活創りに貢献する」のもと、長期ビジョンとして2035年のありたい姿「京都のグローバルヘルスケアカンパニーとして、一人ひとりの新しい生きるを世界に届ける会社」の実現を目指しています。このありたい姿を実現するための基本方針として以下の3項目を「経営方針」に掲げております。
■ 高品質で特長のある製品やサービスを提供する(顧客)
■ 社会からの信頼を得る(社会)
■ 一人ひとりが成長する(社員)
この経営方針に基づき、当社は医薬品事業ならびに機能食品事業を事業内容として、患者様やお客様のニーズにお応えする製品を提供してまいります。そのことにより社会からの信頼を得るとともに競争力と収益性を高め、企業価値の最大化を目指します。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
第七次5ヵ年中期経営計画(2024年度~2028年度)では、最終年度である2028年度に、売上収益2,300億円、営業利益300億円、EPS(一株当たり当期利益)341円、ROE(自己資本利益率)8%以上、ROIC(投下資本利益率)9%以上の数値目標の達成を目指すとともに、その先の2030年度には売上収益3,000億円、営業利益500億円企業を目指して態勢を整えます。
(3) 経営環境
当社グループを取り巻く医薬品業界においては、後発品の使用促進策、薬価の毎年改定等の医療費抑制のための諸施策の推進など、厳しい環境下にあります。
機能食品事業は、健康志向の高まりにより機能性食品へのニーズは強いものがありますが、運送コストや原材料価格の高騰など、厳しい事業環境が続いております。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、医療費抑制政策、創薬技術の進歩による研究開発の高度化、デジタル技術の進歩など変化の激しい経営環境の中、経営理念である「人々の健康と豊かな生活創りに貢献する」の実現に向け、患者数が少なくても確立した治療薬が無く病気で困っている患者さんとご家族にとって必要となる高品質で特長のある医薬品を提供することで「世界のヘルスケア分野で存在意義のある会社」となることを目指し、5つのマテリアリティの解決に向けた事業活動を推進しています。2019年度からスタートしました第六次5ヵ年中期経営計画では、毎年の薬価改定や新型コロナウイルスの世界的な流行の影響などにより、定量目標は未達となりましたが、年平均1品目以上の新製品上市や、米国における自社販売を開始し、グローバル基盤の構築を進め、第六次中計最終年度に過去最高の売上、利益を達成することができました。
当社は、今後も社会において存在意義を示し、持続的に成長するために、人々の"生きる"ということにこれまで以上に本気で向き合い、京都に根付くベンチャー精神をもって既存の製品・枠組みにとらわれずに価値のある製品・サービスを世界に提供し続けていくことが重要と考え、「京都のグローバルヘルスケアカンパニーとして、一人ひとりの新しい生きるを世界に届ける会社」を長期ビジョン「2035年のありたい姿」として設定しました。この「2035年のありたい姿」の実現に向けて、2024年度からスタートしました第七次5ヵ年中期経営計画では、マテリアリティの解決を図るとともに、来たるウプトラビのパテントクリフを乗り越えて成長するために、医薬品事業と機能食品事業を推進し『3つの重点テーマ』(①ウプトラビに替わる成長ドライバーの育成、②グローバル展開の拡大、③継続的なパイプラインの拡充)とそれを支える『5つの経営基盤の強化』(①持続可能な社会の実現に向けたサステナビリティ経営の推進、②研究開発のスピードアップ、③社員一人ひとりが成長し多様な人財が活躍できる人的資本経営の推進、④デジタル化推進による業務変革と生産性の向上、⑤サステナブルな成長に向けた財務戦略)に取り組みます。
医薬品事業では、核酸・低分子創薬を中心として、血液内科領域、難病・希少疾患領域などグローバル展開を狙える疾患・領域に経営資源を集中させ、技術の補完およびスピードアップのためオープンイノベーションも活用して自社創薬を推進します。導入にも自社創薬と同等に注力して、PLCMも含め、迅速に臨床開発を進めることで、年平均2品目以上の新製品の上市を目指します。販売については、グローバルマーケティングを基本とし、各国ごとに導出・自販などの最適な進め方を検討・推進することで、各リージョンで早期に製品を立ち上げ、シェアの拡大を目指します。また、グローバルで最適なサプライチェーン、信頼性保証、経営管理体制となっているかを絶えず見直し、強化します。
機能食品事業では、製薬企業の機能食品事業として高品質で独自性の高い高付加価値の素材および最終製品を提供することで、安定的で高収益体質の事業体となることを目指します。また、最終製品のマーケティング活動を通じて、当社の認知度を高めます。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般
≪サステナビリティに対する考え方≫
日本新薬グループは、経営理念「人々の健康と豊かな生活創りに貢献する」に基づき、「京都のグローバルヘルスケアカンパニーとして、一人ひとりの新しい生きるを世界に届ける」ことで持続的に成長するとともに、環境問題や、社会課題への対応を経営の重要事項として捉え、持続可能な社会の実現を目指します。社員一人ひとりに対して、サステナビリティに関する意識をより高めるための教育・啓発活動を行います。
・イノベーションの創出により、世界中の人々の健康な未来の実現に貢献します
・気候変動対策を中心に地球環境に配慮した事業活動を行い、環境の保護・維持・改善に取り組みます
・全ての人々の人権を尊重し、社会や地域とのコミュニケーションを積極的に図るとともに、未来を担う子どもたちをはぐくむ活動に取り組みます
・ガバナンスの強化を図るとともに、経営の透明性・客観性を確保し、すべてのステークホルダーへの説明責任を果たします
・ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進とウェルビーイングの実現を目指します
①ガバナンス
当社は、マテリアリティに係る対応を通じて、持続的な価値の創出を目指しており、その推進のためにサステナビリティ委員会を中心としたガバナンス体制を構築するとともに、取締役による監督を行っています。
<サステナビリティ委員会>
当社は、より積極的にサステナビリティの推進を図るため、2022年1月に代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置しました。
本委員会は年2回開催し、サステナビリティ推進のための計画策定及びマテリアリティの検討やマテリアリティに対する目標・取り組みの進捗状況の確認を行い、取締役会に報告、提案しています。重要な事項については取締役会で審議、決議を実施します。また、各部門に対する監督及び指示を実施します。
<マテリアリティに係る経営者の役割>
マテリアリティに係る事項は、代表取締役社長が総括します。また、代表取締役社長はサステナビリティ委員会の委員長としてマテリアリティが事業に与える影響について評価し、対応策の立案及び目標の設定を行い、達成状況の管理を統括します。
<マテリアリティに係る所管部署>
サステナビリティ推進部は、サステナビリティ委員会の事務局を担当するとともに、マテリアリティへの取り組みに係る企画・立案及び管理並に全社的な推進を担います。
②戦略
当社は、経営理念のもと「患者数が少なくとも、確立した治療薬がなく、病気で困っている患者さんとご家族にとって必要となる、高品質で特長のある医薬品を提供できる会社」を目指し、マテリアリティ(重要課題)として「イノベーションの創出による健康未来の実現」、「多様な人材の育成と社員のウェルビーイングの実現」、「社会課題の解決とコミュニティとの共生」、「地球環境保護への取り組み強化」、「ガバナンスの強化」の5つを特定しています。当社が今後も社会において存在意義を示し、持続的に成長するためには、人々の“生きる”ということにこれまで以上に本気で向き合い、価値のある製品・サービスを提供し続けていくことが重要となります。2035年のありたい姿として、「京都のグローバルヘルスカンパニーとして、一人ひとりの新しい生きるを世界に届ける会社」を掲げ、2024年から始まる第七次中期経営計画では、「持続可能な社会の実現に向けたサステナビリティ経営の推進」を「5つの経営基盤の強化」の1つに定めました。マテリアリティの解決に取り組むことで持続的(サステナビリティ)な価値の創出を目指してまいります。
③リスク管理
マテリアリティに係るリスクは、サステナビリティ委員会(年2回開催)にて、識別・評価し、定期的に取締役会に報告しています。
<マテリアリティに係るリスクを管理するプロセス>
サステナビリティ推進部は、マテリアリティへの取り組みに係る企画・立案及び管理を行い、全社的なマテリアリティに係るリスクへの対応を推進するとともに、取り組み状況をサステナビリティ委員会に報告します。識別したマテリアリティに係るリスクについて、「リスクマネジメント基本規程」に基づきリスク・コンプライアンス委員会に報告します。
サステナビリティ委員会は、識別・評価したリスクの最小化に向けた方針を示し、サステナビリティ推進部を通じて社内の関係部署及びグループ会社に対応を指示します。また、対応策の取り組み状況や設定した目標の進捗状況について、取締役に報告します。
(2)気候変動
≪気候変動に対する考え方≫
日本新薬グループは、2021年12月、TCFD※1の提言への賛同を表明しました。リスクマネジメントの観点からすでに特定しているリスクへの取り組みに加え、TCFD提言の枠組みに沿って、気候変動に関するリスクと機会についてシナリオ分析を行いました。認められたリスクと機会に対する具体的な取り組みについては今後も継続して検討するとともに、関連する情報開示の充実を進めてまいります。
※1 TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)は金融安定理事会(FSB)が気候関連の情報開示および金融機関の対応をどのように行うかを検討するため、2015年に設立した気候関連財務情報開示タスクフォースです。
①ガバナンス
日本新薬グループはより積極的にサステナビリティの推進を図るため、社長が委員長を務めるサステナビリティ委員会(年2回開催)にて、グループ全体のサステナビリティに関する重要事項についての議論・審議・決定をしています。また、気候変動対策をマテリアリティの1つとして特定し、評価・管理を行っています。また、サステナビリティ推進に関する活動内容や進捗状況については、半期に1度、サステナビリティ委員会において、その内容のレビューを行っています。
気候関連課題への取り組みに対する責任者として、経営企画・サステナビリティ担当取締役を選任しています。本取締役が委員長を務める環境委員会を年に4回開催し、環境委員には、サステナビリティ推進部長、総務部長、東部創薬研究所長、小田原総合製剤工場長を選任しています。環境委員会では、取締役会が定めた当社グループの環境基本方針の実践を目的として、環境保全に関する方針の立案や環境保全に向けた取り組みなどを推進するとともに、年間のCO2排出削減目標など環境保全活動の進捗についても確認を行っています。また、環境委員会やサステナビリティ委員会での検討結果は、年複数回取締役会にて報告・確認し、監督しています。
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名称 |
役割 |
構成 |
開催 頻度 |
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サステナビリティ委員会 |
・日本新薬グループサステナビリティ基本方針の決定 ・日本新薬グループ全体のサステナビリティに関する重要事項の議論・審議・決定 ・マテリアリティ全体の特定、評価、管理 (気候変動関連含む) |
委員長:社長 |
2回 /年 |
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環境委員会 |
・日本新薬グループ環境基本方針および環境 自主目標の策定および統括 ・環境保全に関する具体的な方針の立案 ・環境課題への取り組みの推進および進捗 管理 |
委員長:経営企画・ サステナビリティ 担当取締役 総務部長、 東部創薬研究所長、 |
4回 /年 |
②戦略(シナリオ分析)
日本新薬グループでは、気候変動に伴うリスクと機会は、自社の事業戦略に大きな影響を及ぼすとの認識のもと、下記のプロセスを通じて気候変動に伴うリスクと機会を特定し、その重要性を評価しました。気候変動に関するリスクと機会については、1.5℃シナリオおよび4℃シナリオを用いて分析、評価を行いました。
はじめに、気候変動に伴うリスクと機会を網羅的に抽出し、次に抽出した気候変動に伴うリスクと機会について、「医薬品」「機能食品」の2つの事業との関連性を整理しました。最後に「自社にとっての影響度」および「発生可能性」の2つの評価基準に基づき、その重要性を評価しました。
<1.5℃シナリオ>
炭素税の導入を含む規制強化によるコストの増加が見込まれるほか、原材料等の価格が上昇するリスクが想定されます。当社は、2030年度に6,803t-CO2(基準年度である2020年度比42%減)を掲げており、脱炭素化の取り組みを推進します。
<4℃シナリオ>
小田原総合製剤工場では、気候関連の災害が発生し操業が停止した場合、約4.6ヵ月分の在庫を保有しているため財務的な影響は受けないことが分析されました。原材料の安定的な確保のため、多角的な調達先の確保や備蓄機能の強化を行い、サプライチェーン全体のリスクを最小限に抑える取り組みを行っています。また、気象災害を含むBCP対策や災害対策関連投資の促進などを行います。
2050年カーボンニュートラルの実現に向け、「環境基本方針」のもと、環境保全活動の継続的な改善(省エネルギー、CO2排出量の削減)に取り組んでいます。
脱炭素の取り組みとして太陽光発電設備設置をはじめとした再生可能エネルギー由来の電力への切り替えを拡大しています。また、営業車両のハイブリッド車両への切り替えを進めており、工場および研究設備の更新時には温室効果ガス排出量削減への貢献を評価項目の1つとしています。
サプライチェーン全体を対象とするScope3への対応は欠かせない課題と認識しており、脱炭素化の取り組みをサプライヤーと協働して進めてまいります。
また当社グループは、低炭素経済への移行を機会と捉え、化石燃料由来のエネルギーコスト削減および機能食品分野等による競争力の強化を認識し取り組んでまいります。
(移行リスク)
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日本新薬への影響 |
想定されるリスク・機会の施策詳細 |
指標 |
財務影響 |
時間 |
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短期 |
中期 |
長期 |
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~2025 |
2026~ 2030 |
2031~ |
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政策と法 |
炭素税や省エネ法の強化などにより、エネルギーコスト及び調達品の価格が上昇するリスク |
・温室効果ガス排出削減投資促進のためのインターナルカーボンプライス制度の導入 ・省エネ・再エネ施策の積極展開 ・グループ内啓発や気運醸成の取り組み ・環境委員会での環境規制動向のモニタリングを実施 |
費用の 増加 |
小 |
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○ |
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市場 |
原材料の需要増加による調達品の市場価格上昇(医薬品) |
・サプライヤーにおける脱炭素活動を積極的に支援し、調達コスト上昇のリスクに対処 |
売上の 減少 |
小 |
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○ |
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(物理リスク)
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日本新薬への影響 |
想定されるリスク・機会の施策詳細 |
指標 |
財務影響 |
時間 |
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短期 |
中期 |
長期 |
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~2025 |
2026~ 2030 |
2031~ |
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急性 リスク |
局地的な豪雨や大型の台風発生の増加により、原材料調達および製品の出荷物流を含むサプライチェーンが寸断されるリスクが増加 |
・プロセスの自動化 ・多角的な調達先の確保 ・サプライヤーとの協働強化 ・製造委託先等への工場査察、原料および製品に関する各種情報の整理、製品規格や試験方法の見直しなどにより工場の生産および品質管理体制を強化し、製品リスクの低減につなげる。 |
売上の 減少 |
中 |
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○ |
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・異常気象、気象災害による施設の損傷頻度や修復費用の増加 ・自社及び共同研究企業を含めた関連施設の損傷による事業活動の中断 |
・災害時の具体的な行動指針の策定 |
売上の 減少 |
小 |
○ |
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慢性 リスク |
降雨パターンの変化による水資源の枯渇・取水制限(生産能力減少による収益減) |
・既存拠点の水供給の安全性と渇水及び異常気象に対するリスク評価 |
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|
〇 |
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気候変動による原材料調達不全 |
・多角的な調達先の確保 |
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|
○ |
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(機会)
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市場 |
気候変動が進んだ場合、食品の保存・品質維持の重要性が増しており、我が社の品質安定保存剤が需要を一段と高めることが期待されます。 |
・食品の風味を保ちつつ保存性を高める品質安定保存剤の開発の取り組みにより食品の品質維持向上に貢献し、食品廃棄量削減につなげる。 |
売上の 増加 |
小 |
|
|
○ |
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資源 効率 |
省エネ、水利用量の削減、廃棄物処理などを含めた様々な資源効率の向上による、製造コストの削減 |
・工場におけるエネルギーの最適化を推進、IoT活用による省エネ生産、工程の整備 |
費用の 減少 |
小 |
○ |
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大 |
関連するセグメントの営業利益に与える影響額が30%以上の場合 |
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中 |
関連するセグメントの営業利益に与える影響額が15%超30%以下の場合 |
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小 |
関連するセグメントの営業利益に与える影響額が0%超15%以下の場合 |
③リスク管理
日本新薬グループでは「リスクマネジメント基本規程」を定め、人事・総務・リスク・コンプライアンス・DX担当取締役をリスクマネジメント統括責任者として、リスクマネジメントを統括する専任部門を設置し、気候変動に関するリスクを含め、想定されるさまざまなリスクの洗い出しを行っています。具体的には、事業活動において想定されるリスクを「ガバナンス」「戦略と計画」「経営インフラ」「業務運営」「サプライチェーン」「開示と報告」の6つに大きく分類したうえで、これをさらに小分類へと細分化し、例えば「CSR計画・環境保全の取組み(温室効果ガス等)」といった個別の具体的なリスク項目に整理するとともに、「自社にとっての影響度」と「発生可能性」の2軸からなるリスクマトリクスを用いてリスクの重要度を「高」「中」「低」に分類しています。そして、各責任部門において、当該リスクが顕在化しないための予防策およびリスクが顕在化した場合の対応策を策定し、リスク管理シートとしてまとめ、それぞれのリスクに適切に対応できるように取り組んでいます。
さらに毎年これらリスクの中から、グループ全体や各部門において重要度の高い活動テーマを選定し、1年間のアクションプランを通じてその予防策の強化などに取り組んでいます。取り組みの結果は、年度末のリスク・コンプライアンス委員会で活動報告を行い、取締役会に報告され、次年度以降の活動の改善につなげています。
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2024年度活動テーマ |
リスクマネジメント目標 |
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自然災害(地震・噴火・津波・台風・風災・落雷など)、火災・爆発 |
・ 事前予測できる特別警報クラスの自然災害に対して、国・行政発表を基にした注意喚起や対策、啓発を実施する。 ・ 火災・爆発などの有事の際に、初動対応が行えるよう教育、消火器訓練・避難訓練を実施する。 |
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小田原総合製剤工場における各種防災訓練の強化(4号棟追加対応) |
・ 各種災害発生時の初動対応マニュアルを作成する。 ・ 各種災害を想定した対応体制を整備し、訓練を実施する。 |
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医薬製品供給不能リスク |
当社の経営戦略において重要な製品の供給不能リスクを低減する。 |
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機能食品原材料・製品等の安定調達 |
当社が取り扱う機能食品全品目に関して、需要と供給のバランスを計測し、適切な在庫管理を実施する。 |
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化学物質の適正管理 |
化学物質保有量の削減、化学物質管理システム運用及び法改正への迅速かつ適切な対応により「化学物質の適正管理」を推進する。 |
④指標及び目標
日本新薬グループは、気候変動のリスクと機会を管理する指標として、パリ協定が定める目標に科学的に整合する温室効果ガスの排出削減目標「Science Based Targets」(以下SBT)基準の野心的な目標設定を行い、2020年度を基準に2030年度の温室効果ガス排出量(Scope1,2)42%削減を目標としました。また、サプライチェーンにおける温室効果ガス排出量(Scope3カテゴリ1)については、2020年度を基準に2030年度の温室効果ガス排出量25%削減を目標としました。これら当社の温室効果ガス排出削減目標は、2024年1月にSBTiから科学的根拠に基づく目標として認証されました。
SBT認定 温室効果ガス削減目標
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Scope1+2 |
2030年度の温室効果ガス排出量を42%削減(2020年度基準) |
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Scope3(カテゴリ1) |
2030年度の温室効果ガス排出量を25%削減(2020年度基準) |
2022年のScope1,2は10,115t-CO2、基準年度である2020年比で13.8%削減となりました。Scope3カテゴリ1は188,834t-CO2、基準年度である2020年度比で15.2%の増加となりました。Scope3カテゴリ1算定方法は調達金額をもとに算定しておりますが、今後は削減に向けて、サプライヤーと協働した取り組みを進めてまいります。
なお、2023年度実績に関しては、日本新薬レポート2023にて開示予定としております。
CO2削減への取り組みは、カーボンニュートラルを見据えたロードマップを設定し、2021年より太陽光発電設備設置をはじめとした再生可能エネルギー由来の電力へ切り替えを開始し2022年には日本新薬グループ全体のCO2排出量(Scope2)から23.1%削減しました。今後も再生可能エネルギー由来の電力への切り替えを拡大してまいります。またサプライチェーンにおけるCO2削減についても、エンゲージメントの強化を推進しCO2排出量削減目標に取り組んでまいります。
気候関連の機会として、営業車両のハイブリッド車比率をKPIとして設定しており、2022年には営業車両のハイブリッド車の割合は81.9%となっております。
また機能食品部門においては、食品廃棄物削減による需要から品質安定保存剤の拡大を見込んでおります。
(3)人権
≪人権方針の考え方≫
私たちは、「人々の健康と豊かな生活創りに貢献する」を経営理念とし、「京都のグローバルヘルスケアカンパニーとして、一人ひとりの新しい生きるを世界に届ける会社」となることを目指しています。これを実現するために、日本新薬グループの全ての役員、従業員が社会からの期待に応え、信頼を得るための事業活動において取るべき行動の実践基準である「日本新薬グループ行動規範」に基づいて、企業の人権尊重を果たすべく「日本新薬グループ人権方針」を定めました。本方針は、日本新薬グループ従業員のみならず、当社に関わるすべての取引先企業に対しても理解と賛同を求めるものです。
①ガバナンス
日本新薬グループでは、年2回のサステナビリティ委員会で人権尊重に関する取り組みについて審議・報告し重要な事項は取締役会に報告しています。
人権尊重に対する責任者を経営企画・サステナビリティ担当取締役とし、サステナビリティ推進部で課題解決に向けた取り組みを推進しています。
各人権課題への対応は人権分科会にて定期的に見直しを図り、サステナビリティ委員会にて報告します。また有事が発生した際の迅速な対応に向け、さらなる体制強化を推進します。
②戦略
日本新薬グループでは、企業として人権尊重責任を果たすべく、人権方針を遵守するのはもちろんのこと、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、人権デュー・ディリジェンスの取り組みを進めています。事業活動を通して引き起こされる可能性のある人権への負の影響を特定・評価した上で、防止・軽減措置を講じ、その効果を確認するために、今後も継続してPDCAサイクルを回すとともに、取り組みの結果については外部への開示を進めてまいります。
③リスク管理
(1〉人権課題の把握
関連部門長をメンバーとした人権分科会を設立、業界特有の人権課題を基盤とし各部門の立場から当社の人権リスクと考え得る項目について新たに検討いたしました。
(2)人権課題の評価
人権への負の影響と発生可能性の2軸で影響度評価を実施のうえ、各種人権リスクの重要度を評価しました。
(3)人権課題の特定
(2)の評価に基づき、人権分科会にて、当社が優先して取り組むべき人権課題を以下の通り特定いたしました。特定にあたっては、グループ従業員を対象とした人権意識調査結果も踏まえており、今後も同様の調査やステークホルダーとのダイアログを通じて、課題の見直しを図ります。
・患者さんの安全
・職場環境の整備
・差別の禁止
・児童労働
・強制労働
・安定供給
・コミュニティへの影響
・賄賂と腐敗
(4)ステークホルダーエンゲージメント
2022年度は管理職、2023年度は全グループ従業員を対象に人権意識調査を実施しました。調査結果については、人権専門家とのダイアログを実施した上で、人権課題に反映しました。
また、2023年UNDP主催のビジネスと人権アカデミーにサステナビリティ推進部のメンバーが参加し、人権デュー・ディリジェンスの進め方について基礎から学びました。個別ガイダンスセッションでは、国内外の専門家と意見交換を行うことで理解を深めました。今後も定期的に専門家やステークホルダーとのダイアログを実施していきます。
(5)通報窓口
日本新薬グループでは、一般のお客さまを含め、様々なステークホルダーの方々からご質問・ご意見を承る窓口をWEB上に設置しています。人権やハラスメントに関する内容も当窓口にて受け付けており、匿名によるお問い合わせも可能です。また、お問い合わせ内容について守秘義務など必要な措置を取るとともに、窓口の利用を理由に不利益な取り扱いが行われないよう、適正な運用に努めています。
(4)人的資本
①「選ばれる会社」「選ばれる社員」を目指して
当社では、「特長のある製品は個性あふれる人財から」の考えのもと、多様性を尊重し、一人ひとりが前向きに挑戦し成長する機会を提供することで、「社員一人ひとりが成長し多様な人財が活躍できる人的資本経営の推進」に取り組んでいます。
(1)「選ばれる会社」になるための施策
当社が今後持続的に成長するためには、従業員が自己実現や成長を実感でき、ここで働き続けたいと思うような、従業員から「選ばれる会社」にならなければなりません。そこで2023年度からは「一人ひとりが本気で挑戦する」ことができる組織風土醸成のため、「役割・責任・成果に応じた処遇の実現」「主体的なキャリア形成と適所適財の実現」「心理的安全性の高い組織の実現」「柔軟な働き方の実現」の4テーマ(下表)に取り組んでいます。性別や国籍、年齢など個人の背景に関係なく活躍できる制度や環境を整えるため、2024年度より人事諸制度の改定を行いました。今後も必要な改定を行うとともに、運用を強化します。
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役割・責任・成果に応じた処遇の実現 |
主体的なキャリア形成と適所適財の実現 |
心理的安全性の高い 組織の実現 |
柔軟な働き方の実現 |
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・ジョブ・ ディスクリプション ・賃金制度改革 ・昇格年数短縮 ・評価制度見直し
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・コンピテンシー サーベイ ・NSアカデミー ・専門職制度拡大 ・チャレンジCAST /社内公募 ・社内プロボノ ・副業制度 |
・1on1ミーティング ・エンゲージメント サーベイ ・社内称賛アプリ ・リーダーシップ アセスメント |
・勤務地希望 ・テレワーク ・フレックスタイム ・時差勤務 ・両立支援 |
(2)「選ばれる社員」になるための施策
当社が望むのは、従業員が主体的に自己育成する姿です。従業員が現状を知る→目標とのギャップを明確にする→ギャップを埋める自己育成計画→自己育成計画の実行のサイクルを回し、自らの価値を高めることで、従業員は当社から「選ばれる社員」となります。この「選ばれる会社」、「選ばれる社員」の実現こそが成長の駆動力と考えます。
また、「選ばれる会社」、「選ばれる社員」の連鎖により、更に広く社会から求められる存在意義の高い会社へと成長し、従業員のエンゲージメントは高まると考えています。当社は今後、従業員のエンゲージメントを客観的指標によって測定し、継続的にこれらの取り組みを評価していきます。
(評価項目)
当社では、人的資本経営の時代を見据え、従業員のエンゲージメントを測るエンゲージメントサーベイの手法を2023年度に抜本的に見直しました。エンゲージメントサーベイだけでなく、各種施策においても2028年度の目標を設定し取り組んでいます。
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指標 |
現在 |
中長期的な目標 |
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エンゲージメントサーベイ※ ⅱ.ポジティブ回答率 ⅲ.ポジティブ回答率 |
2023年度:68% 2023年度:74% 2023年度:67% |
2028年度:75%以上 2028年度:75%以上 2028年度:75%以上 |
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2023年度: |
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2023年度: |
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2023年度: |
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※エンゲージメントサーベイはQualtrics社のサーベイを使用
※ポジティブ回答率:5段階評価で「非常にそう思う」、「そう思う」と回答した割合
※エンゲージメントに関する3項目は以下の通り
・ⅰ当社では、仕事を成し遂げるために求められる以上の貢献をしようという気持ちになる
・ⅱ私は、仕事を通して個人として達成感を得ている
・ⅲ私は、当社を素晴らしい職場として、知人に勧めると思う
②さらなる女性活躍の推進
「従業員の状況」に記載している「管理職に占める女性労働者の割合」は、13.4%であり、女性従業員構成比(31.2%)との間に格差があります。また、管理職を含めた幹部職全体に占める女性労働者の割合(17.9%)も低くなっています。1つの要因として、一部の女性従業員が育児や介護など家庭との両立を理由に幹部職を志向しないことが考えられます。フレックスタイム制度やテレワークなどの多様な働き方を支援する制度に加え、2014年には、育児休業期間を昇格に必要な年限に含める制度を導入して、女性の昇格機会が損なわれることがないよう配慮しました。また、これまでにも策定してきた「女性活躍推進法および次世代育成支援対策法に基づく行動計画」を2024年4月より更新し、より高い目標(下記参照)の設定および具体的な取組み内容を策定しました。現状でも男女に格差がある原因については、日本社会において根強くある男女の性別役割意識や、それに基づく職場内での無意識のバイアスが考えられます。当社では管理職・一般社員向けの研修、啓発活動を通じて無意識バイアス解消を図り、残業時間の削減や年休の消失防止に向けた対策を実施すること等により、女性が安心して上位職位に挑戦できる働きやすい環境の整備および男性の育児休業等取得を促進していきます。また、NSアカデミーが提供する多彩な研修プログラムにより育児休業取得後の業務復帰を支援します。
(a)全従業員、幹部職、管理職の男女比
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男性 |
女性 |
合計 |
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全従業員 |
1,283人(68.8%) |
582人(31.2%) |
1,865人(100%) |
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幹部職 |
504人(82.1%) |
110人(17.9%) |
614人(100%) |
|
うち管理職 |
272人(86.6%) |
42人(13.4%) |
314人(100%) |
(b)育児休業取得率(男女別)
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男性 |
女性 |
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育児休業取得率 |
70.8% |
100% |
(評価項目)
当社では、女性管理職比率および男性育児休業取得率において、中長期的な目標を設定しています。
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指標 |
現在 |
中長期的な目標 |
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2023年度: |
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2023年度: |
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③健康経営
すべての従業員が最高のパフォーマンスを発揮するためには、一人ひとりが心身ともに健康でウェルビーイングであることが重要であると考え、基本的な安全衛生活動と健康経営を推進しています。2018年の健康宣言発出に続き、2021年のウェルビーイング宣言では“会社は従業員のウェルビーイングを共に創るパートナー”と位置付けました。
推進体制としては、経営者との協議および全社安全衛生委員会で推進方針を決定するほか、健康保険組合・労働組合とも連携した健康経営ワーキンググループにて健康リテラシー向上を目的とした全社向けの健康教育、喫煙対策や生活習慣の改善に向けた機会を提供しています。また現場の声を吸い上げるために各事業所にウェルビーイングサポーターを配置するなど、健康経営の浸透に努めています。
(a)健康経営優良法人(ホワイト500)認定状況
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認定年 |
2018年 |
2019年 |
2020年 |
2021年 |
2022年 |
2023年 |
2024年 |
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認定状況 |
〇 |
〇 |
× |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
<リスクマネジメント体制>
当社は、「日本新薬グループ リスクマネジメント基本規程」のもと、社長を委員長とする「リスク・コンプライアンス委員会」を設置し、リスクマネジメントに関する重要事項の審議などを行っています。委員会の場で報告・審議した内容はリスクマネジメントの最高責任機関である取締役会に報告しています。
また、リスクマネジメント担当取締役の指揮・監督のもと、リスクマネジメント統括部門が社内教育、支援その他リスクマネジメントに関する業務を行っています。
全社のリスクマネジメントの推進にあたっては、洗い出したリスクの重要度を影響度と発生可能性の2軸で評価したのち、各リスクを所管する部門が中心となってその予防策・対応策を策定し、リスクに対して適切に対応できるよう取り組んでいます。
また、毎年、グループ全体や各部門において重要度の高いリスクテーマを選定し、アクションプランを立ててリスク顕在化の予防策の強化などに取り組んでいます。当年度の取り組み結果および次年度に取り組む重要リスクテーマは、リスク・コンプライアンス委員会の場で報告しています。
<主要なリスク>
当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスクとしては、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
①知的財産権に関するリスク
当社グループは、特許権を含む知的財産権を厳しく管理し、その保護の下に事業活動を行っています。保有する知的財産権への侵害にも注意を払い、第三者から侵害を受けた場合には、その保護のため訴訟を提起することがありますが、その動向により当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが保有する知的財産権の有効性に関する係争が発生し、特許が無効等と判断された結果、競争優位性が低下する可能性があります。
一方で、当社グループの事業活動が第三者の知的財産権に抵触した場合は、係争の結果、損害賠償金の支払いや当該事業の中止につながる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、これらリスクを最小化すると共に自社事業の優位性を強化して継続的な事業価値向上を図るため、自社で創製される医薬品や機能食品の特許権等の知的財産権による多面的かつ戦略的な保護と活用、自社製品に関する第三者の権利調査等の定期的な実施、及び導入導出活動における知財デュー・ディリジェンス活動の適切な実施を通じた候補品やパートナー候補会社の評価等の対応を行っています。
②訴訟に関するリスク
当社グループの事業活動に関連して、医薬品の副作用、製造物責任、環境、労務、公正取引等の様々な事由により訴訟等の法的手続きの対象となる可能性があります。訴訟等が発生した場合、その解決には相当の時間を要することが多く、結果を予想することは不確実性が伴います。訴訟等の動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
③研究開発に関するリスク
当社グループでは、希少疾患を中心に、自社創薬、他社開発品の導入、さらには現製品の適応疾患拡大等により製品の価値を高めるプロダクト・ライフ・サイクル・マネジメント(PLCM)の3つの研究開発アプローチにより、開発パイプラインの拡充に努めています。
新薬候補品の研究開発には、多額の費用と長い年月が必要ですが、その間に期待された有用性が確認できず研究開発を中止する可能性があります。また、臨床試験で良好な結果が得られても承認審査基準の変更等により承認が得られなくなる可能性があります。
特にDMD治療薬では、複数の自社創製核酸医薬品等の開発が進んでいます。これらの開発品について、研究開発の遅延、期待した有効性・安全性が得られない、競合品の上市、あるいは販売計画からの進捗遅延等が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対応するため、当社グループでは、自社開発品の早期上市を目指したグローバル開発を推進すると共に、革新的な製品を継続的に創出するため、グローバルかつ機動的なスカウティング体制による導入活動を推進しています。
④副作用に関するリスク
医薬品は、世界各国の所轄官庁の厳しい審査を経て承認を受け、販売されています。しかし、予期せぬ副作用が発生した場合は、販売中止や製品回収、社会的信用の毀損により、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、国内外の安全管理情報(副作用情報等)を収集し、評価・検討し、使用上の注意改訂等の必要な安全対策をタイムリーに行うことで、医薬品のリスク最小化及び適正使用の推進に努めています。また、安全性に関する重大な事案が起こった時に迅速に対応する委員会や、回収が発生したときの対応手順に関する社内規程等を定め、リスクが顕在化した場合には関係部署が連携して対応にあたる体制を整備しています。さらに、役員及び全従業員を対象とした安全管理情報についての研修を毎年実施し、安全管理を徹底することで、安全性リスクの最小化に努めています。
⑤医療費抑制策等の行政動向に関するリスク
医薬品事業は、各国の薬事行政のもと様々な規制を受けています。国内においては、その中の医療費抑制策の一環として、医療用医薬品の薬価引き下げやジェネリック医薬品の使用促進等の政策が取られており、さらなる医療制度改革の議論が続けられています。海外においても、同様に医療用医薬品の価格等に関する様々な規制があり、政府による価格引き下げの圧力は継続する傾向にあります。これら医療費抑制策を含めた医薬品の開発・製造・販売に関連する規制の厳格化など、医療制度改革の動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、国内の医療制度改革の他、海外を含めた行政動向を継続的に注視しており、状況に応じて事業への影響を評価するとともに対応策の検討を行っています。
⑥サプライチェーンに関するリスク
当社グループの工場や原材料調達先、外部製造委託先などのサプライヤーが、品質や技術上の問題、火災、地震、その他の災害、感染症拡大等により閉鎖または操業停止となり、製品の供給が遅滞もしくは休止した場合、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、予測を超える急激な需要変動が生じ、製品の安定供給に支障をきたした場合、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、「安全で高品質な製品の供給の維持」をサプライチェーンにおけるマテリアリティとして特定し、リスクマネジメントによる製品の安定供給体制の強化に取り組んでいます。
具体的には、サプライチェーンリスクマネジメント(SCRM)として、ISO31000 リスクマネジメントのフレームワークを用いて、製品固有のサプライチェーンに潜在している安定供給途絶リスクを特定し、評価・分析を行い、優先順位を設け対策を講じ、監視することで持続可能な安定供給体制を確立しています。
リスク特定においては「日本新薬サステナビリティ調達方針」に基づくアンケート調査に加え、すべての原薬および製剤のサプライヤーを対象とした安定供給に特化したアンケート調査を実施し、サプライヤーで実施されている安定供給やBCP(事業継続計画)の取り組みに関する実態把握に努めています。そして、これらの実態調査結果と品質情報、取引実績も踏まえたリスクベース・アプローチによりリスク低減措置を講じています。SCRMでは、毎年リスクの評価基準を見直し、常に適切なリスク評価・低減措置を講じるように努めています。
また、AIを活用して安定供給に影響する環境変化や脅威を感知し、精度の高い需要予測を導き出す予測モデルを検討するなど、医薬品の供給リスクの低減を図る取り組みを進めています。
⑦金融市況及び為替の動向に関するリスク
株価・金利・外国為替等の金融市況の変動によって、保有する資産や年金資産の時価の下落や、受取ロイヤリティや経費支払い等の外貨建ての取引における為替リスク等があります。これらの動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
政策保有株については、定期的に保有目的および経済合理性の観点で検証して順次縮減を図ることで、株価変動による影響を低減させています。また、外貨建債務に係る為替変動リスクを回避する目的で、必要に応じて為替予約を利用するなど、リスクの低減に努めています。
⑧ITセキュリティ及び情報管理に関するリスク
当社グループでは、各種業務において多くの情報機器ならびにシステムツールを活用しており、また、個人情報や研究開発情報などの機密情報を保有しています。コンピュータウィルスの感染や、サイバー攻撃他によるコンピュータシステムの停止、ならびに機密情報の漏洩等のセキュリティ事故が発生した場合は、損害賠償や社会的信用の毀損等により、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループではこれらのリスクの発生に備え、情報セキュリティに対する取り組み姿勢を示した基本方針と基本規程を定めています。基本規程に基づき設置されている情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)推進委員会では、さまざまなリスクから当社グループの情報資産を保護するため、社会環境の変化や情報技術の進歩に合わせた対応と、各種規程の見直しを行っています。
また、社内外のネットワークやデバイスのすべてに脅威が潜んでいることを前提に、サイバー攻撃対応システムを構築し、さらにネットワークやコンピューターの24時間365日監視運用を行っています。また、セキュリティ事故発生の際に迅速かつ適切に対処するためCSIRT(Computer Security Incident Response Team)を設置し、有事の際の体制を整備しています。
人的リスクへの対策としては、従業員に対し情報セキュリティの重要性を周知徹底するための継続的な研修や、標的型攻撃メールに対する訓練を定期的に実施しています。
今後も外部セキュリティ環境の変化を継続的に情報収集し、サイバー攻撃及びシステム障害に対する保全やBCP(事業継続計画)対策等を継続的に強化し、リスクの低減に努めて参ります。
⑨環境に関するリスク
当社グループでは、研究開発および製品製造のために種々の化学物質を使用しており、重大な問題が発生した場合には、操業停止、行政処分、社会的信用の毀損等により、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、将来の環境関連法規制等の強化、環境負荷低減の追加的な義務等による環境保全に関連する費用が増加した場合、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、化学物質による健康被害、環境汚染の発生抑制および拡大防止のため、化学物質等の適正管理および環境関連法規制の遵守を自主管理規程により徹底するとともに、2023年度に設定した第七次環境自主目標により環境保全を推進しています。気候変動に関するリスクに対してはTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に沿った取り組みを推進し、2023年度にSBTi(Science Based Targetsイニシアティブ)により認証された1.5℃目標に向けて温室効果ガス排出削減に取り組んで参ります。
⑩大規模災害等に関するリスク
大規模な地震や気候変動等に伴う自然災害および火災等の事故などにより、当社グループの本社、事業所、研究所等の閉鎖や、工場の操業停止による生産活動の停滞・遅延やサプライチェーンの寸断等が起こった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの医薬品生産拠点である小田原総合製剤工場では、震度6強の地震を想定したシナリオに基づく事業継続計画(BCP)を策定しており、風水害や富士山噴火時の対策マニュアル等も整備しています。ハード面の対応として工場建屋の浸水対策を進め、非常用電源設備の充実を図っています。また、安全在庫の確保やサプライヤーとの情報共有体制の構築など、有事の際も医薬品の安定供給を可能とする体制整備に努めています。
工場以外の部門においても、災害発生等により事業場が閉鎖となった場合を想定したBCP関連行動マニュアルを整備するとともに、避難訓練およびシステムを用いた安否確認訓練の実施、必要な備品の補充と定期点検など、災害等発生時の従業員の安全確保に備えています。
⑪製品品質に関するリスク
当社グループは、医薬品医療機器等法を含む国内外の法規制等のもとで医薬品を製造販売しており、機能食品も食品衛生法をはじめとする様々な法規制のもとで製造販売しています。しかし、製品の品質に問題が生じ、健康被害が発生した場合、製品の回収、賠償責任等に係る費用の発生、出荷停止による欠品や社会的信用の毀損等により、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、「高品質で特長のある製品を提供する」という方針のもと、医薬品においてはGMP(Good Manufacturing Practice: 医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準)に適合した管理体制を強化しています。原材料の調達から保管、医薬品の製造、流通まで一貫した品質保証に取り組むことで、国内外の規制当局の厳格な査察にも適合しています。
機能食品についても、国内外原料サプライヤーや製造委託先への監査等を通じた品質管理体制の継続的改善、顧客からの要望に対する的確で迅速な対応、リスク管理や関連法規に関する定期的な社内研修の実施などを通じて、安定的な品質確保のための社内体制の強化に努めています。
⑫コンプライアンスに関するリスク
当社グループは、医薬品事業や機能食品事業の遂行にあたって、遵守すべき様々な法的規制や自主規範等の適用を受けています。これらの法令等や自主規範、あるいは役員および従業員の個人的な不正等を含め重大な違反行為が発生した場合は、法令に基づく処罰や制裁、規制当局による処分等を受ける可能性があり、その場合社会的信用の毀損等により、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、グループで働く全員共通の倫理基準として「日本新薬グループ行動規範」を定め、全社員が日々遵守・実践に努めています。また、「日本新薬グループコンプライアンス態勢運用規程」のもと、コンプライアンス担当の取締役をコンプライアンス統括責任者とし、コンプライアンス推進活動を統括する専任部門を設置しており、グループのコンプライアンス推進活動は、その専任部門が企画・立案しています。
社長から全社員に対しコンプライアンスに対するより一層の徹底を要請するメッセージを年2回発信するとともに、毎月実施されるコンプライアンス研修や年2回のeラーニング、毎年実施する従業員コンプライアンス意識調査などを通じ、全社員のコンプライアンス意識の浸透と維持高揚を図っています。
また、コンプライアンス活動に資するため、内部通報窓口(ほっとライン)を社内外に設置・運用しており、行動規範をはじめ広義のコンプライアンスに反する行為の未然防止、早期発見、是正に努めています。
⑬人財の確保と育成に関するリスク
当社グループでは、持続的成長のための原動力は「人財」であり、「一人ひとりが成長する」ことが不可欠であると考えていますが、中長期的に多様な人財を確保・育成できない場合には、イノベーションの創出、当社グループの持続的成長が阻害される可能性があります。
当社グループでは、「多様な人財の育成と社員のウェルビーイング実現」をマテリアリティとして特定するとともに、自律型人財の育成やグローバルリーダーの育成、一人ひとりに合わせた多様な働き方の促進などに取り組んでいます。
具体的には社員の自律的なキャリア形成を支援する「NSアカデミー」や次世代リーダーを育成する「HONKI塾」等の育成プログラムの実施、副業制度の導入、生産性の向上と柔軟な働き方の実現を目的としたフレックスタイム制度・テレワーク制度の導入など、さまざまな制度や環境の整備を進めています。
また、キャリア採用を強化し、専門性の高い人財やグローバル人財の獲得を進めています。
性別や国籍、年齢などに関係なく、社員一人ひとりが自己実現や成長を実感できる制度や環境の整備を進め、より魅力のある企業グループとなることで、社員のエンゲージメントを高め、人財の確保を図って参ります。
なお、上記以外にも様々なリスクがあり、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は以下のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループの経営成績は、肺動脈性肺高血圧症・慢性血栓塞栓性肺高血圧症治療剤「ウプトラビ」、同製品の海外売上に伴うロイヤリティ収入やデュシェンヌ型筋ジストロフィー治療剤「ビルテプソ」等が伸長し、売上収益は1,482億5千5百万円と対前期比2.8%の増収となりました。利益面では、増収と売上構成による売上原価率の低下等により、営業利益は332億9千5百万円と対前期比10.8%の増益、税引前利益は336億1千6百万円と対前期比10.3%の増益、親会社の所有者に帰属する当期利益は258億5千1百万円と対前期比13.3%の増益となりました。
セグメントごとの経営成績は以下のとおりであります。
(医薬品事業)
医薬品事業では、薬価改定や後発品の影響があったものの、「ウプトラビ」、同製品の海外売上に伴うロイヤリティ収入や「ビルテプソ」等が伸長し、売上収益は1,251億5百万円と対前期比2.6%の増収となりました。
(機能食品事業)
機能食品事業では、サプリメント、プロテイン製剤等の売上が増加し、売上収益は231億5千万円と対前期比4.3%の増収となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ19億5千3百万円減少し、580億9千4百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
162億8千9百万円の収入(前連結会計年度は261億7千万円の収入)となりました。主な内訳は、収入項目では税引前利益336億1千6百万円、減価償却費及び償却費50億2千3百万円、支出項目では法人所得税の支払額117億4千4百万円、棚卸資産の増加額25億8千万円、営業債権及びその他の債権の増加額22億2千5百万円でした。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
99億2千1百万円の支出(前連結会計年度は176億3千1百万円の支出)となりました。主に有形固定資産の取得による支出50億5千8百万円、無形資産の取得による支出45億9千1百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
97億1千9百万円の支出(前連結会計年度は96億5百万円の支出)となりました。主に配当金の支払額80億1千1百万円等によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
対前年比(%) |
|
医薬品事業 |
60,222 |
1.2 |
|
機能食品事業 |
9,027 |
△3.3 |
|
合計 |
69,249 |
0.6 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
(2)商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
対前年比(%) |
|
医薬品事業 |
13,679 |
△3.6 |
|
機能食品事業 |
14,523 |
△2.4 |
|
合計 |
28,202 |
△3.0 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
(3)受注実績
当社グループのほとんどは販売計画に基づいた生産であり、受注実績の記載を省略しております。
(4)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
対前年比(%) |
|
医薬品事業 |
125,105 |
2.6 |
|
機能食品事業 |
23,150 |
4.3 |
|
合計 |
148,255 |
2.8 |
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先への販売実績及び当該販売実績の総販売高に占める割合
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
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金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
ジョンソン・エンド・ジョンソン社及びその子会社 |
40,406 |
28.0 |
49,164 |
33.2 |
|
アルフレッサ㈱及びその子会社 |
18,750 |
13.0 |
16,192 |
10.9 |
|
㈱スズケン及びその子会社 |
17,322 |
12.0 |
14,590 |
9.8 |
|
㈱メディセオ |
14,857 |
10.3 |
13,161 |
8.9 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(1)経営成績
当連結会計年度における世界経済は、各国の金融引き締めによる景気下振れリスクの拡大、ウクライナや中東情勢をはじめとする地政学リスクの高まりなど、依然として先行きが不透明な状況が続いています。
わが国経済についても、雇用や所得環境、インバウンド消費が改善する一方で、エネルギー資源や原材料価格の高騰、円安による物価の上昇など、依然として先行きが不透明な状況が続いています。
当社グループを取り巻く医薬品業界においては、後発品の使用促進策、薬価の毎年改定等の医療費抑制を目的とした諸施策の推進など、引き続き厳しい環境下にあります。
機能食品事業は、健康志向の高まりにより機能性食品への強いニーズがありますが、運送コストや原材料価格の高騰など、厳しい事業環境が続いています。
このような環境の中、当社グループの業績は、肺動脈性肺高血圧症・慢性血栓塞栓性肺高血圧症治療剤「ウプトラビ」、同製品の海外売上に伴うロイヤリティ収入やデュシェンヌ型筋ジストロフィー治療剤「ビルテプソ」等が伸長し、売上収益は1,482億5千5百万円と対前期比2.8%の増収となりました。利益面では、増収と売上構成による売上原価率の低下等により、営業利益は332億9千5百万円と対前期比10.8%の増益、税引前利益は336億1千6百万円と対前期比10.3%の増益、親会社の所有者に帰属する当期利益は258億5千1百万円と対前期比13.3%の増益となりました。
(売上高)
(医薬品事業)
医薬品事業では、薬価改定や後発品の影響があったものの、「ウプトラビ」、同製品の海外売上に伴うロイヤリティ収入や「ビルテプソ」等が伸長し、売上収益は1,251億5百万円と対前期比2.6%の増収となりました。
(機能食品事業)
機能食品事業では、サプリメント、プロテイン製剤等の売上が増加し、売上収益は231億5千万円と対前期比4.3%の増収となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、販売促進諸費等が減少しましたが、給与及び手当等が増加し、349億5千9百万円と対前期比1億4千6百万円増加しました。
(その他の収益及び費用)
その他の収益は、為替差益等が増加し、31億6千3百万円と対前期比12億5千4百万円増加しました。
また、その他の費用は、減損損失の計上等により、12億5千2百万円と対前期比1億4千6百万円増加しました。
(法人所得税費用)
税引前利益が増加したことにより、法人所得税費用は、77億6千2百万円と対前期比9千3百万円増加しました。
(2)財政状態
(資産)
流動資産は、前期末に比べ棚卸資産、営業債権及びその他の債権等が増加し、1,642億8千5百万円となりました。非流動資産は前期末に比べその他の金融資産、無形資産等が増加し、991億1千9百万円となりました。その結果、資産は前期末に比べ259億5千2百万円増加し、2,634億4百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前期末に比べ営業債務及びその他の債務等が増加し、373億3千6百万円となりました。非流動負債は前期末に比べ退職給付に係る負債等が減少し、55億3千3百万円となりました。その結果、負債は前期末に比べ13億5千2百万円増加し、428億7千万円となりました。
(資本)
親会社の所有者に帰属する持分は、前期末に比べ利益剰余金等が増加し、2,202億2千4百万円となりました。その結果、資本は、前期末に比べ246億円増加し、2,205億3千4百万円となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因
医薬品事業においては、薬価引き下げ、後発医薬品の使用促進などの医療費抑制策が一層強化される中、一方では新製品開発に伴う研究開発費が増大するなど、業界を取り巻く環境は厳しさを増しております。機能食品事業においても、消費の低迷など厳しい経済環境の中、お客様からの品質や食の安全に対する要求はますます厳格化することが予想されます。
経営成績に重要な影響を与える要因となる可能性があるリスクについては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4)翌連結会計年度の見通し
翌連結会計年度の見通しについて、医薬品事業においては、薬価改定や骨髄異形成症候群・急性骨髄性白血病治療剤「ビダーザ」、がん疼痛・慢性 疼痛治療剤「トラマール」の後発品の影響はあるものの、「ビルテプソ」、「ウプトラビ」等の新製品群や「ウプトラビ」の海外売上に伴うロイヤリティ収入の伸長等により、増収を見込んでいます。
機能食品事業においては、新製品開発・投入に一層注力し重点品目への取組みを強化するものの、一部製品の販売価格低下の影響もあり、減収を見込んでいます。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(1)キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(2)資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、製品製造のための原材料の購入、商品の仕入れのほか、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは、従業員給付費用、研究開発費、販売促進費などであります。
また、当社グループは、生産設備の拡充・合理化及び研究開発力の強化などを目的とした継続的な設備投資のほか、新薬候補物質や上市品の導入など、開発パイプライン及び製品ポートフォリオの価値最大化に向けた戦略的な投資を実施しております。
(3)財務政策
当社グループは現在、運転資金につきましては内部資金より充当しております。設備資金につきましては、設備資金計画に基づき、資本コスト等も意識して内部資金で不足感が生じる場合には、銀行借入又は社債等で調達する方針であります。
また、当社は取引銀行5行と当座貸越契約(当座貸越極度額5,740百万円)を締結しており、今後も資金の流動性に留意しつつ、機動的な資金調達を行なっていく考えであります。現在のところ設備資金につきましても外部調達の必要は生じておりません。
なお、国内外子会社の運転資金、設備資金に不足が生じる場合には、必要に応じて親会社より貸付を行なうなど、できる限り企業集団の中で資金を手当てしております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRS会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、連結財政状態計算書上の資産・負債の計上額、及び連結損益計算書上の収益・費用の計上額に影響を与える見積り及び仮定の設定を行っております。
当社では、以下の重要性がある会計方針が、特に当社グループの連結財務諸表の見積り及び判断に重要な影響を及ぼしていると考えております。
(仕掛研究開発及び販売権)
当社グループは、仕掛研究開発及び販売権を連結財政状態計算書において無形資産として計上しております。これらのうち、仕掛研究開発及び減損の兆候が存在する販売権について、減損テストを実施しており、回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合は、当該資産の帳簿価額をその回収可能価額まで減額し、減損損失として認識しております。将来キャッシュ・フローは事業予測に基づいて決定しております。
詳細については「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 11.無形資産 (3)仕掛研究開発及び販売権の評価」に記載のとおりであります。
なお、貸借対照表においては、新薬候補物質や上市品の導入契約に係る一時金及びマイルストン支出のうち、対象となる医薬品の上市可能性や将来の販売収益の予測の見積を基礎とした収益性を評価し、将来の収益獲得が確実であり、回収可能性が高いと判断しているものを長期前払費用に計上しております。
また、その他の重要性がある会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4)重要な会計上の見積り、判断及び仮定」に記載のとおりであります。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2024年度からスタートした第七次5ヵ年中期経営計画では、最終年度である2028年度の目標として、売上収益2,300億円、営業利益300億円、EPS(一株当たり当期利益)341円、ROE(自己資本利益率)8%以上、ROIC(投下資本利益率)9%以上の数値目標の達成を目指すとともに、その先の2030年度には売上収益3,000億円、営業利益500億円企業を目指して態勢を整えます。
2025年3月期の連結予想につきましては、売上収益1,500億円、営業利益310億円、税引前利益315億円、親会社の所有者に帰属する当期利益245億円を見込んでいます。
(1)技術導出契約等
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相手先 (国名) |
契約の内容 |
対価の受取 |
締結年月 |
有効期間 |
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Meiji Seika ファルマ株式会社 |
NM441(プルリフロキサシン)の共同開発及び製剤に関する特許権の実施許諾 |
契約一時金 売上高に応じた一定料率のロイヤリティ |
1990.8 |
特許の存続期間又は再審査期間のいずれか長い期間 以後1年毎更新 |
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ガスロンN・OD錠(イルソグラジンマレイン酸塩)の開発、販売の実施権許諾 |
契約一時金 製剤供給(ロイヤリティ含む) |
2016.9 |
発売から10年 以後1年毎更新
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アンジェリーニ社 (イタリア) |
NM441(プルリフロキサシン)に関する特許権の実施許諾 |
契約一時金 原末供給(ロイヤリティ含む) |
1993.7 |
発売から15年又は対象特許の満了日までのいずれか長い期間 |
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泰俊製薬 (韓国) |
ガスロンN(イルソグラジンマレイン酸塩)の開発、製造、販売の実施権許諾 |
契約一時金 原末供給 |
2002.9 |
PMS 期間(6年)の終了又はガスロンN・OD 錠実施権許諾契約の満了もしくは終了までの期間 以後2年毎更新 |
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ガスロンN・OD錠(イルソグラジンマレイン酸塩)の開発、販売の実施権許諾 |
製剤供給(ロイヤリティ含む) |
2011.11 |
発売から10年又は韓国での特許満了日のいずれか長い期間 以後2年毎更新 |
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アクテリオンファーマシューティカルズ社 (スイス) |
ウプトラビ(セレキシパグ)に関する特許権の実施許諾 |
契約一時金 売上高に応じた一定料率のロイヤリティ |
2008.4 |
発売から10年又は対象特許の満了日までのいずれか長い期間 |
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柳英製薬 (韓国) |
エリザス(デキサメタゾンシペシル酸エステル)に関する特許権の実施許諾 |
契約一時金 売上高に応じた一定料率のロイヤリティ |
2008.6 |
発売から15年 以後2年毎更新 |
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Repure社 (韓国) |
トリセノックス注(三酸化二ヒ素注射液)の独占販売権許諾 |
契約一時金 |
2008.11 |
オーファンドラッグの指定が満了する日まで又は販売承認から10年のいずれか長い期間 以後1年前に通知がない限り継続 |
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リーズ・ファーマ社 (香港) |
NM441(プルリフロキサシン)に関する特許権の実施許諾 |
契約一時金 売上高に応じた一定料率のロイヤリティ |
2009.3 |
輸入承認から12年 以後1年毎更新 |
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ガスロンN(イルソグラジンマレイン酸塩)の販売権許諾 |
製剤供給(ロイヤリティ含む) |
2011.2 |
2024年12月まで |
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アルゴリズム社 (レバノン) |
NM441(プルリフロキサシン)に関する特許権の実施許諾 |
契約一時金 原末供給(ロイヤリティ含む) |
2010.10 |
発売から15年 以後1年毎更新 |
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ベトファップインターナショナル社 |
ガスロンN・OD錠2mg(イルソグラジンマレイン酸塩)の独占販売権許諾 |
契約一時金 製品供給(ロイヤリティ含む) |
2017.3 |
発売から10年 以後1年毎更新 |
(注) 技術導出等の契約相手先から開発の進捗あるいは一定の売上金額の達成に応じて一定額が支払われるマイルスト ン収入及び売上に対して一定料率を乗じて支払われるロイヤリティ収入を工業所有権等収益に計上しております。
当連結会計年度の医薬品セグメントの売上高に含まれる工業所有権等収益は、40,304百万円であり、当該マイルストン及びロイヤリティ収入が大部分を占めております。
なお、上記のマイルストン収入については、マイルストン達成時点において報告される契約相手先からの報告書に基づき、また、ロイヤリティ収入については、四半期会計期間の契約相手先の純売上高についての契約相手先からの報告書に基づいて売上を計上しております。
(2)販売契約等(導入)
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相手先 (国名) |
契約の内容 |
締結年月 |
有効期間 |
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エバース社 (ドイツ) |
エビプロスタット錠の供給、販売契約 |
1968.4 |
2008年4月まで 以後5年毎更新 |
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エビプロスタット配合錠DBの供給、 販売契約 |
2005.11 |
2015年11月まで 以後5年毎更新 |
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ロートニッテン株式会社 (日本) |
アズノールうがい液4%の供給、 販売契約 |
2001.7 |
販売終了まで |
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東光薬品工業株式会社 (日本) |
アムノレイク錠2mgの供給、販売契約 |
2001.12 |
2020年6月まで 以後1年毎更新 |
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セファロン社 (アメリカ) |
トリセノックス注の供給、販売契約 |
2002.8 |
2023年9月、承認から10年、特許満了日の長い方 以後1年毎更新 |
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セルジーン・インターナショナル社 (スイス) |
ビダーザ注射用の供給、販売契約 |
2006.11 |
2026年3月まで |
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グリュネンタール社 (ドイツ) |
トラマールOD錠、トラマール注の供給、製剤の製造、販売契約 |
2010.1 |
2025年9月又は特許満了日の長い方 以後2年毎更新 |
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アクテリオンファーマシューティカルズ社 (スイス) |
オプスミット錠の共同販促契約 |
2010.2 |
2025年6月又は特許満了日までの長い方 以後3年毎更新 |
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エンド社 (アイルランド) |
ワントラム錠の供給、販売契約 |
2010.3 |
2029年11月又は特許満了日の長い方 以後1年毎更新 |
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中外製薬株式会社 (日本) |
ガザイバ点滴静注の共同開発及び共同販売契約 |
2012.11 |
2033年8月又は特許満了日の長い方 以後1年毎更新 |
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ファーマコスモス社 (デンマーク) |
モノヴァ―静注(鉄欠乏性貧血治療剤)の独占的開発権及び独占的販売権の許諾契約 |
2016.12 |
発売から15年又は特許満了日の長い方 以後1年毎更新 |
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相手先 (国名) |
契約の内容 |
締結年月 |
有効期間 |
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ジャズ・ファーマシューティカルズ社 (アイルランド)
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デファイテリオ(肝中心静脈閉塞症治療剤)の独占的開発権及び独占的販売権の許諾契約 |
2017.3 |
発売から15年 以後1年毎更新 |
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「NS-87」(二次性急性骨髄性白血病治療剤)の独占的開発権及び独占的販売権の許諾契約 |
2017.3 |
発売から15年 以後1年毎更新 |
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デルタフライファーマ株式会社 (日本) |
「NS-917」(再発・難治性急性骨髄性白血病治療剤)の独占的開発権及び独占的販売権の許諾契約 |
2017.3 |
発売から15年又は特許満了日の長い方 以後1年毎更新 |
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ユーシービー社 (アメリカ) |
「ZX008」(ドラベ症候群及びレノックス・ガストー症候群治療剤)の独占的販売権の許諾契約 |
2019.3 |
2045年9月まで |
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イーライリリー・アンド・カンパニー社 (アメリカ) 日本イーライリリー株式会社 (日本) |
日本におけるタダラフィル製剤の製造販 |
2019.5 |
2032年2月14日まで |
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ステムラインセラピューティクス社 (アメリカ) |
タグラキソフスプ(芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍治療剤)の独占的開発権及び独占的販売権の実施許諾 |
2021.3 |
発売から15年又は特許満了日の長い方 |
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カプリコール・セラピューティクス社 (アメリカ) |
「CAP-1002」(デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療剤)の米国内における独占的販売提携契約 |
2022.1 |
2038年9月まで 以後1年毎更新 |
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「CAP-1002」(デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療剤)の日本国内における独占的販売提携契約 |
2023.2 |
再審査期間満了から1年経過後又は特許満了日の長い方 以後1年毎更新 |
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参天製薬株式会社 (日本) |
リボスチン点眼液の供給、販売契約 |
2022.11 |
2023年4月から2028年3月まで |
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バイコアファーマ社 (スウェーデン) |
「C21」(特発性肺線維症治療剤)の独占的開発権及び独占的販売権の許諾契約 |
2024.2 |
ロイヤリティ期間の満了日まで |
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日本イーライリリー株式会社 (日本) |
ピルトブルチニブ(マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病治療剤)の販売提携契約 |
2024.3 |
2034年12月まで 以後1年前までの合意により更新 |
(3)販促契約
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相手先 (国名) |
契約の内容 |
締結年月 |
有効期間 |
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ヤンセンファーマ株式会社 (日本) |
アーリーダ錠60mgの共同販促契約 |
2019.1 |
2027年4月まで |
(注)上記の契約は、全て提出会社に係るものであります。
当社グループは、人々の健康と豊かな生活創りに貢献することを基本理念として、国際的視野に基づく研究開発を志向し、ターゲットを絞った国際的新薬の創製、高品質の機能食品素材の開発に努めております。
当連結会計年度における研究開発費は
①医薬品事業
注力する4領域(血液内科、難病・希少疾患、泌尿器科、婦人科)に対して、自社創薬、導入、プロダクト・ラ
イフサイクル・マネジメント(PLCM)を3本柱に開発パイプラインの充実を図り、着実かつ継続的な新製品の上市
を目指しております。
当連結会計年度末における研究開発活動の進捗は以下の通りであります。
(国内開発状況)
・デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療剤「NS-065/NCNP-01(製品名:ビルテプソ®点滴静注250㎎、一般名:ビルトラルセン)」については、2020年3月に承認され、5月より販売を開始しました。現在グローバル第三相試験を実施中です。
・高リスク急性骨髄性白血病治療剤「NS-87(一般名:daunorubicin/cytarabine)」については、2017年3月にジャズ・ファーマシューティカルズ社(アイルランド)から導入し、2023年6月に承認申請を行い、2024年3月に承認を取得しました。
・「NS-304(一般名:セレキシパグ)」については、2020年11月より小児の肺動脈性肺高血圧症を対象とした第二相試験を実施し、2024年4月に承認申請を行いました。また閉塞性動脈硬化症を対象とした後期第二相試験を2022年2月より実施中です。
・可逆的非共有結合型BTK阻害剤「LY3527727(一般名:ピルトブルチニブ)」については、日本イーライリリー社と、2024年3月に国内におけるアライアンス契約を締結しました。日本イーライリリー社が現在、マントル細胞リンパ腫の適応で承認申請中であり、マントル細胞リンパ腫および慢性リンパ性白血病を対象とした国際共同第三相試験を実施中です。
・「ZX008(製品名:フィンテプラ®内用液2.2mg/mL、一般名:フェンフルラミン塩酸塩)」については、2023年6月にユーシービー社(ベルギー)がレノックス・ガストー症候群の適応で一部変更承認申請を行い、2024年3月に承認を取得しました。また、CDKL5欠損症を対象とした第三相試験を実施中です。
・「GA101(製品名:ガザイバ®点滴静注1000㎎、一般名:オビヌツズマブ)」については、中外製薬株式会社と共同で2022年6月よりループス腎炎を対象とした第三相試験、2023年3月より小児特発性ネフローゼ症候群を対象とした第三相試験、2023年10月より腎症を伴わない全身性エリテマトーデスを対象とした第三相試験を実施中です。
・「NS-580」については、2022年6月より実施していた子宮内膜症を対象とした後期第二相試験ならびに2023年6月より実施していた慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群を対象とした第二相試験をそれぞれ一時中断しました。
・デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療剤「NS-089/NCNP-02(一般名:brogidirsen)」については、2024年2月よりグローバル第二相試験を開始しました。
・好酸球性多発血管炎性肉芽腫症治療剤「NS-229」については、グローバル第二相試験の準備中です。
・芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍治療剤「NS-401(一般名:tagraxofusp)」については、2021年3月にメナリーニ社(イタリア)から導入し、2022年7月より第一/二相試験を実施中です。
・デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療剤「NS-050/NCNP-03」については、グローバル第一/二相試験の準備中です。
・再発・難治性急性骨髄性白血病治療剤「NS-917(一般名:radgocitabine)」については、2017年にデルタフライファーマ株式会社(徳島市)から導入し、2022年2月より第一相試験を実施中です。
・「NS-025」については、泌尿器疾患を対象として2023年1月より第一相試験を実施中です。
・「NS-863」については、循環代謝系疾患を対象として2023年8月より第一相試験を実施中です。
・「NS-161」については、炎症性疾患を対象として2022年12月より実施していた第一相試験を中止しました。
(海外開発状況)
・デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療剤「NS-065/NCNP-01(製品名:VILTEPSO® injection、一般名:ビルトラルセン)」については、米国で2020年8月に承認され、販売を開始しました。現在グローバル第三相試験を実施中です。
・デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療剤「CAP-1002」については、カプリコール・セラピューティクス社(米国)と、2022年1月に米国における販売提携契約を締結しました。カプリコール・セラピューティクス社が2022年7月より米国で第三相試験を実施中です。
・デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療剤「NS-089/NCNP-02(一般名:brogidirsen)」については、2024年2月よりグローバル第二相試験を開始しました。
・好酸球性多発血管炎性肉芽腫症治療剤「NS-229」については、グローバル第二相試験の準備中です。
・デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療剤「NS-050/NCNP-03」については、グローバル第一/二相試験の準備中です。
・骨髄線維症治療剤「NS-018(一般名:ilginatinib)」については、海外において実施していた第二相試験を中止しました。
当連結会計年度における医薬品事業の研究開発費は、
②機能食品事業
医薬品事業で培った高度な技術と厳しい品質管理ノウハウを活用し、機能食品素材の研究開発を行っております。
当連結会計年度における機能食品事業の研究開発費は