当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は業績の持続的安定成長を実現し、「挑戦」と「進化」により新しい未来を創造する企業でありたいと願い、次の3つを経営基本方針としております。
①利益ある成長
企業活動の源泉である利益を、事業リスクのカバーと新たな成長・挑戦の原資として追求していきます。
②徹底したお客様志向
お客様の潜在ニーズに基づく「モノづくりとICTの活用」により、お客様にこれまでにない価値を提供し、確実に競争優位を確立していきます。
③独自分野に果敢に挑戦する開拓精神
失敗を恐れず独自分野に挑戦する経営と努力の結果、失敗してもそれを許容する風土にしていきます。
また、当社が掲げる「コアバリュー」並びに「パーパス」は、以下のとおりです。
(コアバリュー)
わたくしたちは、全てのグループ事業において「技術と品質」、「スピードと革新性」にこだわり抜き、独自性のある製品の提供により全てのステークホルダーに貢献することで、上場企業としての社会的責任を果たします。
(パーパス)
マミヤ・オーピーグループの思考および行動の全ては、独自の生産・ICT技術を基盤とするディテールにこだわったモノづくり・コトづくりにより、お客様の多様なご要望と一歩先の潜在的ニーズに的確にお応えすることに収斂し、これを目的とします。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための指標
当社グループは、利益の極大化並びに資本効率向上及びコスト削減徹底による持続的安定成長を通じて企業価値のさらなる向上を実現し、継続的な安定配当等により株主利益の向上を図る観点から、「自己資本当期純利益率(以下、「ROE」という。)」を、経営上の目標の達成状況を判断するための指標と位置付けております。
具体的には、連結のROE8%を達成し得る利益を安定的かつ継続的に計上することができる事業構造を確立することを中長期的な目標として設定し、これらの目標を達成し維持すべく「(3)経営環境並びに経営戦略及び優先的に対処すべき事業上・財務上の課題」に記載した取り組みを推進しております。
(3)経営環境並びに経営戦略及び優先的に対処すべき事業上・財務上の課題
①経営の現状
当社グループは、一連の戦略的事業再構築を通じて経営資源の選択と集中並びに事業領域の拡大を推進し、健全かつ強固な経営基盤と、持続的成長を可能とする多極的な事業構造を着実に構築してまいりました。
その結果として当社は電子機器の企画・開発・製造・販売・アフターサービスを一貫して担う事業会社であるとともに、当社電子機器の主たるユーザーである遊技場向けシステム関連事業と自動券売機の販売を担うエフ・エス㈱、システム開発会社であるマミヤITソリューションズ㈱、海外におけるシャフト事業を担うUST-Mamiya, Inc、国内におけるシャフト事業を担うUST Mamiya Japan㈱、ゴルフ用品等の生産拠点であるMamiya-OP(Bangladesh)Ltd.、不動産事業会社である㈱エフ・アイ興産及び㈱ネクオスの連結子会社をはじめとする子会社・関連会社群に対する司令塔としての性格を併せ有する会社となっております。
そして、これにより当社は、電子機器事業及び新規事業に加え、当社グループの中核企業として、グループ全体の事業戦略立案、経営管理及びリスクマネジメント等を担い、グループにおける経営資源配分の最適化による経営効率そして収益の極大化を図ることができるものと考えております。
②経営環境
当社グループを取り巻く経営環境ですが、まず、電子機器事業の主力である遊技機関連市場においては、余暇の多様化によるパチンコ・パチスロ関連市場の縮小トレンドに歯止めがかからない状況が続く一方で、スマート遊技機の市場への投入が実現するとともに、2024年7月には紙幣改刷が実施されるなど、当社ビジネスの拡大を後押しする状況となっております。
また、スポーツ事業においては、競合他社との熾烈な価格競争や、国内においてはコンペ需要縮小による顧客単価の低下が見られるものの、近年では国内外問わず参加人口が増加しております。海外のシャフト事業につきましては、戦略的マーケティング並びに生産性及び品質向上のための着実な設備投資が実を結び、利益体質への転換を果たしつつあります。
残る不動産事業については、首都圏全体で不動産価格が上昇し割安な物件の購入が難しい状況となっております。
③経営者の問題意識並びに経営戦略の現状と見通し
当社グループは現在、電子機器事業及びスポーツ事業等を主たる事業として展開しておりますが、いずれも成熟産業であるがゆえに、競合企業間において限られた市場におけるシェアの争奪戦を余儀なくされる厳しい事業環境にあります。
また、主力の電子機器事業がOEM中心の事業構造であるため、独自の事業計画を立案・遂行することが困難な状況にあります。
このような経営環境下で、経営の基本方針に掲げました「業績の持続的安定成長」を実現するための新たな成長ステップの礎となるべき揺るぎない土台を構築すべく、上記「①経営の現状」においてご説明いたしましたグループ体制の下、その持てる経営資源を最大限に活用し、全ての部門における生産性を極大化することによって、製品及びサービスのいずれにおいても、高品質・高付加価値と低コストとの両立を図り、成長の源泉である収益力を維持・強化すべく、より高い市場性を有する製品及びサービスの開発と新規事業分野における新たなマーケットへの展開を、大胆かつ細心に進める必要があると考えております。
とりわけ、高度に国際化・情報化され急速かつ激しく変化し続ける今日の競争環境において、当社グループが生き残り成長し続けていくためには、顧客のニーズをタイムリーに具現化するとともにシーズ志向で顧客をリードし、新たな市場を開拓するためのイノベーションを持続的に生み出すことができる開発力を鍛え上げ磨き上げることが不可欠であります。その過程そして成果としての「イノベーションの創生」を成し遂げていかなければなりません。そして、そのためにシステムソリューション事業の強化を進めつつ、顧客の抱える課題に対するソリューションを提案することで事業領域を拡大し、盤石の収益基盤を構築していく必要があると認識しております。
このような認識の下で、グループの事業推進を下支えする基盤となる人材の確保と組織力強化やチャレンジ精神に富んだ企業風土の醸成に取り組む一方で、ICT(情報通信技術)環境の整備・拡充等による働き方や業務内容、キャリアプランの多様化を考慮した人事施策の導入やリモートワークの活用等労働環境の整備を推進し、労働生産性の向上や人材育成の強化等を進めてまいりました。
今後もこれらの取り組みに加え、グループにおける経営資源を集約し、今や社会インフラの中核を占めるに至ったICT環境におけるビジネスソリューションを提案しリードすることができる事業体へと変革を遂げるべく、経営資源の合理的かつ積極的な活用による資本効率及び事業収益性の高い新規事業領域の開拓や、各事業セグメントにおける以下のような諸施策を強力に推進することにより、各々の業界動向に左右されない独自の収益基盤の確立に粘り強く取り組んでまいります。
また、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」でご説明いたします、当社及び当社グループにおけるコーポレート・ガバナンス体制を通じて業務の有効性・効率性を高め、経営目標の達成を阻害する要因であるリスクを的確に把握・統制し、経営者が全ての情報を正確に把握するとともにその意思を全組織に迅速・確実に浸透させることによって、全ての役職員が情報と認識を共有し一体となって業績の向上に全力を尽くすとともに、さらなる成長を可能とする企業体質を構築する取り組みを進めてまいります。
当社グループは、このような取り組みを通じて株主様をはじめとする全てのステークホルダーの皆様の満足度と社会への貢献度を向上させるべく、全社一丸となって邁進してまいります。
④優先的に対処すべき財務上の課題
当社が認識する「(2)経営上の目標の達成状況を判断するための指標」において目標として掲げた財務指標である、将来にわたって安定的継続的に達成すべき目標である連結ROE8%を維持するための課題及びその解決のための方策は、以下のとおりです。
1)総資産利益率(ROA)の改善
ROAを構成する売上高利益率及び総資産回転率の改善を図るためのアクションプランを事業部門単位(子会社含む)で策定し、適切な重要業績評価指標(KPI)を設定し検証する等のPDCAサイクルを通じて、増収・増益及び資産効率改善を進めることによって目標の達成を図ります。
・新規事業及び新製品開発への投資拡大並びに内部収益率(IRR)に基づく投資意思決定の合理化(例:船橋医療モールへの投資、I-GINS事業への継続投資、等)
・戦略的マーケティングとイノベーションによる高付加価値製品の展開
・不良品削減、物流費削減等による原価率の引き下げ、並びにリードタイム短縮、在庫削減等による棚卸資産回転率の改善(例:バングラデシュ工場における工場設備更新による生産性向上、OEM営業推進による工場稼働率向上、等)
・自動化・省人化等を進めることで業務効率及び生産性を向上させることによる、人件費をはじめとするコストの抑制・圧縮への取り組み(例:電子的文書管理システムの整備による文書及び業務処理の効率化、等)
2)財務レバレッジと財務安全性のバランス最適化
財務レバレッジに過度に依存することなく、余裕ある財務安全性を確保しながら、収益性及び効率性の向上によってROEの改善を図ることを基本方針といたします。
そして、かかる基本方針の下で、運転資金の安定的確保及びタイムリーな投資のために必要となる水準の有利子負債維持並びに安定配当及び自社株買い取りによる利益還元及び資本効率改善を含む、自己資本比率とレバレッジ比率の最適化を意識した企業価値最大化を志向するバランスのとれた資本政策を展開することで、継続的・安定的に「利益ある成長」を実現するための健全なバランスシートを維持し、その結果としてROEの持続的な改善を図ります。
⑤優先的に対処すべき事業上の課題
当社グループが認識する事業上の課題及びその解決の方策は以下のとおりであり、これらの取り組みを推進するとともに、今後の事業成長の基盤として、事業管理体制の強化・効率化と経営レベルでの意思決定の効率化の双方が必要不可欠であると認識しております。
管理体制の強化・効率化という観点では、開発部門を強化し規模を拡大していく一方で、技術開発等に係る人件費及び半導体・銅材・樹脂・基板など原材料価格等の高騰、円安・原油価格・輸送価格の高騰などに適切に対応した原価管理の徹底、費用対効果のモニタリングを強化する等、更なるガバナンスの強化を図ってまいります。他方、経営レベルでの意思決定の効率化という観点においては、業務執行機能と管理監督機能の分離と適切な権限委譲を通じ、経営の意思決定と業務執行のスピードアップを図ってまいります。
[電子機器事業セグメント]
(アミューズメント事業)
・スマートパチンコ、スマートパチスロの市場投入に伴う需要拡大を受け、生産体制の最適化によって機会損失を最小化いたします。
・特定顧客への過度の依存を解消すべく、OEM顧客の多様化により事業基盤の強化を図ります。
・OEM主体の事業構造を抜本的に改革すべく、コンサルティング営業を柱とした戦略的マーケティングの展開により事業拡大を図ります。
・市場を熟知した当社だから可能な、市場ニーズを捉えた「高品質」で「低コスト」な紙幣搬送システムなど、自社製品の競争優位性を訴求することで、遊技機周辺機器ビジネスのさらなる拡大を図ります。
・政府が推進するキャッシュレス決済の社会的潮流を汲み取り、アミューズメント業界が求める決済の姿の実現に取り組みます。
(システムソリューション事業)
・当社グループのICTリソースを集約したマミヤITソリューションズ㈱によって、ICTソリューション(システム及び製品)の「調査(市場・特許・技術)」「企画立案」「提案」「システム開発」「インフラ構築」「システム保守」の全てを受託することができる体制の構築に努めてまいります。
・継続的な収益源となるソフトウェアソリューション事業への戦略的展開を強力に推進し、新規顧客基盤の構築を図ります。
・既存顧客との信頼関係の維持強化によるシステム開発案件の安定的な獲得に努めます。
・ローコード開発及びAI活用など高度で特徴のある内容を積極的に提案できる体制の確立並びに企画提案・設計開発・保守を一気通貫で請け負うワンストップサービス体制の確立による差別化をもって、ソフトウェア開発ベンダとしての競争優位の確保を図ります。
・IT分野における人材不足に対応するため、新卒採用、未経験採用、外国人採用や半ジョブ型勤務、M&Aなど様々な取り組みによる人材の確保を図るとともに、従業員に対するスキルアップ支援等により生産性の向上を図ります。
(券売機事業)
・政府が推進するキャッシュレス決済に対応した新製品の開発と市場展開を促進します。
・人手不足における生産性向上志向を背景とした顧客のニーズを適切に捉えたタイムリーな製品提案活動を強化します。
・大口顧客となる新規販売店等の法人をターゲットとした戦略的マーケティングを強化促進します。
・ハードの単体販売からシステムサービス販売(サブスクリプション方式)へビジネスモデルを変更して、収益性の大幅改善を図ります。
(I-GINS事業)
・代理店の活用を視野に入れた販売チャネルの拡大及びサービス網・サービス体制の整備により、営業基盤の充実強化を進めます。
・搭載部品更新や部品点数削減等による既存製品の改良を進めることで、利益率を向上させ利益体質を確立します。
・将来の新製品への展開を視野に入れ、搭載部品の共通化を進めます。
・ホームページやSNS等の媒体を通じた戦略的な発信を通じてI-GINSの革新的意義に対する認知度向上と優秀な人材の確保を図ります。
・車両メーカーとの協業をはじめ、搭載車両を多様化することによりメーカー依存度を分散化した事業体制の構築を図ります。
(ICカードリーダライタ事業)
・高速道路料金授受システム等の、多様な開発案件の新規獲得を進めます。
[スポーツ事業セグメント]
・USTMamiyaブランドシャフトの国内総代理店であるUST Mamiya Japan㈱と米国法人であるUST-Mamiya, Inc.との一体的な運営によって、グローバルマーケティングにおける国内市場の位置づけを明確にすることを通じてUSTMamiyaブランドの認知度向上及び販売拡大を強力に推進します。
・大きな成果を上げている、大手クラブメーカーへの大量のOEM供給によって露出度を高め、USTMamiyaブランドの認知度とバリューを強化し高付加価値製品としてのポジションを確立する戦略的な取り組みを、さらに強化します。
・PGA出場選手等有名選手に使用いただくため、ツアーサポートを強化しブランドの露出度向上を目指します。
・利益率改善のため高品質を訴求し、アフターマーケットおよびフィッティング向け販売ルートへの販売拡大を推進します。
・好調な売り上げが続くアイアン用の「RECOIL」シリーズに加え、ウッド用の「HELIUM」及び国内海外統一ブランドである「LIN-Q」の拡販を推進するなど、多様化する顧客ニーズを満たすことができる、それぞれに個性豊かな製品ラインナップで顧客層を拡大します。
・アイアン市場におけるスペック多様化に対応すべく、高級感漂うイオンプレーティング仕上げでピンポイントで狙えるアイアン「RECOIL DART」の投入など、多品種展開により市場シェアのアップを図ります。
・バングラデシュ工場では更なる拡販に向けた生産増強を目指し、設備の更新・増強を実現するための投資を継続的に行ってまいります。また、東アジア及び東南アジアとの比較で注目されているバングラデシュのコストメリットを訴求することで、OEMビジネスをさらに強化します。
・精緻なサプライチェーンマネジメントと出荷サイクル最適化による生産平準化を図るとともに、不良率減少とリードタイム短縮等を実現し、急な受注増にも臨機応変に対応できる製造オペレーションを確立する取り組みを徹底することで、競争優位を訴求します。
・QMS(品質管理システム)の構築を進め、品質ロスや再生費用などの品質コストを着実に削減するとともに、製品の市場競争力を強化します。
・遊休スペースを有効活用することでコンポジット製品(特に弓矢等)の生産を増強し多品種展開を図るなど、取扱商品群の多角化による事業基盤の強化を進めます。
[不動産事業セグメント]
・マミヤITソリューションズ㈱とのコラボレーションによる不動産テック(PropTech)の展開により、新たなビジネスチャンスの創造を図ります。
・賃貸不動産の適切な管理・運用によって既存顧客との信頼関係を維持強化することを通じて、新たなビジネスチャンスを見出します。
・不動産市況の動向を正しく見定め、中古の区分マンションをはじめとする販売用不動産を戦略的視点から仕入れ、ベストタイミングで売却することを通じて、収益の極大化を図ります。
・賃貸収入の拡充のため、ヴィレッジ型医療モールをはじめ、ビル型の医療モール等の周辺領域への参入も検討します。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在に当社グループが合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1)サステナビリティに関する戦略並びにガバナンス及びリスク管理
①サステナビリティに係る認識と取組の基本方針
当社グループはサステナビリティを、将来の世代の欲求を満たしつつ現在の世代の欲求も満足させることができる、人類と地球のために包摂的で持続可能な、強靭な未来を築くことを希求する理念であると位置づけ、これを実現するためには、個人と社会の福祉のために必要な中核的要素である経済成長、社会的包摂、環境保全の調和を図るための戦略的な事業展開が不可欠であると認識しております。そして当社グループは、以上の認識の下、サステナビリティを巡る課題への対応を、リスク減少・収益機会に繋がる重要な経営課題として積極的・能動的に取り組むべきとの基本方針に基づき、サステナビリティを巡る諸課題に対し真摯に取り組み議論を深めてまいりました。
②ガバナンス及びリスク管理
当社グループは、上述の基本方針に基づき、コーポレート・ガバナンスに係る基本指針の下で構築される内部統制・リスク管理委員会及びその管理監督下で経常的なリスク管理を担う内部統制実務者会議を中核として、サステナビリティに関連するリスク及び機会を、監視し管理するための過程、統制及び手続としてのガバナンス、並びに、かかるリスク及び機会を識別し評価し管理するための過程としてのリスク管理、に係る体制を整備・構築するための戦略的な取組を推進してまいります。
③サステナビリティに関する戦略
当社グループは、上述の基本方針並びにガバナンス及びリスク管理の体制に基づき、SDGsやESG投資の潮流を含むサステナビリティに関連するリスク及び機会が、当社グループの経営方針、経営戦略等にもたらす影響を正しく把握・評価し、これに対処すべく、グループの中長期的な企業価値向上の観点から、人的資本・知的財産への投資等をはじめとする経営資源の配分や事業ポートフォリオに関する戦略的な取組を推進するとともに、かかる取組が持続的成長に資するよう監督してまいります。
参考:ゼロ・エミッションの取組(メガソーラーへの出資)
当社は、中長期的な企業価値向上に向け、サステナビリティが収益機会の増大にも繋がる重要な経営課題であるとの認識のもと、「合同会社メガソーラー市島発電所」が運営する太陽光発電設備である「MJSソーラー市島エネルギーファーム」に匿名組合出資し、2021年より関西電力株式会社に対して電気供給を開始しております。
(2)人的資本に係る取組
①人材の多様性の確保を含む育成方針
多様な人材が集い、個人と企業が共に成長することができる環境と風土づくりに取り組んでおります。
・社会の成熟に伴う価値観や働き方の多様化に対応するために導入した、全ての社員を対象とする複線型人事制度の適正な運用
・専門職の処遇をライン管理職と同等とする、契約社員を含む雇用形態の多様化、等による、高度のスキルを有する多様な人材の採用と育成
・国内法人における外国人の積極的な採用の継続
2014年新卒採用したバングラデシュ人の専門職登用、インド人ITエンジニアの新卒採用、外国人ITエンジニアの中途採用、等
・リスキリング推進のための教育研修及び自己啓発支援の強化
②社内環境整備に関する方針
社内環境の整備を進め、社員が帰属する喜びを感じることができる組織づくりに取り組んでおります。
・就業環境の整備
時差出勤(10パターン)の奨励、在宅勤務の活用、ドレスコード制定による服装の自由化、オフィス内へのカフェエリア及び無料飲料サーバの設置、工場内装のリフォーム、グループ内の垣根を超えた風土改革プロジェクトの推進、等
・安全衛生管理の徹底
安全衛生委員会活動の活性化、工場内レイアウトの変更などによる安全対策の徹底、等
・コンプライアンスの徹底
ガバナンス体制強化の一環として、法令及び社内規程に基づき、ハラスメント、社内不正及び不祥事の防止並びに法令遵守の徹底、等
(3)目標及び指標
当社グループは、サステナビリティに関連するリスク及び機会に関する連結会社の実績を長期的(2030年まで)に評価し管理し監視するための情報として、以下の「SDGs宣言」を掲げ、国際連合が提唱する「SDGsの17の目標」を指標として、サステナビリティに係る戦略的取組を推進してまいります。なお、(関連した目標)は、17の目標のうち、当社の具体的な取組に関連するものを列挙したものです。
[人権・労働]
安心で安全に、いきいきと働ける職場環境を整備しています
(具体的な取り組み)
①多様性、公平性の追求を通じた新たな価値観の尊重とDE&I(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)の実践
②ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた休暇制度の充実や柔軟な勤務形態など多様な働き方の推進
③海外事業所を含む、法令を遵守した健全で安全性の高い職場環境の整備
(関連した目標)
5:ジェンダー平等を実現しよう、8:働きがいも経済成長も、10:人や国の不平等をなくそう
[環 境]
脱炭素に向けた取り組みを加速し、グループ全体で循環型社会を実現します
(具体的な取り組み)
①自社工場の太陽光パネル設置の取り組み
②デジタル化による環境負荷軽減と省エネへの取り組み(ペーパーレス推進、AI活用の空調抑制設備など)
③認証製品(環境ラベル製品)利用の促進
④あらゆる領域における、資源利用の削減、再利用、再資源化の取り組みによる、循環型経済への貢献
(関連した目標)
7:エネルギーをみんなに、そしてクリーンに、9:産業と技術革新の基盤をつくろう、
13:気候変動に具体的な対策を、15:陸の豊かさも守ろう
[公正な事業慣行・組織体制]
法令等を遵守し、公正かつ良識ある企業活動を行います
(具体的な取り組み)
①「挑戦」と「進化」の基盤をなす、上場企業としての社会的責任を踏まえた自律的で健全な企業活動の徹底
②業績の持続的安定成長を実現するための基盤としての社会から信頼される強固なガバナンスの確立
③知的財産の尊重を通じたお客さまの満足と信頼の獲得
④ステークホルダーとの積極的な対話による企業情報の適時適切な開示
(関連した目標)
8:働きがいも経済成長も、10:人や国の不平等をなくそう、16:平和と公正をすべての人に
[社会貢献・地域貢献]
地域に配慮した豊かな未来の共創に貢献していきます
(具体的な取り組み)
①独自分野に果敢に挑戦する開拓精神に基づく、産学官連携を通じた新規事業の推進
②再生可能エネルギー事業投資による脱炭素社会へ、人手不足解消に向けた製品開発(ICT関連)など、あらゆる視点で社会課題を意識し各事業活動を推進
③ゴルフにふれあうイベントの開催や学生ゴルファーの支援
④利益の一部を原資とする、地域の祭事や社会課題解決に向けた取り組みへの寄付
(関連した目標)
4:質の高い教育をみんなに、9:産業と技術革新の基盤をつくろう、12:つくる責任、つかう責任、
17:パートナーシップで目標を達成しよう
当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
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主要なリスク項目 |
リスクが顕在化する 可能性の程度 及び時期 |
当社グループの 経営成績等への影響 |
対応策 |
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1 |
特定事業の業績への依存と当該事業環境が悪化する リスク |
可能性の程度:高
時期:常時想定 |
当社グループの連結営業利益に占める事業セグメントの割合は電子103.2%、スポーツ△3.5%、不動産0.3%となりました。弊社の主力事業である遊技機関連事業は遊技機周辺設備機器及び新紙幣対応紙幣識別機の受注が順調に推移したことにより堅調に推移いたしました。しかしながら、紙幣識別機等の入れ替え需要が落ち着くことで、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。 |
・OEM先顧客との信頼関係の維持強化による取引拡大 ・自社ブランド製品(小型自動券売機、非接触式ICカードリーダライタ、自律走行システム「I-GINS」等)の販売拡大に向けた諸施策の強化 ・スポーツ事業及び不動産事業の収益拡大 ・新規事業領域の開拓・深耕 |
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2 |
特定の取引先に対する過度の依存のリスク |
可能性の程度:中
時期:常時想定 |
電子機器事業セグメントにおける主要顧客である日本ゲームカード㈱に対する売上比率は、同社との取引関係が極めて良好に推移していることから、当連結会計年度では連結売上高の53.8%に達しております。今後も両社の取引関係を維持・強化することについて両者間で見解の相違はございませんが、このような状況から、日本ゲームカード㈱の業績動向及び取引方針の変化は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 |
・新規取引先の開拓 ・ビジネスモデルの刷新 ・自社ブランド製品(小型自 動券売機、非接触式ICカードリーダライタ、自律走行システム「I-GINS」等)の販売拡大に向けた諸施策の強化 ・スポーツ事業及び不動産事業の収益拡大 ・新規事業領域の開拓・深耕 ・ICTソリューションなど新たな価値の提供によるシェアの維持・拡大 |
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3 |
法的規制等によるリスク |
可能性の程度:高
時期:常時想定 |
当社製品のエンドユーザーである遊技場は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」等の法令等の規制対象となっており、当社がOEM供給する台間カードユニット等の使用に際しては、使用許可の取得又は使用届けが義務付けられております。したがって、これら法令等が改正された場合、台間カードユニット等の遊技場への販売・設置に関してマイナスの影響が生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 |
・外部専門家及び有識者の活用 ・専門部署による支援強化 ・関連各部署による情報収集の強化 |
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主要なリスク項目 |
リスクが顕在化する 可能性の程度 及び時期 |
当社グループの 経営成績等への影響 |
対応策 |
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4 |
新製品開発の遅延によるリスク |
可能性の程度:中
時期:常時想定 |
当社グループの各事業セグメントは、新技術による新製品開発を継続的に行い市場に投入しております。このような開発の日程につきましては、綿密な管理をしておりますが、予期せぬトラブルによる当該日程の遅延等により新製品の市場投入が遅れた場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 |
・製品開発工程の整備・進捗管理 ・製品開発に係る情報共有の徹底 |
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5 |
工場所在国の 社会情勢の変動 によるリスク |
可能性の程度:中
時期:常時想定 |
スポーツ事業における生産拠点であるバングラデシュ人民共和国では、与野党の対立激化等による政情不安やイスラム過激派勢力等によるテロ発生の懸念などから、引き続き現地の社会情勢は予断を許さない状況が続いております。そしてこのような現地の社会情勢等の変動は、製品の製造不能や納期遅延等を生じるリスクがあり、これが当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 |
・現地との連絡系統整備 ・工場施設等及び工場運営におけるセキュリティ対策の徹底 ・現地の情報に精通した危機管理業者の活用 |
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6 |
海外における紛争等の影響 |
可能性の程度:高
時期:ロシアによるウクライナ侵攻及び中東での政情不安が終結するまでの間、想定 |
ロシアによるウクライナ侵攻や、中東での政情不安により、原油価格の上昇が高まる様相を呈しております。この軍事的対立が激化、長期化した場合は、原油価格急騰による原材料価格の高止まりだけでなく、地政学リスクの高まりや世界的インフレーションの加速といったリスクが顕在化し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
・調達先の複数化・分散化、代替品の検討等 |
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7 |
原材料等の部材調達価格の上昇及び納期の長期化 |
可能性の程度:高
時期:半導体の需給バランス回復及びコンテナ流通正常化するまでの間、想定 |
半導体を中心とした原材料の世界的な需給逼迫、船舶を中心に世界的な物流リードタイムの長期化や物流費の高騰が発生しております。その影響が長期化する場合、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響が生じる可能性があります。 |
・調達先の複数化・分散化、代替品の検討等
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8 |
資金調達に係る財務制限条項抵触のリスク |
可能性の程度:中
時期:決算期ごと 想定 |
当社グループでは、シンジケーション方式タームローン契約及びコミットメントライン契約を締結しておりますが、これらの契約には純資産の維持、利益の維持に関する財務制限条項が付されております。その内容は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(連結貸借対照表関係)及び「2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」の(貸借対照表関係)に記載しております。 なお、これらの財務制限条項に抵触した場合には、当該借入金につき期限の利益を喪失し一括返済を求められることなどにより、当社グループの財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
・銀行借入に加え社債の発行など資金調達手段の多様化による財務体質の安定 ・経営資源を有効かつ効率的に活用することによる安定的かつ持続的な事業利益の拡大 |
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9 |
新規事業への投資によるリスク |
可能性の程度:高
時期:常時想定 |
当社グループは、電子機器事業、スポーツ事業等に続く新たな事業領域の確立を目的として、既存事業会社への出資等の多様な手段により、ビジネスモデルの変革を図るべく、様々な事業への投資活動を行っております。ただし、新規投資対象事業が計画どおり進捗しない場合、当初意図していた投資の回収ができず、当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。 |
・新規投資対象事業に係る内部収益率等の投資採算性の検証 ・新規投資対象事業から発生し得るリスクの抽出・管理等の徹底 |
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10 |
急激な為替変動によるリスク |
可能性の程度:高
時期:常時想定 |
当社グループでは、一部の国内子会社で外貨建てによる仕入れを行っており、急激な為替変動が発生することにより、為替差損益が発生し、当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。 |
・為替予約の実施 |
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11 |
世界的な気候変動によるリスク |
可能性の程度:高
時期:常時想定 |
世界的な気候変動が進むことで、大規模自然災害による建物の損害や事業停止のリスク増大、施設破損等による収益の悪化、スポーツ事業の海外生産拠点における資材調達先からの供給停止等によりサプライチェーンが分断されるリスクが懸念されます。 |
・環境の変化に対応した、継続的なサプライチェーンの見直し |
(注)上記記載の「リスクが顕在化する可能性の程度及び時期」は、当該事業等のリスクに係る、事業環境(当該リスクが顕在化した実績等を含む。)並びに当社グループの経営成績・財政状態及び事業体制等を踏まえ、記載しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあり、緩やかな回復が続くことが期待されているものの、世界的な金融引締めにともなう影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響、令和6年能登半島地震の経済に与える影響に十分注意する必要があります。
このような経済環境の下で当社グループは、システムソリューション事業の強化を進めつつ、グループの経営資源を有効に活用し、高品質と低コストを兼ね備えた製品を提供してまいりました。また、顧客の抱える課題に対するソリューションを提案することで、新たな顧客価値を創造することに加え、中長期的な展望の下で安定的かつ持続的な成長を実現し、更なる企業価値向上を図ってまいりました。
(電子機器事業)
電子機器事業におきましては、アミューズメント関連製品の主要な市場であるパチンコ・パチスロ関連市場は、2024年3月に経済産業省が公表した「特定サービス産業動態統計調査」(確報)によると、2024年1月のパチンコホール売上高は2,589億99百万円と、前年同月の2,445億89百万円に比べ105.9%と増加してはいるものの、コロナ禍以前の2019年1月の売上高(3,162億1百万円)との比較では81.9%となるなど、ホール企業の業績は依然として厳しい状況が続いております。
しかしながら、話題性も高く集客も見込めるとホール企業が期待するスマート遊技機や、2024年7月に発行開始となる新紙幣への改刷に伴う紙幣識別機などに対する需要拡大を最大限に取り込むべく、開発投資を強化しつつ市場対応の方針を策定し、生産体制を確立する取り組みを着実に進めるとともに、引き続き当社事業の基盤である既存OEM先顧客との信頼関係の維持強化を図ってまいりました。
また、モバイルオーダーシステム「CHUUMO」については、大手メーカー提供のサブスクリプション型POSシステムとのクラウド連携を図るなどのサービス品質の向上等に取り組むとともに、展示会出展等の積極的なプロモーション活動に取り組みました。そして、液晶小型券売機につきましても、飲食店以外への販売チャネルや大口顧客となる新規販売店等の法人をターゲットとした戦略的マーケティングを強化促進するとともに、「券売機プロ」をはじめとしたWebマーケティングの強化に加え、営業支援ツールを効果的に活用した戦略的営業活動や、展示会出展等の積極的プロモーション活動を進めるなど、Operal(オペラル)シリーズの販売にグループ一丸となって取り組んでまいりました。
同時に、自律走行システム「I-GINS」につきましては、ベース機となる車両の納期遅延が解消されつつある中、名門ゴルフコースへの導入で築き上げてきた信頼を追い風として、関東圏を中心とした戦略的な営業活動の実践、すでに顧客が所有している芝刈り車両への「I-GINS」の後付けによる自律走行車両化、保守メンテナンス体制の確立、そして搭載部品の更新や部品点数削減等による既存製品の改良や、新たな提携先との自律走行車両の共同開発などにも取り組んでまいりました。
加えて、当社グループのICTリソースを集約したマミヤITソリューションズにおきましては、ICTソリューション(システム及び製品)の「調査(市場・特許・技術)」「企画立案」「提案」「インフラ構築」「システム保守」の全てを受託することができる体制の構築、既存顧客との信頼関係の維持強化によるシステム開発案件の安定的な受注に加え、「ローコード開発ツールを利用したスピーディーで柔軟かつ高品質な開発体制の確立」及び「AI活用など高度で特徴のある内容を積極的提案できる体制の確立」を目標に掲げ、社員教育の一環としてeラーニングを導入し、全社員の更なるスキルアップを図るとともに、優秀なITスキルを持つ外国人人材の採用を進めるなど、要員不足の解消を図り、ソフトウェア開発ベンダとしての競争優位を確立するための取り組みを進めてまいりました。
(スポーツ事業)
スポーツ事業におきましては、アフターコロナにおける消費者の消費行動の多様化により、ゴルフ関連製品への消費が落ち着きを見せつつある中で、業務提携やOEMの戦略的な展開によってバリューチェーン全体の効率化により各工程での付加価値を高めることで、持続的成長を可能とする収益構造の構築にも取り組んでまいりました。
カーボンシャフト事業におきましては、市場におけるクラブの過剰在庫の問題はあるものの、国内では、シャフト先端部に4軸カーボンシートと高弾性・高強度素材をダブルで採用し、先端部の挙動を抑えつつ心地よい打感を実現したドライバー・フェアウェイウッド用シャフト「The ATTAS V2」、海外では、アイアン市場におけるスペック多様化に対応すべく、高級感漂うイオンプレーティング仕上げでピンポイントに狙えるアイアン用シャフト「RECOIL DART」をはじめ、海外及び国内の統一ブランドとして、ウッド用の「LIN-Q」を国内でも販売を開始するなどの多品種展開により、シェアアップを図るための戦略的な取り組みを進めてまいりました。
また、生産拠点であるバングラデシュやタイにおける現地の不安定な治安及び社会情勢に対しては臨機応変に対応しながら、同時に、OEM供給先顧客の受注獲得に向けた諸施策の展開に引き続き貪欲に取り組むとともに、精緻なサプライチェーンマネジメントと出荷サイクルの最適化による生産の平準化を図り、不良率の減少とリードタイムの短縮等によって、急な受注増にも柔軟に対応できる製造オペレーションの確立を推進してまいりました。
(不動産事業)
不動産事業におきましては、東京都心における2023年から2025年にかけてのオフィスの大量供給を見据えたオフィス賃料下落が続く状況の下、不動産事業子会社であるエフ・アイ興産が所有する収益不動産を有効かつ効率的に活用し、着実に賃貸収入を確保するとともに新たな収入源となる賃貸物件の拡充、アフターコロナにおける景気及び不動産市況の動向を正しく見定めた戦略的な視点から、当社グループが所有する賃貸用不動産及び販売用不動産の、売却を含む有効活用をはじめとする、収益拡大に向けた諸施策に取り組んでまいりました。
(その他)
当社が匿名組合出資しております「合同会社メガソーラー市島発電所」が運営する太陽光発電設備である「MJSソーラー市島エネルギーファーム」による関西電力に対する固定価格買取制度(FIT)に基づく電気供給(電力の販売)につきましては、計画を上回る水準で推移しております。このように、当社グループは、ESG及びSDGsの視点を経営意思決定の重要な要素と位置付け、クリーンな再生可能エネルギーの供給などの取り組みを通じて、社会に貢献してまいります。
この結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は、遊技機関連製品の販売が大幅に増加したことから273億94百万円(前期比72.1%増)、損益につきましては、売上の増加などにより営業利益48億38百万円(前期比157.0%増)、経常利益は54億88百万円(前期比155.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は38億52百万円(前期比93.8%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
(電子機器事業セグメント)
電子機器事業セグメントは、全日遊連が発表した「組合員加盟店舗の実態調査」結果によると、2023年12月末日現在の全日遊連加盟パチンコホール店舗数は6,335店舗となり、前月末から21店舗減少するなど、減少傾向に歯止めがかからない状況が続いておりますが、スマートパチスロをはじめとするスマート遊技機の新機種が各社からリリースされ、市場での入替え需要が高まり受注は増加いたしました。その一方で、サウジアラビアとロシアを中心とした産油国の減産による原油高及びそれに起因する物流コストの上昇、為替の影響による部品及び原材料価格の高騰など、依然として部品調達が困難な状況は継続しておりますが、部材につきましては、各仕入れ業者への納期調整や、市場部品の調査調達等を行うことで生産可能台数の積み上げを行った効果もあり、紙幣搬送関連製品を含む遊技機周辺設備機器及び電子部品に係る売上、利益ともに好調に推移いたしました。
自社ブランド製品であるモバイルオーダーシステム「CHUUMO」及び「セルフ精算機VMT-700」につきましては、IT導入補助金2023の対象ツールとして、顧客側の導入コストの低減につながることなどを訴求し、その導入を拡大するための取り組みを進めました。液晶小型券売機につきましては、改刷へ向けた対応を進めるとともに、券売機専用サイト「券売機プロ」をはじめとしたインターネット上のマーケティング強化を図りました。
マミヤITソリューションズにつきましては、アミューズメント関連システムの開発提案を行うなど、ビジネスを拡大する取り組みを進めてまいりました。
ICカードリーダライタについては、長期化していた半導体及びハーネス材料等のリードタイムは短縮傾向ではあるものの、通常納期に戻るまでには至っておりません。しかしながら、油槽所システムにおいて新ICカード対応が加速しているため、ICカードの発行枚数は堅調に推移いたしました。
この結果、電子機器事業セグメントの売上高は226億98百万円(前期比116.6%増)、営業利益は49億94百万円(前期比303.5%増)となりました。
(スポーツ事業セグメント)
国内におけるカーボンシャフト事業におきましては、YoutubeをはじめとするSNSを活用したマーケティングを展開し、ブランド認知度の向上を図るとともに、シェア拡大を目指すための様々な取り組みを進めてまいりました。しかしながら、消費者のライフスタイルの変化や、ゴルフクラブ市場の過剰在庫、為替変動と原材料高による調達コストの上昇もあり、一定の売上を確保したものの、利益につきましては軟調に推移いたしました。
海外におけるカーボンシャフト事業におきましては、アフターコロナにおける消費者の消費行動の多様化の影響や、ゴルフクラブ市場における流通在庫過多の影響もあり、大手クラブメーカー各社への供給は低調に推移いたしました。また、生産拠点におきましては、品質管理体制の強化による顧客満足度の向上、従業員が安全に仕事に取り組める職場環境を整備する等の諸施策に引き続き取り組むとともに、人員体制の見直しや、原材料の適正在庫維持等の諸施策を実施するなど、事業基盤の強化に取り組んでまいりました。しかしながら、原材料費の高騰及び依然として続く輸送費の高騰の影響もあり、売上、利益ともに軟調に推移いたしました。
この結果、スポーツ事業セグメントの売上高は45億42百万円(前期比13.6%減)、営業損失は1億73百万円(前期は6億3百万円の営業利益)となりました。
(不動産事業セグメント)
不動産事業セグメントにおきましては、東京都心5区の2024年2月のオフィス空室率は5.86%と前月比0.03ポイント悪化したものの2021年5月以来の5%台となりました。しかしながら、依然として供給過剰の目安である5%を36ヶ月連続で上回っております。また、住宅設備や建材においても、運送業界や建築業界をはじめとする業界の働き方改革による残業時間の減少や賃金上昇及び人手不足の影響により、各部材価格や工事費用は今後も緩やかに上昇することが見込まれるとともに、リフォーム・リノベーション工事及び大規模修繕工事の費用についてもコロナ禍以前を上回る水準で推移しております。
このような状況の下、業界団体や外部コンサルタントを通じた情報ネットワークの充実強化に努めつつ、新たなビジネスチャンスを逃すことのないよう、アフターコロナにおける景気及び不動産市況の動向を見定め、中古マンションをはじめとする販売用不動産の収益力強化や、マンションの開発用地及び狭小建売用地の仲介・転売ビジネスの展開にも取り組んでまいりました。
また、大手調剤薬局との協業によるヴィレッジ型医療モールへの取り組みに加え、シェアオフィスやサテライトオフィス、そしてトランクルームに転用可能な賃貸物件や、借地及び空き物件の情報収集等に努めたものの、収益用賃貸物件の建替えによる売上の減少もあり、売上、利益ともに軟調に推移いたしました。
この結果、不動産事業セグメントの売上高は1億55百万円(前期比16.4%減)、営業利益は16百万円(前期比58.6%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、売上債権及び棚卸資産の増加、投資有価証券の取得による支出等により一部相殺されたものの、税金等調整前当期純利益54億42百万円(前期比139.8%増)、仕入債務の増加、新株予約権の行使による株式の発行及び長期借入れによる収入等の要因により、前連結会計年度末に比べ20億56百万円増加し、当連結会計年度末には81億66百万円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は26億43百万円(前期は2億37百万円の使用)となりました。これは主に、売上債権の増加29億66百万円、棚卸資産の増加19億22百万円等があったものの、税金等調整前当期純利益54億42百万円、仕入債務の増加20億69百万円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は18億37百万円(前期比87.6%増)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出12億56百万円、有形固定資産の取得による支出9億9百万円等があったことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は12億36百万円(前期比77.8%増)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出13億68百万円等があったものの、長期借入れによる収入18億54百万円、株式の発行による収入11億37百万円等があったことによるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
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2022年3月期 |
2023年3月期 |
2024年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
53.6 |
52.8 |
53.4 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
28.1 |
44.2 |
43.0 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
15.8 |
- |
2.8 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
7.6 |
- |
45.7 |
(注)自己資本比率 : 自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 : 株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 : 有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
※ 2023年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
③生産、受注及び販売の実績
ⅰ)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
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セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
電子機器事業 |
20,420,661 |
145.3 |
|
スポーツ事業 |
4,719,243 |
△10.9 |
|
合 計 |
25,139,905 |
84.5 |
(注)1.金額は、販売価格によっております。
ⅱ)商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
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セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
電子機器事業 |
2,617,533 |
45.5 |
(注)1.金額は実際仕入額によっております。
ⅲ)受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
ⅳ)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
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セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
電子機器事業 |
22,698,208 |
116.6 |
|
スポーツ事業 |
4,541,793 |
△13.6 |
|
不動産事業 |
154,382 |
△11.1 |
|
合 計 |
27,394,384 |
72.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次の通りであります。
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相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
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金 額(千円) |
割 合 (%) |
金 額(千円) |
割 合 (%) |
|
|
日本ゲームカード㈱ |
6,403,002 |
40.24 |
14,753,530 |
53.86 |
|
エムディーアイ㈱ |
2,261,680 |
14.21 |
2,796,409 |
10.21 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであり
ます。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、貸倒引当金、繰延税金資産等の算出評価について見積りを行っております。この見積りは当連結会計年度末現在において判断したものであり、見積りには不確実性、あるいはリスクを内在しているため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の売上高は273億94百万円(前期比72.1%増)、営業利益は48億38百万円(前期比157.0%増)、経常利益は54億88百万円(前期比155.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は38億52百万円(前期比93.8%増)となりました。
当該経営成績につき、収益性の観点から分析した結果は以下の通りです。
(売上高総利益率) 31.3%(前期比0.7%増)
(売上高営業利益率) 17.7%(前期比5.9%増)
(売上高経常利益率) 20.0%(前期比6.5%増)
(売上高当期純利益率) 14.0%(前期比1.5%増)
③ 財政状態の分析
当連結会計年度末における流動資産は245億34百万円となり、前連結会計年度末に比べ71億61百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が19億90百万円、売掛金が8億31百万円、電子記録債権が17億35百万円、商品及び製品が7億39百万円、原材料及び貯蔵品が7億6百万円増加したことによるものであります。固定資産は139億35百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億34百万円増加いたしました。これは主に投資有価証券が4億85百万円減少したものの、有形固定資産が5億64百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は384億70百万円となり、前連結会計年度末に比べ72億95百万円増加いたしました。
当連結会計年度末における流動負債は108億84百万円となり、前連結会計年度末に比べ33億56百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が8億89百万円、電子記録債務が12億4百万円、未払法人税等が13億18百万円増加したことによるものであります。固定負債は69億92百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億31百万円減少いたしました。これは主に社債が2億円、長期借入金が2億31百万円増加したものの、繰延税金負債が5億86百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は178億76百万円となり、前連結会計年度末に比べ32億25百万円増加いたしました。
当連結会計年度末における純資産合計は205億93百万円となり、前連結会計年度末に比べ40億70百万円増加いたしました。これは主に剰余金の配当4億39百万円、その他有価証券評価差額金の減少12億98百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益38億52百万円、新株の発行11億43百万円により増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は53.4%(前連結会計年度末は52.8%)となりました。
以上の結果として、自己資本比率は前連結会計年度の52.8%から53.4%に増加となり、1株当たり純資産は、1,893円65銭から2,065円74銭へと増加し、流動比率、当座比率等についても健全な水準を維持する等、財政状態は堅調に推移しており、持続的な安定成長を支える基盤となっております。
当該財政状態につき、当連結会計年度の経営成績を踏まえ分析した結果は以下の通りです。
(総資産回転率) 0.7 回(前期は0.5 回)
(固定資産回転率) 1.9 回(前期は1.3 回)
(総資産経常利益率) 15.7 %(前期は7.9 %)
④ キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は81億66百万円となり、前連結会計年度末に比べ20億56百万円増加いたしました。これは営業活動の結果獲得した資金が26億43百万円、投資活動の結果使用した資金は18億37百万円、財務活動の結果獲得した資金が12億36百万円によるものであります。
上記の他、各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、本有価証券報告書の、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載したとおりであり、当社は、これらのリスクを的確に把握・評価し、その顕在化を回避するための適切な施策を、適宜に立案・実施するよう努めます。
⑥資本の財源及び資金の流動性について
ⅰ)資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、電子機器事業における新製品開発及び金型等、スポーツ事業におけるゴルフ用品製造設備等及び不動産事業における賃貸不動産設備等があります。
ⅱ)財政政策
当社グループの事業活動の維持拡大における資金を安定的に確保するため、金融機関からの銀行借入や社債発行により資金調達を行っております。また、支払金利の変動リスクを回避し、また支払利息の固定化を図るために金利スワップ取引を行っております。
⑦経営上の目標の達成状況について
当社グループは、継続的な安定配当等により株主利益の向上を図る観点から各利益の極大化を目指すとともに、資産効率の向上及び株主資本の有効利用が全てのステークホルダーの利益に合致するものと考え、ROEを経営上の目標の達成状況を判断するための重要な指標と位置付けております。
そして、その具体的な目標数値を8.0%とするとともに、現下の業績が好調に推移していることを踏まえ、連結のROE12.0%を当面の目標に設定して経営に邁進した結果、当連結会計年度におきましては、ROE20.7%を達成しております。
引き続き、利益の拡大を最重要課題と位置づけROEの改善及び向上がなされるように粘り強く取り組んで参ります。
⑧セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、具体的な課題認識と解決への方策については、「第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等](3)⑤優先的に対処すべき事業上の課題」をご参照ください。
[電子機器事業セグメント]
(1)アミューズメント事業
遊技機関連市場の長期低落トレンドが続く中ではあるものの、スマート遊技機に対するホール企業による負担軽減効果の期待の高まり等による受注の増加や、紙幣改刷に伴う紙幣識別機への需要拡大の効果により、好調に推移したものと分析しております。また、今後につきましては、スマート遊技機の需要拡大、キャッシュレス決済のさらなる拡大、といったビジネスチャンスを貪欲にものにして売上及び利益に結び付けていく取り組みが必須であると考えております。
(2)システムソリューション事業
当社は、デジタルトランスフォーメーションの奔流が産業構造や社会基盤に歴史的な変革をもたらしつつある現在こそ、当社が事業構造の抜本的な改革を通じてイノベーションを創生し、新たな成長軌道を見出すための最大のチャンスであると分析しております。そして今後は、ソフトウェアソリューション事業への戦略的な展開を強力に推進し、ソフトウェア開発ベンダとしての競争優位を確保していくことが必要であると考えております。
(3)券売機事業
液晶小型券売機「Operal(オペラル)シリーズ」の売上は、人手不足を背景とした省力化・省人化に対する需要の高まりはあるものの、クラウド券売機の台頭やキャッシュレス決済の普及、改刷対応による買い控えにより、底堅く推移しております。今後につきましては、商品力の強化を通じて新たな営業基盤を構築することが必要であると考えております。
(4)I-GINS事業
名門ゴルフ場に対する地道なアプローチを重ねた成果が製品に対する信頼という形で徐々に実を結び、外部企業との連携による導入保守メンテナンス体制の構築・整備とあいまって販売につながっているものと分析しております。また今後につきましては、他社との提携によるI-GINS搭載車両の多様化によるメーカー依存度の分散、代理店の活用を視野にいれた販売チャネルの拡充など営業基盤の強化が下支えする戦略的マーケティングの展開や、搭載部品の共通化など製品改良による生産性向上等が喫緊の課題であると考えております。
[スポーツ事業セグメント]
カーボンシャフトのマーケティング及び製造の両面において粘り強く取り組んできた各種の施策の効果はあるものの、アフターコロナにおける消費者の消費行動の多様化によるゴルフ関連製品への需要が落ち着きを見せつつあり、さらに市場におけるゴルフクラブの過剰在庫の影響もあり、売上及び利益は軟調に推移しているものと認識しております。
また、コロナ禍以降、健康的なライフスタイルを好むプレイヤーの増加、女性やミレニアル世代のゴルフ参加率が上昇していることもあり、今後につきましても、従前の取り組みを着実に積み重ねていくことが必要であると考えております。
[不動産事業セグメント]
業界団体や外部コンサルタントを通じた情報ネットワークの充実化につとめ、大手調剤薬局との協業によるヴィレッジ型医療モールの建築に加え、保有物件につきましては安定的な稼働率を確保することで、例年通り一定の利益を確保できたものと分析しております。しかしながら、今後、事業規模拡大に向けての展望を見出すためには、マーケット動向を捉えた戦略的な販売用不動産の仕入及び販売等並びに賃貸用不動産の新規取得と適切な管理・運用による安定的な賃料確保の方策を確立することが必要であると考えております。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、電子機器及びスポーツの両事業セグメントともに、新製品の企画開発、及び厳しさを増す一方の価格競争に対応するための一層のコスト低減、並びに新分野への事業展開を主たる目的として取り組んでおり、当連結会計年度における研究開発費の総額は
なお、各事業セグメント別の研究開発活動の内容及び研究開発費は次のとおりであります。
(1) 電子機器事業
当事業セグメントの研究開発費は、自社製品の新規開発体制を強化する中で
(2) スポーツ事業
当事業セグメントの研究開発費は