文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「『人は変われる。』を証明する」をグループ理念として掲げ、全ての人が、より健康に、より輝く人生を送るための「自己実現産業」を事業領域として様々な商品、サービスを提供しております。当社グループではこのグループ理念をグループ全社で共有し、世界中から必要とされ続ける商品・サービスを提供し続けることを使命として事業を推進しています。
(2)目標とする経営指標
当社は継続的な収益力の指標として「営業利益」を、成長性の観点から「売上収益」を経営指標としております。また、事業毎の収益性の観点から「売上収益営業利益率」を補助指標としております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
① 中期経営計画の概要
当社グループは、2022年9月に、当期を初年度とする2026年3月期までの4ヵ年の中期経営計画を策定いたしました。
2020年3月期以降、新型コロナウイルス感染症拡大による不透明な経営状況が続く中、グループ機能統合プロジェクト「ONE RIZAP」の方針の下、新たな収益の柱としてのEC事業の成長、グループ横断的なコスト最適化などの施策を実行してまいりました。これらの経営改革の成果により、前期決算において2期連続の黒字および大幅増益を達成したことから、今後の持続的な成長および企業価値の向上に向けて、RIZAP事業における知見・ノウハウを進化させた新規事業である「chocoZAP(チョコザップ)事業」を本格展開させ、新たな成長フェーズへと移行してまいります。
この中期経営計画においては、「chocoZAP事業」に4年間で500億円規模の成長投資を集中させるとともに、グループ各社とのシナジーを最大化させ、当社グループのコア事業としての育成を進めてまいります。既存事業においてはグループ各社の継続した経営合理化により安定した利益成長を図ることで、中期経営計画の最終年度である2026年3月期において、連結営業利益で300億円の達成を目標とし、持続的な企業価値向上を可能とする経営基盤の強化を進めるとともに、「人類の健康に最も貢献する企業グループ」を目指して挑戦を続けてまいります。
② 新規事業(chocoZAP事業)の内容
「chocoZAP」は、誰もが簡単に、毎日の生活に運動習慣を定着させることができ、毎日最短5分の運動で健康効果を得ることができる、RIZAP発の運動初心者向け世界初の「コンビニジム」です。
パーソナルトレーニングジム「RIZAP(ライザップ)」立ち上げから10年が経過し、その知見やノウハウを最大限に活用し進化させた、RIZAPにしか提供できない独自の「5分でも結果を出せる」メソッドを低価格で実現しております。
また、お客様のライフスタイルを変えるための必需品として、「スターターキット」(体組成計・ヘルスウォッチ)をchocoZAPの全ゲストに提供いたします。体組成計とヘルスウォッチで日々の健康数値を記録し、ライフログデータを蓄積することで、AI(人工知能)を搭載した専用アプリがパーソナルトレーナーの代わりに健康目標達成をサポートし、運動は辛くて苦しいと感じている方でも、運動習慣を毎日の生活に簡単に取り入れることができ、健康維持や体力向上、ダイエット効果を実感いただけます。
[主な顧客]
・20代から60代男女
・フィットネスジムを現在利用していない方、日頃運動の習慣がない方
・運動不足や体のだるさを感じている方、今よりも痩せたいと思っている方
[料金・営業時間]
・月額2,980円(税込3,278円)
・入会金・事務手数料5,000円
・24時間営業
・全店使い放題
[環境・設備]
・着替え不要・靴履き替え不要
・筋トレ初心者でも扱いやすい筋トレマシン
・セルフエステ・セルフ脱毛使い放題(要予約)
・ゴルフ練習し放題(一部店舗・要予約)
テストマーケティングでの好調な結果を踏まえ、2022年9月より同事業の本格展開を開始いたしました。当期および2024年3月期は同事業への先行投資期間と位置づけ、中期経営計画の3年目である2025年3月期からは、投資回収期間に移行することを計画しております。
世界初の「コンビニジム」であるchocoZAP店舗を日本全国に展開し、日本が直面する大きな社会課題である健康寿命の延伸に貢献すべく、誰もが簡単に健康へアクセスできる社会環境の実現のため、当社グループは「人類の健康に最も貢献する企業」を目指してまいります。
(4)経営環境
当社グループを取り巻く経営環境につきましては、2020年より感染が急拡大した新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動への制限、雇用環境の悪化や消費者マインドの低下などからは回復しつつあるものの、世界的な原材料・エネルギー資源の高騰や、長期化する円安の影響、これらに伴う物価上昇等により、依然として先行き不透明の状況にあり、全体として厳しい経営環境が続いております。
また、我が国においては、業界・業態を超えた企業間の競争が激化していることに加え、少子高齢化や人口減少といった構造的な問題の他、生活様式及び購買行動の変化など、当社グループを取り巻く今後の消費マーケットが大きく変化し、当社グループを取り巻く経営環境に大きな影響を与えることが想定されております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 人材の確保及び管理体制の強化
当社グループは、人材の確保が経営の重要課題の一つであると認識しております。今後の業績拡大のため、エンジニアを含むDX(デジタルトランスフォーメーション)人材を確保するとともに、引き続き、商品企画開発、マーケティング、営業等の事業成長に直結する能力を有する人材、そして業績管理やコンプライアンス等グループ全体を適切に管理できる能力を有する人材の確保が重要と考えております。グループ内での機能統合や人材の活用、外部からの採用等を行うことで、経営基盤の強化を着実に進めたいと考えております。
② 消費者ニーズの変化に対応する新商品・新サービスの開発
今後当社グループが業績を伸ばしていくためには、新型コロナウイルス感染拡大で急速に変化している消費者の購買行動やニーズに合致した新商品や新サービスの企画開発に努める必要があります。また、そのような消費者ニーズの変化に対応しながら、特にPB商品やその他商品・サービスのラインアップの充実とライフサイクルの段階に応じた新商品や新サービスの投入の強化を図ってまいります。
③ リピート顧客の育成
当社グループが安定的な利益を生み出すためには、新規顧客だけでなく継続的に商品やサービスをご購入いただくリピート顧客の獲得が重要となります。当社グループは、新規にご購入いただいたお客様にリピートしていただくため、コールセンターによるフォローコールや、コミュニケーションツールとしてのショッピングサイトの構築等、顧客満足度の向上に努め、リピート顧客=ファン顧客の獲得・拡大に取り組んでまいります。
④ マーケティングの強化
当社グループのヘルスケア・美容事業において、売上に対する広告宣伝費の割合は高く、新規顧客獲得のための広告宣伝活動は非常に重要であります。当社グループは、広告宣伝活動の強化を推進するとともに、費用対効果の高い広告宣伝媒体・手法を常に開拓し、顧客獲得コストの最適化を図ってまいります。
⑤ グループシナジーの活用
当社グループは、グループ内の事業との親和性の高い事業を運営する企業を子会社化し、グループを拡大してまいりました。今後は個々の事業会社の強みを活かしながら、グループ会社間でのシナジーを最大限に発揮するための企業間連携を更に強め、グループ全体での売上・利益拡大の実現に向け取り組んでまいります。
⑥ コンプライアンス体制の強化
当社グループは、各種事業を営むにあたり、大量に個人情報を収集・保有しております。個人情報保護を徹底するため、引き続き管理体制の強化に努めてまいります。
また、当社グループは「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、「食品衛生法」、「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」、「製造物責任法(PL法)」、「特定商取引に関する法律」等、多くの法的規制を受けており、関係部門で関係諸法令のチェック体制を常に整備しておく必要があります。
当社は、当社およびグループ会社の財務報告の信頼性を確保するために内部統制システムの構築を行い、その仕組みが適正に機能することを継続的に評価し、不備があれば必要な是正を行うことにより、「金融商品取引法」およびその他関係法令等を遵守する体制を整備してまいります。
今後も、コンプライアンス体制の充実に積極的に取り組んでまいります。
当社は、中長期的な企業価値向上の観点から、サステナビリティにおける各種対応について、経営の重要課題として認識しております。当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、以下の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社では、コーポレート・ガバナンスを経営統治機能と位置づけており、企業価値を継続的に高めていくための不可欠な機能であると考えております。当社は取締役会の過半数を社外取締役とし、社外からの客観的意見を重視し意思決定を行う体制としております。さらに、執行権限及び執行責任の明確化のため、執行役員制度も導入しており、監督と執行の分離による実効的なコーポレート・ガバナンスを推進し、持続的成長を実現、企業価値を継続的に高めていきたいと考えております。
詳細につきましては、
(2)戦略
当社は、持続的な成長や企業価値の向上を実現していくうえで、人材は重要な経営資源であると考えており、人材の育成に関する基本方針及び社内環境整備に関する方針は以下となります。
社内の多様性を確保するために、女性の管理職への登用等の方針策定と目標設定を行いました。また、新卒採用を強化し、中長期的な配置転換、抜擢人事を通じて組織全体の活性化を図るとともに、経営者育成プログラムにより経営幹部への育成を推進しております。その他、DX専門子会社であるRIZAPテクノロジー株式会社を設立し、Web・UIUXデザイナー、デジタルマーケター、データアナリスト、エンジニア等DX人材の積極的な採用および社内リスキング教育など育成を行っております。DX人材に限らず、継続的に社内の多様性の確保を推進するとともに、社員育成のための投資を行い、持続的成長を目指してまいります。
人事評価制度については、当社および主なグループ会社において共通かつ公平な人事評価制度の構築を推進してまいりました。今後も人事の基本方針及び人材育成方針の見直し、検討、策定を踏まえ、人材を計画的に採用し、育成を行う社内環境の整備を推進してまいります。
また、持続的成長に向けたグループ全体の施策として、カーボンニュートラルへの取り組み強化を掲げております。新規事業のコンビニジム「chocoZAP」店舗、パーソナルトレーニングジム「RIZAP」店舗、グループで運営する小売店舗、プライベートブランド等の商品開発や物流関連、本社機能における事業活動を通じて、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを強化し、持続可能な社会の実現にグループ全体で取り組んでまいります。店舗部門では再生可能エネルギーへの切り替えやカーボンフットプリントによる商品環境負荷の見える化、商品リサイクルの推進、物流部門では納品伝票の電子化・検品簡素化、全社共通として電子化による紙使用量削減、使用電力のクリーン化等について、グループ全社で取り組みを推進しております。
(3)リスク管理
当社は、リスク管理を経営上の重要な活動と認識しており、各種のリスクに対応すべく、リスク管理体制の基礎としてリスク・コンプライアンス管理規程を定め、同規程に基づき個々のリスクを認識し、その把握と管理責任者を決定し、管理体制を構築しております。詳細につきましては、
(4)指標及び目標
当社グループでは、上記において記載した人材の育成に関する基本方針及び社内環境整備に関する方針に関する指標について、当社においては関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属するすべての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。そのため、次の指標における目標及び実績は、提出会社のものを記載しております。
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目標 |
実績(当事業年度) |
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女性の管理職比率 |
2025年3月末までに30% |
10.9% |
以下においては、当社グループの事業展開その他に関する事項のうち、リスク要因となる可能性が考えられる主な事項及びその他投資家の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で、行われる必要があるものと考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)当社特有のリスクについて
① 特定人物への依存
当社設立の中心人物であり事業の推進者である代表取締役社長瀬戸健は、経営方針や経営戦略等、当社グループの事業活動全般において重要な役割を果たしております。何らかの理由で同氏の業務の遂行が困難になった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性の程度及び時期について予測することは困難ですが、当社は、同氏に対して過度に依存しない経営体制の構築を目指し、経験豊富な社外取締役の起用、執行役員制度の導入による監督と執行の分離及び業務遂行に優れた社外の人材の起用、社内の人材の育成を実施しております。これらにより、従前と比べ相対的に同氏への依存度は低くなっております。
② 当社の持株会社としてのリスク
当社は2016年7月1日付で持株会社制へ移行いたしました。これにより当社の果たす役割は、主にグループ全体戦略の立案と実行、グループシナジーの最大化、グループ全体の最適なリソース配分、M&Aを含む機動的な事業再編、コーポレート・ガバナンスの強化推進となっております。子会社の収益動向によっては、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、当該リスクが顕在化する可能性は、一定程度あるものと認識しておりますが、安定的な収益を確保するため、子会社からの配当金及び適正な経営支援料を得ておりリスクの低減に努めております。
(2)法務に関するリスクについて
① 法規制について
当社グループが営む事業においては、各関係法令によって規制を受けております。
各種商品の製造・品質管理においては、品質・有効性・安全性確保のために必要な規定をした「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、食品・添加物・器具容器の規格等を定める「食品衛生法」の規制を受けております。
各種商品・サービスの広告や表示においては、主に「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」「食品衛生法」「健康増進法」「日本農林規格等に関する法律(JAS法)」「食品表示法」「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」「著作権法」「商標法」「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(男女雇用機会均等法)」「職業安定法」等の規制を受けており、虚偽または誇大な表示・広告の禁止等、適正な広告・表示が求められております。
消費者との取引においては、「消費者契約法」、販売形態によっては、禁止行為、解約事項等を規定した「特定商取引に関する法律」等の規制を受けることがあります。
また、住宅事業については、「建築基準法」「住宅の品質確保の促進等に関する法律(住宅品質確保促進法)」「宅地建物取引業法」「国土利用計画法」「都市計画法」「建設業法」「建築士法」等の法的規制を、アパレル関連事業については、「製造物責任法(PL法)」「日本農林規格等に関する法律(JAS法)」等、リユース事業については、「古物営業法」「犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯罪収益移転防止法)」等による規制を受けております。
その他、特許権、商標権、意匠権等の知的財産権により、当社グループの各種商品・サービスの自社権益の保護に努める一方、他社の権利を侵害することがないよう、各種商品・サービス開発にあたっては十分な注意を払っております。
これらの各関係法令において、予期せぬ法律規制強化があった場合や何らかの法規制に抵触する行為を行った場合等においては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性の程度及び時期について現時点では認識しておりませんが、当社グループにおいては、上記のとおり様々な事業を運営していることから、当社の経営企画本部が主導となり、グループ全体にて関係諸法令のチェック体制およびコンプライアンス体制の整備、社員教育の実施および社内管理体制の強化を推進し、グループ各社の法務担当との連携及び必要に応じて外部の専門機関を活用するなど、各種関連法規を遵守し業務を遂行するよう努めております。
② 商品・サービスの安全性について
当社グループの主力事業であるパーソナルトレーニングサービス「RIZAP」及び子会社で運営するスポーツジム等の各種トレーニングに関連するサービスにおいては、顧客にパーソナルトレーニングやトレーニングの場の提供を行っており、運営する施設内で事故が発生した場合、当社グループは賠償請求を受ける可能性があります。
また、要件を満たさない商品の製造過程、原材料の使用や異物混入等を防止できなかった場合には、「製造物責任法(PL法)」に基づき損害賠償請求の対象となる可能性があります。
住宅事業においては、施工した物件に重大な瑕疵があるとされた場合には、直接的な原因が当社子会社以外の責任によるものであったとしても、施工主として瑕疵担保責任を負う可能性があります。
さらに、これら商品・サービスの事故が発生した場合には、安全性に関する悪い風評が発生する可能性もあります。このような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性の程度及び時期について現時点では認識しておりませんが、サービスの提供を行うにあたり、顧客の安全性には十分に配慮しております。また、各種商品の製造・品質管理においては、製造工程、仕入先及び梱包作業委託先に対し、使用原材料及び製商品の安全性及びトレーサビリティを確保するため、定期的な監査の実施、必要に応じ製造現場及び関連施設への視察および状況報告の依頼、並びに発注品及び納期管理等の指導を実施しております。
③ 個人情報の保護について
当社グループは様々な事業において、顧客の個人情報を取り扱っておりますが、万一、外部からの不正アクセス等により個人情報が社外に漏洩した場合、損害賠償請求や社会的な信用失墜により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は、一定程度あるものと認識しております。個人情報保護においては、「個人情報の保護に関する法律」の遵守は勿論のこと、個人情報の取扱いを定めた個人情報管理規程やルールの策定及び運用徹底、従業員教育の実施、個人情報へのアクセス権限は承認が必要など、情報システムのセキュリティ強化等を行っており、当社グループでは、個人情報を厳正かつ慎重に管理しております。
また、当社の経営企画本部が主管となり、当社設置の個人情報管理事務局および当社グループの情報セキュリティを推進する情報セキュリティ小委員会が主導となり、各グループ会社の情報セキュリティおよび個人情報管理の担当部署と連携し、各社の個人情報保護における管理体制の把握および体制構築の支援等を通じて、グループ全体における個人情報管理の適正性の把握に努めております。
(3)財務に関するリスクについて
① 財務全般に関するリスクについて
当社グループは、2022年9月28日に発表した中期経営計画に基づき、RIZAPにおける知見・ノウハウを進化させた新規事業である chocoZAP事業を本格展開させるため、当期をchocoZAP事業への戦略的投資を集中する「先行投資期間」と位置付けておりました。
当期は、chocoZAP事業への戦略的投資の加速、小売事業を中心とした不採算店舗の減少および減損損失、これらに伴うRIZAP株式会社およびREXT株式会社における短期的な損益の一時的な悪化による繰延税金資産の取崩しにより、2023年2月14日に通期業績予想の下方修正を公表いたしました。
しかしながら、2月以降のchocoZAP事業の新規出店数増加に伴う関連費用の増加および会員募集のための広告・販促投資の強化、ライフスタイルセグメントを中心とした既存事業の減益、支払利息等の金融費用の増加、組織再編の見送りによる税効果の変更などにより、営業損失は4,505百万円、親会社の所有者に帰属する当期損失は12,733百万円を計上いたしました。
これらの結果、金融機関との間で締結した金銭消費貸借契約における財務制限条項の一部に抵触している状況にありますが、当社は、主な取引金融機関より、期限の利益喪失請求権の権利行使は行わないという方針について了承を得ております。具体的には、当社が、新規事業chocoZAPの推進、既存事業の収益の改善、当社グループ全体のコスト最適化ならびに財務管理体制の強化、当初想定していたグループシナジーが見込めない周辺事業の売却等を含めた経営計画を遂行することを求められております。
また、当期の連結キャッシュ・フローにおいては、投資活動によるキャッシュ・フローはchocoZAP事業の大規模な出店等により7,106百万円の支出となりました。また、chocoZAP事業の広告投資の強化、REXT事業における不採算店舗の損失拡大に伴い、営業活動によるキャッシュ・フローは247百万円の収入と前期より9,759百万円の悪化となっております。財務活動によるキャッシュ・フローに含まれるIFRS第16号(リース会計基準)の適用に伴うリース負債の返済による支出10,580百万円を控除した営業活動によるキャッシュ・フローは10,333百万円の支出となりました。当初想定していたグループシナジーが見込めない周辺事業の売却に想定以上に時間を要していることなどから、現金及び現金同等物の期末残高は前期末の24,119百万円に対して当期末は15,832百万円に減少しております。
当社では、昨年9月に発表した中期経営計画に基づき、2024年3月期も引き続き、新規事業chocoZAPへの成長投資と既存事業の収益成長による持続的成長に向けた経営基盤の構築を目指してまいります。
具体的には、グループ横断的なコスト最適化や業務合理化による固定費の削減、不採算店舗の高収益業態への転換や統廃合などを進め、収益性の向上を目指してまいります。加えて、グループ資金の活用、銀行以外の金融機関からの資金調達、資金調達施策の遂行状況と連動した出店投資・広告宣伝投資の抑制などのキャッシュ・フロー改善施策を推進しており、後発事象に記載のとおり資金調達についても計画に沿って実行されております。さらに、資産流動化施策の推進、周辺事業の売却、および当社グループ全体の財務管理体制の強化等により事業活動に必要な資金を確保するための施策を講じることにより、当面の資金状況は安定して推移する見通しです。
以上のことから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
② 減損・評価減等のリスクについて
当社グループは様々な商品を販売しております。また、店舗の運営を行う事業もあります。
商品につきましては、流行や顧客の嗜好の変化、競合による画期的な新商品の発売等、様々な要因により需要動向を見誤った場合には、販売が難しい余分な在庫を抱える可能性があり、基準に照らし必要な場合は評価減を実施いたします。
店舗につきましては、人口動態の変化や近隣への競合の出店等、様々な要因により、店舗の損益状況が計画を大きく下回った場合には、基準に照らし必要な場合は固定資産等の減損処理を実施いたします。
また、当社は、連結財務諸表について国際財務報告基準(IFRS)を任意適用し決算を行っております。IFRSにおいては、日本において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準と異なりのれんの定額償却が不要となります。一方、のれんの対象会社における経営成績悪化等により減損の兆候が認められる等、回収可能価額がのれんの帳簿価額を下回る場合、減損処理を行う必要が生じます。
このように評価減や減損処理を行い、その金額が大きい場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は、一定程度あるものと認識しております。当社グループでは、四半期毎に減損兆候について把握と改善計画を策定・実行しつつ判定を行うとともに、実質的価値が下落した保有資産については、保有継続可否の検討を行っております。また、店舗出店時における投資判断精度の向上に努め、過去の販売実績や需要予測に基づいて商品仕入れや商品開発を行うなど、在庫水準の適正化に努めております。
③ 契約管理システムについて
当社グループの主力事業であるパーソナルトレーニングサービス「RIZAP」及び子会社で運営するスポーツジム等の各種トレーニングに関するサービスにおいては、顧客との契約において、契約管理システムを使用しております。
RIZAP株式会社は、契約管理システムから、会計システムに情報を取り込む際に、RIZAPが提供している多種多様なサービス・物販に対応するため、売掛金残高や前受金残高を抽出する条件が広範に設定されております。また、抽出したデータから財務会計に基づくデータへ転換するため、前受金や売掛金に対して必要な調整を実施しており、調整項目は重要かつ多岐にわたっております。また、上記抽出データ及び調整データの多くは、外部業者を利用して抽出しており、売掛金および前受金の正確性に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は、一定程度あるものと認識しておりますが、正確性を担保するために、以下の対応を行っております。
まず、売掛金残高や前受金残高を抽出する条件が広範であることに対応すべく、前月残高と当月フロー情報との整合性を検証することにより、当月残高の妥当性を検証しております。
また、財務会計に基づくデータへ転換するための多岐にわたる調整項目に対応すべく、定型的な作業手順に従い金額を集計し、月次で調整項目の金額が契約の実態を反映しているか検討しております。加えて、調整項目の明細より、相当数のサンプルを抽出し契約単位で調整内容の適切性を確認しております。
さらに、これら一連の作業工程の正確性を検証すべく、会計システムに反映される調整後の売掛金残高および前受金残高明細より、相当数のサンプルを抽出し、契約書等との整合性を確認しております。
上記対応を行うことでリスクの低減に努めております。
(4)事業に関するリスクについて
① 業界及び市場環境に関するリスク
当社グループの商品・サービスは、一般消費者を顧客とするものが多く、様々な要因により、需要動向が変化いたします。景気の動向、流行や顧客の嗜好の変化、技術革新による画期的な新商品及び代替品の発売や、競合企業との激しい競争等により業界・市場環境に急激な変化があり、当社グループの商品・サービスが陳腐化する事態となった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性及び時期について予測することは困難ですが、当社グループはそのような業界・市場環境に左右されないよう、常に顧客の要求に応えることのできる商品・サービスの開発や改良に努めております。また、新たな事業の展開、商品・サービスの提供の推進やEC領域の強化など販路の拡大を図り、堅固な収益基盤の構築に努めております。
② 店舗出店に関するリスク
当社グループは事業により、店舗を出店し商品の販売、サービスの提供を行っております。
よって、店舗出店は当社グループの各事業の戦略上、非常に重要でありますが、希望するエリア、施設等に出店条件に適う物件がなく、出店が滞る場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの店舗の多くが賃貸物件となりますが、店舗賃貸のための保証金や敷金を貸主に差し入れております。貸主により異なりますが、基本的には保証金や敷金は契約期間が満了しなければ返還されず、倒産やその他貸主の事由により、返還されるべき保証金や敷金の一部もしくは全部が回収出来なくなることで、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 海外での生産・事業展開に伴う為替や政情等に関するリスク
当社グループの商品の中には、BRUNO株式会社における家電製品、REXT株式会社、ナラカミーチェジャパン株式会社における衣類・雑貨等、アジアを中心に海外で生産し輸入しているものがあります。また、BRUNO株式会社における家電製品、株式会社ジャパンギャルズにおける化粧品や美容機器、MRKホールディングス株式会社における婦人用下着等、アジアで展開している商品・サービスもあります。
そのため、為替の動向による円換算での仕入価格の上昇又は販売価格の低下、また、現地で調達される原材料費や人件費等が当社グループの想定を超えて上昇した場合に仕入価格が上昇する等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、各国における政治・経済状況の変化、法律・税制の改正、貿易問題の発生、自然災害や戦争等の発生等により、当社グループの商品仕入及びビジネス展開に悪影響が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす場合があります。
当該リスクが顕在化する可能性の程度及び時期について予測することは困難ですが、為替予約利用による為替相場の急激な変動によるリスクの低減や、生産拠点の複数化(中国、フィリピン、台湾を中心としたアジアや、アメリカ)による仕入の安定化を図っております。また、海外への事業展開については、国内販売とのバランスを考慮しながら、リスク分散に努めております。
④ 情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、多くのITシステムを使用しておりますが、予期できない情報システム障害や情報セキュリティ事故により、情報システム基盤や通信回線の重大な障害、或いは経営に係る機密情報の漏洩等が発生する可能性を完全に排除することはできず、そのような事態が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は、一定程度あるものと認識しております。自社管理の情報システムのシステムバックアップの取得、外部サービスのデータバックアップの実施、これらのバックアップ復旧手順の作成等のバックアップ体制の整備、内外からの不正アクセス防止、ネットワークやデータベースへのアクセス制御などのセキュリティ対策を実施しております。機密情報、個人情報等の管理については、情報セキュリティの強化等により社内管理体制の徹底強化に努めるとともに、従業員に対する情報管理、情報セキュリティに関する指導を定期的に実施しております。
また、グループ全体の情報セキュリティ活動を統括する組織として情報セキュリティ小委員会を設置し、当委員会の主導のもと、グループ共通ルールである情報セキュリティ基本規程の周知、各グループ会社の情報セキュリティ担当部署と連携し、各社の情報セキュリティ体制の把握及び体制構築の支援等を通じて、グループ全体の情報セキュリティ体制の推進を図っております。
⑤ 災害の発生に関するリスク
当社グループの各事業は、日本全国各地に店舗を展開しており、また、取引先も全国に点在しております。
大地震や集中豪雨等の自然災害や、テロ、大規模な事故の発生等により、当社グループの各事業が運営する店舗の休業、仕入先の生産停止、配送網の寸断、データセンターの停止等が発生した場合は、当社グループの事業運営に支障をきたし、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性の程度及び時期について予測することは困難ですが、事業継続計画(BCP)を整備し、緊急時の被災状況等の情報収集体制の確立、お客様や従業員等の安全確保と事業継続に向けた体制の構築に努めております。また、避難・防災についての教育訓練を定期的に実施するとともに、万一当該リスクが顕在化した場合であっても影響の少ない営業所において事業活動を継続するための物流の複数拠点化、仕入れ先の生産停止の影響を最小限に抑えるために同一商品において取引先工場を複数設けるなどリスク低減に努めております。
⑥ 感染症に関するリスク
感染症の拡大または予防のための外出自粛、事業及び店舗の休業、営業時間の短縮、感染症の発生に起因した当社グループのサービスの提供遅延又は中止等により深刻な経済的影響が生じ、市場の縮小や個人消費の冷え込み等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。感染症の発生及び感染拡大が生じた場合には、当社グループは従業員の安全を確保するとともに、当社グループの事業に対する影響の把握及び事業継続のために必要な対処の検討・実施をいたします。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社は、前連結会計年度において、株式会社アクトの事業を、当連結会計年度において、株式会社ビーアンドディーを、それぞれ非継続事業に分類しております。
以上の結果、当期において、前述の非継続事業に分類した会社につきましては、「非継続事業からの当期損失(親会社所有者帰属)」として継続事業と区分して表示しています。
当期及び前期の数値は、上記それぞれの内容を反映させた形で表示、比較・分析を行っております。
(1)財政状態及び経営成績の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当期の売上収益は160,519百万円(前期は160,963百万円、前期比0.3%減)、営業利益は△4,505百万円(前期は5,816百万円)、親会社の所有者に帰属する当期利益は△12,733百万円(前期は2,131百万円)となりました。
当期は、円安の長期化や、原材料・エネルギー資源の高騰、新型コロナウイルス感染症第8波の拡大など、依然として先行き不透明な経営環境が続きました。
このような中、当社グループにおいては、2022年9月に発表した「コンビニジム」chocoZAP事業が、同年11月に発表された日経トレンディにおける「2023年ヒット予測100」で「コンビニジム」として総合1位を獲得するなど、幅広いメディアでの大きな反響を頂く中で、chocoZAPへの入会者は当初の計画を上回るペースで増加し、2023年3月末時点の会員数はchocoZAPブランド開始直前(2022年6月末会員数 2.2万名)と比較して約16倍の35万名超と急成長しております。一方で、ライフスタイルセグメントにおける小売事業を中心とした不採算店舗の減少等の影響もあり、売上収益はわずかながら減収となりました。
利益面につきましては、グループ機能統合プロジェクト「ONE RIZAP」の方針の下、グループ横断的なコスト最適化などの経営合理化策を引き続き推進する一方で、2022年9月28日公表の中期経営計画にて、当期および2024年3月期をchocoZAP事業への戦略的投資を加速させる先行投資期間として位置付け、当社連結子会社であるRIZAP株式会社においてchocoZAP店舗の出店投資の加速やchocoZAP及びRIZAP既存事業の広告・販促投資の規模拡大を行ったこと等により、同社は前期比7,737百万円の営業減益となりました。これらにより、同社の短期的な損益が一時的に悪化するため、当期において繰延税金資産の取崩し3,328百万円を計上いたしました。
また、中期経営目標である2026年3月期連結営業利益300億円の達成に向けて、今後の成長に向けた潜在的なリスクを先送りせず、REXT株式会社等において過去3年に亘るコロナ禍で業績が悪化した小売店舗を対象に個別の店舗収益力等を保守的かつ慎重に見積もり、当期において有形固定資産及び使用権資産に係る減損損失1,548百万円を計上いたしました。なお、これらの店舗においては、固定費率の極小化・坪あたり効率の最大化に向けた店舗改革施策として、可能な限り、chocoZAP事業への業態転換、REXT株式会社におけるリユース事業・トレーディングカード事業・新規事業等の高収益業態への転換を進め、閉店店舗数を限定的にすることにより、当社グループ全体として、コロナ禍終息後を見据えた成長戦略の実行に向けた対策を講じてまいります。当該状況を前提に、当社連結子会社であるREXT株式会社の短期的な損益が一時的に悪化するため、当期において繰延税金資産の取崩し1,147百万円を計上しております。
セグメント別の事業概況は、次のとおりであります。当連結会計年度より、当社は夢展望株式会社を「インベストメント」セグメントから「ライフスタイル」セグメントに変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 6.セグメント情報(2)報告セグメントの変更に関する事項」をご参照ください。
(ヘルスケア・美容)
RIZAP関連事業は、2022年9月より、新規事業「chocoZAP」を本格展開しております。chocoZAPは、誰もが簡単に、毎日の生活に運動習慣を定着させることができ、毎日最短5分の運動で健康効果を得ることができる、RIZAP発の運動初心者向け「コンビニジム」です。2023年3月末時点の会員数は35万名超と急成長を遂げている中、入会希望のお客様の強い需要に即応するため、当初計画において今期末300店としていた出店目標を450店超に上方修正し出店投資を加速させ、2023年3月末には479店に達しております。
既存のボディメイク事業においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により厳しい経営環境が継続しておりましたが、2022年2月より導入した継続型新会員制度「プライムサービス」への既存会員からの移行や新規会員の獲得が順調に進捗した結果、会員の継続率およびLTV(お客様一人あたりの生涯売上)が上昇し、サブスク型(生涯型)ビジネスモデルへの転換に成功しております。
MRKホールディングス株式会社は、婦人下着及びその関連事業においては、2023年2月に補整下着の基幹シリーズのカーヴィシャスより、新商品「カーヴィシャス カレス」を発売するなど、新商品や限定商品を投入いたしました結果、増収増益となりました。また、婚礼・宴会関連事業においては、行動制限の緩和により、企業の法人宴会の再開が進んだ他、様々なイベントの開催など会場利用の方法の多様化に対応し、顧客ニーズに沿った法人営業を強化した結果、売上は回復基調で推移いたしました。さらに、美容関連事業においては、若手スタイリストの育成が進むなど、着実に収益基盤の強化が進み増収増益となりました。これらの結果、MRKホールディングス株式会社では増収増益となりました。
この結果、ヘルスケア・美容セグメントの売上収益は44,954百万円(前期は44,820百万円、前期比0.3%増)、営業損失は5,657百万円(前期は1,345百万円の利益)となりました。
(ライフスタイル)
REXT株式会社においては、まずエンターテイメント事業において「高収益業態への転換」と「仕入れ型小売業からの脱却」をテーマに、今期よりトレーディングカードを中核商材と位置づけ、新星堂mozoワンダーシティ店をトレーディングカード専門店「DuelStade Ganryu」へ業態転換いたしました。また、引き続き、アミューズメント機の増台を14店舗で行い店舗の高収益化へ注力し、リユース事業との融合の一環として、ホビーリユース専門の鑑定士による査定、買取イベント「買取鑑定会」の実施を18店舗に拡大したことから、ホビーリユース分野については増収増益となりました。しかしながら、巣ごもり需要の減少の影響を受けたことで減収減益となりました。
リユース事業においては、収益効率及び顧客体験の向上を目指し、引き続きセルフレジ導入やEC出品撮影の自動化などDX推進に注力するとともに、商品力の強化を目指し、旗艦店舗を中心にブランドアパレルやスニーカー等の高付加価値商品の導入を推進しております。また、円安の流れを汲みインバウンド強化店舗を設定、ブランド高額商品を中心とした適材適所の商品配置により需要の取り込みを強化したことで減収増益となりました。
アパレル事業においては、消費低迷や顧客の購買志向の変化等を鑑み利益率及び売上状況の改善を進めてまいりました。利益率改善策としてリユース事業と協力した古着や高額ブランド商品の販売を2店舗で開始いたしました。また、売上状況改善施策として従来の知名度を活かしつつリブランディングを推進し、「大人カジュアル」をコンセプトとしたPB商品の開発及びVMDの見直しを進めております。また、引き続き新規顧客獲得に向けたSNSマーケティングを強化しており、LINE公式アカウントにおいて、ともだち数が3月末時点では460万人を超えておりますが、これら施策への投資の影響により減収減益となりました。
雑貨事業においては、引き続きオリジナルIPコンテンツFuku Fuku Nyanko(ふくふくにゃんこ)を軸にPB商品強化及び新規IPの拡充を行うとともに、「大人かわいい」をコンセプトに据えたリブランディングを推進しております。また、引き続き新規顧客獲得に向けたSNSマーケティングを強化しており、LINE公式アカウントのともだち数が3月末時点で500万人を超えておりますが、これら施策への投資の影響により減収減益となりました。これらの結果、REXT株式会社では減収減益となりました。
BRUNO株式会社は、年末商戦において福袋が完売するなど好調であり、ライフスタイル商品ブランド『BRUNO』は、国内販売において、1月以降、外出機会の増加から、水筒・ボトル等アウトドア関連商品が売上を伸ばしました。キッチン家電商品においては、「スチーム&ベイクトースター」が前年を上回る台数を販売、また今年になって発売した焼肉やグリル料理で気になる油はねや煙・ニオイの悩みを解決した新しいホットプレート「コンパクトグリルホットプレート」も売上に貢献いたしました。しかしながら、家中需要が落ち着きを見せたことから、他のキッチン家電商品は売上を伸ばすことはできませんでした。海外販売におきましては、「グリルサンドメーカー」が中国・台湾で好評を得ました。しかしながら、国内の物価高やアジア圏における巣ごもり需要が落ち着いたこともあり、『BRUNO』の売上高は前年同期比88%にとどまりました。また、トラベル商品ブランド『MILESTO』は、旅行需要の回復や出張機会の増加等により、キャリーやトラベルバッグなど各種トラベル関連商品の売上が伸び、『MILESTO』の売上高は前年同期比121%と拡大しました。
夢展望株式会社は、第1四半期及び第2四半期は、2022年5月以降の各社の販売価格引き上げなどにより、辛うじて前年同期比営業損益、最終損益共に改善しましたが、中核事業であるアパレル事業が暖冬などにより年間の繁忙期である第3四半期に苦戦を強いられ、売上は微増したものの減益となりました。その結果、通期では、グループ内の新規事業により増収増益となったトイ事業が下支えとなり売上は前期比増加しましたが、営業損益、最終損益共に前期比減益となりました。これらの結果、夢展望株式会社では増収減益となりました。
この結果、ライフスタイルセグメントの売上収益は87,440百万円(前期は87,712百万円、前期比0.3%減)、 営業利益は1,412百万円(前期は3,503百万円、前期比59.7%減)となりました。
(インベストメント)
SDエンターテイメント株式会社は、構造改革の第2フェーズとして、主力であるウェルネス事業の成長戦略等に取り組み、フィットネス事業においては新たなサービスとして、キッズスクールの開校や子供向けパルクール教室を開講し、また地域に密着したサービスの提供を行い会員獲得等に注力しました。保育事業は、園児の運動能力向上を目的としたサーキットプログラムを「カメリアキッズ×RIZAP×湘南ベルマーレ」で共同開発し、特長あるサービスを提供することで成長をサポートし園児充足率向上に向けた活動を推進し、介護事業ではデイサービスを縮小しつつ訪問介護・グループホームの強化を図りました。これらの結果、SDエンターテイメント株式会社では減収増益となりました。
堀田丸正株式会社は、継続した構造改革と収益力向上ならびに成長のための投資を行い、事業ポートフォリオの最適化に取り組んでまいりました。当連結会計年度においては、前期にベビー・キッズ卸事業ならびに寝装卸事業から撤退した影響がありましたが、ファッション関連消費の回復に伴い、ファッション事業ならびにマテリアル事業が好調に推移した結果、前年に比べ売上高は増加し、営業損失は改善いたしました。これらの結果、堀田丸正株式会社では増収増益となりました。
この結果、インベストメントセグメントの売上収益は30,716百万円(前期は29,972百万円、前期比2.5%増)、営業利益は1,752百万円(前期は1,809百万円、前期比3.2%減)となりました。
なお、セグメント間の内部売上収益2,591百万円、親会社である当社の管理部門費用など、各セグメントに配賦不能なセグメント利益の調整△2,012百万円があるため、グループ全体としての売上収益は160,519百万円、営業損失は4,505百万円となりました。
b.財政状態
(資産)
流動資産は、前期末に比べて6,301百万円、8.6%減少し、67,196百万円となりました。これは主として、現金及び現金同等物が8,287百万円減少した一方で、営業債権及びその他の債権が1,044百万円増加したことによるものです。
非流動資産は、前期末に比べて9,204百万円、13.9%増加し、75,494百万円となりました。これは主として、chocoZAP事業の出店加速等により使用権資産が7,811百万円、有形固定資産が5,165百万円増加した一方で、広告・販促投資の規模拡大による短期的な損益の一時的な悪化により繰延税金資産が3,922百万円減少したことによるものです。
この結果、資産合計は、前期末に比べて2,902百万円、2.1%増加し、142,691百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前期末に比べて13,259百万円、21.2%増加し、75,921百万円となりました。これは主として、有利子負債が15,301百万円増加した一方で、営業債務及びその他の債務が1,427百万円減少したこと、その他の流動負債が637百万円減少したことによるものです。
非流動負債は、前期末に比べて1,494百万円、3.6%増加し、42,559百万円となりました。これは主として、長
期借入金および長期リース負債の増加により有利子負債が1,127百万円増加したこと、その他の金融負債が537百万円増加したこと、繰延税金負債が372百万円増加した一方で、退職給付に関わる負債が513百万円減少したことによるものです。
この結果、負債合計は、前期末に比べて14,753百万円、14.2%増加し、118,480百万円となりました。
(資本)
資本合計は、前期末に比べて11,851百万円、32.9%減少し、24,210百万円となりました。これは主として、親会社の所有者に帰属する持分の減少によるものです。
②キャッシュ・フローの状況
当期における現金及び現金同等物(以下「資金」)の残高は前期末に比べ8,287百万円減少し、売却目的で保有する資産に含まれる現金及び現金同等物の振戻額および振替額を加味すると、15,832百万円となりました。
各キャッシュ・フローの増減状況とそれらの主要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期における営業活動による資金の増加は247百万円(前期は10,006百万円の増加)となりました。主な要因は、減価償却費及び償却費が12,531百万円となったこと、減損損失が2,360百万円となった一方で、税引前当期損益が6,641百万円の損失となったこと、その他の支出が3,345百万円となったこと、営業債権及びその他の債権の増加に伴う支出が2,050百万円となったこと、法人所得税の支払額が1,872百万円となったことです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当期における投資活動による資金の減少は7,106百万円(前期は2,717百万円の増加)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出が7,180百万円となったこと、敷金及び保証金の差入れによる支出が1,751百万円となった一方で、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入が1,656百万円となったことです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当期における財務活動による資金の減少は1,490百万円(前期は22,513百万円の減少)となりました。主な要因は、短期借入れによる収入が15,990百万円となったこと、長期借入れ及び社債の発行による収入が2,578百万円となった一方で、リース負債の返済による支出が11,009百万円となったこと、長期借入金の返済及び社債の償還による支出が6,752百万円となったこと、非支配持分からの子会社持分取得による支出が2,519百万円となったことです。
③資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの事業活動における運転資金需要は、商品等の仕入費用、人件費、主に集客のための広告宣伝費、主に店舗運営のための地代家賃等であります。また、設備投資資金需要の主なものは、新規店舗開設のための有形固定資産等の取得にかかる費用であります。
運転資金および設備投資資金につきましては、内部資金の活用、金融機関からの借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース負債を含む有利子負債の残高は82,785百万円、現金及び現金同等物の残高は15,832百万円となり、ネット有利子負債は主にリース負債の影響により、66,953百万円(前年同期比58.5%増)となりました。
④生産、仕入、販売及び受注の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 |
前年同期比(%) |
|
|
ヘルスケア・美容 |
(百万円) |
1,212 |
111.6% |
|
ライフスタイル |
(百万円) |
3,842 |
77.1% |
|
インベストメント |
(百万円) |
2,837 |
96.6% |
|
合計 |
(百万円) |
7,893 |
87.6% |
(注)1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 金額は、製造原価によっております。
3 上記の金額には、非継続事業に係る金額は含まれておりません。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 |
前年同期比(%) |
|
|
ヘルスケア・美容 |
(百万円) |
16,681 |
101.3% |
|
ライフスタイル |
(百万円) |
44,148 |
103.9% |
|
インベストメント |
(百万円) |
22,325 |
113.3% |
|
合計 |
(百万円) |
83,155 |
105.7% |
(注)1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 金額は、仕入価格によっております。
3 上記の金額には、非継続事業に係る金額は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 |
前年同期比(%) |
|
|
ヘルスケア・美容 |
(百万円) |
43,589 |
99.5% |
|
ライフスタイル |
(百万円) |
87,027 |
99.4% |
|
インベストメント |
(百万円) |
29,902 |
101.2% |
|
合計 |
(百万円) |
160,519 |
99.7% |
(注)1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、非継続事業に係る金額は含まれておりません。
d.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 |
|||
|
受注高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
|
|
ヘルスケア・美容 |
1,145 |
223.1% |
278 |
262.9% |
|
インベストメント |
9,259 |
93.0% |
777 |
93.4% |
|
合計 |
10,404 |
99.4% |
1,056 |
112.6% |
(注)1 ライフスタイルについては、該当事項がないため記載しておりません。
2 上記の金額には、非継続事業に係る金額は含まれておりません。
⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号)第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計方針、見積りの詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記」の「3.重要な会計方針」「4.重要な判断及び見積り」をご参照ください。
該当事項はありません。
該当事項はありません。