当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間(2024年3月1日から2024年5月31日)におけるわが国経済は、緩やかな回復基調が続いているものの、各国の経済情勢および金融政策の不確実性、円安の進行による資源・エネルギー価格の高騰やサービス価格の上昇などにより、景気の先行きは依然不透明な状況が続いております。
当社グループの主力事業である食品スーパーマーケット業界におきましても、長引く物価上昇や実質賃金のマイナスが継続していることなどによりお客様の節約志向や買い控えの傾向が続くなか、大手小売業の地方撤退や新規勢力の出店拡大など、業界再編も含め業種・業態を越えた企業間競争が加速しております。加えて、電気料金や建築資材コスト、人件費等の上昇も影響し、経営環境は厳しい状況が続いてまいりました。
このような事業環境の下、当社グループは「競合は成長の粮(かて) 協業の力を高め 良い品を納得の価格で提供し 使命を果たす。」を年頭方針として掲げ、業界再編や商圏内における新たな競合の発生は、当社グループの企業体質向上の機会と捉え、お客様のために「良い品」を「納得価格」で提供できるよう、様々な施策に取り組んでまいりました。
当社は、従来以上にスピード感のあるグループ展開を目指すため、本年5月28日に代表取締役会長・CEO、代表取締役社長・COO、取締役副会長・CFOで構成される「3C体制」(※1)を中心とした新経営体制へ移行いたしました。CEO はグループの最高経営責任者として業界再編への対応や M&A等の積極的な推進に注力し、COO はグループ全体の営業力強化に関する業務を管掌、CFO は財務・資本戦略や人的資本経営の強化に関する業務を管掌するなど、新体制による役割分担の明確化、意思決定の迅速化を図ってまいります。
加えて、当社の主要子会社である㈱ラルズについても本年5月16日に新代表取締役社長が就任し、新体制のもとで当社グループの「3C体制」推進のための主軸として、激化する企業間競争にスピード感を持って対応してまいります。
営業面においては、差別化を図る取り組みとして、青果・食肉部門では当社グループが展開する各地域の産直野菜や「かみふらの和牛」などのブランド肉、水産部門では「おさかな食堂」や「さかなやの寿司」と銘打った店内調理の惣菜、冷凍食品では「時短・簡便」に対応した調理済み商品の品揃えを拡充してまいりました。また、当社グループのプライベートブランド(以下、「PB」と表記。)と位置づけているCGCブランドの中でも、特に物価上昇に対応するため「定番品を低価格で提供する『ショッパーズプライス』」や「大容量品を低価格で提供する『断然お得』」などのCGC商品を拡販し、価格訴求力を強化してまいりました。加えて、新日本スーパーマーケット同盟(※2)による取り組みとして、ご当地カップ麺などが当たる「5周年ありがとうキャンペーン」の実施や、塩こうじレモンぽん酢を始めとする同盟オリジナル商品の開発を継続して進めたほか、ドレッシングや焼肉のたれ等、商品開発力に定評のある㈱バローホールディングスのPB販売にも取り組んでまいりました。また、販売関連データをリアルタイム分析し、売れ筋商品や品揃え等の好事例を事業会社間で横展開するなど販売力強化に努めてまいりました。
そのほか、2024年2月に北海道コンサドーレ札幌とクラブパートナー契約を締結し、「RARAプリカ・コンサドーレカード」として、新規会員獲得による新たな顧客基盤拡大の取り組みも含めて強化した結果、会員数は327万人(前年差3.8万人増)となりました。RARAポイントについては、本年4月1日よりお客様の利便性向上のため、お買い物ギフト券との交換制から、1ポイント単位で即時決済可能となり、お客様からご好評をいただいております。
ネット販売の取り組みにつきましては、㈱ラルズが運営する「アークスオンラインショップ」において、引き続き会員ステージ制度(※3)の活用並びにインバウンド需要に対応すべく、リゾート会社との連携による外国人宿泊者向け販売の強化や、保育園・介護施設などの法人取引を深化してまいりました。また、前年にスタートした㈱ベルジョイスの運営による「アークスオンラインショップ」も順調に推移しており、2024年7月からは仙台市内での配送も予定しております。この結果、当第1四半期連結累計期間における「アークスオンラインショップ」の売上高は対前年同期比で約6割の増加となりました。加えて、Amazon社との協業による「Amazonネットスーパー アークス」につきましても、2024年6月より札幌市のほぼ全域へ配送エリアを拡大してまいります。
店舗展開につきましては、既存店の活性化として、㈱ユニバース2店舗、㈱ベルジョイス1店舗、㈱東光ストア1店舗の計4店舗の改装を実施いたしました。改装店舗のうち、㈱ベルジョイスの「(旧)スーパーロッキー江釣子店」はスーパーアークスへの業態変更を伴う改装、その他店舗については、冷凍食品・簡便調理商品の更なる強化のためリーチインケース(ガラス扉付冷凍ケース)の増設を図ったほか、ピザや季節野菜を使用したチーズ焼などの洋風惣菜、サラダや煮物など冷惣菜の拡充なども行ってまいりました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は1,488億24百万円(対前年同期比4.1%増)となりました。既存店売上高は対前年同期比3.6%増となり、その内訳は、既存店客数は同0.2%減、既存店客単価は同3.8%増となりました。既存店客単価の内訳は、1点単価は対前年同期比4.1%増、1人当り買上点数は同0.3%減と前年同期の低下水準からは増勢傾向となっております。
売上総利益率は25.1%と対前年同期比0.2ポイント低下し、売上総利益は同3.1%増に留まったこと、一方で、人件費や前述したポイント還元制度の変更による販売費の増加等により販管費額が同3.9%増加となった結果、各段階利益は、営業利益38億70百万円(対前年同期比2.8%減)、前年同期に計上された補助金収入の反動減などもあり経常利益は42億64百万円(対前年同期比4.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は26億64百万円(対前年同期比11.4%減)となりました。
(※1)「3C」とは、3名の役職の頭文字であり、正式名称は下記の通りです。
・CEO…Chief Executive Officer :最高経営責任者
・COO…Chief Operating Officer :最高執行責任者
・CFO…Chief Financial Officer :最高財務責任者
なお、「3C体制」への移行に伴い、当社社長室を「3Cオフィス」に変更し、代表取締役会長・CEO直轄の組織としております。
(※2)㈱バローホールディングス(本社:岐阜県)、㈱リテールパートナーズ(本社:山口県)、当社の3社により、2018年12月に資本業務提携契約を締結した地域密着型の独立系食品流通企業の連合体です。
(※3)アークスオンラインショップでの1か月間の購入金額に応じて3つのステージ(ダイヤモンド・プラチナ・ゴールド)を設定し、ステージに応じて特典を受けられる制度です。
(2) 財政状態の状況
(資産)
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末と比較して、31億61百万円増加し、2,781億33百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金が32億43百万円、売掛金が9億65百万円、及び棚卸資産が12億4百万円増加した一方で、未収入金が19億62百万円減少したことなどによるものです。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末と比較して、24億35百万円増加し、995億98百万円となりました。この主な要因は、買掛金が29億31百万円、未払費用が9億77百万円、賞与引当金が7億46百万円、及び長期借入金が5億63百万円増加した一方で、未払金が7億54百万円、及び未払法人税等が15億70百万円減少したことなどによるものです。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末と比較して、7億25百万円増加し、1,785億35百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が5億58百万円増加したことなどによるものです。
この結果、当第1四半期連結会計期間末の自己資本比率は、前連結会計年度末より0.5ポイント減少し64.2%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較して、32億43百万円増加し、779億75百万円(対前年同期末比45億54百万円の増加)となりました。
当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、75億26百万円(対前年同期比12.8%減)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益42億45百万円、減価償却費24億44百万円、賞与引当金の増加額7億46百万円、売上債権の増加額9億65百万円、棚卸資産の増加額12億4百万円、仕入債務の増加額29億31百万円、及び法人税等の支払額28億8百万円などによるものです。また、得られた資金が減少した要因は、仕入債務が減少したこと及び未払消費税等が減少したことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、24億31百万円(対前年同期比26.4%減)となりました。これは主に、店舗改装等に伴う有形固定資産の取得による支出20億26百万円などによるものです。また、使用した資金が減少した要因は、前期において新規出店や店舗改装の他、借地の自社所有化及び賃貸用不動産の取得に伴う有形固定資産の取得による支出が増加したことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、18億51百万円(対前年同期比58.9%減)となりました。これは主に、長期借入れによる収入20億円、長期借入金の返済による支出12億74百万円、及び配当金の支払額20億66百万円などによるものです。また、使用した資金が減少した要因は、長期借入れによる収入があったこと及び前期において自己株式の取得による支出が増加したことなどによるものです。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7) 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第1四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(8) 研究開発活動
該当事項はありません。
当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結はありません。