第2 【事業の状況】

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 業績の状況

当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、長らく続いたデフレから、物価と賃金が上昇する循環メカニズムへの転換が進みつつあり、緩やかな回復を続けています。その一方で、円安傾向の継続、資源・エネルギー価格の高騰に伴う物価高の進行など、個人消費の下押しリスクがあり、引き続き不透明な経営環境が続いております。

 

(国内事業)

当社グループの国内事業につきましては、当社グループの国内アパレル事業につきましては、春物アウターの稼働が伸びず店舗売上が前年同期比94.3%と苦戦しました。なお、ECについては、サードパーティーECの伸長があり、前年同期比100.5%と増加しました。また、適正価額の販売に注力しましたが、換金率が低下し、売上総利益率に影響しました。以上の結果、当第1四半期連結累計期間における国内売上高及び国内売上総利益は前年同期を下回りました。

また、販売費及び一般管理費は前年同期比98.9%に抑制しましたが、販管費率は前年同期比2.3ポイント上昇しました。以上の結果、営業利益率は前年同期比3.0ポイント減の3.8%となり、営業利益は前年同期を下回りました。

 

(海外事業)

戦略的事業パートナーであるBelle International Holdings Limited(以下、Belle社)との中国合弁事業につきましては、店舗スクラップ&ビルドを推進する中、前期の中国における個人消費冷え込み等の影響により中国事業の商品評価損が増加し、減収減益となりました。これに伴い、中国事業における持分法適用投資損失4億64百万円を営業外費用に計上しました。

米国事業については、EC及び卸売(高級百貨店、セレクトショップ向け)を中心としたビジネスモデルで日本製高級デニムを主とした販売に取り組んでおります。商品の供給安定化に伴い、受注が回復傾向となり、卸売が好調を示し、加えてECも伸長した結果、前年同期比増収となりました。

 

当第1四半期連結累計期間末における店舗数につきましては、国内店舗数は363店舗(直営店274店舗、FC店89店舗)、同海外店舗数は6店舗(直営店1店舗、FC店5店舗)、合計369店舗になりました。また、Belle社との合弁会社が展開する中国小売事業の店舗数は222店舗になりました。

以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は138億59百万円(前年同期比5.0%減)、営業利益は6億46百万円(前年同期比47.3%減)、経常利益は2億54百万円(前年同期比76.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3百万円(前年同期比99.5%減)となりました。

 

(2) 財務状態の分析

当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて7億17百万円増加して379億78百万円となりました。これは、現金及び預金が19億72百万円減少したこと、売掛金が15億50百万円増加したこと、商品が8億円増加したこと、無形固定資産が3億48百万円増加したこと等によるものです。

負債につきましては、前連結会計年度末に比べて16億92百万円増加して167億50百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が6億39百万円増加したこと、未払金が8億65百万円増加したこと、未払法人税が1億89百万円減少したこと、賞与引当金が1億57百万円増加したこと等によるものです。

純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて9億74百万円減少して212億28百万円となりました。これは、配当金の支払いにより利益剰余金が3億98百万円、資本剰余金が9億77百万円減少した一方、利益剰余金が親会社株主に帰属する四半期純利益により3百万円増加したこと、為替換算調整勘定が2億66百万円増加したこと、及び非支配株主持分が1億77百万円増加したこと等によるものです。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

当社は2030年2月期を見据えて、当初の計画(2022年2月期~2024年2月期)から計画期間を2年延長した新たな中期経営計画(2025年2月期~2026年2月期)をスタートさせました。2030年2月期に目指す姿として連結売上高1,000億円超の達成に向けた取り組みを強化して参ります。

 

(国内アパレル事業)

以下を重点施策として推進して参ります。

・重点強化・改廃ブランドの明確化:ブランドを4カテゴリーに分類し、経営資源を集中投下すべきブランド、立て直しが必要なブランドを整理し、新規・成長事業へ経営資源を再配分。

・戦略的な店舗スクラップ&ビルド:マーケットデータの分析体制を強化した上で、ブランド事業戦略に沿った店舗配置・運営形態を最適化。

・作りすぎないものづくり:外部・内部環境データに基づく将来需要をシミュレーションした上で、在庫リスクを定量的に可視化し、発注バランスの最適化に繋げる仕組みの構築。

・ニューリテールの取り組み:OMO強化を通じた、ビジネスの効率化と顧客利便性の向上の実現に向け注力。

・MOUSSYのさらなる進化:今後、海外市場におけるデニムカジュアルブランドのポジションを確立させ、さらなる成長と進化を推進。

 

(中国アパレル事業)

中国の経済成長が踊り場に来ていることを鑑みて、「売上高成長」から「利益追求」へ戦略をシフト致します。一方で、中国アパレル市場は米国に次いで世界第2位であり、引き続き当社の海外事業における重要な収益事業として位置付けて参ります。今後はさらなる利益追求のため、「店舗」「商品」「販売」の領域別に取り組みを強化致します。店舗については1級都市は直営店舗、1級都市以外は新たな運営形態の出店を検討し、本社MOUSSYチームによる中国旗艦店の開発にも取り組んで参ります。商品については、中国現地ニーズに合わせたグローカル品番の開発、中国富裕層向けのブランド・商品の展開を拡大して参ります。販売については優秀な販売員の集中配置などに取り組みます。

 

(米国アパレル事業)

世界のラグジュアリーデニム市場は50億米ドルを超える規模であり、引き続き成長拡大が期待されます。メイド・イン・ジャパンのデニムを武器に、企画、生産、販売の各領域を強化し、ラグジュアリーデニム市場に本格参入しシェア拡大を狙い、企画、生産、販売を強化して参ります。

 

(新規事業)

以下を始めとした施策に幅広く取り組んで参ります。

・新たな大人世代向けカジュアルブランドの立ち上げ:ファッション感度が高い40代以上の大人世代向けにわかりやすく、トレンドをミックスした新ブランドの提案。

・The SHEL'TTER TOKYOを活用したテストマーケティング:インバウンド顧客の多い旗艦店の立地の活用。

・中国合弁パートナーとのレディース靴事業の開発:中国合弁パートナーの強みである小ロット・短期リードタイムの柔軟な商品供給力を最大限に活かしつつ国内レディース靴市場への本格参入。

 

(事業を支える基盤の整備)

事業基盤整備の強化として以下の施策に注力して参ります。

・インオーガニック成長戦略:成長・強化が期待できる領域に対し、M&Aやパートナーとの資本提携、JVなどを視野に入れた取り組みを推進。

・デジタルマーケティングの取り組み:マイクロインフルエンサーの育成体制を構築。

・サプライチェーン更新:商品開発プロセスの見直し、ブランド戦略に合せたリードタイムの最適化、システムを活用した生産業務の効率化推進。

・基幹システムの刷新:業務の標準化、経営情報のリアルタイム化による意思決定のスピードアップなどを推進。

・環境変化に応じた人材育成と強化:全ての従業員にダイバーシティな成長機会を提供することで、より働きやすい・挑戦しやすい環境を整備。

 

 

(サステナビリティ)

環境のテーマでは、2031年2月期までに最終残在庫廃棄ゼロ・焼却ゼロの達成、CO2排出量の削減及び環境配慮素材の使用推進などに取り組んで参ります。社会のテーマでは自社デニムのリサイクル糸・生地の活用、リサイクル土壌への衣料提供の拡充などに取り組んで参ります。人のテーマでは、女性管理職比率45%以上の維持や従業員エンゲージメントの向上などに注力して参ります。

 

(目標とする経営指標)

本中期経営計画の最終年度(2026年2月期)及び2030年2月期に目指す指標は以下のとおりです。

 

2026年2月期

2030年2月期

連結営業利益率

3.0~4.0%

8.9%

在庫回転率

5.5~6.5回転

6.5回転

ROE

4.0~5.0%

15.0%

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。