第3【事業の状況】

 

1【事業等のリスク】

 

 当中間連結会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」から重要な変更があった事項は以下の通りです。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。

 

●当社の経営及び事業の継続性に関するリスク

 

当社グループは、前連結会計年度まで継続して重要な営業損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上し、当中間連結会計期間においても引き続き、営業損失1,194千米ドル(192百万円)、及び親会社株主に帰属する中間純損失1,654千米ドル(266百万円)を計上し、純資産が1,063千米ドル(171百万円)の債務超過となっております。また、当社グループのキャッシュ・フローは非常に厳しいため、引き続き既存の債務を返済するための資金が不足しております。これらの状況から、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。

 

当社グループは、これらの状況を解消するために、引き続き既存事業の拡大に注力しつつ、新規事業への投資を開始しております。具体的には、投資物件が安定した賃貸収入を生み出し、不動産価値に潜在的なキャピタルゲインを提供できることを考慮の上、投資目的で不動産を取得する予定です。また、当社グループの成長、経営安定化及び企業価値増大を目指し、収益力、将来性を具備する企業・事業の取得等戦略的投資活動を今後も積極的に推進していく予定であり、当該投資事業を通して、新しい収益源を獲得できるよう努めて参ります。加えて債務超過を解消するため、当社グループは、2024年5月13日公表の「上場維持基準(純資産基準)への適合に向けた計画の進捗状況ついて」にて記載の取り組みを実施して参ります。具体的には、既存事業からの収益で、債務超過を解消すること、また、当社の当面の運転資金を確保することが難しい状況であるため、連結純資産を増強すること、当面の運転資金を確保すること、並びに投資持株会社として、上記の不動産の取得及び企業・事業等に投資する事業を遂行するための資金を調達することを目的とし、第三者割当による増資(新株式及び/又は新株予約権の発行)を実施することで、2024年12月期末までに連結純資産の債務超過の解消を目指して参ります。当社が、本年これまでに実施した措置としては、(1) 2024年4月30日に、債務の返済、運転資金及び投資資金を調達するため、第三者割当(デット・エクイティ・スワップ)により普通株式704,500株及び新株予約権6,495,500個を発行したこと、(2) 2024年6月28日に、取締役会が、負債を更に削減するため2024年9月13日に開催予定の定時株主総会において株主の承認を得ることを条件に、第三者割当(デット・エクイティ・スワップ)により普通株式8,600,000株を発行することを決議したことなどが挙げられます。

 

しかしながら、これらの対応策は、計画実行途上ないし計画途上にあることから、現時点においては継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。

 

なお、中間連結財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を中間連結財務諸表に反映しておりません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

 経営者の視点による経営成績等の状況に関する主な注記は、以下のとおりです。

 以下の記述のうち、将来に関する事項は当中間連結会計期間末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析は、以下のとおりです。

 

(1)当中間連結会計期間における業績の分析

 

当社グループの報告セグメントは、「ライセンシング事業」、「メッセージング事業」及び「その他の事業」となっております。報告セグメントの概要につきましては「第5 経理の状況」の「1 中間連結財務諸表」の注記部分の(セグメント情報等)[セグメント情報]をご覧下さい。また、各々の事業に内容につきましては「第2 事業の内容」をご覧ください。

 

売上高

売上高は、前年中間連結会計期間(以下、「前年同中間期」といいます。)が1,222千米ドル(197百万円)であったのに対し、当中間連結会計期間(以下、「当中間期」といいます。)が1,122千米ドル(181百万円)でした。

前年同中間期と比較した当中間期における売上高の減少は、主としてメッセージング事業セグメントの売上高が減少したことによるものです。

当中間期のライセンシング事業セグメントの売上高は-千米ドル(-百万円)、当中間期のメッセージング事業セグメントの売上高は1,122千米ドル(181百万円)及び当中間期のその他の事業セグメントの売上高は-千米ドル(-百万円)でした。

 

売上原価

売上原価は、前年同中間期が749千米ドル(121百万円)であったのに対し、当中間期が590千米ドル(95百万円)でした。

前年同中間期と比較した当中間期における売上原価の減少は、主としてメッセージング事業セグメントの請負料が減少したことによるものです。

当中間期のライセンシング事業セグメントの売上原価は-千米ドル(-百万円)、当中間期のメッセージング事業セグメントの売上原価は590千米ドル(95百万円)及び当中間期のその他の事業セグメントの売上原価は-千米ドル(-百万円)でした。

 

売上総利益率

売上総利益率は、前年同中間期が38.7%であったのに対し、当中間期が47.4%でした。

前年同中間期と比較した当中間期における売上総利益率の増加は、主としてメッセージング事業セグメントの売上原価が減少したことによるものです。

当中間期のライセンシング事業セグメントの売上総利益率は-%、当中間期のメッセージング事業セグメントの売上総利益率は47.4%及び当中間期のその他の事業セグメントの売上総利益率は-%でした。

 

販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費は、前年同中間期が1,572千米ドル(253百万円)であったのに対し、当中間期1,726千米ドル(278百万円)でした。

前年同中間期と比較した当中間期における販売費及び一般管理費の増加は、主として支払手数料が増加したことによるものです。

当中間期のライセンシング事業セグメントの販売費及び一般管理費は2千米ドル(0百万円)、当中間期のメッセージング事業セグメントの販売費及び一般管理費は368千米ドル(59百万円)及び当中間期のその他の事業セグメントの販売費及び一般管理費は1,356千米ドル(218百万円)でした。

 

営業損失

前年同中間期における営業損失1,098千米ドル(177百万円)に対し、当中間期は1,194千米ドル(192百万円)の営業損失となりました。

前年同中間期と比較した当中間期における営業損失の増加は、主として支払手数料及び為替差損の増加によるものです。

当中間期のライセンシング事業セグメントの営業損失は2千米ドル(0百万円)、当中間期のメッセージング事業セグメントの営業利益は164千米ドル(26百万円)及びその他の事業セグメントの営業損失は1,356千米ドル(218百万円)でした。

 

経常損失

前年同中間期における経常損失が1,289千米ドル(208百万円)であったのに対し、当中間期は1,656千米ドル(267百万円)の経常損失となりました。

前年同中間期と比較した当中間期における経常損失の増加は、主として営業損失が増加したことによるものです。

当中間期のライセンシング事業セグメントの経常損失は2千米ドル(0百万円)、当中間期のメッセージング事業セグメントの経常利益は140千米ドル(23百万円)及び当中間期のその他の事業セグメントの経常損失は1,794千米ドル(289百万円)でした。

 

親会社株主に帰属する中間期純損失

前年同中間期における親会社株主に帰属する中間純損失が1,284米ドル(207百万円)であったのに対し、当中間期の親会社株主に帰属する中間純損失は1,654千米ドル(266百万円)でした。

前年同中間期と比較した当中間期における親会社株主に帰属する中間純損失の増加は、主として経常損失が増加したことによるものです。

当中間期のライセンシング事業セグメントの親会社株主に帰属する中間純損失は2千米ドル(0百万円)、当中間期のメッセージング事業セグメントの親会社株主に帰属する中間純利益は143千米ドル(23百万円)及び当中間期のその他の事業セグメントの親会社株主に帰属する中間純損失は1,795千米ドル(289百万円)でした。

 

(2)当中間連結会計期間末における総資産、純資産及び負債の状況に関する分析

 

総資産

前連結会計年度期末(以下、「前期末」といいます。)における総資産は12,041千米ドル(1,939百万円)であったのに対し、当中間連結会計期間末(以下、「当中間期末」といいます。)現在の総資産は11,406千米ドル(1,837百万円)となりました。

前期末と比較した当中間期末における総資産の減少は、主として現金及び預金の減少によるものです。

 

純資産

前期末における純資産総額は1,725千米ドル(278百万円)の債務超過であったのに対し、当中間期末現在の純資産総額は1,063千米ドル(171百万円)の債務超過となりました。前期末と比較した当中間期末における純資産総額の増加は、主として第三者割当によりデット・エクイティ・スワップ(DES)を実施したことによるものです。

 

負債

前期末における負債総額は13,766千米ドル(2,217百万円)であったのに対し、当中間期末現在の負債総額は12,469千米ドル(2,008百万円)となりました。前期末と比較した当中間期末における負債総額の減少は、主として短期借入金が減少したことによるものです。

 

(3)当中間連結会計期間におけるキャッシュ・フロー分析

 

営業活動によるキャッシュ・フロー

 前年同中間期における営業活動によるキャッシュ・フロー支出は1,257千米ドル(203百万円)であったのに対し、当中間期における営業活動によるキャッシュ・フロー支出は1,105千米ドル(178百万円)となりました。前年同中間期と比較した当中間期における営業活動によるキャッシュ・フロー支出の減少は、主として営業損失が増加したことによる部分的な相殺はありますが、流動資産の減少によるものです。

 

投資活動によるキャッシュ・フロー

 前年同中間期における投資活動によるキャッシュ・フロー支出は2,964千米ドル(477百万円)であったのに対し、当中間期における投資活動によるキャッシュ・フロー収入は145千米ドル(23百万円)となりました。当同中間期と比較した前年同中間期における投資活動によるキャッシュ・フロー支出の増加は、主として持分法適用会社の株式取得に係る対価を支払ったことによるものです。

 

財務活動によるキャッシュ・フロー

前年同中間期における財務活動によるキャッシュ・フロー支出は27,550千米ドル(4,438百万円)であったのに対し、当中間期における財務活動によるキャッシュ・フロー収入は335千米ドル(54百万円)となりました。前年同中間期における財務活動によるキャッシュ・フロー支出の増加は、主として前年同中間期において短期借入金を返済したことによるものです。

 

現金残高

 上記の「営業活動によるキャッシュ・フロー」、「投資活動によるキャッシュ・フロー」及び「財務活動によるキャッシュ・フロー」により、当中間期末の現金及び現金同等物の残高は724千米ドル(117百万円)となりました。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 

 当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)対処すべき経営上又は財務上の課題

 

 当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき経営上又は財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

 

 当社グループの研究開発活動は、新製品及び既存の製品の開発に注力しております。当社グループは、継続する事業活動の中で多くの資源を研究開発に費やし、当該活動に係る開発費は主にソフトウェア仮勘定として資産計上しております。製品又はサービスを市場に販売・提供開始する際に、当該開発費はソフトウェア仮勘定からソフトウェア勘定に振替えられ、見積耐用期間に渡り償却されます。一方、研究費は発生時に費用として認識されます。

 

 個々の開発プロジェクトは、各会計期間の期末にその認識基準が適用できるかについてレビューがなされ、認識基準が適用できないと判断された場合、資産計上していたものを直ちに損益計算書上の費用として認識します。

 

 なお、2024年6月30日現在において、ソフトウェア仮勘定として資産計上された研究開発費あるいは費用として計上された研究開発費はありません。

 

(7)継続企業の前提に関する疑義

 

 当社グループの継続企業としての能力は、既存事業及び新規ベンチャーの成長及び事業のための資金調達が成功するかに大きく依存しております。詳細は、「第5 経理の状況 注記事項 (継続企業の前提に関する事項)をご参照ください。

 

3【経営上の重要な契約等】

 

(1) リボルビング・クレジット・ファシリティーからの借入れ

2024年5月28日、当社は、当社の運転資金を確保するため、レン・イー・ハン氏(以下、「レン氏」といいます。)との間で契約しているリボルビング・クレジット・ファシリティーから 2.8百万香港ドル(58百万円)(注1)を引出し(借入れ)ました。

 

(注1)適用している換算レートは、2024年6月28日現在の株式会社三菱UFJ銀行の対顧客電信売買相場の仲値である1香港ドル=20.63円です。また、上記に関するより詳細な情報については、2024年5月28日付開示文書「リボルビング・クレジット・ファシリティーからの借入れについて」をご参照ください。

 

 (2) 第三者割当(デット・エクイティ・スワップ)による新株式の発行

2024年6月28日、当社の取締役会は、当社株主であるレン氏に対して、第三者割当(現物出資(デット・エクイティ・スワップ、以下「DES」といいます。)により新株式(以下「本新株式」といいます。)を発行(以下、「本第三者割当」といいます。)することを決議しましたので、以下のとおりお知らせいたします。なお、本第三者割当の実施は、2024年9月13日開催予定の定時株主総会(以下「本株主総会」といいます。)において、特別決議にて承認されることを条件とします。(注2)

 

募集の概要

1. 割当日及び払込期日

2024年9月13日(本株主総会開催予定日)

2. 発行新株式数

普通株式 8,600,000株

3. 発行価額

1株につき46.5円

4. 調達資金の額

399,900,000円

全てDESの払込の方法によります。

5. 募集又は割当方法

第三者割当の方法によりレン氏に全ての本新株式を割当てます。

6. 現物出資財産の内容及び価額

現物出資財産の対象となるのは、下記のとおりです。

レン氏よりFame Rich Enterprises Limited(以下「Fame Rich」といいます。)の株式30%を取得した対価の未払金52,685,381香港ドル(1,019,988,972円*)及びその利息98千香港ドル(1,900千円*)(2024年9月13日時点)のうち、399,900,000円 。

*を付して「円」で表示されている金額は、Fame Richの30%を取得する際に、当社及びレン氏との間で合意した為替レート1香港ドル=19.36円を使用しております。

7. その他

本株主総会において株主の皆様の承認を得ることを発行の条件とします。

(注2)上記に関するより詳細な情報については、2024年6月28日付開示文書「第三者割当(デット・エクイティ・スワップ)による新株式の発行及び支配株主の異動に関するお知らせ」をご参照ください。