(1)会社の経営の基本方針
当社グループ共通の経営理念として、以下の Purpose / Vision / Credo を掲げております。
Purpose(存在意義)「人と社会、環境との共生と調和を実現する」
・私たちは、不動産価値の創造を通じて、人と社会に豊かさを育みます。
・私たちが不動産の価値創造に取り組むとき、常に環境との共生を念頭において思考し、行動します。
・持続可能な世界を目指して、「人・社会・環境」の調和の実現に取り組みます。
Vision(ありたい姿)「不動産価値創造のプロフェッショナル集団」
・不動産の隠れた価値を見抜き、社会の変化を捉えた独自の発想力で潜在的ニーズとつなぎ、新たな価値を創造します。
・多彩な物件・サービスを最も適した手法で、幅広い顧客に届けるバリューチェーンを築きます。
・個の力を集結し、「不動産の達人」としてのプロフェッショナル集団を目指します。
Credo(信念)「空間は、もっと人の力になれる。」
(2)目標とする経営指標
当社グループは、これまで財務基盤の強化と収益性の向上を経営目標としておりました。しかしながら、最近の当社グループを取り巻く事業環境の変化が大きいことから、安定的な収益の確保にも注力し、経営成績の改善を進めてまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社は、1999年の創業以来、四半世紀にわたり企画開発力を活かして、都心部にデザイン性の高いレジデンスを開発する不動産デベロッパーとしてのブランドと地位を確立してまいりました。
最近5年間においては、2017年と2020年の第三者割当増資によって財務力が大きく強化され、加えて、2022年のグループ会社戦略の見直しにより、自己資本比率と手元流動性が大きく向上いたしました。
2022年12月9日に公表いたしました中期経営計画は、従来からのコアコンピタンス(強み)である企画開発力を基盤とし、強化された財務力を活かして、いかにして不透明な事業環境への対応をしつつ成長スピードを加速するかという二つの経営課題に的確に対応すべく策定しております。
まずは2023年9月期~2025年9月期の3か年を第1フェーズとして、事業面では、物流開発事業の立ち上げ、ファンドマネジメント事業の拡大、自己保有収益物件のポートフォリオ構築を主たるテーマとし、これらの実現を図る計画です。更に「金融」「国際」「DX」という3つのキーワードを掲げ、新たな資金調達手法の実現、アジア圏を中心とする海外顧客基盤の拡大、DXによる経営可視化などを促進してまいります。これらによって、「成長基盤」と「環境変化に対する耐性」の両面を強化してまいります。2026年9月期から始まる第2フェーズにおいては、第1フェーズを準備期間として位置づけたBtoBの国際事業や不動産金融事業を本格的に展開することを計画しております。両フェーズ通じて、ESGの観点から、環境に配慮した開発事業、ダイバーシティの推進、内部統制強化にも取り組んでまいります。
(4)経営環境及び対処すべき課題
当社グループは、将来にわたってグループの成長を継続させ企業価値の向上を実現するために、以下の課題に取り組んでまいります。
1)事業規模の拡大
限られた敷地を最大限生かし、素材、仕様、住環境などに配慮したデザイン力等の企画開発力の強みをより一層活かし、開発事業における規模及び棟数の拡大を図り、投資を活発化することで、優良な不動産をより多く世の中に供給していくとともに、利益率の向上を図ってまいります。
また、不動産開発事業の豊富な経験と国内外ネットワークを活用し、国内外投資家との共同投資ファンド、新たな私募ファンド組成、REIT等の不動産ファンドマネジメント事業へ参入し、事業の拡大を図ってまいります。
一方で、ロシア・ウクライナ情勢等地政学的リスクによるエネルギー問題や原材料価格の上昇による建設コストの高騰や建設技術者不足による労務費の高止まり等により従来の当社の事業スキームだけでは飛躍的な事業規模の拡大を図りにくい環境となっております。こうした環境下において、当社は、デジタル基盤の強化をはじめ、業務効率化を含む既存事業の改革やオンラインを通じた顧客接点の強化、資金調達チャネルの多様化を含む新規価値の創出、既存事業のトランスフォーメーションと金融・国際の2つの領域における新しいチャレンジを、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進により実現し、事業規模の拡大を加速してまいります。
2)安定的な収益の確保
優良な不動産をより多く世の中に供給し、利益率の向上を図ることで事業規模の拡大を図ってまいりましたが、事業環境の変化への耐性を強化するため、不動産賃貸事業、不動産ファンドマネジメント事業等のインカムゲインによる収益を確保し、安定した収益基盤の構築を推進してまいります。また、インカムゲインの源泉となる自己保有資産の拡大を進めてまいります。
3)資金調達手段の多様化と財務基盤の健全性確保
持続的成長のために、財務基盤の健全性を確保しつつ、資金調達手段の多様化に取り組んでまいります。
4)内部統制・コンプライアンスの強化
企業の社会的責任として、内部統制及びコンプライアンスに徹底して取り組んでまいります。関係法令・規則の遵守はもとより、お客様の情報管理等に対するセキュリティーポリシーを確立し、役職員一人ひとりの高い倫理観の醸成、社会的良識を持った責任ある行動を目指して社内教育を行ってまいります。また、反社会的勢力との関係に対しては、断固とした対応で臨むことにより一切の関係を遮断し、コンプライアンスに則った経営を行ってまいります。
5)優秀な人材の確保・育成
中長期的な経営戦略の遂行及び対処すべき課題への取組みに際して、変化に対応し社会的な価値を創出することのできる優秀な人材を確保し、持続的な成長を支え得る人材の育成及び、パフォーマンス最大化のための環境の整備・改善に注力してまいります。
6)リスクマネジメントへの取組み
事業環境の変化に対応するための適切なリスクテイクの意思決定に基づく当社グループの持続的成長と、中長期的な企業価値の向上を図るために、リスクマネジメントの強化を継続してまいります。また、新型コロナウイルス感染症のような非常事態においては、社会全体での取り組みが必要となりますが、当社グループにおいても、影響を見極め、役職員に向けた適切な対策を検討・実施してまいります。
当社グループは、以上のような経営方針の下、当社の発想力を発揮した事業展開を推進することで、着実な企業価値の向上を実現してまいります。
当社グループの事業内容その他に関するリスクについて、投資家の皆様の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業内容その他のリスクに該当しない事項についても、投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家の皆様に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、その発生の予防又は回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
また、以下の記載は本株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありませんのでご留意下さい。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経済状況及び不動産市況について
当社グループは、景気動向、金利動向、地価動向、不動産販売価格動向、不動産税制等の影響を受けやすいため、不動産市況の悪化、大幅な金利の上昇等、諸情勢に変化があった場合には、用地及び収益不動産の仕入、販売価格や販売スケジュール及び棚卸資産評価損の計上等、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(2)建築費等の増加に関するリスク
国内外の経済情勢等の影響による物価高騰などの問題が発生した場合には、施工会社にて調達する原材料価格が高騰し、建築費の上昇という結果をもたらす可能性がありますので、経済情勢や建築費等の動向を注視し、コントロールに努めております。しかしながら、建築費の増加分を販売価格や賃料に転嫁することができない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)法的規制等について
当社グループの属する不動産業界は、「建築基準法」、「国土利用計画法」、「都市計画法」、「宅地建物取引業法」等、建築や不動産取引に関わる多数の法令及び各自治体で定められる建築に関する条例等の法的規制を受けております。このため、将来におけるこれらの法的規制の改廃、大幅な変更、新法の制定等により、事業計画の見直しの必要が生じる場合やこれらの法的規制等に定める事項に違反した場合等には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4)業績の変動要因について
当社グループの不動産開発事業、不動産ソリューション事業における不動産の売却収入は、不動産売買契約締結後、顧客への引渡しが完了した時点で売上を計上しております。このため、当社グループの業績を四半期ごとに比較した場合、マンションの竣工や引渡しのタイミングにより売上高及び経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益が変動するため、四半期ごとの業績は必ずしも他の四半期の業績と比較して均一にはならず、各四半期の業績の偏重の度合は過年度の四半期業績と同様になるとは限りません。また、仕入計画の未達、販売の不振、不動産売買契約締結後のキャンセル、建築工期の遅延や建築確認手続の遅延等により引渡し時期が各決算期末を越えた場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5)棚卸資産の評価及び固定資産の減損に関する会計処理の適用等について
当社グループの不動産開発事業、ホテル事業において開発した販売用不動産、開発中の仕掛販売用不動産並びに不動産ソリューション事業において取得した販売用不動産について、経済情勢や不動産市況の悪化等により販売用不動産としての価値が帳簿価額を下回った場合には、棚卸資産の簿価切下げ処理に伴う評価損が発生し、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが安定的な収益及びキャッシュ・フローを長期的に獲得することを目的として保有している賃貸等不動産やその他の投資として計上している固定資産について、減損の兆候があり、当該資産の生み出す割引後将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回った場合は、減損損失が発生し、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、日本の会計制度は、国際財務報告基準導入に伴いそれまでの会計基準が大きく改訂される可能性があり、企業の財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(6)土壌汚染対策等について
土地の汚染調査や汚染の除去等の安全対策を義務付けた「土地汚染対策法」が2003年2月15日に施行されております。当社グループの分譲マンション開発事業及び不動産ソリューション事業における土地仕入に際しては、当該土地の過去の地目、所有者、住宅地図等から地歴を調査し、当該土地について土壌汚染の有無を検討しております。当該土地において過去に工場等の存在が確認され、汚染の可能性がある場合は土壌汚染調査を行い、土壌汚染が判明した場合には専門業者による汚染原因の除去等を実施しております。これらの土壌汚染対策費用や、当該土地の近隣地からの汚染物質の流入による二次汚染等の対策費用については、当社で費用負担が発生する場合があります。当社が取得を予定している土地や既に取得した事業用地において土壌汚染が発見された場合、追加的な土壌汚染対策費用の発生や土壌汚染の除去工事による建築スケジュールの遅延等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(7)開発物件に対する周辺住民からの訴訟等について
当社グループが事業化する開発物件については、関係する法律、自治体の条例等を十分検討したうえで、周辺環境との調和を重視した開発計画を立案するとともに、必要に応じて周辺住民に対し事前に説明会を実施するなど十分な対応を講じております。しかしながら、事業化する開発物件において、土壌汚染、当該近隣地域の日照・眺望問題等の発生に起因する開発遅延や、開発段階における建設中の騒音、物件の瑕疵の発見、管理状況に対するオーナーからのクレーム、入退去時の居住者とのトラブル等の発生を理由とする又はこれらに起因する訴訟その他の請求が発生する可能性があり、その場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(8)物件に纏わる費用について
不動産には、権利、地盤、地質、構造などに関して欠陥、瑕疵等が存在している可能性があります。当社グループは、建設マネジメント部により品質チェックを行って事業を推進しておりますが、欠陥、瑕疵等の状態によっては、資産価値の低下を防ぐために、予定外の費用を負担せざるを得ない場合があります。
また開発物件については、設計並びに建築工事等を設計事務所や建設会社等に発注しております。設計会社並びに建設会社の選定から工程の進捗に至るまで、入念に外注先管理を行っておりますが、外注先の倒産や工事中の事故などが発生した場合、工事の遅延・中止・建築費用の上昇などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)個人情報の漏洩について
当社グループは、多数のお客様の個人情報等をお預かりしております。当社グループでは、プライバシーマーク(認定番号第10700010(07)JIS Q15001:2006準拠)を取得しており、個人情報については、厳重に管理しております。また、社内の情報管理システムを強化するとともに、従業員等に対する教育・研修等により情報管理の重要性の周知徹底を行っております。しかしながら、これらの対策にもかかわらず個人情報が外部に漏洩した場合には、当社グループの社会的信用等に影響を与え、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(10)偶然不測の事故・自然災害について
火災、落雷、大雨及び地震等の天災や戦争、暴動、テロ等の人災により、当社グループの開発物件及び当社が保有している物件について滅失、劣化又は毀損等が生じた場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(11)契約不適合責任(瑕疵担保責任)について
当社グループが事業化する開発物件については、信頼しうる施工会社に建設工事を発注し、各工程での重要ポイントを確認し、体系的な品質管理による高品質な開発物件の提供を行っておりますが、万一、建物竣工後、設計・施工上の不具合等に起因する売主としての契約不適合責任(瑕疵担保責任)を問われた場合には、売買契約の錯誤無効や損害賠償請求の訴訟の対象とされる可能性があります。これらの訴訟等の内容及び結果によっては、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、土地については、土地の仕入時及び開発中において一定の調査を行っておりますが、物件の引渡し後に瑕疵が発見され、当社グループが是正又は賠償する必要が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12)新型コロナウイルスの感染症について
新型コロナウイルス感染症の拡大による事業への影響は今後も一定期間続くと想定しており、当社グループの業績への影響を予想することは困難でありますが、株式会社THEグローバル社の株式を売却したことにより、最も影響を受けていた同社のホテル事業が外れ、当該感染症による当社グループの業績への影響は小さくなっていくものと想定しております。しかしながら、今後の経過によっては当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
増減率 |
|
売上高 |
24,932 |
45,920 |
20,987 |
84.2 |
|
営業利益 |
751 |
2,397 |
1,646 |
219.0 |
|
経常利益又は 経常損失(△) |
△479 |
1,498 |
1,978 |
- |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
12 |
2,064 |
2,052 |
- |
|
営業利益率 |
3.0 |
5.2 |
2.2ポイント |
|
(注)親会社株主に帰属する当期純利益は、増減率が1,000%を超えているため、「-」としております。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、ワクチン接種の進展や感染対策の定着を背景に、経済活動の正常化が進み、緩やかながらも景気回復の兆しがみられました。しかしながら、ウクライナ情勢をめぐる各種資源価格の高騰、物価上昇に起因した各国政府における金融政策の変更による急激な円相場の下落により、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループの属する不動産市況においては、建築資材の供給制約にともなう建築コストの上昇や、継続する用地価格高騰の影響等、将来の懸念材料が潜在している一方で、賃貸マンション市場や分譲マンション市場における国内外投資家の購入意欲は依然として高く、販売状況は好調を維持しております。
このような状況のもと、当社グループは強みである不動産開発事業を強化し収益の安定化を図る一方で、将来の収益の多様化、リスク分散の観点からファンド事業や物流開発事業にも参入するなど、事業の拡大、拡張を図ってまいりました。当連結会計年度における当社グループのセグメント別の実績としては、不動産開発事業においては、賃貸マンション38物件(土地での売却を含む)、分譲マンション6物件及びオフィス1物件の売却を行い、不動産ソリューション事業においては、バリューアップ7物件の売却を進めてまいりました。また、ホテル事業においては、1物件の売却を行っております。
この結果、当社グループの当連結会計年度における経営成績は、売上高45,920百万円(前期比84.2%増)、営業利益2,397百万円(前期比219.0%増)、経常利益1,498百万円(前期は479百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益2,064百万円(前期は12百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
なお、当連結会計年度において、連結子会社の株式会社THEグローバル社の全株式を売却し、特別利益1,060百万円を計上しております。
セグメントの業績の概要は、以下のとおりであります。各セグメントの売上高の金額は、セグメント間の内部売上高を含めない数値を記載しております。
(不動産開発事業)
(単位:百万円、%)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
増減率 |
|
売上高 |
20,161 |
36,861 |
16,699 |
82.8 |
|
セグメント利益 |
2,018 |
4,750 |
2,731 |
135.3 |
|
セグメント利益率 |
10.0 |
12.9 |
2.9ポイント |
|
当連結会計年度における売上高は36,861百万円(前期比82.8%増)、セグメント利益は4,750百万円(前期比135.3%増)となりました。
当社グループの不動産開発事業は、賃貸マンション開発及び分譲マンション開発並びにオフィス開発に分かれており、その売上高及びセグメント利益は次のとおりであります。
賃貸マンション開発
(単位:百万円、%)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
増減率 |
|
売上高 |
14,290 |
29,475 |
15,185 |
106.3 |
|
セグメント利益 |
2,286 |
4,205 |
1,918 |
83.9 |
|
セグメント利益率 |
16.0 |
14.3 |
△1.7ポイント |
|
当連結会計年度における売上高は29,475百万円(前期比106.3%増)、セグメント利益は4,205百万円(前期比83.9%増)となりました。
前連結会計年度は30物件を売却いたしました。当連結会計年度においては、38物件を売却いたしました。なお、「OZIO桜新町」「ASTILE麻布十番」は2022年度グッドデザイン賞を受賞し、当社グループの賃貸マンションシリーズは7年連続、通算15度目の受賞となりました。
分譲マンション開発
(単位:百万円、%)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
増減率 |
|
売上高 |
5,836 |
5,865 |
28 |
0.5 |
|
セグメント利益又は セグメント損失(△) |
△93 |
363 |
456 |
- |
|
セグメント利益率 |
- |
6.2 |
- |
|
当連結会計年度における売上高は5,865百万円(前期比0.5%増)、セグメント利益は363百万円(前期は93百万円のセグメント損失)となりました。
前連結会計年度においては、分譲マンション5物件及び戸建て11戸を売却いたしました。当連結会計年度においては分譲マンション6物件を売却いたしました。
オフィス開発
(単位:百万円、%)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
増減率 |
|
売上高 |
35 |
1,520 |
1,485 |
- |
|
セグメント利益又は セグメント損失(△) |
△174 |
181 |
356 |
- |
|
セグメント利益率 |
- |
12.0 |
- |
|
(注)売上高は、増減率が1,000%を超えているため、「-」としております。
当連結会計年度における売上高は1,520百万円(前期は35百万円)、セグメント利益は181百万円(前期は174百万円のセグメント損失)となりました。前連結会計年度においてはオフィス物件の売却はありませんでした。当連結会計年度においては1物件を売却いたしました。また、開発物件において賃料収入を得ております。
(不動産ソリューション事業)
(単位:百万円、%)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
増減率 |
|
売上高 |
4,171 |
7,747 |
3,576 |
85.7 |
|
セグメント利益 |
959 |
914 |
△45 |
△4.7 |
|
セグメント利益率 |
23.0 |
11.8 |
△11.2ポイント |
|
当連結会計年度における売上高は7,747百万円(前期比85.7%増)、セグメント利益は914百万円(前期比4.7%減)となりました。当社グループの不動産ソリューション事業は、バリューアップ事業並びに不動産コンサルティング、不動産仲介等に分かれており、その売上高及びセグメント損益は次のとおりであります。
バリューアップ
(単位:百万円、%)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
増減率 |
|
売上高 |
4,123 |
7,447 |
3,324 |
80.6 |
|
セグメント利益 |
1,009 |
963 |
△45 |
△4.5 |
|
セグメント利益率 |
24.5 |
12.9 |
△11.6ポイント |
|
当連結会計年度における売上高は7,447百万円(前期比80.6%増)、セグメント利益は963百万円(前期比4.5%減)となりました。
前連結会計年度においては、5物件を売却いたしました。当連結会計年度においては7物件を売却いたしました。
不動産コンサルティング、不動産仲介、その他
(単位:百万円、%)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
増減率 |
|
売上高 |
48 |
299 |
251 |
523.9 |
|
セグメント損失(△) |
△49 |
△49 |
0 |
- |
|
セグメント利益率 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度における売上高は299百万円(前期比523.9%増)、セグメント損失は49百万円(前期は49百万円のセグメント損失)となりました。
主に不動産ソリューション事業におけるバリューアップ以外の事業を集約しております。
(ホテル事業)
(単位:百万円、%)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
増減率 |
|
売上高 |
43 |
480 |
436 |
- |
|
セグメント損失(△) |
△1,150 |
△1,131 |
19 |
- |
|
セグメント利益率 |
- |
- |
- |
|
(注)売上高は、増減率が1,000%を超えているため、「-」としております。
当連結会計年度における売上高は480百万円(前期は43百万円)、セグメント損失は1,131百万円(前期は1,150百万円のセグメント損失)となりました。
前連結会計年度においてはホテル物件の売却はありませんでした。当連結会計年度においては1物件を売却いたしました。
(その他事業)
(単位:百万円、%)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
増減率 |
|
売上高 |
555 |
830 |
275 |
49.5 |
|
セグメント損失(△) |
△191 |
△587 |
△396 |
- |
|
セグメント利益率 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度における売上高は830百万円(前期比49.5%増)、セグメント損失は587百万円(前期は191百万円のセグメント損失)となりました。
② 財政状態の状況
(単位:百万円、%)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
増減率 |
|
総資産 |
67,040 |
52,591 |
△14,448 |
△21.6 |
|
負債 |
42,121 |
26,536 |
△15,584 |
△37.0 |
|
純資産 |
24,918 |
26,055 |
1,136 |
4.6 |
|
自己資本比率 |
34.8 |
47.6 |
12.8ポイント |
|
当連結会計年度末における総資産の残高は、前連結会計年度末に比べ14,448百万円減少し、52,591百万円となりました。主な要因といたしましては、現金及び預金、匿名組合出資金がそれぞれ2,441百万円、2,248百万円増加し、貸倒引当金の減少により4,384百万円増加したものの、販売用不動産、投資その他の資産のその他がそれぞれ18,788百万円、4,881百万円減少したこと等によるものであります。
なお、増減要因のうち当連結会計年度において株式会社THEグローバル社の株式を売却し連結子会社から外れたことによる同社の前連結会計年度末残高の減少による当連結会計年度末残高への影響額は、現金及び預金、貸倒引当金、販売用不動産、投資その他の資産のその他がそれぞれ1,028百万円、4,418百万円、20,716百万円、5,105百万円減少したこと等によるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ15,584百万円減少し、26,536百万円となりました。主な要因といたしましては、短期借入金、1年内償還予定の社債及び社債、1年内返済予定の長期借入金及び長期借入金がそれぞれ1,880百万円、1,840百万円、10,495百万円減少したこと等によるものであります。
なお、増減要因のうち株式会社THEグローバル社の株式売却による当連結会計年度末残高への影響額は、短期借入金、1年内償還予定の社債及び社債、1年内返済予定の長期借入金及び長期借入金がそれぞれ2,492百万円、1,840百万円、18,093百万円減少したこと等によるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1,136百万円増加し、26,055百万円となりました。主な要因といたしましては、株式会社THEグローバル社の株式売却の影響により非支配株主持分が568百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等の影響により利益剰余金が1,674百万円増加したこと等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、16,722百万円の支出(前期は1,117百万円の収入)となりました。主な要因として、税金等調整前当期純利益が2,644百万円あったものの、棚卸資産の増加額、関係会社株式売却益がそれぞれ△19,317百万円、△1,060百万円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、4,864百万円の収入(前期は2,117百万円の収入)となりました。主な要因として、匿名組合出資金の払込による支出が3,009百万円あったものの、債権譲渡による収入、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入がそれぞれ5,568百万円、1,156百万円、1,072百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、14,362百万円の収入(前期は2,300百万円の収入)となりました。主な要因として、長期借入金の返済による支出15,630百万円があったものの、長期借入れによる収入、短期借入金の純増額がそれぞれ23,407百万円、7,106百万円あったこと等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
1) 生産及び受注実績
当社グループの「不動産開発事業」「不動産ソリューション事業」「ホテル事業」及び「その他事業」は、生産及び受注実績を定義することが困難であるため、生産及び受注実績の記載はしておりません。
2) 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年10月1日 至 2022年9月30日) |
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金額(百万円) |
前年同期比(%) |
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不動産開発事業 |
18,343 |
343.0 |
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不動産ソリューション事業 |
19,796 |
596.4 |
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ホテル事業 |
- |
- |
|
その他事業 |
4,370 |
- |
|
合計 |
42,509 |
490.5 |
(注)当連結会計年度のセグメント間の取引はありません。
3) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年10月1日 至 2022年9月30日) |
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金額(百万円) |
前年同期比(%) |
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不動産開発事業 |
36,861 |
182.8 |
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不動産ソリューション事業 |
7,747 |
185.7 |
|
ホテル事業 |
480 |
- |
|
その他事業 |
830 |
149.5 |
|
合計 |
45,920 |
184.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年10月1日 至 2021年9月30日) |
当連結会計年度 (自 2021年10月1日 至 2022年9月30日) |
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金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
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A社 |
- |
- |
8,530 |
18.6 |
※A社との間で守秘義務を負っているため、社名の公表は控えさせていただきます。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、決算日における資産及び負債の報告のうち、報告期間における収入、費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に棚卸資産の評価、有形固定資産の評価、投資有価証券の評価、貸倒引当金、繰延税金資産の回収可能性及び法人税等であり、継続して評価を行っております。
なお、見積り及び判断、評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループは、不動産開発事業において賃貸マンション38物件、分譲マンション6物件、オフィス1物件、不動産ソリューション事業においてバリューアップ7物件、ホテル事業においてホテル1物件の売却等を行いました。
この結果、当社グループの当連結会計年度における経営成績は、新型コロナウイルス感染症による影響が顕著となったホテル事業の低迷等はあったものの、特に不動産開発事業において前連結会計年度を大きく上回る結果となり、売上高45,920百万円(前期比84.2%増)、営業利益2,397百万円(前期比219.0%増)、経常利益1,498百万円(前期は479百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益2,064百万円(前期は12百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
なお、当連結会計年度において、連結子会社の株式会社THEグローバル社の全株式を売却し、特別利益1,060百万円を計上しております。
1) 売上高
当連結会計年度における売上高は45,920百万円となり、前期において連結子会社となった株式会社THEグローバル社の好調もあり、前期と比較して20,987百万円の大幅な増加となりました。
なお、セグメント別の詳細につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」をご参照下さい。
2) 売上原価・売上総利益
当連結会計年度における売上原価は38,059百万円となり、前期と比較して17,728百万円の増加となりました。これは売上高の増加に比例して増加したものとなります。
また、当連結会計年度における売上総利益は7,860百万円となり、前期と比較して3,259百万円の増加となりました。
売上総利益については前期と比較して、不動産開発事業において3,086百万円増、不動産ソリューション事業において182百万円増、ホテル事業において262百万円増、その他事業において271百万円減となりました。
3) 販売費及び一般管理費・営業利益
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は5,462百万円となり、前期と比較して1,613百万円の増加となりました。
主な要因として、前期の途中で連結子会社となった株式会社THEグローバル社の販売費及び一般管理費が前期と比較して1,611百万円の増加となったこと等によるものであります。
これらの結果、当連結会計年度の営業利益は、2,397百万円となり、前期と比較して1,646百万円の増加となりました。
4) 営業外損益・経常利益
当連結会計年度における営業外収益は400百万円となり、前期と比較して230百万円の増加となりました。
主な要因として、株式会社THEグローバル社において債権の回収が行われたことによる貸倒引当金戻入額の計上により175百万円が増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度における営業外費用は1,299百万円となり、前期と比較して101百万円の減少となりました。
主な要因として、支払利息が362百万円増加したものの、貸倒引当金繰入額、支払手数料がそれぞれ257百万円、128百万円減少したこと等によるものであります。
これらの結果、当連結会計年度の経常利益は1,498百万円(前期は479百万円の経常損失)となりました。
5) 特別損益・当期純利益
当連結会計年度における特別利益は1,149百万円となり、前期と比較して1,105百万円の増加となりました。
主な要因として、株式会社THEグローバル社の全株式を売却したことにより関係会社株式売却益1,060百万円を計上したこと等によるものであります。
当連結会計年度における特別損失は4百万円となり、前期と比較して241百万円の減少となりました。
主な要因として、前期は出資金評価損192百万円を計上したこと等によります。
これらの結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は2,644百万円(前期は679百万円の税金等調整前当期純損失)となり、法人税等を計上し、非支配株主に帰属する当期純利益を減算した結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は2,064百万円となり、前期と比較して2,052百万円の増加となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主な資金需要は、開発用地の取得費及び建築費、バリューアップ物件並びにホテル開発用地の取得費のほか、各事業における販売費及び一般管理費等の運転資金であります。
これらの資金需要に対し必要な資金を安定的に確保するため、プロジェクトごとに調達金額、期間、金利等の条件を比較のうえ借入れ先を選択し、主に金融機関より、計画的に資金の調達を行っております。
当連結会計年度において締結した、経営上の重要な契約は以下のとおりであります。
(株式会社THEグローバル社の株式売却に関する契約)
当社は、2022年8月23日開催の取締役会において、当社の連結子会社である株式会社THEグローバル社の株式をSBIホールディングス株式会社に対して譲渡することを決議し、同日付で譲渡先との間で株式譲渡契約を締結いたしました。当該譲渡契約に基づき、2022年9月21日に全株式の譲渡が完了いたしました。本件株式譲渡により、グローバル社は当社の連結の範囲から除外しております。また、本株式譲渡により当連結会計年度において1,060百万円の関係会社株式売却益を特別利益として計上しております。
該当事項はありません。