第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の異常な変動等又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。なお、重要事象等は存在しておりません。
 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 業績の状況

当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に係る各種制限の段階的な緩和により、経済社会活動が正常化し、個人消費を中心に緩やかな回復基調となりました。一方で、資源・原材料高による世界的なインフレに対処するため欧米を中心とした各国の中央銀行が金融引き締めを続けており、海外景気の下振れリスクが高まっています。

このような経済環境のもと受託臨床検査業界におきましては、2年毎に実施されている診療報酬改定年度に当たらず、検体検査に係る保険点数(公定価格)の引き下げはなかったものの業者間競争が続いていることから事業環境は引き続き厳しい状況にあります。

こうした中で、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高35,272百万円(前年同期比12.9%減)、営業利益2,667百万円(前年同期比61.1%減)、経常利益2,766百万円(前年同期比59.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,796百万円(前年同期比62.0%減)となりました。当社グループにおきましては、既存検査の受託数・売上高は増加しているものの、新型コロナウイルス関連の検査数が減少したことで売上高及び利益ともに減少しました。

以下に事業別の概況を報告いたします。

臨床検査事業につきましては、新規獲得を図るとともに、既存ユーザーに対する新規検査項目・独自検査項目・重点検査項目拡販等の深耕営業を実施することで業績の拡大を図りました。しかしながら、新型コロナウイルス関連検査数の減少の影響が大きく、臨床検査事業の売上高は前年同期比14.3%の減収となりました。

食品衛生事業につきましては、社会経済活動の規制が緩和されたことで、コロナ禍前の環境に戻りつつあります。このような中、食品コンサルティング・微生物検査等の食品衛生売上高が堅調に推移したことで、売上高は前年同期比3.5%の増収となりました。

以上の結果、検査事業の売上高は前年同期比13.8%の減収となりました。

医療情報システム事業では、クラウド版電子カルテの販売が概ね計画通りに進捗していることや、前年から引き続きオンライン資格確認の導入を実施していることで、前年同期比10.7%の増収となりました。また、保守売上高につきましても設置台数の増加に伴い堅調に推移しています。

その他事業の売上高につきましては、調剤薬局事業で診療報酬(薬価)引き下げの影響はあるものの各種感染症の流行に伴い小児患者が増加したことで処方箋枚数が増加しました。これにより、前年同期比9.1%の増収となりました。

 

 

 

(2) 財政状態の分析

 資産、負債及び純資産の状況

当第1四半期連結会計期間末の連結財政状態は、総資産167,033百万円(前期末比1,910百万円減)、純資産125,823百万円(前期末比927百万円減)、自己資本比率72.9%(前期末比0.4%増)となっています。

主な増減項目は、資産の部では流動資産で現金及び預金が6,496百万円減少した一方、有形固定資産合計が4,391百万円増加しています。負債の部では流動負債で支払手形及び買掛金が778百万円、賞与引当金が691百万円減少しています。純資産の部では自己株式が617百万円増加した一方、利益剰余金が1,337百万円減少しています。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は64百万円であります。

当第1四半期連結累計期間の研究開発成果としては、遺伝性結合組織疾患(HCTD)のNGSパネル解析による検査を2023年5月から受託開始したことが挙げられます。この検査は、信州大学医学部附属病院遺伝子医療研究センター(古庄知己センター長)との技術連携で行われております。

HCTDは、皮膚や関節、血管などの結合組織に様々な症状を示す疾患として知られており、5つの疾患(血管型エーラス・ダンロス症候群、古典型エーラス・ダンロス症候群、マルファン症候群、ロイス・ディーツ症候群および家族性大動脈瘤・解離)の診断には遺伝学的検査が有用です。

さらに関連する鑑別疾患としてオスラー病(遺伝性出血性末梢血管拡張症)の3種類の原因遺伝子や、骨形成不全症の90%以上の症例で原因遺伝子となるⅠ型コラーゲンの遺伝子(COL1A1, COL1A2)の変異、およびⅠ型コラーゲン以外の13種類の原因遺伝子についても一緒にパネル解析します。

これらの疾患で原因と考えられる遺伝子の解析には、遺伝学的検査(D006-4)として8000点もしくは5000点の保険点数を適用させることが可能です。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。