当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当社は、「データとICTの力で、持続可能なヘルスケアシステムを実現する」ことを目指して、日本のヘルスケア業界の多様なデータを結集し、社会に還元することを通じて、生活者の健康増進や医療プロバイダーの価値向上・業務最適化を支援しております。
ヘルスビッグデータセグメントは、健康保険組合の保健事業を推進するため、保険者が保有するデータの分析サービスの他、当社開発のPHRサービスを提供しております。また、医療機関に対しても医療データ分析サービス、診療報酬ファクタリングサービスの他、薬剤DBの提供等を行っております。さらに、こうした業務の付帯として受領した匿名加工情報をデータベース化し、学術・産業利用を進めております。
遠隔医療セグメントは、放射線診断専門医が不足している医療機関と契約読影医を遠隔読影システムでつなぐマッチングサービスの他、医療機関と放射線診断専門医をクラウドでつなぎ、遠隔での画像診断を可能としたASPサービスを提供しております。
調剤薬局支援セグメントは、保険薬局に対してレセコン及び電子薬歴システムなどのシステム開発・販売事業を行っております。
当第1四半期連結累計期間の業績は、以下のとおりであります。
(当期の業績) (単位:百万円)
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区 分 |
第10期 第1四半期連結累計期間 (自 2022年4月1日 至 2022年6月30日) |
第11期 第1四半期連結累計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年6月30日) |
比較増減 |
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売上収益 |
5,776 |
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6,698 |
|
+921 |
+16.0% |
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営業利益 |
1,081 |
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2,546 |
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+1,464 |
+135.5% |
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EBITDA(マージン) |
1,521 |
(26.3%) |
1,679 |
(25.1%) |
+158 |
+10.4% |
(セグメントの業績) (単位:百万円)
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区 分 |
第10期 第1四半期連結累計期間 (自 2022年4月1日 至 2022年6月30日) |
第11期 第1四半期連結累計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年6月30日) |
比較増減 |
||||
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ヘルスビッグデータ |
セグメント売上収益 |
3,749 |
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4,497 |
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+747 |
+19.9% |
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セグメント利益(率) |
1,124 |
(30.0%) |
1,294 |
(28.8%) |
+170 |
+15.1% |
|
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遠隔医療 |
セグメント売上収益 |
1,175 |
|
1,307 |
|
+131 |
+11.2% |
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セグメント利益(率) |
439 |
(37.4%) |
448 |
(34.3%) |
+9 |
+2.1% |
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調剤薬局支援 |
セグメント売上収益 |
910 |
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969 |
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+59 |
+6.5% |
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セグメント利益(率) |
47 |
( 5.3%) |
87 |
(9.1%) |
+40 |
+83.7% |
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調整額 |
セグメント売上収益 |
△58 |
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△76 |
|
△17 |
- |
|
セグメント利益 |
△90 |
|
△151 |
|
△60 |
- |
|
|
合計 |
売上収益 |
5,776 |
|
6,698 |
|
+921 |
+16.0% |
|
EBITDA(マージン) |
1,521 |
(26.3%) |
1,679 |
(25.1%) |
+158 |
+10.4% |
|
(注)当社グループの経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、EBITDAがあります。当社グループは、EBITDAを用いて各セグメントの業績を測定しており、当社グループの業績評価をより効果的に行うために有用かつ必要な指標であると考えております。EBITDA及びEBITDAマージンの計算式は以下のとおりです。
・EBITDA :営業利益+減価償却費及び償却費±その他の収益・費用
・EBITDAマージン:EBITDA/売上収益×100
当第1四半期連結累計期間において、当社の調剤薬局支援セグメントの構成要素である株式会社ユニケソフトウェアリサーチ及びその管理目的会社の全株式を、当社の業務提携先である株式会社EMシステムズに譲渡しております。本譲渡等により、その他の収益として1,458百万円を計上した結果、営業利益が前年同期比で大幅に増加しております。
各セグメントの状況は以下のとおりです。
[ヘルスビッグデータ]
当社グループは健康保険組合より寄せられたレセプト(入院、外来、調剤)、健診データ及び加入者台帳を匿名加工することで、民間利用可能な国内最大規模のヘルスビッグデータを有しております。当第1四半期連結累計期間においても取引先健康保険組合数、利活用先である製薬企業及び保険会社の1顧客あたりの年間取引額はそれぞれ前年同期比ベースで継続して増加しており、事業は拡大を続けております。
また、当社開発の健康情報プラットフォーム「PepUp」(ペップアップ)により、上記のヘルスビッグデータに基づいて、一人ひとりのユーザーに合わせた個別アドバイスや疾病リスク表示を行っております。PepUpの発行ID数は当連結会計年度においても拡大を続けております。
上記の事業拡大に加え、2023年6月には、業界団体を超えた健康経営の実践に取り組む148社・団体が集結し、「健康経営アライアンス」が本格始動いたしました。同アライアンスは2023年度中に300社の参画を目指すとともに、健康経営の評価指標の設計、データ分析に基づく健康経営アセスメントの作成、各種ソリューションの情報プラットフォームの構築、勉強会/セミナーの開催等の取り組みをおこなっていくことで健康経営の型づくりと成果創出のためのソリューションの共創および産業界への実装を実現していく予定であります。
この結果、当第1四半期連結累計期間のセグメント売上収益は、4,497百万円となり、セグメント利益(セグメントEBITDA)は1,294百万円となりました。
[遠隔医療]
当社グループは国内最大の放射線診断専門医プラットフォームを有しております。当第1四半期連結累計期間においては、遠隔読影サービスを利用する医療機関数が引き続き拡大した結果、売上収益は前年同期比ベースで増収となりました。
なお、画像診断をアシストする人工知能エンジンプラットフォーム「AI―RAD」の機能追加や中国を含む海外での事業展開を本格化するための準備等、事業拡大のための施策は引き続き進めております。
この結果、当第1四半期連結累計期間のセグメント売上収益は、1,307百万円となり、セグメント利益(セグメントEBITDA)は448百万円となりました。
[調剤薬局支援]
当第1四半期連結累計期間においては、既存顧客の買換え(リプレース)需要を確保しつつ、新規顧客の開拓に努めてまいりました。調剤薬局を取り巻く環境はデジタル化を進めながら競争が激しさを増しております。
上記の状況の中、当社の調剤薬局支援セグメントの構成要素である株式会社ユニケソフトウェアリサーチ及びその管理目的会社について、2023年6月にその全株式を当社の業務提携先である株式会社EMシステムズに譲渡いたしました。本譲渡により、これまで行ってきた両社の取り組みを更に加速させることでより一層質の高いサービスの提供と、薬局市場において新たな旋風を巻き起こし占有率を高めてまいります。
この結果、当第1四半期連結累計期間のセグメント売上収益は、969百万円となり、セグメント利益(セグメントEBITDA)は87百万円となりました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上収益は6,698百万円、営業利益は2,546百万円、EBITDAは1,679百万円の増収増益となりました。なお、EBITDAから営業利益への調整は以下のとおりであります。
(EBITDAから営業利益への調整表)
(単位:百万円)
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第10期 第1四半期連結累計期間 (自 2022年4月1日 至 2022年6月30日) |
第11期 第1四半期連結累計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年6月30日) |
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EBITDA |
1,521 |
1,679 |
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減価償却費及び償却費 |
△444 |
△551 |
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その他の収益 |
19 |
1,458 |
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その他の費用 |
△14 |
△40 |
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営業利益 |
1,081 |
2,546 |
② 財政状態の状況
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における資産は、前連結会計年度末と比べ1,043百万円減少し97,523百万円となりました。主な変動として、新規連結子会社の取得等に伴い、のれんが1,184百万円増加した一方で、営業債権及びその他の債権が1,654百万円減少しております。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末と比べ2,360百万円減少し31,682百万円となりました。これは主に、未払法人所得税が納付により661百万円、営業債務及びその他の債務が924百万円それぞれ減少したことによります。
(資本)
当第1四半期連結会計期間末における資本は、前連結会計年度末と比べ1,316百万円増加し65,841百万円となりました。これは主に、四半期利益2,040百万円を計上した一方で、配当金754百万円を計上したことによります。
③ キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ247百万円増加し、23,029百万円となりました。
当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間における税引前四半期利益は2,552百万円となり、前年同期比ベースで1,432百万円増加しております。また、減価償却費及び償却費551百万円、営業債権及びその他の債権の減少額1,509百万円を計上する一方で、その他の収益1,458百万円、法人所得税の支払額1,191百万円、営業債務及びその他の債務の減少額701百万円等を計上した結果、営業活動から得られた資金は、1,439百万円となりました。なお、その他の収益は前連結会計年度まで「その他」に含めておりましたが、重要性が増したことにより見直しを行い、当第1四半期連結会計期間より独立掲記しております。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替を行っております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,465百万円となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,450百万円を計上したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、273百万円となりました。これは主に、短期借入れによる収入1,701百万円を計上した一方で、配当金の支払額751百万円、長期借入金の返済による支出529百万円を計上したことによるものであります。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は67百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)従業員数
急速に拡大する事業機会を取り込むため、積極的な人員増強、体制強化を行っております。一方で、当第1四半期連結累計期間において、当社の調剤薬局支援セグメントの構成要素である株式会社ユニケソフトウェアリサーチが連結除外となった結果、当第1四半期連結会計期間末における従業員数は、前連結会計年度末に比べ31名減少し、1,315名となりました。セグメント別の従業員数は次のとおりであります。
(単位:名)
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セグメントの名称 |
第10期 連結会計年度 (2023年3月31日) |
第11期 第1四半期連結会計期間 (2023年6月30日) |
増減 |
|
ヘルスビッグデータ |
1,022 |
1,123 |
+101 |
|
遠隔医療 |
120 |
123 |
+3 |
|
調剤薬局支援 |
201 |
66 |
△135 |
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全社(共通) |
3 |
3 |
- |
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合計 |
1,346 |
1,315 |
△31 |
(注)1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であります。
2.全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない従業員数であります。
(7)経営成績に重要な影響を与える要因
当第1四半期連結累計期間において、経営成績に重要な影響を与える要因について重要な変更はありません。
(8)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの資本の財源及び資金の流動性について重要な変更はありません。
当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。